【艦これ】時雨「鳳翔さんを怒らせた……?」 (63)

時雨「鳳翔さんを怒らせた……?」

隼鷹「そりゃまた手の込んだ自殺の方法考えたねぇ……
   遺書は用意してあんの?」

提督「まぁ、そういう反応になるよな……」

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時雨「日向さんの真似してる場合じゃないよ提督」

隼鷹「鳳翔さん敵に回した日にゃ、大和さんを筆頭に……
   お店の客から空母勢まで全部敵対するハメになるよ?
   悪いけど私も今スゲー執務室から立ち去りたい」

提督「そう言いながら出ていかない隼鷹さんに感謝の念を禁じ得ない。
   勿論時雨にも。
   一応猶予は頂いてマス……解決するまでお店出禁になったけど」

時雨「もう……一体何をしでかしたんだい?」

提督「実はこういう事が」

(回想)

鳳翔「提督、私が大和ちゃんと貴方のケッコンカッコカリを後押ししたのは、
   あの子に幸せになって貰う為です」

提督「(あれっ、酒を飲みにお店に来たら正座させられてる)ハイ」

鳳翔「だというのにあの子を悲しませるなんて男の風上にもおけません。
   それでも帝國元帥ですか!
   聯合艦隊司令長官ですか!」

提督「ナニガイケナカッタンデショウカ」

鳳翔「大和ちゃんが気に病んでいるんです!
   『武蔵も提督に想いを寄せているのに私だけ幸せになっていいんでしょうか』と!
   男なら二人とも幸せにする位の甲斐性を見せなさい!
   胸の甲勲章は飾りですか!」

提督「可及的速やかに解決致します」

鳳翔「結構、それまではこの店の敷居を跨がないでください」

(回想終了)

隼鷹「めっちゃdisられてんね」

提督「割と落ち込んだ」

時雨「(割とで済むんだ)ええと……それで、どう解決するんだい?」

提督「うん、そこなんだが時雨、隼鷹、君達に来てもらったのは他でもない。
   ……鳳翔さんが言ってる大和の悩みって本当なのか教えてくれないか」

隼鷹「は?」

時雨「うん?」

提督「いや、確かに大和が来るまでは武蔵と一緒に戦略を練ったりトレーニングしたり
   出かけたりはしていたがこう……口説いた事はないから……」

時雨「ああ……(悟ったような目)」

隼鷹「あ、これ自覚のないタイプだわ」

提督「何がだ隼鷹」

隼鷹「こりゃアタシや時雨に聞くより青葉に聞いた方が手っ取り早い案件だよ提督」

提督「青葉に聞いたらあっという間に鎮守府内の話題じゃないか」

時雨「もう随分前に話題になってるよ……それが鳳翔さんの耳に入ったと考えるのが自然だね」

提督「えっ……どんな……?」

隼鷹「提督ー、そこの冷蔵庫に入ってるビール飲んでいい?
   シラフじゃやってらんないわー」

時雨「僕も頂こうかな」

提督「(容赦ねえ……)どうぞ、バーカウンター付属の方の冷蔵庫でグラスも冷えてるよ……」

隼鷹「ヒャッハー、グラスはティファニーじゃーん!
   ラバウルで朝食を、ティファニーでクアーズをってか!
   酒回りはこうも気が利くのにねえ」

時雨「提督は大和さん『だけ』を口説き落とすのに夢中だったからね。
   視野狭窄に陥っていたのさ、恋は盲目とはよく言ったものだよ」

提督(なにこの言われよう)

隼鷹「(ゴクゴクゴクゴク)プッハー!いっちばん隼鷹!
   青葉のモノマネやりまーす!」

提督「え?」

隼鷹「いやー、お聞き及びですか時雨さん?
   提督がとうとう大和さんとケッコンカッコカリにこぎつけたそうでー。
   おめでたいですねー。秘書艦として一言お願いしまーす」

