ペパロニ「最後のピザは、どうか二人で」 (172)

授業の終わりを告げる鐘が鳴る

学校の時間は鐘で区切られているから

一日に聞く機会は何度もある

もちろん今鳴った鐘だって

朝の鐘や昼の鐘と

何も変わらない

でも私は

この鐘の音が一番好きなんだ

戦車道の始まりを告げる

この鐘が



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1466530244

ペパロニ「いやーやっぱ戦車を見るとウキウキするな!」

カルパッチョ「あなたそれ毎日言ってますね...」

ペパロニ「あったりまえだろ!」

ペパロニ「こう、なんていうんだ?」

ペパロニ「戦車を見るとさ!胸がグワーッってなってさ!」

カルパッチョ「心が高ぶる」

ペパロニ「そうそうそれだよ!心がー」

ペパロニ「なんだっけ?」

カルパッチョ「高ぶる!」

ペパロニ「そう高ぶる!心が高ぶるんだよな!」

カルパッチョ「はぁ...どうしてこの子はこんなに...」

ペパロニ「ん?なんか言ったか?」

カルパッチョ「....なんでも」

ペパロニ「そうか!よっしゃ早速練習始めるか!」

カルパッチョ「そうですね」

ペパロニ「よっしゃお前ら!準備はいいか!」

一同「おー!!!」

ペパロニ「今日の調子はどうだ!」

生徒A「バッチリッス!」

生徒B「あたしも!」

生徒C「あたしはちょっとお腹が...」

ペパロニ「なに?それは見逃せねえな...」

ペパロニ「よっしゃじゃあ今から」

ペパロニ「おやつの時間だーーーー!!!」

一同「おーーーーーーーーー!!!!」

カルパッチョ「ちょっと!!!」

ペパロニ「ふぅ~今日も疲れたな~」

カルパッチョ「おやつ食べるのに、ですよね」

ペパロニ「しょうがないだろ!おやつの数がうちらの人数にあってないんだからさ!」

ペパロニ「しかもあの人数、絶対おやつの時だけ戦車道外から紛れ込んでるだろ!」

カルパッチョ「奪い合うなら戦車にして欲しいわ....」

ペパロニ「腹が減っては戦ができるっていうしな!」

カルパッチョ「....」

カルパッチョ「そんなだからうちはいつまでたっても弱小なんです....」

ペパロニ「うちだって全国大会の一回戦は勝っただろ!」

カルパッチョ「例年弱小校のうちが一回戦に勝ったくらいじゃ」

カルパッチョ「世間の評価はそう変わらないんです!」

ペパロニ「そんなこと言ったってなあ....」

ペパロニ「二回戦で負けたのも相手が優勝校だったからってことには....」

カルパッチョ「二回戦にいた他の相手に勝てたんですか?」

ペパロニ「うちらのノリと勢いがハマれば....」

カルパッチョ「優勝校とはいえ戦車の質が低い大洗だから最初は試合になったんです」

カルパッチョ「他の、例えばプラウダや黒森峰と当たっていたら」

カルパッチョ「目も当てられないことになってたと思います」

ペパロニ「うぅ....」

ペパロニ「で、でもさ!」

ペパロニ「来年!来年だ!」

ペパロニ「今年は経験の年だったんだよ!」

ペパロニ「うちらは久しぶりに二回戦まで勝ち上がり」

ペパロニ「二回戦じゃ優勝校と当たった!」

ペパロニ「挙句の果てには大学選抜と試合までしたんだぞ!」

ペパロニ「いくらノリと勢いのバカばっかりのうちでも」

ペパロニ「そう何回も大舞台を経験してたらさ」

ペパロニ「絶対成長してるだろ!」

ペパロニ「姐さんの指示は今まで一度も間違ってなかった」

ペパロニ「指示通りに動けなかった私たちが悪いんだ」

ペパロニ「でも来年からは違う!」

ペパロニ「姐さんの的確な指示!」

ペパロニ「それに間違うことなく着いて行くうちら!」

ペパロニ「今度は優勝も狙えるんじゃないか?」

ペパロニ「そういや姐さん来ないな?」

ペパロニ「まったくせっかくみんながやる気出してんのに」

ペパロニ「しょうがない姐さんだな!」

ペパロニ「な!カルパッチョ!」

カルパッチョ「....」

ペパロニ「なんだよ黙りこくって....」

カルパッチョ「なんでもありません....」

カルパッチョ「さ、そろそろ帰りましょうか」

ペパロニ「そうだな!」

カルパッチョ「....」

私はアンツィオが大好きだ

自慢じゃないが私はそれほど頭が良くない

でもこの学校では何も言われない

自慢じゃないが私はノリと勢いはある

ありすぎるくらいだと姐さんにはよく言われるが

アンツィオではそれが普通なんだ

周りと温度差を感じることもない

私のノリと勢いを受け入れてくれるこの学校が

みんなが

そして

姐さんが

大好きなんだ

ペパロニ「そろそろ寒くなってきたな~」

カルパッチョ「そうですね...」

ペパロニ「ノリと勢いで動いてるようななやつらしかいないから」

ペパロニ「寒くなると一気にみんな元気がなくなるのは困ったもんだ....」

カルパッチョ「まあ戦車の中は暖房もありませんし....」

ペパロニ「私はいくら寒くても戦車さえ見れば暑いくらいになるけどな~」

カルパッチョ「みんなあなたほどおバカさんってわけじゃないんです...」

ペパロニ「しっかしよ~」

ペパロニ「ほんっと姐さん最近来なくなったな~」

ペパロニ「みんなやる気なくしてるけどさあ」

ペパロニ「姐さんが来れば一気に火が着くと思うんだよ」

カルパッチョ「....」

ペパロニ「な~んでこんなに来ないんだろうな~」

カルパッチョ「....」

カルパッチョ「....あのペパロニ

アンチョビ「やーやー諸君!」

アンツィオ「ちゃんと練習してるか?」

一同「ドゥーチェ!!!!」

ペパロニ「姐さん!久しぶりッスね!」

アンチョビ「ああ!最近勉強の方が忙しくてな...」

アンチョビ「私も戦車に乗って息抜きをしようと思ったんだ!」

ペパロニ「へぇ~、姐さんが勉強!?」

ペパロニ「珍しいッスね~、こりゃ来年アンツィオが優勝するんじゃないか!なあカルパッチョ?」

カルパッチョ「そうですね」クスクス

アンチョビ「まったく、私はお前らとは違うんだ!」

アンチョビ「一応テストの成績だってそこまで悪くは....」

ペパロニ「さぁさぁ姐さん!わけわからいこと言ってないで」

ペパロニ「早く戦車に乗りましょうよ!」

アンチョビ「なんだと~!!」

ペパロニ「はいどうぞ!きちんと整備してますよ!」

アンチョビ「お~感心感心!」

アンチョビ「ってこら!私は勉強はちゃんと

ペパロニ「はいはい、続きは戦車に乗ってからしましょうよ!」

アンチョビ「ったく....」

アンチョビ「まあいいか、よぉ~しお前ら!」

アンチョビ「準備はいいか!!」

一同「おーーーーー!!!!!」

一同「ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!」

アンチョビ「ドゥーチェ、か....」

カルパッチョ「....」

ペパロニ「よっしゃ行くぞ~!!」

一同「お~!!」

アンチョビ「ふぅ....」

カルパッチョ「お疲れさまです」

アンチョビ「おぅカルパッチョ」

カルパッチョ「久しぶりの戦車道はどうです?」

アンチョビ「そんなの決まってる」

アンチョビ「最高だ!」

カルパッチョ「ふふ、ドゥーチェならそういうと思いました」

アンチョビ「だろ?」

アンチョビ「....」

カルパッチョ「....」

カルパッチョ「あの」

カルパッチョ「一つ聞いてもいいですか」

アンチョビ「ん、なんだ?」

カルパッチョ「ドゥーチェが今日ここに来たのって」

カルパッチョ「息抜きのため、だけじゃないですよね」

アンチョビ「....」

アンチョビ「さすがだな」ヤレヤレ

アンチョビ「お前はやっぱりノリと勢いだけじゃないな」ニコ

カルパッチョ「....」

アンチョビ「今日はお前らの様子を見に来たんだ」

アンチョビ「本当なら見に来る必要なんかなかったんだがな」

アンチョビ「そのくらいお前らのことはわかってるつもりだ」

アンチョビ「でもやっぱり」

アンチョビ「最後くらい自分の目できちんと見てから決めようと思ってな」ニコ

カルパッチョ「やっぱり」

カルパッチョ「次のドゥーチェは....」

アンチョビ「あぁ....」

アンチョビ「ペパロニだ」

カルパッチョ「そうでしょうね...」

アンチョビ「ん?お前がドゥーチェになりたかったのか?」ニヤニヤ

カルパッチョ「いえ、普通の学校ならもちろん私でしょうけど...」

カルパッチョ「ここはアンツィオ高校ですから!」ニコ

カルパッチョ「ペパロニが一番適任だと思います」ニコ

アンチョビ「お前ならそういうと思ったよ」ニコ

カルパッチョ「私のマネですか?」ニヤニヤ

アンチョビ「さっきの仕返しだ」ニコニコ

カルパッチョ「うふふ」ニコニコ

ペパロニ「いやぁ~やっぱ姐さんがいると楽しいッスね!」

ペパロニ「って姐さんにカルパッチョ!何そんなとこでサボってるんスか!!」

ペパロニ「せっかく来たのに乗らなきゃもったいないッスよ!姐さん!」

アンチョビ「ペパロニ!」

アンチョビ「今日の練習はこれにて終了だ!」

カルパッチョ「これから」

カルパッチョ「ドゥーチェの退任式を行います!」

ペパロニ「....退任?」

生徒A「たいにん?」

生徒B「タイ人?」

アンチョビ「退任だ!」

カルパッチョ「ドゥーチェはドゥーチェをやめるんです」

生徒C「ドゥーチェをやめたらドゥーチェは何になるんですか?」

アンチョビ「アンチョビだ!私の名前くらい覚えとけ!」

ペパロニ「....」

ペパロニ「...あの」

ペパロニ「姐さんはドゥーチェじゃなくなるだけッスよね?」

ペパロニ「それより上の....」

ペパロニ「首相?とかになるんスよね?」

カルパッチョ「ペパロニあのね?」

アンチョビ「....いい」

カルパッチョ「....はい」

アンチョビ「ペパロニ」

アンチョビ「私はお前より一つ年上だ」

ペパロニ「当り前じゃないッスか!何言ってるんッスか今更!」

アンチョビ「お前は今何年生だ」

ペパロニ「二年生ッス!」

アンチョビ「私は?」

ペパロニ「三年生ッスよ!忘れちゃったんスか姐さん!?」

アンチョビ「あのなあ....」

アンチョビ「私は三年生なんだ」

アンチョビ「来年の三月にはもう卒業するんだぞ?」

ペパロニ「へ?」

ペパロニ「...卒業?」

カルパッチョ「あなた本当に忘れてたのね....」

アンチョビ「だから来年の大会にはもう出られない」

アンチョビ「高校での戦車道も今日をもって」

アンチョビ「引退なんだ」

ペパロニ「引退....」

ペパロニ「で、でも!」

ペパロニ「そんなこと言ったら誰がうちらを引っ張るんスか!?」

ペパロニ「姐さんが卒業するのはわかりました!」

ペパロニ「当り前ッス!」

ペパロニ「それでもせめて卒業するまでは...」

ペパロニ「うちらのドゥーチェでいて

アンチョビ「ダメだ」

ペパロニ「どうして....」

アンチョビ「どっちみち来年の大会には出られないんだ」

アンチョビ「だったら引き継ぎは早い方がいいだろ」

ペパロニ「....」

ペパロニ「だったら!」

ペパロニ「だったら誰が指揮するんスか!」

ペパロニ「姐さん以外にうちらをまとめられる人なんて誰も

アンチョビ「それを今から言おうと思ってたんだ」

カルパッチョ「今日はドゥーチェの退任式兼」

カルパッチョ「新しいドゥーチェの任命式なんです」

ペパロニ「新しい....」

ペパロニ「ドゥーチェ....」

ペパロニ「そ、そんなやつここにはいないッスよ!」

ペパロニ「ほら見てください!」

ペパロニ「うちらはみ~んなノリと勢いで突っ走るだけッス!」

ペパロニ「姐さんみたいなやつ一人も

アンチョビ「ペパロニ」

ペパロニ「はい?」

アンチョビ「いるじゃないかここに」

ペパロニ「?」

ペパロニ「ああ!カルパッチョのことッスね!」

ペパロニ「確かにこいつはいつも冷静で指揮官にはぴったりかもしれないッス」

ペパロニ「さっすが姐さん

アンチョビ「ペパロニ!」

アンチョビ「次のドゥーチェは」

アンチョビ「おまえだ」ニコ

ペパロニ「え、え?」

ペパロニ「やややだなあ姐さん」

ペパロニ「私は」

ペパロニ「私はノリと勢いだけで生きてきた人間ッスよ?」

ペパロニ「そのせいで周りに迷惑をかけたことだってあるッス」

ペパロニ「全国大会の二回戦だって」

ペパロニ「私のせいで負けたんスよ?」

ペパロニ「そんなやつが次のドゥーチェ?」

ペパロニ「姐さんの後を継ぐ?」

ペパロニ「そんなの誰も認めるわけないッスよ!」

ペパロニ「いくらバカばっかっていってもそれくらいのことうちらでもわかるッス!」

カルパッチョ「みんな~?」

カルパッチョ「ペパロニさんはこう言ってるんですけどどうかしら?」

カルパッチョ「賛成の人は拍手をしてくださ~い!」

一同「....」

一同「....」パチパチ

パチパチパチパチパチパチパチパチ

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ペパロニ「そんな...なんで....」

アンチョビ「なあペパロニ」

アンチョビ「さっきお前は」

アンチョビ「自分のせいで大洗に負けたと言ったな」

ペパロニ「はい!私がきちんと作戦を分かってればきっと....」

アンチョビ「それは間違いだ」

アンチョビ「お前はバカだから間違ってるんだ!」

ペパロニ「そんなことっ

アンチョビ「あの試合は!」

アンチョビ「あのミスがなくても負けていた」

アンチョビ「なんせ相手はあの後優勝したんだぞ?」

アンチョビ「弱小の私たちが」

アンチョビ「苦し紛れの作戦で勝てる相手じゃなかった!」

ペパロニ「....」

ペパロニ「私バカだからわかんないッスそんなこと」

ペパロニ「姐さんがそう言うんならきっとあってるッス」

ペパロニ「それはわかりました」

ペパロニ「でもだったら」

ペパロニ「なんで私が次のドゥーチェなんスか?」

アンチョビ「....」

アンチョビ「カルパッチョ、今日の練習を仕切ってたのは誰だ?」

カルパッチョ「ペパロニです」

アンチョビ「そこのお前、いつも練習を仕切ってるのは誰だ?」

生徒A「ペパロニッス!」

アンチョビ「そっちのお前、いつもアンツィオ戦車道の中心にいるのは誰だ!!」

生徒B「ペパロニさんッス!!!」

ペパロニ「違う....違うんスよ....」

ペパロニ「それは私が、空気も読まずに...」

ペパロニ「勝手にみんなの前に出ちゃうから...」

アンチョビ「それが」

アンチョビ「リーダーなんじゃないのか?」

アンチョビ「それが」

アンチョビ「ドゥーチェなんじゃないのか?」

アンチョビ「お前の見てきたドゥーチェは」

アンチョビ「いつもどこに立ってた?」

ペパロニ「....」

ペパロニ「みんなの....」

ペパロニ「前ッス....」

アンチョビ「さすがにもうわかったよな?」

ペパロニ「はい....」

カルパッチョ「決まりですね...」ニコ

アンチョビ「ああ!」コクリ

アンチョビ「よ~しお前らよく聞け!!」

アンチョビ「これから私の次のドゥーチェを任命する!!!!」

一同「おーーーーーーー!!!」

アンチョビ「その名は....」

アンチョビ「ペパロニだーーーーーーーー!!!!」

一同「おおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」

ペパロニ「みんな....」

アンチョビ「さぁペパロニ」

アンチョビ「お前の得意な」

アンチョビ「前に出る、ところだぞ」ニッコリ

ペパロニ「姐さん....」

ペパロニ「はいッス!!!!」

アンチョビ「さぁおまえらめでたいぞ!!」

アンチョビ「新ドゥーチェの誕生だ!!!!」

一同「おおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

アンチョビ「もう一度言うから聞き逃すなよ!」

アンチョビ「その名は....」

アンチョビ「ドゥーチェ・ペパロニだーーーーーーーー!!!!!!」

一同「おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

一同「ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!」

ペパロニ「みんな!!!ありがとう!!!!!」

違う

ペパロニ「これからは姐さんの後継者として」

違う

ペパロニ「ビシバシ厳しいドゥーチェになるから」

違う

ペパロニ「お前ら覚悟しとけよ!!!」

違うんだ

一同「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」

ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!

やめてくれ

ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!

それは私の物じゃない

ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!
ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!

私はそんなのいらない

ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!
ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!

だから姐さん

ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!
ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!

いなくならないで

ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!
ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!
ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!
ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!

..............

【第一部 完】

少し休憩します
日が落ちたら再開します

それでは再開します
投下ペースが遅いのでもしよろしければこちらなんて読んでみてはいかがでしょうか
華「母乳ゾンビ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1466430670/)

昔の私はというと今とそう変わらない

明るく元気でバカ

ノリと勢いだけで生きているところなんて

今と何も変わらない

小学生の頃は

男子に交じって

ノリと勢いだけでも生きていけた

でもそれもだんだん変わっていった

年齢が上がるにつれて

男子は私を相手にしてくれなくなった

年齢が上がるにつれて

女子は私を疎むようになった

彼女たちの言葉を借りると

どうやら私は

ウザい

らしい

みんなが空気を読んで黙っていても

私は思ったことはなんでも口に出してしまう

正しいことだからいいじゃないか

そう言っても

この世界は正しいことが正しいとされるわけではない

正しいという人が多いこと

それが正しいということなんだ

それに気がついたとき

私の周りには

誰も

ペパロニ「っ....」ガバッ

ペパロニ「....」

ペパロニ「嫌な夢...」

ペパロニ「....」

ペパロニ「まだこんな時間か....」

ペパロニ「朝練....」

ペパロニ「今日はいいか....」

ペパロニ「寝よ....」ドサッ

ペパロニ「....」

季節は巡って冬も半ば

具体的にはそろそろ新たな年の足音が聞こえ始める頃

ペパロニが新しいドゥーチェになって

2か月が過ぎようとしていました

ペパロニはドゥーチェとして

戦車道のみんなを

いつも引っ張っています

表面上は

カルパッチョ「はぁ....」

生徒A「どうしたんスか?」

カルパッチョ「いや、今朝もペパロニさん来なかったな~って」

生徒B「ペパロニ姐さんは寝坊ッスよ寝坊!」

カルパッチョ「そうね....」

カルパッチョ「だったらまだいいんだけど....」

ペパロニ「おっはよ~!!」

カルパッチョ「ペパロニさん!」

生徒AB「おはようございま~す!!」

ペパロニ「おう!おはよ!」

カルパッチョ「あなたまた朝練来ませんでしたね!」

カルパッチョ「ドゥーチェになったんだからしっかりしてください!」

ペパロニ「ごめんごめん~」

ペパロニ「いや~今日も寝坊しちゃってよ~」

ペパロニ「やっぱり自分が一番上になっちゃうとさ~」

ペパロニ「ちょ~っとだけ気が抜けちまうんだよなあ~」

ペパロニ「ってことで明日はちゃんと来るからさ!な?」

カルパッチョ「....」

カルパッチョ「約束ですからね?」

ペパロニ「おう!真実の口に誓って約束だ!」

ペパロニ「んじゃ!」タッタッタッタ

カルパッチョ「ペパロニ....」

カルパッチョ「(いくら明るい顔をしたって)」

カルパッチョ「(あんなに濃いくま)」

カルパッチョ「(普通は気づきます....)」

生徒A「ほら~やっぱり寝坊ッスよ~」

生徒B「だから言ったでしょ~」

カルパッチョ「(ここがアンツィオでよかったですね...)」

ペパロニは次の日の朝練にはちゃんと来ました

約束を破る子ではないので特に心配はしていませんでしたが

でもそれは彼女がドゥーチェになってから今までと同じ

戦車道の運営が滞りなく進むくらいには来るんです

でも

本当に最低限ですが

あまり重要ではない練習の時だけ

彼女は時々顔を出しません

来た時はもちろんドゥーチェとしての職責を全うしています

それに関しては何も言うことはないくらいに

だからあまり強くは言えないんです

アンチョビ姐さんがいた頃は

そんなこと絶対にありませんでした

やっぱりペパロニさんは....

訂正

ペパロニさんは次の日の朝練にはちゃんと来ました

約束を破る子ではないので特に心配はしていませんでしたが

でもそれは彼女がドゥーチェになってから今までと同じ

戦車道の運営が滞りなく進むくらいには来るんです

でも

本当に最低限ですが

あまり重要ではない練習の時だけ

彼女は時々顔を出しません

来た時はもちろんドゥーチェとしての職責を全うしています

それに関しては何も言うことはないくらいに

だからあまり強くは言えないんです

アンチョビ姐さんがいた頃は

そんなこと絶対にありませんでした

やっぱりペパロニさんは....

