市原仁奈「時子おねーさんと法子おねーさんがケンカしてるでごぜーます」 (37)



・モバマス・デレマス・デレステのSSです




4月17日 事務所

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時子「だから言ってるじゃない。これは貴方が折れれば済む話よ」

法子「こればっかりは、いくら時子さんとはいえ譲らないよっ! 先に時子さんが謝って!」

時子「ハッ! 家畜に謝るご主人がいると思ってるわけ?」

法子「うーっ! もう! 時子さんの分からず屋!」

時子「アァン? 分からず屋ですって? この私が?」

法子「そうだよ! 分からず時子さんだよ!」

時子「クックック……この私に対してその口の聞き方とは、随分えらくなったものねぇ?」

法子「ふんっ! 褒められたって前言撤回はしないんだからね!」

時子「褒めてないのだけど」

法子「このドーナツに誓って!!!」

時子「……少し怒気が下がってきたわね」



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時子「ハァ……これだから脳に行くはずの栄養が他に行ってる奴は嫌いなのよ……」

法子「あー! いまバカにしたね!」

時子「ふんっ。貴方がそう思うならそうなんでしょうね」

法子「ドーナツの栄養をうまく吸収できていない……あたしとドーナツは相性が悪い。そう言ったんですね!?」

時子「貴方本当に全てがドーナツに繋がるわね! 脳がドーナツで出来てるんじゃないの!?」

法子「と、時子さん……いきなり褒められると、その、反応に困るというか……///」

時子「1ミリも褒めてないわよ! むしろ罵倒の分類に入るわよ!!」

法子「えぇ!? ドーナツのことバカにしてたの!?」

時子「貴方のことよ! ……って、あぁもう! めんどくさいわね!!」



ガチャッ


仁奈「ふぃ~。レッスンつかれた~。お昼の時間ですよ~」

仁奈「? なんか騒がしいでごぜーますね」

ワーキャーワーキャー

仁奈「時子おねーさんと法子おねーさんがケンカしてる……?」


仁奈「二人とも落ち着くでごぜーます! ケンカはよくないでごぜーますよ!」

時子「アァン?」

仁奈「ひっ……」

時子「いいかしら、仁奈? いま私は、この分からず屋に躾を施してるの。だから」

時子「邪魔をしないでくれるかしら?」

仁奈「うっ……でも……」

時子「私の邪魔するなら、仁奈。貴方も躾の対象よ?」

仁奈「で、でも……ケンカはよくねーと……お、思うですよ……」

時子「これが最終警告よ、引きなさい。私はそんなに暢気でないの」

仁奈「ううっ……」


時子「……どうやら下がるつもりはなさそうね。子供っていうのは、一度痛い目を見ないとわからないのかしらね?」

仁奈「うっ……うっ……」

法子「ちょっと時子さん! 仁奈ちゃん怖がってるでしょ!」

時子「チッ……」

法子「仁奈ちゃんごめんね? 大丈夫?」

仁奈「だ、大丈夫でごぜーます……泣いてなんかねーですよ……」

法子「よしよし、えらいえらい」

仁奈「えへへー……撫でられたー♪」

時子「……フン」


ガチャッ


真奈美「ただいま帰っ……た……」

真奈美「……どうやら穏やかじゃないようだね」

真奈美「法子、説明お願いできるか?」


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真奈美「なるほど……つまり、2人が言い合いになってる所に、仁奈くんが止めに入ったと」

