文香「本は食べ物じゃありません!!」 (129)

スタッフ「はい、オッケー!以上で撮影は終了となります!」

スタッフ「皆さん、お疲れ様でしたー!!」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1498109299

カメラマン「いやー、お疲れ文香ちゃん。なかなかいい写真撮れたよー!」

文香「…お疲れ様です。…長い時間お付き合いいただき、ありがとうございました」

カメラマン「いやいや、こちらこそ撮影しがいがあってとても楽しかっよ。文香ちゃんが被写体だといつまでも撮ってても飽きないねえ」

文香「…そんな…私なんか全然…」

カメラマン「またまた謙遜しちゃってー。じゃあ、我々はこれから会社に戻って写真のチェックがあるので次に会う機会があったらまたよろしくたのむよ!」

文香「…はい、お疲れ様でした」

P「文香、お疲れ」

文香「あっ…お疲れ様です、プロデューサーさん…」

P「いい仕事ぶりだったな」

文香「…そうですね。…皆さんの仕事に対する誇り…写真に対する思いや情熱が、あのように形として表れてくるんですね。…本当に素晴らしい方達です」

P「…ん?いや、あの人達じゃくてお前のことなんだが…」

文香「えっ…私ですか?」

P「ああ。撮影時の表情にお前ね仕事に対する情熱が満ち溢れてたぞ。文香のおかげでとても良い写真が出来上がるだろうな」

文香「…そ、そんな…それはカメラマンさんやスタッフさんのお力によるものです。…私は何も…」

P「確かにそれが主な要因だが、あの人達の撮影に対する情熱を引き出したのは文香の魅力によるものだよ。お前の魅力がよりあの人達のポテンシャルを引き出したのだと俺は思っている」

文香「…私の…魅力?」

P「俺の目は間違っていなかった。お前は俺にとって自慢のアイドルだ」

文香「……ありがとうございます。…とても嬉しいです」

スタッフ「プロデューサーさん、そろそろ始めますよー!」

P「…!はい、すぐに行きます!」

P「すまない文香、これから次回の撮影についてミーティングがあるから行ってくる」

文香「…お時間かかりそうですか?」

P「おそらく…約1時間くらいで終わると思うから少し待っててもらえるか?」

文香「…はい、わかりました」

P「…あ、なんなら近くを散歩してきてもいいぞ。何やらこの付近に本屋があるらしくて…」

文香「本屋!!」キュン

P「…」

文香「…あっ」

P「…」ニヤニヤ

文香「…う、うんっ!///」

文香「…少し興味はあります」

P「決まりだな。じゃ、終わりしだい連絡するからゆっくりしてこい」

文香「…静かな町ですね。…とても心地よい雰囲気です」

文香「…このような町の本屋…さぞ落ち着いたお店なのでしょうね…」

文香「…あちらにあるのは喫茶店でしょうか?…どうやらお休みみたいですが…」

文香「…あっ…奥にもお店があるみたいですね」

文香「…!ここは…」

文香「……古本屋、ひととせ」

文香(ここがプロデューサーさんが話してた本屋でしょうか…?どうやら古書店みたいですけど…)

文香(…少し覗いてみましょう)

文香「…」チラッ

「くー…くー…」

文香(…!…女の子がレジで寝ています。…店員さんでしょうか?)

「……はっ!?」

「…い、いけないいけない。店番中にうたた寝してしまうとは…」

文香(…どうやら店員さんみたいですね。…ふふっ、可愛らしいお方です)

ぐぅー

文香(…!?)

「うっ…ひと眠りした影響かお腹が空きましたね…」

文香(あ、先ほどの音はあの方のお腹が鳴った音でしたか…)

「しかし夕飯までにはまだ時間が…」



「……こうなったら仕方ありませんね」スッ…

文香(…?何をするのつもりなのでしょう…)

ガサガサ…

「よし、今日はこれにしましょう!」バッ!

文香(……本を手に取りました…)

文香(あ、そうか…。読書で気を紛らわすつもりなのですね…。なかなか効果的な方法だと思います…)

文香(確かに物語の中に入り込んでしまうと現実の事が疎かになりますからね…。私も食事を取らずに本に集中しすぎてプロデューサーさんによく叱られてますし…)

文香(一体どのような本をご覧に…)

「…」ムシャムシャ…

文香「」

「んー…なかなかマイルドです」

文香「なっ…なっ…」

バンッ

文香「本は食べ物じゃありません!!」

くいな「!?」

文香「はぁ…はぁ…」

文香「……はっ!」

くいな「…い、いらっしゃいませー」

というわけで「デレマス」×「ひなこのーと」クロスSSです。
登場キャラは文香(とP)とひなこのーと主要メンバー5人を出す予定です。

時間が空いた時にちまちま書いていきます。
誤字脱字、キャラの違和感等あるかもしれませんが遅筆なりに頑張るのでよろしくお願いします。

とりあえず一度休憩に入ります。

再開します。

文香「…す、すみません。…いきなり怒鳴るように入ってしまい…」

くいな「いえ…こちらこそお見苦しい姿を見せてしまい申し訳ありません。ははは…」

文香「…」シーン

くいな「…」シーン

文香「……あの」

くいな「は、はい!なんでしょうか!?」ビクッ
文香「…ここは…本屋でよろしかったでしょうか?」

くいな「あ、はい。主に古本を取り扱っています」

文香「…」ハァ…

文香(店の中に古書の香りが立ち込めてます…。なんとも心地よいですね…)

文香「…いいお店だと思います」

くいな「…!ありがとうございます!」

文香「…少し手に取ってもよろしいでしょうか?」

くいな「どうぞ、好きなだけ読んでいって下さい」

文香「…」スッ

文香「…」ペラッ…


くいな「…」ムシャムシャ…


文香「…」スッ

文香「…」ペラッ…


くいな「…」ムシャムシャ…


文香「…」スッ

文香「…」ペラッ…


くいな「…」ムシャムシャ…


文香「…」

文香「…あの」

くいな「はい、何か気になる物でも?」

文香「…先ほどからその…本を食されているのは、何なのでしょうか?」

くいな「えっ、これですか?」

文香「…」コクッ

くいな「これは…」



くいな「食事です!!」

文香「…食事」

文香「……すみません、そちらの本を見せてもらってもよろしいですか?」

くいな「えっ、私が持ってる本をですか?」

文香「…はい」

くいな「食べかけですけどよろしいんですか!?」

文香「…知ってます」

文香「………」ペラッ…

文香(この店の本…何か特殊な素材で出来ているのかと思い何冊か手に取りましたが、いたって普通の本でした…)

文香(そしてこのかじられた本…この本にも特に目立った所はありません…。つまりこれは…!)





文香「……店員さんは手品師か何かでしょうか?」

くいな「いえ、普通の女子高生ですけど…」

文香「えっ…!…じゃあ本当に本を食べてらしたのですか?」

くいな「はい、大変美味でした」

文香(味があるのですか…?)

