穂乃果「地球防衛軍」 (254)

立て直しです

ラブライブと地球防衛軍2のクロスです

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prologue

…………………………………

「はぁ……はぁ……やだっ……誰かぁっ!!」


カサカサカサカサカサ…


「何でっ…はぁ…蟻が……人間よりも…大きいのっ!?…」


カサカサカサカサ

「やだっ……やだやだぁ!!…追いつかれちゃう……死んじゃ……」


……パァン

キァァァアァアアア ブシュッ バタッ…




「………え…あれ………?……助かった………?」

「…君!大丈夫か!?怪我はないか?今、救援部隊を呼ぶからな!ちょっと待っててくれ!」

「……生きててくれて良かった。もう大丈夫だからな 」


「た、助かった…?……う……うぅ……怖かったよぉ……」


「……怖かったよな。良く頑張った。」


この年、地球には多くの地球外生命体と飛行物体が襲来し、世界は壊滅状態にまで追い込まれました。


地球防衛軍(EDF)極東支部…そこに所属していた、伝説と語られる人物が、敵のマザーシップを撃墜し、この大戦は終息を迎えました。しかし、最後の聖戦以降、彼の姿を再び見た人は誰もいませんでした…


…私はそんな英雄に命を救われたのです。


私は、この大好きな音乃木坂を…大好きなこの世界を、みんなのことを守りたい……そして、恩返しがしたい…



だから…………………





……………………

理事長「…みなさん、地球防衛軍…EDFへの入隊ならびに極東支部への配属、おめでとうございます。」


理事長「みなさんの勇気ある入隊は、とても嬉しく、そして心強くあります。それは、地球の希望に繋がっていくでしょう。再びあのような悲劇を繰り返さぬよう……仲間と共に練磨し、支え合い、平和を築いていきましょう」ニコリ


「…理事長ありがとうございました。では、第26期生、代表者 前へ」


「はい!」スタスタッ ペコリ


「みなさん、本日は私たち26期生のために、素晴らしい入隊式を挙げていただき、ありがとうございます!今日という日を迎えられて、とても嬉しく思います!」







「私………高坂穂乃果と申します!」


………………………………………………

episode1. 英国の悪夢 広がる争乱


英国 倫敦


???「暑い……わね………」


???「もう6月だ……当たり前だろう」


???「でも朝晩は冷えるわ~。体調崩しちゃう」

???「お前たち……一応、哨戒任務中だということを忘れてないか?」


???「哨戒任務なんて、何もなければただのお散歩よね」


???「……おい、この小隊の隊長という自覚はあるのだよな?」ゴゴゴゴゴ

???「冗談よ!………ちゃんと、分かってるわ…」


???「…………………」

???「……それにしてもずいぶんと、この街も復興してきたみたいね」


???「そうだな。我々が必死に逃げ惑っていた頃の……あの地獄のような光景とは、見違えるようだ」


???「一体何年たったと思ってるの~?もう2年よ2年!長いわぁ~」


???「いや、2年でここまで復興できた技術力は素晴らしいものだろう。このまま平穏な世界になっていくことを願うばかりだ」


???「そうね……間違いないわ………」







きゃあああああああああ!!

???「!?…時計台の方ね、行くわよ」

???「……嫌な予感が外れてればいいわよね~」




キァァアアアアアア…


カサカサカサカサ カサカサカサカサ…




「うわああああ!?巨大生物だぁぁ!?」バタバタ

「きゃあああああああああ!!いやぁあああああ!!」

「うわああああ!!逃げろぉお!!」ダダダダッ

???「そ……そんな……また…なのか…」

???「ついに…恐れていた…この日が来てしまったのね…」

???「くっ…」ザザッ











ツバサ「こちら、EDF欧州部隊第3小隊隊長、綺羅ツバサです!!」

「こちらEDF欧州支部です。どうされましたか?」

ツバサ「倫敦、地点51-07にて、多数の巨大生物を確認!2年前の大戦と同種のものです!至急、救援部隊を要請します!」


「!?…了解しました。そちらに小隊を2隊派遣します。市民の安全確保をしつつ、巨大生物の殲滅を遂行してください。」


ツバサ「了解!」ザザッ…




ツバサ「では、これよりEDF欧州部隊第3小隊!市民の救助および巨大生物の殲滅作戦を開始するわ!」

ツバサ「A、B、C、D隊員4名は2組に分かれ、一般市民の避難誘導を最優先!同時に私、あんじゅ、英玲奈の3名は、巨大生物の殲滅を主に作戦を展開するわ!」


ツバサ「市民の安全確保が終了次第、隊員4名は戦闘支援に移行せよ!」


ツバサ以外「了解!」ビシッ


ツバサ「時間もないから、早速作戦を開始します。最後に一言…………みんな、生きて帰るわよ!」ニコリ

ツバサ以外「了解!」




ツバサ「よろしいっ!では……ミッションスタート!!」

……………………………………………


【綺羅ツバサ】 25期生

兵種:陸戦兵

装備: プロミネンス1 (ミサイル)
弾数:1
火力指数:1500
充填時間:5.0秒
爆破範囲:半径15m
誘導性:C+
ズーム6倍

大型ミサイル『プロミネンス』シリーズの原点。ミサイルは発射後、5秒間直進。その後、対象への誘導を開始する。


装備: ゴリアス-SSS (ロケットランチャー)
弾数:1
火力指数:2500
充填時間:4.0秒
爆破範囲:半径20m
精度:A+
ズーム:3倍


ロケットランチャー『ゴリアスシリーズ』における破壊力・爆破範囲がトップクラスの火砲。


今年、EDF極東支部から、EDF欧州支部へ転属。転属直後、第3小隊隊長に任命された期待のルーキー。さまざまな火器の扱いに長けるが、1発の火力を重視しており、必ずロケットランチャーは武装する。

ミサイルも装備することが多いため、バランスが悪い。そのため近接戦闘は、信頼する仲間に任せている。


【統堂英玲奈】 25期生

兵種:陸戦兵

装備: SNR-229(スナイパーライフル)
弾数:5
火力指数:250
連射速度:0.6発/秒
充填時間 2秒
有効射程距離:600m
精度:S
ズーム:4倍

大口径対物スナイパーライフル
『SNRシリーズ』
精度と弾速が向上された。

装備:AS-19(アサルトライフル)
弾数:100
火力指数:15
連射速度:15発/秒
充填時間:1.5秒
有効射程距離:180m
精度:B

アサルトライフル『ASシリーズ』の新型モデル。
装弾数以外の性能の向上に成功した。

綺羅ツバサと同じく、EDF欧州支部へ転属したメンバーの1人。2年目にして、狙撃の精度は部隊内で上位となるほど。近距離のアサルトライフルも使いこなせるオールラウンダー。ツバサのマイペースぶりにストレスがマッハ

【優木あんじゅ】 25期生

兵種:ペイルウイング

装備:LAZR-200(中距離レーザー)
弾数:1000
連射速度:60発/秒
火力指数:5.5
有効射程距離:100m
精度:S
チャージ時間:3.0秒
消費エネルギー:26%

光学レーザーライフル。エネルギーを一点に収束し、敵を融解する。


装備:E4プラズマ・ランチャー(範囲攻撃兵器)

連射速度:1発/秒
火力指数:260
有効射程距離:2400m
爆破範囲:半径12m
精度:A-
消費エネルギー:16%


範囲攻撃翌用のプラズマ兵器。プラズマ球を発射し、着弾と同時に閃光を放ちながら爆発する。


ペイルウイングとして欧州支部に転属したメンバー。綺羅ツバサ率いる第3小隊の癒し系。中距離・遠距離での戦闘が得意で、近接戦闘は苦手。虫が嫌いだから。



…………………………

ツバサ「さぁ!1匹も残さず倒すわよっ!」ガチャッ

英玲奈「待て!ツバサ!いきなりロケットランチャーぶっ放す奴があるか!?それに、どこに照準を合わせている!?」アセアセッ


ツバサ「え……あの時計台に群がる蟻たちだけど?」


カサ…………カサ…………カサ…カサ…





英玲奈「巨大生物もろともビッグ・ベンまでも壊すつもりだったのか!?馬鹿か!馬鹿なのか、お前は!?」


英玲奈「お前のロケットランチャーは爆破の範囲が大きいんだから自覚しろ!!」

カサ……カサ……カサカサ……



ツバサ「分かりました………よっと!」ガチャッ…ゴォッ



ドォン … ボフゥ …ギァァアアアアアア!!






…ガラガラガラッ……ガシャン…

ツバサ「見て見て!蟻たちが思いっきり吹っ飛んでったわ!!」キャッキャッ

あんじゅ「さすがツバサ!かっこいいわぁ~」ニコニコ





英玲奈「………………………ワ、ワタシハ…ナニモシラナイ」ガクガク

あんじゅ「大丈夫よぉ~。2年でここまで復興できたんですもの。3日あればビッグ・ベンだって元通りよ」

カサカサカサカサカサカサカサカサ…


ツバサ「さぁ、今ので蟻さんたちがこっちに気づいたみたいよ?ぶっ飛ばしがいがあるわね」カチャカチャッ

あんじゅ「虫は嫌いなのよ~。こっちこないで」ウィイイイイイ

ツバサ「英玲奈、いつまで放心してるの?ほら、シャッキリして!」カチャカチャッ


英玲奈「あーもう!やればいいんだろう!?あーあー私は知らないからな!」ガチャッ


A「ツバサ隊長!市民の避難、無事終了しました!」タッタッタッ

ツバサ「ありがとう!じゃ、一緒に巨大生物倒すわよ!」カチャカチャ…


隊員「了解!!」ガチャッ

ツバサ「よし!じゃあ私は遠くの敵ぶっ飛ばすから、近づいてきた敵を叩いてちょうだい!よしっ、リロード終わり!」ガチャッ…ゴォッ

ドォン ボフゥ ギァァアアアアアア!!



英玲奈「……………」スチャッ……パァンッ


キァァアアアアアア… バタッ


あんじゅ「えいっ!」シュオオオオオオオオ


キァァアアアアアア …バタッ




………………………………………

日本 EDF極東支部


理事長「…先ほど、EDF欧州支部より緊急入電がありました。ロンドンに2年前と同種の巨大生物が出現。現在、欧州部隊が交戦中とのこと…です。」

理事長「これからは日本にも巨大生物や飛行物体が襲来する可能性が大いに考えられます。2年前の悲劇…それが再び訪れようとしています。」


理事長「しかし、私たち人類も、この日のために十分に備えてきました。今こそ、この職務に誇りを持ち、敵を討ちましょう!」




「「はいっ!!」」



………………………

第2中隊隊舎 第9小隊隊室


海未「ついに……この日が来てしまったのですね。」


ことり「うん……やっぱり…怖いかな……」ブルブル


穂乃果「…………………………」



希「なぁーに怯えとんの?」ニヤリ


海未「…東條…先輩…」

希「だから希でええって。…大丈夫や。何せウチの隊には!若きエースが居るんやから~!」









絵里「ちょっと…そんな風にプレッシャーかけないでよ…」

希「え…にこっちのこと言ったつもりだったんだけど……ないわーw」ウププ


絵里「嘘でしょ!?あー恥ずいわー無理だわー」


穂乃果「…………フフッ…」


絵里「あー!穂乃果、あなた私のこと笑ったわね!?こうしてくれるわっ!」コチョコチョ


穂乃果「うひゃひゃ!?ご、ごめんなさい!絢瀬隊長!」ジタバタ

絵里「…ダメね。隊長呼びをやめない限り、このままよ」コチョコチョ

穂乃果「ごめ、ごめんね!…絵里ちゃん!」ジタバタ

絵里「それでいいのよ」パッ


絵里「可愛い女の子がいつまでもそんな怖い顔してちゃ勿体無いわ。それはお仕事の時だけよ。…そうよね?にこ」





にこ「……何でにこに振るのよ……」

にこ「そうね。確かに笑顔は大


ザザッ…

理事長「緊急連絡!地点35-139、東京駅にて、多数の巨大生物の出現を確認しました。第9小隊および第10小隊は、至急現場に出撃してください!」


にこ「……………」

絵里「…にこ、帰ってから話を聞くわ」ポンッ




絵里「さぁ、みんな聞いたわね?2分で出撃準備を済ませなさい!」


絵里以外「了解!」

………………………………………

英国 倫敦

…ドォン ギァァアアアアアア!!

┣¨┣¨┣¨┣¨ッ キァァアアアアアア …バタリッ



ツバサ「ふぅ……随分と綺麗に片付いてきたわね」カチャカチャ…

英玲奈「そうだなー。街ごとぶっ壊して綺麗になった感じだなー。あははははー。」┣¨┣¨┣¨┣¨ッ


あんじゅ「もう敵を全滅させたのかしら?」ウィイイイイイ

英玲奈「レーダーで確認すればいい。巨大生物の生体電流や、飛行物体からの電波を感知して、赤く光ってる方向に敵がいるんだからな。習っただろう?」


ツバサ「巨大生物相手の実戦なんて初めてなんだから、すっかり忘れてたわよ。便利ね、これ!!」


あんじゅ「あら、あっちに2匹いるわね。待ってて、仕留めてくるね~」ウィイイイイイ

英玲奈「いいなぁ…ペイルウイングは空を飛べて、本当に便利だ…」

ツバサ「あら?英玲奈はペイルウイング志望だったの?」

英玲奈「どちらでも良かったのだが、狙撃能力を評価してもらってな…。今に至るわけだ」

ツバサ「なるほどね。」


……………キァァアアアアアア


あんじゅ「ツバサーー!!英玲奈ーー!!終わったわよーー!!」ウィイイイイイ



ツバサ「あんじゅありがと!そして、みんなおつかれ!……まずは、みんなが無事だったことが…私は凄く嬉しいわ!これからもこの調子で頑張りましょう!」ニコリ


ツバサ以外「はいっ!!」ビシッ

ツバサ「じゃあ、報告を…と。」ザザッ…


ツバサ「こちら、EDF欧州部隊第3小隊。只今、任務を遂行しました。これより帰還します。」


「任務の遂行お疲れ様でした。報告ありがとうございます。周囲に警戒し、速やかに帰還してください。」


ツバサ「了解!」ザザッ…


………………………………

あんじゅ「そう言えば…報告でいちいち第3小隊なんたら~って言うの、長くて面倒じゃない?」スタスタッ

英玲奈「それはそうだが、義務だからな」スタスタッ


ツバサ「う~ん、そうね……あ、そっか。このチームに名前をつければいいのよ!それで浸透させちゃいましょう!」







ツバサ「……A-RISE!私たちの躍進と、人類が反撃の狼煙を上げる という意味を込めて、この第3小隊をこう名付けるわ!どう!?」フフン

あんじゅ「いいんじゃない?…A-RISE…かっこいいわぁ~」クルクル


英玲奈「ふむ…その名に相応しいように頑張らなければな…」フッ

隊員たち「はい!良いと思いますっ!」


ツバサ「よしっ!じゃあ、この名を欧州に!日本に!そして世界に知らしめてあげましょう!」


かくして、EDF欧州部隊第3小隊が、世界的に有名になるのは、もう少し先のことになるのであった。




episode1. 英国の悪夢 広がる争乱 end

episode2 地下洞


日本 第2中隊隊舎 第9小隊隊室


絵里「みんな、装備は大丈夫ね?」

絵里以外「はいっ!!」

絵里「それでは、只今よりEDF極東部隊第9小隊出撃しますっ!必ず生きて帰るわよっ!」

絵里以外「了解!!」



………………………………………………

【高坂穂乃果】 26期生

兵種:陸戦兵

装備:ゴリアス-R(ロケットランチャー)
弾数:10
連射速度:3発/秒
火力指数:100
充填時間:1.5秒
爆破範囲:半径2m
精度:B+
有効射程距離:3000m


ロケットランチャー『ゴリアスシリーズ』
ゴリアス-1の改良型。連射可能になった。

装備:SG-5(ショットガン)
弾数:8
連射速度:1発/秒
火力指数:18×20
充填時間:4秒
有効射程距離:70m
集弾率:E


散弾発射数が20
拡散性が向上されたショットガンだが、射程が低下した。



26期生の代表を務める、元気印の女の子。
2年前に命を救ってくれた伝説の英雄に憧れ、EDFに入隊。
1人でも多くの人の命を守ること…これを信念としている。

また、その時の陸戦兵の装備が、ショットガンとロケットランチャーであったため、この2つを必ず装備している。


【園田海未】

兵種:陸戦兵

装備:AS-18R(アサルトライフル)

弾数:200
連射速度:30発/秒
火力指数:5
充填時間:2.5秒
有効射程距離:120m
精度:B

AS-18の改良型。連射性能が重視されている

装備:GランチャーUM-1(グレネード・ランチャー)

弾数:4
連射速度:2発/秒
火力指数:150
充填時間:2秒
起爆条件:時間
起爆時間:4秒
爆破範囲:半径9m

グレネード・ランチャー(擲弾発射機)
手榴弾を遠くに飛ばす個人用火器
曲射が可能で、遮蔽物や塹壕に隠れた敵を攻撃可能


高坂穂乃果の幼馴染であり、彼女の生活指導担当。スナイパーライフルも得意ではあるが、地底戦向きではないので、今回はGランチャーを装備。

【南ことり】 26期生

兵種:ペイルウイング

装備:レイピア(近距離兵器)

弾数:500
連射速度:60発/秒
火力指数:3×6
有効射程距離:30m
精度:G
チャージ時間:0.5秒
消費エネルギー:25%

正式名称『ゼロレンジ・プラズマアーク銃』
射程距離が30mのため、非常にリスクある戦いを強いられる超兵器。
1発で6方向にプラズマアークの刃が展開されるので、連射速度と合わせ、秒間360発もの光撃を叩き込める。


装備:エクレール10(中距離兵器:雷撃)

弾数:1
連射速度:1発/秒
火力指数:8×10
有効射程:140m
精度:D
チャージ時間:1.0秒
消費エネルギー:3%

連鎖電撃銃(チェイン・ライトニングガン)
10本の稲妻を拡散発射する。
広範囲への攻撃が可能

26期生の天使。飛行ユニットで空を飛ぶ姿があまりにも美しく、いつしかそう名付けられた。飛行技術が高いため、破壊力の高い近距離兵器レイピアを支給された。

【絢瀬絵里】25期生

兵種:陸戦兵

装備:AS-22(アサルトライフル)
弾数:140
連射速度:12発/秒
火力指数:92
充填時間:2.0秒
有効射程距離:180m
精度:A

ASシリーズの新型モデル。
トータル性能が向上している。

装備:火炎放射器F6(特殊兵器)
弾数:150
連射速度:60発/秒
火力指数:大
充填時間:6.0秒
有効射程距離:170m
精度:B

対巨大甲殻虫用兵器の強化型。
猛炎を放射し、周囲を焼き払う。


EDF極東支部25期生の首席であり、2年目にして、第9小隊の隊長に任命された。射撃技術、身体能力、車輌操縦・戦闘機操縦技術も部隊内でトップクラス。プライベートではポンコツになりがち。

【矢澤にこ】 25期生

兵種:ペイルウイング

装備:イクシオン6WAY(中距離兵器:粒子砲)
連射速度:10発/秒
火力指数:30×6
有効射程距離:170m
精度:A
消費エネルギー:1.1%

『イクシオンシリーズ』の粒子バルカン砲。
同時に6発の粒子光線を前方へ拡散して発射する。


装備:レーザーランスRカスタム(近距離兵器)
弾数:15
連射速度:2発/秒
火力指数:400
有効射程距離:49m
精度:B-
チャージ時間:3.0秒
消費エネルギー:20%

レーザーランスとは、「ショートレンジ収束レーザー砲」の総称。
射程距離を短くした反面、破壊力が飛躍的に上昇したレーザー砲。




25期生のアイドル担当(自称)。イクシオンから発射される小さな粒子が可愛いので、自分に相応しい兵器だと考えている。近距離・中距離兵器のエキスパート。

【東條希】 25期生

兵種:ペイルウイング

装備:サンダーボウ20(中距離兵器:雷撃)
弾数:20
連射速度:1発/秒
火力指数:30×20
有効射程距離:140m
精度:C
チャージ時間:3.0秒
消費エネルギー:63%

20連装・連鎖電撃銃。
ショットガンタイプの電撃銃で、同時に20の雷撃を放射する。

装備:サイ・クラスターα(支援兵器)
火力指数:30
有効射程距離:360m
発射数:1800
タイプ:前方
消費エネルギー:45%
チャージ時間:60秒

動作原理も詳細も不明の超兵器。
使用者から放たれた光球は、一定時間後、無数の光線を前方に乱射する。





25期生代表の絢瀬絵里、矢澤にことは昔からの親友。観察力・洞察力が高く、みんなの頼れる相談所である。戦場においても、その視野と判断力が光る。



…………………


東京駅

ことり「到着したのはいいけど、巨大生物がどこにもいないよ?」キョロキョロ

海未「どこか別の所に移動したのでしょうか?…いや、でもそのような報告も受けていないですし…」


希「それにしても、駅から巨大生物が突如現れたって、一体どういう…」

絵里「そうね…。これは私の推測なんだけど……









……恐らく、地下から出現したんじゃないかしら…?」

穂乃果「なるほど!確かにそんな気がするよ!」

にこ「けど…もし、そうなると……」

絵里「……ええ、そうね。そのためにも確認に行きましょう………………













……この予想が外れていることを願いながら、ね…。」スタスタッ



………………………………

地下鉄 構内


絵里「……ここは酷いありさまね。」ケホッケホッ

にこ「仕方ないわよ。2年経ったとは言え、地上の復興だけで手一杯だったのよ。……それくらい、ひどい戦争だったってことよ。」


ことり「……………」ゴクリ


絵里「さて、この線路の上を歩いて行くわよ…よっと」スタッ


穂乃果「なんか…狭くて…暗いね。」キョロキョロ


にこ「ここから巨大生物が湧いて出てくるかも…なんて考えたら、ぞっとするわね……」ブルッ


希「ほんまやね……………って!?絵里ち!あそこ!」ビシッ




ゴゴゴゴゴ……







絵里「……線路脇に大きな穴………」ゴクリ

絵里「全員、レーダーを確認!!」バッ


穂乃果「!?す、凄い数の赤色の反応!?」

海未「あの穴の方から反応があります!」


絵里「…… これは……一度連絡を…」ザザッ…


絵里「こちら、EDF極東部隊第9小隊隊長、絢瀬絵里です。」


理事長「はい、こちらはEDF極東支部です。」


絵里「現在、地点35-139、東京駅地下鉄道線路脇において、巨大生物の巣穴らしきものを確認。敵反応も多数です。」

理事長「……了解しました。その巣穴の調査と周囲の巨大生物の殲滅を遂行してください。」

絵里「了解! 」ザザッ…





絵里「では、これより第9小隊、この巣穴への突入調査と巨大生物の殲滅を開始します!」

絵里「突入隊列は、1列目が私と穂乃果!2列目希と海未!3列目にことことり!背後への警戒も忘れないこと!」


絵里以外「了解!」



絵里「いい?25期生だって対巨大生物の実戦は初めて。ここからは何があってもおかしくない……正直なところ、命の保証も出来ない。」


絵里「だから…帰還するまで気を引き締めていきましょう。油断こそが最大の敵よ!!いいわね!?」

絵里以外「了解!」

絵里「じゃあ行くわよ………3……2………1……ミッションスタート!」バッ
















…カサカサカサカサカサカサカサカサカサ


絵里「うおおおおおおおおお!!」ボォオオオオオオオオオ…

ギァァアアアアアアアァアアア!!


穂乃果「このっ……!」スチャッ…パァン パァン



ギァァアアアアアアアアア……


海未「絵里の火炎放射器…凄まじい威力ですね…後ろの私たちまで熱いです。」








絵里「汚物は消毒よぉ!」ボォオオオオオオオオオ


キァァァァァァァァアアア……バタリッ…

カサカサカサカサカサカサカサカサ…


絵里(しかし奥からどんどんと…おっと、そろそろ火炎弾が切れるわね……)ボォオオオオオオオオオ

絵里「穂乃果、希、海未!リロードするから、迎撃をお願い!」ボォオオ…プスッ カチャカチャ…



穂乃果・海未・希「了解!」ガチャッ

穂乃果「えいっ!」スチャッ…パァンパァン

海未「やぁっ!!」┣¨┣¨┣¨┣¨ドドッ…


ギァァアアアアアアアアアアア……



穂乃果「くらえっ!…うっ、しまった!?私弾切れ………」パァン…ガチッ…カチャカチャ…

海未「…あっ!?わ、私も…」ドドドッ…ガチッ…カチャカチャ







カサカサカサカサカサカサカサカサ…

穂乃果「しまった!?まだこっちにくる!!えっ…と、ゴリアス!」ワタワタ ガチャッ

海未「ま、待ちなさいっ穂乃果!こんな狭い穴の中でロケットランチャーなんて撃ったら!」



カサカサカサカサカサカサカサカサカサ…













希「……それはあかんよ?穂乃果ちゃん、海未ちゃん」ガチャッ


…ズドオォン

ギァァアアアアアアアアアアア……


希「みんなで弾切れ…なんてことになったら敵に一気に攻められてしまうで?」シュウウゥゥ…






希「自分の役割を正しく把握する。これは大事なことだから覚えといてね?」ニコリ


穂乃果・海未「……はい、申し訳ありませんでした…」シュンッ



絵里「はいはい、反省会は帰還してからよ。3人ともありがとね。」ガチャッ

絵里「さぁ、前進していくわよ!」ボォオオオオオオオオオ


キァァァァァァァァアアア…

ことり「……穂乃果ちゃん……海未ちゃん…」


にこ「まぁ…良い経験になったんじゃないの?そんなことより、ことり。あなたも集中しなさい…!?」


カサカサカサカサカサカサカサカサ…




にこ「…後ろ!」クルッ…ガチャッ



パパパパパパパパパッ…

キァァアアアアアアアアア…ブシュッ…バタリッ

ことり「わぁ…あわわわわ……わぁ!!」カチャッ


バリバリバリバリバリッ…

キァァアアアアアアアアア……

ことり「ふぅ…ふぅ…助かったぁ……」



にこ「……やったわね、ことり。私たち、敵を初めて倒せたわよ!」ニコリ

ことり「…えへへ。にこちゃんありがとう!」ニコリ

……………………………

絵里「…みんな!どうやら、この巣穴の奥が見えてきたわよ…」

穂乃果「い、いよいよ…だね…」ゴクリ

絵里「心の準備はいいわね?では、踏み込むわよ!」ザッザッ



ザッ…ザッ…ザッ…ピタッ…














穂乃果「……え?」ゾクッ

海未「な、何なのですか…この、あり得ないほど広い空間は………」ブルブル


ことり「まるで……地底都市……みたい…」ガクガク


にこ「…絵里、間違いないわね。」



絵里「…ええ、そうみたいね。悪い予想が当たってしまったわ…」

穂乃果「ど、どうしたの?絵里ちゃん、にこちゃん。」


にこ「敵の母船なども飛来せずに、突如、英国に出現した多数の巨大生物。同時に日本にも…。いや、多分世界中なんでしょうけど…」

にこ「これらの理由は、こう考えれば至って単純。








……2年前の巨大生物の生き残りが、地底へと逃げ延び、繁殖していたと…ね。」

海未「!?ま、待ってください!だとしたらっ!」

希「おそらく、巨大生物は天文学的な数まで増殖しているんやろうね…」


ことり「……………………」ガクガク


絵里「…地球はかつて人類にとっての惑星であった。けど、もうそれは昔の話なのかもしれない。…






……もう地球は、巨大生物の!養殖場なのよ!!」


穂乃果「そ……そんな………」












カサカサカサカサカサカサカサカサカサ…

絵里「!?レーダーに、敵反応が多数!しまった!包囲されているわ!」



カサカサ…バシュッ!


絵里「!! 総員、緊急回避ぃ!!」クルッ



パタタタタッ ジュゥゥウ…


ことり「蟻が何か体液を飛ばしてきたよっ!?」アセアセッ






にこ「蟻酸よ!奴らは腹部から強力な酸を発射してくるの!この酸がかかったら、生身の部分は溶かされるわよ!気をつけなさい!」ウィイイイイイ スタッ

ことり「ひぃっ!?」ガクガク

バシュッ!バシュッ!バシュッ!バシュッ!


穂乃果「あわわわわっ!!」クルックルッ


海未「躱せなかったらお終いとは…洒落になりませんねっ!」クルックルッ



ことり「きゃあああああああああ!!助けてぇえ!!」ウィイイイイイ


にこ「ことり!!回避といって無駄に飛行ユニットでエネルギーを使っちゃダメ!ここで、緊急チャージモードに入ったら本当に死ぬわよ!?」




希「くっ…なかなかマズイ状況やん?…絵里ち!」ズドオォン

絵里「分かってるわ!みんな!とりあえず撤退のためにも、周囲の巨大生物だけは倒すわよ!」


希・にこ「了解!」ガチャッ

ズドオォン パパパパパパパパパッ…


ギァァアアアアアアアアアアア……

絵里「こちら、EDF第9小隊!応答願います!」ザザッ


理事長「はい、極東支部です!状況は?」

絵里「現在、敵の巣穴と考えられる地底空間で、多数の巨大生物と交戦中!これ以上敵が増える可能性もあり、戦闘の継続は危険と判断します!」

理事長「了解!現時点で周囲にいる敵を殲滅し、速やかに帰還して下さい。…無事を祈っています。」

絵里「了解!」ザザッ



絵里「さぁ、みんな!近くの敵を叩くわよ!!」ボォオオオオオオオオオ…

キァァァァァァァァアアア…

バシュッ!……ピチャッ…ジュゥゥウ…

ことり「きゃあああああああああ!?蟻酸がぁ!?いやぁぁあああ!!」ウィイイイイイ

にこ「ことり落ち着いてっ!装甲の部分だから!まだ大丈夫だからっ!!」パパパパパパパパパッ…


キァァアアアアアアアアア……

穂乃果「くらえっ!!」ドォン ドォン

ギァァアアアアアアアアアアア…

海未(あそこにGを発射しておけば…)ボシュッ



………………ドォオン

ギァァアアアアアアアアアアア…


海未「やりましたっ!」パァッ

カサカサカサカサカサカサカサカサカサ…


穂乃果「!?ことりちゃんっ!!目の前に蟻っ!!」

海未「ことりっ!早くレイピアを使ってくださいっ!ことりっ!!」


ことり「はぁ…あぁぁ……」ガクガク














にこ「ことりぃっ!!」ウィイイイイイ

にこ「レーザー・ランスッ!!」キュインッ


キァァアアアアアアアアア…バタリッ


にこ「はぁ…はぁ…間に合ったぁ…」


ことり「にこ…ぢゃぁん…こわがっだよぉ……ぅぅ…」グズッ

にこ「よしよし、よく我慢したわね…」ナデナデ





絵里「みんな!只今からこの巣穴から帰還します!レーダーを確認し、周囲を警戒しつつ迅速に撤退!」



絵里以外「了解!」


絵里「一応、カメラでこの巣穴を撮影して……と。」カシャッ



絵里「急ぐわよっ!!」タッタッタッ

絵里以外「はいっ!」タッタッタッ




………………………………………

EDF極東支部

理事長「第9小隊、第10小隊のみなさん、お疲れさまでした。全員が無事に帰還してくれて、嬉しく思います。絢瀬隊長、資料として写真まで提出いただき、ありがとうございます。」

絵里「いえ」ペコリ



理事長「しかし…これは想定していたとはいえ、最悪の事態です。この事実を各国EDFに通達およびマスメディアによる報道も行ってもらいましょう。」




理事長「また早急に、地下巨大生物の殲滅作戦を計画する必要があります。…その際には、召集がかかると思うので覚悟しておいてください。」

「「はいっ!!」」



理事長「負傷者は直ぐに、医療部隊の所で治療を受けてください。あとは、各自隊舎にて休息を取ってください。」


理事長「では、解散します。」




……………………

第2中隊隊舎 第9小隊隊室


穂乃果・海未「申し訳ありませんでした!!」ペコリ

絵里「え……何が…?」キョトン



穂乃果「え…いや、今日しくじって絵里ちゃんや希ちゃん、隊全体に迷惑かけちゃったから…」

海未「帰ってから反省会とのことでしたので…」



絵里「あー…あなたたち、もう反省してるんでしょ?これ以上追求する必要ある?…まぁ、次は同じ失敗しないようにね。以上!!」ニコリ




穂乃果・海未「…………はい!ありがとうございました!」

穂乃果「…あれ?そう言えば、ことりちゃんは…?」

海未「大丈夫だと思いますが、にこが付き添って、医療部隊の所に向かいました。」




穂乃果「そっか……ことりちゃん、やっぱり怖かったみたいだね…」

海未「…そのようですね。心配です…」




希「……大丈夫や。にこっちがフォロー入れてくれるんじゃないかな?」


…………………………

EDF極東支部 医療部隊


ヒデコ「やっほー!ことりちゃん、お疲れさま!!」

ことり「あっ、ヒデコちゃん!ただいまー」ニコリ




ヒデコ「大丈夫だったか?我らの代の天使よ!」ダキッ

ことり「ううん、すっごく怖かったよぉ~」ダキッ






にこ「…戦闘部隊が言うセリフじゃないわよ…それ…」

ヒデコ「もしかして、怪我したの!?どこっ?」キョロキョロ


ことり「装甲だったから大丈夫だと思うんだけど…一応、背中辺りに、蟻の酸をかけられちゃって…。」


ヒデコ「えぇぇ!?それは大変!よく見せてね……」フムフム



ヒデコ「うーん、酸による炎症、爛れなどは確認できないね。大丈夫だと思う。…念のために、医療キットを渡しておくね。」スッ


ことり「ありがとう、ヒデコちゃん!」

ヒデコ「はーい!お大事にー!」フリフリ





………………………………

EDF極東支部 技術部隊



ことり「ごめんなさい…。飛行ユニットと装甲に酸をかけられて、溶かしちゃいました。」シュンッ


フミコ「何言ってるの!ことりちゃんが無事で本当に良かったよぉ」ホッ



フミコ「じゃあ、これは代わりの飛行ユニットと装甲ね。はい!あと、これは修理しておくね!」スッ

ことり「うん、ありがとう!」




フミコ「はぁ…でもついに敵が現れたみたいだけど、今のところ全世界で報告されてるのって、全部巨大生物…なんだよね?」


ことり「…うん、そうみたいだね。それがどうかした?」




フミコ「うーん…あの大戦から約2年で、ここまで世界が復興できたのはさ…皮肉にも、敵のテクノロジーのおかげでもあるんだよね」

ことり「!?」

フミコ「敵のUFOや、歩行型戦闘機を破壊した後、その残骸を回収。その部品や動力源を研究し、光学やプラズマなどのエネルギーを利用した兵器や装備を開発できるようになったの。」


フミコ「つまり、ことりや矢澤先輩のようなペイルウイング部隊は、あの大戦における敵の技術力を応用して、生み出されたものなの。」



ことり「そう…だったんだ…。」




フミコ「だから、敵といっても機械だったら、新しい武器の開発や装備の改善に役立てれるかもしれないんだけどって思って、ね。…ただ巨大生物はね…」



フミコ「そこから新たな装備とかも開発できるわけではないからなぁ…って思っちゃうわけ。


…ごめんね、そんな巨大生物とも命をかけて戦ってくれているというのに…」

にこ「別に構わないわよ。装備が強化されれば、こちらだって安心できるもの。…頼りにしてるわ。」

フミコ「……はい!」




にこ「あ、だけどぉ!個人的には~にこにーの可愛さをより引き出すためにぃ!見た目がもーうちょっと可愛いと~嬉しいにこっ!」ニコリ



フミコ「あはは…善処します。」


…………………………

ことり「…ねぇ、にこちゃん…」スタスタッ


にこ「何よ?」


ことり「…今日は迷惑かけちゃってごめんなさい。助けてくれて、ありがとう…」ペコリ


にこ「…入りたてがそんな気にしないの。この時期ににこより活躍されたら、それこそ堪ったもんじゃないわよ」ニシシ












ことり「ねぇ…にこちゃん。にこちゃんは…近距離兵器を使うの……怖くないの?」プルプル

にこ「ん?…あぁ、チャージのこと?」


(チャージ…ペイルウイング部隊が、近距離兵器を装備して、敵に突撃し至近距離で攻撃する戦術のこと。

また、ペイルウイング部隊が使用する兵器に対してのエネルギー充填のことも、チャージと呼ぶため、少し紛らわしい。)



ことり「ことりは飛行技術は高い…って言われるけど、武器操作が全然上手じゃないの。だから扱いやすいレイピアを渡された…と思う。」


ことり「実際…使いやすいけど、あんな大きい敵の、30m以内に近づかないと…攻撃が届かなくて…でも、それがとっても怖くて…動けなかったの…」


ことり「私……正直、今日の出撃で自信を失くしちゃったの。やっぱり、私には向いてないかな……って。」シュン




にこ「んー…まぁ、確かに…あんたに戦闘部隊が似合ってるとは…言えないわよねぇ」

ことり「………だよねぇ」










にこ「だから、私は別に辞めたいなら、辞めてもいいと思ってるのよ?」

ことり「……ぇ?」

にこ「人の命や安全を守る仕事はたくさんあるけれど、そのために自分が死ぬ可能性が極めて高い仕事だったら、話が別でしょ?

