千歌「どうぞのいす」 (18)


子どものとき好きだった絵本のAqours版



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千歌「たん、とん、たん♪」

千歌「エヘヘ♪でーきたっ♪」

千歌「一人用のいす……ちょっと見た目は悪いけど///」

千歌「おっと、忘れないようにプレートを掛けておかないと……っと」

カタン

『どうぞのいす』

千歌「我ながらいいネーミング♪みんな使ってくれるといいな~♪」


テクテク……

ダイヤ「はぁ……」

ダイヤ「箱いっぱいのみかんを隣町まで運ばなければならないのですが、少し疲れてしまいました……」

ダイヤ「おや……?」

『どうぞのいす』

ダイヤ「どうぞのいす……?」

ダイヤ「ご自由に使ってくださいということでしょうか……。それならばありがたいですわ♪」

ダイヤ「んっ……しょ……。少しだけみかんの箱を置かせてくださいね」

ダイヤ「ふあぁ……。私は少しだけ休ませていただきますね……」

ダイヤ「クークー……」


花丸「~♪」テクテク

花丸「ずら?」

『どうぞのいす』

花丸「いすの上にたくさんのみかん……どうぞってことは、食べてもいいんずら!?///」パアァ

花丸「嬉しいずらぁ!///」

パクパク

ムシャムシャ

花丸「なんてみずみずしいみかん♪」

花丸「とても甘くておいしいずら♪」

ムシャムシャ

パクパク

花丸「ずらぁ……。おいしすぎて箱のみかんを全部食べてしまったずら……」

花丸「これだとあとの人がかわいそう……。そうだ!」

花丸「オラのパンを置いておくずら♪」

花丸「焼きたてのパンをどうぞずら♪」


果南「ふぅ……ふぅ……」

果南「お腹すいたなぁ……」

果南「ん?」

『どうぞのいす』

果南「どうぞのいす……?置いてあるのは……パンだ♪」

果南「お腹がすいて倒れそうだったんだ!遠慮なくいただきますっ!」

ムシャムシャ

パクパク

果南「ん~♪フカフカしてる~♪」

ムシャムシャ

パクパク

果南「はぁ……///お腹いっぱいだよ///」

果南「ごちそうさまでした♪お礼にこの毛糸を置いていこう♪」

果南「真っ赤な色の毛糸だよ♪」

果南「次の人へどうぞ♪」


曜「ん~……困ったなぁ……」

曜「お洋服を作る毛糸が足りないや……」

曜「あれ?」

『どうぞのいす』

曜「どうぞのいす?あ、毛糸だ!」

曜「使ってもいいんだよね……?誰だかわからないけどありがとう♪」

チクチク

ヌイヌイ

曜「~♪」

チクチク

ヌイヌイ

曜「よしっ、できたよっ♪あったかモフモフのセーターとマフラー♪」

曜「だけど毛糸を全部使っちゃった……」

曜「そうだ♪このマフラーを置いていこうっと♪」

曜「誰かが使ってくれるかな♪喜んでくれるといいな♪」

曜「真っ赤なマフラーをどうぞ♪」


千歌「ふんふふーん♪」

千歌「誰かいすを使ってくれてるかな?」

千歌「使ってくれてると嬉しいな♪」

『どうぞのいす』

千歌「ありゃりゃ……誰も座ってないや」

千歌「でも……マフラーが置いてある」

千歌「真っ赤で可愛いマフラーだな~♪」

千歌「エヘヘ♪ちょっとだけ……」

クルクル

千歌「ん~♪あったかいっ♪」

ストンッ

千歌「誰が編んだのかな♪とってもあったかくていい気持ち♪なんだか眠たくなっちゃうよ……」

ウトウト……

千歌「ちょっとだけお昼寝しようかな……。起きたらまた次の人に変わるからね……」

千歌「クークー……」


ダイヤ「……んっ」

ダイヤ「んんむ……」ノビー

ダイヤ「ふあぁ……よく眠りましたわ……」グシグシ

ダイヤ「すっかり疲れがとれました。いすを作ってくれた人に感謝ですわね♪」

ダイヤ「さて、それでは……」

ダイヤ「んっ?」

千歌「クークー……」

ダイヤ「……?……??」

ダイヤ「みかんが……女の子に……?」

千歌「クークー……」

ダイヤ「はて、面妖な……。それにしても……」

ダイヤ「なんて可愛い寝顔なのでしょう」ナデ

『どうぞのいす』

ダイヤ「……どうぞということは、もらってもいいんでしょうか///」

千歌「クークー……」

ダイヤ「これは……困りましたわね……///」


おわり。
原作は一度は読んでほしい名作。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年02月21日 (火) 01:48:43   ID: yfELs61o

最高

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