文香「…な、なぜそのような事を?」

くいな「そうですね…。お腹が空いていたのもありますが…」

くいな「この本がとても良い作品だからです!」

文香(全然分かりません…)

くいな「実は私、昔から本を読むのが大好きで、本を読んでいると夢中になってしまい…」

くいな「その内に段々と本が自分の子供みたいに思えてきちゃって、可愛くて目が離せなくなるといいますか…」

文香(本が可愛い…。少し、分かる気がします…)

くいな「もう本当に食べてしまうくらい可愛く思ってしまって…」

文香(でもその気持ちは全く分かりません…)

文香「…つまりあれは、本の愛おしさ故におこなった愛情表現だったと…」

くいな「はい…お恥ずかしながら…///」

文香(そのような感情表現をする方がおられるとは…。世界はまだまだ広いようです…)



文香(ですが…)

文香「…あの…個人の感情表現の仕方なのであまり口に出すべき事では無いのですが、言わせていただきます」

くいな「?」

文香「…本は本来食べる物ではありません。…食べた紙の成分で体に影響を及ぼしますし、健康を損なう可能性が大いにあります。…はっきり言ってお勧めはできません」ゴゴゴゴ…

くいな「うっ…」

文香「…それに、本を書いた作者もこのような用途で扱われる為に本を書いたのではありません。…自分の作品を読んで人を楽しませたい、人を笑顔にしたいという思いで作品を作ったはずです。…店員さんの行為は、こういった作者の気持ちを踏みにじることになります。…本が好きな者として、このような行為には怒りを覚えざるをえません」ゴゴゴゴ…

くいな「お、仰る通りです…。でも私…こればかりは自分でもどうにもできなくて…」

文香「……ですが、店員さんの気持ちを無視することもできません」

くいな「!」

文香「…店員さんの『本が好き』、『本が大切』という思いがあのような形で表れるのなら、それを無理に抑圧する事は良くありません。…感情を抑えつける事で店員さんが本を楽しく読めなくなるかもしれません。…そうなってしまっては、同じ本が好きな者として、とても悲しいですから…」

くいな「お、お姉さん…」

文香「…ですので、今度本を食べくなってしまったら…」

文香「…その本の作者に直接お許しを得てから召し上がるようにしましょう。…あと、本を食べ終えたあとは病院に行き精密な検査を受けて次回の食事に向けての健康管理を…」

くいな「あの、私が食べてるの主に古本なので作者基本亡くなってます」

文香「へっ…?……あっ!」

くいな「いやー、お姉さん最初すごく清楚で高嶺の花のような御方だと思っていましたが…」

くいな「話してみるとすごく面白い方ですね」

文香「おもっ!?///」

くいな「分かりました。古本は無理ですけど新しい本で食べたい物があったら作者さんに許可を貰いますね」

文香「…さ、先ほどの発言は忘れて下さい!…お願いします」

ひな子「くーちゃん、ただいまー」
くいな「あっ、ひなちゃん。おかえりなさいです」
文香「…ひなちゃん?」
ひな子「ひ、ひゃいっ!?お、お客様ぁーっ!?」
文香「!?」
くいな「あっ、ひなちゃんがかかしに!」
くいな「大丈夫ですよーひなちゃん。このお姉さんは怖くないですよー」


すみません。
投稿ミスです。

くいな「分かりました。古本は無理ですけど新しい本で食べたい物があったら作者さんに許可を貰いますね」

文香「…さ、先ほどの発言は忘れて下さい!…お願いします!」

ガチャ

ひな子「くーちゃん、ただいまー」

くいな「あっ、ひなちゃん。おかえりなさいです」

文香「…ひなちゃん?」

ひな子「ひ、ひゃいっ!?お、お客様ぁーっ!?」ピキーン!

文香「!?」

くいな「あっ、ひなちゃんが緊張でかかしに!」
くいな「大丈夫ですよーひなちゃん。このお姉さんは怖くないですよー」

ひな子「あっ……いっ…いらっ…いらっひゃ…」←(いらっしゃいませと言おうとしている)

チュン チュン

鳥太郎(ひな子、落ち着け!)

文香(あっ…小鳥が集まってきました…)

くいな「分かりました。古本は無理ですけど新しい本で食べたい物があったら作者さんに許可を貰いますね」

文香「…さ、先ほどの発言は忘れて下さい!…お願いします!」

ガチャ

ひな子「くーちゃん、ただいまー」

くいな「あっ、ひなちゃん。おかえりなさいです」

文香「…ひなちゃん?」

ひな子「ひ、ひゃいっ!?お、お客様ぁーっ!?」ピキーン!

文香「!?」

くいな「あっ、ひなちゃんが緊張でかかしに!」

くいな「大丈夫ですよーひなちゃん。このお姉さんは怖くないですよー」

ひな子「あっ……いっ…いらっ…いらっひゃ…」←(いらっしゃいませと言おうとしている)

チュン チュン

鳥太郎(ひな子、落ち着け!)

文香(あっ…小鳥が集まってきました…)

ひな子「ひゃっ、ひゃじめまひて…!しゃくらぎ(桜木)、ひっ、ひな子でしゅ!」

くいな「すみません、ひなちゃんすごく人見知りなもので…」

文香「…いえ、お気になさらず」

くいな「ほーらひなちゃん。優しいお姉さんでしょ」

ひな子「ふえぇ…」(弱パニック状態)

文香(……なぜでしょう?あの方からは親近感のようなものを感じます…)

文香(…私も昔、人見知りだったからでしょうか?)

文香「…なるほど、名前が『ひな子』だから『ひなちゃん』ですか」

くいな「はい、すごく可愛い名前ですよね」

文香「…では、『くーちゃん』と言うのは店員さんのことでしょうか?」

くいな「はい。そういえば自己紹介をしてませんでしたね」

くいな「『夏川くいな』です。藤宮女子高校一年で古本屋ひととせの店員をやっています」

文香「…くいなさんですか。…素敵な名前ですね」

くいな「好きな物は本と食べることです!」

文香「…それは知ってます」

くいな「お姉さんは何というお名前ですか?」

文香「…!」

文香(どうしましょう…。私はアイドル…無闇に自分の身分を明かすべきではありませんし、プロデューサーさんにも控えるよう言われています…)

文香(でも、この方達は私の事に気付いてない様子…。本名を名乗っても問題はないのでは…?)

文香(ですが、私の正体を知って騒ぎになる可能性もあります…。一体どのようにすれば…)

文香「………」

くいな「…お姉さん?」

文香「…わ、私は…」

文香「…私は、その…文香と申します…」

くいな「文香さん!?」グイッ!

文香「!?」

くいな「文香さん…文香さんて…」プルプル…

文香(…もしかして、気付かれたでしょうか!?)





くいな「なんだか本に愛されてるって感じの名前ですね!格好いいです!」キラキラ

文香「……あ、ありがとうございます」

鳥太朗(ひなこ、そろそろ目を覚ませ!)ピッ

ツンツン!

ひなこ「はっ!?」ピクッ

ひな子「……あれ?私、今まで何を?」

くいな「あっ!ひなちゃん。元に戻りましたか?」

ひな子「くーちゃん。戻れたって?」

くいな「ひなちゃんさっきまで文香さんに驚いてかかしになってたんですよ」

ひな子「…文香さん?」チラッ

ひな子「……あっ」

文香「こんにちは…。文香と思います…」
ひな子「さ、先ほどは失礼しました!私昔からあがり症で人を見るとかかしになってしまう体質でして…!」

文香「…大丈夫ですよ…気にしてませんから」

くいな「文香さんは優しい人ですねー」

鳥太朗(ひなこ、そろそろ目を覚ませ!)ピッ

ツンツン!

