小早川紗枝「いけずな言葉に御用心」 (36)


モバマスSSです。
プロデューサーはP表記。
紗枝ちゃんの言葉を、Pちゃんが京都のいわゆる「いけず」だと勘違いしちゃうSSです。



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夜 某居酒屋


P・同僚P「「…かんぱーい!」」カンッ

同僚P「…ぷはーっ、仕事終わりの一杯はいつ飲んでもたまらないなあ!」

P「プハッ!...ああ、そうだな」

P「しかし、一体どうした?急に呼び出してきて」

同僚P「いや、たまにはこういうのも良いかなと思ってさ。お互いのプロデュース状況を聞くっていうのも面白いだろうし」

P「まあ、そうだな。じゃあ早速聞くけど、最近どんな感じだ?プロデュースの方は」

同僚P「それなりに順調だよ。今日は杏…双葉杏に一日振り回されたけど」アハハ

P「ああ、杏ちゃんか…。面白い子だよな」

同僚P「やるときはちゃんとやってくれるし、心強いけどな。そっちはどうなんだ?」

P「同じような感じってところかな。今日は紗枝…小早川紗枝と仕事だった」

同僚P「紗枝ちゃん…ああ、あのはんなり京娘の」

P「そうそう。しっかり者だし、いい子だよ」


同僚P「おしとやかな京美人って感じだもんな、15には見えないし」

P「そうなんだよ。でも時々年相応の反応するから、それが可愛らしくてさ」

同僚「相変わらずお前は担当にベッタリだな。そうそう、紗枝ちゃんってどうなんだ?」

P「どうなんだって、何が?」

同僚P「いや、よく言うじゃないか。京都の人って腹黒いというか、言うことの皮肉が強いとかってさ」

P「あー、確かに聞いたことあるな。でも、紗枝が腹黒いなんて思ったことは一度もないけどな」

同僚P「へえ、そうなのか」

P「あ、でも…皮肉っぽいことは言われること、あるようなないような…」

同僚P「ちゃんと気に留めておいた方が良いと思うぞ?」

同僚P「例えばだけど…近所に住んでるおばちゃんから『坊ちゃんのピアノ上手くなりましたなあ』って言われたら、『迷惑かけて、すみません』って返さないとダメなんだってよ」

P「えっ、それって…音が外に漏れて聞こえてるぞ、ってことの裏返しってわけ?」

同僚P「そういうこと」

P「ええ…」

同僚P「まあ、紗枝ちゃんがそういうこと言いそうにないってのは分かってるけど、一応念のためにな」

・・・・・・・・・・


翌日 事務所


P(…って昨日同僚から言われて、あの後ネットで京都のいわゆる「いけず」を調べてみた)

P(よく「ぶぶ漬け」の話は聞いたことあったけど、他にも色々とあって驚いた)

P(「いいお召し物着てますな」とかはその服お前に似合わない、身の丈に合った服を着ろって暗に言ってるものらしい、とか…)

P「ん?そういえば…」

・・・

P『紗枝、ちょっといい?営業が入ったからちょっと打ち合わせしたいんだけど』

紗枝『ええどすよ。どないなお仕事です?』

P『まだ具体的な内容が出てないから、書いて説明するぞ。えっと…』カキカキ

紗枝『あ、あら?…Pはん字が達筆ですなぁ、うちの書く字と比べてもかないしまへん』

P『ん、そう?ちょっと走り書きだからそう見えるのかもしれないけど…』

・・・


P「あと…」

・・・

紗枝『あらPはん、なんや珍しい腕時計してますなあ』ヒョコッ

P『ん、これ?こっちのスマートフォンと連動して色々できるっていう代物なんだよ』

紗枝『へえ、すごいどすなぁ。うち、こういう流行りもんは疎いから…』

・・・

P「あれっ…俺って結構、色々言われてる…?」

P「ってことは…」

P「ああ、俺…紗枝に全然気を使えてないんじゃないかな…」ズーン


ちひろ「何をぶつぶつ言ってるんですか?」スッ

P「ぬわっ!?…ち、ちひろさん、いたんですか?」

ちひろ「たった今来たばかりですけどね。ちょうど紗枝ちゃんも一緒ですよ」クスッ

紗枝「Pはん、おはようさんどす~」ヒョコ

P「!」ビクッ

P「さ、紗枝もいたのか…おはよう」

紗枝「むう…そない会って早々驚かれると、うち悲しいわぁ」ジトー

P「あ、ああ…うん、すまない」

P(どうしよう…つい意識してしまう…)

