橘ありす「マーキング」 (370)

※「アイドルマスター シンデレラガールズ」のSS

※キャラ崩壊あり

※人によっては不快感を感じる描写もあるかも

※決して変態的なプレイをする話じゃありませんのであしからず

※健全な純愛物を目指してます

※既出のネタがあるかも

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1477742473

前の作品

智絵里「マーキング」

智絵里「マーキング」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1476481390/)

智絵里「マーキング」まゆ「2ですよぉ」

智絵里「マーキング」まゆ「2ですよぉ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1476819940/)

基本は地の文ありですが、疲れたら台本形式になるかもしれない

「あぁぁぁぁ、疲れたぁぁぁぁぁ!」


事務所の自分の机でパソコンを見つめながら、叫びを上げる男。残念ながら、そう叫んだ所で誰かが声を掛ける訳でも無かった。


「疲れたよぉぉぉぉぉ! たちばなぁぁぁぁぁぁ!!」


それでもめげはしないこの男……今度は指名をした上で、また叫びを上げる。


「……」


しかし、指名されたはずの少女、橘ありすは反応はしなかった。それ所か、自分の手に持つタブレットを注視していて、見向きもしない。

「たちばなぁぁぁぁぁ!」


「……」


「たちばなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


「……」


「たぁぁぁぁぁちぃぃぃぃぃばぁぁぁぁぁなぁぁぁぁぁ!!!!!」


「あぁ、もう、煩いです!! 少しは静かに仕事して下さい!!」


遂に我慢の限界がきたのか、ありすはタブレットから目を離し、男を叱った。

「そんな事言ったって……疲れたんだよ、たちばなぁぁぁぁぁ!!!!」


「一々、大声で呼ばないで下さい!! 気が散って仕方ないじゃないですか、プロデューサー!!」


先程から人の迷惑を全くといって顧みないこの男……この男こそがアイドル、橘ありすの担当プロデューサーのAである。


(全く……何でこんな人が私のプロデューサーなんだろう……)


そしてありすはこの男の事を認めていなかった。理由は色々とあるが、とにかく気に入らなかった。


「そもそも……さっきから疲れた、疲れたって……何があったんですか?」


「仕事の量が多すぎるんだよぉぉぉぉぉ!!!!!」


そう言うAの机の横には書類が山の様に積み重なっていた。確かにこれは多い過ぎる……と、ありすは納得した。

「何でこんな……プロデューサー、また何かやらかしたんですか?」


「始末書の山じゃないぞ、これ。こんなに多く仕事が回ってくるのも全て、ちっひーが悪い!!」


(ちっひー……ちひろさんの事かな……)


ありすはAから視線を外し、事務員の千川ちひろがいつも座っている席に視線を向ける。しかし、そこには誰の姿も無かった。


「ちひろさんがいないなんて……珍しいですね」


大概は事務所にいる彼女ではあるが、ここ最近は姿を見せていない。ずっと不在のままだった。


「何でも入院中みたいだぞ? 頭部強打しただか、記憶障害だかでな」


「な、何があったんですか……」


頭部強打はともかく、記憶障害で入院なんて余程の事では起こり得ない事である。ちひろの身に何が起こったのか……ありすは疑問に思った。

「知らん。知らんけど……そのせいで俺に多く仕事が回ってきて……おのれ、ちっひぃぃぃぃぃ!!!!!」


「だから、煩いです!!!!!」


机をバンッと叩き、ありすは抗議する。こういったやり取りが既に日常風景の様になってしまっている事に、ありすは辟易としていた。


(本当にこの人は……はぁ……)


ありすはAに聞こえない様に心の中でため息を吐いた。


(思えば……出会った頃から、この人はこんなでした……)


