クリスタ「秘密は言えなかった」 (36)




※ポロリはないけどネタバレはあります。






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クリスタ「アルミン、相談があるんだけど今時間あるかな?」

アルミン「うん、大丈夫」

クリスタ「良かった。あのね、同期の女の子達ともっと打ち解けたいんだけど、何か良い方法ないかな? 私自身もちょっと自分を出しきれてないとこがあるせいか、距離を感じちゃうの」

アルミン「打ち解けたいかあ。僕も人見知りなところがあるから良いアイデア出せるかな……」

クリスタ「私もなるべく話しかけたりしてるんだけど、距離が縮まっている気がしなくて……」

アルミン「うーん……。本音で語り合う場を設けるってのはどうかな?」

クリスタ「本音?」

アルミン「うん。飾らずに語り合えれば仲良くなれると思うんだ」

クリスタ「良い案だけど、みんなちゃんと話してくれるかな……」

アルミン「そこは匿名性を持たせれば良いんだよ」

クリスタ「目隠しをして語り合うとか?」

アルミン「それだと声で誰かわかっちゃうからね。声も変えよう」

クリスタ「声を? どうやるの?」

アルミン「声って喉の振動を空気に伝わらせて相手の耳に届けるものだから、途中で通る空気の質を変えてやれば良いんだよ。立体機動装置のガスでいけるんじゃないかな」

クリスタ「へー」

アルミン「ただ、問題が一つあるんだ」

クリスタ「何?」

アルミン「立体機動装置のガスを使うとなると、教官の許可が必要になる……」

クリスタ「あ……」

司『そんなわけで、こうして本音で語る場を設けました』

A・B・C・D・E・F・G『……』

司『司会進行は私が行います。勿論、司会者である私がこの場で知り得た情報を貴女方の不利益になるようなことに使用することはありません』

司『みなさんの声は目の前の管を通せばまったく別の声に変換されます。またお互いの間には仕切り版がありますので、誰が話しているかもわかりません』

司『また、発言者が誰かわかってもそれを指摘することは禁止です。破れば厳しい罰則があります』

司『以上、何か質問はありますか?』

C『強制参加?』

司『はい』

D『帰りてえ』

司『却下です』

E『お腹空きました』

司『ここに居る者には夕食のおかずを一品増やすよう、手配してあります』

E『頑張ります!』

司『他に質問がないようなら開始します』

司『いきなり、本音で語り合ってくださいと言っても難しいと思います。そこで、いくつかこちらで質問を用意しています』

司『それを話の種にしてください』

司『では最初の質問です』

司『同期の男子で一番仲が良いのは誰ですか?』

F『最初から飛ばしてるね……』

B『……』

A『じゃあ、私から行きます。私が一番仲が良いと思っているのはアルミンです』

G『アルミンかぁ』

A『困った時に色々と相談に乗ってもらったりしてるの』

C『確かにあいつらの中じゃ相談相手としては良いかもね』

B『アルミンに相談すれば大抵はなんとかなる』

D『私はあんまり話したことないな』

C『私も』

G『じゃあ次は私! 私はフランツ!』

D(……こいつが誰かもろばれじゃねえか)

C(匿名にする意味がないね……)

A『フランツね。あまり話したことはないけど、どんな人なの?』

G『坊主頭が似合っててね。背も高くて格好いいし、それにとっても優しいの! 最初の入団式の時にキース教官に罵倒されて泣きそうになっていた私を慰めてくれたのも彼なの! 彼とはここに来て初めて会ったんだけど、なんて言うんだろう、フィーリングが合うって言うのかな? 一緒に居てとても居心地が良いのよ! ——』

〜〜20分後〜〜

G『——それでね! もう彼は運命の人って感じで、ここを卒業して配属が決まったら、ううん、彼から直接言われたことはまだないんだけどね。でも、わかるのよ。卒業したらきっと私たち——』