P(紗枝の言葉一つ一つに本当の意味があるんじゃないかって…)


ちひろ「もうっプロデューサーさん、シャキッとしなきゃだめですよ?」

紗枝「そうどすえ?Pはんは、うちの大事なプロデューサーなんやから、あんじょう頼みます」クスッ

P「そ、そうだな。気を付け…!」

P(ハッ!...これはもしかして…!)

紗枝『そんなぼけっとしとって、うちのプロデューサーが務まるんどすか?』ゴゴゴ

P(っていうことの裏返しなんじゃ…!)

ちひろ「ふふっ、紗枝ちゃんもこう言ってますよ?」

P「…」

紗枝「?…Pはん?」

P「ちょっと外回りに行ってきます!」ガタッ

ちひろ「えっ、今からですか!?」

P「はい!じゃあ行ってきます!」

ガチャ バタン

ちひろ紗枝「」ポカーン

ちひろ「…プロデューサーさん、どうしたのかな?」

紗枝「さ、さあ…お仕事に精を出しはるのは、ええことやと思うけど…」


あくる日 音楽スタジオ


P(今日は紗枝のソロCDの録音だ)

P(2枚目の収録ってこともあって、紗枝も緊張してないし、収録もスムーズに進んでいる)

P(今歌ってるのが、最後の収録曲)

紗枝「~♪」

P(音楽プロデューサー然り、スタッフさんにもなかなか好評だ)

P(ミニドラマ付きのCDっていうのを今度考えているらしく、それに紗枝を起用するのも面白いかもって言われたぞ)

P(紗枝がステップアップする、大きな機会かもしれないな)

ハーイ、OK!!

P(お、収録も終わったみたいだ)


紗枝「Pはん」タタタ

P「紗枝、お疲れ様。お水要る?」

紗枝「おおきに、いただきます」コクッ

紗枝「プハッ…Pはん、今日のうちどないでした?久々の収録やったから、緊張して…」

P「うん、バッチリだった。むしろ、堂々たる歌いっぷり!って感じだったけど」

P「そうそう、さっき音楽スタッフさんが、新しい企画に紗枝を出したいって言ってたぞ?」

紗枝「わぁ、ほんまどすか!?それは嬉しいわぁ♪」


P「ああ。これも、紗枝が今日お仕事を頑張ったおかげだな」スッ

ポフッ ナデナデ

紗枝「ひゃっ…」ピクッ

P「あっ…ごめん」

紗枝「急だったから、びっくりしたわぁ」

P「悪い、驚かせるつもりはなかったんだけど」

紗枝「それにPはん、そない安易に女の人の髪を触ったら、ばち当たりますえ?」ジトー

P「うぐっ、それを言われたら…」


紗枝「でも、褒めてくれるのはうちも嬉しいし、さっきはびっくりしただけやから…もう一度、撫でてくれはっても…」

P「お、おう…」

紗枝「…」ソワソワ

P(そわそわしてる、かわいい…もう一回撫でた方が良いのかな)

P(ハッ!...でも、店や家でお茶のお代わりを尋ねられた時は、暗に早く帰ることを促すものだっていうし、紗枝のこれも仮に撫でたら…)

紗枝『撫でるな言うとるのに、図々しい方どすなあ…』ゴゴゴ

P(なんて思われるんじゃ…)

紗枝「あ、あの…Pはん?」ソワソワ

P「…うん、確かに紗枝の言うとおりだな。女の子の髪を着やすく触るもんじゃないのかもしれない」サッ

紗枝「あっ…」

P「よし、そろそろ支度して事務所に戻ろうか」

紗枝「はぁい、分かりました…」

紗枝(はて…?)


またあくる日 事務所


P「…」カタカタ タンッ!