そう遠い過去の事では無いが、ありすはそれを振り返るかの様に、回想にふけった。


とりあえず導入部分まで。

ストックは全く無いのでゆっくりの更新となりますが、何とか完結を目指します。

これはほのぼの甘酸っぱい感じで終わりそうですね…
ありすに病みは無理っぽい気もするし

予想を装って願望をぶち込む奴本当に嫌い

>>73
願望的にはありすにも前作ヒロイン達みたいに深めに病んで欲しいんだけどな

※健全な純愛物を目指してます
目指しているんだから、たぶんヤンデレ物にはならないだろ

>>1です。再開します。

>>72 >>73 >>74 >>75

皆さんの期待に沿えるかどうかは分かりませんが、頑張ろうと思います。

「あっ、文香さん。おはようございます」


「おはようございます、ありすちゃん……今日も元気そうですね……」


Aとありすが牧場に遊びに出かけた翌日……ありすはそこで買ったお土産を手に持って、文香の下を訪れていた。


「これ……良かったら貰って下さい。昨日、牧場に出掛けて買ってきたんです」


そう言ってありすは文香に持っていたお土産を差し出した。

  
「こ、これを……私にですか……あ、ありがとうございます……」


大きさにして20㎝四方の少し大きめの箱……文香はそれを落とさない様にと丁寧に、慎重に受け取った。


「あ、あの……中を開けてみても、よろしいでしょうか……」


「はい、もちろんです」


ありすの了承を得ると文香は箱の包装を解いて、外箱を外して中身を取り出した。


「これは……チーズケーキ、ですか……」


「そこの有名なお土産みたいで……気に入って貰えると、その……嬉しいですけど……」


「いえ、ありがとうございます……後で……おいしく頂きますね……」


そう言って文香はにっこりとありすに向けて微笑んだ。それを見たありすも嬉しく思い、その表情に笑みが浮かび上がった。

「それにしても……こうして物を貰えるというのは嬉しいものですね……私には……少しもったいない気がしますが……」


「そんな事はありません。私が文香さんに贈りたくて買ってきたんですから」


「……御二人共……優しいのですね……」


「御二人……?」


ありすは文香の口から出た言葉に疑問が浮かんだ。その内の一人はありすの事を指すのだろうが、もう一人は誰なのだろうと。


「えぇ……先程、ありすちゃんのプロデューサーさんが私の所に来て……同様に、お土産を渡して下さって……」


「ぷ、プロデューサーがですか……?」


「はい……それでこの様な物を頂いたのですが……」


そう言ってから文香は自分の手荷物の中からその貰った物を取り出し、ありすに見せた。

「な、何ですか……これ……」


それは花か草の様な形をした緑色の何かだった。一目見ただけではそれが何なのかは判断できず、ありすは反応に戸惑ってしまう。


「何でも……イチゴのへたの帽子……という物みたいなのですが……とても……変わった帽子ですね……」


「な、何て物を贈ってるんですか、あの人は……」


ありすはAのお土産選びのセンスの無さに絶句した。こんな物を誰かに贈ろうとする神経自体に驚きだった。


(いえ……もしかすると、相手の反応を見て面白がる為に買ってきたんでしょう……)


