曜「とりとめのない話」 (123)

某所で建てたスレッドが落ちたのでこちらで建て直し。

にこ「とりとめのない話」
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1406113377
のAqours版。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1477920324

曜「…」チクチク

がちゃっ

ダイヤ「あら、曜さん」

曜「…」チクチク

ダイヤ「曜さん?」

曜「…」チクチク

ダイヤ「…曜さんっ!!」

曜「はっ、はいぃっ!!」

曜「ってあれ、ダイヤさん?いつからそこに…?」

ダイヤ「ついさっきですわ。まぁ、その様子だと気付いていなかったようですが…」

曜「あはは、ごめんなさい。私、集中すると周りが見えなくなっちゃって…」

ダイヤ「流石は千歌さんの幼馴染と言ったところでしょうか…」

曜「ところで、ダイヤさんはどうしてここに?」

ダイヤ「テスト勉強期間で部の活動を停止しているにも関わらず」

ダイヤ「部室の電気が付いていたので生徒会長として確認しにきたまでですわ」

曜「そうですかぁ。それじゃ、私はこれで…」

ダイヤ「曜さん」

曜「はっ、はいぃっ!!」

ダイヤ「勉強はどうしたのですか?」

曜「し、しますします!でも、その…」

ダイヤ「どうしたのです?」

曜「次のライブの衣装作りがなかなか難しくて…」

曜「だから、時間が取れるうちに少しでも進めておこうかなって思って…」

曜「で、でもちゃんと勉強はしなくちゃダメだよね、たはは…」

ダイヤ「はぁ…、そういうことですの…」

曜「…ごめんなさい」

ダイヤ「別に怒っているわけではありませんわよ」

ダイヤ「どちらかと言えば…、呆れていると言いますか」

曜「…え?」

ダイヤ「私たちは同じグループの仲間でしょう?」

ダイヤ「それを誰にも相談せず曜さん1人だけでこなそうなんて…」

曜「だけど、衣装担当は私だし…、梨子ちゃんも千歌ちゃんも他のことで忙しいし…」

ダイヤ「だけどもへちまもないですわ!」

ダイヤ「確かに曜さんはなんでも要領良くこなせるかもしれないですし、私たちの手助けも必要ないかもしれません」

ダイヤ「ですが、私たちだって力になりたいんです」

ダイヤ「それとも…、私たちはそんなに頼りないですか…?」

曜「ダイヤさん…」

ダイヤ「まぁ?もう見つけてしまったのですから?この私から逃れられるとは思わないことですわね!」

ダイヤ「それに、困っている人を放っておくのは黒澤家の流儀に反しますわ」

曜「…1人で抱えちゃって、ごめんなさい」

ダイヤ「曜さん、こういう時は『ありがとう』と言うんですわよ」ニコッ

曜「…ダイヤさん」

曜「…うん、ありがとっ」ニコッ

ダイヤ「それに、合間合間に勉強を教えて差し上げることも出来ましてよ!」

曜「あっ、それは好意だけ受け取っておきま」

ダイヤ「ダメです」

曜「…ですよね」

曜「それじゃあ、早速始めましょうか!」

ダイヤ「ええ。大船に乗ったつもりでいてくれて構いませんわ!」

ダイヤ「…ところで、なにをすればいいんですの?」

曜「えーっと、テスト期間が終わったらルビィちゃんと一緒にミシン縫いしようかなって思ってるので」

曜「とりあえずここのパーツを手縫いで…っと、こんな感じです!」

ダイヤ「なるほど…。1人では手間がかかりそうですが、2人ならばすぐに終わりそうですわね」

曜「よーし、頑張っちゃうぞー!!ヨーソロー!!」

ダイヤ「…」

曜「ほらっ、ダイヤさんも!」

ダイヤ「えっ、えーっと…、よーそろー…?」

曜「んっ!」ニコッ

曜「…」チクチク

ダイヤ「っつ」チクチク

曜「…」チクチク

ダイヤ「ここが…こうで…」チクチク

曜「…」チクチク

ダイヤ「こう、ですわね」ブスッ

ダイヤ「~~~~~~~~っ!!!!」

曜「ちょっ!ダ、ダイヤさん!?」

ダイヤ「だ、大丈夫ですわぁ…。続けて、どうぞ…」

曜「続けられるわけないよ!?指、見せてください!!」

ダイヤ「うぅ…、黒澤ダイヤ、一生の不覚…」

曜「お裁縫苦手ならそう言ってくれれば良いのに…」

ダイヤ「ですが流石にあそこまで言っておいて引き下がるわけには…」

曜「気持ちだけで十分ですよ!」

ダイヤ「ですが結局、みっともないところを見せてしまいましたわね…」

曜「確かにダイヤさんってなんでも出来そうなイメージあったから、苦手なことがあるなんてちょっと意外かも」

曜「鞠莉ちゃんが『ダイヤはしっかりしているようで抜けている。そこが可愛い』って言ってたけどこう言うことなのかな」

ダイヤ「…今、なんと?」

曜「あっ、えっ、いや!!なんでもないです!!」

ダイヤ「鞠莉「ちゃん」とおっしゃいましたわよね?」

曜「あ…、うん」

ダイヤ「果南さんのことは?」

曜「果南ちゃん」

ダイヤ「ルビィのことは?花丸さんのことは?」

曜「ルビィちゃんに花丸ちゃん」

ダイヤ「善子さんは!?千歌さんは!?梨子さんは!?」

曜「善子ちゃんに、千歌ちゃんに、梨子ちゃん」

ダイヤ「私は!?」

曜「ダイヤさん」

ダイヤ「なんでっ!!!ですの!!!???」ばんっ!!

