【艦これ】自分へのビデオレター (22)

先生「皆 今日の授業の課題は持ってきたかい?」

生徒「はーい!」

先生「人生の先達達に聞く」

先生「『過去の自分にビデオレターが送れるとしたら』なにを伝えたいか」

先生「いい人生の教訓が聞けるといいね」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1483296295

先生「ではお爺さんお婆さんに昔のお話を聞いてきた人」

生徒「はいはーい!」

先生「いい返事だ。えーとでは『過去の自分に言いたいこと』
   テーマに沿った内容にしてきたかな?」

生徒A「うーんお婆ちゃん話聞いてくれなくてー」

生徒B「こっちもこっちも~ 過去と言えば戦争の話ばーっか」

生徒C「難しいよね~ 老人の扱いって」

生徒D「うちは両方居ないから隣の婆さんにやってもらった」

生徒E「かーちゃんが介護士だから頼んじゃった」

先生「こらこら課題は自分でやってくれ」

先生「まぁいい では順番にビデオを流していこう」

①72年前 コンプレックスを抱えていた自分へのビデオレター

「おーい 元気~? 私だよ~ 葛城だよ~」

「お婆ちゃんになった? 72年後だから仕方ないんだからね!」

「えーと私が72年前 空母勢の仲間とフラット5を結成したころの自分に言いたいこと……」

「胸は垂れる!!!!!!」

「あはははははははは」

「出るとこボインボイン出してた子たち!!」

「見事に垂れた!!!」

「天城姉ぇなんて改でさらけ出した胸部をそっとしまって」

「ぃやったぁー!!やったでぇ!うちら大勝利や!」

「……こほん。誰か乗り移っちゃった」

「だからあと30年くらい耐えてね」

「あ、あとね」

「今は姉たち的に未来はある! と思ってると思うけど」

「そんなことはなかった」

先生「……こほん」

生徒A「うちのお婆さん巨乳を見ると人が変わるの」

先生「エー確かに 巨乳は……垂れる…らしい」

男子生徒「嘘だ!!!」

先生「次に移ろう」

②74年前 妹の行動に目を吊り上げていた自分へ

「どうも お元気ですか? 昔の私」

「多分今頃の貴方は妹たちの行動に頭を悩ませているでしょう」

「まじめそうに見えて酒びたりの次女」

「まじめそうに見えてあざとい四女」

「そして、美人そうに見えて飢えている三女」

「まったく。今は国の存亡を争うとき。男性がどうのこうのと言っている場合ではないでしょう」

「そんなことを思っていた時期もありました」

「仕事のことだけを考えていればいいと思った時期もありました」

「でも気づいて」

「自分は『妹』が酒好きだったり婚活をしている年齢なんだということを」

「比較的容姿は整っていても自分から行かないと……なかなか」

映像はそこで途切れている


先生「……でもなんだかんだでこうして立派にお孫さんをもったじゃないか」

生徒C「『40手前であせってしまった』『お見合いで失敗した』」

生徒C「女手一つでうちの母を育てた苦労人です」

先生「何があったのかは聞くまい」

③いい酒仲間が入ってきたと思っていた自分へ

「奴には警戒しろ」

「奴は女もいける口だ」

「今までの仲間のように気軽に部屋に泊めるんじゃない」

生徒D「うちの隣の飲んだっくれ婆さんに頼みました」

生徒D「独身です」

先生「目覚めたか…」

④自分へ

和服を着た上品な老婆はゆっくりとカメラの前に立つ
その身なりからするに上流階級。どこかの社長夫人といった様子。
彼女は撮影が始まっていることを確認するとそっと口を開いた

「『でち』って何」(真顔)