はっきり言って、やりたいと思う方がおかしいのよ。それこそ、よっぽどの聖人君子なら、また話が変わるんだろうけど」


ことり「じゃあ、にこちゃんは…なんで…」









にこ「弟と妹たちを笑顔にしたいから!」ニコリ



にこ「本当はね…にこはアイドルをやりたかったの。みんなを笑顔にさせる素敵なお仕事。本当に…本当に!小さい頃からの憧れだったわ。」



にこ「でも、あの大戦中、怯えてた家族を笑顔にするためには、アイドルよりも先にやらなきゃいけないことがあるっ!!って気づいたの!」

にこ「それが理由よ。私の手で守れるもの、守りたいものなんて限られたものなの……

…正直、世界中の全ての人を救うなんて私は無理だと思ってるし、そこまでするつもりもない」



にこ「だけど、にこの大切な家族だけは何が何でも守ってみせる!その為だったらどんなことでも耐えてみせる!そのためになら、どんな敵だって倒してみせるわっ!!




……どう?家族のことしか考えてない私に、幻滅したかしら?」ニシシ


ことり「ううん…そんなことないよ!にこちゃん、すごいよ!」





にこ「そんなことを言うならさ……あんただって、何か大事なものがあるから入隊したんじゃないの?」


ことり「…あ…………」

にこ「あるんでしょ?そういうものが、あなたにも。そのために、自分が何をやりたいのかを考えた方が良いわね。」




ことり「にこちゃん……私…………」



……………………………


第9小隊隊室




ことり・にこ「ただいまー」ガチャッ


絵里・希「おかえりー」

穂乃果「ことりちゃん、お帰り!!遅かったけど、何かあった?大丈夫なの!?」アセアセッ



ことり「ううん、大丈夫だよ!穂乃果ちゃん、ありがとっ!」

海未「ことり、無事で何よりです。」ホッ



ことり「海未ちゃんも心配してくれてありがとう!」





ことり「あと、今日は本当にごめんなさい。任務の時に、取り乱して心配とご迷惑をかけちゃいました。」ペコリ

穂乃果「そんなっ!ことりちゃんは悪くないから、謝らないで!」アセアセッ


海未「そうですっ!誰しも混乱してしまうことはあります!」アセアセッ



ことり「ううん…あれは他の人もパニックにさせちゃうことだったから。それは戦場ではすごい迷惑なこと。だからちゃんと謝りたいの。」


ことり「それでね…やっぱりまだ怖いところはあるけど…でも!私は穂乃果ちゃんと海未ちゃんを守りたいの!2人が安心して背中を預けられる人に、ことりはなりたい!」


穂乃果・海未「!?」



ことり「だから、たくさん努力するから、ことり強くなるから!!…これからもよろしくお願いします!」ペコリッ








穂乃果・海未「ことり(ちゃん)…」ジーン


穂乃果・海未「ことりぃ(ちゃぁん)!!」ダキッ


ことり「わぁ!?」

穂乃果「穂乃果も頑張るからねっ!ことりちゃんと海未ちゃんを守れるように強くなるからっ!!」ギュウッ


海未「ふふふ…私だって強くなってあなたたちを守りますからねっ!」ギュウ


ことり「うん……うんっ!!」ギュウッ






希(…上手くやってくれたんやね。ありがとな、にこっち。)

にこ(ふふん、感謝する必要は無いわ。思ったことを言ったまでよ。)

絵里(にこ…グッジョブだったわ。)グッ

にこ(まったく…次からは、リーダーのあんたがやりなさいよ?)




ことり「あと!にこちゃん、絵里ちゃん、希ちゃんも守れるように頑張るねっ!」

穂乃果「!それいいねっ!次こそは絵里ちゃんたちを完璧にサポートするよっ!」



希「お?ことりちゃんたちも言うねー。ウチら楽できるやん?」ニヤニヤ

にこ「こらこら。…まったく、私たちも負けてられないわね」

絵里「じゃあ、3人にはもっと練習してもらわないとね?ついてこれるかしら?」



穂乃果・海未・ことり「はいっ!!」


絵里「OK!良い返事ね!それじゃ第9小隊気合い入れて行きましょうは!」




絵里以外「おおー!!」



…ここから第9小隊の躍進が始まるのであった


episode2. 地下洞 end

本日はここまでです。
ご覧いただきありがとうございました!

episode3.侵略者再び


7月中旬 英国 倫敦


ツバサ「あれ以来、ワラワラと地面から出てくる敵を倒してばかり…早く地底突入して根元から叩かないと意味ないじゃない!どういうことよ!」プンプンッ


英玲奈「……恐らく優秀な兵士や兵器を選抜しているのではないか?それに、普通よりも更に危険な任務になるだろうからな…責任問題などの点から、決断に踏み切れないのではないかと…」


ツバサ「くそッ!役立たずの老いぼれどもめっ!」ガンッ


英玲奈「…お前がリーダーを務めているのが不思議でたまらないよ。よく今までクビにされなかったな。」ふぅ

あんじゅ「まぁまぁ…そういえば、欧州支部では、最近私たちの隊が有名になってきたみたいよ~」


ツバサ「ふふん、当たり前よ!最初に駆けつけ、殆どの敵を殲滅しているのが私たちA-RISEですもの!よっぽどリーダーが良いのかしらねっ?」ニヤリ


あんじゅ「そうよ~。よっ、ツバサ隊長!!良い武器も支給されるようになったし、ありがとう~」パチパチ


ツバサ「ふふん!もっと褒めていいのよ!!」ドヤァ


英玲奈「はぁ…やれやれ」



ザザッ…


「A-RISEへ緊急連絡!こちらEDF欧州支部です。」

ツバサ「はい!こちら、A-RISEのリーダー、綺羅ツバサです!」ザザッ…


「倫敦、地点51-08にて、多数の飛行円盤の出現を確認!2年前と同種のものです。現地へ急行して下さい。」


ツバサ「了解!」 ザザッ…





ツバサ「ねぇ、聞いたっ!?ついに通信でA-RISEと呼ばれるようになったわよ!」キャッキャッ

あんじゅ「ほんとね、ツバサ!やったわぁ~」キャッキャッ



英玲奈「お前たち!そんなことは後回しだ!早く現場に向かうぞっ!」


…………………………………

【綺羅ツバサ】 25期生

兵種:陸戦兵

装備: エメロードM-2(ミサイル)
弾数:4
連射速度:1発/秒
火力指数:400
充填時間:2.0秒
爆破範囲:半径7m
誘導性:A

個人用誘導ミサイルランチャー『エメロードシリーズ』
トータル性能が向上。
ツバサ的には爆破範囲に少し不満げ



装備: ゴリアス-SSS (ロケットランチャー)
弾数:1
火力指数:2500
充填時間:4.0秒
爆破範囲:半径20m
精度:A+
ズーム:3倍

ツバサ愛用機。これは必ず持っていく。


【統堂英玲奈】 25期生

兵種:陸戦兵

装備: SNR-230改(スナイパーライフル)
弾数:10
火力指数:400
連射速度:1.1発/秒
充填時間 3.0秒
有効射程距離:600m
精度:S
ズーム:4倍


大口径対物スナイパーライフル『SNRシリーズ』
連射性能が向上



装備:AS-21RL(アサルトライフル)
弾数:250
火力指数:33
連射速度:30発/秒
充填時間:5.0秒
有効射程距離:200m
精度:B+

アサルトライフル『ASシリーズ』
射程が改善され、長距離戦にも使用できる。
リロードが少し長め


【優木あんじゅ】 25期生

兵種:ペイルウイング

装備:LAZR-202(中距離レーザー)
弾数:1200
連射速度:60発/秒
火力指数:12
有効射程距離:120m
精度:S
チャージ時間:2.5秒
消費エネルギー:30%

出力が向上した高性能レーザー・ライフル



装備:E5プラズマ・ランチャー(範囲攻撃兵器)

連射速度:1発/秒
火力指数:520
有効射程距離:1200m
爆破範囲:半径15m
精度:B
消費エネルギー:21

E型プラズマ・ランチャー
射程が減少した代わりに、火力指数が倍に跳ね上がる。
爆破範囲も向上した


………………………………………

フォン……フォン………フォン………


ツバサ「うわぁー、UFOがうようよと浮いているわね」ワクワク

英玲奈「…おい、楽しんでいないか?」カチャッ

あんじゅ「ツバサ、景気付けに宣戦布告しちゃって~」キャッキャッ

ツバサ「任せて!おりゃああああ!!」ゴオッ…ズドォン


ボォオン……ガチャンッ


フォン…フォン……フォン…フォン…




ツバサ「さぁ、来たわよ!A,B,C,D隊員!近づいてきたUFOの露払いをお願いね!」カチャカチャ

隊員「了解!」ガチャッ

隊員たち「えいっ!」パパパパパッ

ボォオン………ガチャンッ

隊員たち「やった!撃墜しましたっ!」


ツバサ「偉いわっ!敵を全部倒した後で褒めてあげるから、それまでは頑張りましょう!」カチャカチャ…ゴオッ

隊員たち「はっ、はいぃ!//」


あんじゅ「うふふ、すっかりツバサの信者になってるわね~。それっ!」シュオオオオオオオオ


ボォオン……ガチャンッ



英玲奈「………遅い」スチャッ…パァン

ボォオン……ガチャンッ


………………

ツバサ「おらぁああああ!!」ドォン

ボォオン………ガチャンッ

英玲奈「よし、敵反応はあと1機だ。少し遠くにあるな…」

あんじゅ「じゃあ、私片付けてくるわね~」ウィイイイイイ


英玲奈「……またしても、私達が敵を壊滅させてしまったな。」


ツバサ「いいことじゃない!これが世界各国のEDF隊員のやる気に繋がっていけば、それは世界の希望に繋がるし、多くの人が助かると思う!そうなれば、私も嬉しいわ」ニコリ


英玲奈(……出世したいからとかではなく、これが本音だからなぁ。本当にツバサには頭が上がらないよ)




いやああああああああああ!!?


ツバサ・英玲奈「!?」

ツバサ「今の声はあんじゅ!?一体どうしたのっ!!」ダッ

英玲奈「くそっ!油断したっ!私たちも共に行動すべきだったのに……」ダッ


…………


あんじゅ「あぁ……あぁ………」ブルブル


ツバサ「あんじゅ!大丈夫!?一体何があったの!?」ガシッ


あんじゅ「あっ……あれっ………」ブルブル


ツバサ「あれっ……!!?」

英玲奈「ばっ、馬鹿なっ!?あ、ありえないっ!一体どうしてっ!?」








ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…





ツバサ「………………マザーシップ…」

隊員A「あれは2年前の大戦で撃墜したはずなのでは!?」ブルブル


隊員B「ま、まさか…新たなマザーシップが!?」


ツバサ「くそっ……最悪の事態よっ!」ザザッ…

ツバサ「こちらA-RISEのリーダー、綺羅ツバサ!応答願います!」


「はい、EDF欧州支部です!どうされましたか?」


ツバサ「緊急事態です!倫敦、地点51-08にて、2年前に撃墜したはずのマザーシップが出現しました!!」

「!?…そ、そんな……」


ツバサ「各国のEDFへ、大至急入電をお願いします!私たちは今から、自身の安全確保を最優先に、マザーシップの動向をできる限り確認して撤退します!」

「…りょ、了解しました。くれぐれも無茶はしないでください。」


ツバサ「了解!」ザザッ…

隊員たち「た、隊長…」ブルブル


ツバサ「…ごめんね、あなた達。怖いわよね。でも、私が側にいるから…最後まで、一緒にいてくれるかしら?」

隊員「……は、はい!」


ツバサ「ありがとう!みんな聞いて!マザーシップは私たちの兵力だけじゃ、とても太刀打ちできないわ!」

ツバサ「敵に気づかれないように、そして目を離さないように奴の動向を確認してから帰還し、欧州支部に報告します。いいですね?」


ツバサ以外「了解!」


……………………………………

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…


ツバサ「それにしても…あのマザーシップを1人で倒したとか…信じがたい話よね…」タッタッタッ


英玲奈「うむ……そうだな……」


あんじゅ「本当に人間なの~?」


ツバサ「!?…みんな、止まって!マザーシップの動きが止まったわ!」ピタッ


……キュイイイイイイイン


ツバサ「!?マズい!!みんな!今すぐ建物の陰に隠れてっ!急いでっ!!」












ツバサ「ジェノサイド砲が来るわよ!!」

カッ…………………ズドオオオオオオオ!!


グラグラグラッ………ブワッ!



ツバサ「きゃあああ!?」


英玲奈「くっ…まるで大地震でも起きたような衝撃だ!爆風も凄いっ!?」



メラメラメラメラッ………


あんじゅ「あぁ…街が……一瞬にして焦土に…」

英玲奈「…くそっ!これでは、2年前と何も変わらないではないかっ!!」




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……




ツバサ「……マザーシップめぇ!」ギリギリッ

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…


隊員C「あっ!またマザーシップが動き出しました!!」

隊員D「海上に向かって移動しています!」


ツバサ「……ここまでのようね」ザザッ…


ツバサ「こちら、A-RISEのリーダー、綺羅ツバサです。マザーシップが海上に向かって移動していきました。これ以上の追跡は不可能と判断。これより帰還します。」


「了解。周囲に警戒しながら、直ちに帰還してください。」


ツバサ「……了解」ザザッ



ツバサ「みんな、今日もお疲れさま。…じゃあ、今から帰還しましょう。」

ツバサ以外「了解!」


………………………

A-RISE 隊室

ツバサ「………私、何もできなかったわ…」はぁ

英玲奈「……珍しいな、お前が落ち込むなんて…」

ツバサ「私だって人間だもの…自分の無力さが…悔しい…」ギリッ


あんじゅ「…………………」


ツバサ「…ぃよしっ!決めたっ!!」パンッ


ツバサ「これからの訓練はもっと量を増やして、出撃回数も増やして、実力をつけましょう!」


ツバサ「確かに、私1人じゃ無理だけど、A-RISEならっ!このチームなら!マザーシップだっていずれ倒せるわよ!…みんな、頼りにしてるわよ!」ニコッ


隊員「た、隊長…!!」


あんじゅ「ふふっ、じゃあ私たちも頑張らないとね!」

英玲奈「あぁ…違いないな…」

………………………

この日、A-RISEの報告は、全世界に通達され、EDFには再び緊張が走った。


しかし、A-RISEもEDFも高坂穂乃果たちも、まだ誰も知らない事実が1つ。

そしてそれは、この最悪の事態を加速させていくのだ。




これから最も恐ろしい巨大生物が、地球上に投下されていくのだ。


episode3. 侵略者 再び end

episode4.巨獣

7月 下旬

第2中隊隊舎 訓練施設


穂乃果「…………」パァンパァン

穂乃果「……………」カチャカチャ


穂乃果(…訓練するにしても、何か具体的に目標を決めないとね…。)カチャカチャ


穂乃果(実戦で、絶対に役に立つ技術を身につける……それも、他の隊員が出来ないようなこと…)カチャカチャ


穂乃果(それを習得できれば、間違いなく戦力のUPに繋がる。…みんなを助けられる確率が大幅に上がる!)カチャカチャ




絵里「穂乃果、ちょっといい?」スタスタッ

穂乃果「ん?絵里ちゃん、どうしたの?」カチャカチャッ


絵里「穂乃果、さっきからリロードに何時までかかってるのよ?実戦では、敵はリロードを待ってくれないわよ?」


穂乃果「うっ……ごめんなさい…」シュン


絵里「怒ってないから謝らないでよー。あぁ、この武器はね。こうするといいのよ…っと」カチャカチャカチャンッ


穂乃果「えっ、うそ!もう終わったの!?これリロード時間が6.0秒って言われる武器だよ?絵里ちゃん、3.0秒くらいで終わらせちゃった!?」





絵里「あぁ…あんなものは、実戦だったら大して参考にならないわ。」

穂乃果「えっ!?どういうこと?」

絵里「充填時間は、実際に『リロードするだけ』の実験を、何度も、色んな隊員にやらせて得られた平均的に算出された時間なわけ。」


絵里「当然、そのタイムより遅い人も居るわけだし、当然速い人だっているでしょうね。…まぁ、おおよその目安にしかならないのよ。」


穂乃果「な、なるほど…?」



絵里「それに、実戦ではリロードの時にも、周囲の敵や味方の状況も確認しつつ、それに応じて行動を変更しなきゃいけないこともあるわけでしょ?そんな状況で、目安通りのタイムでリロード出来る人なんていないんじゃないかしら?」


穂乃果「た、確かに…」ゴクリ

絵里「……だけどね、リロード時間とは言ってしまえば、敵に与える反撃の時間だと思ってるわ。当然、その時間が短いに越したことはないの。」


絵里「だから私は決めているの。『全ての武器のリロードを、目安の時間の半分以内で終わらせる』…ってね。それが実戦でも行えるようになれば、仲間への被害率を少なくできることに繋がる…そう思ってるから。」



穂乃果「!!…絵里ちゃん、凄い!本当に凄いよっ!」

絵里「ふふっ、ありがとね!私は一応、こういうのが好きだし、得意だから出来るんだと思うの。……穂乃果も何か光る技術を見つけれるといいわね。」


穂乃果「うん!ありがとうございます!!」

絵里「ふふっ、じゃあ頑張ってね」フリフリ


…………………………

ことり「ちゅんっ!」ウィイイイイイ スタッ

にこ(……やっぱり、飛行ユニットでの旋回技術、それと対象物への接近、離脱、着地も含めて無駄がほとんどない。


…ぶっちゃけ、私より上手い…マジかよヘコむわぁ…)


にこ(…まぁ、だからレイピア渡されたんでしょうけど。…メンタル面を克服出来れば、きっと相当な戦力になるわ。)

にこ(それは実戦でしかなかなか身につけられないから、今鍛えるべきなのは…)

にこ「ことり!集合!」

ことり「はいっ!」ウィイイイイイ…スタッ




にこ「さて、ちょっと聞きたいんだけど……ことりは、ペイルウイングに最も必要な資質は何だと思う?」

ことり「えっ?うーん…やっぱり飛行技術…かなぁ?ペイルウイングの取り柄だし…強いペイルウイングの隊員さんに、飛行が下手な人居ないと思うの。」


にこ「…そうね。それも確かに重要な資質だと思うわ。ぶっちゃけ、それに関しては…私よりあんたの方が上手いくらいよ。自信持っていいわ。」

ことり「ふぇっ!?……そんな…//」テレッ



にこ「……でもね、にこはそれが1番ではないと思ってるの。」

ことり「えっ?…じゃあ1番って…?」








にこ「危機回避能力…私は、そう思ってるわ」

にこ「知っての通り、ペイルウイングは飛行するために、できるだけ装備の軽量化をしているわ。そうじゃないと、飛行するだけで無駄にエネルギーを消費してしまうからね。」


にこ「だから、陸戦兵より薄い装甲を余儀なくされるの。そのせいで、敵からの攻撃をモロにくらって、生身の部分に被害が起きやすい。で、攻撃食らったら…1発でお終い」


ことり「……………」ゴクリ


にこ「だからね、周囲の敵や味方の位置・敵の攻撃予測と回避・現在の武器の弾数・エネルギー残量・エナジーゲージの回復時間・飛行する場合は、そこまでに消費されるだろうエネルギー量の予測…


…とかたくさんのことを瞬時に判断して、適切な行動を行う。それが危機回避能力だと考えるわ」


ことり「ふぇ~、頭がこんがらがっちゃうよぉ~」プシュ~

にこ「まぁ、にこもそんなの実戦で考えてる余裕なんて無いと思う……だとしたら、それが脊髄反射レベルで出来るくらいに、体に刷り込むしかないと思うわ。」


にこ「というわけで、まずは目先の訓練から。とやかく考えても結局のところ、攻撃避けれなかったら意味ないんだし。」カチャカチャ

にこ「今からあんたを、この特性ペイント弾ライフルで狙撃していくから、全て回避しなさい。いいわね?」



ことり「…はいっ!よろしくお願いしますっ!!」

…………………………………

海未(私にできること……私の得意なこと……)

海未(うーむ、何があるでしょう…)


希「あら?海未ちゃん、何か考えごと?」


海未「希…いえ、私の得意なことは何かと考えていたんですが…」

希「…穂乃果ちゃんを指導することかな?」ニヤリ


海未「………希?」


希「やぁ、ちょっとした冗談やって。海未ちゃんってスナイパーライフルが得意なんじゃなかったっけ?」

海未「武器の中では…確かにそうなります。」


海未「しかし、ここまでの出撃はほとんどが多数の巨大生物。そうなると、スナイパーライフルを上手く生かせないと思うのです」


希「うーむ、そんな事もないとは思うけど…まぁ、海未ちゃんがそう感じるのなら、そうなんかなぁ?」


海未「なので、スナイパーライフルの技術とは別の…何か得意なことを見つけようかと…」

希「なるほど、そうやったんやね!いやぁ、海未ちゃんは真面目で偉いなぁ」

海未「いえいえ、希こそとても気配りが出来ていて、本当に尊敬します。」

希「やめてよぉ~、照れるやん//」





海未「…あ、そういえば聞いておきたいことがありました。…希は、戦場において、どこを見ているのですか?」

希「……は?」

海未「あ、いえ…この前の地下洞での穂乃果と私。そして、初めて巨大生物を相手に戦うという意味では、希も私たちと同じはずでした。」


海未「気配りができる希こそかもしれませんが……巨大生物しか見えてなかった私たちと違い、希は、私たちの射撃やリロードまで見えていた。」


海未「一体あの時、希はどこを見ていたのか。何を考えていたのかが気になりまして…」


希「そうなんやぁ。うーん、別にあんま難しいこと考えてないんだけどなぁ…」

希「…でも、視界には必ず『味方と』敵を入れるようにはしてるかなぁ?」

希「ウチはどちらかと言ったら、前を切り拓いていくよりも、その後ろからみんなのサポートに徹する方が性に合ってると思ってる。この前も言った役割ってやつ?」


希「で、その役割を考えるんであれば、仲間を視界から外したら、フォローができない。そこで仲間は死んでしまうかもしれない。だから、仲間も常に視界には入れるようにしているかな?敵を視界から外さないのは当たり前だしね。」


海未「な、なるほど…」



希「要は、ウチは視野を広くするために、みんなをサポートするために、基本的に一歩退いて戦うスタイルってやつなんや!………ってことが答えでいいかな?」アセアセッ


海未「はいっ!ご指導ありがとうございました!」

希「えーよー!また何かあったら聞いてねー」フリフリ

海未(………広い視野…希ほどでなくても、私もそれなりに持っていると思います。これは戦場において、有利になることは間違いありません。)

海未(これを生かしたプラスアルファの技術!それも実戦向きの…それを身につけることができれば……穂乃果やことりを守れる存在になれる!)


海未(広い視野を活かしたスタイル……私らしいスタイル…多数の巨大生物戦でも役立てれる…)



ザザッ…


理事長「第9小隊に緊急連絡!!地点35-138、東京郊外にて、超巨大生物が出現!2年前にも確認した宇宙生物ソラスです!至急、現場に出撃して下さい。」


絵里「了解!」ザザッ…


絵里「みんなっ!訓練中止!!隊室に戻り、戦闘準備をするわよ!急いでっ!」ダッ

絵里以外「了解!」ダッ

…………………


【高坂穂乃果】 26期生

兵種:陸戦兵

装備:ゴリアス-R(ロケットランチャー)
弾数:10
連射速度:3発/秒
火力指数:100
充填時間:1.5秒
爆破範囲:半径2m
精度:B+
有効射程距離:3000m

装備:SG-5(ショットガン)
弾数:8
連射速度:1発/秒
火力指数:18×20
充填時間:4秒
有効射程距離:70m
集弾率:E



【園田海未】 26期生

兵種:陸戦兵

装備:AS-18R(アサルトライフル)

弾数:200
連射速度:30発/秒
火力指数:5
充填時間:2.5秒
有効射程距離:120m
精度:B

装備:SNR-228(スナイパーライフル)

弾数:7
連射速度:0.6発/秒
火力指数:190
充填時間:2.0秒
有効射程距離:600m?
精度:A-
ズーム:6倍

スナイパーライフル『SNRシリーズ』
6倍ズームのスコープを装備
対単体であるため、今回はスナイパーライフルを装備

【南ことり】 26期生

兵種:ペイルウイング

装備:レイピア(近距離兵器)

弾数:500
連射速度:60発/秒
火力指数:3×6
有効射程距離:30m
精度:G
チャージ時間:0.5秒
消費エネルギー:25%

装備:エクレール10(中距離兵器:雷撃)

弾数:1
連射速度:1発/秒
火力指数:8×10
有効射程:140m
精度:D
チャージ時間:1.0秒
消費エネルギー:3%



【絢瀬絵里】25期生

兵種:陸戦兵

装備:AS-22(アサルトライフル)
弾数:140
連射速度:12発/秒
火力指数:92
充填時間:2.0秒
有効射程距離:180m
精度:A

装備:かんしゃく玉4号(特殊兵器)
起爆条件:接触
起爆時間:-----
火力指数:90×60
爆破範囲:半径1m


正式名称『スプレッド・グレネード』
元は花火のかんしゃく玉から着想を得た。
超小型のグレネード60個を敵に投げつける。
対集団に対しては不向きな兵器。
単体相手には恐ろしい火力を叩き出せる。


【矢澤にこ】 25期生

兵種:ペイルウイング

装備:イクシオン6WAY(中距離兵器:粒子砲)
連射速度:10発/秒
火力指数:30×6
有効射程距離:170m
精度:A
消費エネルギー:1.1%


装備:レーザーランスRカスタム(近距離兵器)
弾数:15
連射速度:2発/秒
火力指数:400
有効射程距離:49m
精度:B-
チャージ時間:3.0秒
消費エネルギー:20%



【東條希】 25期生

兵種:ペイルウイング

装備:サンダーボウ20(中距離兵器:雷撃)
弾数:20
連射速度:1発/秒
火力指数:30×20
有効射程距離:140m
精度:C
チャージ時間:3.0秒
消費エネルギー:63%

装備:サイ・ブレード(誘導兵器)
連射速度:0.5発/秒
火力指数:600
有効射程距離:6000m
誘導性:S
消費エネルギー:40%
爆破範囲:半径12m

思念誘導兵器。簡単に言えば、光のミサイル。
発射後、1秒間直進し、高速旋回で敵へと飛行していく。


………………………………………

東京 郊外


ギャオオオオオオオオオ……

ボォォォォォオオオオオ


絵里「あれが……ソラス…」ゴクリ


海未「初めて見ましたが…巨大生物なんて目じゃないくらいの大きさですね。街が燃やされてしまってます…」


ことり「………………」ブルブル


にこ「ことり…大丈夫。私がついてるから…。」ポンッ

ことり「うん…今度こそ…大丈夫。にこちゃん、ありがとう。」




穂乃果「マズいよ、絵里ちゃん!ソラスが東京中心部に向かって進んでるよ!」

絵里「そうね、あまり時間もないわ…では、これより極東部隊第9小隊、ソラス掃討作戦を開始します!」

絵里「この後、指示した位置に海未、希、穂乃果は速やかに移動。合図があるまで待機」


3人「はいっ!」


絵里「私は、ソラスの標的を私1人だけに誘導します。そのために、ソラスの半径10m圏内で、かんしゃく玉を投げて、戦闘を開始します。そこからは、3人には援護射撃をお願いするわ!」

3人「了解!」



絵里「そして、ことりとにこ。あなたたちがこの作戦で最も重要よ。」

絵里「2人は、ソラスに絶対気づかれないように、常にソラスの後ろをとること。」


絵里「そして、私が合図を出したら、3人は援護射撃を中止。2人は、一気に背中まで飛んできて、近距離兵器を叩き込む。この作戦でいきます。いいわね?」


穂乃果「ん?……ちょっと待って!よく考えたらそれ、絵里ちゃんがすごく危ないよねっ!?大丈夫なのっ!?」アセアセッ

絵里「……正直な話、心臓が異様に跳ねているわ。私だって怖い。」


絵里「…でもね、私だったらできる…その自信はあるの!このメンバーで、この役を引き受けれるのは、私しかいない。」


絵里「それに言ったわよね?あなたたち…25期生も守ってくれるって…ね!頼りにしてるわよ!」ニコリ


穂乃果・海未・ことり「!!………はいっ!」




絵里「それでは各員!戦闘配置へと移動!」

絵里以外「はいっ!」ダッ




絵里(ふぅ……頑張れ、絢瀬絵里!!)顔パァン

絵里「よしっ!気合い入ったぁ!行くわよ!!」タッタッタッ


……………………………

穂乃果「こちら穂乃果。配置に着いたよ!」ザザッ

海未「こちら海未。同じく。」ザザッ

希「ウチもや。オッケーやで!」ザザッ

にこ・ことり「こちらも大丈夫です!絵里ちゃん頑張って!」



絵里「これより戦闘を開始します。ミッションスタートォ!!」ビュンッ


バババババンッ…

ギャアアアアアアアア…

穂乃果「くらえっ!」ガチャッ…ゴオッ


海未「………そこっ!」スチャッ…パァン


希「絵里ちに怪我はさせへんよ!」ズドォン



ボォオン…

…ギャアアアアアアアア!!?



絵里「悪いけど、さっさと決めさせてもらうわよ!」タタタタッ ビュンッ


バババババンッ…

…ギャアアアアアアアア…

ことり「すごいっ!あんな超巨大生物が怯んでるっ!」

にこ「良い武器使ってるのもあるけど、使いこなせる技術と度胸……さすがは絵里ってとこかしらね……」



希「良い調子や……これなら、ソラスも倒せ……!?」カチッ…ズドォン



絵里「さぁ!そのままやられてちょうだい!」タタタタッ ビュンッ




希「絵里ちあかんっ!緊急回避!!急いでっ!」ザザッ…

ギャアアアアアアアア …

ズシンッ ズシンッ ズシンッズシンッ!!

絵里「!?なっ、突進!?ヤバい…回避が間に合わなっ…」ダッ

















ことり・にこ「絵里ぃぃぃ(ちゃぁぁぁん)!!」ウィイイイイイ

絵里「なっ!?あなたたちっ!!」



ことり「やぁっ!!」シュオオオオオオオオ

にこ「レーザーランスッ!!」キュイイイイイ


…ギャアアアアアアアア!!


ことり・にこ「いっけえぇえええええ!!」シュオオオオオオオオ



絵里「これでおしまいよっ!!」ビュンッ


バババババンッ




ギャアアアアアアアア………フラッ

絵里「!?倒れてくるっ!!」クルックルッ


…ズシャア…………………



ことり「や…やったの……?」ウィイイイイイ スタッ



にこ「ええ…動かない……。やった、やったわ!ことり!私たち、超巨大生物倒せたのよっ!!」キャッキャッ


ことり「うん…うんっ!!やったぁ!私たちソラスを倒せたぁ!!」キャッキャッ

希「まったく…ソラスの突進を見抜けないなんて…絵里ち、ずいぶん判断力鈍ってない?油断こそ敵やっていつも言ってるのに。」くどくど

絵里「う、弁解のしようがありません…」





希「……………ほんとに、ほんとに心配したんだからね…」ウルウルッ

絵里「……ごめんなさい。これからはできる限り無茶を控えるから…」ダキッ




穂乃果「…なんか…あれだね……」

海未「ええ…そうですね……」

穂乃果・海未(私たち大して良いところがなかった…)ドヨ~ン

………………………

絵里「こちら第9小隊。宇宙生物ソラスの撃破に成功しました。これより帰還します。」ザザッ…


理事長「了解。周囲に警戒し、速やかに帰還して下さい。」

絵里「了解!」ザザッ…



絵里「ではみんなお疲れ様。まずはみんなに心配かけて本当にごめんなさい!」


絵里「ことり、にこ。あなた達は、合図なしにソラスに突撃した。これは命令違反ではあるけど……そのおかげで私は助かったわ。ありがとう。」


絵里「特に、ことり…あれだけの超巨大生物に突っ込んでいく勇気……頑張ったわね。宣言通り、私を守ってくれてありがとう。」ニコリ

ことり「……うんっ!」



絵里「それじゃあ、帰還するわよっ!」

絵里以外「了解!」

…………………………

8月上旬 英国


最凶の巨大生物が襲来する-----


「異常事態発令!異常事態発令!欧州支部全隊員に告ぐ。巨大生物の掃討に向かった第2小隊が音信不通!全滅の可能性あり!繰り返す!」









英玲奈「なっ………!?」

あんじゅ「全滅……!?」


ツバサ「…い、一体何が起こったの…!?」


episode4. 巨獣 end

本日はここまでです。

コメントありがとうございました。
更新遅れましたが、これからも更新したいと思います。

episode5. 多眼の凶虫 空母襲来

英国 倫敦

第3小隊隊室


「第2小隊が音信不通!全滅の可能性あり!第1中隊全隊、地点51-06に出撃せよ!」


ツバサ「みんな!急いで準備して!!行くわよっ!」

ツバサ以外「はいっ!」

………………………………


【綺羅ツバサ】 25期生

兵種:陸戦兵

装備: エメロードM-2(ミサイル)
弾数:4
連射速度:1発/秒
火力指数:400
充填時間:2.0秒
爆破範囲:半径7m
誘導性:A

装備: ゴリアス-SSS (ロケットランチャー)
弾数:1
火力指数:2500
充填時間:4.0秒
爆破範囲:半径20m
精度:A+
ズーム:3倍


【統堂英玲奈】 25期生

兵種:陸戦兵

装備: SNR-230改(スナイパーライフル)
弾数:10
火力指数:400
連射速度:1.1発/秒
充填時間 3.0秒
有効射程距離:600m
精度:S
ズーム:4倍


装備:AS-21RL(アサルトライフル)
弾数:250
火力指数:33
連射速度:30発/秒
充填時間:5.0秒
有効射程距離:200m
精度:B+


【優木あんじゅ】 25期生

兵種:ペイルウイング

装備:LAZR-202(中距離レーザー)
弾数:1200
連射速度:60発/秒
火力指数:12
有効射程距離:120m
精度:S
チャージ時間:2.5秒
消費エネルギー:30%


装備:E5プラズマ・ランチャー(範囲攻撃兵器)

連射速度:1発/秒
火力指数:520
有効射程距離:1200m
爆破範囲:半径15m
精度:B
消費エネルギー:21%

……………………………………

ツバサ「いい!?もうすぐ現場に着くけど、敵の正体は不明!第2小隊が報告も出来ず、全滅させられた と仮定すれば、相当な戦力よ!絶対に油断しないこと!いいわね!」タッタッタッ


ツバサ以外「了解!」タッタッタッ


ツバサ「着くわよ!」タッタッタッ ザッ…






ゴゴゴゴゴ…






ツバサ「え………何……これ………」ゾクッ

英玲奈「なんだこれは!?……糸……なのか…?」

あんじゅ「街中の至る所に、謎の糸が絡まってるわ…気味悪い……」


隊員A「きゃあああああああ!?」

ツバサ「何!どうしたの!?」

隊員A「あれっ…あそこにぃ……人が…人が糸に!糸に巻かれて死んでいますっ!!」ブルブル


ツバサ「!?…そっ、総員!レーダーを確認!!すぐにっ!」

英玲奈「!?ツバサ、マズイぞ!!周りに凄い数の敵反応がっ!!」カチャッ














ォォ…ォォ……ォォ……ォォ…………

ツバサ「みんな……私の後ろに下がっていなさい」カチャッ

隊員「はいっ…」


ツバサ「……………………」ドクンッドクンッドクンッ…




ォォ…ォォ…


ツバサ「……そこっ!!」ゴォッ


ドォン ボフッ…


……ァ゛ァ゛…………ゴロッ………




ツバサ「!!…蜘蛛っ!?…蜘蛛の巨大生物!!」カチャッカチャッ

あんじゅ「じゃあ、この街中の糸の正体はっ!」


ォォ…ォォ…ォォ…ォォ… ピョンッ


英玲奈「いけない!今の攻撃で、こちらに向かってくる!」

あんじゅ「蜘蛛が、ジャンプして近づいてくるわっ!!速い!?」


スタッ ……ォォ……ォォ………


ツバサ「!?き、緊急回避ぃ!」クルクルッ


…ォォ……パシュシュシュシュッ





英玲奈「腹から糸を発射してきたぞっ!?」クルクルッ


隊員D「きゃあああああ!?」グルグルッ

ツバサ「D隊員!?」


隊員D「やだっ!足に糸が絡んでっ、糸が地面ともひっついて動けない!っ!?……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?痛い痛い痛いぃ!!足が…焼けるように痛いい゛い゛い゛!たすげでえ゛え゛え゛え゛!」ジタバタ

あんじゅ「暴れちゃダメッ!糸が余計に絡まるわ!!」カチャッ

英玲奈「まさかっ…!あの糸にも強力な酸が!?なんてことだ!」

ツバサ「待ってて!今助けに行くからっ!!」ダッ


ォォ……ォォ……ォォ……ピョンッ









ツバサ「邪魔だぁ!どけぇぇえ!!」ゴォッ

……ドォン…………ァ゛ァ゛…

英玲奈「ツバサ!急げ!」……パァン

あんじゅ「お願いっ!早くっ!」シュオオオオオオオオ

………ァ゛ァ゛……ァ゛ァ゛… バタリッ


……ォォ…ォォ…ォォ…ォォ…ピョンピョンッ


ツバサ「くそっ!くそぉっ!あとちょっとで助けにいけるのに、次から次へとっ!どきなさいよぉ!」カチャッカチャッ… ドォン


ォォ…ォォ…パシュシュシュシュッ…パシュシュシュシュッ…


隊員D「うぐぅっ!?ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」

隊員A「そ…そんなっ……」ブルブル

隊員B「全身が糸に巻かれて…あ、あれじゃあ…もう……」オロオロ


隊員D「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!だい゛ぢょ゛う゛……お゛ねがい゛だずげでえ゛え゛!!」





ツバサ「いやぁ…待ってぇ…助けに…行かせてよぉ…お願いぃ…」



ォォ…ォォ…ォォ…ジリジリ…


隊員D「いやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛近づいてこないでえ゛え゛え゛え゛え゛!怖いぃ゛隊長!た゛い゛ぢょう!わだじ、じにだぐな






ガブッ …グチュッ…

隊員D「ぎぃ゛い゛い゛あ゛あ゛あ゛……」ゴフッ


ガブッ ガブッ…


隊員C「そ、そんなぁ……うぷっ…お、おぇえ…」ビシャッ

隊員A「や……あぁ…ああぁ……!」ポロポロ



ガブッ グチュッ グチュッ…



隊員D「……た…い……ちょ……









………ご…め……な………さ……」ガクッ












ツバサ「うわああああああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?」



………………………………

同時刻 日本

第9小隊隊室

理事長「第9小隊に緊急連絡。東京、地点35-139の上空に大型母船を確認。巨大生物を投下される恐れがあり。至急、現地へ出撃し、大型母船を撃墜せよ。」


絵里「了解!」ザザッ

絵里「みんな、出撃準備!!」

絵里以外「はいっ!!」

……………………

【高坂穂乃果】 26期生

兵種:陸戦兵

装備:ゴリアス-2(ロケットランチャー)
弾数:5
連射速度:1発/秒
火力指数:350
充填時間:1.5秒
爆破範囲:半径7m
精度:B+
有効射程距離:3000m

ロケットランチャー『ゴリアスシリーズ』
ソラスの撃墜に成功した報酬として、本部から第9小隊に、性能の良い武器を支給された。

装備:SG-6(ショットガン)
弾数:8
連射速度:1発/秒
火力指数:40×15
充填時間:4秒
有効射程距離:150m
集弾率:A-


【園田海未】26期生

兵種:陸戦兵

装備:AS-20(アサルトライフル)

弾数:120
連射速度:15発/秒
火力指数:20
充填時間:2.0秒
有効射程距離:150m
精度:B

前武器よりもほぼ全ての性能が向上

装備:SNR-230(スナイパーライフル)

弾数:8
連射速度:0.6発/秒
火力指数:400
充填時間:3.0秒
有効射程距離:600m?
精度:S
ズーム:4倍

スナイパーライフル『SNRシリーズ』
今回は大型母船出撃とのことなので、狙撃担当

【南ことり】 26期生

兵種:ペイルウイング

装備:M3レイピア・スラスト(近距離兵器)

弾数:600
連射速度:60発/秒
火力指数:9×6
有効射程距離:30m
精度:B-
チャージ時間:0.5秒
消費エネルギー:22%

出力を正面に集中させて単対破壊能力を向上させた、スラスト型のレイピア


装備:イズナーDカスタム(中距離兵器:雷撃)

弾数:165
連射速度:15発/秒
火力指数:40
有効射程:100m
精度:A
チャージ時間:3.0秒
消費エネルギー:48%

連鎖電撃銃の『イズナーシリーズ』
電撃は何かに命中すると、対象にダメージを与えつつも有効射程限界まで伸びていく。
要は、貫通性能を持つ稲妻のショットガン。
非常に優秀な武器。

【絢瀬絵里】25期生

兵種:陸戦兵

装備:AS-22RR(アサルトライフル)
弾数:999
連射速度:60発/秒
火力指数:25
充填時間:3.0秒
有効射程距離:140m
精度:B

『ASシリーズ』で最高の連射性能を誇る武器の1つ。

装備:GランチャーUM-4A(特殊兵器)
弾数:1
連射速度:-----
火力指数:2000
充填時間:3.0秒
起爆条件:接触
起爆時間:-----
爆破範囲:半径20m

絶大なる破壊力を持ったグレネードランチャー。
爆破範囲がかなり広いため、近距離での使用は危険


【矢澤にこ】 25期生

兵種:ペイルウイング

装備:イクシオン6WAY-S(中距離兵器:粒子砲)
連射速度:10発/秒
火力指数:55×6
有効射程距離:170m
精度:A
消費エネルギー:1.1%

前武器の粒子1発の破壊力を高めている。
また、拡散範囲を絞り、破壊力を集中させている。

装備:レーザーランスC(近距離兵器)
弾数:10
連射速度:1発/秒
火力指数:1200
有効射程距離:35m
精度:SSS
チャージ時間:2.0秒
消費エネルギー:25%


【東條希】 25期生

兵種:ペイルウイング

装備:サンダーボウ20R(中距離兵器:雷撃)
弾数:24
連射速度:2発/秒
火力指数:25×20
有効射程距離:140m
精度:D+
チャージ時間:3.0秒
消費エネルギー:71%

装備:LRSL-38(狙撃兵器)
連射速度:60発/秒
火力指数:8
有効射程距離:600m
誘導性:S
消費エネルギー:0.2%
ズーム:7倍

ペイルウイング用の狙撃兵器、ロングレンジ・レーザー銃『LRSLシリーズ』
優木あんじゅが使用しているのは中距離レーザー。こちらは遠距離。
秒間12%のエネルギー消費で、敵に全弾命中すると、480の火力指数を叩きこむことになる。
今回は、大型母船の狙撃用に持参


………………………………………

市街地


絵里「さぁ、上空に母船が見えてきたわよ!3機、300mはあるかしら……穂乃果、海未、希!撃墜よろしく!!」




穂乃果・海未・希「了解!」ガチャッ



穂乃果「くらえっ!!」ゴォッ …ドォン

海未「………………」スチャッ………パァン

希「早く倒さんとな…」シュオオオオオオオオ

ゥィィィィ……ボトボトボトッ


ことり「あ!母船が巨大生物を投下し始めたよ!」


希「そうみたいやね!」シュオオオオオオオオ


海未「!?…みなさん、聞いてください!今、スコープを通して狙撃していたので見えたのですが、今までに確認したことのない種類の巨大生物が投下されました!!」


絵里「何ですって!?どういうこと!?」





海未「今までの巨大な蟻と違い、その姿は……まるで蜘蛛でした!」


にこ「蜘蛛型の巨大生物なんて聞いたことないわよ!?」

ォォ…ォォ……ォォ…ォォ…ォォ…ピョンピョンッ


穂乃果「わっ!?遠くからジャンプして、もうこっちに向かってきてるよ!?」

ことり「ひぃっ!?蟻以上に気持ち悪いぃ」ビクビクッ


絵里「まずいわ!新種の巨大生物が何をするか分からない以上、相手に接近させちゃダメよ!ことり、にこ!今回は中距離兵器だけで戦いなさい!」



ことり・にこ「了解!」ガチャッ

絵里「穂乃果・海未・希!これ以上、新種の巨大生物を投下されるのは危険だから、最優先で母船を撃墜して!巨大生物は、私たちがカバーするわ!」


穂乃果「うんっ!」ゴォッ…ドォン

希「分かっとる!早く…早く!!」シュオオオオオオオオ


ボォン……ゴゴゴゴゴ……


希「よしっ!1機撃墜したで!」




ォォ……ォォ……ピョンッ


絵里「悪いけど、吹き飛びなさい」カチャッ…シュボッ



ドゴォォォォオオ!!……ァ゛ァ゛ァ゛…



ことり「えぇーい!!」バリバリバリッ

にこ「本当に不気味なやつらね…」パパパパパパパパパッ


…ァ゛ァ゛……ァ゛ァ゛…

絵里「こちら第9小隊、絢瀬絵里!応答を願います!」ザザッ

理事長「はい、どうされましたか?」

絵里「現在、母船と巨大生物との交戦中!また、母船から投下された巨大生物は未確認のものです!新種です!能力は現在のところ、不明です!」ドドドドドッ

理事長「了解。敵新勢力に警戒し、母船と巨大生物を撃墜せよ。」

絵里「了解!」ザザッ



海未「………………やあっ!」パァン


ボォン……ゴゴゴゴゴ……

海未「母船の2機目、撃墜しました!!」




穂乃果「はぁっ!!」ゴォッ ドォン


ボォン…ゴゴゴゴゴ……


穂乃果「よぉし!私も3機目撃墜したよっ!」カチャッカチャッ




ォォ……ォォ……ピョンッ



海未「!?穂乃果ぁ!後ろ!!」


穂乃果「え…………?」クルッ

スタッ……ォォ…ォォ…グッ

ことり「いつのまにっ!?…危ないっ!穂乃果ちゃんっ!!」ウィイイイイイ


あ……まずい……何かくる……

リロードに気を取られて……気づくのが……

早く緊急回避しないと…早く…早く…避けなきゃっ…



ォォ…シュパパパパッ……


間に合え…間に合えぇぇ…


ダッ……ベチャァ


穂乃果「…うわぁ!?足がぁ!!」グイッ

ォォ……ォォ…グッ……


海未「穂乃果ぁ!」スチャッ……パァン


…ァ゛ァ゛……バタッ……

穂乃果「うわぁーん、糸が靴に引っかかって動けないよぉ~」アセアセッ


靴 シュウウゥゥ

穂乃果「って、うわぁ!?靴が溶け始めてる!?」ビクッ



絵里「!?…糸に触らないように靴を脱いでっ!早く!」



穂乃果「あわわわわ!」アセアセッ ヌギッ


シュウウゥゥ……

穂乃果「はぁ……はぁ……助かったぁ。海未ちゃん…本当ありがとう…」

海未「いえ……穂乃果が無事で…良かったです」グッ


ことり「穂乃果ちゃぁ~ん!びっくりしたよぉ~」ダキッ


穂乃果「ことりちゃん、心配かけてごめんねぇ~」ギュウッ



ォォ……ォォ…ォォ………


希「強酸性の糸……しかも糸に絡まると動きを封じられる……そしてジャンプによる素早い移動……なるほど、厄介な巨大生物やね。にこっち。」ウィイイイイイ




にこ「ええ、そうね………近づかれたら、ね。」ガチャッ




絵里「みんな!蜘蛛の糸は想像以上に厄介よ!この巨大生物は今まで以上に、近づかれる前に必ず叩く!いいわね?」ガチャッ

絵里以外「はい!」ガチャッ


ドォン ……ァ゛ァ゛……


……………………………

……ザザッ……


絵里「こちら、第9小隊。母船および新型巨大生物の殲滅、遂行しました。」

理事長「了解しました、お疲れ様です。これから撃墜した母船の部品を回収するため、物資回収班の車両を数十台現地に派遣します。そのため、回収班の護衛をしつつ、その車両に乗ってこちらに帰還すると良いでしょう。」

絵里「了解です!」ザザッ



絵里「みんな、この後ここに物資回収班が来るみたいだから、今日はその護衛をしつつ車に乗せてもらって帰るわよ」

絵里以外「了解!」


……………………

物資回収班

ミカ「やっほー!穂乃果ちゃん、海未ちゃん、ことりちゃん!お疲れさまー!!」フリフリ

穂乃果「おお、ミカちゃん!おつかれさまー!って、車がとんでもなくでっかい!?」フリフリ


ミカ「……母船の部品を集めなきゃいけないからねー。あとこの大きさの車が30台くらい来るんじゃない?」

穂乃果「えぇーー!?」

………

穂乃果「そういえば、母船の部品を集めるって言ってたけど、集めて何をするの?」

ミカ「あぁ、母船で集めた部品は全て、技術部隊の方へ回すの。だから、フミコのところに集めるんだよ。」


穂乃果「へぇ~、そうなんだ!」フムフム

ミカ「その部品を解析・研究・応用して、ペイルウイングの飛行ユニットを作ったり、ペイルウイングの新兵器を開発したりするんだよ。」

穂乃果「そうだったんだぁ!知らなかったぁ」

ミカ「だから、UFOや母船との戦闘の時は、物資回収班が戦闘後に現地に派遣されるようになったの。正直、今の人間の技術じゃ作り方が確立されてないような部品もあって、それがペイルウイングの武器や装備開発に必要だから、集めなきゃいけないの」

穂乃果「ほぇ~、大変なんだねぇ」フムフム

ミカ「今回の第9小隊はお手柄だよ!これで新しい武器とかが作れるんだからね!だからまた良い武器や装備が、今回の報酬として渡されるんじゃないかな?」ニコリ

穂乃果「おお!!やったぁ!!」ウキウキ


……………………………

極東支部

理事長「今回もおつかれさまです。絢瀬隊長、新型生物の写真および情報の提供ありがとうございます。これは、各国EDFおよび全世界に向けても発信しました。」

絵里「いえ。」ペコリ


理事長「どうやら、欧州部隊では今回の新型巨大生物による大きな被害が出た模様です。他の支部からの連絡がまだですが、対策を練る必要がありますね。」

理事長「装備や兵器による対策…特に、厄介な糸…について上層部と議論していきます。はぁ…地底突入作戦も停滞してるし……頭が痛いわ…」

理事長「とりあえずこれで解散とします。」


……………………

第9小隊隊室


穂乃果「…………う~~ん」ムムムッ


海未「…穂乃果、どうしたのですか?考え事ですか?」

穂乃果「あぁ、海未ちゃん。今日はありがとね。ほんと助かったよ!」ニコリ

海未「いえ、穂乃果が無事で何よりです」スッ

穂乃果「うーんとね、この前訓練していた時にね。絵里ちゃんから『敵はリロードを待ってくれない』って教えてもらって、今日がまさにそんな感じだったなぁ…って実感させられたの」

海未「…なるほど。」フムフム


穂乃果「あの時、本当に緊急回避で咄嗟の一歩が出たから良かったんだけど……あの時、全く動けなかったら……穂乃果、下手したら死んじゃってたかもしれない…と思うとね」ブルブル

海未「……穂乃果…」

穂乃果「それに、さっきことりちゃんともお話しててね?にこちゃんに教えてもらったみたいなんだけど、『ペイルウイングで最も大切な力は、危機回避能力だ!』って。

…でも、それはペイルウイングだけじゃなくて、きっと陸戦兵の私たちだってそうだろうと思うの。」


海未「確かにそうですね…。本当、絵里もにこも希も、ためになることを私たちに残してくれますね…」

穂乃果「ほんとだよー!!絵里ちゃんや、にこちゃん、希ちゃんが穂乃果たちの先輩で本当に良かったよぉ~」ニッコリ


海未「……間違いありませんね」クスッ


……………

…リロード時間とは言ってしまえば、敵に与える反撃の時間だと思ってるわ…


ペイルウイングに最も必要な資質とは危機回避能力だと考えているわ…







この2つ………確かにとても必要なこと…

もしこの2つを身につけられれば…

リロード…時間短縮……危機回避能力……緊急回避……


………!?

待って!………………も、もしも……


『緊急回避をしながら、正確なリロードを行うこと』が出来たとしたら………




……穂乃果、見つけた!!


………………………

英国 倫敦


ドォン………ァ゛ァ゛………



……ザザッ……


ツバサ「……こちら、A-RISE……巨大生物の殲滅、遂行しました。どうやら、敵は新型の巨大生物のようでした。」

「了解しました。任務おつかれさまです。情報ありがとうございます。どうやら、世界各地でも新型巨大生物が出現しているようです。」





ツバサ「そうですか……。あと、A-RISEのD隊員が…………殉職したことを……報告させて………いただきます。」

「!?…そう…でしたか……。」

ツバサ「はい…では、しばらくしてから帰還します。」ブツッ



ツバサ「…………」スタスタッ








隊員D「………………」




ツバサ「ごめんなさい……私は……あなたを…助けて……あげられなかった…」ツーッ

ツバサ「私……世界中の人々を……たくさん守りたいってぇ……でもっ……こんなっ…ぢかくのっ……私のっ!大事な…隊員さえ……うぅ…」ポロポロ


隊員A「た、隊長……うぐぅ…」ボロボロ

英玲奈「…………………」ツーッ

あんじゅ「……ツバサ…」ポロポロ



ツバサ「……ぐっ……!」ゴシゴシ



ツバサ「……みんな、D隊員に黙祷を捧げましょう」

英玲奈・あんじゅ・隊員たち「……………」


……………

後日

慰霊碑 前


ツバサ「……D隊員、私は以前、全員の前で話したことがあったわよね?」

ツバサ「『私1人じゃ無理だけど、A-RISEならっ!このチームならっ!いずれマザーシップも倒せる』って。……あなたとも、その平和な世界で一緒に居たかった…。」

英玲奈「…………………」

ツバサ「私たちは、平和な世界のために頑張ってきたあなたのその想いを、受け継いでいくわ。絶対にA-RISEとして、マザーシップを撃墜し、あなたに平和な世界を見せるとここに誓うわ…。」

ツバサ「だからね…どうかそこから私たちを見守っていてください…」スッ

英玲奈・あんじゅ・隊員「…………………」スッ





ツバサ「…さて、あなたたち。行きましょうか」スタスタッ

隊員たち「はいっ」スタスタッ

ツバサ(私はこれから、隊長として、部下の命を預かる者として……更なる力や技術を身につけなければならない!こんなことは2度と繰り返させない!!)



ツバサ(……絶対にやってやるわ!!)


新巨大生物の出現により、世界各地に大きな被害にみまわれた。

だが、敵が更なる進化を遂げていくように

人類の希望も

欧州部隊第3小隊、極東部隊第9小隊も、ここから目覚ましい進化を遂げていくのであった


episode5. 多眼の凶虫 空母襲来 end

更新が遅くなり申し訳ありませんでした。

以前のところまでは早めに更新するよう努めていきます

episode6.魔虫の塔

9月中旬

第2中隊隊舎 訓練施設


穂乃果「はぁっ!!」ドドドドドッ


穂乃果(たぶん…あと5秒……3,2,…弾切れ!)ドドドドッ カチッ

穂乃果「よっ!」クルックルッ カチャカチャッ

穂乃果(……緊急回避しながらのリロード……基本的には最大の目的は回避…だからリロードの方は無意識レベルでこなせないと意味がない……)クルッ カチャカチャッ





絵里「………ふむ」ジーッ

絵里(緊急回避しながらリロードを済ませる特訓……とはね。ペイルウイングは、弾切れになると武器がエネルギーユニットから自動チャージをしてくれるから、チャージに意識を取られて、敵から視線を外してしまう…なんてことはないんだけど…。)


絵里(陸戦兵のリロードは、どうしても意識が武器の方に取られがち…。そして緊急回避は、前方あるいは横方向への低空の跳び前転をするようなもの…。

確実に、転がってる時に敵から視線を外すことになる。だからこそ、反撃やその後の回避のことにも備えて、正しい方向感覚、敵の位置も含めた空間把握能力……その他にも、一瞬の判断力も求められる。)


絵里(その一瞬の回避の中で、リロードも同時にこなす……どちらも中途半端なレベルでない話なのであれば、そう簡単なことではない。)

絵里(だけど、私が知る限り……それを実戦の中で行えていたと言われる人物が1人……マザーシップを撃墜したと言われる伝説の英雄…。…ふふ、穂乃果。あなたはもう伝説の英雄に近づこうとしているのね。)


絵里「穂乃果がアレだけ頑張っているみたいですもの……。私も負けてられないわね!





本気で『倍速リロード』を……習得してみせるわ……。」スタスタッ


……………………………

ことり「ねぇ、にこちゃん。何でにこちゃんは粒子砲を使ってるの?」

にこ「いきなりどうしたのよ?」

ことり「いや、ことりもね、一通りは武器を試してみたけど…粒子砲って飛行してる時、なかなか安定して射撃できなかったから…中距離なら雷撃兵器でもいいんじゃないかなぁって思ったの」


にこ「大した理由なんてないわよ。1つは希と役割が被るから。一応、去年は希とあんじゅ っていうペイルウイングの子と同じ小隊だったからね。同隊のペイルウイング同士で同じ武器持っててどうすんのって話なわけよ」


ことり「なるほど、そうだったんだぁ!」

にこ「あと1つ。粒子砲の粒子って、小ちゃくて丸くて可愛いじゃない?なんか~、この可愛さはにこにぴったり!って思ったからにこ?」

ことり「……ふふっ、にこちゃんらしいね」クスクスッ



にこ「…それに、空中で使いにくいなら空中で使わなければいいの。飛行時には、レーザーランス使うことが多いからね。要は、使い分けが大事なのよ。」

にこ「それに、ペイルウイングって言っても、戦闘中常に宙に浮いているって訳でもないんだから、大人しく地に着いているときに使っとけばいいのよ。イクシオンはエネルギー効率が良い方の武器なんだから、飛行するときまでにエネルギーを使いすぎた!なんてことが少ないのよ。」



ことり「ほぇ~、さすがにこちゃん!勉強になるなぁ~」

にこ「…ま、まぁ?それほどでも、ないけどねぇ~//」ニヤニヤ


……………………………

海未(……人間の視界は、人体の正中線を基準に、左右に60°ずつ…つまり120°の範囲で立体的に捉えることができます。)

海未(もし、仮に私がその場から3m後退したとすると、もと居た場所の左右5.2mずつ…つまり横方向約10m分の視界をカバーできるということになるのですね……)


海未(みんなと一緒に敵と戦う中、私が一歩退くことで、仲間の視界のカバーができる。より、みんなを守ることにつながる…!)


海未(…しかし、退がれば当然その分みんなよりも、敵への距離が伸びますし、敵への着弾も遅くなります。)


海未(ということは、私が鍛えるべきは、より正確な精度の射撃と、誰にも負けない速射技術!)


海未(これが私の今、思いつく限りの、身につけたい技術です!……さて、これらの能力を鍛える特訓を考えてみましょうか…)ムムム


………

希「………みんな、頑張っとるなぁ」シャッシャッ

希「…………うわ…」ペラッ



XVI THE TOWER


希「……塔…か」

希「これ以上、悪いことが起こらんことを願うしかないなぁ…」


希「………いや、違うか」

希「これ以上、悪いことが起こらないように、ウチらが何とかせな…やな!」




希「ウチにできること……ウチも、自分の役割…みんなみたいに見つけないとね…」


……………………………

翌日


理事長「緊急事態。地点35-139、東京郊外に、巨大生物の巣が作られたとの情報。巨大生物がたった一晩で完成させたとのことです。現地へ出撃し、巣の破壊と周囲の巨大生物の殲滅をお願いします」


第9小隊「はいっ!」

……………………………………

【高坂穂乃果】 26期生

兵種:陸戦兵

装備:ゴリアス-2(ロケットランチャー)
弾数:5
連射速度:1発/秒
火力指数:350
充填時間:1.5秒
爆破範囲:半径7m
精度:B+
有効射程距離:3000m


装備:SG-6(ショットガン)
弾数:8
連射速度:1発/秒
火力指数:40×15
充填時間:4秒
有効射程距離:150m
集弾率:A-


【園田海未】26期生

兵種:陸戦兵

装備:AS-20(アサルトライフル)

弾数:120
連射速度:15発/秒
火力指数:20
充填時間:2.0秒
有効射程距離:150m
精度:B


装備:SNR-230(スナイパーライフル)

弾数:8
連射速度:0.6発/秒
火力指数:400
充填時間:3.0秒
有効射程距離:600m?
精度:S
ズーム:4倍

【南ことり】 26期生

兵種:ペイルウイング

装備:レイピアGスラスト(近距離兵器)

弾数:400
連射速度:60発/秒
火力指数:27×6
有効射程距離:36m
精度:C+
チャージ時間:1.0秒
消費エネルギー:12%

スラスト型レイピア
母船撃破とその残骸を利用し、技術部隊が新武器を開発。
全弾命中だとすると秒間9720の火力指数を叩き出せる。火力おかしい。

装備:イズナーEカスタム(中距離兵器:雷撃)

弾数:180
連射速度:20発/秒
火力指数:80
有効射程:100m
精度:A
チャージ時間:2.5秒
消費エネルギー:55%



【絢瀬絵里】25期生

兵種:陸戦兵

装備:AS-22RR(アサルトライフル)
弾数:999
連射速度:60発/秒
火力指数:25
充填時間:3.0秒
有効射程距離:140m
精度:B

装備:GランチャーUM-4A(特殊兵器)
弾数:1
連射速度:-----
火力指数:2000
充填時間:3.0秒
起爆条件:接触
起爆時間:-----
爆破範囲:半径20m

【矢澤にこ】 25期生

兵種:ペイルウイング

装備:イクシオン9WAY(中距離兵器:粒子砲)
連射速度:10発/秒
火力指数:45×9
有効射程距離:250m
精度:A
消費エネルギー:0.9%

9連装粒子バルカン
前方約60°の範囲に粒子の弾幕を張れる
射程も伸びたので、多数の敵相手に絶大な効果を誇る

装備:レーザーランスX(近距離兵器)
弾数:10
連射速度:1発/秒
火力指数:2700
有効射程距離:49m
精度:SSS
チャージ時間:3.0秒
消費エネルギー:20%



【東條希】 25期生

兵種:ペイルウイング

装備:サンダーボウ20R(中距離兵器:雷撃)
弾数:24
連射速度:2発/秒
火力指数:25×20
有効射程距離:140m
精度:D+
チャージ時間:3.0秒
消費エネルギー:71%

装備:サンダースナイパー6(狙撃兵器)
連射速度:0.9発/秒
火力指数:200×6
有効射程距離:600m
誘導性:A
消費エネルギー:24%
ズーム:8.0倍

6連装のサンダースナイパーライフル
エネルギー消費は高いが、1発の射撃で1200の火力指数を叩き出す。
今回は、巣の狙撃用に持参


………………………………………

東京郊外 住宅街


インセクトヒル ゴゴゴゴゴ…………………



穂乃果「うわぁ……あの巣でっかい……」ゴクリ

海未「あんなものが1夜で建ってしまうとは……恐ろしいですね…」


希「そうやな……さっさと壊さないとやね」ガチャリ

にこ「……あら?今日は随分とやる気みたいね?」

希「ふふ…そんな日もあるってことや♪」



絵里「…では、今回の作戦も、狙撃班と迎撃班に分かれます!希、穂乃果、海未は最優先で巣の破壊!終わり次第、巨大生物の迎撃に移行!」

希・穂乃果・海未「了解!」ザッ


絵里「私、にこ、ことりは反撃に来た巨大生物の殲滅!敵を狙撃班に近づけさせないため、こちらに注目させます!油断せず全力で叩くわよ!」

にこ・ことり「了解!」


……………

希(塔のカードを引いたと思ったら……インセクトヒルなんてなぁ…)


希(あんまり縁起が良くないし……ちょっと心配やなぁ……)

希「………ってあかん。あかん。ウチらしくない。」ブンブンッ


希(自分の役割……自分にできること……考えてみたけど、思い浮かんだのは1つだけやったなぁ……)

希(なら、やることは1つ!ウチにできることを全力でやるだけ!…絶対にこの第9小隊のみんなを守ってみせる!)




希「勝負や…THE TOWER………」



ゴゴゴゴゴ……

絵里「さぁ、狙撃班は配置に着いたかしら?」


穂乃果「大丈夫だよー!」

海未「こちらも問題ありません」


希「いつでもええよー!」

絵里「それじゃあ、3人とも!派手にお願い!ミッションスタートよっ!」


希・穂乃果・海未「了解!」ガチャッ


穂乃果「はぁっ!!」カチッ ゴォッ

海未「………………」スチャッ パァン

希「やぁ!!」カチッ…ズギュゥゥウン



……ドォン ギァァアアアアアアアアア…



ことり「…声がここまで聞こえてくるね…」

にこ「……どんだけデカイ声で鳴いてんのよ…」

バサバサバサバサバサバサバサバサバサバサ…

海未「…!?絵里!スコープ越しに確認しましたが、蟻の巨大生物がこちらに飛んで来ています!まるで羽蟻です!!」スチャッ パァン

絵理「羽蟻!?そんなの聞いたことが無いわよ!?」

にこ「げっ!?また新種なの!?」



バサバサバサバサバサバサバサバサ…


海未「しかも異常に速度が速いです!ペイルウイングと同じくらいの速度…下手したらそれ以上の速度で向かって来ています!」 スチャッ パァン


ことり「えぇっ!?」ビクッ

にこ「ことり!もうこっちに来たわよ!戦闘準備!」ガチャリ


ことり「はっ、はい!!」ガチャリ

バサバサバサバサバサバサバサバサバサバサ…


ことり「えいっ!」バリバリバリッ

にこ「くらいなさいっ!!」パパパパパパパッ



バサバサバサバサ… ギァァアアアアァア…ヒュウウゥ…スタッ…ヨロヨロ…

絵里「!?……」



ことり「あぁ~ん、あんまり当たんないよぉ~」バリバリバリッ

にこ(にこは粒子砲の銃口から約60°の範囲に拡散して発射されるから、ことりよりは当たってるけど…)パパパパパパパッ

絵里「ことり!これは地上の蟻と違って、左右だけじゃなく、上下まで不規則に動き回るから当てにくいの!」ドドドドドッ

ことり「うぅ~、どうしよう~」アセアセッ


絵里「前を見なさい!被弾した蟻が地上に降りてきてるわ!」

カサカサカサカサカサ……


ことり「!!あれなら、えいっ!」バリバリバリッ


ギャアアアアアアアァ………

ことり「よしっ!」グッ





にこ「ことり!喜んでる暇なんて無いわっ!もう私たち包囲されてるのよ!!」


ことり「え……?」


バサバサバサバサバサバサバサバサバサバサ…

絵里「くっ、まずい!私たち3人物凄い羽蟻に囲まれてるわ!……にこ!ことり!緊急回避ぃ!」クルックルッ


バサバサバサバサバサバサ…バシュッバシュッバシュッバシュッバシュッ…


ことり「あわわわわぁ!?また酸!?」ウィィイイイ

にこ「ちょっ!?ヤバイヤバイヤバイ!ヤバイって!」ウィィイイイ


バサバサバサバサバサバサ…バシュッバシュッバシュッバシュッ

絵里「2人とも!動き止めたら終わりよ!」クルクルッ

ことり「う、動き止めたら終わりって!?」ウィィイイイ


絵里(この数、まとめてGランチャーで吹き飛ばしてやりたいけど、それにしては距離が近すぎる…絶対に私たちまで爆発に巻き込まれる…

……そもそもこのスピードで縦横無尽に動き回られると、正確な射撃もし辛い…面倒くさいわね!)クルックルッ



にこ「……ちいっ!レーザーランスッ!!」キュイイイイイ

ことり「レイピアッ!!」シュオオオオオオオオ


ギャアアアアアアアァアァア……

にこ「はぁっ!」キュイイイイイ

バサバサバサバサバサバサ…バシュッバシュッ!


にこ「…ったく、数が多すぎなのよっ!!」ウィィイイイ



ウィィイイイ……ウィオーン!ウィオーン!ウィオーン!


にこ(エネルギー残量の警告!?マズッ…こんな状況で緊急チャージモードに入ったら確実に…)ウィオーン!ウィオーン!


ことり「はぁ……はぁ………」ウィオーン!ウィオーン!ウィオーン!


ことり(どーしよー!?このままじゃやられちゃうよぉー!?)ウィオーン!ウィオーン!ウィオーン!


…………………………

ドォン ……パァン……ズドォン………



ゴゴゴゴゴ…



穂乃果「…ぜ、全然壊れないよ……」カチャカチャ

希「絵里ち達もかなり危ない感じや…」ドォン

海未「……マズイですよ……今、羽蟻の第二波がこっちに飛んできました…」スチャッ… パァン

穂乃果「ええっ!?これ以上増えるの!?は、早く壊さないと!………!?」ガチャリッ



バサバサバサバサバサバサバサバサバサバサ…



海未「私たちも気づかれたようですね……こちらにまで向かって来ますよ!」カチャカチャ

希(……絵里ちたちは回避で手一杯……陸戦兵の絵里ちはまだしも、あのままじゃペイルウイングのにこっちとことりちゃんのエネルギーが底をついちゃう……)ドォン


希(…それに巣も壊せてない…敵が増え続けてる……このままだと……みんなやられちゃう…)



希(………………………)スゥーッ



……ウチの役割は……



……ウチのやりたいことは…みんなを影から完璧にサポートすること!


全神経を集中!! …OK、みんなが視界に入っとる…


…今の私なら…きっとできる………






………………カチッ……ズドォン……


ギャアアアアアアアァアァア……


希「…………これ以上は好きにさせないよ?」シュウウウ

希「はぁっ!!」ズドォン ズドォン…


ギャアアアアアアアァアァア……


にこ「これは……サンダーボウ!?」ウィオーン!ウィオーン!…

ことり「あっ、ことりたちの周りの蟻が…助かったぁ…」ウィオーン!ウィオーン!…


絵里「…今のうちよ!地上に落ちているうちに叩きましょう!」ドドドドドッ

にこ・ことり「了解!」ガチャリ


絵里(希……助かったわ。ありがとう。)



カサカサカサ……ギャアアアアアアアァ……

希「穂乃果ちゃん、海未ちゃん。ごめんね…少しの間、狙撃から全体のサポートに回るから……巣の方任せてもいいかな?こっちに来てる敵は、私が何とかするから…」カチッ ズドォン


穂乃果「……うん、任せてっ!」ガチャリ

海未「ええ、サポートお願いしますね!」スチャッ

希「任せてっ!」ガチャリ


希(……見える…見える!みんなと敵の位置!1人1人が向いとる方向!それぞれに敵が何体付いているか!どの方向・どの高さから敵が攻撃しようとしているのか!

みんなが使ってる武器の連射速度と最大弾数から割り出した現在の残弾数や、ペイルウイングのエネルギー残量すら!リアルタイムで変わっていく1人1人の現状が、手に取るように分かる!)ズドォン


希(私は、そこに無駄のない的確なサポートをしていくだけ……その人の死角に入った敵を撃ち墜としたり、リロードやチャージに入ると同時に私がカバーして、敵を近づかせない!)ズドォン


ギャアアアアアアアァアァア……

穂乃果「希ちゃん……いつもよりも凄い真剣な表情……」ゴクリ

海未「穂乃果、余所見をしている暇はありません!早く壊して、みんなの負担を減らしますよっ!」スチャッ…パァン


穂乃果「…うん、そうだねっ…と!」ゴォッ…ドォン


ゴゴゴゴゴ……グラッ……

穂乃果「海未ちゃん!巣が傾いてきたよっ!」ズドォン

海未「ええ、たたみかけますよ!」スチャッ…パァン



穂乃果「…おっと…弾切れ…リロードしなきゃ」カチャカチャ


バサバサバサバサバサバサ…


穂乃果「わっ!?こっちに来…」カチャカチャ




………ズドォン……


ギャアアアアアアアァアァア…


希「……大丈夫だよ、穂乃果ちゃん。安心してリロードしていいよ」ニコリ

穂乃果「……う、うん…(…すごい…)」カチャカチャ

希(…絵里ちたちに付いてる敵が減ってきた。第三波が来てもいいように、今のうちにサンダーボウ使い切って、全弾チャージしておこう……)ドォンドォン……キュイイイン




穂乃果「よしっ!いっけぇ!!」ゴォッ…ドォン


グラッ……ボロボロッ…ズシャアッ………



穂乃果「やったあ!!巣を壊したよっ!!」


絵里「でかしたわっ!!ありがとう!」




バサバサバサバサバサバサバサバサバサバサ…


海未「…最後に第三波が来たみたいですね…」スチャッ

穂乃果「よしっ!あの蟻さんたち倒して終わりだね!」ガチャリ


希「……ふぅ……あとちょっとだね……」ガチャリ


希(…あ、安心したら集中力が切れてきちゃった…まぁ、後は蟻の撃墜だけだし、大丈夫かな)


…………………ズドォン…ギャアアアアアアアァ………


希「……ま、ウチらの勝ちや……THE TOWER……」


………………………………

絵里「こちら、第9小隊。任務を遂行しました。これより帰還します。」ザザッ


理事長「流石ね、おつかれさま。周囲に警戒しつつ、速やかに帰還してください。」

絵里「はい!」ザザッ



絵里「それじゃ、みんな帰るわよ」

絵里以外「はいっ!!」





絵里「……希、今日は助かったわ。ありがとう」スタスタッ

希「んー?ウチはそんな大したことしてないよ。巣の破壊も、海未ちゃんと穂乃果ちゃんに任せちゃったし」スタスタッ


海未「…………………………」スタスタッ

海未(大したことない……そう希は言っていますが……位置がまばらな状態の5人を、ピンチに陥るメンバーがいないように、優先順位を間違えず、最適な援護をしていました。サポートする人の切り替えも、瞬時に正確に判断していました。


……そればかりか、リロードの時には、敵がその人に近づくことすら出来ていませんでした。)

海未(自衛をしながら、同時に5人の最適なサポートができる。……これは果たして、大したことない …と言えることなのでしょうか?)


海未(ふぅ……どうやら憧れの先輩は、私の遥か先を進まれているようですね…。)


海未(私ももっと頑張らないと…ですね。)スタスタッ



………………………………

EDF極東支部

理事長「本日も任務お疲れ様でした。絢瀬隊長、新型巨大生物の報告、ありがとうございます。すぐさま、全世界のEDFに発信します」

理事長「それと……あなた達に大事な話があるのだけど良いかしら?」


絵里「大事な……話ですか?」




理事長「ええ、遂に……地底突入作戦が実行に向けて動き始めました。」

全員「!!」



理事長「そして、その任務を……極東支部では、あなた達第9小隊も所属する、第2中隊に任せたいとも思ってます。」

理事長「新巨大生物の出現などの不測の事態にも被害者0で対応していて、現時点での敵戦力の撃墜数が、他のどの小隊よりもズバ抜けています。あなた達を主戦力として、この作戦を実行していきたいの。」

理事長「しかし……これは言わば相手のホームグラウンドに潜り込む、普段よりも危険なミッション。今回の件に参加の無理強いは出来ないと思っているので、遠慮なくあなた達の意見を聞かせてください。」



穂乃果「…そんなの決まってるよ!」

海未「…ええ、そうですね。」

ことり「いつまでも地底に巨大生物がいるなんて、不気味だよねぇ。」

にこ「寧ろ光栄なことじゃないかしら。ねぇ、隊長さん?」

希「カードはええ方向に進む…って告げとるよ?」



絵里「……この通り、隊員は私を含めみなやる気ですので、第9小隊一同はその任務引き受けさせていただきます。」


理事長「………ありがとう、とても心強いわ」

理事長「それでは、近日中に計画が始動すると思います。各自、この作戦に向けて万全の準備をしておいて下さい!」

全員「はいっ!」


…………………………………

同時刻 EDF欧州支部

第1隊舎 第3小隊隊室

ツバサ「みんな!ようやく、地底突入作戦が実行されることになったわ!」

英玲奈「随分とかかったものだな…。3ヶ月近く経ってだからな…」

ツバサ「今回の地底突入作戦、この欧州支部では、A-RISEの所属する第1中隊全隊員でこの作戦に挑むことになったわ!」

ツバサ「ここで巨大生物を根絶して、これ以上の増殖を食い止めるわよ!」グッ

隊員たち「はいっ!!」

あんじゅ(ふふっ…ツバサ随分やる気みたいね~)

ツバサ「私たちはこの1ヶ月近く、今まで以上に死ぬ気で特訓に努めてきたわ!誇りを持ってこの作戦に挑みましょう!」

ツバサ以外「了解!」




こうして、世界各国EDFは、地底突入作戦の実行に身を乗り出した。


………その頃、地底最深部では、女王が静かに新たな巨大生物を産み出していた。


episode6. 魔虫の塔 end

本日はここまでです


episode7. 地底突入篇

9月下旬


EDF極東支部

理事長「本日12:00より、地底突入作戦を決行します。」

理事長「改めてですが、これは敵地に潜り込む非常に危険な任務となります。しかし、これ以上の巨大生物の増殖を防ぐため、絶対に成功させなければならない作戦なのです!

……それが、どれだけ犠牲者を出すことになっても…です」


隊員たち「……………」


理事長「……ここにいる皆さんが、勇んでこの任務を引き受けてくれたことを、とても頼もしく思います。EDF隊員としての誇りを持って、任務に当たってください!」

隊員たち「はいっ!!」


理事長「……みなさんの無事を、心より祈っております。」


理事長(……気をつけるのよ…ことり…)


………………………

第9小隊隊室

絵里「……みんな、準備はいいかしら?」

絵里以外「はいっ!!」

絵里「そうね…じゃあ、長話は嫌われるから2つだけ。1つ、油断こそ最大の敵です。決して気を抜かないこと…いいわね?」

絵里以外「了解!」

絵里「じゃあ2つ目…また全員でこの部屋に帰ってくるわよ!」

絵里以外「はいっ!!」



…………………………………

【高坂穂乃果】 26期生

兵種:陸戦兵

装備:ゴリアス-2R(ロケットランチャー)
弾数:10
連射速度:6発/秒
火力指数:240
充填時間:1.5秒
爆破範囲:半径6m
精度:B
有効射程距離:3000m

装備:ガバナーS(ショットガン)
弾数:8
連射速度:1発/秒
火力指数:40×50
充填時間:4秒
有効射程距離:150m
集弾率:H


【園田海未】26期生

兵種:陸戦兵

装備:AS-21(アサルトライフル)

弾数:120
連射速度:15発/秒
火力指数:56
充填時間:1.5秒
有効射程距離:150m
精度:B+


装備:バウンドガンS(特殊兵器)

弾数:120
連射速度:12発/秒
火力指数:60
充填時間:1.5秒
有効射程距離:180m?
精度:D


元々は、アサルトライフルAS-18を改造して作られた兵器。
使用されている特殊弾頭「BO 8」は、障害物などで反射を繰り返す。
使用者や味方にも危険があるため、使い手の腕が試される。
今回は地底戦なので、スナイパーライフルからこちらの武器に変更した

【南ことり】 26期生

兵種:ペイルウイング

装備:レイピアGスラスト(近距離兵器)

弾数:400
連射速度:60発/秒
火力指数:27×6
有効射程距離:36m
精度:C+
チャージ時間:1.0秒
消費エネルギー:12%


装備:イズナーEカスタム(中距離兵器:雷撃)

弾数:180
連射速度:20発/秒
火力指数:80
有効射程:100m
精度:A
チャージ時間:2.5秒
消費エネルギー:55%


【絢瀬絵里】25期生

兵種:陸戦兵

装備:AS-99(アサルトライフル)
弾数:160
連射速度:15発/秒
火力指数:140
充填時間:2.0秒
有効射程距離:180m
精度:A+


装備:GランチャーUM-4A(特殊兵器)
弾数:1
連射速度:-----
火力指数:2000
充填時間:3.0秒
起爆条件:接触
起爆時間:-----
爆破範囲:半径20m

【矢澤にこ】 25期生

兵種:ペイルウイング

装備:イクシオン9WAY(中距離兵器:粒子砲)
連射速度:10発/秒
火力指数:45×9
有効射程距離:250m
精度:A
消費エネルギー:0.9%


装備:レーザーランスX(近距離兵器)
弾数:10
連射速度:1発/秒
火力指数:2700
有効射程距離:49m
精度:SSS
チャージ時間:3.0秒
消費エネルギー:20%


【東條希】 25期生

兵種:ペイルウイング

装備:サンダーボウ20R(中距離兵器:雷撃)
弾数:24
連射速度:2発/秒
火力指数:25×20
有効射程距離:140m
精度:D+
チャージ時間:3.0秒
消費エネルギー:71%

装備:EXプラズマランチャー(範囲攻撃兵器)
連射速度:1発/秒
火力指数:650
有効射程距離:900m
爆破範囲:半径25m
精度:A
消費エネルギー:31%

今回は多数の巨大生物との戦闘が見込まれるため、範囲攻撃用の武器を用意。
爆破範囲がとても広いので、使いどころには気をつける必要がある。

<全体支援>
驚異的な観察力を以ってして、視界に含まれる仲間1人1人の、自分との距離や位置、武器の残弾数やエネルギー残量まで、リアルタイムで変わる情報を把握する。

また、それぞれの人をマークしている敵の数や、その位置までも同時に把握できる。

そして、仲間が危機に陥らないよう、優先順位を瞬時に判断・更新し、的確な支援を行い続ける。

ただし、仲間に全神経を集中するため、自分の危機管理が疎かになりがち。

………………………………………

12:00 東京駅地下鉄道線路


にこ「ここも久しぶりになるわね…」


ことり「……………」


絵里「さて、レーダーを見ると…敵反応は近くにはないわね。また、あの穴に入っていきましょう」

全員「了解!」


絵里「それじゃあ、ミッションスタートよ!」


………………………

地底


穂乃果「相変わらずここは広いねぇ」キョロキョロ




カサカサカサカサカサカサ……


海未「……絵里」スチャッ

絵里「…ええ、分かってるわ」カチャッ


絵里「みんな、早速来たわよ!」ドドドドッ


キァァアアアアアアアアア……

ことり「やぁっ!」バリバリバリッ


キァァアアアアアアアアア……


穂乃果「そこっ!」ゴォッ


……ドォン キァァアアアアアアアアア…


カサカサカサカサ…バシュッバシュッ


穂乃果「おっと!」クルッ カチャ…カチャッ




穂乃果(…回避はちゃんと出来るけど、リロードの方はもたつく…やっぱりまだまだかな…)スチャッ ゴォッ


にこ「……………」パパパパパパパパパッ


キァァアアアアアアアアア……

にこ(弾幕張れる武器って、やっぱり便利ね…)


…………………………………

他部隊

「こちら、第6部隊!巨大生物に囲まれて苦戦しております!」ザザッ…


「おい、敵がすぐ後ろにいるぞ!気をつけ…ぐっ!?うわああああああああ!?」ザザザザッ…バリバリッ…プツンッ



「怯むな!攻撃を続行するんだ!」ザザッ…


「…何だ…!?糸!?糸が上から降ってくる!?まさか…まさかぁ!?」ザザッ



「蜘蛛までいたのか!?…うっ!?糸で動けないぃ!?隊長!助けてぇ!!うぎゃあああああああ!?」ザザッ…バリバリッ…プツンッ



「こちら第8隊!負傷者多数!至急、救援を求む!」ザザッ…

「…圧倒的な数だ…地底は…巨大生物で埋め尽くされてるんだ!うわああああああ!」ザザッ…バリバリッ…プツンッ


………………………

理事長「…………………………」ズキンズキンッ


理事長(…隊員たちの悲痛な叫び声、通信反応の消滅……胸が…張り裂けそうになります…)

理事長(……何も力になれない自分に…信じることしかできない自分に……撤退許可を下ろせない自分に……無力さしか感じれません)

理事長(お願い……できるだけ…できるだけ無事でいて……)グッ


………………………………………

同時刻 英国 倫敦 地底


キァァアアアアアアアアア……


ツバサ「…………よし、これで全部片付いたわね!」カチャッ

英玲奈「レーダーを見る限り、それで間違いない…」

ツバサ「じゃあ、さっさと奥に進むわよ!」スタスタッ

ツバサ以外「了解!」スタスタッ






他部隊隊員(……し、信じられねぇ…)ガクガクッ

他部隊隊員(たまたま目撃したが、3方向からそれぞれ100匹くらいの大群に囲まれていたというのに…たった1小隊が、約300匹もの巨大生物を3分もかからず全滅させた!?)


他部隊隊員(これが現在の…欧州最強部隊と呼ばれているA-RISEの実力!?)




他部隊隊員「人類の希望とは…まさに彼女たちのことを言うんだろうな…」ボソッ


……………………………………

【綺羅ツバサ】 25期生

兵種:陸戦兵

装備: SG-99(ショットガン)
弾数:15
連射速度:1発/秒
火力指数:160×15
充填時間:8.0秒
有効射程:130m
集弾率:B

蜘蛛との一戦以降、仲間を自分の武器の爆破に巻き込まず救出できるよう、近中距離の兵器と戦い方を徹底的に鍛え抜いた。


装備: ゴリアス-SSS (ロケットランチャー)
弾数:1
火力指数:2500
充填時間:4.0秒
爆破範囲:半径20m
精度:A+
ズーム:3倍

<???>
Unknown


【統堂英玲奈】 25期生

兵種:陸戦兵

装備: ライサンダー2(スナイパーライフル)
弾数:7
火力指数:2500
連射速度:0.3発/秒
充填時間 4.0秒
有効射程距離:1000m
精度:SSS
ズーム:8倍


大口径狙撃銃のスナイパーライフル『ライサンダーシリーズ』

その破壊力は戦車の砲弾すら上回るが、弾は発砲のたび手動装填であるため、連射性能はない。

装備:AS-22(アサルトライフル)
弾数:140
火力指数:92
連射速度:12発/秒
充填時間:2.0秒
有効射程距離:180m
精度:A

<???>
Unknown

【優木あんじゅ】 25期生

兵種:ペイルウイング

装備:LAZR-299(中距離レーザー)
弾数:1040
連射速度:60発/秒
火力指数:17
有効射程距離:120m
精度:S
チャージ時間:3.0秒
消費エネルギー:18%


装備:EXプラズマ・ランチャー(範囲攻撃兵器)

連射速度:1発/秒
火力指数:650
有効射程距離:900m
爆破範囲:半径25m
精度:A
消費エネルギー:31%


<???>
Unknown

……………………………………

ゴゴゴゴゴ…


ツバサ「これは………随分と深い穴ねぇ……」

英玲奈「底が……見えないな……」

あんじゅ「でも、レーダーの反応をみると…確実に底で待ち構えてるわよね~。嫌になるわ~」


隊員A「隊長!こちらの穴から移動してみてはいかがでしょう?」


ツバサ「…そうね。命綱で降りていったら敵の攻撃は避けられないものね。ここを進んでみましょう」スタスタッ

………………

あんじゅ「それにしても地底に潜ってから、どの方向にどれだけ進んだかも分からなくなっちゃったわ~。帰れずに一生地底で迷子なんてなったらどうしよう?」スタスタッ

英玲奈「問題ない。ここまでの地形も移動ルートも全て把握している。地上まで戻れないなんてことはない」スタスタッ


あんじゅ「すごいわね~!さすが英玲奈」ナデナデ

英玲奈「こ、こら…やめないか…//」







ォォ……ォォ………ォォ…ォォ…


ツバサ「………………………」ピクッ

英玲奈「……ツバサ…この音は……」カチャッ


ツバサ「ええ、分かっているわ…。みんな、私に任せて…数歩下がっていて。」ゴゴゴゴゴ…


ォォ………ォォ………ピョンッ……



ツバサ「……………」カチッ ゴォッ


ズドォン……ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛……ゴロッ…


ツバサ「……さぁ、行きましょうか……」スタスタッ


あんじゅ(………やっぱり、蜘蛛を見ると雰囲気が変わっちゃうわね……無理もないか……)タタタッ


隊員A(…………隊長…)スタスタッ


…………………

日本 地底

穂乃果「さっきからずっと穴の中歩いてるよね。なんか窮屈だなぁ…」スタスタッ


海未「それには同意ですね…。それに、もうここがどこなのやらという感じです……」


ことり「…あっ!見て!開けたところに出たよ!」タタタッ


にこ「本当ね…って何よここ。周りにまた穴が何個もある。…というか穴の合流地点?みたいな感じかしら?」




希「穴の合流地点____________!?」



希「…あ、あかん!みんな!一旦引き返そう!早く!」

穂乃果「ふぇ!?希ちゃんどうしたの?」ビクッ

希「見て!あそこにロケットランチャーが落ちてる!!つまり、ここに誰かがいたということ!でも武器を置いていくなんて、『普通だったら』ありえないやん!?」



海未「!? し、しかしレーダーに反応はないようですが……!?ぜ、全方位から大量の敵が急接近してきています!?」




ォォ……ォォ…ォォ…ォォ………………


カサカサ……カサカサカサカサカサ……

絵里「まずい!!完全に包囲されるわ!?敵の罠だったとでも言うの!?」


絵里「くっ…みんな時間が無いからよく聞きなさい!このままだと全方位から囲まれてしまうため、一旦通路に戻ります!!ただ、この狭い通路の中で6人も固まるのは、明らかに非効率よ!

穂乃果・希・にこはこっちの穴!私・海未・ことりはあっちの穴に入って、敵を分散させつつ、撃破していきましょう!」


絵里以外「了解!」

絵里「希…そっちは任せたわよ!」

希「了解!…絵里ちたちも気をつけて…」


絵里「それじゃ倒したら、無線とレーダー使って合流しましょ!じゃあ、一時散開!急ぐわよ!」ダッ

絵里以外「はいっ!」ダッ


……………………………

ォォ……ォォ…ォォ…………

カサカサ……カサカサカサカサ……


穂乃果「うわぁ!前からも後ろからもいっぱい来てる!?」タタタッ


希「……ねぇ、にこっち。穂乃果ちゃん。今はウチが指示出して良いんだよね?」タタタッ

にこ「勿論よ!それよりもどうするつもり?」タタタッ


希「じゃあ、にこっちは前方からの敵をイクシオンで対処!穂乃果ちゃんは後方からの敵を相手の距離を見極めながら、ゴリアスとガバナーで対処!」ピタッ

穂乃果・にこ「了解!」ガチャッ





希「ウチは………2人に敵を近づかせないサポートをするから…」ゴゴゴゴゴ…


穂乃果(……出た。希ちゃんの真剣モード…)ゴクリ

にこ「…頼もしいわね!じゃあサポート任せたわよ!」パパパパパパパパパッ

穂乃果「希ちゃん、よろしくねっ!」ゴォッ ドォン

キァァアアアアアアアアア………バタリッ

ァ゛ァ゛……ァ゛ァ゛…………ゴロッ…


希(前方から43体の蜘蛛!後方から39体の蟻!……にこっちのエネルギー残量89% 、穂乃果ちゃんゴリアス残り6発、あ、今ので5発…ガバナーの方は残り3発……敵25体と21体に減少。よし、今日も見えとる!)


希(ウチは完璧なサポートに徹すれば良い…ウチが無駄に弾を減らす必要はない…こちらの攻撃を途絶えさせなければ…敵を近づけさせなければそれでいい…)カチャッ

希「そこっ!」カチッ…ズドォン

キァァアアアアアアアアア……


穂乃果「ありがと!希ちゃん!」ガチャカチャッ

希「ええよ!リロード中はウチに任せて!」ズドォン


キァァアアアアアアアアア……


………………………………

ォォ………ォォ…ォォ…………

カサカサ…カサカサカサカサ……


絵里「この辺りで攻撃をするわよ」ピタッ

海未・ことり「了解!」ガチャッ

絵里「海未とことりは、後ろの蟻の大軍を2人で対処して。私は前方から来る蜘蛛を仕留めるから…」

海未「絵里、それは大丈夫ですか?どちらかと言えば……蜘蛛の方が厄介では?」

絵里「海未…偶には先輩にカッコつけさせなさい」ニコリ

絵里「私は大丈夫…あなたたち2人の背中を預かるのだと思うと、私なら絶対にできるって自信が湧いてくるの…。だから、私の背中はあなた達に預けていいかしら?」ガチャッ

海未「!……はい!任せてください!」クルッ

ことり「海未ちゃん!蟻さんは私たちで倒すよ!」バリバリバリッ


海未「ええ!1匹も通しません!」ドドドドドッ


キァァアアアアアアアアア…………



ォォ………ォォ……ォォ…ォォ……

絵里(……希やにこが先輩らしい姿見せてくれたんですもの。私だって頑張らないとね…。)


絵里(…………………………)スゥーッ ハァーッ


…カッ


絵里「遂にお披露目よ。…










『倍速リロード』」バシュッ…カチャカチャカチャ!


ドォン……ァ゛ァ゛…ァ゛ァ゛………

絵里「次!」バシュッ…カチャカチャカチャ!

ドォン…ァ゛ァ゛……ァ゛ァ゛……



絵里(…いける!練習の時よりも速く動かせるわ!)ドォン…カチャカチャカチャ!


ことり「絵里ちゃんすごい…あんなスピードでリロードしてるなんて…」ゴクリ

海未「ことり!前の敵に集中しなさい!絵里に背中を預けられたのですよ!?」ドドドドドッ


ことり「…うん、そうだったね!」バリバリバリッ


キァァアアアアアアアアア………


…………………………………


ドォン……ァ゛ァ゛……


絵里「…ふぅ…敵反応がようやく消えたわ…海未、ことり…お疲れ様。」カチャカチャッ…



海未「お疲れ様です。流石は絵里でしたね!」

ことり「うんうん!流石は我らが隊長って感じ!絵里ちゃんカッコよかったよ~」

絵里「ふふっ、ありがとね」…ザザッ

希「…絵里ち、そっちは終わった?」ザザッ

絵里「ええ、ちょうど今終わったところよ」

希「じゃあ、さっきのところで合流しようか」ザザッ…

絵里「そうしましょ」ザザッ…


……………………


希「絵里ちー」フリフリ

絵里「希、無事で何よりだわ。そっちを仕切ってくれてありがとう!」

穂乃果「海未ちゃん!ことりちゃん!無事で良かったよ~」フリフリ

ことり「穂乃果ちゃ~ん」タタタッ ダキッ

にこ「…ふぅ、みんなが無事で何よりだわ。」

絵里「さぁ、敵を倒したばかりとは言え油断は禁物よ!レーダーを確認しながら、先へ進むわよ。」




穂乃果「…ねぇ、絵里ちゃん。ちょっといいかな?」


絵里「ん?どうかした?」




穂乃果「…あそこにあるロケットランチャーって、やっぱりさ……そういうこと……なのかな…?」

海未「……………」


絵里「…………そうね…」


絵里「おそらく、私たちより早くここに到達して……きっと私たちみたいに巨大生物に囲まれてしまったのかもしれない…。そして、それにうまく対処が出来なかったのかも…その可能性も十分に考えられるわね…」


ことり「……………」ブルッ

穂乃果「……………そっか…」シュン


絵里「それでも私達が出来るのは、しなければならないことは、ただ前に進むことなのよ。私たちと同じ志を持つ仲間が…今もこの地底で勇敢に戦っていることを信じてね…。」

穂乃果「……そうだね。」


絵里「…行きましょう、みんな。早く…この戦いを終わらせましょう…」


穂乃果「………うん…」


日本は現在AM4:00

地底突入作戦から16時間経過

戦士たちは休むことなく、地底最奥へと歩を進めていた。この時点でEDF極東部隊は、地底突入開始時の2/3の戦力を失ってしまっていた。

______地底作戦もいよいよ大詰めとなる


episode7. 地底突入篇 end.

本日はここまでです。
ご覧いただきありがとうございました!

episode8. 地底決戦


日本 地底

別部隊


「どこに敵が潜んでいるんだ…?」ビクビク



「こちら第10隊応答願います。巨大生物の襲撃により、2名が死亡、3名が負傷しております。」…ザザッ


「みんなやられてしまった…次は俺の番…嫌だ……嫌だぁ!!誰か…俺をここから…出してくれぇ!!」…ザザッ


理事長「落ち着いて!パニックにならないでください!」


「うわぁあああ!?みんなぁ……どこなんだぁ…?俺を置いていかないでくれよぉ…誰かぁ……!? ひぃっ…ぎゃああああああ!!」ザザッ…バリバリッ…プツンッ

理事長「………くっ……」ガンッ



「こちら第7隊、巣穴最深部に到達しました。座標36-137、地表から523mの地点です。」ザザッ…

理事長「!!ありがとう!情報助かるわ!至急、全隊員に通達します!そちらに向かわせるので、どうか無茶はしないように!」


「了解です!どうやらここには…巨大生物の卵!?恐ろしい数あります…こんなことが……」

「!?あれは…女王蟻!?女王蟻を発見しました!あ…いや!?気づかれ…ぐぅっ!?きゃああああああああ!!」ザザッ…バリバリッ…プツンッ


理事長「なっ!?第7小隊!?応答してください!第7小隊!!……なんで……また……うぅ………」ポロポロ


理事長「……地底突入中の全隊員に告ぐ。地底最深部の位置を確認しました。座標36-137 、地表より深さ523mの地点です。

……また、女王蟻と巨大生物の卵の存在も確認。至急、現場へ急行してください。」ザザッ

理事長「………………」

…………………………………

第9小隊

絵里「…みんな、聞いたわね」ザザッ

絵里「地点36-137、深さ523mの地点!急ぐわよ!」タタタッ

絵里以外「了解!」タタタッ


…………………



ォォ……ォォ………ォォ…ォォ……


絵里「敵反応出現!戦闘準備!」ガチャッ

穂乃果「えぇい!」カチッ…ゴォッ


ドォン……ァ゛ァ゛…ァ゛ァ゛……


絵里「…行くわよ…」バシュッ…カチャカチャカチャ!

ドォン…ァ゛ァ゛……ァ゛ァ゛……


絵里「次っ!」バシュッ…カチャカチャカチャ!

ドォン……ドォン……


穂乃果(…絵里ちゃん、ついに完成したんだね……っと、今は穂乃果も目の前のことに集中しないと……)ガチャッ ゴォッ




にこ「ことり、後ろからも来てるわよ!」パパパパパパパパパッ

ことり「うんっ!」バリバリバリッ


…ァ゛ァ゛……ァ゛ァ゛………


海未「…上」ドドドドッ

ァ゛ァ゛……ァ゛ァ゛………


…………………………………

最深部


絵里「この穴の奥に…敵反応多数…。おそらく、報告にあった…女王蟻の巣穴ね…。一度連絡を」ザザッ…

絵里「……こちら、第9小隊。現在、最深部と思われる巣穴の手前まで到着しました。これより、最後の殲滅作戦を開始します。」

理事長「!? 第9小隊、ようやく到着してくれたのね!大丈夫かしら!?」

絵里「はい、今のところ負傷者は0です。全員無事です」


理事長「…無事で本当に良かったわ…。では、引き続き油断せず、作戦を遂行してください。」

絵里「了解!」ザザッ…




絵里「……さて、ここが最後よ!終わらせましょう!」スタスタッ


絵里以外「了解!」スタスタッ

カサカサ……カサカサ…………

絵里「早速、蟻たちが気づいたみたい」ドドドドッ

にこ「そうみたいね」パパパパパパパパパッ


キァァアアアアアアアアア……



穂乃果「あとちょっとで女王蟻のところに到着だよ…!?あ……




ゴゴゴゴゴゴ………




……あ、あれが女王蟻………」ゴクリ

絵里「随分とデカイわね…。みんな!攻撃する暇を与えず、全力で叩き込みましょう!」ガチャ


絵里以外「了解」ガチャッ


絵里「はぁっ!!」バシュッ…ドォン

穂乃果「えぇい!!」ゴォッ…ドォン

にこ「くらいなさいっ!」パパパパパパパパパッ


キ゛ァ゛ァ゛アアアアアアアアア……クルッ


絵里「こちらを向いてきたわ!みんな、緊急回避ぃ!!」クルックルッ


ブシュウウウウウゥゥゥゥゥゥ……




絵里「なっ!?霧!?まさか、酸の霧とでも言うの!?まずい!みんな息を止めなさい!!」クルックルッ



穂乃果(これはやばいよ……あの女王蟻、すごい広い範囲に拡散させて噴射してくる…このままじゃ………!?)クルックルッ



クルッ……ブシュウウウウウゥゥゥゥゥゥ

海未(穂乃果に目標を絞った!?あの霧のスピードと範囲じゃ回避が間に合わない!?穂乃果ぁ!!)パァン


希(しまった!?自分の回避に気を取られすぎた!サポートが間に合わん!穂乃果ちゃん!!)


絵里「穂乃果ぁぁ!!」ダッ


穂乃果(やばいやばいやばい!回避が間に合わない…回避が間に合わな………









…カチッ…………ドォン…………

ことり「え!?ば、爆発!?」ウィィィイイイイイ


穂乃果「うぐぅっ…………」フワッ


希「なっ!? 穂乃果ちゃんが!?」ビクッ


…ズシャア ゴロンゴロン


…バタッ……………


穂乃果「う…………………」ガクッ







海未「あ……あぁ………あぁぁあ……







…………………穂乃果ぁぁぁぁあああ!!」ダッ

ことり「……よくもっ!よくも穂乃果ちゃんを!!レイピアGスラストォ!!」シュオオオオオオオオ…


ギァ゛ァ゛アアアァァァァアアア…


…バタリッ……



にこ「女王蟻を倒した!…ってそれよりも!」ウィィィイイイイイ



海未「穂乃果ぁ!!大丈夫ですかっ!?穂乃果!お願いです!返事をしてください!」ウルウル…ユサユサッ


穂乃果「………………………………」シュウウゥゥ…プスプス…

ことり「穂乃果ちゃん!お願い穂乃果ちゃん!目を開けてよぉ…穂乃果ちゃぁん……」ウルウルッ













穂乃果「………………………Zzz…」スー…スー…


海未「………………は?」ピクッ

ことり「……え?も、もしかして……穂乃果ちゃん…寝ちゃってる……?」

海未「ど、どうやら……そのようですね……任務開始から丸一日は経っていますし…しかしこんな時に眠るとは…」はぁぁ

ことり「……あぁ、良かったよぉ~」ポロポロ ダキッ

穂乃果「………………ムニャ……Zzz……」


にこ「……っはぁー…まったく、心配かけさせないでよ…心臓が潰されそうな感覚だったわ…」

希「あぁ、穂乃果ちゃん……本当に良かった……」ほっ





絵里(……あのとき、回避が間に合わないと判断したから、咄嗟に『自分の足元をゴリアスで撃った』のね。)

絵里(爆発を利用して、霧の範囲から自分を吹っ飛ばした……そちらの方が、自分への被害が少なくなると判断して……)

絵里(緊急回避の最中、自分の足元を正確に撃ち抜く技術、そしてその判断と度胸……穂乃果、あなたは……)




絵里「…とはいえ、自分の隊員を自傷させてしまうなんて…リーダーとしてまだまだみたいね…」ボソッ


……………………

絵里「みんな、空気中の酸の霧を中和させるために、塩基性の水溶液を放射機で散布するから、少し離れていなさい」プシャァァァァアアア…


にこ「いつのまにそんなアイテムを…」


絵里「万が一、蟻の酸にかけられた人が出てきたときのために…と思ってね。これを撒いておけば少しくらいは、マシになるはず」プシャアアアアア…



絵里「……よし!あとは、卵を全滅させれば任務遂行よ!あとちょっと頑張りましょ!」


海未・ことり・希・にこ「了解!」ガチャッ

海未(…レーダーを確認すると、ここからは見えない位置にもありますね……おそらく死角にも卵が産みつけられているとなると…)


海未「バウンドガンの出番ですね」カチャリ


海未「はっ!」ドドドッ


カァン……カァン……ブシュッ……


海未(敵反応が消失!やりました!)


希「卵全部見つけないとね」ウィィィイイイイイ


にこ「正直ライトの明かりだけが頼りだから、暗くて分かりづらいのよ。」ウィィィイイイイイ



ことり「あっ、卵…」シュオオオオオオオオ…





絵里「この戦い……私たちの…人間の勝利だわ」


…………………………

絵里「こちら第9小隊。只今、女王蟻と巨大生物の卵の殲滅を完了しました。この地底突入作戦は、成功しました。」ザザッ…

理事長「連絡ありがとうございます。直ぐに、地底突入中の隊員たち全員に通達します。では、周囲の安全に気をつけ、帰還してください。」

絵里「了解です。一応、負傷者のことも考え、地上辺りに迎えの車両を準備しておいていただけると、こちらも助かります。」

理事長「当然ですね。配備しておきます。」

絵里「ありがとうございます。では、失礼します」ザザッ…




理事長「………ふぅ。……被害は甚大。とても辛い戦いとなりましたが……人類が…勝利できたのですね。」ホロリ


理事長「……地底突入中の各隊員に告ぐ。地底最奥部の女王蟻と、巨大生物の殲滅に成功。EDFは……私たちは!この戦いに勝利したのです!!」ザザッ


「勝った…?やった…やったあああああ!!我らの勝利だぁ!!」

「良かった!これで帰れる!地上に帰れるんだぁああ!!」

「また第9小隊がやってくれたのかな?」


「ありがとう第9隊!お前たちのおかげだぁ!!」


……………………………………


日本時間 14:08

地底突入作戦開始から 26時間8分

地底突入作戦は、第2中隊の3/4の戦力を消失する大きな被害を残したものの、

第9小隊は、EDF極東支部は、勝利を収めたのであった。


…………………………………

…遡ること、およそ17時間前


英国 倫敦


ツバサ「…こちら、A-RISE。応答願います。」ザザッ…


「はい、どうされました?」



ツバサ「只今、地底最深部にて、女王蟻と巨大生物の卵の殲滅を完了しました。おそらく、これで地底突入作戦は終了かと思います」


「…えっ!?まだ作戦が開始されてから9時間しか経っていないのですよ!?」


ツバサ「そうですね…しかし、これ以上深い場所もありませんし…。一応、戻りながら隠れている巨大生物が見つかれば撃墜し、地上へと帰還しようかと……」


「わ、分かりました…。周囲の安全に気をつけて帰還してください。各隊員には、こちらから通達を入れます」

ツバサ「了解です。ありがとうございます。」ザザッ…





「……彼女たちは……本当に人間なのかしら…?」

「地底突入中の各員へ通達。第3小隊が地底最深部の巨大生物の殲滅に成功。これ以上の繁殖を食い止めることができました。我々の勝利です!…なお、現在も巨大生物と交戦中の部隊がありましたら、完全な殲滅をお願いします。」ザザッ…


「も、もう任務が終了?………A-RISEがやってくれたのか…」


「本当に凄えよ!A-RISEありがとうぅ!」

「A-RISEが先頭で頑張ってくれたんだ!我々も巨大生物の生き残りを出さぬよう頑張るぞ!!」

「おおー!!」

……………………………

最深部


ツバサ「……みんなお疲れ様。さ、帰りましょ」ニコリ

あんじゅ「おつかれさま~。英玲奈ぁ、帰り道のナビゲートよろしく~」


英玲奈「あぁ、任せろ…」クルッ…スタスタッ


ツバサ「あなたたちも、遅いと置いていくわよ?」クスクス

隊員たち「ま、待ってください~!」タタタッ



欧州地底突入作戦は、まだ潜んでいた巨大生物の生き残りの殲滅を含め、世界最速の10時間18分で幕を閉じた。


この圧倒的な戦績は、欧州部隊、さらには全世界のEDF隊員たちに広まっていった。


この地底作戦を以ってA-RISEが、世界最強の部隊と謳われるようになったのであった。


episode8. 地底決戦 end.

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