曜「ひぃっ!!」

ダイヤ「~つぅ~っ!!」

曜「ダイヤさん…」

ダイヤ「何故私だけ『さん』なのですか!?」

曜「だって、ダイヤさんはダイヤさんですし…」

ダイヤ「それに!私だけに敬語の混じった言葉遣いですし…」

曜「えっと…、これは…、その…」

ダイヤ「そ、そうですわよね…。生徒会長なんですもの…。威厳を保つのは当たり前ですわ…。だから『さん』付けなのもふつ」

曜「ダ、ダイヤ…、ちゃん」

ダイヤ「…」

曜「あれ?ダ、ダイヤちゃ~ん」

ダイヤ「な、なんですの…?」ニヨニヨ

曜「な、なんだか嬉しそうだね?」

ダイヤ「そんなことありませんわよ曜さん」ニヨニヨ

曜「ダイヤさん」

ダイヤ「…」しょぼん

曜「ダイヤちゃん」

ダイヤ「…」パァァ

曜「わかりやすすぎるよ…」

ダイヤ「…こほん」

ダイヤ「あまりこう言うことを言うのは良くないとは思いますが…」

ダイヤ「…その、なんとなく壁を感じておりましたの」

曜「呼び方に?」

ダイヤ「ええ…。確かにスクールアイドル部設立にあたって、みなさんに迷惑をかけてしまったのは事実ですし、私自身こんな性格ですから…」

ダイヤ「…打ち解けるのが難しいことはわかってはいるのです」グスッ

曜「そんなことないよ」

ダイヤ「…え?」

曜「そんなことない。みんな、ダイヤちゃんのことが大好きだよ?」

ダイヤ「曜、さん…」

曜「厳しいのは私たちのことを考えてくれてるからだよね?」

曜「部の設立に反対したのも、ステージに飲まれる可能性のあった私たちを心配してのことだし」

曜「ダイヤちゃんのことが好きじゃない人なんて、Aqoursにはいないよ」

曜「ただ、ちょっと打ち解けるのに時間がかかるだけだよ。だから、みんな分かってくれるよ。ね?」

ダイヤ「…はい」ほろり

ダイヤ「その、曜さんは…」

曜「…へ?」

ダイヤ「曜さんは、どうなのです?」

曜「ど、どうって?」

ダイヤ「私のこと、好きですか…?///」カァァ

曜「え、えっと…」

曜「好き、だよ…?///」カァァ

ダイヤ「…それを聞いて安心しましたわ///」ニコッ

ダイヤ「では、テスト期間が終わったらまずはダイヤちゃんと呼ばれることを目標にします!!」

曜「あっ、うん」

ダイヤ「もちろん!曜さんにも協力してもらいますからね!!」

曜「それは、良いけど…」

ダイヤ「どうしたんですの?」

曜「ダイヤちゃんは、曜ちゃんって呼んでくれないの?」

ダイヤ「な、え、えっと…、それは…」

曜「それは?」ニヤニヤ

ダイヤ「そ、それはぁ~~~~っ///」カァァ

ダイヤ「無、無理ですわ!!」

曜「え~、私には呼ばせておいて、私のことは呼んでくれないの~?寂しいなぁ、打ち解けられてないのかなぁ」ニヤニヤ

ダイヤ「そもそも曜さんはみんなからちゃん付けされているじゃありませんか!!」

曜「あちゃ~、バレちゃった♪」

ダイヤ「もう、早く衣装の続きを作りますわよ!」

曜「えっ、まだやるの?」

ダイヤ「当たり前ですわ!曜さん1人に任せておくわけには」

『最終下校時刻となりました』

『校内に残っている生徒は速やかに下校してください』

ダイヤ「あっ…」

曜「終わっちゃったね…」

ダイヤ「結局衣装の方は進みませんでしたわね…」

曜「こうなったら持ち帰っ」

ダイヤ「テストが終わったら、みんなに声をかけてみましょう。ねっ?」ニコッ

曜「…はいっ」ニコッ

ダイヤ「そうだ、どうせならこの後家で勉強を教えてさしあげます」

曜「えっ、えっと、それは遠慮します」

ダイヤ「ぶっぶーですわ!私のことをからかった罰ですわ」

ダイヤ「ほら、行きますわよ!!」

ダイヤ「…曜、ちゃん///」ボソッ

曜「…へ///」

曜「…ず、ずるいよ…」

そんなわけでだいよう篇は終わりです。

スレタイは曜ですが、珍しいかもしれない組み合わせのとりとめのない話を書いていきます。



次いきます。

バタバタバタ

ガチャ

善子「堕天使ヨハネ、ここに降臨っ!」

果南「あっ、善子。いらっしゃい」

善子「だからヨハネよ!!」

善子「って、あなた何でここにいるの?」

善子「ここなら誰もいないと思ったのに…」

果南「何?また変なこと企んでるの?」

善子「変なことって言うなぁ!」

果南「じゃあなに?」

善子「ふふっ、堕天使の知恵を必要とせし下等生物どもから逃れるため、安息の地を探していたまで…」

善子「しかしここもヨハネの安息の地ではない…。やはり堕天使の不幸は」

果南「…なに言ってるのか全然わかんないよ」

善子「…こほん。クラスメイトの子から勉強教えてって頼まれたのよ」

果南「へぇ、善子って頭良いんだ」

善子「まぁ、それなりにはね。って、だからヨハネよ!」

果南「まぁまぁ。それで?どうして善子はここにいるの?」

善子「それは…、断ったから」

果南「え、なんで?教えてあげれば良かったのに」

善子「せっかくクラスに馴染めてきたのに、また失敗したくないのよぉ!」

果南「ん?どういうこと?」

善子「ああ、あなたは知らなかったわね。…私、ちょっと前まで不登校だったのよ」

果南「え、なんでまた」

善子「自己紹介でちょーっとやらかしてね」

果南「ああ、なるほど」

善子「それで納得されるのもシャクね」

善子「…まぁいいわ。ヨハネのことを知らない子たちと一緒に勉強、なんてまた失敗しそうなのよ…」

善子「普段はズラ丸にお目付役を頼んでるんだけど、ルビィの家で勉強するってとっとと帰っちゃったし…」

果南「だったらルビィやマルと一緒に帰れば良かったのに」

善子「嫌よ!!ルビィの家には生徒会長もいるでしょ!?あの人絶対スパルタだわ!!」

果南「あはは…、まぁ否定はしないよ」

善子「ま、そんなわけでクラスメイトから逃げてきたのよ」

果南「そっか。後でちゃんとフォローしときなよ?」

善子「クラス内では一応優等生で通ってるし、この程度で心象悪くなんないでしょ」

果南「そうなんだ、意外」

善子「意外とか言うなぁ!」