P「ふぅ~…やっと一段落…」

P「ちょっと休みたい…向こうのソファ使ってもいいかな」

P「よっと…ああ、ふかふかしててすっげえ気持ちいい…」トスッ

ガチャ

ちひろ「ただいま戻りまし、ってあら?」

P「ああ、お帰りなさいちひろさん」

ちひろ「プロデューサーさんがソファで座ってるのって珍しいですね?」

P「企画書まとまったんで、ちょっと一休みを…」グデー

ちひろ「そういうことでしたか…最近、根詰めて仕事してるみたいですから、しばらくそうして休憩した方がいいと思いますよ?」

P「それじゃあ、ちょっとお言葉に甘えます」

ちひろ「お茶淹れてきましょうか?」

P「ありがとうございます、お願いします」


ガチャ

紗枝「うふふ、それは楽しみやわぁ」

周子「でしょー?だから今度、紗枝ちゃんも…」

P「お、周子に紗枝、お帰り」

紗枝「ただ今戻りました~」

周子「やっほー、ただ今戻りましたー。お?Pさんがソファで一人くつろいでるなんて、珍しい?」

P「そうか?大きめの仕事が一段落したから、ちょっとだけ休憩してたんだ」

周子「ふーん、事務所いる時はいっつも向こうのデスクに張り付いてるイメージだもんね?」

P「そんなに?」

周子「うん。あたしはそう思うけどねー」

紗枝「まあまあ、周子はん。でも、お仕事が早う終わった言うことは、そんだけ気張ったいうことやから…なあ、Pはん?」

P「!…あ、あはは…」


P(今の紗枝の言葉も、もしかして…?)

P(ということは…)

紗枝『まだまだせなあかんこと、あるんとちゃいます?頑張りがちいと足らんように見えますけど?』ゴゴゴ

P(こ、こういうことかー!!)

周子「あ、紗枝ちゃん。Pさん休憩中なら、出してもいいんじゃない?」

紗枝「ほんまやなぁ。うふふ、Pはんのお口に合えばええんやけど」

P(しかし、紗枝の言うこともごもっともだ。ちょっと仕事が一段落したくらいでゆっくりしようなんて、里美が飲むイチゴミルクくらい甘いぞ…!)

