神崎蘭子「魔法を解いて」 (28)

20分ほど遅くなりましたが、
『アイドルマスター シンデレラガールズ』の神崎蘭子誕生日SSです。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1396970342


【4月8日 朝】
【CGプロ事務所 休憩室】

蘭子「~♪」

未央「おっ、朝からご機嫌だねらんらん」

蘭子「先日のミサにあわせ、下僕たちから差し出された魔翌力の贄よ!」

凛「それ全部ファンレター?」

未央「私たちよりぜんぜん多い……」

蘭子「最終戦争<ハルマゲドン>に備え、3度の満月もの間、呼び声に答えられず……」

凛「3か月分か、確かに蘭子はここ最近ずっといそがしかったからね」

蘭子「然り。新たなる旅立ちを前に力をたくわえねば」

卯月「そろそろ新学期だもんね……っと。いくよ。蘭子ちゃーん」


卯月・凛・未央「「「お誕生日おめでとー!」」」

蘭子「!!」


未央「えへへー、おめでとうらんらん! これ、私たちから!」

蘭子「これは三日月の封印具……何たる行幸!」

凛「お店で探してきたんだ。このブレスレット、蘭子に似合うかなって」

卯月「がんばって選びました!」

蘭子「うむ! さっそく装備せねば……」

凛「うん、似合ってるよ」

蘭子「ふふふ、であろうであろう。三ッ星の誓いよ、汝らの供物に……その……」



蘭子「……ありがとう。とてもうれしいな」

卯月「(かわいい)」

凛「(かわいい)」

未央「(かわいい)」


未央「と・こ・ろ・で~。らんらん、今日モバPさんとデートなんだって?」

蘭子「ッ!!」

卯月「えーっ、そうなの?」

凛「な、なぜそれを……」

未央「ほら、おとといのライブでさ。リハ中に舞台袖でモバPさんと話してたじゃん。
わたし、たまたま置き忘れたタオルを取りにいって偶然聞いちゃったんだ」

蘭子「……さ、左様。先日のミサへの感謝と我が聖誕祭を併せ、二人で食宴へと参り、鉄の匣にて闇を切り裂くのだ……」

卯月「お誕生日ディナーの後にドライブデートかぁ、すごいなぁ!」

凛「……私たちのプロデューサーもそれくらいの甲斐性があったらいいのにね」

卯月・未央「……」

蘭子「き、気を落とすでない」


凛「さて、そろそろ私たちは時間だよ」

未央「今日はレッスンとラジオ公開録音かーいっちょやっちゃいますか」

卯月「春休み最後にがんばります! 蘭子ちゃんもがんばってくださいね」

蘭子「うむ、闇に飲まれよ!」




蘭子「……ふむ」

蘭子「…………」


蘭子「…………あと6時間、か」



法子「蘭子ちゃん、誕生日おめでとう。はい、これ誕生日ドーナツだよ。私も一口食べていいかな?」


比奈「このコピックセットはブルーナポレオン一同からっスよ、おめでとうッス。それで、今度のイベントなんでスけど……」


薫「はい、蘭子おねーちゃん。みんなで1本ずつお花かってきた花束だよ、どーぞ!」


アヤ「蘭子はディナーか、羨ましいなぁ。まぁ、こっち一緒にプロレス見に行くのはアタシのお願いなんだけどさ」


桃華「こうして同じ日に生まれた者同士でお茶をいただくのもなかなか素敵ですわね…おっと。
そろそろPちゃまが迎えに来る時間ですわ。お先に失礼あそばせ」
(※ このSSではそれぞれのアイドルあるいはユニット毎にPがついていると想像してください)