善子「次はそっちの番よ」

果南「えーと、うん、別に深い理由はないよ」

善子「部活動停止期間に部室にいるのに深い理由がないわけないでしょ?教えなさいよ」

果南「だから、別に大したことじゃないってば」

善子「いいから」

果南「もう…、他の人に言わないでよ?」

善子「安心しなさい。堕天使は決して秘密を口外したりはしない。そう、例え業火の炎で焼かれようとも」

果南「あの…、良いかな?」

善子「…ノリ悪いわね」

果南「いやぁ、どう対応したら良いかわかんなくて」

善子「まぁ、素直なところは褒めてあげるわ。それで?」

果南「アルバム、見てたんだ」

善子「アルバム?」

果南「そ、アルバム」

善子「なんのアルバムよ」

果南「Aqoursのだよ」

善子「アルバムなんてあったかしら」

果南「あー、んーと、Aqoursがまだ、3人だった頃の」

善子「なるほどね。ノスタルジックな気分になりたかったのね」

果南「そういうわけじゃないけど…。鞠莉のいる前で見るとからかわれそうでしょ?」

善子「ふふっ、ヨハネも天使だった過去を思い返して感傷に浸」

果南「だから、こういう時でないと見られないと思ってさ」

善子「…だったら家に持って帰れば良かったのに」

果南「前は私の家にあったんだけどね」

果南「…色々と思い出しそうだったから」

果南「でも、今はここに置いておきたいかな」

果南「私たち3人の、大切な思い出だし」

善子「でももう増えることはないでしょ?」

果南「え?」

善子「私たちだってAqoursよ。これからは9人の思い出が増えるんだから」

果南「善子…。ふふっ、善子は良い子だね」

善子「善子言うなぁ!あと良い子じゃない!!」

果南「善子も友達を大切にしなよ」

善子「ま、まぁたまにくらいならね」

果南「ん、それで良いよ」

善子「…あ」

果南「どしたの?」

善子「私たちの共通点を発見してしまったわ」

果南「共通点?似てるとこなんて…、髪の長いところくらいじゃない?」

善子「不登校仲間よ!!」

果南「いや、私は休学してただけで不登校じゃないし」

善子「学校来てなかったことには変わりないでしょ!」

果南「好きで休んでたわけじゃないよ」

善子「私だってそうよぉ!!」

善子「けど…、私の内なる堕天使が」

果南「それはもう良いから」

善子「ちょっと!!!」

果南「あはは、でも確かに学校来てなかったことは同じだね」

善子「そうでしょ!?」

果南「授業受けてないと先生が何言ってるかわかんなくてさ、大変だったなぁ」

果南「まるで浦島太郎になった気分だったよ」

善子「あなたの場合亀はいらなさそうよね」

果南「いや、竜宮城って深海でしょ」

善子「真面目に返さないでよ…」

果南「…でも、そんな私のことを待ち続けてくれる人はいた」

果南「あの時はひどいこと言っちゃったけど、本当は嬉しかったんだ」

善子「私には本気で鬱陶しがってるように見えたわよ?」

果南「まぁ…、実際鬱陶しかったからね…」

善子「言うわね、あなた…」

果南「鞠莉もダイヤも、お互い様でしょ」

善子「まぁ、それもそうね…」

果南「善子は」

善子「なによ」

果南「善子は私たちみたいになっちゃダメだよ」

善子「そうね、善処するわ」

果南「1人ではできないことでも、みんなとなら乗り越えられるって思えるし」

善子「…そうね」

果南「どうしたの?」

善子「不登校の時ね、ズラ丸とルビィが毎日ノートを届けてくれたのよ」

果南「へぇ、そうなんだ」

善子「だから授業についていけないってことはなかったんだけど…」

善子「思えば、私はズラ丸やルビィに頼りすぎなのかなってね」

果南「善子…」

善子「あの子たちがいたから私もAqoursにいれるし、あの子たちがいるからきっと今も頑張っていられる」

善子「私の堕天使キャラだって受け入れてくれた」

善子「昔からこんなだから友達作るのも下手くそで、でも花丸やルビィは私のこと友達だって言ってくれた」

善子「だから、本当はお礼だって言いたいけど、でも…、誤魔化しちゃって」

善子「また…、1人になっちゃうのかな」

果南「善子」

ギュッ

果南「はぐっ!」

善子「あ…」

果南「言葉じゃなくたって、気持ちは伝わるよ」

善子「うん…」

果南「それに、善子の友達はマルやルビィだけじゃない」

果南「私たちも、でしょ?」

善子「果南、さん…」

果南「あははっ、やっと名前呼んでくれた」

果南「あっ、でもちゃんと言葉も伝えてあげなよ?」

果南「私たちは言葉が足りなくてああなっちゃったんだし」

善子「…ふふっ、雰囲気考えなさいよ」

果南「やっぱり善子は笑ってる方が可愛いよ」

善子「かわっ…///」

果南「ん?どうしたの?」

善子「わ、わた、私は…、美しすぎるが故に翼をもがれ地に落とされた堕天使…。自身の美貌など…、昔から…///」

果南「恥ずかしいならそう言えば良いのに」ニヤニヤ

善子「うるさぁいっ!」

『最終下校時刻となりました』

『校内に残っている生徒は速やかに下校してください』

果南「さっ、もう帰ろっか」

善子「あっ、あの…!

果南「んー?どしたの?」

善子「今日は、その、ありがとう…」

善子「あの子たちにも、明日伝えてみるわ…」

果南「うんっ♪」

善子「それと、お礼に!!」

善子「Aqoursのメンバーである私が、果南さんの新しい思い出作りに協力してあげるわよ///」

果南「善子…。ありがとっ」

善子「あっ、今日のことは秘密だからね!!」

善子「バレると面倒臭そうだし…」

果南「あはは、そうだね」

果南「善子と私、2人だけの秘密だねっ♪」

そんなわけで今回はかなよしでした。

Aqoursの中で一番細くて体重の軽い善子が不運にも足をくじいて、果南ちゃんにお姫様抱っこされて保健室に連れていかれてからというものの、果南ちゃんのことがだんだん気になってく、みたいなかなよし誰か書いてくださいお願いします何でもしますから。