司『Gさん』

G『——ああ、もう何て言われるか今からドキドキで——って、Gは私か。はい、なんでしょう?』

司『他の人の話す時間がなくなるので、その辺で切り上げてください』

G『はい、わかりましたー。フランツについてまだ半分も話してないんだけどなぁ……』

A『あ、あはは……』

E『相槌を打つ暇すらありませんでした』

D『誰だ、こいつにフランツの話をさせたのは……』

C『つらい……』

E『私はコニーかエレン……。んー、エレンですかね』

B『……どうして?』

E『エレンはたまにパンをくれるんですよ! コニーはケチなので絶対にくれません! だからエレンです』

C『それは仲が良いって言うの?』

D『微妙だな。てか、それじゃ餌付けじゃねえか』

F『まあ、らしいと言えばらしいけどね』

E『らしいってなんですか? 私が誰かは伏せてるのでわからないはずですよ?』

A『そ、そうだね』

B(最初の司会者への質問の時点で、ばればれ)

C(これだけ人が確定されていくと消去法で残りもわかるんじゃないか?)

D『馬鹿に匿名は無理だろ』

E『馬鹿とはなんですか!』

A『まあまあ、二人とも』

B『私はエレン』

D『ふーん』

E『じゃあ、次に行きましょうか』

B『待って。おかしい』

C『何が?』

B『私にもどうしてエレンなのか聞いて欲しい。エレンの良い所をいっぱい話したい』

A『そういうことなら。どうしてエレンなの?』

B『よく聞いてくれた。あれは私が九歳だったときのこと』

D『ちょっと待った!』

B『……なに?』

D『念のために聞いておくが、その話はさっきのGより長いか?』

B『比べ物にならない。エレンについてなら三日三晩語り続けても尽きることはない』

G『私だって途中で切られなかったら、フランツについてそのくらい話せるわ』

D『それはどうでもいい。とりあえずそんなに長いなら却下だ』

B『それは横暴』

A『判断は司会者に任せましょうか』

司『みんなで語り合うのが趣旨ですので、Bには自制していただきます』

B『……』

C『私は……。私もエレンだね』

C(ライナーとベルトルトは言わないほうが良いかな)

F『あ、じゃあ便乗して! 私もエレンね』

B『……』

A『エレン大人気だね』

D『私にはさっぱり理解できねえ』

G『みんなエレンが好きなのね』

F『え!? これ好きな人を挙げるんだっけ!?』

C『……違う。仲が良い人を挙げるの。別に好きな人ってわけじゃない』

D『ふうん?』

C『……何?』

D『べっつにー?』

B『……』

A『二人はどうしてエレンなのかな?』

F『エレンは良くも悪くも真っ直ぐだからかな。見た目は怖いけど、真面目に訓練してるし、努力家だし、訓練のことで質問すると彼なりに一生懸命考えて答えてくれるのよ』

G『へー』

F『それに、エレンは訓練一筋だから、女子が話しかけても「あ、こいつ俺に気があるんじゃね?」みたいな勘違いしなさそうだから安心なのよね』

A『なるほど……。確かにそういう勘違いをさせちゃうと相手にも悪いものね』

D(多分、あんたに話しかけられたり、優しくされたりした男は全員勘違いしてるぞ……)

F『だからなんて言うんだろうな。恋愛対象じゃないから一番仲良くできているってところかな』

B『……ほっ』

E『Cも同じ理由なんですか?』

C『……ああ』

A『あとはDだけね』

D『私か? 私は特に仲が良い男子はいねえな』

C『はぁ?』

E『あ! それずるいですよ!』

F『みんなちゃんと言ったのに!』

B『エレンじゃなければなんだって良い』

D『いや、だってこれは仲が良いやつを挙げるんだろ? 班分けで同じになったら話す程度で、仲が良いやつなんていねえし』

G『それはそれでどうなんだろう……』

E『ちょっと寂しい感じがしますよね』

F『ねー』

D『そこ。うるせえぞ』

司『では、次の質問です』

司『同期の女子で一番仲が良いのは誰ですか?』

E『次は女子ですか』

F『これもなかなか難しい質問ね』

D『じゃあ、今度は私から行くわ』

F『どうぞー』

D『私はクリスタだな』

G『あー』

D『あー、って何さ?』

G『いえ、別に』

C(質問が悪すぎて匿名にする意味がまったくないね……)

F『私はアニかな』

D『え? あいつと仲良いやつなんていたんだ』

C『どういう意味よ……』

F『ああ見えてアニってば可愛いんだから。意外と乙女だしね』

A『そうなの?』

E『乙女とはこれまた彼女と縁遠そうな単語ですね』

C『……』

F『そんなことないんだから! この前、一緒に街に買い物に行ったときだってどの髪留めが自分に似合うか悩んで、その挙句——』

C『ちょっと待った』

F『あ……、この話は内緒だった』

D『おい、そこで止めるなよ』

E『その先が聞きたいですね』

F『まあ、この先は各自アニと仲良くなって聞いて頂戴。私は口止めされてるのでこれ以上は言えないや』

D『生殺しかよ』

G『その挙句なんだったんだろう』

A『私はユミルかな』

D『おお、私の嫁よ……! そう言ってくれると信じていたぜ』

E『私もユミルですねー』

D『お前はどうでもいい』

E『ひどくないですか!?』

C『Aはわかるけど、Eもユミルなんだ?』

E『クリスタとも仲が良いんですが、厳しいことも言ってくれるユミルが一番ですかねー』

B『厳しいんじゃなくて、口が悪いだけ』

E『そんなことないですよ。ユミルは男前ですからね。ズバズバ言ってくるけどちゃんと相手を思いやってくれるんです』

D『別にお前のことはそんなに思いやってねえけどな』

C『私はミーナだね』

A『やっぱりそうくるんだ』

C『一緒に買い物に行ったり、ご飯食べたりしてるしね』

D『恥ずかしい秘密も共有してるみたいだしなー』

G『さっきの話の続き聞きたいね』

E『本当ですね』

C『……絶対に言わないよ』

A『あとはBとGかな?』

G『……あ』

A『どうしたの?』

G『私……』

B『?』

E『なんです?』

G『私、フランツと一緒にばかり居て、同性で仲が良い人がいない……』

A・C・D・E・F『……』

エレン人気だなあ

G『……』

F『あんまり落ち込まないでね? ね?』

E『ええと、こういうときはなんて言ったら良いんでしょう……』

D『誰かこの空気なんとかしろよ……』

G『別に良いの。フランツが居てくれたらそれで……』

A『待って! この集まりの目的を思い出して!』

G『え?』

司『この集まりの目的は、ここに集まった七人が腹を割って話せるような、そんな関係を築く事にあります』

司『今まで同性で仲が良い人がいなかったのなら、今から仲良くなれば良いだけです』

G『……そっか』

G『あの、みなさん! 今は匿名だけど、これからよろしくお願いします!』

A『うん、よろしくね』

D『誰かばればれだけどな。まあ、よろしく』

C『よろしくね』

B『よろしく』

E『よろしくお願いしますね』

F『私も仲良くしてね!』

B『実は私もエレンと一緒に居るから、同性の友達がいない』

D『Gは意外だったけど、お前はまあそんなもんだろ』

A『ちょっと! 言い方!』

B『でも仲良くなりたい相手なら居る』

E『お。さらに意外な展開ですね』

F『Bが仲良くなりたい相手って誰だろう?』

B『私が仲良くなりたいと思っているのは、アニ』

D『へえ?』

E『わかるような、意外なような、微妙な線ですね』

C『……』

A『どうしてアニなの?』

B『対人格闘でペアになったとき、アニの時は本気を出せた』

F『そもそも、他に相手になる人がいないような……』

D『基本的にお前はエレンにべったりだしな』

B『久しぶりに楽しく体を動かせたから、仲良くなれたらもっと楽しいかなって思えた』

C『……』

B『それだけ』

F『じゃあ今度アニを誘って街に行ってみたら? 最初から二人は照れくさいなら私も一緒に行くよ』

G『あ、じゃあその時は私も!』

E『美味しいお店に行きたいなら、誘ってもらえれば案内しますよ!』

A『私もユミルと一緒に行くね』

D『勝手に仲間に入れるなよ。別に良いけどね。で、Cはどうなのかねえ?』

C『……私も一緒に行くよ』

B『……』

C『私も対人格闘で体を動かすのは嫌いじゃないし。街に一緒に行くのも、楽しそうだし』

B『ありがとう』

C『……別に』

司『次の質問です』

司『教官たちについて、思うことがあれば話してください』

A『教官についてかぁ』

F『みんな厳しいってイメージしかないね』

G『あ、でもあのメガネの教官は優しいよね』

D『フランツに言いつけてやろう』

G『そういう意味じゃないってば!』

E『でも私はあの教官にも頻繁に怒られますよ?』

C『それはあなたが寝てるだけでしょう?』

B『自業自得』

D『我等が禿教官様はどうよ?』

A『そんな言い方駄目よ!』

D『だって、禿げてるじゃん。あれ剃ってるんじゃなくて、禿げてるんだよな?』

E『おそらくそうでしょうね』

F『私は最初に思いっきり罵倒されたイメージがなぁ』

G『ああ……』

C『何言われてたんだっけ?』

B『豚小屋出身家畜以下とかなんとか』

D『私ならぶん殴ってるな』

E『あの雰囲気の中でそれができたらすごいですけどね』

G『あの雰囲気の中で芋を食ってた人がいたね』

F『どう考えてもそっちのほうがすごいよ……』

B『四分の一以下の芋を半分と言い張れる精神がすごい』

E『いやー。あはははは』

D『笑って誤魔化すなよ』

A『でも、キース教官は厳しいけど、私たちのための厳しさってのが伝わってくるから、私は嫌いじゃないな』

D『んー。まあ、私も別に嫌いじゃないね』

C『もう少しサボれる時間を増やして欲しいけど、それ以外は別に』

E『私も嫌いじゃないですよー』

D『あんだけ走らされてるのにか? ドMかよ』

C『彼女の場合主に自分のせいで走らされているね』

F『私も嫌いじゃないけど……。いつか入団式の時の言葉を撤回させてやる! とは思っているわ』

B『私はエレンが好き』

D『今関係ねえだろ』

G『あ、じゃあ私はフランツが好き!』

D『だからその話は今関係ねえだろ!』

司『そろそろ夕食の時間が近づいていますので、最後の質問です』

司『貴女が秘密にしていることがあれば話してください』

司『どうしても言えないのなら、これは黙秘しても結構です』

A(秘密……。本名……。さすがに言えない)

C(言えるわけない……)

D(マジもんの秘密ならあるが……。これ言ったらドン引きだろ)