自分の事をいつもいじって楽しんでいるAならやり兼ねないとありすは悟った。

「全くプロデューサーは……こんな物を貰って、嬉しいと思う訳無いじゃないですか」


「い、いえ、ありすちゃん……その……私は嬉しかった、ですよ……」


「……えっ?」


意外な発言を聞き、ありすは『何を言ってるんですか……』という視線を文香に向けて放った。


「あ、あの……文香さん。あんな人に気を使わなくてもいいですよ。嬉しくなければ、そう言ってくれれば……」


「そ、そうじゃないんです……どんな物であれ……プレゼントを貰えるのは嬉しい事ですから……」


文香は貰ったその帽子をジッと見つめてそう言った。


「それに……羨ましいです……」

「な、何がですか……?」


「ありすちゃんとプロデューサーさん……とても仲が良さそうで……」


そう言う文香であるが、ありすにはそうとは思えなかった。あれは間違いなく仲が良いのでは無く、いい大人が子供をからかって遊んでいるだけなのだから。


「私には……そんな勇気はありません……お休みの日に、その……で、デートをするなどという勇気は……」


「は、はぁっ!?」


そして次に飛び出した言葉に、ありすは驚愕し、思わず大きな声を上げてしまった。


「ち、違うのですか……ありすちゃんのプロデューサーさんが……『ありすとデートに出掛けた時のお土産』だと言ってこれを下さったので……てっきりそうなのかと……」


「全然違います! あれはプロデューサーに騙されて……その……と、とにかく、デートじゃないです!!」


「ご、ごめんなさい……」


「あっ、すみません……文香さんが悪い訳じゃないのに、私……」


ありすと文香もしゅんと項垂れて黙ってしまう。そして気まずい空気がその場を支配してしまった。

「ありすちゃん……今日は、本当にありがとうございました……」


その後、レッスンの時間が近付いた文香はありすにもう一度お礼を言うと、その場を去っていった。


「はぁ……文香さんを困らせてしまいました……最初は良かったけど、どうしてこんな事に……」


そして一人になったありすは困った表情で事務所への道をとぼとぼと歩いていた。


「これも全て……変な事を文香さんに伝えたプロデューサーのせいですね。よりにもよってデートだなんて……迷惑極まりないです」


そう考えるありすであったが、不思議と何故かその言葉とは裏腹に、悪い気は全くといってしなかった。


「何でだろう……本当は迷惑なはずなのに……それなのに、こんな風に思ってしまうのは……何故……?」


自分の気持ちなのに、はっきりしない事にありすは戸惑いを感じていた。


「私……プロデューサーの事……本当はどう思ってるんだろう……」


「俺が何だって?」


「ひゃっ!?」


突如として現れたAが背後からありすの肩をポンッと叩き、声を掛けた。考え事をしていて集中していたありすは接近していた事に気づかず、驚きの声を上げてしまった。


まとめてやるなら>>72-75ってやれば便利だよ

「きゅ、急に話し掛けないで下さい! びっくりするじゃないですか!!」


「いや、だってさ……橘が『プロデューサー』って、言うから呼んでると思ってな」


「ち、違います! 呼んでなんかいませんから!!」


「えぇ……じゃあ、何で言ったんだ?」


「そ、それは……」


Aの事について考えていたなどと言えないありすは、目を伏せて黙りこくってしまう。


「……? まぁ、いいや。それよりも、橘。また仕事が入ったぞ」


「えっ? 本当ですか?」


「あぁ、またラジオのゲスト出演なんだが……橘なら問題なくやれるだろう」


「それはそうですけど……」


『問題なくやれるだろう』と、いうAの言葉にありすはこそばゆく感じてしまう。


Aがそう言うのは信頼してくれているからなのか……そう思うとありすは少しだけ嬉しくなった。


>>85 ありがとうございます。まだあまり慣れてないものですので……次から活用させていただきます。

「それで、その……お相手は誰なんですか?」


「今回はクローバーハートのラジオ出演だから、相手はあの二人な」


「あの二人って……緒方さんと佐久間さんですよね?」


クローバーハートはこの事務所のアイドル、緒方智絵里と佐久間まゆの二人で結成されたユニットである。


ソロ活動でも人気のある二人が組んだ事もあり、その知名度はかなり高いものだった。


「そういう事だな。これが上手くいけば橘の人気も上がるだろうし……まぁ、頑張ってくれ」


「はい、任せて下さい」


新しく舞い込んだ仕事に、ありすは胸を躍らせた。


(そういえば……プロデューサーはいつもこうして簡単に仕事を取ってきてくれるけど……本当は大変な事じゃ……)


ありすにはAの不真面目な印象ばかりが目に付くので、そういった事は考えた事も無かった。


(プロデューサーって……本当は凄い人なのかな……)


そう考える事で、余計にありすの心のもやもやは増すばかりだった。


(何だか……最近変ですね……こんな事ばかり考えて……どうしちゃったんだろう……)