時雨「提督は大和さんに首ったけだったし、
   大和さんもああまで求められて悪い気はしないみたいだったし、
   喜ばしいと思うよ」

隼鷹「ですねー。
   しかし提督も罪な方ですねー。
   『将を射んと欲すればまず馬を射よ』をこうまで綺麗に実行されようとは。
   これぞ様々な海域をS勝利で突破してきた方の戦術眼というものでしょうか。
   武蔵さんが先に艦隊に加われてからというもの、ほぼずっと一緒に行動され、
   大和さんの好みを完全に把握した上でのお迎えですからねー!
   そりゃあ好みの部屋を用意しててくれて、好みの食事がメニューにあって、
   望みのままのトレーニング施設があり、デートスポットは思い出のある場所!
   まさしく理想の上官、これは絆されますねえ!
   ただコレ全部武蔵さんと下見・下準備したというのが大!問!題!ですね!
   武蔵さんがどう思うか考えが及ばなかったのでしょうか!」

時雨「提督は大和さん『だけ』を口説き落とすのに夢中だったからね。
   視野狭窄に陥っていたのさ、恋は盲目とはよく言ったものだよ」

提督(さっきの台詞うううう)

隼鷹「帝國元帥たるもの、恋にも大局観が求められますね!
   以上青葉がお伝えしました!」

提督「……し、時雨?」

時雨「青葉が僕にインタビューに来た時の完コピだね、凄いや隼鷹」

隼鷹「でっしょー?」

時雨「そんな訳でね、提督はこう見られているんだよ。
   『大和さんを口説き落とすために、
    武蔵さんで予行練習しておいて、
    大和さんと結ばれたら武蔵さん捨てたクズ司令官』ってね」

隼鷹「ナイス三行www」

提督「本当……だったのか(真っ青)」

隼鷹(あれ、時雨が霞のモノマネしてるのに気づいてねえ)

時雨「だからもう、さっさと自費で大和さんと同じ指輪を用意してだね……提督?
   どうしたんだい、顔色が良くないよ?」

隼鷹「武蔵が苦手……って訳でもなさそうだけど、どしたの?」

時雨(そりゃ苦手だったらそんな長く一緒に居れないものね)

提督「……すまん時雨、隼鷹……俺もビール飲む」

隼鷹「ヒューガルデン?……ってグラスでっか!」

時雨「(ヒューガルデンオフィシャルの専用グラス、
    820ml……そんな話しづらい事なのかな)
   大丈夫かい、提督?」

提督「(ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク)……ふう……、
   うん、大丈夫だよ、ありがとう時雨。
   さて何から話したものか……」

隼鷹「最初からはじめて終わりまで話したらやねればいんじゃね?」

提督「最初から、か……。
   あれは俺が小学生の時だ、何故か周囲でプラモデルが流行した」

隼鷹「fadってヤツかね」

提督「ああ、それだね。田舎だとそういうものが割と簡単に起こる。
   縄跳びだったり、ラジコンだったり……
   で、その時はプラモ。
   しかも……二人には悪いが大和を作って所持するのがステータスだった」

時雨「よくある事さ」

隼鷹「もう気にもしねーって、知名度が違い過ぎるもんさー。
   んで、提督もその頃から大和にお熱だったと」

提督「いや、欲しかったが手に入らなかった」

時雨「ああ……売り切れ?」

提督「そう、どこを探しても大和だけがない!
   赤城や武蔵やエンタープライズはあるのに大和だけないんだ!!」

隼鷹「(Amazonないと不便だわー)……で、大和の代わりに武蔵を買ったと。
   昔からやる事かわらないねぇ、提督」

提督「買ってないよ?」

時雨「えっ」

隼鷹「じゃあ何買ったのさ?」



提督「ミズーリ」



時雨「提督には失望したよ」

隼鷹「ひくわー……いや、マジでひくわー」

提督「仕方ないだろ!?
   他の同世代が皆大和持ってるんだから!」

隼鷹「だからってミズーリはないわー」

時雨「何がどうなってミズーリって結論に着地したのか是非知りたいよ」

提督「俺が持つ戦艦は世界で一番じゃないといけないんだよ!
   大和が無いなら、その艦上で日本を降伏させ、
   しかも湾岸戦争で現役だったミズーリじゃなきゃいけなかったんだよ!
   大和を自慢してくる同級生に『でも大和って特攻で轟沈して今海底じゃん』って
   歴史を知ってる俺はドヤ顔で冷たく言い返す必要があったんだよ!」

隼鷹「最高に嫌なガキだわー……もう大和とリコンカッコガチしてアイオワに求婚すべきだわー
   愛しのミズーリちゃんのお姉さんですよ、このアニメ提督」

提督「おう隼鷹、お前明日から禁酒な」

隼鷹「へー、そういう事言われると大和に話したくなるかもなー」

提督「すでに話してあるわ!
   そこまで薄っぺらい関係じゃないよ……」

時雨「……あるんだ」

提督「あるよ、武蔵には言えないけれども」

時雨「そりゃあね、『代わりにも選びませんでした』は言えないね」

提督「代わりと思った事はないさ」

時雨「なら、言う必要も無いさ。
   ただ武蔵さんの想いには応えてあげて欲しいな……ねえ隼鷹?」

隼鷹「……禁酒は?」

提督「そんな事言ったかな、あー、口止め料が必要だわー
   倉庫の3番冷蔵庫の奥にドンペリとクリュッグとサロンがあるから持ってっていいぞー」っ鍵

隼鷹「さっすが~、元帥閣下は話がわかるッ!
   ヒャッハー!」

時雨「……行っちゃった」

提督「あの切り替えの早さよ……」

時雨「提督は、さ」

提督「うん?」

時雨「大和さんにどう伝えたんだい?」

提督「……プロポーズの、一部なんですが、それは」

時雨「大和さんにどう伝えたんだい?」

提督「(さっきの台詞うううう)……えー……
   戦艦大和は、俺が最初に覚えた船の名前で、
   世界最大の戦艦だって知っている。
   君がどうしても欲しかった。
   子供の時、どうしても欲しかったのに君のプラモデルが手に入らなかった。
   ミズーリを買って、他の大和を自慢する奴らに冷笑を浴びせてたけれど、それでも満たされなかった。
   何でだれよりも大和を知ってる俺のところに来てくれないんだ、って。
   今、ようやく君を迎えて練度もピークに達し、この上を君と見たい。
   俺はかつて君を率いた人々以上に的確な判断をしてみせる。
   君が世界最強である事を、今度こそ歴史に刻もう。
   俺と―――」

時雨「わかったわかった、わかったよ提督。
   ……当てられちゃうなあ新婚さんは」

提督「お、おう、すまない時雨」

時雨「武蔵さんにもちゃんとしたプロポーズを考えるんだよ?
   二番煎じはダメだからね?」

提督「勿論だとも……(何この迫力)、
   そうだ、時雨にも何かお礼をしないとn」

時雨「いいの!?」

提督「(食い気味だ……いかにも待ってました的な目だ……)お世話になったから、ね」

時雨「じゃあ、そうだね……指輪が欲しいな」

提督「……えっ」

時雨「武蔵さんの後でいい、プロポーズの言葉も要らないよ。
   プロポーズは僕からしてあげる」



時雨「ちゃんと指輪をくれたら、提督が金庫の奥に隠してる『アルキメデスの大戦』の事は
   大和さん達に黙っててあげるよ?」

終わり

えっ…

大和が少女漫画のめんどくさいヒロインみたい>私だけ幸せに~

この提督なら武蔵に最初に言ってるはずだし周りが勝手すぎやしないかい?

>>19
短くてすまぬ

>>20
書いてて自分でもそう思い、隼鷹さんにツッコミお願いしようか悩んだがキリよく入れられなかった

>>21
武蔵に大和が好きなんだ!
好み教えてくれ!とストレートに頼んだが
それ以外のケアを怠った模様

まあ青葉が言ってたみたいに
「大和と結ばれるために武蔵を利用した」みたいな部分だけ聞かされたら
鳳翔さんみたいな反応もおかしくないんかな
でも武蔵本人からも相談を受けた とかでないなら
「大和を幸せにするために武蔵ともケッコンして」みたいな言い分にも取れてしまう
そんな意図はないだろうけど

提督がヒャッハーさんに禁酒言い渡したのはアニメ提督呼ばわりにキレたのか、大和と離婚しろにキレたのかどっちだろうw

これは武蔵サイド視点とかの外伝や続編が必要ですねえ(ゲス顔

>>23
鳳翔さんは100%善意のお方です(艦爆に見張られつつ)!

>>24
全部w

>>25
考えてみるね!