法子「……はい」

時子「……」

真奈美「さて、どこから話をつけたものか……」

真奈美「まあ、詳しい話は置いとくとして、まずは仁奈くんに謝るところからだな」

真奈美「今回の話に無関係な仁奈くんを泣かせるなんて言語道断だ。そうだろう?」

法子「……はい」

時子「……」

真奈美「じゃあ、謝ろうか」

法子「……仁奈ちゃん、ごめんなさい」

時子「……」

真奈美「時子も」

時子「……」

真奈美「はやく」

時子「…………すまなかったわ。仁奈」ナデナデ

仁奈「……えへへー」

真奈美「仁奈くん、二人とも謝っているが、どうする?」

仁奈「もちろん、いーよ! でごぜーます!」

真奈美「そうか、仁奈くんは賢いなぁ……」ナデナデ

仁奈「えへへー♪」


真奈美「さてと、次は……」

仁奈「真奈美おねーさん、真奈美おねーさん」

真奈美「ん? どうした?」

仁奈「仁奈はもう大丈夫でごぜーます! だから、2人を責めないでやってほしいですよ」

真奈美「……とのことだ。説教は控えるとするよ」

時子「……」

法子「……」


仁奈「ところで、いつも仲がいい2人が、なんでケンカしてたですか?」

時子「仲が良い? 私と法子が? どこをみたらそう見えるかしら?」

仁奈「仁奈にはそう見えたですよ?」

時子「ハッ……バカバカしい」

仁奈「違うでごぜーますか?」

時子「……貴方がそう思うならそれでいいんじゃないかしら」

真奈美「否定はしない、と」

時子「真奈美」

仁奈「じゃあ、やっぱり仲よしだー!」

時子「はぁ……これだから子供は好きじゃないのよ……」

真奈美「……フッ」

法子「……フフッ」

時子「チッ……気分が悪いわ」

仁奈「大丈夫でごぜーますか? 背中さするですよ?」

真奈美「……フフッ」

法子「あははっ!」

時子「…………至極気分が悪いわ」


時子「いいかしら仁奈、私のことは時子様と呼びなさい。いい?」

仁奈「はいでごぜーます! 時子おねーさま!」

時子「クックック……そうよ。子供のこういう素直な所は嫌いじゃないわ」

仁奈「わーい! 時子おねーさまにすきっていわれたー! うれしいなー!」

時子「そこまでは言ってないのだけれど……」

時子「まあ、誰かさんもこの従順さを見習ったらどうかしらね?」

法子「むっ、もしかしてそれってあたしのこと?」

時子「さて、どうかしらね? でも、誰かさんで反応するってことは、心当たりでもあるのかしら?」

法子「むむっ、それはどういう意味ですか!」

時子「そういうことよ」

法子「むきー! もう時子さんにはドーナツ1つしかあげないんだから!」

真奈美「こらこら、そうやってすぐにじゃれあうんじゃない」


真奈美「さて、ではお節介だとは思うが2人の問題を解決しようか」

時子「ほんとうにお節介ね」

仁奈「仁奈も手伝うですよ!」

真奈美「はっはっは、それは心強い」

時子「真奈美、貴方楽しんでない?」

真奈美「……さて、法子。率直に聞くが、今回の事の発端はなんだい?」

時子「無視するんじゃないわよ」


法子「えっと……それは、このドーナツで……」

真奈美「ほう?」

仁奈「わー! ドーナツがいっぱいだー!」

時子「フンッ……食べてみればいいわ」

仁奈「くれるでやがりますか!?」

時子「好きして」

真奈美「では、1ついただくとするか」ムグッ

仁奈「わーい! いただきまーす!」ハムッ


真奈美「うむ……なんというか……」

仁奈「しょっぺーでごぜーますよ……」

時子「そういうことよ」

仁奈「べろがヒリヒリするですよ……」

真奈美「なるほど、つまり法子が作ったこのドーナツが時子の……」

時子「違うわ」

真奈美「……ほう?」

法子「このドーナツね、時子さんが作ってきてくれたドーナツなの」

真奈美「え?」

仁奈「え!?」

時子「……なによ、その反応は」

真奈美「いや、すまない。少々意外だったもので」

仁奈「時子おねーさまは、おかし作りもできるですか! すげー!」

時子「ええ、事務所にあるキッチンで作ったわ」

時子「……まあ、失敗したのだけどね」


真奈美「これは、砂糖と塩を間違えた、ってことでいいのかい?」

時子「ええ、そうみたいね」


法子「このドーナツを食べたあたしは、おかしくって笑っちゃったの。時子さんでもこういう失敗するんだって」

法子「そして、それから段々と言い合いになっちゃったの」

時子「……」

真奈美「そういうことだったのか」


真奈美「時子、味見はしなかったのか?」

時子「ちょうどキッチンを通りかかった豚に毒味をさせたわ」

真奈美「プロデューサー君が食べたのなら、気づくんじゃないのか?」

時子「そうね……でも、あの豚は確か……」


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時子『どう? ご主人様が直々に作ったスイーツよ、おいしいかしら?』