先生「あー出た、キャラ作りが黒歴史になっている人…」

「思い出すたびに海の底に潜ってしまいたいわ…」

先生「スク水老婆はだめだ」

⑤55年前 軍を退職しようと考えている自分へ

「やめておきましょう」

「おばさんになって艦娘の名前が辛くなっているのにはわかります」

「最年長として身を引こうとするのも」

「でも表の世界で居酒屋を経営するというのは……大変なことなのですよ」

「軍の施設には商売敵のチェーン店がありませんでした」

「なんですか? 2時間900円で飲み放題って 私にはできませんよ」

「人を雇って仕入れて土地借りてその値段でできるわけないでしょうなにを考えているのですか大体日本の経営者は


生徒B「うちのひいばーちゃんは話が長くて困る」

先生「いろいろ溜まってるんだろう…」

生徒B「今でも週3お店には出てる現役」

⑥70年前 先駆けて軍を退職した自分へ

「うふふっ どう?この老いさらばえた姿」

「ほーら信じたくないですよね? でもほらっこれが未来の鹿島の姿なんです」

「……人間年取るわー」

「だから自分の美貌が永遠のものだと思って夜の蝶なんて目指さないで」

「あんな安定しない仕事」

「おかげでこの年になってもこんなしけた居酒屋で給仕を」

「あっ。鳳翔さんやめて 怒らないで 年金ないんですぅ 賃金下げないでぇ」


生徒B「ついでに給仕してる婆さんにもビデオレターをお願いしてみた」

先生「皆も年金は払おう!!」

⑦ニホンから帰国した当時の私へ

「我が名はWarspite 聞こえている? 昔の私」

「我が大英帝国の年金は世界一……いえ、北欧にはdefeatだけど」

「まぁmoneyに困るころはないわ」


⑧ニホンから帰国した当時の私へ

「ふふ… 退役軍人の年金? いいわよ」

「さぁ、私の支給額を見せてあげるわ…Open fire!」

「ヤマトとは違うのよね アメリカン年金。意外にいいから安心!」


⑨呑気に毎晩ワインを嗜んでいる自分へ

「パスタの国の年金制度は崩壊しました」

「プリンツさーん コマンダンさーん 支援を支援を」

⑩信じて送り出したU-511が…… となる前日の自分へ

「別人だと言われてパスポート没収されたんだって」

「……年金どころか国籍もなくなったんだって」

「……大変だった……です。」

「大切なことを決めるときは…よく…考えて…」


先生「実に国際色豊かなクラスだ」

⑪ 74年前 着任数か月経過。岐路に立つ自分へ

「いよぉ若かりしころの俺よ! 元提督でーす 現ジジイでーす」

「もうお迎え来る一歩手前だぜ ガハハハハ」

「今お前は二つの選択肢で迷っていると思う」

「ひとつ 上役にへつらい部下をバリバリ働かせて戦果を挙げるブラック鎮守府を目指すか」

「軍務など糞食らえ。女の子を大切にして出世なんてしらねハーレム鎮守府を目指すか」

「語ると長いので結論だけ先に言う」

「上役に気を使い命令は断れないし女性を侍らせるほどの甲斐性もなかった」

「上司怖い」

「女も怖い」

「大体毎日ペコペコしていた」

「頑張れ」

「バイバイ」

生徒E「老人ホームに住む貧乏そうな爺さんだそうです」

先生「……」

⑫ 提督業もすっかり板についたころの自分へ

「あとそうだそうだ もうひとつ言っておくことがある」

「まぁそんな情けない提督生活だったが結構部下には慕われた」

「皆いい子たちだったな」

「だったな」

「そろそろ燃料弾薬の補給が滞りがちになり満足に戦えなくなってくる」

「最初に未帰還者を出すのももうすぐだ」

「そのことで頭が混乱してしまった俺は」

「上役の無理な命令にも敵討ちに燃える部下にも逆らうことができない」

「要求されるがままに出撃をさせて」

「櫛の歯が欠けるようにどんどんと……多くを失う」

「そして全てが終わった後で我に返って」

「後悔は延々と続く」

「毎日続く」

「今だけは男気を出せ 今だけでいい」

「頼む」

先生「……」

生徒E「先生? どうしたの?」

先生「いや この年になっても出稼ぎしなきゃ食えない我が国の年金制度が憎くてね」

先生「君たち日本人が羨ましいよ」

先生「なんだかんだでいい額貰えてるじゃないか」

先生「実にハラショーだ」

鳳翔&鹿島「但し厚生年金に限るけど…」

先生「どこから出てきた」


終わる

年末にビデオレター企画やってたので
どうでもいいけど今の子供って『ビデオ』を知らないんじゃないかね

乙です。
先生お前か、そしてでっち……ろーちゃん……強く生きろ。

先生は優しい姉妹に援助してもらえばいいじゃん
姉はあてにできるか分からんけど

乙です

ゆーちゃんは日本に帰化したんじゃないの?

戦後夜の蝶になった鹿島ってどっかで見たことあるような……
後鳳翔はやるとしたら居酒屋ってよりは小料理屋ってイメージ

カウンター席だけの小ぢんまりとした店で、昼は定食屋、夜は常連が集う居酒屋ってイメージ

ろーちゃんの扱いに泣いた

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