ひなこ「はっ!?」ピクッ

ひな子「……あれ?私、今まで何を?」

くいな「あっ!ひなちゃん。元に戻りましたか?」

ひな子「くーちゃん。戻れたって?」

くいな「ひなちゃんさっきまで文香さんに驚いてかかしになってたんですよ」

ひな子「…文香さん?」チラッ

ひな子「……あっ」

文香「こんにちは…。文香と思います…」

ひな子「さ、先ほどは失礼しました!私昔からあがり症で人を見るとかかしになってしまう体質でして…!」

文香「…大丈夫ですよ…気にしてませんから」

くいな「文香さんは優しい人ですねー」

文香「…ひな子さんも高校生ですか?」

ひな子「は、はい!」

くいな「同じクラスです」

文香「…そうですか。…毎日楽しそうですね」

ひな子「はい。くーちゃんともう一人ゆあちゃんて友達がいるんですけど、二人とも優しくて一緒にいてすごく楽しいんです♪」

くいな「私もひなちゃん達といるとすごく楽しいです!最近ではひなちゃん達の演劇の脚本を考えるのが一番生き生きしますね」

文香「…演劇ですか?」

くいな「はい、なんとこのひなちゃんは…」

くいな「藤宮女子高演劇部の若きエースにして、我らが劇団『ひととせ』の座長を務める稀代の天才少女なのです!!」

ひな子「へ、変な紹介やめてよくーちゃん!私天才なんかじゃないよー!」

文香「…そ、そのような凄い方だったのですね…」

ひな子「違いますってばー!」

くいな「そうだ!ひなちゃんの凄い所をもっと知ってもらいましょう」

ひな子「えーっ!?///」

くいな「ささっ、文香さん。こちらへ」

文香「えっ…。あの…」

ひな子「ま、待ってよくーちゃん!お店はー!?」

とりあえず今回はここまでです。
途中の投稿ミス連発は書き込み中に仕事の連絡が来てドタバタした結果によるものです。
不甲斐なくて申し訳ありません。

SSの方はようやくひな子を登場させる事ができました。一応声優ネタも入れてみたのですが気付いて貰えたでしょうか?
しかし、M・A・Oさんの演技の幅はすごいですね。二人が同じ声優だとは到底思えません。

と、関係ない話をした所で今日の投稿は終了します。続きは明日の夜頃に再開しようと思うので、引き続きよろしくお願いします。

頑張って残りの3人を登場させます。

ただいまより投稿再開します。

【ひととせ 喫茶店側】

文香「…ここは、先ほどの喫茶店?」

くいな「今日はお休みなので遠慮なく入って下さい」

文香「…もしかして、古書店と共同営業なされてるのですか?」

くいな「はい。外に古本屋と同じ『ひととせ』の看板がかかってたはずです」

文香「……そういえば…」

文香(本屋を探す事に集中してて気にも止めてませんでした…)

くいな「さあ、どうぞこちらの席に」スッ

文香「…あ、ありがとうございます」

くいな「今お茶をお出ししますね」

ひな子「くーちゃん、私も手伝うよ」

コクコク…

文香「…はぁ」

文香「…この紅茶、すごく美味しいです」

ひな子「あ、ありがとうございます!」

くいな「ひなちゃん普段はこちらの喫茶店でメイドとして働いてるんですよ」

ひな子「く、くーちゃん…!」

文香「…なるほど…だからお上手なんですね」

ひな子「は、恥ずかしいー…」

くいな「ささっ、文香さん。お菓子もあるのでいっぱい食べて下さい」

文香「…では、いただきますね」

ぐぅー



文香「…」

くいな「…」

ひな子「…くーちゃん?」

くいな「す、すみません…!あまりにも美味しそうだったのでつい…」

くいな「わ、私のことは気にしなくていいので、どうぞ遠慮なく…」

ぐるるるる…

くいな「うっ…///」

ひな子「くーちゃん…」

文香「……あの…私だけではこんなに食べきれないのでご一緒にいただきませんか?」

くいな「えっ!…いいんですか?」

文香「…はい。…食事は大勢で食べた方が美味しいですから」

ひな子「よかったね、くーちゃん」

くいな「やったー!では、遠慮なくいただきます!」

* * *

ひな子「ところでまゆちゃんは?」

くいな「今大家さんと一緒に買い出しに出かけてます」

文香「…まゆちゃんというのは?」

ひな子「私達と一緒に住み込みで働いている女の子が居るんですけど、その子がこの喫茶店を切り盛りしてるんです」

文香「…そうなんですか…住み込みで…」



文香「…住み込み?」

くいな「はい。実はここ『ひととせ荘』という寮を兼ね備えていて、お店で働くことを条件にここに住まわせて貰えるんです」

文香「…では、くいなさんとひな子さんもここに?」

ひな子「はい」

くいな「住んでます」

文香(古本屋と喫茶店が共同営業しているお店に住み込みで働いてる女の子たち…)

文香(まるでお話みたいですね…)クスッ

くいな「…どうかしましたか?」

文香「…ああ、いえ。…だから先ほどの会話に『大家さん』というワードが出てきたのですね。…どの様な方なのですか?」

ひな子「えっと…すごく綺麗で、スタイルが良くて、頭も良いし、大人っぽくて格好いい人です」

くいな「ちなみに、私たちと同じ学校の一つ上の先輩でもあります」

文香「えっ?…ということは、その方も高校生なんですか…」

ひな子「はい。あと、大家さんとまゆちゃんは同級生なんです」

文香(高校生で二つのお店を経営しつつ大家も務めてるなんて…。さぞ頼もしい方なんでしょうね…)

くいな「そういえば文香さんて、大家さんに少し似てますね…」

文香「…えっ?」

ひな子「そう言われれば…。柔らかな喋り方とか落ち着いた立ち振舞いとか…。大人っぽい雰囲気が似てる気がする」

くいな「あと、怒った感じも似ていましたね。あの時の文香さん、大家さんに勝るとも劣らない気迫と威圧感が…」

ひな子「あの時?」

文香「…く、くいなさん!…あれは忘れて下さいって言ったじゃないですか!」

ガチャ

真雪「ただいまー」

千秋「あれ…?みんな…」


ひな子「あ、まゆちゃん!大家さん!」

くいな「おかえりなさいです!」

千秋「こっちに来てたんだ…」

真雪「あれ?その人は…」

文香「…!」

文香(もしかして、私の事を知ってる…?)

くいな「あっ、ご紹介します。こちらの方は…」





真雪「もしかしてゆあちゃん!?嘘っ!まゆに内緒でこんなに大人っぽくなっちゃうなんてー!?」

千秋「まゆちゃん落ち着いて…。この人はゆあちゃんじゃないから…」

三人「…」

* * *

千秋「はじめまして、萩野千秋です…ひととせ荘の大家を務めています…」

真雪「柊真雪です。先ほどは変なことを言ってごめんなさい」ペコッ

文香(可愛い…。お人形さんみたい…)

文香「…文香と申します。…お邪魔させていただいてます…千秋さん、真雪さん」

千秋「いえ…どうぞ、ゆっくりしていって下さい…」

真雪「あっ、私のことは『まゆ』って呼んでくれていいですよ」

文香「…分かりました。…では、まゆさんとお呼びさせていただきます」

くいな「あー!まゆちゃんだけズルいです!」

くいな「では私も『くーちゃんさん』と呼んでいただいても構いませんよ」

文香「…く、くーちゃんさん?」

ひな子「なんだか外国の料理みたいだね…」

* * *

千秋「はじめまして、萩野千秋です…ひととせ荘の大家を務めています…」

真雪「柊真雪です。さっきは変なことを言ってごめんなさい」ペコッ

文香(可愛い…。お人形さんみたい…)

文香「…文香と申します。…お邪魔させていただいてます…千秋さん、真雪さん」

千秋「いえ…どうぞ、ゆっくりしていって下さい…」

真雪「あっ、私のことは『まゆ』って呼んでくれていいですよ」

文香「…分かりました。…では、まゆさんとお呼びさせていただきます」

くいな「あー!まゆちゃんだけズルいです!」

くいな「では私も『くーちゃんさん』と呼んでいただいても構いませんよ!」

文香「…く、くーちゃんさん?」

ひな子「なんだか外国の料理みたいだね…」

文香「…」

文香(お二人の話していた通りですね…。顔立ち、佇まい、声の柔らかさ…)

文香(とても高校生とは思えない大人の…母親のような雰囲気が出ている気がします…)

千秋「…」

千秋(この人…見たことある気がする…。どこかで会ったかな…?)

