ぼく「ゼロから始める学園生活」 (16)

なんかこの光景見たことある。

そうだぼくは高校最初の自己紹介でスベってボッチに…

担任「じゃあ次の人」

ぼく「はいっ!」

今度はスベらないぞ

ぼく「あっ、高橋です。実は入学式の日を間違えて昨日学校に来ちゃいました。
  でも?でもでもでも?そんなのかんけーねーwwwwwww
  そんなのかんけーねーwwwwwっw!!!はいkっ!!!!!
  おwwwっwwwぱwwwぴーwwwwwwwwwwwっw」

生徒たち「シーン」

ぼく「うわぁあああああああああああああ」

ぼくは窓から飛び降りた。

おかしい。

ぼくの高校時代はエンタの神様全盛期じゃなかったか?

高校生に小島よしおはウケてなかったのか?

担任「じゃあ次の人」

ぼく「あっ、どうも!高橋っす!
  趣味は漫画を読むことです!みんなよろしく!」

よし、無難だが、これでいい。今はこれでいいのだ。

高校デビューはこれからでも遅くない。

女子「ちょっwwチャック開いてるwww」

ぼく「えっwwwあっwwwwこれはwwwwwww
  あーwwwいwwwwとぅwwwwwいwwwwまwwwwwてwwーwんwwwww」

ぼくは窓から飛び降りた。

おっといけねえ、チャックはちゃんと閉めてと。

担任「じゃあ次の人」

ぼく「あっ、高橋です。漫画が好きです。よろしくお願いします…」

担任「はい。次の人」

ふう・・・よかった。

生徒「どうも、寺本です。実は今日間違えてサンダル履いてきちゃいましたwww
  でも?でもでもでもぉーーーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
  そんなのかんけーねぇwwwwwwwwwwそんなのかんけーねぇwwwwっw」

生徒たち\ドッ/

寺本「ってなわけでみんなよろしく!俺スベってる?
   あーいwwwwwとぅwwwwwいwwwwまてwwっw---んwっw!!」

生徒たち\アハハ/

なんだよこれ・・・

おかしいだろ・・・

ぼく「理不尽だぁああああああああああああああああ」

ぼくは窓から飛び降りた。

寺本「ってなわけでみんなよろしく!俺スベってる?
   あーいwwwwwとぅwwwwwいwwwwまてwwっw---んwっw!!」

女子「おもしろーい」

こらえよう。受け止めるんだ、この世の不条理を。

安易に死んではならぬ。挽回のチャンスはまだある。

ぼく「寺本君っておもしろいよね」引きつり笑顔

寺本「そうかな?まぁ確かにお笑いは好き。本当はラーメンズが好きだけど大衆向けじゃないからね。
  ま、ここは小島よしおラインがベターでしょ」

うぜえ・・・だいたい小島よしおラインでスベった男がここに居るんですけど!

ぼく「そ、そうだね・・・」

高校デビューのタイミングを見計らっているうちに、

スベることを恐れ怖気づいているうちに、

1ヶ月が過ぎようとしていた。

女子「ねぇ、寺本くん、あれやってよ~」

寺本「仕方ないなぁ、あんた顔の方がビッグですから!!残念!!」

女子「おもしろいwwwwww」

ヤバイ・・・クラスの笑い声が遠い。

これもしかして完全ボッチルート入ってる?

焦燥感ハンパねぇ・・・

時の流れというのははやいもので、

バンバンとリセットかましてた頃は死ぬ恐怖なんてなかった。

しかし今じゃ死ぬのが怖い。

そりゃそうだ、ぼくはもうここ2年間ほど死んでない。

これだけブランクがあると簡単に死ねなくなるものだ。

で、どうなったかというとお察しの通り、ボッチルートを邁進中だ。

ぼく「はぁ・・・なんで修学旅行なんか」

女子「あの・・・もしよかったら自由時間一緒に周りませんか?」

なんだこれ、救済イベントか?

女子「私のことわかりますか?前田です。休みがちだったもので覚えてないかもしれませんが」

いや、ずっと好きだった白井さんとは違ってやや地味だが・・・

全然いいじゃないか!

ぼく「う、うん。別にいいけど・・・」

前田「よかった!宜しくお願いします。」

なんなんだよ、この唐突なイベントは。

前田さん?そんな子いたっけ?

そもそも女子から誘われるってどういうことなんだ。

なんかバタフライ効果的なことが起きてるのか?

前田「清水寺の舞台から飛び降りるって言うけどさ、こうやって見ると結構高いね」

ぼく「そっ、そうだね・・・」

やばい・・・この子よく見るとめちゃめちゃカワイイじゃねえか!

愛しの白井さんよ、無節操なぼくを許してくれ。

前田「どうしたの?1人で考え事?」

ぼく「い、いや、前田さんと一緒にまわれてその・・・うれしいよ」

前田「ほんと?私も楽しい」

幸せってこういうことか。

ぼく「ねぇ、どうしてぼくのこと誘ってくれたの?」

とか聞いてもいいですか!

前田「実は・・・前からずっと・・・」

はい、頂きました。ありがとう!!

生きてればいいことがあるなんて陳腐な言葉、今日は信じてもいいです!

ぼく「なっ、なんだよwwはやく言いなよっw」

前田「私、寺本くんのことが好きなの。それで、あなたなら協力してもらえそうな気がして―」

ぼくは清水の舞台から飛び降りた。

担任「じゃあ次の人」

・・・

担任「高橋くん?」

ぼく「あっ、あ、の・・・えっと、高橋、・・です」

担任「それだけ?」

ぼく「あ・・あ、よろ・・・おねがいします・・」

担任「はい。次の人」

寺本「はいっ!ちょっとちょと~みんな暗いんじゃないの~?緊張してる?
  もっと楽しくいこ~ぜ!これからみんなクラスメイトなんだからイエーイってね。
  あれ?俺?KY??うそうそ、マジで~?浮いてる?でもぉ~???でもでもでもぉ?
  そんなのかんけーねぇwwwwwwそんなのかんけーねーwwwwwwwwww」

生徒たち\アハハハハハ/



ぼく「・・・・・・」




今年イチバンワロタ

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