次いきます。

千歌「…」もくもく

がちゃっ

千歌「…」もくもく

鞠莉「あら、ちかっちじゃない。チャオ~」

千歌「…あっ、鞠莉さん。こんにちは」

鞠莉「こんなところで何をしているの?」

千歌「あー、えーっとぉ…」

千歌「べ、べん」

鞠莉「あらぁ、ちかっちったら勉強してたの?」

鞠莉「それなら次のテストの点は期待出来そうねぇ~」

千歌「…作詞をしてました!!」

鞠莉「嘘つきはNo goodよ?それにぃ」

鞠莉「こんな時にそんなことしてると、ダイヤに怒られちゃうよ~?」

千歌「うっ」

鞠莉「まぁ、私もそんなに鬼ではありませんから?今回は黙認してあげまショー」

千歌「鞠莉さん…」

鞠莉「た・だ・し、家に帰ったらしっかり勉強するのよ?」

鞠莉「これでも私は学校のトップなんだから」

千歌「はい、わかりました」

鞠莉「ところでちかっち」

千歌「ほぇ?どうしたんですか?」

鞠莉「作詞の方は順調?」

千歌「それは…」

鞠莉「その様子だと、上手くいっていないみたいね?」

千歌「鞠莉さんはなんでもお見通しですね」

鞠莉「だって、ちかっちったら元気ないんだもの」

鞠莉「誰でもわかりマス」

千歌「部室に来たのも、ここだったら良いアイデアが出るかもって思ったんですけど」

千歌「やっぱりダメで…」

鞠莉「…そうなのね」

千歌「まぁ、これが初めてって言うわけじゃないんですけどね、あはは…」

鞠莉「みんなには相談してみたの?」

千歌「…してないです。曜ちゃんは衣装作りがあるし、梨子ちゃんも曲作りで忙しいし」

千歌「それにほら。今はテスト期間だから勉強もしなくちゃいけないし」

鞠莉「でも、ちかっちは勉強してないわよね?」

千歌「うっ…、それは…、そうなんですけど」

鞠莉「…あのね、ちかっち」

鞠莉「自分がやるって決めたことだから」

鞠莉「自分の仕事だから」

鞠莉「そう思って、1人で抱え込んでるんじゃない?」

千歌「そんなこと…、ないで」

鞠莉「いーえ、あります。大有りですヨ」

千歌「で、でもみんなだって色々頑張ってるし」

鞠莉「それならちかっちは頑張ってないの?」

千歌「っ!!」

鞠莉「違うでしょ?」

千歌「自分なりに精一杯やってるつもりです…。でも」

千歌「頑張ろうって思ってもダメで…」

千歌「どうしたら良いんだろう」

千歌「どうすれば上手くいくんだろうってたくさん考えるんです」

鞠莉「それで、答えは見つかった?」

千歌「…」

鞠莉「…ちかっち、Aqoursは全員で何人かしら?」

千歌「9人です…」

鞠莉「私たちは仲間でしょ?」

鞠莉「もっと頼ってくれても良いんじゃない?」

鞠莉「それとも…」

鞠莉「私たちは力になれない?」

千歌「そんなことないです!」

千歌「でも…」

鞠莉「でも?」

千歌「私…、リーダーだから…」

千歌「リーダーだから、もっとしっかりしなくちゃって」

千歌「頼るんじゃなくて頼られるようにならなくちゃって」

鞠莉「ちかっちってば本当可愛いんだから」

鞠莉「ちかっちはね、難しく考えすぎなのよ」

千歌「考えすぎ…ですか?」

鞠莉「そ。あのね、ちかっち。聞いて欲しいの」

鞠莉「リーダーにはね、二種類あると私は思うの」

鞠莉「ひとつは頼りになるリーダー」

鞠莉「もうひとつはなんだと思う?」

千歌「もうひとつ、ですか?」

鞠莉「5、4、3、2、1」

千歌「あっ、えーっと、えーっとぉ…!」

鞠莉「0!はいっ、ぶっぶー♪」

鞠莉「これはあくまで私の考えなんだけど…」

鞠莉「もうひとつは、支えてあげたくなるリーダー」

千歌「支えてあげたくなる…、ですか?」

鞠莉「そう、どこか頼りなくて、でもほっとけない」

鞠莉「そんなcuteなリーダー」

鞠莉「まるでちかっちみたいよね♪」

千歌「私みたい…?」

鞠莉「そっ、頑張ってるちかっちってば」

鞠莉「こぉーんなにcuteなんですものっ♪」ギュッ

千歌「わぁっ、危ないですよぉっ!!」

鞠莉「ふふっ、少しは元気になったかしら?」

千歌「…はい、ありがとうございます」ニコッ

鞠莉「ちかっちに悲しそうな顔は似合わないもの」ニコッ

鞠莉「それに、私たちはこう見えて先輩なんだから」

鞠莉「後輩のお悩み相談くらいならドンと来いですヨ!」

千歌「あははっ、頼りにしてます」

鞠莉「…もちろん、理事長である私や生徒会長であるダイヤは」

鞠莉「頼れるリーダーじゃないとダメだけどねっ」

千歌「でも、困った時は言ってくださいね?」

千歌「力になれるかどうかはわからないけど」

千歌「少しでも役に立ちたいんです!!」

鞠莉「ちかっち…。ふふっ、ちかっちにはお世話になりっぱなしね」

千歌「え?そんなことないですよ」

鞠莉「だって、ちかっちがスクールアイドルをやる、だなんて言いださなければ」

鞠莉「こんな奇跡起きなかった」

鞠莉「大好きだった友達と喧嘩したままだった」

鞠莉「浦の星に戻ってきても、心のどこかでは諦めてたのかもしれない」

鞠莉「果南と仲直りすること、大好きな友達ともう一度大好きなスクールアイドルをすること」

鞠莉「…でも、ちかっちの前向きさが私に勇気をくれたの」

鞠莉「だから、ありがとう…。ちかっち」

千歌「鞠莉さん…」

千歌「私はただ、やりたいことをしただけですから」ニコッ

千歌「Aqoursの9人は初めからこうなる運命だったんですよ!」

千歌「だから、諦めてたかもしれないとか、そういうんじゃなくて…」

千歌「えーっと、なんて言ったらいいんだろ…。えーっと、えーっと…!!」

鞠莉「ちかっち…、ふふっ」

千歌「あっ、笑った!!励まそうとしてるのにぃ…!!」

鞠莉「ふふっ、sorry」

千歌「うーん、やっぱり私って頼りない…?」

千歌「頼りになるって言われるにはやっぱりダイヤさんくらいにならないとダメなのかなぁ?」

鞠莉「あら?ダイヤってああ見えても結構抜けてるところもあるのよ?」

千歌「あっ、それは確かに…」

鞠莉「だから、見習うならこのマリーを見習いなっさーい!」

千歌「うーん、それはちょっと」

鞠莉「ちょっと、ちかっちぃ!?」

やっぱりちかっちとマリーちゃん

千歌「あははっ、冗談ですよ」

鞠莉「ちかっちも言うようになったわねぇ」ぐりぐり

千歌「いっ、いひゃいれふまりはん!!」

鞠莉「今日はこのくらいで許してあげまショー」

千歌「ううっ、ほっぺた伸びちゃうよぉ~」サワサワ

鞠莉「先輩をからかってはいけませんヨ?」

千歌「…もちろん鞠莉さんのことも頼りにしてますからね?」

鞠莉「…ええっ」ニコッ

『最終下校時刻となりました』

『校内に残っている生徒は速やかに下校してください』

鞠莉「あら、もうそんな時間だったのね」

千歌「みたいですね、そろそろ帰りましょうか」

鞠莉「そうは言っても私は理事長だから、一応見回りだけでもしないと」

千歌「あ、なら手伝いますよ!!」

鞠莉「さすがに生徒に手伝わせるわけには行かないわ」

千歌「むぅ…、じゃあ、鞠莉さんがお仕事終わるまで校門で待ってますから!」

千歌「そしたら、いろいろ相談に乗ってくれると嬉しいですっ!」ニコッ

鞠莉「ふふっ、受けて立とうじゃないっ♪」

千歌「それじゃ、待ってまーす!!」バタバタ

鞠莉「こらっ!廊下は走っちゃいけまセーン!!」

千歌「ご、ごめんなさーい!!」バタバタ

鞠莉「まったく…」





鞠莉「千歌はもう、頼りになるリーダーだったねっ」ニコッ

そんなわけで、今まで投稿した分とまりちかは終わりです。

マリーの優しく包み込むような包容力で、普通コンプレックスを持つちかっちが普通じゃないって気づかせてあげてほしいです。

いいゾ~^

素晴らしい

ハラショー

諸事情により長らく更新を止めてしまい申し訳有りません。
更新いたします。

本日はりこまるです。

梨子「…」モクモク

梨子「…」ペラ

梨子「…」ニヤニヤ

梨子「…」ペラ

ガチャッ

花丸「…あれ、梨子さんずら」

梨子「…」モクモク

花丸「なにしてるずらか?」

梨子「…」ペラ

花丸「梨子さん?」

梨子「…」ニヤニヤ

花丸「梨ー子さんっ」

梨子「…は、はは、花丸ちゃん!?!?」

花丸「…びっくりしすぎずら」

梨子「ななななな、なんでここにっ」

花丸「梨子さん、少し落ち着いて」

梨子「うっ、うん…」

梨子「…じゃなくて!!」

花丸「ずら?」

梨子「見た…?」

花丸「んー…?なにをずら?」

梨子「う、ううん。見てないなら良いのよ」

花丸「そういえば梨子さん、本読みながら笑ってたけど、なにかあったずらか
?」

梨子「…!?」

花丸「梨子さんがどんな本読むのか気になるし、もし良かったらオラにも貸してほしいずらぁ」

梨子「忘れなさい」

花丸「えっ、でもぉ」

梨子「忘れて、お願い」

花丸「誰でも触れられたくないことはあるもんね…、仕方ないずら」

梨子「ありがとう、花丸ちゃん」

梨子「ところで花丸ちゃん」

花丸「どうしたずら?」

梨子「花丸ちゃんはどうしてここに来たの?」

花丸「たまには1人で勉強しようと思って」

花丸「普段はルビィちゃんや善子ちゃんと一緒に勉強してるんだ」

花丸「みんなといるのは楽しいけど、それでも1人の時間も大事ずら」

梨子「なんだか分かる気がする」

梨子「…でも、それなら私はお邪魔だったかな?ごめんね」

花丸「ううん、むしろ悪いのはマルの方で…」

梨子「良いの良いの!それじゃ、私はこれで」

花丸「待ってほしいずら」

梨子「え?どうしたの?」

花丸「梨子さんと2人きりになることなんて今まで無かったし」

花丸「少しお話したいなぁ…なんて」

花丸「あっ!迷惑だったら断って構わないずら!!」

梨子「ふふっ、可愛い後輩の頼みなんだもの。断るわけないでしょう?」

花丸「ありがとうずら!」

花丸「それで…、梨子さんはどうしてここに?」

梨子「あー、えっと…、気分転換…かな?」

梨子「ほら、花丸ちゃんも言ってたでしょ?一人の時間も必要だって」

梨子「今は部活もできないし、ここなら誰もいないかなって」

花丸「なるほどずら」

梨子「テスト勉強だけじゃ疲れちゃうでしょ?」

梨子「まぁ、私の場合は千歌ちゃんや曜ちゃんに勉強を教えてるってのもあると思うけど…」

花丸「…納得したずら」

梨子「…それに、部屋が千歌ちゃんの隣だから落ち着いて本も読めないし」ボソッ

花丸「何か言ったずらか?」

梨子「ううん、なんでもないよ!」

梨子「それにしても…」

梨子「静かね」

花丸「おらも梨子さんも、そんなに話すタイプじゃないもんね」

梨子「そうそう。いつも千歌ちゃんや曜ちゃんと一緒にいるし」

花丸「そう言われてみれば、おらもルビィちゃんや善子ちゃんとずっと一緒ずら」

梨子「退屈?」

花丸「こういう時間も大好きずら」

梨子「ふふっ、良かった」

花丸「そういえばマル、梨子さんにずっと聞きたいことがあったんだぁ」

梨子「なぁに?」

花丸「東京育ちの梨子さんから見て、内浦はどうずら?」

梨子「どう、って…」

花丸「ほら、思った以上に田舎だったとか」

花丸「海が綺麗とか、なんでもいいずら!」

花丸「してぃがーるの梨子さんから見て、内浦はどんなところなのかなって」

梨子「シティガールって…」

梨子「んー…、そうだなぁ」

梨子「暖かいところ…、かな?」

花丸「暖かいところ、ずら?」

梨子「そう。東京にはない暖かさって言うのかな」

梨子「人と人との距離が近くて、とっても優しくて」

梨子「初めは静岡に転向、だなんて聞いてびっくりしたけど」

梨子「今ではここにこれてよかったなって思ってるよ」ニコッ

花丸「ふふっ、そっかぁ」

梨子「それに、私は地味だし…」

梨子「都会よりもこういう田舎の方が合ってるかも?」

梨子「なんて、失礼だよね。えへへっ」

花丸「梨子さんは…」

梨子「どうしたの?」

花丸「梨子さんは地味なんかじゃないずら」

梨子「花丸、ちゃん?」

花丸「ステージの上で踊ってる梨子さんはとっても素敵で」

花丸「それに、笑顔もとっても可愛いずら!!」

花丸「それにおら、梨子さんの作る曲や、ピアノの伴奏が大好きずら!!」

梨子「花丸ちゃん…」

花丸「…あっ、えっと…、ごめんなさい」

梨子「ううん、そう言ってもらえて嬉しいよ」

花丸「それに、地味って言うのはおらみたいな子のことを言うずら」

梨子「花丸ちゃん?」

花丸「ほら、おらってクラスの中心にいるタイプでもないし…」

花丸「それに、教室では隅っこで本を読んでるような子で…」

梨子「花丸ちゃん、どうしたの?」

梨子「なにか…、悩み事?」

花丸「…ルビィちゃんや善子ちゃんと一緒にいると思うんだ」

花丸「こんな地味なおらがスクールアイドルでいいのかなって」

梨子「…」

花丸「ステージで見るルビィちゃんや善子ちゃんはとっても輝いて見えるんだ」

花丸「ルビィちゃんや善子ちゃんだけじゃない」

花丸「千歌さんも、曜さんも、ダイヤさんも果南さんも鞠莉さんも」

花丸「それから、梨子さんも」

花丸「地味な自分から変わりたいって思ったけど」

花丸「たまに考えちゃうんだ」

花丸「誰も、おらのこと見てくれてないんじゃないかって」

花丸「ステージでみんなの笑顔を見ると思うんだ」

花丸「おら、ちゃんと笑えてるのかなって」

花丸「だから…」

梨子「…花丸ちゃん」ぎゅっ

花丸「梨子さん…」

梨子「私の友達にもね、そういう子がいるんだ」

梨子「自分では普通普通って言ってるんだけど」

梨子「すっごく変な子で」クスッ

梨子「一体どこが普通なのよって思ったりするの」

花丸「…」

梨子「確かに花丸ちゃんは派手じゃないかもしれない」

梨子「けど私には、ステージで歌う花丸ちゃんも、笑顔で踊る花丸ちゃんも」

梨子「とっても輝いて見えるよ?」

花丸「梨子さん…」

梨子「きっとみんな、考えすぎなのね」

花丸「おら、地味じゃないかな?」

梨子「たとえ地味だったとしても、それが花丸ちゃんの個性でしょ?」

梨子「それとも…、善子ちゃんみたいになってみる?」

花丸「それはごめんずら」

梨子「あはは、そう言うと思った♪」

梨子「それに、よく言うでしょ?」

梨子「みんな違って、みんな良い」

花丸「…うんっ」

梨子「でも私たち、案外似た者同士なのかもね?」

花丸「そうかもしれないずら」

梨子「自分では地味だと思ってて」

花丸「でも、それは自分がそう思ってるだけで」

梨子「輝ける場所がちゃんとあるんだよね」

花丸「それに、素敵な友達に恵まれてるずら」

梨子「ふふっ、そうだね」

梨子「やっぱり私、内浦に来て正解だったかも」

花丸「そう思ってくれて何よりずら」

花丸「…でも、たまには東京に帰りたくなったりしない?」

梨子「んー、思うこともあるよ」

花丸「ずらっ!?」

梨子「でも、それは前までの自分」

梨子「こんな素敵な場所で、素敵な仲間と素敵なことをやってるんだもの」

梨子「ここが私の居場所だよ」クスッ

花丸「梨子さん…」

梨子「そこにはもちろん、花丸ちゃんもいるんだからね?」

花丸「…うんっ、もちろんずら!」

『最終下校時刻となりました』 

『校内に残っている生徒は速やかに下校してください』 

梨子「随分話し込んじゃったね」

花丸「けど、一人でいるよりずっと有意義な時間だったずら」

梨子「ふふっ、そう言ってもらえて嬉しいな」

花丸「マル、もっと梨子さんのこと知りたいなぁ」

梨子「ふふっ、私もだよ」

花丸「ならこれから松月に行きたいずら!!」

花丸「お腹も…、空いたし…」グー

梨子「松月って確かわたあめちゃんが…」

花丸「ダメずら?」

梨子「う、ううん、そんなことないわ!行きましょう!!」

花丸「やったずら!じゃあまずは梨子さんがどんな本読んでるのかを知りた」

梨子「それは勘弁してー!!!」

そんなわけで今回もおしまいです。

二人とも自分では地味だと言ってるけど、お互いにお互いの魅力には気づいてそう。
次回の更新はなるはやで頑張ります。

おつおつ
マルちゃんも梨子ちゃんも笑顔がとても素敵でいつも癒やされてるずら
次回更新も楽しみに待ってます

奇跡だよ!

