蘭子「偶像達とサウザンド・ドラゴンの戯れを見よ!」(アイドル川柳のお時間です!) (23)

・アイドルマスターシンデレラガールズのSSです。よろしくお願いします。

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蘭子「我が友よ。その手に持つのは新たな魔導書か?」
  (あれ、プロデューサー、その本何ですか?)

飛鳥「どれどれ……へえ、『おもしろ川柳』か。こんなに色々な川柳の載っている本があるんだね」
 
蘭子「『サウザンド・ドラゴンの戯れ』……?はて、それは如何様なものだったか?」
  (川柳ですか?聞いたことあるような、ないような……)

芳乃「川柳というのはー、季語を用いない、俳句のようなものでしてー」

茄子「季語を用いない分自由度が高く、洒落や言葉遊びを使った作品が多いのも特徴ですね」

友紀「へー。川柳っていえば、お父さんが好きで、ちょこちょこ作ってたりしてたっけ。でもプロデューサー、どうして急にそんな本買ってきたの?」

芳乃「……ほほう。今度の番組で使う資料、でしてー?」

友紀「皆で川柳を詠む番組をやるってこと?面白そうだね!」

茄子「なるほど。そういうことでしたら、私も良い句が詠めるように頑張りますね♪」

―――それからしばらくして

蘭子「くくっ……これより『偶像達とサウザンド・ドラゴンの戯れ』が始まるぞ!」
  (こんにちは、特別番組『アイドル川柳』のお時間です!)

蘭子「此度届けるのは、偶像達が言の葉に込めし数々の"想い"。そして、それを伝えるのは我ら『ダークイルミネイト』である!」
  (今日はアイドルの皆に詠んでもらった川柳を紹介しちゃいます!司会進行は私たち『ダークイルミネイト』です!)

飛鳥「やあみんな、蘭子と共に司会を務める二宮飛鳥だよ。よろしく」

蘭子「頼もしきかな我が片翼よ。本日の働き、期待しておるぞ」
  (飛鳥ちゃん、今日はよろしくね!)

飛鳥「ああ、こちらこそよろしく頼むよ蘭子」

蘭子「今日は、我らの活躍から目を背けられぬようにしてやるわ!刮目せよ!」
  (視聴者の皆さんも、最後までお付き合いお願いします!)

飛鳥「それじゃあ蘭子。まずは、この番組の内容を説明してもらえるかな」

蘭子「ふむ。先程宣言した通りだが、此度お送りするのは『偶像達とサウザンド・ドラゴンの戯れ』……つまり、我が居城に集う偶像達と』
  (えっと、さっきも言ったんですけど、今日の番組では346プロのアイドル達に川柳を詠んでもらって……)

飛鳥「おっと、プロデューサーから巻きの指示だ。つまり、アイドルのみんなの川柳を発表するってことだね?」

蘭子「飛鳥ちゃん!?まだ私、言い終わってない!」

飛鳥「それでは行ってみようか。アイドル川柳、最後まで楽しんでもらえれば嬉しいよ」

蘭子「飛鳥ちゃん!?」

飛鳥「蘭子、まだ拗ねているのかい?もう、CM明けたよ?」

蘭子「……拗ねてないもん」

飛鳥「やれやれ、魔王はこんなことでいつまでも拗ねてしまう程器量の小さいものなのかい?」

蘭子「な!?私を愚弄するな!!」
  (そ、そんなことないもん!)

飛鳥「ふふふ、調子が出てきたじゃないか。じゃあその調子で、ゲストの呼び込みをお願いするよ」

蘭子「うむ、まだ納得のいかぬ部分もあるが……それでは、賓客にもこちらへお越し願おう!言の葉を巧みに操りし魔導士よ!」
  (うーん、ちょっとモヤモヤするんだけど……えっと、じゃあゲストをお呼びします!ダジャレが得意なこの方です!)

楓「『魔導士』なんて呼ばれてまあどうしよー……ふふっ。こんにちは、高垣楓です」

蘭子「くくっ、此度は我らと共に楽しもうぞ!」
  (よろしくお願いします!)

飛鳥「こんにちは楓さん。今日は、アイドル川柳のゲスト兼解説役をしてもらえると聞いているんだが」

楓「ええ。皆さん頑張って川柳を詠んでくれたんだけど、どうしても伝わりづらいものもあるから」

蘭子「我や我の片翼が言の葉の意味を捉えきれなかった時、教授してくれるのだな?」
  (私や蘭子ちゃんがわからなかった時に、教えてくれるんですね?)