ペパロニさんが

戦車道に来ても

来なくても

時間は勝手に過ぎていきます

いつの間にか年の瀬

戦車道の練習も年末はお休みです

お休みを告げたときのみんなは

いつものようにキラキラと

まるで子供のような

希望に満ちた顔をしていました

戦車に乗るものとしてはどうかと思いますが

それもみんなのいいところと

姐さんは言っていました

でも

ペパロニさんだけは

思う存分休みを楽しもう

という顔ではありませんでした

暗い

でもどこかホッとしたような

まるで

やっと戦車から離れられる

そんな顔をしているように見えたのは

私の気のせいでしょうか

そんな気持ちがあったからでしょう

私は

絶対にもう頼らないと決めていた

あの人の部屋の扉を

すがるように

叩いていました

カルパッチョ「....」

カルパッチョ「....」トントン

ハーイ

ガチャリ

アンチョビ「はいはい」

アンチョビ「おぉ!カルパッチョじゃないか!」

カルパッチョ「すみません受験勉強で忙しいこの時期に....」

アンチョビ「いいんだいいんだ!」

アンチョビ「ちょうどキリがいいところだしあがってってくれ!」

カルパッチョ「いえ、そういうわけには

アンチョビ「話があるんだろ」

アンチョビ「大事な」

カルパッチョ「....」

アンチョビ「ちょうど夕飯でも作ろうと思ってたところだったんだ!」

アンチョビ「まだ食べてないだろ?」

カルパッチョ「それは....はい....」

アンチョビ「そうだろそうだろ!」

アンチョビ「この元ドゥーチェ・アンチョビ様が腕によりをかけて作ってやる!」

アンチョビ「美味すぎて」

アンチョビ「話の内容を忘れるんじゃないぞ?」ニコ

カルパッチョ「....頑張ります」ニコ

アンチョビ「さぁ!元ドゥーチェ特製ナポリタンだ!」

カルパッチョ「あんなこと言った割には意外と普通ですね」クスリ

アンチョビ「しょ、しょうがないだろ!」

アンチョビ「受験生はいろいろ大変で買い物の暇もないんだ!」

カルパッチョ「はいはいわかりました」クスリ

アンチョビ「わかってないだろ!!」

カルパッチョ「それじゃあ、いただきます」

アンチョビ「ああ!召し上がれ!」

カルパッチョ「(モグモグ)」

カルパッチョ「ほんっとに普通のナポリタンですね...」

カルパッチョ「これだったらペパロニさんの屋台の方がよっぽど...」

アンチョビ「なんだとー!?」

カルパッチョ「で、でも...」

カルパッチョ「すごく、すごく」ポロ

カルパッチョ「おっ、美味しいです....」ポロポロ

アンチョビ「カルパッチョ....」

アンチョビ「よく頑張った....」ギュッ

アンチョビ「でもな」

アンチョビ「私はまだアンツィオにいるんだ」

アンチョビ「受験勉強?」

アンチョビ「そんなことお前たちが気にする必要はない」

アンチョビ「なんてったって私は」

アンチョビ「先代のドゥーチェ」

アンチョビ「お前たちは何も考えずに」

アンチョビ「ノリと勢いだけで」

アンチョビ「私を頼ってくれていい」

カルパッチョ「アンチョビねえさん....」ポロポロ

アンチョビ「まったく、お前みたいに頭がいいのも考えものだな」ギュー

カルパッチョ「ねえさん....ねえさん....」ギューーーー

アンチョビ「....」

アンチョビ「....落ち着いたか?」

カルパッチョ「....はい」

カルパッチョ「すみません、見苦しいところを....」

アンチョビ「謝らなくていい」

アンチョビ「お前もまだ高校生なんだ、泣いたって何もおかしくない」

カルパッチョ「ありがとうございます」ペコリ

アンチョビ「それで....」

アンチョビ「何があったんだ?」

カルパッチョ「何かあったというわけじゃないんです....」

カルパッチョ「まだ目に見えて何かあった方が気が楽なんですけど....」

アンチョビ「全部言ってみろ」

アンチョビ「全部聞く」

アンチョビ「それが私の役目だ」

カルパッチョ「わかりました....」

アンチョビ「なるほど....」

カルパッチョ「ペパロニさんは何も言わないんです」

カルパッチョ「でも私ももう2年のつきあいになりますから」

カルパッチョ「なんとなくはわかるんです」

カルパッチョ「あの子が無理してるってことは」

カルパッチョ「だから練習をたまに休むってことも」

カルパッチョ「でも」

カルパッチョ「あの子は私を頼ってはくれません」

カルパッチョ「自分はドゥーチェだから」