アルキメデスの大戦の意味がわからずググってしまった
この提督も大和嫁なのに建造阻止する漫画を何故買うのか…
あと時雨がヤンデレっぽいな

アルキメデスの大戦…あっ(察し)

赤城さんが三段腹空母だった頃

>>27
>>28
時雨「我ながら夜王の肉便器さんに匹敵する会心のプロポーズさ」

武蔵サイドこれから考えるのでおまけ4コマ風味置いていきますね

(執務室)

提督「時雨もん!
   また鳳翔さんにどうでもいい事で怒られたよー」

時雨「しょうがないなあ提督は……じゃあこうすればいいよ」っ指輪

提督「えっ……これ時雨のために申請して今日届いた指輪……
   ケッコンカッコカリ破棄!?」ガーン

時雨「あはは、早とちりだなぁ提督は。
   指輪なんてシステムの一環に過ぎないのさ。
   書類はまだ書いていないから、僕は後でいいよ」

提督「後……?」

時雨「いいかい、鳳翔さんにこう言うんだ」

(鳳翔さんの店)

提督「鳳翔さん、いつも俺の至らない点に気を配ってくれる貴女が好きです!
   ケッコンカッコカリしてください!」

鳳翔「その……喜んで……」

(執務室)

提督「ありがとう時雨もん!
   うまくいったよ!」

時雨(鳳翔さんも乙女だねえ……怒る事で提督と少しでも絡みたいだなんて)

時雨「うまくいったようで何よりだよ!
   ケッコンカッコカリ前だけど内助の功だね!
   僕は4番目でいいからね!」

時雨(これで大和さんにも武蔵さんにも鳳翔さんにも貸しができた)

時雨(駆逐艦で第4夫人としては上々の船出ってものさ)

武蔵サイドできたからあげてく

タイトル『武蔵「大和の好み、だと?」』

武蔵「大和の好み、だと?」

提督「そう!大和の好みを俺に教えてくれないかい?」

武蔵(まだ30代にもかかわらずもう元帥杖を持つ目の前の男はこれでもかと装飾過剰な肩書を持っている)

武蔵(聯合艦隊司令長官、帝國元帥、貴族院議員、甲勲章受勲者)

武蔵(女など腐るほど寄ってくるだろうに……それにここ数日みたところ艦娘にも慕われている様子だ)

武蔵「何故大和なのだ?」

提督「好きなんだよ、俺が」

武蔵(思えば、そんな事を聞かれたのが妙な付き合いのはじまりだった)

(間宮の店)

武蔵「基本的に大和は自分の育まれた海軍の文化を好む」

提督「ふむ、じゃあコーヒーはこの海軍さんの珈琲でいいか?」

(※実在します
  ttp://www.subarucoffee.co.jp/product/kaigun/

武蔵「ほう……うむ、懐かしい香りだ」

提督「よっしゃ!」

間宮「甘味もできる限り当時の味付けで復活させました」

武蔵「カステラまで……至れり尽くせりだな」

(訓練施設)

武蔵「先の戦争末期は燃料も弾薬も枯渇していてな、十分な訓練ができたとは言い難い」

提督「燃料も弾薬も20万単位ある」

武蔵「潤沢だな、いいぞ!」

提督「毎日演習も行っている」

武蔵「言う事無しだな……む、運動場か。
   提督よ、少しばかり走ろうか!」

提督「は、走り込み!?
   武蔵よ、俺の靴は軍靴なんだが」

武蔵「敵が攻めてきた時にそんな事が言っていられるか!
   かけあーし!」

提督「元帥杖持ってこの訓練場走り回ったの、たぶん俺が初めてだなああああ!」

武蔵「ハハハ!大丈夫だ、借り物競争で借りるものに指定され甲板を走った長官もいる!」

提督「だれだよそれ指定したのおおお!」

武蔵「大和に限らず、腹の出た男を好む女は少ない。
   体は鍛えるべきだぞ、提督よ!」

提督「やったるわああああ」

島風「え、何、かけっこ!?
   提督めずらしー!
   一緒に走ろ!ね!」

武蔵「ほれ、もうモテた」

提督「何か違う気がするけどまあいいや、いくぞ島風ぇええええ」

島風「おぅっ!提督結構速ーい!」

(外出前)

武蔵「これも大和に限った事ではないが当時は国産車に対する信頼は低かった。
   日本兵は戦利品のGMやフォードのトラックが割り当てられると士気があがり
   国産だと死を覚悟したというのは有名な話だな」

提督「当時の陛下の御料車がメルセデスベンツ770だったな、俺の公用車もベンツだ。
   私物の車も同じくベンツだがスポーツタイプでね、今日はこれでドライブといこう」