楓「ええ。ちなみに、今回の収録で使う分の川柳を選別させて頂いたりもしましたよ。皆さん、俳句にも負けないハイクオリティーな良い句ばかりで、選ぶのが大変でした」

飛鳥「ダジャレに定評のある楓さんの選んだ句か。面白そうだね」

蘭子「それでは儀式を始めていこう!いざ、深淵を覗かん!」
  (では早速始めていきましょう!初めに紹介するのはこの句です!)

すみません誤字りました……
(私や蘭子ちゃんがわからなかった時に、教えてくれるんですね?)→(私や飛鳥ちゃんがわからなかった時に、教えてくれるんですね?)
です

では続きから



『お楽しみ マニアックなら オタの趣味』(真夏と真冬のひな祭り)

楓「一句目ということで、比較的分かりやすいネタを採用してみました」

飛鳥「ふむ、たしかに分かりやすいけど……真夏と真冬のひな祭りって、何のことだい?」

楓「『柳号』ですよ。川柳を詠むときにつける、ペンネームみたいなものですね。折角の機会なんだから、こういったものもあった方が面白いでしょう?」

蘭子「我の知る限り、雛祭りとは春に行われる行事だったが……」
  (私、雛祭りって春のイベントだと思ってたんですけど……)

飛鳥「真夏と真冬のお祭り……マニアック……ひな……あっ」

楓「私は行ったことがないけれど……大変なんでしょう?」

飛鳥「うん、ボクも風の噂で聞いたきりだけど。あそこは文字通り、戦場のような場所だから」

蘭子「?」



『春が来る 今年もやるぞ セー比べ』(ゆき姫川球春絵巻)

蘭子「『セー比べ』……?一体、これは何の暗示であろうか……?」
  (『セー比べ』って、何かにかかってるのかなあ……?)

飛鳥「友紀さんの詠んでいる句となると、思いつくのは野球ネタだけど」

楓「それで正解だと思います。もうすぐ球春が到来するから、今年もセ・リーグの競争……つまり、順位比べが熱くなるぞっていう意味ですね。それと、子供の日の風物詩である『背比べ』をかけているわけです」

蘭子「な、なるほど……」

飛鳥「しかし、その書き方だと、もう一つのリーグはどうでもいいみたいだが」

楓「まあ、友紀さんが応援しているのはあくまでキャッツですから。それに、パ・リーグのことまでこの句に入れ込もうとするには、厳しいものがありますし」

蘭子「サウザンド・ドラゴンの世界も、奥の深いものだな……」
  (川柳も色々難しいんですね……)

『夕闇に 向かう列車も かいそうし』(池袋博士)

蘭子「文末がかな文字なのは、何かの意図が込められているのだろうか?」

飛鳥「列車だからね。普通に考えれば『回送』が当てはまるんだろうけど」

楓「いいえ、この句には、もっと色々な解釈が込められていると思いますよ」

飛鳥「というと?」

楓「夕闇の中を『快走』していく列車の様子。あるいは、夕闇の中を走る列車で見た風景そのものの『回想』、なんていう見方もできますよね」

蘭子「おお……。この句は、見る者によって、千変万化、姿を変えるのだな!」
  (短い一句の中に、見る人によって変わる色々な意味が詰まっているんですね!)

楓(晶葉ちゃん、以前私が教えたことを、こんな風に使ってくれるなんて、嬉しいことをしてくれますよね♪)

『悪行も 極めたいなら 嗚呼苦行』(アクトレス・レーナ)

飛鳥「これは分かりやすいダジャレネタだね」

蘭子「『嗚呼』という辺りに、何とも言えぬ悲哀を感じる……悪の女王も、日々艱難辛苦を乗り越えているのだな」
  (麗奈ちゃんも色々大変なんですね)

楓「うちの事務所って、元警察官の方がいたりもしますしねぇ……」

飛鳥「それにしても、悪行を極めるって……あまりやりすぎれば、それこそ警察沙汰になってしまうだろう」

楓「まあ、そこについては大丈夫でしょう。悪を懲らしめる正義のヒロインも、私たちの事務所にはちゃんといますから♪」

『怪人も 灰燼に帰す 覚悟だよ!』(光の戦士)

蘭子「悪の女王は、最早怪人と呼ばれる存在となっていた!?」

飛鳥「いやいや、別にこの句で言っているのは麗奈の事じゃないだろうけど……ちなみに『灰燼に帰す』って、どういう意味だい?」

楓「ものを跡形もなく焼き尽くすということですね」

蘭子「ひぃっ!?」

飛鳥「それはちょっと覚悟を決めすぎだろう、正義のヒロイン……」

『あの子より 人間辞めてる うちのPさん』(マツコ)

楓「ここでちょっと毛色の変わった句を入れてみました」

蘭子「うむ……我が友は、たった独りで183もの偶像達を使役しておるからな……ただの人間ではない、と考えるのも無理からざるものだ」
  (プロデューサーは1人で183人もアイドルをプロデュースしているんだし、たしかに普通の人にはできないですよね)