千秋(本人にたずねてみたいけど…なぜか話すのを躊躇いたくなるオーラを感じる…)

文香「…」ジー

千秋「…」ジー

ひな子「…二人とも見つめ合ったまま固まってる」

くいな「お互いに何か通じ合ってるみたいですね」

くいな「さて…大家さん達も帰ってきて丁度いいですし、そろそろ始めましょうか」

真雪「…?くーちゃん、始めるって何を?」

くいな「我らが劇団ひととせの歴史…。そして、ひなちゃん武勇伝を語ろう会です!」ビシッ

千秋・真雪「…へっ?」

ひなちゃん「くーちゃんまだ覚えてたの!?というか本気でやるつもりだったの!?」

くいな「当然です。その為に文香さんを連れて来たんですから」

千秋「…そうなんですか…?」

文香「…ええ…まあ…」

くいな「ほらほら、まゆちゃんと大家さんも早く席について下さい♪」

真雪「待ってよくーちゃん。まだ買った材料片付けてないよー」

ドタバタッ

千秋「…」

文香「…」

千秋「…なんだか、くーちゃんがご迷惑をおかけしてるみたいで…すみません…」

文香「…いえ…お気になさらず…」

* * *

文香「そうなのですか…咄嗟のアドリブで…」

くいな「はい。あの時のひなちゃんはとても格好良かったです」

ひな子「やめてよくーちゃん!私なんか全然大したことないよー…」

千秋「そんな事ないよひなちゃん…。私も、あの時のひなちゃんは輝いて見えた…」

真雪「それに、練習の時どんなに失敗しても諦めず頑張ってたし、ひなちゃんはとってもに偉いよ」

ひな子「お、大家さんやまゆちゃんまでー…」

文香「…これほど皆さんから認められてるにも関わらず、謙遜に徹するとは…」

文香「…ひな子さん…本当に素晴らしい御方ですね…」

ひな子「…っ!///」ピキーン!

文香「…!」

くいな「あーっ!ひなちゃんが恥ずかしさのあまりついにかかしに!」

真雪「この症状が無かったら完璧なんだけど…」

くいな「ところで、文香さんは演劇とか興味ありませんか?」

文香「えっ…?…私、ですか?」

くいな「はい。文香さん声が綺麗ですし、よく見るとスタイルもいいですし、良い役者さんになると思うんです」

文香「…いえ…私は、その…」

真雪「確かに、私も気になってたの。文香さん色々な衣装が似合いそうだなって…」

真雪「例えばメイドさんの格好とか、お姫様の衣装とか…あ、ナース服とか女教師の格好も似合いそう!」

千秋「…」



真雪「他にも魔女の衣装とか…!着物とか…!あと、動物の衣装とかも似合いそう!うさぎさんとか…!熊さんとか…!」

真雪「きゃーっ!!」



ひな子「ま、まゆちゃん…」

くいな「まさか…」

ガシッ!(肩を掴まれた音)

文香「!?」ビクッ

真雪「文香さん…」

文香「…は、はい。…何でしょうか?」






真雪「服を脱いで貰えませんか?」





ポカッ



真雪「あぅ…」

千秋「すみません文香さん…。まゆちゃん人に可愛い服を着せるのが大好きで、暴走するとあの様な行動に…」

文香「…そ、そうでしたか」

千秋「駄目でしょうまゆちゃん…。文香さんはお客様なんだから、私たちみたいな接し方したら怒られちゃうよ…」

真雪「で、でも…文香さん綺麗で可愛いし、頭の中で想像してたら色々込み上げてきちゃって…」

真雪「アキちゃんお願い!ちょっと、ちょっとだけでいいから文香さんにお洋服着させて!」

千秋「まゆちゃん、それ私に対してお願いすることじゃないと思うけど…」

くいな「暴走してるせいか頭が回ってないですね」

文香「……あの…」

千秋「…?」

文香「…少しだけなら…構いませんよ」





真雪「……っ!」キラキラ

ひな子「まゆちゃん、すごく嬉しそう…」

くいな「嬉しさのあまり声が出てません」

真雪「えへへ♪まずはどれから着てもらおうかなー?」ルンルン

文香「…」

千秋「すみません…まゆちゃんの我が儘に付き合ってもらって…」

文香「いえ…我が儘だなんてそんな…」

千秋「普段ならまゆちゃん…どんなに綺麗なお客様がお店に来ても絶対あんな事言わないのに…」

千秋「それだけ…文香さんが魅力的だったんだと思います…」

文香「…!」

文香「……そのように思っていただけるとは…」

文香「…とても、光栄な事です」

* * *

真雪「ということで…」



真雪「まずはメイド文香さんです!」ババーン

一同「おおーっ!!」

ひな子「可愛い…」

くいな「すごく似合ってます!」

千秋「綺麗…」

文香「…あ…ありがとうございます」

くいな「まゆちゃんの服選びは流石ですね!」

真雪「えへへ♪文香さんスタイルいいから選びがいがあるよ」

文香(…アイドルになってから…今まで色々な衣装を着させていただきました…)

真雪「続いて、ナース文香さんです!」ジャーン!

ひな子「これも可愛いー!」

くいな「それにすごくセクシーです!」

文香(なので…おそらく大丈夫だろうと思い、まゆさんのお願いを引き受けました…))

真雪「お次は、教師文香さん!」

ひな子「格好いい!」

くいな「眼鏡がよく似合ってます!」

文香(ですが…)

真雪「今度は、妖精文香さん!」

ひな子「綺麗!」

くいな「幻想的です!」

文香(さすがに…)

真雪「さらに、魔女っ子文香さん!」

ひな子「色っぽい…///」

くいな「犯罪臭がします」

文香(そろそろ…)

真雪「そしてなんと…」

真雪「うさぎさん文香さーん!」

一同「わあーっ!!」

ひな子「可愛い!可愛いです!」

くいな「こんな可愛いうさぎさん、見たことないです!」

文香(恥ずかしくなってきました…///)

「今度はこれなんてどうですか?あっ、こっちの衣装も似合いそう!」

「まゆちゃんそろそろやめないと…文香さん疲れてるから…」

「あと一回!あと一回だけだからお願い!」





バンッ

ゆあ「ひな子ー!ゆあ様が遊びに着てあげたわよー!」

ひな子「…」

くいな「…」

千秋「…」

真雪「…」

文香(下着姿)「…」

ゆあ「……はっ」



ゆあ「白昼堂々なにお客さんの身ぐるみ剥いでるよー!?」

ひな子「ご、誤解だよー!」

すみませんが今回はここまでにします。

昨日に引き続きミスを連発してしまいました…。アニメが終ってしまい喪失感が半端なかったんです。本当に申し訳ありません。

SSの方はアニメと違い終わるめどが立ってません。明日も投稿する予定なので最後までよろしくお願いします。
頑張って土日中には終わらせたいです。

昨日に投稿を予定していましたが私用により実施できませんでした。

今から再開します。

* * *

ゆあ「なんだ、そういう事だったの。てっきりお店の経営が行き詰まって頭のおかしくなったみんなが、近くを通った人を無差別に襲って金品を強奪していたのかと…」

くいな「どんな状況ですか…」

千秋「うちの店はそこまで火の車じゃないから…」

ゆあ「わーっ!違うんです千秋先輩!私もいきなりの光景でパニックになったというか、決して千秋先輩のお店を悪く言うつもりでは…」

文香「…あの…彼女は?」

ひな子「あっ、あの子がゆあちゃんです。私と同じクラスの…」

文香「…ああ…先ほどからお話に出ていた…」



くいな「そうだ、ゆあちゃんにも紹介しますね。先ほどお知り合いになりました、文香さんです」

文香「…はじめまして、ゆあさん。…文香と申します」

ゆあ「…っ!」

ゆあ(うわぁ…すごく綺麗な人…。千秋先輩にも匹敵する美しさだわ…。一番は千秋先輩だけど)

ゆあ(…ていうかこの人、どこかで見た気が…)

