キモヲタ「キャラへの愛が性欲だったとわかり絶望した」 (51)

キモヲタ童貞、55歳。

エロゲとマンガで抜く毎日だった。
好きなキャラクターは流行で変わる。一番抜いたのは長門だ、と豪語する。

そんな彼が突然、フィギュアやエログッズを処分し始めた理由とは。


キモヲタ「最近、あんまり気持ちよくないなと思い始めたんです。というか、抜きたいと思わなくなって」

咄々と語り始める50代の男性。その丸く落ちた背姿からは哀愁が漂っている。

キモヲタ「それまで好きだったキャラクターへの、情熱が冷めていって」

男性は何か気づいてはいけないものに触れてしまったという。

それは生涯をかけて追い求めてきた二次元への憧憬、
仲間たちと分かち合ってきたリア充への肉染みと同様に、
共有してきた価値観の崩壊。


キモヲタ「ぼくが好きだったのはキャラクターではなかったのです。
性欲と自己実現のはけ口としての二次元少女、偶像へのあこがれ。
いわばオナホですね。それが、欲求がなくなったとたん、不意に要らなくなったのです。
あんなに大事にしていたのに。」

人生の全てだった――。男性は言う。

それは鮮烈に、あるいは残酷に、自慰に耽り続けた傍らに
置き忘れてきた人生を思い起こさせた。


50代の夜。彼の本当の人生は何周回か遅れてスタートする。

その表情は明るい。

彼のメガネに映るのは、もう偶像ではない。実際に手に取れる本物の人生だ。

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