カルパッチョ「人には頼れない」

カルパッチョ「そんな風に考えているのかもしれません」

アンチョビ「....」

カルパッチョ「でもそれに限界が来ているから」

カルパッチョ「そうでもなきゃあの子が戦車道を休むなんてありえません!」

カルパッチョ「あれはあの子のSOSなんです!」

カルパッチョ「このままじゃあの子は戦車を嫌いになってしまう!」

カルパッチョ「でも私には無理でした....」

カルパッチョ「だからお願いします....」

カルパッチョ「あの子を....ペパロニを....」ポロ

カルパッチョ「救ってあげてください....」ポロポロ

アンチョビ「....」

アンチョビ「おいおい、せっかく落ち着いたのにまた泣くなよ~」ギュウ

カルパッチョ「ずびばせん.....」ポロポロ

アンチョビ「あとな?」

アンチョビ「お前はさっき」

アンチョビ「自分には救えなかった、なんて言ってたが」

アンチョビ「それは違うぞ」

カルパッチョ「なんでですか....私は苦しんでいるペパロニを

アンチョビ「はぁ~、お前たち二人は」

アンチョビ「揃いも揃って間違いばかりだな」ニコ

アンチョビ「カルパッチョ、お前は」

アンチョビ「私にこれを教えてくれたじゃないか」ニッコリ

アンチョビ「そして私は間違いなく」

アンチョビ「ペパロニを救う」

アンチョビ「そしたらさ」

アンチョビ「お前もペパロニを救ったことになるだろ?」

カルパッチョ「....」ポロポロ

カルパッチョ「....やっぱり姐さんは」ポロポロ

カルパッチョ「私たちのドゥーチェです...!!!」ギュー

アンチョビ「おいおい、私はドゥーチェじゃないぞ?」

カルパッチョ「そうでしたね....」

カルパッチョ「”元”ドゥーチェ?」ギューーーーーー

アンチョビ「正解だ」ギューーー

アンチョビ「今度こそ落ち着いたか?」ニヤニヤ

カルパッチョ「....はい」

カルパッチョ「本当に何度もすみません」ペコリ

アンチョビ「だ~か~ら~いいって言ってるだろ!」

アンチョビ「謝るんじゃなくてそう言う時はな」

アンチョビ「”ありがとう”」

アンチョビ「これでいいんだよ」

カルパッチョ「....」

カルパッチョ「くさいセリフですね....」

アンチョビ「い、いいじゃないかこんなときくらい!!」

カルパッチョ「でも」

カルパッチョ「ありがとうございました」ペコリ

カルパッチョ「そして」

カルパッチョ「ペパロニさんを」

カルパッチョ「どうかよろしくお願いします!!」ペコリ

アンチョビ「....」

アンチョビ「お前は、このアンチョビの言葉が信じられないのか?」

カルパッチョ「いえ、でも姐さんは肝心なところで頼りないので....」

アンチョビ「まったく、ちょっと落ち着くとすぐこれだ....」

カルパッチョ「冗談です♪」

アンチョビ「ふん!何も心配することはない!」

アンチョビ「これが私の」

アンチョビ「アンツィオ高校のドゥーチェとしての」

アンチョビ「最後の仕事ってことだ!」

カルパッチョ「頑張ってください安斎先輩♪」

アンチョビ「アンチョビ!!」

目が覚めた

カーテンを開けて外をのぞくとあいにくの雨だ

せっかくの大晦日なんだから晴れ晴れした気持ちで年を越したいな

なんて

空が晴れていたところで

私の気持ちは晴れるのだろうか

時計を見るともう十一時になろうとしていた

そろそろ大掃除の仕上げをしなければいけない

そう思って立ち上がった体は

重い

これがドゥーチェの重さなんだろうか

姐さんはこんなのをずっと持ってたのか

やっぱり姐さんはすごい

私なんて

遠く及ばない

大掃除も一通り済んだ

これで私の部屋は気持ちよく新年を迎えることができるだろう

いつもなら家族の待つ家に帰るところだが

今年は見送った

今の私が帰ったら

せっかくの家族の団欒に水を指してしまいそうだったから

そんなことを考えながらふと横を見ると

ほとんど勉強なんてしない私の部屋に

何のためにあるかわからない机が

その上には

山積みになったプリント

面倒だが片づけるしかあるまい

ふぅと一息ついて

のろのろと手を動かし始める

山積みのプリントとといっても

机自体はそんなに大きくはない

だからのろのろ片づけてもすぐに終わってしまった

久しぶりにまっさらな机に向かう

座った私のちょうど目の高さに

一枚の写真が置いてあった

姐さんと私とカルパッチョ

日付は去年の四月

懐かしいな

その頃はまだ私は....