武蔵「最高だな!」

青葉(提督が武蔵さんと私服で外出!
   これはデートの予感ですねー!)パシャッ

(帝国ホテル)

武蔵「大和には帝国ホテルや日本郵船の客船で働いていた腕利きのコックが
   司令部用の烹炊所で腕を振るっていた。
   だからアイツは食事にうるさいぞ……まあ私も同様だがな!」

提督「今日はエスコートさせて頂くよ海軍の至宝殿」

武蔵「うむ、苦しゅうない……提督も身だしなみが整っているな!
   海軍はそういう点厳しいからしっかりな!」

提督「もう台風で私物をぶちまけられるのは嫌だからね……(遠い目」

武蔵「ハッハッハッ、まだあるのかアレ!」

提督「ありますよー」タメイキ

提督「元帥になったのに当時の教官見るとビクッとするわ」

武蔵「初心忘れるべからずだな!
   マナーは覚えているな?」

提督「ナイフとフォークは外側からとかね」

武蔵「海軍士官たるものスマートにな!」

提督「武蔵のシャンパンはヴーヴクリコでいいかい?」

武蔵「おお、好きだぞ。
   ム、提督はノンアルコールスパークリングか」

提督「ハンドルキーパーなもので」

武蔵「紳士的だな!結構結構」

青葉(ナニこのお値段……)ヒイイイ

(宿舎前)

提督「今日は付き合ってくれてありがとう、武蔵」

武蔵「いや、こちらこそ楽しい時間だった」

提督「君の部屋は用意させておいた、清霜!」

清霜「はい提督!」

武蔵「清霜じゃないか!」

清霜「お久しぶりです武蔵さん!」

提督「宿舎は女子専用なのでこの清霜が案内を務める」

武蔵「何だ、提督は入らんのか?」

提督「誤解を招くわ」

武蔵「艦娘は艤装無しでも人間より強い、見くびるな。
   それに清霜も一緒なら誤解もなかろう!
   ほれ、家具が大和好みでなかったらどうする!」

提督「わかった……清霜、すまんが一緒に頼む」

清霜「喜んでー!」

(武蔵私室)

提督「ここが君の部屋になる」

清霜「広ーい!豪華ー!
   さっすが武蔵さんのお部屋ですねー!」

武蔵「ほう、家具はマホガニー製か」

提督「昔、君たちに設置されていた長官室の家具を復刻させたものだ」

武蔵「言う事無しだ!
   さぞかし大和も喜ぶ事だろう!」

提督「清霜、あれを」

清霜「はーい、武蔵さん、賀茂鶴の大吟醸・天凛です!」

武蔵「寝酒まで最高か!
   提督よ、些か気が早いがお兄ちゃんと呼んでやろうか!」

提督「早すぎるわ!」

提督「……まあ気に入ってもらえて何よりだ。
   では、また明日に」

武蔵「うむ、お休み」

清霜「おやすみなさーい!」バタン



武蔵「それもこれも全て大和の為……私のコレはそのお零れか……」

(食堂)

提督「おはよう武蔵!昨日はありがとうな!」

武蔵「おはよう、提督よ、朝も元気だな」

提督「元気のない上官とか頼りにならんにも程があるわ」

武蔵「違いない……ほう、朝食のスープにコンソメか、いいな、大和の好みだ」

提督「そうか!
   メニューに追加した甲斐があるなあ!
   おっ、そうそう武蔵の好きな皿うどんとか佐世保バーガーも日替わりだが出るぞ!」

武蔵「つくづく気の利く男だよ、提督」

提督「未来の妹から言われると鼻が高いな!」

武蔵(早過ぎなかったじゃないか!)

(執務室)

武蔵「当然だが」

提督「おう」

武蔵「大和は特攻作戦で轟沈した。
   最も忌み嫌うのはそうした作戦だと心得ろ」

提督「ああ、全くもって当然だな!
   俺はあんな作戦やる位ならクーデターをおこして
   政権奪取した後に降伏するぞ!」

武蔵「そうか……それは心強い」

提督「で、これがこれまでの我が艦隊の歩みだ」

武蔵「轟沈ゼロ!素晴らしいな!」

提督「そのかわり激しく資源を消費するので遠征祭りだ」

武蔵「戦果の引き換えに損耗が激しい……ロンメル元帥を彷彿とさせるな」

提督「武蔵、あっち陸軍」

武蔵「わ、わかっている!」

(工廠)

大和「大和型戦艦、一番艦、大和。推して参ります!」

提督「ぃぃぃいやったあああああーーーーーーーー!」

武蔵(……来てくれた、か……)

(武蔵私室)

武蔵(一緒にトレーニングする事も無くなった……私の助言通りに提督は訓練機材を揃え、大和と鍛えている)

武蔵(提督のベンツの助手席は大和の指定席だ)

武蔵(艦隊の総旗艦も大和になった)

武蔵(……わかっていたのに何だ、この喪失感は……)

武蔵「……酒でも飲むか……」

(鳳翔の店)

隼鷹「おっと……よく会うねえ、武蔵ー」

武蔵「隼鷹か」

隼鷹「そ、隼鷹さんだよー」

武蔵「空母部隊の様子はどうだ」

隼鷹「いやあー、もう演習でさ、大和の露払いでバッタバタ!」

武蔵「そうか……妹が苦労をかけるな」

隼鷹「あーあー、そうじゃないそうじゃない。
   大和が演習で活躍してるから私らまで練度も鰻のぼりよ!
   大和様様!」

武蔵「(ホッ)ふう……なら安心した」

隼鷹「武蔵が来た時もそうだったじゃんさー?
   どしたの?」

武蔵「いや……何、私と大和は結構似ていたんだな……と思ってな」

隼鷹「そら姉妹艦なんだから似てるもんだろー?」

武蔵(そういえば、そうか)

武蔵(大和の好みを教えていたが)

武蔵(ほとんどイコール私の好み、……か)パキャッ

隼鷹「む、武蔵!グラス割れてる!」

武蔵「あ……ああ、すま、ない」

隼鷹「泣くぐらいなら、んーなに力入れんなよー!
   ホラ、手ぇ出して!
   鳳翔さーん、おしぼり頂戴ーー!」

(大和私室)

大和「武蔵が!?」

雪風「はい、どうやら鳳翔さんのお店で手に力を入れ過ぎたらしくグラスを握り潰してしまったそうです!
   手にガラスの破片が入り現在修復を……大和さん!?」

大和「私のせい……私のせいで武蔵が……」

大和「私だけ幸せになんて……」

大和「鳳翔さん……」

(そして、鳳翔の店)

鳳翔「提督、私が大和ちゃんと貴方のケッコンカッコカリを後押ししたのは、
   あの子に幸せになって貰う為です」

提督「(あれっ、酒を飲みにお店に来たら正座させられてる)ハイ」

鳳翔「だというのにあの子を悲しませるなんて男の風上にもおけません。
   それでも帝國元帥ですか!
   聯合艦隊司令長官ですか!」

提督「ナニガイケナカッタンデショウカ」

鳳翔「大和ちゃんが気に病んでいるんです!
   『武蔵も提督に想いを寄せているのに私だけ幸せになっていいんでしょうか』と!
   男なら二人とも幸せにする位の甲斐性を見せなさい!
   胸の甲勲章は飾りですか!」

提督「可及的速やかに解決致します」

鳳翔「結構、それまではこの店の敷居を跨がないでください」



時雨「鳳翔さんを怒らせた……?」

隼鷹(そらそうよ)

終わり

そら(流石の隼鷹さんも)
そう(辛辣になってアニメ提督呼ばわりする)

>>53
アニメ提督の称号は残当だった…!?

いやここで終わらせるなよw
いかにも慌てて追加しましたなプロポーズをどう感じたかが無けりゃ消化不良もいいとこだ

アニメ提督「夢で見たから吹雪を嫁にする」
ここの提督「大和が好きだから武蔵から好みをヒアリングして嫁にする」

…駆逐艦でなく戦艦を選ぶのと、轟沈を出さず元帥になってるのは誉められていいかな…

>>55
すまん力尽きた。(書けたら)続編でどうプロポーズするか追加してみる。
たぶん何かの作戦後とかタイミング見て慌てて追加した感じでないプロポーズをすると思われる。
恋で盲目になってなきゃそれなりに視野のある提督……の……ハズ

>>56
アニメ提督は適当な罵倒の言葉として考えただけなのに結構言及されてて驚き

提督の大和が来た時の喜びよう、核でも撃ち込みそう

>>58
提督「持ってりゃ嬉しい戦艦大和」
時雨「強力な兵器だよ。兵器は使わなきゃ」

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