ゆあ「…あっ!な、中島ゆあです。はじめまして」

文香「…はい。…先ほどから皆さんに色々とお話は伺っております」

ゆあ「えっ!ゆあの事を?」

文香「…ええ、たいへん友達思いな方だそうですね。…あと、演劇に対する熱意がすごいとか…」

ゆあ「そ、そんな…。全然大したことないですよ…///」

文香「文化祭でひな子さんに助けられた時のお話とかも…」

ゆあ「誰よ!?その話をしたやつ!」

くいな「まあまあ、いいじゃないですかそんな事は」

ゆあ「…!あんたねあの話をしたの!あの時はちょっと緊張してただけで、それ以降目立った失敗は…!」

くいな「せっかく来た事ですし、その変も含めてゆあちゃんも文香さんとお喋りしましょう」

ゆあ「ちょっと!まだこの話は終わってなっ…。ちょっとー!」

* * *

くいな「いやー、いっぱいお話ししちゃいました」

真雪「くーちゃんいつも以上に楽しそうだもんね」

ひな子「ゆあちゃんが来てからより一層盛り上がったよね」

ゆあ「ちょっとあんた!次にゆあの事を話すんだったらもうちょっと格好よく紹介しなさいよね!」

くいな「文香さんはどうでした?」

文香「…え?」

くいな「私たちのお話を聞いて楽しかったですか?」

文香「……そうですね…」

文香「…皆さん、一人一人がとても個性に溢れおり…『ひととせ』という一つの舞台の中で…それぞれがそれぞれの思いで過ごす日常…そこで作り出される様々な出来事は…聞いているだけで…とても楽しく…とても面白く…」

文香「…まるで、ひとつの物語を読んでいるような気持ちになりました」

文香「…私も、皆さんとお話を聞けて本当に楽しかったです」

一同「…」シーン

文香「…あ、あの…私、何か変な事を言ってしまいましたか?」

くいな「い、いえ…!そういうわけではなくて…」

くいな「その、文香の言葉が心に響いたといいますか…なんだか感動しちゃいまして…」

千秋「とても綺麗な言葉…」

ゆあ「なんだか…詩人みたいだったわ…」

真雪「これが…大人の女性なんだ…」

ひな子「私も…あんな風にお話しができるようになりたい…」

文香「…」

文香(私の言葉が、皆さんの心にこれだけの影響を与える事ができるなんて…)

文香(…これも、私の魅力でしょうかね…プロデューサーさん…)

真雪「…あっ、もうこんな時間。夕飯の支度をしないと…」

千秋「楽しい時間だったけど…そろそろお開きにしようか…」

くいな「そんなー。今度は文香さんのお話しをいっぱい聞こうと思ってたのにー」

千秋「だーめ…。ゆあちゃんや文香さんにも帰る時間があるだろうし…外が暗くなってからじゃ危ないでしょ…」

ゆあ「ゆ、ゆあはもう少し居ても大丈夫かなーて…」

千秋「駄目…。お家の人が心配する前に帰りなさい…」

ゆあ「はい…」

ひな子「考えたら私たち、三時間もお話ししてたんだね」

文香「…三時間…」

文香「…っ!」

バッ

文香「………」

くいな「ふ、文香さん!どうかしました!?」

ひな子「顔色真っ青だよ!?」

ゆあ「急に携帯を取り出しましたけど、何かあったんですか!?」

文香「…どうしましょう」

 「待ち合わせの約束を忘れてたー!?」

文香「…はい。…プロっ……とある方にその時間までに戻るよう言われてたのですが…皆さんとお話しをしている内に忘れてしまっていて…」

くいな「わ、私のせいです…私が文香さんをお誘いしたばかりに…」ガクガク

ひな子「くーちゃんだけのせいじゃないよ!私も一緒にいたんだから私も同罪だよ!」

文香「…皆さんのせいではありません!…私が…約束の事をしっかり意識していれば…」

ゆあ「今はそんな事言い合ってる場合じゃないでしょ!」

千秋「文香さん…携帯にはどのような内容があったんですか…?」

文香「…えっと…着信履歴と、メールが数件…。…留守番電話などは入ってません…」

真雪「じゃあメールの中身を確認して見よう!もしかしたら、挽回のチャンスがあるかも!」

くいな「お、怒ってますかね…」ガクガク

文香「…いえ、基本あまり怒らない方なので…。…ですが、こういったケースは初めてなので…もしかしたら…」

ひな子「も、もし怒ってたらどうしましょう…」ブルブル

ゆあ「そういう時は下手に言い訳しないで謝るしかないわね。とにもかくにも、まずはメールの内容を確認してからよ」

千秋「文香さん…お願いします…」

文香「…わかりました。…では開きます」

[一通目]

(Τ〇Τ)ごめ~んふみか~
      [MEETING]も~少し

  かかりそ~
  も~ちょっとだけ
  待っててくれ~

(≧▽≦)あっ!例の本屋は

  見つかった~?
  もし良さそ~な所
  だったら
  紹介してちょ~♪

[一通目]

(Τ〇Τ)ごめ~んふみか~
     [MEETING]も~少し
     かかりそ~
     も~ちょっとだけ
     待っててくれ~

(≧▽≦)あっ!例の本屋は
     見つかった~?
     もし良さそ~な所
     だったら
     紹介してちょ~♪

[二通目]

( ̄З ̄)ふぃ~…やっと
     [MEETING]が
     終わったぜぇ~

(°△°)ま…結局最後まで
     話が進まずに
     終わったんだが…
( ̄▽ ̄)あはははは~♪
     マジどうしよ…(汗)

(・∀・)そうそう!
     例の本屋は
     見つかったか~?
     なんか電話繋がら
     ないからさ~
(⌒v⌒)もしかして
     本に夢中に
     なってるのかな~(笑)

(^▽^)じゃ!俺もふみかを
     探しながらこの辺
     ぶらぶらしてるから
     戻るようになったら
     連絡してちょ~♪

[三通目]

( ̄_ ̄)…おいふみかぁ…
     全然連絡ねぇぞぉ…
     どぉゆぅ事だぁ…
(°o°)ま…まさかお前…
     変な事件に
     巻き込まれて
     電話出れないとか
     じゃないよな!?

( ̄∀ ̄)な~んて
     そんな事あるわけ
     ないか~
     あはははは~♪





(●)(●)本当に違うよね?



( ̄_ ̄)…まあ
     もう少しお前のこと      探してみるから
     何かあったら
     連絡してちょー…

[三通目]

( ̄_ ̄)…おいふみかぁ…
     全然連絡ねぇぞぉ…
     どぉゆぅ事だぁ…
(°o°)ま…まさかお前…
     変な事件に
     巻き込まれて
     電話出れないとか
     じゃないよな!?

( ̄∀ ̄)な~んて
     そんな事あるわけ
     ないか~
     あはははは~♪





(●)(●)本当に違うよね?