とりあえず出勤なので今日はここまで

続きはまた帰ってからか明日に

原田美世「パーキング」

なんでもありません、静かにしてます…

その考えに達したありすは『もう、大丈夫』と、文香に目配せしてその胸から離れた。


「ありがとうございます、文香さん。おかげで落ち着きました」


そして文香に向けてぺこりとお辞儀をした。それを見た文香は優しく微笑んでから、元の位置に戻った。


「ありすちゃん……私は何もしてませんよ……? わたしはただ……手助けをしただけです……」


「い、いえ……そんな事は……」


「それに……これから先をどうするかは……ありすちゃんにしか決められない事です……私はこれ以上……ありすちゃんの力にはなれそうにありません……」


そう言って俯き、落ち込む文香だったが、直ぐに立ち直って再びありすと向き合った。


「ですが……私はありすちゃんの事を応援していますから……頑張って下さい……」


「文香さん……本当に、ありがとうございます」


そしてありすはもう一度文香にお辞儀をする。


「私……頑張ります! そして……絶対に勝ち取ってみせます!」


文香に対してそう決意を新たにして豪語するありす。その胸中は何時に無く清々しかった、


「それでは……ありすちゃん……」


「はい」


「一区切り付いた所で……打ち合わせを再開しましょうか……」


「……そうですね。すっかり忘れてました」


長い中断となってしまったが、ありすと文香は本来の目的である打ち合わせに意識を切り替えていった。

>>135

椎名法子「ベーキングパウダー」

そしてその日から……ありすのAに対するアプローチ作戦が始まった。


「プロデューサー、もう直ぐお昼ですね」


事務所での仕事途中。ありすは狙い済ましたかの如く、Aにそう告げた。


「うん? あぁ、そうだな。それじゃあ、飯にするか」


ありすに促されたAは昼食を取ろうと、自分の机の引き出しを開く。そこには様々な種類のカップ麺の山が埋没していた。


「さて、今日は何のカップ麺にしようか……」


Aはその山を鼻歌混じりで乱雑に漁っていく。次々と取り出してはどれにしようかと迷っている様子だった。


「またカップ麺……いつもそればっかりじゃないですか。プロデューサーはちゃんと栄養を取った方が良いと思います」


そんなAの姿を見て、ありすは苦言を呈する。


「と言ってもなぁ……自炊できないし……栄養はスタドリでなんとか……」


「そんな事では駄目です! スタドリに頼り過ぎてたらいつか大変な事になりますよ!」


「でもなぁ……」


腕を組んでそう唸りを挙げるA。ここまではありすの思惑通りだった。

途中ですが出勤なのでここまで

>>138については忘れて欲しいです……

それではまた帰ってから

「そんなプロデューサーに朗報です」


「ん? 何だ一体……」


「実は私……今日はお弁当を作って来たんです」


ありすはそう言うと、Aの机の上に持ってきた弁当箱を置いた。その包みはありすらしく、ピンク色の布に可愛らしいイチゴのプリントがされていた。


「今日はこれを食べて下さい。私の自信作です」


自信満々にドヤ顔でそう言って見せるありす。しかし、それに対してAは何やら浮かない表情をしていた。


「……ちゃんと食える物だよな?」


「な、なっ!?」


せっかく自分が一生懸命作ってきたのにも関わらず、疑いの目を向けてきたAに、ありすの怒りは一瞬にして沸点に達した。


「し、失礼ですね! ちゃんと味見もしましたし、問題はありません」


12歳のアイドルに惚れたから身を引く、はちょっとな。まぁ好意はあるだろうが
恋人に対するそれじゃないだろうし
ただ「嫌われてるみたいだから担当替わるわ」もウソくさい
売れっ子のアイドルが「あの人を担当にしてほしい」とでもお願いしたのかな?

ありすはクールタイプで、このプロデューサーAはパッションタイプ
文香のプロデューサーの方が適任ではあるんだろうな
アイドルとプロデューサーという関係なら

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom