野々村そら「がーるず・びー・すまいる!!!」 (26)


--------------------事務所内・会議室--------------------


ガラガラ

松尾千鶴「今日の予定に書いてあったミーティング、この部屋のはずだけど……、何この内装……。学校……?」

千鶴「教卓があって、椅子と机が3つ……。"千鶴ちゃん"、"裕美ちゃん"、"ほたるちゃん"って書いてある……」

千鶴「……とりあえず私の席(?)に座ろう」ヨイショ


ガラガラ


関裕美「おはようございま……あ、千鶴ちゃんだけ?」

千鶴「あ、裕美ちゃん、おはよう。うん、そうみたい」

裕美「というか、この事務所、こんな部屋あったっけ……?」

千鶴「あ、よかった、そう思ってたの私だけじゃなかったんだ」

裕美「カフェ風会議室とか墓地風会議室とかブラジル風会議室は知ってるけど……」

千鶴「ごめん、全部知らない」



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裕美「うえきちゃん風うえきさんは見ものだよ」

千鶴「裕美ちゃんは何の話をしてるの?」


ガラガラ


岡崎泰葉「こんにちは……、会議って、ここであってるかな……?」

千鶴「あ、泰葉さん、おはようございます」

裕美「おはようございます」

泰葉「うん、おはよう。でもこの部屋は……?」

千鶴「やっぱりびっくりしますよね?」

裕美「私の目つきに?」

千鶴「言ってないから。リアクションに困るセリフやめよう?」


泰葉「まるで撮影のセットみたいだね……? えっと、私の席はそれかな?」

千鶴「いえ、そこは"ほたるちゃん"って書いてあるので……」

泰葉「あれ? でも、確かにこの部屋って言われたんだけど……」


ガラガラ


野々村そら「はろー! うぇるかむとぅまいれっすん!」

泰葉「そ、そらちゃん!?」

千鶴「まいれっすんって……、そらちゃんが先生?」

そら「いぐざくとりー!」

泰葉「えっと、何を教えるの?」

そら「よくぞくえすちょんしてくれた! そらちんが教えるもの……、それはー……」

裕美「株式売買?」

泰葉「アイドルが!?」

千鶴「今日の裕美ちゃん、自由すぎない?」

そら「惜しい!」

千鶴「惜しいの!?」


そら「ちょうど黒板があるから書いちゃうね!」カッカッカッ

そら「そい!」

『すまいる!!!』

泰葉「スマイル……、笑顔?」

そら「いえす! がーるずびーのみんなが笑顔に悩んでるってうわさが、このそらちんずいやーに飛び込んできたからね☆」

千鶴「そらちゃん……」

裕美「わぁ……、人を笑顔にすることに関してはこの世に右に出る者がいないそらちゃんのとっても面白いお話が聞けるんだ……!」

千鶴「ハードル」


そら「じゃあさっそく……あれ? ほたるちゃんは???」

千鶴「あ、到着が遅れてるみたい……? ちょっと連絡を……」

裕美「じゃあ電話してみるね?」

そら「おねがいぷりーず!」

プルルルルルルル

裕美「あ、ほたるちゃん、ミーティングの時間だけど……」

裕美「うん、うん、そうなんだ……、それは大変だね……」

泰葉(何かトラブルかな……?)

裕美「うん、植木鉢が……、上から、下から、左右から……」

泰葉「ほたるちゃん!?」

裕美「えっ!? 前からも!?」

千鶴「それ誰かに投げつけられてない!?」

裕美「楽しそうだね……!」

泰葉「感想がおかしくないかな!?」


裕美「大丈夫? 避けられる?」

千鶴「それ聞いてどうするの?」

『ガシャァァァァァァァン!!!!!!!!!』

泰葉「電話の向こうからすごい音が聞こえるよ!?」

裕美「うるさい!」ピッ!!!

千鶴「切っちゃった!!!!!」

裕美「えっと、もうすぐ着くみたい」

泰葉「本当に!?」


~~5分後~~

ガラガラ


白菊ほたる「すみません……、遅れてしまって……」

そら「どんとうぉーりー! のーぷれのーぷれ♪」

泰葉「た、大変だったね……?」

ほたる「大変? えっと、なんの話でしょうか……?」

千鶴「いや、ここに来るまで……」

ほたる「あ、ダンプカーに轢かれたの、見られてたんですか? 恥ずかしいです……」

千鶴「いや、そっちは知らな……ダンプカー!?!?!?」

ほたる「当たり所がよかったので……」

泰葉「そのレベルだと当たり所もなにもないんじゃないかな……!?」

そら「ちなみにだんぷかーは和製英語! 正しくはだんぷとらっくなんだよ!」

泰葉「その豆知識は別に言わなくても……」

裕美「4へぇ」

千鶴「厳しっ!」


そら「はいはい! 全員揃ったとこで、れっすんをすたーとするよ!」

泰葉「あ、あの、そらちゃん」

そら「どーしたの?」

泰葉「私の席がないみたいなんだけど……」

そら「わお! 言い忘れてた! 泰葉ちゃんは副担任だから、こっち側だよ! かむかむひーあ!」

泰葉「ふ、副担任!?」

千鶴(そらちゃんが担任なのもちょっと不安だけど……)

裕美「そらちゃんが担任なのもちょっと不安だね」

千鶴「心を読まないで!? ……声に出てなかったのに!」


泰葉「あ、ほたるちゃんは内容を聞いてないよね?」

ほたる「あ、はい。雰囲気的には、笑うことが苦手な私たちに、そらさんが笑顔のレッスンをしてくれる感じがするんですが……」

千鶴「理解力」

そら「ぱーふぇくと☆」

裕美「うん! なんと、あのそらちゃんが教えてくれるんだよ! 感動だよね!」

泰葉「さっきからそらちゃんに恨みでもあるの……?」


そら「れっすんの前に、1つ、注意事項があるからちゃんと聞いてね!」

泰葉「注意事項……?」

裕美「ここで起きたことは他言しないようにとか……?」

千鶴「今から何が起きるの」

そら「このるーむの中では、"わたしなんて……"みたいな自虐は禁止! みんな、とらすとゆあせるふ! 自分をびりーぶすることだよ!」

泰葉「なるほど……!」

ほたる「わかりました……!」

裕美「……うん!」

千鶴「が、頑張ろう……!」


そら「じゃあれっすんすたーと! 泰葉ちゃんをくすぐろう!」

泰葉「どうして!?!?!?」


泰葉「ち、ちょっとそらちゃん!」

そら「おーけーおーけー! 言いたいことはわかるよ!」

裕美「"年下なんだからさんを付けろよそら助野郎"とか……?」

泰葉「思ってない!!!」

裕美「誰がデコ助野郎なんですか!?」

千鶴「誰も言ってないでしょ!?」

そら「すまいるのお手本を泰葉ちゃ……さんには示してほしいのさ!」

泰葉「ほらなんか気を遣われてる!!!」


泰葉「え、じ、冗談だよね……?」ジリジリ

そら「ふふふー♪ がーるずびーのみんなのために、ぎせ……お手本になってもらうよ!」ジリジリ

泰葉「今犠牲って言いかけた!!!」

そら「ほたるちゃん!」パチン

ほたる「ご、ごめんなさいっ!」ガシッ

泰葉「わ! は、羽交い絞め!? 離し……ほたるちゃん力強いね!? ピクリとも動かないよ!?」


千鶴「え? ……え? ど、どうすれば……?」アタフタ

そら「かかれー♪」

千鶴「ええ!?」

泰葉「う、動かない……!」

ほたる「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」

泰葉「言ってることとやってることが反対だよ!?」

裕美「あ、そんなにほたるちゃんと密着してると……」


ミシミシミシミシ……


そら「?」

泰葉「あれ? 何の音……?」

バリバリバリバリ!!!!!!!

ほたる「あ、床が……!」

泰葉「え!? ちょ、きゃぁぁぁぁぁ……」

ほたる「きゃぁぁぁぁ……」


千鶴「床が抜けて2人が!!!!!」

裕美「ボッシュートしたね!」ニコニコ

千鶴「そういうのいいから!!! ってかいい笑顔!!!」


そら「この下のるーむ、なんだったっけ???」

千鶴「た、確か……衣装室?」

そら「とりあえずれっつごー!」テクテク

裕美「御意」テクテク

千鶴「裕美ちゃん、キャラがブレてるってレベルじゃないけど!?」テクテク


~~数分前・衣装室~~


森久保乃々「うぅ……、これが次回のライブの衣装……」

乃々「キラキラでかわいいぃ……。でももりくぼになんて似合いませんし……」

乃々「この服さえなければ……!」

乃々「で、でも、作ってくれた人とか、トレーナーさんは悲しむかも……」

乃々「ううぅ……もりくぼはどうすれば……」ウロウロ


ミシミシミシミシ……


乃々「……? 何の音でしょうか……?」


バリバリバリバリ!!!!!!!