紗枝「あの、Pはん、実hP「よしっ」ガタッ

紗枝周子「!?」ビクッ


P「…」スタスタ

周子「ぴ、Pさん、どうした?」

P「そろそろ仕事に戻ろうかなと思ってさ。進められるのなら、出来るだけ進めたいし」

周子「あ、そ、そうなの」

紗枝「あ……またや」ポツリ

周子「え?」

ガチャ

ちひろ「プロデューサーさん、お茶を…ってあれ?どうして休憩してないんですか?」

P「やっぱり休んでいるより、こうやって動いていた方が自分の性にもあってますし…」ズガガガ

ちひろ「だから、そんな根詰めてると体壊すから休んでくださいって言ったじゃないですかー!」

ちひろ「しかもその仕事、私の分ですよ!私も十分余裕持ってやってますから、大丈夫ですって!」

紗枝「…」シュン

周子「ねえ、紗枝ちゃん?」

紗枝「へっ?…な、なんどすか?」


P「…」ズガガガガ

周子「ねーPさん、ちょっといいー?」

P「んー?どうしたー?」ズガガガ

周子「いいから、ちょっと会議室来てー」ガシッ

P「わ、分かったから、引っ張るなって!力強っ!」ズルズル


ガチャ パタン

P「一体どうしたんだ?急に会議室に引っ張りこんで…」

周子「まーまー、ちょっと聞きたいことがあったからさ」

P「聞きたいこと?」

周子「最近、ちょっと紗枝ちゃんのこと避けてる?」

P「…えっ?」

周子「さっき紗枝ちゃん言ってたよー?最近、Pさんと距離感ある気がするって」

周子「もしかしたら、うち何か悪いことしたんやろか、嫌われたかもわからん、って」

P「そんな、紗枝のこと嫌いになるはずが…」

周子「じゃあ、何で紗枝ちゃんに避けられてるって思われてるわけ?」

P「別に避けたりしてるわけじゃ…あ」

周子「ん?何か心当たりありそう?」

P「いや、これは別に関係がなさそうだし…」

周子「言うて」

P「あっ、はい」


P「…というわけなんです」カクカクシカジカ

周子「話してたら突然Pさんが黙りこくって、それから態度がよそよそしくなる、って紗枝ちゃん言ってたけど…」

P「それは…うん、紗枝の言葉に本当の意味があるんじゃないかと思って考えてしまって…」

周子「それで考え過ぎた挙句、行動が裏目に出ちゃったっていうわけね」

周子「ハァ…あのなPさん、京都の人間が事あるごとに皮肉で物事言うわけないやろ?そんないちいち相手の言うことすること気にしとったら早死にするって」

P「はい、ごもっともです…」

周子「京都の人たちはそんな腹黒ーい人たちばっかやと、Pさんはそう思っとったわけだねー」

P「…ごめんなさい」


周子「いーや、シューコちゃん今結構怒ってるよ。紗枝ちゃんにあんな顔させたんだから」

周子「紗枝ちゃんめっちゃしょんぼりしてたからね?それに、Pさんがデスクに戻ったとき、紗枝ちゃん何か言おうとしてたの気が付いてた?」

P「えっ、全然気が付かなかった…」

周子「紗枝ちゃんは、今もソファで一人寂しーく座ってます。Pさんのすべきことは?」

P「…行ってきます!」

周子「はいはーい、いってらっしゃーい」フリフリ

バタン タタタ

周子「ふぅ…柄でもないことしちゃったねー♪」


P(紗枝は…あ、いた)

紗枝「…」チョコン

P「紗枝」

紗枝「…あ、Pはん」ニコ

P「紗枝、あのs 「Pはん、堪忍な」

P「え?」

紗枝「Pはん、堪忍な。うちに何かあかんことがあったから、そないに避けとるんやろ?」

P「…いや、そうじゃないんだ」

紗枝「ううん、そのはずや。そうやないと、あないな風によそよそしゅうなるわけあらしません」

紗枝「Pはん、教えてください。うちの何があかんのか…ほんまに、お願いします」グッ

P「…」

P(ああ、俺は馬鹿だな…俺の馬鹿げた勘違いから、こんなに紗枝を悩ませていたなんて…)

P「紗枝…本当にごめん!」

紗枝「…へ?」

P「本当に、避けたりとか嫌になったわけじゃないんだ。実はさ…」カクカクシカジカ


P「…っていうわけなんです」

紗枝「…」

紗枝「…」ポロッ

P「!?」

紗枝「…」ポロポロ

P「紗枝!?…いや、ホントごめんな?そんなに紗枝の重荷になってたって、まったく気が付かなくて…」

紗枝「いや、そうやなくて…うち、Pはんに嫌われとるんやなかったんやなぁ思たら、安心して…」

P「…俺のバカバカしいことで紗枝を悩ませてしまって…本当にごめん」

紗枝「…ほんとにPはんは、馬鹿どす。女心もようわかっとらん、阿呆どす」グスッ

P「うん…返す言葉もないです」

紗枝「Pはんの、馬鹿、阿呆」ポカポカ

P「…」

紗枝「Pはんの、ばか、あほ」ドスッズンッ

P「ち、ちょっと痛いです、紗枝さん、ボディはだめ」

紗枝「少し腰を入れて打ちよるから、当然やわ」


紗枝「ふぅ…でもPはんは、うちが腹黒い女やと、そう思っとったわけやなぁ」ムスー

P「そうじゃないんだ。ただ、いざ思い返してみたら、もしかすれば本心じゃないのかなっていうところがいくつかあったような気がして…」

紗枝「例えば、どんなところどすか?」

P「さっきの、仕事早く終わったのはそんだけ頑張ったからー、って言うのは?」

紗枝「仕事が早う終わるのは、そんだけPはんが手際よく仕事したいうことやろ?」

紗枝「お仕事よう出来はるってことなんやから、そんなん悪う言うことなんてあらしまへん。Pはん、ほんまに深読みしすぎやわ」

P「はい、ごもっともです…」

P「じゃあ、この腕時計は?」スッ

紗枝「あ、それちょっと変や思ったんは、ほんまや」

P「あっ、そう…気に入ってんだけどなあ、便利だし」


紗枝「うちも京の女やから、確かに「いけず」を言うかもわからん。せやけど、Pはんを悪う思っていけずなことを言うたことは、一度もあらしまへん」

P「…うん、ありがとう」


紗枝「ただ、ほっとしたわぁ。Pはんに嫌われた、どないしようってずっと思てて…」

P「申し訳ない…でも一つ言えるのは、俺が紗枝を嫌いになることは、まずないぞ」

紗枝「ほんまどすか?」

P「ああ。誓って、絶対に」

紗枝「…何や、そんな真っ直ぐに言われると、恥ずかしゅうなりますなぁ」カァ

P「紗枝が言わせておいて、それはあんまりじゃないか?」クスッ

紗枝「ふふっ、堪忍え。せやPはん、お菓子持って来たんどす」

紗枝「もし良かったら、一緒にどうどすか?」

P「ああ、是非いただくよ」


P「アムッ…んっ、これ美味しい」

紗枝「Pはんのお口に合うて良かったわぁ。京都おるときに、よう買うてたんですえ」

紗枝「折角やからPはんと食べたい思てたのに、いざ誘おうとしたら、お仕事戻るさかい…」プク

P「うぐっ…悪かったよ」

紗枝「それにこの前のお仕事の時も、もう一回撫でて欲しい言うたのに、撫でてくれんかったしなぁ」

P「それも、撫でるないうことだと俺が勘違いして…」

紗枝「おかしい思てたけど、今なら合点がいきます」


紗枝「それでなぁPはん、今日れっすんで、ますとれはんから褒められたんどす。だんすの動きが良うなった、って」

P「マストレさんに?それは凄いな」

紗枝「せやからPはん、ほら…」ソワソワ

P「…最近よく頑張ってるから、その努力の賜物かもしれないな。えらいぞ、紗枝」

ポフッ ナデナデ

紗枝「あっ...ふふっ、おおきに♪」



_____

イチャイチャ

周子「ふぅー、一件落着って感じかな?」

ちひろ「最近プロデューサーさんの様子が変だと思ったら、そういうことだったんですね」

周子「Pさん、良くも悪くも馬鹿正直だからねー」

ちひろ「でも、それが良いんですけどね」クスッ

周子「まーね♪あ、そうだちひろさん、紗枝ちゃんが持って来たお菓子食べるー?美味しいよー?」

ちひろ「いや、今はやめておきます。甘いものは十分目で補給したから…」


紗枝「なあ、Pはん」

P「どうした?」

紗枝「うちも京の女どす。だから、たまには「いけず」を言うかもしれまへん」

P「うん」

紗枝「せやけど、その言われたいけずを上手に切り返しはるのが、ええ男どす」

P「…うん、善処します」

紗枝「ふふっ、お気張りやす。Pはんには、もっとええ男になってほしいさかい」

P「あ、ああ…」

紗枝「…今のは、真の本心どすえ?」


紗枝「それに、うちのお父はん、お母はんにもちゃんと認めてもらえるようなお方になってもらいたいしなぁ」

P「えっ、俺って紗枝のご両親からプロデューサーとして認めてもらえてないの…?」

紗枝「さあ、どうやろなぁ?ふふっ♪」



紗枝(Pはんがぷろでゅーさーとして、お父はん、お母はんからは十分に認められとります)

紗枝(でも、それ以上を認められるてなったら…ふふっ♪)

紗枝(…こないなこと、Pはんには言えないわぁ)

紗枝(それこそ恥ずかしゅうて、顔が紅葉みたいに真っ赤になるさかい…///)

紗枝(それに、「嫌いになることは、絶対にない」、なんて…)

紗枝(うちからすれば、Pはんの方がよっぽどいけずや思いますけどなぁ…///)



おわり


京言葉の不自然さはご容赦願います。
「いけず」は、直接ではなく暗に指摘することで物事を穏便にすませようという心から来てるだとか…本当なのかな。

P.S. 「紗枝『~』ゴゴゴ」の部分は、紗枝ちゃんから罵倒されてるって思うと気持ちのいいものになると思うの

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