長らく期間が空いてしまいましたが本日更新いたします。

今回はかなルビ。

ガラッ

ルビィ「…」キョロキョロ

ルビィ「…」ジー

ルビィ「よし、ここなら」

果南「ルービィっ」ぽんっ

ルビィ「ぴぎぃぃぃぃっ!?」

果南「ちょっ!ルビィ!!私だって!!」

ルビィ「か、果南…さん…」

果南「脅かしちゃってごめんね?」

ルビィ「う…、ううん。こっちこそ驚いちゃってごめんなさい」

果南「あははっ、じゃあお互い様ってことで」

ルビィ「はいっ」

果南「ところでルビィはどうして部室なんかにいるの?」

ルビィ「えっ!?えと…、あの…、その…」

果南「答えにくいこと聞いちゃったかな?」

ルビィ「あっ、いえ、違うんです!!だけど…」キョロキョロ

果南「…ああ、そういうこと」

果南「大丈夫だよ、さっき誰もいなかったし」

ルビィ「良かったぁ…」

ルビィ「ルビィが部室に来た理由は…、これです」

果南「…雑誌?」

ルビィ「はい。これを読もうと思って」

果南「え?でも、本なら家でも読めるでしょ?」

ルビィ「家は…、その…、お姉ちゃんがいるし…、それで」

果南「ああ、なるほど」

果南「本を読むのも良いけどテスト期間だから勉強しろってダイヤがうるさいんだ」

ルビィ「いえっ、お姉ちゃんはルビィのことを思って言ってくれてるので…」

果南「あははっ、わかってるよ」

果南「ダイヤはルビィのことが大好きだもんねぇ」

果南「それで、なんの雑誌なの?」

ルビィ「しっ、知らないんですか!?」

果南「うん。ほら、島に住んでるからそういう雑誌の置いてある本屋なんて行かないし」

ルビィ「あ、そうなんですか」

ルビィ「この雑誌はプロのアイドルはもちろんのこと」

ルビィ「各地方で活躍しているスクールアイドル、そしてこれから活躍しそうなスクールアイドル。それから…」

果南「えっと…、あの…、ルビィ?」

ルビィ「どうしたんですか?」

果南「アイドル雑誌…ってことで良いんだよね?」

ルビィ「はいっ」

果南「それにしても…」

ルビィ「…うゅ?」

果南「ルビィはアイドルのこととなると目の色変わるよね」

ルビィ「そ、そうですか…?」

果南「それはもう」

ルビィ「ご、ごめんなさい…」

果南「謝ることなんて無いよ」

果南「そのくらい夢中になれるものがあるってのは良いことだしね」

ルビィ「えへへ、ありがとうございます」

ルビィ「果南さんはこういう雑誌、興味無いんですか?」

果南「うーん、興味無いことはないけど」

果南「私たちは私たちだし、他所は他所だし」

果南「それで良いんじゃないかなって」

ルビィ「なんだか、果南さんらしいですね」

果南「それ、褒めてるつもり?」

ルビィ「うゅ…、ごめんなさい」

果南「あははっ、うそうそ。ありがと、ルビィ」

果南「こうして見ると…」

果南「ダイヤとルビィって似てるよね」

ルビィ「そう…、ですか?」

果南「うん。スクールアイドルに夢中になるところとか」

果南「好きなものの話になると止まらないこととか」

果南「ダイヤもスクールアイドルの話をしだすと止まらなくて」

ルビィ「そう、なんですか。えへへ」

果南「…どしたの?ルビィ」

ルビィ「お姉ちゃん、クラスでもスクールアイドルの話するんだなって」

果南「家ではしないの?」

ルビィ「そういうわけじゃないんですけど」

ルビィ「前はスクールアイドルなんて見たくないって言ってたから」

ルビィ「お姉ちゃんが大好きなものを大好きって言えるようになったんだなって思って」ニコッ

果南「ルビィ…」

ルビィ「だから、嬉しくて、つい」

果南「…本当に、ごめんね」

ルビィ「…へ?」

果南「ダイヤがアイドルの話をしなくなったのも」

果南「ルビィがダイヤとアイドルの話をしなくなったのも」

果南「私たち…、ううん」

果南「私の責任だから」

果南「ダイヤの好きなものを奪っちゃって」

果南「ルビィまで巻き込んじゃって」

果南「つらい思いさせたよね…。だから…」

果南「ごめん」

果南「許してもらおうだなんて、虫のいいこと考えてないけど」

果南「いつか謝らなきゃって思って」

果南「ルビィが1人でこそこしてるのが見えたから、跡を付けてきたんだ」

果南「本当に…ごめんなさい」

ルビィ「果南…さん…」

ルビィ「顔を上げてください」

果南「…」

ルビィ「そんなこと、ないです」

果南「ううん、強いよ」

果南「私なんかより、ずっと」

ルビィ「えへへ、果南さんにそう言ってもらえるとなんだか嬉しいな」

果南「そう…、なの?」

ルビィ「はい!果南さんも鞠莉さんも、私のもうひとりのお姉ちゃんって感じで…」

ルビィ「果南さんみたいに格好良くなりたいなって」

果南「そ、そんなこと思ってたんだ…!?」カアァ

ルビィ「あっ、えと…、ごめんなさい」

果南「いやっ、怒ってるわけじゃないんだけど…」

果南「なんだか照れくさいなって」

果南「…ねえ、ルビィ」

ルビィ「ど、どうしたんですか?」

果南「…お姉ちゃんって呼んでみて」

ルビィ「え?えと、その…」

果南「ほら、果南お姉ちゃんって…」

ルビィ「か、果南お姉…ちゃん?」

果南「ルビィ…」

ぎゅっ

ルビィ「わぷっ」

果南「私さ…、一人っ子だからずっと姉妹が欲しかったんだよね…」

ルビィ「で、でも千歌さんや曜さんとも幼なじみなんですよね?」

果南「そうだけど…、あの子達って守ってあげたくなるって感じじゃないでしょ?」

ルビィ「それは…」

果南「だけどルビィは、なんだか守ってあげたくなっちゃうんだよね~」

ルビィ「う、うぅ…」

果南「あっ」

ルビィ「どうしたんですか?」

果南「その…、ダイヤには内緒ね?」

果南「見つかったらきっとひどい目に…」

ルビィ「お姉ちゃん…何をするつもりなんだろう」

果南「ん?なぁに?」

ルビィ「あ、いや、今のは果南さんじゃなくて」

果南「果南お姉ちゃんって呼んでよ」

ルビィ「今のは果南お姉ちゃんじゃなくて…」

>>92->>93の間が抜けてました。


ルビィ「果南さんは、鞠莉さんのことを思ってそうしたんですよね」

ルビィ「友達の為を思って、果南さんも大好きだったスクールアイドルを辞めたんですよね」

ルビィ「きっと、果南さんもつらかったはずです」

ルビィ「確かに、お姉ちゃんにアイドルなんて見たくないって言われた時は戸惑ったけど」

ルビィ「今は、アイドルが大好きなお姉ちゃんです」

ルビィ「だから、もう良いんです」

ルビィ「誰も悪くなんてない…です」

果南「ルビィは…強いね」

果南「でも、これで取引が成立したねっ」ニコッ

ルビィ「取引、ですか?」

果南「そ!私がアイドル雑誌の件を黙っておくから」

果南「ルビィも今日のこと…、ダイヤに言っちゃダメだよ?」

ルビィ「取引成立…、なんだか格好良いかも」

果南「ふふっ、でしょ?」

『最終下校時刻となりました』 

『校内に残っている生徒は速やかに下校してください』 

果南「あれ、もうこんな時間?」

ルビィ「…あの!」

果南「どうしたの?」

ルビィ「今日は部室に来て良かったです!」

ルビィ「果南さんのこと色々知れて、それから、果南さんと仲良くなれて、それから」

ルビィ「新しいお姉ちゃんが出来ちゃった!えへへっ」

果南「…ねぇ、ルビィ」

ルビィ「ぴぎっ!?」

果南「ダイヤに甘えるみたいに、私にも甘えてくれていいんだからね?」

ルビィ「えへへ、うんっ!」

果南「私もルビィのこと色々知れて嬉しかったよ」

ルビィ「あ、あのね、果南お姉ちゃん…」

果南「ん?どうしたの?」

ルビィ「実はルビィ、勉強見てほしいなって」

果南「それはごめん」

ルビィ「ぴぎぃっ!」

本日の更新はここまでです。
ありがとうございました。

だいまりかなが幼なじみということは、かなるびもきっと面識はあるわけで、いつかルビィが果南ちゃんのことをお姉ちゃんと慕う姿が見たいです。

更新キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!
果南ちゃんに甘えるルビィちゃんかわいい
ルビィちゃんはお姉ちゃんがたくさんいて羨ましいです