大掃除で疲れていたのか

懐かしい日々に思いを馳せながら

私の意識は浅い眠りへと落ちていった

高校生になったら

高校デビューとかイメチェンとか

とにかく中学生から大きく変わる

なんていうけど

私はその逆だった

中学生の時に

私の生き方は間違っていると言われた

たくさんの人に

だから決めたんだ

もうノリも

勢いも

封印すると

周りを気にする

空気を読める

普通の

女の子になると

と思ったのに

なんでこんなところに入学することになったんだろう

私が入学したのはアンツィオ高校

そこは

ノリと勢いで生きる生徒たちの集う学校

私の決意を貫くには

あまりにも厳しい環境だった

私は戦車道を選択することにした

もともとそういうカッコいいことは大好きだったというのもある

でも一番の理由は

戦車に乗っていれば

勝手にみんなの前に立って

一人で走っていくようなことは

ないと思ったから

戦車は一人じゃ動かせない

もし私が我慢できなくなっても誰かが止めてくれる

私のような空気の読めない人間でも

戦車という鉄の檻に入っていれば

きっと大丈夫

そういう考え

それが

私と戦車との出会い

軽い考えで選択したはずだったのに

私はどんどん戦車にのめりこんでいった

でも好きになればなるほど

私の心が高鳴る

前に出ろ

ここで飛び出せ

はやる気持ちを必死で押さえつけながら

私ではなく

戦車を動かす一人になろうとした

主張しちゃいけない

ノリと勢いは封印したんだ

もうあんな失敗はしたくない

今度は戦車まで奪われてしまう

それだけは絶対に

そう言い聞かせながら

アンツィオの人たちはみんなノリと勢いで生きていたから

自己主張しない私はどこか馴染めずにいた

そんな私と同じような人がもう一人

彼女はアンツィオにはとても似つかわしくない

落ち着いていて

綺麗で

爽やかで

そんな人だった

お互い浮いていたこともあってか

私たちはすぐに仲良くなった

彼女と友達になって

私は生まれて初めて

女の子になれた気がした

そんな矢先

ある先輩に呼び出されたんだ

彼女の名は

アンチョビ「なあおまえ?」

ペパロニ「は、はい....」

アンチョビ「なんで自分が呼び出されたかわかるか?」

ペパロニ「い、いえ....」

アンチョビ「そうか....」

アンチョビ「じゃあ教えてやる!」

アンチョビ「おっとその前に」

アンチョビ「私の名前、わかるか?」

ペパロニ「....」

ペパロニ「....すみませんわかりません」

アンチョビ「....」

アンチョビ「ップ、アッハッハッハ!!!」ゲラゲラ

アンチョビ「お前、馬鹿正直だな!!」

アンチョビ「普通先輩の名前がわからなくてもごまかすくらいはするだろ!!」

ペパロニ「あ、え、は、はい....」

アンチョビ「お前いつも黙ってるけど....」

アンチョビ「さてはバカだな!」

ペパロニ「え、え、そ、そうかもしれません....」

アンチョビ「も~固い固い!!」

アンチョビ「知らない先輩に絡まれたら緊張するかもしれないがな~」

アンチョビ「もっと楽~にしてていいぞ!」

アンチョビ「別に今からお説教するとかそういうことじゃないんだ」

ペパロニ「あ、そうなんですか....」ホッ

アンチョビ「あ!お前いま露骨にホッとしたな~」

アンチョビ「やっぱりバカなんだな~!!アッハッハッハ!!」ゲラゲラ

ペパロニ「あ、あはは....」

アンチョビ「それでだな」

アンチョビ「私の名前はアンチョビ!」

アンチョビ「次のドゥーチェになる女だ!」

ペパロニ「は、はぁ....」

アンチョビ「私はな」

アンチョビ「戦車道をやってる全員が」

アンチョビ「明るく楽しく」

アンチョビ「ノリと勢いで」

アンチョビ「勝ち進んでいく」

アンチョビ「そんな戦車道にしたいと思ってるんだ!」

ペパロニ「....」

アンチョビ「それで」

アンチョビ「一つ聞きたいんだが」

アンチョビ「お前は戦車に乗ってて」

アンチョビ「楽しいか?」

ペパロニ「....」

ペパロニ「....楽しいで

アンチョビ「嘘だな」

ペパロニ「....なんでそんなことわかるんですか」

アンチョビ「私はな」

アンチョビ「頭はあまり良くないが」

アンチョビ「人を見る目はあると思ってるんだ」

アンチョビ「練習中にいつも気になってたんだが」

アンチョビ「お前、我慢してるだろ」

ペパロニ「!!!」

アンチョビ「他のやつらは年上年下関係なくに突っ走っていくのに」

アンチョビ「お前だけなぜか落ち着いてる」