E『私あります!』

F『なんだろう』

E『私は入隊以来、食料庫から11回ほど食べ物を失敬したとして罰を受けましたが、実は11回じゃないんです』

G『え? 本当は何回なの?』

E『およそ36回です』

司『……』

D『お前……馬鹿だろ』

F『罰則を受けてる3倍以上って……』

C『どうして「およそ」なの?』

E『覚えてるのがそれだけで、実際はもっと多いので「およそ」です』

G『これはもう笑うしかないわね……』

G『じゃあ、次は私!』

E『はいどうぞ』

G『実は私、フランツと……、キスしたことがあります!』

D『うーわー……。本日のモストどうでもいいをやるわ』

F『反応に困るわね』

C『秘密も何も、知らないやついないだろ』

G『え!?』

B『私も見たことある』

A『実は私も……』

G『え!? え!?』

D『え、じゃねえよ。あんなん見せ付けてるもんだと思ってたわ』

F『こっそりしてるつもりだったのね』

C『今度から廊下でそういうことをするのは避けるのね』

F『私は今のところ秘密らしい秘密はないかなぁ?』

C『……私も特にないね』

D『同じくなにもなーし』

B『じゃあ、次は私』

E『どうぞー』

D『どうせエレン絡みだろ』

B『実は私、人を殺している』

F『え?』

D『は?』

B『あれは私が9歳の時だった。私の母は珍しい人種だったらしく、人攫いが父を殺して母と私を誘拐しようとした』

C『……』

B『母は私を逃がそうと必死に抵抗をし、そのせいで人攫いに殺されてしまった』

E『え? 冗談……、じゃなさそうですね……』

B『私はそのまま誘拐されたけど、エレンが助けに来てくれて、三人組の犯人のうち、二人を刺し殺し——』

D『って、ちょっと待て!』

B『なに? まだ途中』

D『まだ途中、じゃねえよ! 重すぎるわ! 前二人のギャグみたいな秘密からのこの落差はなんだよ!』

B『そんなこと言われても困る』

E『どうするんですか、この重苦しい雰囲気』

F『何気にエレンの殺人もばらしちゃってるしね……』

B『私の話が遮られたのは二回目だ』

D『今回ばかりは遮って当然だろ』

C『……司会者、なんとかしてよ』

司『Bさん』

B『はい』

司『秘密を打ち明けるのが最後の質問の趣旨でしたが、言うべきではない秘密と言うのはみんな持ち合わせていて当然です』

B『……』

司『仲間だから、友達だから、全てをさらけ出す必要はありません。お互いの信頼の中で話すべきことを話していればそれで良いのです』

司『わかりましたか?』

B『……その話からすると、今のは言うべきではない秘密だったということ?』

D『そっからかよ! もうちょっと常識身につけとけよ! 芋女と良い勝負じゃねえか』

A『私は、みんなに内緒にしていることがあるわ』

D(……おい?)