また長いこと間が空いてしまいましたが、本日更新いたします。

今回はちかよし。

善子「…」カタカタ

善子「…はぁ、なるほどね」

善子「千歌さ…、って、いないし」

ガチャッ

千歌「ただいまー」

善子「おかえり…、じゃなくて!」

善子「人に作業させてどこ行ってたのよぉ!!」

千歌「あ、ごめんごめん」

千歌「ただでパソコン見てもらうのもって思ってお礼買ってきたんだ」

善子「電話かけてくるなりいきなり『パソコンが壊れた!』なんて言うからびっくりしたわよ…」

千歌「パソコンには詳しくないもので…」

善子「もう、しっかりしてよね」

千歌「面目無いです…」

善子「とりあえず原因は分かったし、これでなんとかなるはずよ」

千歌「さっすが善子ちゃん!」

善子「ヨハネ!!」

千歌「あ、そうだ。これあげるね」スッ

善子「ありがと。ちょうど喉が渇いてたのよね」

善子「…」ゴクッ

千歌「そのみかんジュース美味しいよねぇ。私もお気に入りなんだぁ」

善子「って、これみかんジュースじゃない!!」

千歌「パッケージに書いてあるよぉ!!」

善子「私みかん苦手なの!!」

千歌「あっ、そうだったの?」

善子「そうよ!ちゃんとプロフィールにも書いてあるんだから!!」

千歌「あ、そういえば…」

千歌「静岡の子なのにみかんが苦手なんて珍しいね~、って言った気がする!」

善子「言った気がする、じゃなくて言ったのよ!」

千歌「こんなに美味しいのに…」

善子「苦手なものは苦手なの!仕方ないでしょ!!」

千歌「どうして苦手なの?」

善子「べ、別になんだって良いでしょ!」

千歌「えー、気になるじゃあん!」

善子「…理由なんかないわよ」

千歌「嘘だぁ!だってさっき隠そうとしてたじゃん!」

善子「うっ、それは…」

千歌「はぁ、せっかく善子ちゃんのためにみかんジュース買ってきたのに飲んでくれないし」

善子「それはあなたが」

千歌「せめて苦手な理由くらいは教えて欲しいなぁ…、はぁ…」チラッ

善子「こっちチラチラ見るのやめなさいよ…」

千歌「はぁ…」チラッ

善子「あーもう!わかったわよ!!」

千歌「教えてくれるの!?」

善子「変わり身早っ!」

千歌「それで、どんな理由なの?」

善子「…笑わない?」

千歌「大丈夫大丈夫!」

善子「静岡の子だからみかんが好き…なんて普通だと思わない?」

千歌「…うん?」

善子「地元の名産が好き、だなんて普通すぎるでしょ!」

善子「そんな普通のこと、堕天使には相応しくないの!」

千歌「あ、じゃあ食べられないわけじゃないんだね」

善子「いや、それが…」

善子「自分はみかんを食べられないって思い込んでいるうちに、本当に苦手になっちゃったのよね…」

千歌「えー、美味しいのに」

善子「この際美味しいかどうかは問題じゃないのよ!」

千歌「善子ちゃんがみかん苦手なのはそんな理由があったんだね」

善子「だからヨハネよ!」

善子「Aqoursに入る前は堕天使ヨハネ、とかヨハネちゃん、とか呼んでくれたのに…」

千歌「そういえばそうだったね」

善子「リトルデーモンになってくれるって言ったのに!」

千歌「それは…、言ってないかな」

千歌「ほら、あの頃の善子ちゃんって自分の大好きなものから離れようとしてたでしょ?」

善子「まぁ…、そうね」

千歌「大好きなものから目を背けるのってとってもつらいよね」

千歌「誰からも受け入れられなくて、でもどうしようもなく大好きで」

千歌「だから、私たちが受け入れてあげようって思ったんだ」

千歌「それに、私は善子ちゃんの堕天使キャラ、結構好きだよ?」

善子「キャ、キャラじゃなくて堕天使だし!!」

千歌「あはは、そうだね」

千歌「それにね」

善子「…なぁに?」

千歌「普通じゃいたくないって気持ち、私もすっごくわかるんだ」ニコッ

善子「千歌さん…」

千歌「私はなにをしても中途半端だし、すーっごく普通だし」

千歌「けどそれ以上踏み出せなくて」

千歌「だから、自分の脚で一歩を踏み出した善子ちゃんのこと、すごいと思ってるんだよ?」

善子「…」

千歌「まぁ、普通怪獣はずっと普通」

善子「はぁ…」ゴスッ

千歌「いったーい!!ちょっと善子ちゃん!?なにするの!?」

善子「堕天使奥義・堕天活殺刀!」

千歌「ただのチョップじゃん!!」

善子「うっさい!!」

善子「ていうかね、言わせてもらうけど!」

善子「千歌さんは全然普通なんかじゃないから!!」

千歌「えっ、私って…変…!?」

善子「そういうことじゃないわよ!!…いや、確かに変わってるけど」

千歌「そうかなぁ…?」

善子「そうよ。みんな千歌さんのおかげで居場所を見つけることができたんだから」

善子「この堕天使ヨハネの安息の地はここ、Aqoursだけ…」

千歌「…え?なに?」

善子「あーもう!!Aqoursだとありのままの自分で居られるってことよ!!」

善子「自分の好きを迷わず見せることって、そうやって教えてくれたのは千歌さんでしょ?」

千歌「善子ちゃん…」

善子「それに、街中で散々人を追っかけ回しといてよくも自分が普通だなんて言えたものね」

千歌「うっ、それは…」

善子「でも、そのおかげで私は今もこうしていられる」

善子「その…、感謝してる、から」

善子「それに千歌さん…その、すごくキラキラしてると思うし…」

千歌「善子ちゃんっ…!!」ぎゅっ

善子「ちょっ、離れなさいよぉ!!」

千歌「えへへっ、やーだ!」

千歌「そんなふうに思ってくれてたなんて嬉しいなっ!」

善子「私だけじゃないわよ」

千歌「…えっ?」

善子「千歌さんの笑顔はキラキラしてて素敵だって」

善子「みーんな言ってるわよ」

千歌「えええええぇぇぇっ!?」

千歌「私が?私が…?」カァッ

善子「他に千歌さんなんていないでしょ」

善子「それだけキラキラしてる千歌さんだから、みんな千歌さんがAqoursのリーダーに相応しいって思ってるのよ」

善子「言い出しっぺだからだとか知らないけど、千歌さんがAqoursのリーダーなのだってちゃんと理由があるんだからね」

善子「…ていうか、こんな恥ずかしいこと言わせるんじゃないわよ…」ボソッ

千歌「うっ、ううぅ…」グスッ

善子「ちょっ!?なに泣いてんのよ!!」

千歌「えへへっ、そんなふうに思われてるなんて、嬉しくなっちゃって…」

千歌「ただ、夢中で走り続けてただけだったから」

千歌「そんなふうに思ってくれてるなんて」

善子「ダイスキだったらダイジョウブ!、なんでしょ?」

善子「好きなことやってるんなら、堂々と胸を張りなさいよ」

善子「私は千歌さん達からそれを教えてもらったけど?」

千歌「えへへっ、そうだねっ!!」ニコッ

千歌「って、あれ?」

善子「どうしたのよ」

千歌「善子ちゃん、1stライブ見に来てくれてたの!?」

善子「な、なななな、なにそれ、知らないわよ!!」

千歌「でも、ダイスキだったらダイジョウブ!って」

善子「それは…」

千歌「それは?」

善子「ルビィと花丸から聞いたのよ!」

千歌「なーんだ、そっかぁ」

千歌「でも、ルビィちゃんと花丸ちゃんが…。ふふっ、ふふふ…」

善子「ど、どうしたのよいきなり」

千歌「私たちのやったことがルビィちゃんや花丸ちゃん、善子ちゃんに繋がって、今のAqoursがあるんだなぁって思って」

千歌「私たちの活動で、色んな人が繋がっていく」

千歌「なんだか、とってもすごいことだと思わない!?」

善子「ふふっ、そうかもね」

千歌「例え会場が満員にならなくたって」

千歌「私たちのことを見てくれるお客さんに何かを残せたんだとしたら」

千歌「なんだかとっても嬉しいな」

千歌「この程度で満足するなー、なんて怒られそうだけどね、えへへっ」

善子「今はそれでも良いんじゃない?」

善子「0から1へ、なんでしょ?一歩一歩進んでいけば良いじゃない」

千歌「…うんっ!そうだね!」ニコッ

『最終下校時刻となりました』

『校内に残っている生徒は速やかに下校してください』

善子「わっ、もうこんな時間!」

千歌「つい話し込んじゃったね」

善子「…そういえば千歌さん、勉強大丈夫なの?」

千歌「だ、大丈夫!今回は梨子ちゃんもいるし…」

善子「巻き込む気満々ね…」

善子「ていうかリーダーなんだし、赤点取らないでよ?」

千歌「うっ、頑張ります…」

善子「まぁでも?今日は千歌さんのこと知れて…、その、良かったっていうか…」

千歌「善子ちゃん…。私も善子ちゃんのこと知れてすっごく嬉しかったよ!」ニコッ

千歌「Aqoursがこの9人なのにはきっと意味があると思うんだ!」

千歌「この9人で良かったって思えるように」

千歌「やり遂げようね、最後まで!」

自称普通怪獣とちかちーと、自ら普通じゃなくなろうとした善子のお話でした。
自身が普通であると思い込んでいる自称普通怪獣と、自身が普通であることを決して認めない自称堕天使のCPはもっと流行っていいと思います。


というわけで本日の更新はここまで。
ありがとうございました。

乙よしこ

乙です
千歌ちゃんの笑顔ってすごく素敵ですよね
http://i.imgur.com/eQQVheg.jpg

続きまだかな?

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