乃々「!?」

乃々「う、上!?」


ほたる&泰葉「きゃあぁぁぁぁぁ!!!」ヒュー

ドーン!!!!!!!!!!!!


乃々「ひゃぁぁぁぁぁ!?!?!?」


泰葉「いたたた……。あ! ほたるちゃん! ごめん! し、下敷きに!!」

ほたる「あ、乃々さん、こんにちは」スック

泰葉「なんでなんともないの……!?」

乃々(もりくぼの目が正しければ、空中でほたるさんが下側に体を入れ替えてたんですけど……)

ほたる「今朝轢かれたダンプカーよりはマシですね……」

乃々「ふ、2人共、ケガは……ダンプカー!?!?」

泰葉「そのリアクション見るのは2回目かな……」


乃々「えっと、何をしてるんですか……?」

泰葉「私が聞きたいよ!!!」

乃々「ちょ、お、抑えてください!」

ほたる「そらさんが、笑顔について教えてくれるらしいんです」

乃々「いや、そらさんどこから出てきたんですか」

そら「よばれてとびでてじゃじゃじゃじゃーん!」ガチャ!!!!!

乃々「ひぅっ!!!」

千鶴「そんな勢いよく開けなくても……あ、乃々ちゃん」

乃々「あ、こ、こんにちは……」

泰葉「あれ? 裕美ちゃんは?」

そら「じゅーすをどりんくしに行ったよ!」

泰葉「自由か!!!」

千鶴「や、泰葉さん! 口調がどんどん雑に!!!」


乃々「すみません……状況が呑み込めないんですけど……」

千鶴「大丈夫、最初からいる私もよくわかってないから」

そら「じゃ、れっすんの続きをすたーとするよ!」

泰葉「ここで……!?」

そら「乃々ちゃん!」

乃々「は、はいぃ……?」

そら「じょいなすじょいなす☆」

乃々「え? い、いや、もりくぼはべつに……」

裕美「だめ、全部参加して」ガシッ

乃々「ひ、裕美さんはいつの間に……!?」

千鶴「今日の裕美ちゃん、ある意味そらちゃんより読めないから」

乃々「慣れてきてる千鶴さんもどうかと思うんですけど……」


そら「……と思ったんだけど、今日はもういいや!」

泰葉「えぇ……」

そら「だって、やっぱりてぃーちゃー気分になるならすくーるのせっとがいちばんだもんね!」

千鶴「まったくもう……」

そら「そーりーそーりー! あ、次は乃々ちゃんのてーぶるもせっとしておくから!」

乃々「いや、だからもりくぼは……」

裕美「……」ガシッ

乃々「ちょっ……無言で掴まないでほしいんですけど……」

裕美「仲間だもんね!」ニコッ

乃々「押しつけがましいぃ……というか笑顔が普通に素敵ぃ……」


そら「じゃ! せっかくだから、6人でらんちでもどうかな?」

ほたる「いいですね……!」

千鶴「ま、まあいいけど」

乃々「……」

裕美「……」ガシッ

乃々「い、行きますから……!」

泰葉(ふふふ……。まあいろいろあったけど、そらちゃんもみんなのためにやってくれたんだもんね)


ピピピピピピピピ


泰葉「あれ?」

そら「あ! そらちんずすまーとふぉんだね! うぇいとありとるぷりーず!」ピッ

そら「もしもしー! そらちんだよ!」

そら「あ! ちひろさん! はろー! どうかしたのー?」

そら「うん! うん! ……うん」

泰葉(……?)

そら「天井……、修繕費……」

千鶴「うわぁ……」

そら「いえ、あれは白菊さんが」

千鶴「最低!!!!!」



みんなのお給料で折半になりました

乃々「なんでもりくぼまで……」



おわり





誰も気が付かなかったと思いますが、苦労人事務所です



過去作


森久保乃々「あなたの瞳を」(シリアス系)

佐城雪美「……第2回」橘ありす「リトル・マーチング・ファンド・ガールズ!」

橘ありす「教育実習フレデリカ?」

双葉杏「詳細病」


などもよろしくお願いします



このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年09月25日 (日) 20:07:56   ID: 5EO9ZXvj

みんな苦労人事務所って気づいていたとおもうんですけど(名推理)

2 :  SS好きの774さん   2016年09月26日 (月) 02:26:47   ID: 7BdPART-

いやーきづかなかったなー
ぜんぜんきづかなかったわー

3 :  SS好きの774さん   2016年09月27日 (火) 13:49:04   ID: wTAwAHmk

誰もが気づくの間違いじゃないですかねぇ…

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