飛鳥「いや、それよりこの柳号は大丈夫なのかい?」

楓「ちなみにこの句は、とあるホラー好きアイドルと『視える』アイドルの合作なんですよ」

飛鳥「ああ、『松』と『小』でマツコなのかって、そういう問題じゃなくてね」

蘭子「しかし、この句は定型から外れているな。我が友が人外の存在よりなお外に居る、という発想には感嘆するが」
  (でも、これって5・7・5になってないですよね?プロデューサーがある意味あの子より凄いっていう発想は、よく出てくるなあと思いますけど)

飛鳥「蘭子、まだボクが話しているんだが」

楓「たしかにそうですが、字余りや字足らずもまた、川柳の持つ味の一つなんですよ。じゃあ、次の句に行きましょうか」

飛鳥「ちょっと」

『夜仕事で 私と貴方が シたがって』(Ms.Riddle)

飛鳥「夜の仕事というのも、大変なものなんだろうね」

楓「飛鳥ちゃんは、夜の仕事といえばどんなものを思い浮かべますか?」

飛鳥「そうだな……。まずコンビニは24時間やっているし、病院も夜間診療があるね」

蘭子「差し詰め魔王の配下同士が、共に労働へ励んでいるといった図か。この『シたがって』が、ただの『従って』ではないのも、何かの意図があるのだろうか?」
  (同僚の方同士が一緒にお仕事されているみたいですね。『シたがって』は、さっきの晶葉ちゃんの句みたいな意味があるんでしょうか?)

楓(やっぱり、二人ともまだ子供ですね。考え方がとっても健全♪)

飛鳥「……?ところで、さっきから外で見てるプロデューサーが、顔を真っ赤にして怒っているんだが」

楓「あらあら、少し刺激的でしたでしょうか?」

『ミステリー 欠かせないのは 情・憎・酒』(志乃@『別れのワイン』は名作)

楓「ワインが好きな志乃さんらしい句ですね」

蘭子「ワイン……?この句には、酒としか書いておらぬが」

楓「ふふっ、二人にはちょっと早いけれど……ワインは、ブドウを発酵させて造る、醸造酒なんですよ」

飛鳥「じょうぞうしゅ……たしかに、ミステリーでは、色々な意味での『情』も、『憎しみ』も、それから『お酒』も、欠かせないものだね」

楓「ええ。志乃さんが柳号の所に書いている作品も、古いものだけどたしかに名作だから、もし良かったら見てください」

『白雪の 積もり縁(へり)持つ 軒揺らし』(初夢ノ人)

『残る雪 春日(はるひ)の昼は 消ゆるこの』(染井芳乃)

楓「どちらも、川柳というよりは俳句といってしまって差し支えないと思いますけど……情景が浮かぶ句ですよね」

蘭子「大量の雪が屋根の縁へ積もり、縁を支える軒を揺らすほどになっている……」

飛鳥「でも、例え春先まで雪が積もり残ったままでいたとしても、いずれは嘘のように消えてなくなってしまう、か」

楓「芳乃ちゃんの句は、茄子さんの句に対する『返句』になってますね。川柳に川柳で返しているんです。こういうやり取りも、川柳の面白い所ですよ」

蘭子「実に興味深き試み!」
  (そういうのもあるんですね!)

飛鳥「それはまた、随分ハイレベルなやり取りだね」

楓(まあ、この2つの句が本当に凝っているのは、そこじゃないんですけど……。そういえば、お正月に枕の下へ敷くのは『長き夜の……』でしたっけ。当然、このお二人ならご存じなんでしょうね)

『晒すのは ムリです詩集 死守します』(森久保NO!NO!)

飛鳥「プロデューサーに晒されかけたんだね、ポエム帳……。想像するだけでも恐ろしい状況だよ、それは」

蘭子「グリモワールを無闇に衆目へ晒されるとは恥辱の極み……我が友ながら恐ろしいことを考えるものだ……!」
  (人のノートを勝手に公開しようとするなんて……いくらプロデューサーでも、そんなことされたら許せません!恥ずかしくて死んじゃいます!)

楓「っと、ここで私が取り出しますは、2冊の謎のノート帳」

飛鳥・蘭子「!!!???」

楓「なーんて。これは私がさっき買ってきた、ただのノートです。お二人ともこういったものに色々描くのが好きということで、プレゼントしようと思いまして」

蘭子「もー!もー!!でも、ありがとうございます!」

飛鳥「くっ……ボクとしたことが、ここまで動揺させられるとは……やられたよ」

楓「ふふっ♪」

『過酷ロケ 「ご褒美寿司だぞ!」 さかなでにゃ!?』(39) 

蘭子「酷な撮影を終え、その褒美が自らの好まざるものとは……」

楓「神経を『逆撫で』されているのと、『魚で』のお寿司なの?という疑問をかけている点が、中々お上手ですね」

飛鳥「ああ、そうか。寿司といっても、魚を使っていない玉子やかっぱ巻きとかなら問題がないわけだから」

楓「とはいっても、現実的に考えれば、折角のお寿司屋さんでそればっかり食べているのも寂しい話ですけど」

蘭子「誠、現実とは非情なものなり……」

飛鳥「というわけでお送りしてきたアイドル川柳、楽しんでもらえたかな?」

蘭子「偶像達がそれぞれ言の葉に込めた想い、我らもしかと受け取ったぞ!」
  (どれも素敵な川柳でしたね!)

楓「今日の番組をきっかけに、皆さんにも川柳へ興味をもって頂ければ嬉しいです♪」

蘭子「我がグリモワールにも、サウザンド・ドラゴンの戯れを記録しようぞ!」
  (私も川柳始めてみます!)

飛鳥「視聴者の皆も、最後まで見てくれてありがとう」

蘭子「我等を導いてくれた、言の葉を巧みに操りし魔導士にも、最大級の賛辞を贈る!」
  (楓さんも、解説ありがとうございました!)

楓「いえいえ。今回紹介できなかった句もたくさんありますから、またこんな機会があれば、是非参加させてくださいね」

飛鳥「それでは、もし次回があれば、是非見てほしい所だね。アイドル川柳、今回はここまで」

蘭子・飛鳥・楓「闇に飲まれよ!」

おまけ1


飛鳥「ところで蘭子。何で『川柳』が『サウザンド・ドラゴン』なんだい?」

蘭子「……だって、そのまま『リバー・ウィロウ』じゃ格好悪いから。だったら、せん(thousand)りゅう(dragon)の方が良いと思って……」

飛鳥「……プッ」

蘭子「わ、笑わないでよ~!」

おまけ2


楓「ところで礼さん。あの『シたがって』は、実の所、何をしたいという意味で書いてたんですか?」

礼「そうねぇ……前から一度やってみたいと思ってたんだけど。『特別な夜に、大切な人と大きな声を出し合いつつ、汗だくになりながら動いて、とっても気持ち良くて満足感でいっぱいになれること』かしら」

楓「なるほど。ということは……」

礼「ええ。『カウントダウンライブ』よ」

楓「ですよねえ♪そんなわけで、微塵も変な意味じゃないですから。安心してくださいね、プロデューサーさん♪」

おまけ3


茄子「……ふう、やっとできました。渾身の一句です」

芳乃「ほおー。回文の川柳とは、中々のものでしてー」

茄子「読み方は少し違いますけど、私も初夢に関する名を頂いている者ですから」

芳乃「初夢にまつわる回文といえばー。お正月に枕の下へ敷く『長き夜の 遠の眠りの 皆目醒め 波乗り船の 音の良きかな』でしてー?たしかに有名な回文歌ですがー」

茄子「ええ。でも、少し重苦しい雰囲気の句になってしまったのが残念ですね。家の軒が揺れるくらいの大雪なんて、大変なことですし」

芳乃「それならばー。雪融けをてーまにわたくしが返句させて頂きましょうー。どんな大雪でも、春にはきっと、融けてなくなるはずなのでしてー」サラサラ

芳乃「……できましたー。こんな句でいかがでしてー?」

茄子「……!やっぱり、芳乃ちゃんはすごいですね。即席で回文川柳を作れて、しかもちゃんと私の句への返句になってるなんて、さすがです」

芳乃「そんなに褒められると―、照れるのでしてー」

茄子「ふふっ。ありがとうございます、芳乃ちゃん」

芳乃「お役に立てたのなら何よりでしてー」

以上になります。
サラリーマン川柳やオタク川柳を見ていて、もしデレマスのアイドルたちが川柳を詠んだらどうなるんだろうと思ったのが、このSSを書くきっかけでした。
少しでも楽しんで頂ければ嬉しい限り。

それから、楓さんと晶葉ちゃんの過去話はこちらです。こちらもよろしければ是非。

楓「なぞかけを教えてほしい?」晶葉「ああ!」
楓「なぞかけを教えてほしい?」晶葉「ああ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1484485147/)



html化の依頼を出してきます。

おつおつ
いや回文句には本当に感心してしまった
すごいな
またどこかでお会いしましょう

回文句は気づいて震えたわ。すごい

ナスちゃんとよしのんがハイレベル杉る
ユッキのセ比べ割とすこ

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