モバP『はい! 大変おいしゅうございます!』

時子『クククッ……そうよねぇ? この時子様が作ったのだから、おいしいに決まってるわよねぇ!』

P『はい! このようなご褒美が頂けて、わたくしは大変うれしゅうございます!』

時子『私の喜びは?』

P『わたくしたちの喜び!』

時子『私の悲しみは?』

P『悲しみを感じさせた者に死の鉄槌を!』

時子『クククッ……いい! 最高に気分がいいわ!』

時子『もう行っていいわよ。貴方はもう用済みよ』

P『はい! ありがとうございました!』



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時子「……こんな感じで、おいしいと言ってたはずよ」

法子「……」

時子「今思えば、自分で確かめなかったこと、豚の管理ができてなかった私の責任ね」

仁奈「……」

時子「飼い豚にでも噛まれた気分よ……あの愚豚……」

真奈美「まあ、その、なんだ……不幸な事故だった、のか?」


別の場所

P「へっくしょん!」

P「誰かが俺の噂をしている……気がする」


仁奈「ところで、時子おねーさまはなんでドーナツを作ったんでごぜーますか?」

法子「あ、それあたしも気になる!」

真奈美「私も興味があるな」

法子「時子さん、なんでって聞いても全然教えてくれないんだよ~」

時子「自分で考えればいいじゃない」

法子「あー! またそうやって教えてくれない!」

真奈美「時子、これは今日であることに意味があるのか?」

時子「そうなんじゃないの?」

真奈美「ふむ……今日は4月17日……法子くんの誕生日にはまだ遠い……」

仁奈「バレンタインデーとホワイトデーはもう終わったでごぜーますね」

真奈美「4月17日……4/17……」

真奈美「法子……椎名……しいな……?」


真奈美「……なんだ、そういうことか」

法子「え! 真奈美さんわかったの!?」

真奈美「ああ、恐らくだがね」

仁奈「ほ、ほんとでごぜーますか!?」

時子「……チッ」

法子「なんで!? なんで時子さんはあたしにドーナツを作ってくれたの!?」

仁奈「仁奈も気になるでごぜーます!」

真奈美「そうだね、仁奈くんちょっとこっちへおいで」

仁奈「? そっちへ行けばいいですか?」トテトテ

真奈美「ああ」

仁奈「はい、来たですよ」

真奈美「じゃあ、耳を貸してくれ」

仁奈「はいでごぜーます」

真奈美「仁奈くんにはこっそり答えを教えるよ」

法子「えぇ!? あたしは!?」


真奈美「今日は4月17日で、これってゴニョゴニョ……」


仁奈「なるほどー! そういうことだったですか!」

法子「すごく気になるよ!」

仁奈「今日は法子おねーさんの日だー!」

法子「あたしの日!? 誕生日ならまだ先だよ!?」

真奈美「まあ、どうしても気になるなら、あとで時子に聞くといいさ」

法子「えー! 真奈美さんのいじわるー!」


真奈美「はっはっは、3度目の正直って言うじゃないか。次なら教えてくれるかもしれないぞ?」

法子「えー? ほんとかなー? 時子さ……」

時子「教えないわよ」

法子「あー! やっぱり教えてくれない! ケチ!」

時子「アァン? ケチですって? この私が?」

法子「そうだよ! 全然教えてくれない時子さんなんて、ケチだよ!」

時子「貴方は、せっかく落ち着いたところにまた油を注ぐつもりなの?」

法子「ふーんだ! けちんぼ時子さん!」

時子「……いいわ、私も前々から貴方に言いたいことがあったのよ」

法子「なんですか?」

時子「ドーナツなんて、私から見ればそこら辺のパンと何ら変わりないのよ」

法子「ドーナツとパンが……一緒……?」

時子「ええ、そうよ」

法子「……っふふ……っふふふふ……」

時子「どうしたの? 図星だったかしら?」

法子「時子さん、ついにあたしの禁忌に触れましたね……」

時子「ほう? 貴方の禁忌とやらに触れたら、何か起こるのかしら?」

法子「いいでしょう……ドーナツのおそろしさを教えてあげますっ!」



ワーキャーワーキャー


真奈美「じゃあ仁奈くん、私たちはどこかお昼でも食べに行こうか」

仁奈「え!? いいでごぜーますか?」


ワーキャーワーキャー


真奈美「ああ、これ以上はお邪魔になるからね」

真奈美「じゃあ時子も法子も程々にな……ってもう聞いてないな」

仁奈「あ、真奈美おねーさん、待ってくだせー!」

仁奈「お、おじゃましました! でごぜーます」タタタッ


仁奈「ほっといていいでやがりますか?」

真奈美「ああ」

仁奈「またケンカしたりしねーですか?」

真奈美「大丈夫だ」

仁奈「でも、仁奈が来たときよりひどくなってるでごぜーますよ?」

真奈美「そうだな……仁奈くんは学校の友達と言い合いのケンカになったことはないかい?」

仁奈「あ、あるですね……」