A『でも、まだみんなには話せない』

A『いつか、みんなに話せる日が来るかもしれないけど、その時まで仲良くできたらなって思っているの』

C『ふうん。良いんじゃない?』

E『そうですね。少しくらい隠し事があったって仲良しですからね』

G『じゃあ私もフランツとキスから先に進んだらみんなに言うね!』

D『それはいらねえ』

B『じゃあ私もエレンとの赤裸々な日々をそのうち話す』

D『それもいらねえ。お前は自重しろ』

F『私は好きな人ができたらみんなに相談に乗ってもらおうかな』

A『あ、聞きたい!』

E『意外とそういう話に食いつき良いですね』

D『女神様だからな』

A『意味がわからないよ』

司『では夕食の時間になりましたので、各自解散とします』

司『手元にある紙を配膳係りに見せてもらえればおかずを一品増やしてもらえます』

E『いぃやっほーーーい!』

D『うるせえぞ』

司『ではみなさん、お疲れ様でした』

A『お疲れ様でした。またやろうね』

B『お疲れ様』

C『お疲れ』

D『お疲れさん』

E『一品って何増やしてもらえるでしょう! あ、お疲れ様でした!』

F『お疲れー!』

G『お疲れ様ー』

〜食堂〜

エレン「あれ? ミカサがいないな」

アルミン「ああ、ミカサならちょっと呼び出し受けてるよ」

エレン「ふうん? まあ良いや。食べようぜ」

クリスタ「アルミン!」

アルミン「あ、お疲れ様。終わったんだね」

クリスタ「うん。おかげさまでとっても有意義だったわ!」

アルミン「僕は少しアイデアを出しただけで何もしてないよ」

クリスタ「え? 司会してくれてたのアルミンよね?」

アルミン「ううん、僕じゃないよ。僕が聞いたらまずい話もあるかと思って、信頼できる人に頼んだんだ」

クリスタ「そうだったんだ。じゃあ、あれは誰なの?」

アルミン「気付かなかったんだ。ふふ、じゃあ内緒だよ」

クリスタ「えー」

ミカサ「エレン」

エレン「お、来たのか」

ミカサ「今日の夕食はアニたちと食べる」

エレン「そうか。わかったよ」

ミカサ「寂しいかもしれないけど我慢して欲しい。あと、私がいないからと言って嫌いなものを残さないように」

エレン「寂しくねえよ! お前は俺の母さんか!」

ミカサ「ふふ。じゃあ、また」

エレン「おう、またな」

ミカサ「お待たせ」

サシャ「じゃあ、食べましょうか!」

ハンナ「フランツ以外の人と食べるなんて、なんだか新鮮だな」

ミーナ「たまには良いでしょう?」

アニ「追加されたの、肉だね」

クリスタ「思ったより豪華なのが追加されたね」

ユミル「みんな、芋女に盗られないように注意しろよ」

サシャ「失敬な! さすがに盗りませんよ!」

クリスタ「ところで、さっきの司会者って誰だったんだろね? 思ってた人と違っててびっくりしちゃった」

ミカサ「気付いてなかったの?」

ミーナ「え? ミカサは誰かわかってたの?」

ミカサ「うん」

ハンナ「どうしてわかったの?」

ミカサ「気配で」

ユミル「なんだ、それ……」

アニ「誰だかわかったのはミカサだけ?」

ハンナ「私はわからなかった」

ミーナ「私もー」

サシャ「私は途中でわかりましたよ?」

クリスタ「サシャはどうしてわかったの?」

サシャ「勘ですかね」

ユミル「どうせわかってなくて適当だろ」

サシャ「本当ですよ! わかったからこそ、あの秘密を打ち明けたんですから!」

ミーナ「秘密って、あの盗み食いが36回ってやつ?」

ハンナ「どうして司会者がわかったらその秘密を打ち明けることになるの?」

サシャ「だって、最初に司会者が言ってたじゃないですか。『司会者である私がこの場で知り得た情報を貴女方の不利益になるようなことに使用することはありません』って」

ユミル「あ! そういうことか……」

サシャ「だからあの場で、ばれたらまずいことは言っちゃったんです。そうすれば後でばれても、あの場で暴露されて知ってた以上、罰則を加え辛いでしょうしね」

アニ「いつも馬鹿なのに、こういうときは頭が回るんだね」

サシャ「ふっふーん。……って、いつも馬鹿ってどういうことですか!?」

サシャ「でもまあ、これで私が36回食料を盗んだことを罰せられることはないって話です」

キース教官「……」

ミーナ「……あ」

ハンナ「ん? どうしたのって……」

ユミル「お……」

サシャ「これでもう怖いもの無しですよ」

ミカサ「……」

アニ「……」

クリスタ「あの、サシャ、もう少し小さな声で……」

サシャ「どうしてです?」

キース教官「36回とは何の数だ?」

サシャ「ですから、食料庫から食料を頂戴してきた数です……よ……」

キース教官「ほう。私が把握しているのは11回なのだがな」

サシャ「えっと……、あの場で知り得た情報からは私が不利益になるようなことはないんですよね?」

キース教官「あの場、とはなんだ? 私がその情報を知ったのは、今、この場で、サシャ・ブラウス訓練生の口から、だ」

サシャ「……あ」

アニ(あの場で言ったことはお咎めなしだったとしても、同じことを食堂で教官に聞かれたら、教官の立場上罰さないわけにはいかないだろうに……)

ユミル(やっぱり馬鹿は詰めが甘いな……)



キース教官「喜べ、サシャ・ブラウス訓練生。25食飯抜きか、25日間訓練後に夕食まで営庭を走り続けるか、好きなほうを選ばせてやる」



サシャ「ご飯抜き意外で、お願いします……」







終わり

クズアルミンしね

平和な話を書こうとしたらこうなった。

皆も秘密の暴露には気をつけてください。

最後、意外と以外を誤字ってしまった。

泣きたい。



アルミン「襲い来るモノ」

ハンジ「あなたの言葉を胸に、私は生きていく」

ライナー「俺は、こんなことには負けない」

アニ「陽だまりを歩く」

エレン「お前らやる気出せよ!」

エレン「涼しき夏、暖かき冬」

ミカサ「残酷で美しく、淡々とした世界」

ジャン「ミカサと付き合うまでの十五日間」

クリスタ「秘密は言えなかった」New

おツー

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