( ̄_ ̄)…まあ
     もう少しお前のこと
     探してみるから
     何かあったら
     連絡してちょー…

[四通目]

(Τ△Τ)ぶみがぁ…
     どごにいるんだぁ…?
     もう大規模な
     かくれんぼは
     飽きちゃったぞぉ…

(×_ゝ)ぐすっ…
     本に夢中になるのも
     いいけどさぁ…
     俺のことも気にかけて
     くれないと
     さびしくて
     死んじゃうぞ~(泣)
(*○*)頼むから連絡
     返じでぐれ~
     無言メールでも
     いいからさ~

(;_;)…じゃあ
     連絡待ってるからな
     よろしく頼むぞ

[五通目]

(・▽・)あっ!
     そんなに夢中に
     なるよ~な作品なら
     今度俺にも
     読ませてちょ~♪

一同「…」

ゆあ「何このメール…」

くいな「随分とテンション高いメールですね…」

文香「…すみません。…こういう人なんです」

一同「…」

ゆあ「何このメール…」

くいな「随分とテンションの高いメールですね…」

文香「…すみません。…こういう人なんです」

ひな子「これって、怒ってるのかな…?」

千秋「うーん…どうなんだろう…?」

真雪「でも、三つ目のメールはちょっと怒ってる感じがする」

くいな「文面に俺と書いてありますね…。この人、文香さんの彼氏さんですか?」

文香「…っ!?ち、ちがっ…!…決して、そのような関係では…///」

ゆあ「あーもー!このメールじゃ訳が分からないわ!文香さん、こうなったら直接電話で謝りましょう!」

文香「…は、はい!…わかりました!」

ひな子「ミーティングとか企画とか書いてあったよね…。サラリーマンの人かな?」

くいな「絵文字を使ってますから、すごく親密な関係なんでしょうね」

ゆあ「あんたら…」

プルルルル…

プルルルル…

一同「!?」

ゆあ「コ、コール音!?どこから…!」

プルルルル…

ひな子「これって…」

プルルルル…

くいな「店の外から聞こえます!」

【ひととせ荘の外】

プルルルル…

くいな「あっ、あそこ!古本屋の前…」

文香「…!」

プルルルル…

P「うぅ…一体どこにいるんだ…」ウロウロ

真雪「へ、変な人がうろうろしている…」

ひな子「まるでゾンビみたいだね…」

プルルルル…

P「文香ーっ!お願いだから連絡してくれー!」

くいな「…と思ったら急に叫び出しましたよ!?」

ひな子「今、『文香』って…!」

プルルルル…

千秋「もしかして…あの人が…?」

文香「…ええ…まあ」

プルルルル…

P「文香ーっ!返事をくれ文香ーっ!」

ひな子「…というかあの人、電話の音に全然気付かないよ」

ゆあ「心ここにあらずみたいね…」

ガサッ…

P「…!」ギロッ

ひな子「ひいっ!?」

くいな「こっちに気が付きましたよ!」

P「…」ジー

文香「……あ、あの…」

P「ふぅぅぅみぃぃぃかぁぁぁぁぁっ!!」ガバッ

文香「えっ!?」

P「良がっだぁぁぁ!やっど見づげだぁぁぁっ!」

文香「…プ、プロデューサーさん!…そんな、急に何を…!?///」

ひな子「うわぁ…///」

ゆあ「だ、大胆…///」

くいな「まさに大人の関係です…」

文香「…!…プロデューサーさん!…皆さんが見てますから…早く離して下さい!」

* * *

P「すみません。大変見苦しい姿をお見せしてしまいました」

くいな「いえ、むしろ続けてたままでもよかったんですけど」

ひな子「くーちゃん!?///」

ゆあ「あんた何言ってんの!?///」

くいな「いやー、次の演劇の脚本を書く時の参考になるかと思って…」

ゆあ「まったく、あんたって奴は…」

ゆあ(でも…確かにもうちょっとだけ見てみたかったかも…///)

文香「…///」

P「ところで文香、この人達は?」

文香「…ここのお店で知り合った方々です。…先ほどまで皆さんのお世話になってました」

P「これはこれは、うちの文香が大変ご迷惑おかけました」

ゆあ(うちの…?)

千秋「ご迷惑だなんてそんな…。こちらからお誘いした事ですし…文香さんのおかげで、私たちも今日一日楽しかったです…」

P「いやー、そう言っていただけるとは…誠にありがたいです」

真雪(なんか、想像してた人と違うね…)ヒソヒソ

ひな子(少しテンションは高いけど、礼儀正しいよね…)ヒソヒソ

P「それはそうと皆さん…」

五人「…?」









バッ(名刺×5を差し出す)

P「アイドルに興味はありま」

ゴスッ!!

五人「!?」

文香「…プロデューサーさん…」ゴゴゴゴ…

P「ち、違うんだ文香…あれは一種の職業病なんだ…。この人たちみんな綺麗で可愛いし…見ている内に段々と欲望が…」

ゴスッ

P「」

文香「…申し訳ありません。…この人がご迷惑をおかけしました」

千秋「い、いえ…」

ひな子「ま…まゆちゃん…」ガクガク

真雪「文香さんって…怒るとあんなに怖いんだ…」ガクガク

くいな「さすが文香さんです」←(経験済み)

千秋「ところで…先ほどのアイドルというのは…?」

文香「…!…そ、それはこの人の悪い冗談といいますか…」

ゆあ「…あの、ゆあも気になっている事があるんですけど…」

ゆあ「文香さん…その人の事を『プロデューサー』さんと言ってましたよね…?」

文香「…!」

ゆあ「文香さん、あなたは一体…」

文香「………」

くいな「文香さん…?」

文香「………」

文香(私は…)

P「なんだ文香、お前この人たちにあの事言ってないのか?」ガバッ

くいな「わあっ!?急に復活しました!」

文香「…プ、プロデューサーが言ったんじゃないですか。…お前も有名になったんだから無闇に自分の正体を明かすなって…」

P「…ああ、あの言いつけを守ってたわけか」

P「大丈夫だろ、この人たちなら…。俺は会って数分しか接してないけど、この人たちはお前に対して悪い影響を与える人たちじゃない」

P「それは、お前が一番よく分かってるだろう?」

文香「………」

文香「…皆さん…今まで黙っていて申し訳ありませんでした!」ペコリ

文香「………私は」







文香「…私は!…シンデレラガールズプロダクション…Cool部署所属のアイドル…。鷺沢文香と申します!」

五人「…」

文香「…すみません。…本当は、このようにちゃんと自己紹介をするべきだったのですが…私にも立場があるもので…今日一日、皆さんに話せずにいました…」

文香「…本当に…申し訳ありませんでした…」

五人「………」






五人「えーーーっ!!!?」





文香「!?」

くいな「そ、そんな…!文香さんは、アイドルだったんですかー!?」

ひな子「わ、私…本物のアイドルの人、初めて見ました!」

ゆあ「どおりで見た事あった訳だわ。鷺沢文香…超売れっ子アイドルじゃない!!なんで気づかなかったのよ私!!」

千秋「私も舞台で見たんだった…。文香さん、あの有名な演劇にも出演してたのに忘れてた…」

真雪「わ、私なんかが本物のアイドル相手に衣装を着せてたなんて…。きゃーっ!!恥ずかしいー!!///」

くいな「ど、ど、どうしましょう!私、文香さんに色々と失礼な態度をとってしまいました!なにかお詫びをしないと…。そうだ!確か店の本棚に新鮮な古本があったはず!それをお詫びの印に…」

ひな子「待ってくーちゃん!アイドルなんだからもっとキラキラした物の方がいいよ!えーと、えーと…。そうだ!山の動物さん達がくれたキラキラに輝く大きなドングリを…」

真雪「二人とも落ち着いて!ここは私が料理でおもてなしするわ!ああでも、私アイドルの好きな物とか分からないよー!アイドルの人だから凄く高くて難しい料理だろうし…。もーどうしよう!私なんかに作れる訳がないよー!!」

ゆあ「あんたらもうちょっと冷静に考えなさい!今はお詫びの品なんかより周囲を警戒すべきよ!文香さんは超売れっ子アイドル…。なら恐らく、この近くに大量のパパラッチが潜んでるはずだわ!そいつらを見つけて警察に突き出すのよ!安心なさい、こっちにはこのゆあがついてるわ。なんせゆあはほぼ毎日千秋先輩の行動をパパラ」

千秋「みんな落ち着いて…。アイドルの方だからって変に凝ったお詫びをする必要はないし、パパラッチなんてこんな所に来ないから…。それよりも…文香さんをこんな所に招待した事実が問題…。急いで家の改築を業者さんに依頼して…国立ドームのような建物にして再度ご招待を…」

ワーッ! ワーッ!

文香「…」

P「ははっ、楽しい人たちだな」

文香「……はい」

文香(とても楽しくて…面白くて…)

文香(優しい人たちです…)

すみません、一旦休憩します。
夜には再開して今日中に全部書きあげたいと思います。

* * *

文香「…皆さん…今日は本当にお世話になりました」

くいな「こちらこそ、ありがとうございました」

千秋「また…時間がある時に遊びに来て下さい…」

真雪「今度来た時は、まゆのお料理ご馳走しますね」

ひな子「私、文香さんみたいな素敵な人になれるよう頑張ります!」

ゆあ「文香さんも頑張って下さい!ゆあ、応援してます!」

文香「…皆さん、ありがとうございます」

くいな「文香さん!」

文香「…?」

くいな「今度来た時は、文香さんのお話しをいっぱい聞かせて下さい」

文香「…はい…必ずまた来ますね」

くいな「約束ですよ!」

文香「…約束です」

P「皆さん。できれば今日の出来事はあまり人に話さないよう協力していただけませんか?」

ひな子「はい」

くいな「私たちだけの秘密です!」

千秋「あっ…一人だけ報告したい人がいるんですけど…よろしいでしょうか…?」

P「そうですね…。どういう方なのですか?」

千秋「えっと…私たちの学校の演劇部の顧問で…劇団ひととせの特別講師でもある…」

ゴニョゴニョ…



P「ああ、その人にならじゃんじゃん話して構いませんよ!というか、話さなくても大丈夫だと思います!」

千秋「…?」

文香「それでは皆さん、お元気で…」





五人「さようならー!」

くいな「……行っちゃいました」

ひな子「今日は衝撃的な一日だったね」

ゆあ「そういえばあんた、文香さんとは普通に話せてたわね」

ひな子「あっ!ほんとだ」

ひな子「何でだろう?最初に会った時は緊張してかかしになっちゃったのに…」

ゆあ(なったのね…)

ひな子「なんだか…文香さんと私が似てるような気がしたというか…親近感みたいなものを感じて…いつの間にか、自然とお話しができるようになってたんだ…」

ひな子「…て、こんな事言ったら文香さんに失礼だよね。私と文香さんじゃ、天と地ほどの差があるのに…」エヘヘ…

ゆあ(ひな子と文香さんが似ている…)





ひな子( Y )バインバイン

文香 ( Y )バインバイン



ゆあ(そういうことか…!)ピキーン

くいな「……行っちゃいました」

ひな子「今日は衝撃的な一日だったね」

ゆあ「そういえばあんた、文香さんとは普通に話せてたわね」

ひな子「あっ!ほんとだ」

ひな子「何でだろう?最初に会った時は緊張してかかしになっちゃったのに…」

ゆあ(なったのね…)

ひな子「なんだか…文香さんと私が似てるような気がしたというか…親近感みたいなものを感じて…いつの間にか、自然とお話しができるようになってたんだ…」

ひな子「…て、こんな事言ったら文香さんに失礼だよね。私と文香さんじゃ、天と地ほどの差があるのに…」エヘヘ…

ゆあ(ひな子と文香さんが似ている…)





ひな子( Y )バインバイン

文香 ( Y )バインバイン



ゆあ(そういうことか…!)ピキーン

* * *

テクテク…

文香「…」

P「…」

文香「…あの、プロデューサーさん」

P「ん?」

文香「…今日は…本当にすみませんでした」

P「何がだ?」

文香「…その…一時間たったにも関わらず、現場に戻らなかった事です…」

文香「…それに…プロデューサーさんから連絡が来ていたのに無視してしまい…すごく心配をおかけしたと思います…」

P「…」



P「うん、正直こうなる予感はしてた」

文香「!?」


文香「…なっ!…そんな予感がしてたって…」

P「その前に文香、俺一時間たったら戻って来いなんて言ったか?会議は一時間くらいかかるって言っただけだろ」

P「あとは、『その間に散歩して来てきていいぞ』と『終わったら連絡入れる』としか俺は言ってない。つまり、会議がいつ終わろうがお前は別にすぐ戻って来る必要は無い訳だ」

P「というか、そもそも本の話題を出してお前が一時間程度で切り上げて来るとは思ってなかったしな」

P「お目当ての本屋を見つけるまで絶対粘るだろうし、見つけたとしてもそこで確実に長時間の時間を潰すだろうと見込んでたからな。時間指定した所で無駄だっただろう」

P「でも、連絡に出ないのはよろしくないぞ。たとえどんなに面白い本を読んで夢中になってても、連絡手段は確保しておくこと。これは社会人として最低限のマナーだからな。今度は気をつけるようにしろよ。いいな?」

文香「………はい」

P「しかし、お前が時間まで忘れるほど夢中になるとはな…」

P「すごいな、劇団ひととせの人たち」

文香「……プロデューサーさん…なぜその名前を…!?…私、劇団の事については話してませんよね…」

P「…」

文香「…い、いつからあの場所に居たんですか!?…ということは、夕方のあれは演技だったと…!?」

P「…さあ、どうだろうな」

文香「……まさか、会議が長引いたというのも…」

P「いや、それは本当。次の企画に向けて色々と案が出したんだが、決まらなくてな…」

P「前に聞いたことがあるだろ。お前が色々なお店を訪れて紹介する雑誌のインタビュー記事の話…」

文香「…ああ!…確か、企画段階の時にお話しされてた…」

P「そう。それが本格的に始動する事になったんで話し合いが行われたんだけど…。最初に紹介する店のテーマが特殊でさあ…なかなか決まらなくて困ってるんだ」

文香「…テーマですか?」

P「ああ『少し変わった本屋』というテーマなんだが…」

文香「!」

P「文香。お前、どこかいい本屋知らない?」





文香「…そうですね…」

文香「…一つ、心当たりがあります」

一週間後…

【ひととせ荘】

くいな「……はぁ…」

くいな「文香さん…今日も来ませんね…」

ゆあ「当たり前でしょ。文香さんは売れっ子アイドルなのよ。そう簡単にお休みが取れるわけないじゃない」

くいな「わかってます。けど…」



『…はい…必ずまた来ますね』

『…約束です』



くいな「………」

ひな子「くーちゃん元気ないね…」

真雪「食欲も段々落ちてきちゃって…。前はお店の本を何冊も食べてたのに、今は一日一冊しか食べてないの」

ゆあ「それは本屋としては良いことじゃない…」

くいな「……はぁ…」

ひな子「私たち、くーちゃんの為に何かできないのかな…」

ガチャ

千秋「ただいま…」

ルリ子「みなさん、ごきげんよう」

ひな子「あ、大家さん。…と、ルリちゃん?」

ゆあ「な、なんで先生がここに?」

千秋「みんな…少し大事なお話しがあるから集まってくれる…?」

* * *

千秋「実は今度…うちのお店に雑誌の取材が来ることになったの…」

ひな子「雑誌の…取材!?」

真雪「うちのお店って、そんなに有名だったの…!?」

千秋「あっ…取材といっても、ちょっとした記事で取り上げられるだけだから…」

ゆあ「それでもすごい事じゃないですか!さすがは千秋先輩です!」

千秋「いや…私じゃなくてお店…」

ルリ子「千秋さん、そろそろ話を戻しましょうか」

千秋「それでね…その取材の内容が『少し変わった本屋』というテーマでうちの古本屋を紹介するらしいんだけど…」

千秋「同時に喫茶店や…私たち劇団ひととせの事も記事に載せるみたい…」

ゆあ「えっ!じゃあゆあ達も取材を受けるという事ですか!?」

ルリ子「そういう事になりますわね」

ひな子「…わっ、私たちが…雑誌っ……!」ピキーン!

真雪「ああっ、ひなちゃんがかかしに!」

ゆあ「ちょっと、しっかりしなさいよひな子!あんた座長でしょ!」

千秋「今日は…その事について先生と一緒に雑誌の記者の人とお話ししてきたの…」

ルリ子「私は千秋さんと記者の方の仲介役として付き添いをしました」

ルリ子「みなさん。どうやらあの方たちは、演劇の方も御覧になりたいようです」

三人「!?」

ルリ子「雑誌の影響力は絶大です。ここで成果を残せれば劇団ひととせの知名度は大きくに広がるでしょう」

ルリ子「ですので、今回は…」



ルリ子「新作の演劇で、取材に臨みたいと思います。」

ゆあ「し、新作ですか!?」

ルリ子「はい。これが成功すれば皆さんの夢に大きく前進することは間違いありません」

真雪「で、でも先生…」

ひな子「肝心の脚本を書いてるくーちゃんが…」

くいな「…やりましょう」

三人「!」

くいな「このようなチャンス…。逃すわけにはいきません…!」

くいな「夏川くいな!劇団ひととせの為、最高の脚本を書きあげてみせます!」

ひな子「くーちゃん…!」

真雪「元気になった!」

ゆあ「…まったく、心配かけさせないでよね」











くいな「まずはアイドルを登場させましょう…!そしてアイドルとアイドルが恋に落ちて、アイドルたちのアイドルが始まるアイドルストーリーを…!」

ひな子「くーちゃん!?」

ゆあ「ちょっと!?全然調子戻ってないじゃない!」

ルリ子「なるほど…これはなかなか重症ですね…」

千秋「それでね…ここからが本題なんだけど…」

三人「…!」

千秋「実は、もうすぐその雑誌の取材をしてくれるインタビュアーの方が打ち合わせに来られるの…」

千秋「みんなも…その打ち合わせに参加して欲してくれないかな…?」

ゆあ「い、今からですか!?」

ひな子「そ…そんな…!絶対に私…き、緊張しちゃ…!」←(半かかし状態)

真雪「ひなちゃん!大丈夫だから落ち着いて!」

千秋「ふふっ…心配しなくても大丈夫だよ…」

千秋「その人…みんなも知ってるアイドルだから…」

くいな「…!」ピクッ

真雪「アイドル!?」

ひな子「それって…」

ゆあ「まさか…!」

ガチャ

「…皆さん…こんにちは」

「…私は…シンデレラガールズプロダクション、Cool部署所属のアイドル…」

「鷺沢文香と申します」

「…本日は…お約束通り…」

「…私…鷺沢文香のお話をさせていただきに参りました」



くいな「ふみ…かさん…」





文香「……お久しぶりです」

文香「くーちゃんさん」


そこは
静かな町にある小さな古本屋さん…

歴史ある香りに包まれた店内には
食べてしまうほど本が大好きな店員さんが…

その奥にある喫茶店には
少し人見知りな可愛いかかしさんと…

お洋服を着せるのが大好きな
お人形さんみたいなメイドさん…

そして…

二つのお店を経営している
その寮の大家さんに…

そんな大家さんに憧れている
とても元気な女の子…

そんな彼女たちにはもうひとつの顔が…

それは…

P「こら、今日は打ち合わせに来たんだろ」

コンッ

文香「…はい」




『劇団 ひととせ』



彼女たちの演劇を一度見に来て下さい



きっと、本を読んでいる時のような

楽しくて、面白い

素敵な時間が過ごせるはずです





以上で本編は終了となります。
最後の方少し巻きを入れたので雑になってしまいましたが、なんとか書ききる事ができました。

あと少しだけおまけエピソード的な物を書くつもりでいるのでもうちょっとお付き合い下さい。
ルリちゃんとPのお話しです。

【番外編】

テクテク…

ルリ子「ふぅ…やっと仕事が終わりましたわ…」

ルリ子(みなさん、お店に集まってるでしょうか…?それそろ新しい演劇に向けてお話ししたいのですが…)





ルリ子「…おや?」

ルリ子(店の前で張り込んでるあの御仁は…)

P「…」

ルリ子「ごきげんよう」

P「ひゃあっ!?」ビクッ!

ルリ子(驚きすぎでは…)

P「あーびっくりした…って、黒柳さん!?」

ルリ子「お久しぶりですわね」

P「お、お久しぶりです…。私のこと覚えてらっしゃったんですね…」

ルリ子「ええ。初対面でいきなり名刺を差し出して『アイドルに興味はありませんか?』などと挨拶してくる殿方、忘れる方が難しいですわ」

P「あ、あの時はとんだご無礼を働きました…」

P「と、ところで、黒柳さんはなぜこちらに…?」

ルリ子「私は、ここに住んでる方々に少し用件がありまして」

P「というと、劇団ひととせの方たちですか?」

ルリ子「…!あなた劇団をご存知なのですか?」

P「あっ、いや!ついさっき小耳挟んだと言いますか…盗み聞いたといいますか…」
ルリ子「警察をお呼びした方がよさそうですね…」スマホダシ

P「やめて下さい!そういうのじゃないんです!」

P「と、ところで、黒柳さんはなぜこちらに…?」

ルリ子「私は、ここに住んでる方々に少し用件がありまして」

P「というと、劇団ひととせの方たちですか?」

ルリ子「…!あなた劇団をご存知なのですか?」

P「あっ、いや!ついさっき小耳挟んだと言いますか…盗み聞いたといいますか…」

ルリ子「警察をお呼びした方がよさそうですね…」スマホダシ

P「やめて下さい!そういうのじゃないんです!」

ルリ子「では、なぜあなたはこのような所に?」

P「わたしは、その…。込み入った事情があるとうか…深い訳がありまして…」

ルリ子「おや、あの方は…」チラッ

P「無視して店内覗き見!?」

ルリ子「彼女は確か、あなたの事務所のアイドルの鷺沢文香さんですわよね?」

P「文香のことも覚えててくれたんですね。ありがとうございます」

ルリ子「当然ですわ。以前出演していただいた舞台での彼女の演技、歌、非常に素晴らしい物でした。できればスカウトしたいくらいです」

P「それは勘弁して下さい!うちの大切なアイドルなんで…」

ルリ子「…なるほど。あなたがここで張り込んでいる理由がなんとなくわかりました」

ルリ子「彼女、あの様子だと自分がアイドルである事をみなさんに話してませんね」

P「ええ、あいつなりに自分の立場を考えてるみたいで。あまり自分の事は余り話してません」

ルリ子「…というより、くいなさんが一方的に喋ってて話す暇が無いようにも見えますが…」

P「あの子、すごく元気ですよね…」

ルリ子「…では、私はお暇させていただきますね…」

P「えっ…!?寄って行かれないのですか?」

ルリ子「ええ。どうやら、私がお店に入るわけにはいかないようです」

ルリ子「彼女が必死に隠そうとしてるご自身の秘密…私があの場に介入することで恐らく崩れてしまうでしょうから…」

ルリ子「ただ彼女、少し思い違いをしてますね」

P「…と、言いますと?」

ルリ子「ひととせのみなさんが、文香さんがアイドルである事を知っても悪い影響にはならないという事です」

P「そうなんですよ。私もその事に早く気づいてくれと思ってるんですが…」

ルリ子「…」

ルリ子「あなた、女性を見抜く力はとても優れてますね…」クスッ

P「これでも、アイドル事務所のプロデューサーなので」

ルリ子「…それでは、ごきげんよう」

P「あっ!待って下さい」

ルリ子「?」

P「お帰りになるなら、送って行きますよ」

ルリ子「…ふふっ」

ルリ子「いえ、せっかくのお誘いですが遠慮させていただきますわ。あなたは私ではなく、彼女の傍に居て下さい」

ルリ子「姫をお守りするのが、騎士の役目ですわよ?」

P「…そうですね。ただ、一つ間違ってる所があります」

ルリ子「?」

P「私は騎士などはありません。私は彼女の…」

P「魔法使いです」

以上で投稿を終了します。
未熟な文章にお付き合いいただきありがとうございました。

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