蘭子「…」ウトウト

モバP「おっ、ここにいたのか」

蘭子「!!」


蘭子「ぷっ、プロデューサー! 煩わしい太陽ね!」

モバP「今は夕方だぞー、っと。待ってろよ、約束通り5時まに綺麗に片付けるからな」

蘭子「し、仕方ない。我は少しウンディーネと戯れてくるわ!」

モバP「おう。また呼びにくるからな」



蘭子「…………」

蘭子「(寝顔、見られちゃった//)」


蘭子「(あと30分か……)」←着替えた

蘭子「……」ドキドキ

蘭子「……」ドキドキ

蘭子「……」←手鏡で確認

蘭子「……」←髪の毛チョイチョイ

蘭子「……」ドキドキ

蘭子「……マンドラゴラ、っと」←手に書いて飲んでる



杏「(……しゃべらなくても蘭子は面白いなぁ……)」


モバP「おまたせ。それじゃあ行くか」

蘭子「今ここから始まる我が伝説!」


【車内】

蘭子「思えば、灰被となったこの一年(ひととせ)は斯様な遊惰なる時間を往く事を忘れておった」

モバP「そうだな。1年前にシンデレラガールを戴冠してから仕事も格段に増えたからな。
おとといのライブが終わってほっとしただろう」

蘭子「うむ。神話としてのこるあの祭は、この堕天使をもってしてもなかなか御せぬわ」

モバP「ちょうど学生組の春休みがかぶってくれてよかったな。練習も組みやすかったし」

蘭子「だが、二日後には天界の時間は終わりを告げ、学び舎にて時は動き出す……」

モバP「宿題はちゃんと終わったか?」

蘭子「う……この愚か者! 魔法が解ける時間まで禁忌に触れるでない」

モバP「はいはい。明日も夕方までオフだからきちんとやっとけよ」

蘭子「……はーい」



蘭子「ところで我が友プロデューサーよ、今日の宴は何処へ?」

モバP「ああ。ショーも見れるレストランの席をとったよ。
劇場併設の、なかなかお洒落なとこらしい。きっと蘭子も驚くぞ」

蘭子「ほぅ、なかなか興味深い」

モバP「しかも今日はなんと……っと。これ以上は見てのお楽しみだ」

蘭子「むぅ、趣ならばしかたあるまい……我が友よ、今宵は夢に酔おうぞ!」
モバP「ああ。しかし、ライブ成功のご褒美に一緒にご飯だなんてな……俺なんかでなんか悪いな」

蘭子「(……痴れ者がっ!)」

モバP「まぁ、今日は楽しくいこうか。ほら、そろそろつくぞー」



【レストラン】

蘭子「これは……固有結界!」

モバP「なるほど、ここで食べながら舞台を見下ろすのか。ネズミーランドみたいだな」

蘭子「夢の国にて斯様なる催しが?」

モバP「前に仕事でな……っと。車で来るてるんで、食前酒はいいです」

ウエイター「畏まりました、では何か炭酸をお持ちいたします。お連れ様は」

蘭子「太陽の恵みたる雫を!」

ウエイター「オレンジジュースですね、畏まりました」

蘭子「」パアッ

モバP「(プロってすげーな)」



蘭子「……美味! 美味!」

モバP「野菜ってこんなにうまいのか……知らなかった」

ウエイター「本日の魚料理、『ミクニャンモタベチャウサカナソテー』でございます」

モバP「おお、匂い嗅いだだけで涎が出そうだ」

蘭子「偉大なる航路からの授け物……然らば!」

ブー

モバP「お、そろそろショーがはじまるぞ」


アナウンス『ただいまより、“幻想公演 黒薔薇姫のヴォヤージュ”を開演いたします』

蘭子「(黒薔薇姫……素敵!)」






夏樹『宝も心もその手で盗み出す、呪われし盗賊 ナツキ・ロイバー!』

蘭子「?!」



ほたる『復讐に燃えるは最強の剣! 漆黒の剣士、ホタル・シュバルツ!』

蘭子「?!!」



ナターリヤ『フフフ、ついニ滅びのヴォヤージュ…始まるんダ…!』

蘭子「?!?!?!?!?!?!?!?!」



モバP「」ニヤリ


蘭子「ぷぷぷプロデューサー! これは一体……?」

モバP「ほら、単独ライブの企画途中で別の仕事があるからって夏樹たちが抜けただろ?
実はこっちの企画にみんな受かっててな。本来は土日だけなんだが、今日は初日だからこうしてディナーショーやってるんだ」

蘭子「何たる事! このような舞台があったとは……」

モバP「ライブがなければ蘭子にもオーディション受けさせてやったんだが、さすがに日が近すぎたよ」

蘭子「あ、すごい……呪文……ナターリアちゃんかっこいいなぁ……」

モバP「はは……終わったら挨拶行ってみるか?」

蘭子「是非!」

モバP「よし、ナターリアの担当に連絡入れておくよ。冷めるまえに食べちゃうか」

蘭子「当然よ! そしてその後はアララトの頂上へと駆け上らん!」






蘭子「(ああ、幸せだなぁ……)」

蘭子「(でも……そろそろ……)」



【女子寮前】
マストレ「23時55分……特別門限とはいえ、ギリギリまでアイドルを連れまわすとはね」

モバP「うっ、申し訳ない……」

マストレ「おおかた蘭子くんが我侭言ってモバP君を連れまわしたんだろう」

蘭子「ごめんなさい…」

マストレ「私だってキミの誕生日に小言を言うつもりはないが、こっちもちひろさんから君たちを頼まれているからね。
さぁ、疲れているところ悪いがそろそろモバP君にはお暇してもらおうか。本来、ここは夕方以降男子禁制なんだ」

モバP「ええ。マストレさんご迷惑をおかけしました。それじゃあな、蘭子」

蘭子「うむ……さればまた……」

蘭子「(…………否)」グッ




蘭子「プロデューサー!」



モバP「ん、どうした蘭子」

マストレ「……すまない、モバP君。君に渡す書類があったんだ。部屋からとってくるまで少し待っててくれないか」

蘭子「あ、あの……マストレさん……」

マストレ「ただ待っているだけじゃあ暇だろう。蘭子君がよければ、10分くらい彼の話し相手になってやってくれ」

蘭子「……心得た!」

マストレ「(……佐久間や和久井と違って可愛らしいモンだねぇ)」




モバP「はは、ロスタイムができちゃったな……」

蘭子「ぷ、プロデューサー……私……コホン」



蘭子「我は偶像なる堕天使に悔いはない」


蘭子「はじめて東京に来て、我が友や同胞達と邂逅し……」


蘭子「鍛錬やお仕事の末、灰被姫へとも昇華し……」


蘭子「先日のミサは天にも昇る気持ちであった! すごいうれしかった!」


蘭子「プロデューサーが一緒にいてくれたから、魔法をかけてくれたから!」


蘭子「だから! そんなプロデューサーの事が私……」




モバP「……蘭子、それ以上はダメだ、そこで止めておけ」



蘭子「大丈夫、私も明日の朝には忘れていつもの堕天使になってるから。でも……」


蘭子「12時の鐘がなって、魔法がとけて普通の女の子に戻った今だけでも──」







   ────貴方を好きでいても、いいですか?























                      【終焉】


マストレ「(エンダァァァァァァァァ)」(物陰より)

実はモバPの事が好きだったベテトレ「(イヤァァァァァァァァァ)」(物陰より)

以上で終了です。html化依頼してきます。

蘭子ちゃんマジ天使な堕天使。
熊本弁部分と最後の部分については各自脳内変換をお願いします。

あと、>>15が「ナターリヤ」になってて申し訳ないです。

神崎蘭子(14)
http://i.imgur.com/9MiLG6K.jpg
http://i.imgur.com/CrbKSCE.jpg

本田未央(15)
http://i.imgur.com/h6RlWPR.jpg
http://i.imgur.com/dQhUJZt.jpg

渋谷凛(15)
http://i.imgur.com/5TL4Wko.jpg
http://i.imgur.com/beyGOj7.jpg

島村卯月(17)
http://i.imgur.com/HZR1rfy.jpg
http://i.imgur.com/S5iKWdR.jpg

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