仁奈「でも1回だけでごぜーますよ!」

真奈美「ほう、1回だけか。仁奈くんは優等生だな」

仁奈「ゆーとーせい?」

真奈美「仁奈くんは立派な生徒、ということだよ」

仁奈「わーい! 仁奈、今日はいっぱいほめられてうれしいですよ!」


真奈美「その友達と、まだケンカをしてるかい?」

仁奈「してねーですよ! ケンカした次の日には仲直りをして、また一緒に遊んだですよ!」

真奈美「そうだろう?」

真奈美「あと、ケンカといえば、みくと李衣菜もよく事務所で言い争いをしてるだろう?」

仁奈「してるですね」

真奈美「それでも、仲が悪いように見えるかい?」

仁奈「見えねーです。むしろ、みくおねーさんとりーなおねーさんは仲良しに見えるですよ」

真奈美「ああ、私にもそう見えるよ」


真奈美「ケンカするほど仲が良い、という言葉もあるように、ケンカというのは必ずしも悪い事ではないんだよ」

真奈美「もちろん、場合や程度にもよるけどね」

真奈美「付き合いが長いと、お互いに不満やストレスも溜まるだろう」

真奈美「その不満を言い合える場というのは貴重なものなんだ」

真奈美「だから、お互いの気が済むまで言わせておけばいい。そしてスッキリしたら、いずれ仲直りをして、すぐいつものように仲良くなってるよ。本当に仲が良いならね」

仁奈「…………すげー」

真奈美「ん? どうかしたかい?」

仁奈「すっげー! 真奈美おねーさん、ほんとに先生みたいだー!」

真奈美「はっはっは、それは光栄だな」

仁奈「すげーですよ! ドラマみてーですよ!」

真奈美「そういえば、体育教師の役をしたことがあったな」

真奈美「あの時は、法子と時子が同じ学生……」

真奈美「プロデューサー君のキャスティングはバッチリってことだな」

仁奈「プロデューサーもすげーですね!」

真奈美「ふふっ、そうだな」



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法子「ハァ……ハァ……」

時子「ハァ……ハァ……」

法子「ハァ……つ、疲れた……」

時子「…………そうね」

法子「なんでこんなことになったんだっけ……」

時子「もう忘れたわよ、そんなこと……」

法子「……」

時子「……」

法子「時子さん、今日はごめ……」

時子「法子、今日はすまなかったわね」

法子「……はえ?」

時子「すまなかったわ、と言ってるの。少しキツく言いすぎたわ」

法子「え、あ、うん」


時子「……なぜ私は今日ドーナツを作ってきたか、だったわね」

法子「教えてくれるの!?」

時子「ええ。でも、たいしたことではないわよ」

法子「それでもいい! 気になる!」

時子「今日は4月17日、4、1、7、”しいな”の日なのよ」

法子「……あっ、ほんとだ!」

時子「日頃いろいろもらってるでしょ? ちょうどよかったから、そのお返……その借りを返そうと思ったのよ」

法子「……」

時子「もっと言うと、私の作ったドーナツで貴方が笑ってる顔が見たかった……って何言ってるのかしら、私は」

法子「時子さん……」


法子「……」ガサガサ

法子「……」バッ

時子「……何をしてるの?」

法子「……いただきます」ガツガツガツガツ

時子「なっ!? やめなさい! そのドーナツはかなりの量の塩が入ってるのよ!」

法子「……」ガツガツガツガツ

法子「……しょっぱい」

時子「だからやめなさいと……」

法子「でも、おいしいっ!」

時子「はい?」


法子「確かにこのドーナツはしょっぱいです。海に漬けたのかってくらいしょっぱい」

法子「でも、それ以上に気持ちがこもってます。時子さん、とってもおいしいよっ! ありがとっ!」


時子「……そう」

時子「相変わらずいい笑顔ね」

法子「へへっ……人は、ドーナツを食べると笑顔になるんだよ!」


法子「あたしも、せっかく作ってきてくれたのに笑っちゃってごめんなさい」

時子「もういいのよ」

法子「……明日4月18日は時子さんの誕生日だったよね?」

時子「そうだったかしら」

法子「午後から何もなかったよね!? じゃあ今からドーナツリベンジしない!? しよ! というかさせます!」

時子「……」

法子「ん? 時子さん?」

時子「……フフッ」

法子「な、なんか笑われた! なんで!?」

時子「なんでもないわ」

時子「それより、ドーナツを作るのでしょう? 早く行きましょう」

法子「むー、腑に落ちない……けど!」

法子「行こう! ドーナツがあたしを呼んでいる!」


時子「法子、やはり貴方は面白いわ」ボソッ

法子「ん? 何か言いました?」

時子「なんでもないわ、行きましょう」


移動中

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時子「――――そもそも、私はドーナツ自体は嫌いじゃないわ」

法子「そうなの?」

時子「ドーナツが嫌いなら作ったりはしないわよ」

時子「ドーナツを見ると、あの忌々しい思い出がよぎるのが嫌なのよ」

法子「あっ! スクールガールの時だね!」

法子「ギャルの役、楽しかったな~」

法子「時子さんは、セーラー服だったっけ?」

時子「……思い出しただけで吐き気がしてきたわ」

法子「は、ははは……時子さん、ずっと機嫌悪かったもんね……」

時子「もうこの話はおしまいよ。そろそろキッチンに着くわ」



ガチャッ


法子「おじゃましまー……ん? 誰かいる?」

???「……」ガサゴソ

法子「あれは……麗奈ちゃん?」

麗奈「完成! あーっはっ……ゲホ!ゲホ!」

法子「こっちには気づいてないのかな? とりあえず話しかけてみよっ」

法子「おーい!麗奈ちゃん!」


麗奈「ん? 誰? 今ちょっと手が離せないのよ、用事なら後にしてくれる?」

法子「麗奈ちゃん、何してるの?」

麗奈「見てわからないのかしら、イタズラよ、イタズラ」

法子「イタズラ?」

麗奈「そうよ! こうやって砂糖と塩の中身を入れ替えてるのよ!」

時子「!」

法子「え? それって……」

麗奈「そうよ! これで、ここで料理をする人は砂糖と塩を間違えて……クックック、その時の顔を想像しただけで笑えてくるわ」

時子「……」


麗奈「昨日もやったんだけど、今見に来たら砂糖の容器が空っぽになってて、見事に誰かさんが引っかかったみたいなのよ!」

麗奈「で、今その補充をしてるの」

麗奈「いや~、さすがレイナサマね! 騙された奴は相当マヌケ顔を晒したでしょうね!」

法子「……」

時子「……」

麗奈「よし、おしまい! ……って調子に乗って仕掛けをしゃべっちゃたわ。失敗失敗」

麗奈「まあ、1人くらいバレても大丈夫でしょ……う……」クルッ

時子「……」

法子「あ、あはは……」


時子「そうねぇ? 大丈夫よねぇ?」

麗奈「ゲッ、時子! ちょっと、なんでここにいるのよ! 聞いてないわよ!」

時子「おかしいと思ってたのよねぇ……この私が、砂糖と塩なんかを間違えるという単純な失敗を犯すなんて、あるはずないって」

麗奈「え? それって……」

時子「ようやく合点がいったわ……そういうことだったのねぇ……」

麗奈「そ、ソレハヨカッタワネ……」

時子「麗奈、ありがとう。これでスッキリしたわ」ニコッ

麗奈「あ、アハハ……ドウイタシマシテ……」

時子「関係ないのだけど、昨日、鞭を新調したのよね」

麗奈「ソ、ソウナンデスカ」

時子「その鞭がねぇ……とっても叩き心地がいいのよ……」

麗奈「ヨ、ヨカッタデスネ……」

時子「ええ、すごく良いわ……それで、お礼と言ってはなんだけど……」

麗奈「ハ、ハイ……」

時子「その鞭で貴方の根性を叩き直してあげるから……そこに座りなさい!!!」

麗奈「ご、ごめんなさい!!!」ダッ

時子「あっ、待ちなさい!!!」ダッ

法子「……」ポカーン



シーン



法子「えっと……とりあえず、ドーナツを作ろうかな」


~fin~

以上になります

4月17日は椎名法子の日
ということで書かせていただきました!
読んでくださった方がいたら、ありがとうございます。

HTML化依頼してきます。

前に書いたもの:モバP「…なんで正座させられてるかわかる?」 村上巴・美波・留美「・・・」
P「…なんで正座させられてるかわかる?」 村上巴・美波・留美「・・・」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1473516364/)

よければこちらもよろしくお願いします。

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