アンチョビ「そういうやつなのかと思ったら」

アンチョビ「他のやつらを羨ましそうに見てる」

ペパロニ「.....」

アンチョビ「なぁ、なにをそんなに恐れてるんだ?」

アンチョビ「ここは」

アンチョビ「ノリと勢いが売りのアンツィオ高校だぞ?」

そこからはもう一瞬だった

堪えてきた思いが

目から口から

一気にあふれだす

先輩が相手だろうがお構いなしだった

昔から抱えてきた悩み

中学の頃の話

高校に入った時の決意

全てを

涙と一緒に

その日初めて言葉を交わした先輩に

姐さんに

ぶつけた

アンチョビ「....」

アンチョビ「落ち着いたか?」

ペパロニ「....はい」グス

ペパロニ「あったばかりの先輩にこんなこと....」グス

アンチョビ「いいんだ」

アンチョビ「私は次期ドゥーチェだからな!」ナデナデ

ペパロニ「....すみません」ペコリ

アンチョビ「....ったく」

アンチョビ「そう言う時はな」

アンチョビ「すみませんじゃなく」

アンチョビ「ありがとう、って言うんだ」

アンチョビ「そっちの方が言った方も言われた方もうれしいだろ?」

ペパロニ「....ありがとうございました」ペコリ

アンチョビ「うん!素直でよろしい!」

アンチョビ「それから」

アンチョビ「さっきのお前の話を聞いてて思ったんだが」

アンチョビ「我慢しなくてもいいんじゃないか?」

ペパロニ「えっ!?」

アンチョビ「だってそれは」

アンチョビ「お前のノリと勢いが周りに合わなかっただけだろ?」

アンチョビ「ここはアンツィオ、名物は」

アンチョビ「ノリと勢い!」

アンチョビ「みんなそうやって過ごしてる!」

アンチョビ「なんでお前だけ我慢する必要があるんだ?」

ペパロニ「....確かに」

アンチョビ「ほんっとにお前は」

アンチョビ「なにも考えてないようなやつらが大勢いるアンツィオでも」

アンチョビ「飛び切りのバカだな!!!アッハッハッハ!!!」

ペパロニ「....」

アンチョビ「それにな」

アンチョビ「さっきのお前の」

アンチョビ「我慢しない喋り方」

アンチョビ「私は絶対そっちの方が今よりいいと思うぞ?」

ペパロニ「えっ...?」

アンチョビ「私はありのままのお前が好きだな」ニコ

ペパロニ「....」

ペパロニ「....わかりました」

アンチョビ「ん?」

ペパロニ「わかりま....わかったッス!!」

アンチョビ「おう!」

ペパロニ「私これからは何も我慢しません!!」

アンチョビ「おう!!!」

ペパロニ「私は今まで」

ペパロニ「ノリと勢いで突っ走ってきました」

アンチョビ「....」

ペパロニ「でもそれだけじゃダメなんスよ!!」

ペパロニ「キチンとしたところへ導いてくれる」

ペパロニ「そんな人が必要なんです!!」

アンチョビ「....」

ペパロニ「道標なしじゃ何もできない」

ペパロニ「バカでダメな私ッスけど」

ペパロニ「姐さんと呼ばせてもらってもいいッスか!!」

ペパロニ「姐さんの後を」

ペパロニ「着いて行ってもいいッスか!!!」

アンチョビ「....」

アンチョビ「当り前だ!!!」

アンチョビ「お前は」

アンチョビ「ドゥーチェ・アンチョビの」

アンチョビ「進んでいく道を」

アンチョビ「片時も離れずに」

アンチョビ「着いてこい!!!」

ペパロニ「うっ、うぅ....」ポロポロ

ペパロニ「一生着いて行くッスよ~姐さん~」ギュー

アンチョビ「ちょ、おまえ!髪に鼻水が付くだろ!!」

ペパロニ「いいじゃないッスか~ウィッグなんだし~」ズルズル

アンチョビ「これは地毛だ!!」

ペパロニ「そぉーだったんスかー!」

再び目が覚める

冬の机のひんやりとした感覚が

私を現実へ引き戻す

懐かしい

本当に懐かしい夢だった

あの後カルパッチョに本当の自己紹介をした時の顔は

今思い出しても傑作だ

同級生だし最初はタメ口だったのに

あれ以来なぜか敬語になってしまった

だからといって距離があったわけじゃない

はずだったんだ

私がドゥーチェになるまでは

ピンポーン

ペパロニ「ん?誰だ?今日大晦日だぞ...」

ガチャ

ペパロニ「はい」

アンチョビ「やあペパロニ!」

ペパロニ「姐さん!?」

ペパロニ「ど~したんスか?こんな時に!?」

アンチョビ「いや、わたしは受験勉強があるから家には帰らなかったんだが」

アンチョビ「一人で年を越すのもな~と思ってたところに」

アンチョビ「どうやらペパロニが残ってるらしいってことを聞いてな!」

アンチョビ「一緒に年を越さないか?」

ペパロニ「....」

アンチョビ「ほら!そばも買ってきたぞ!」

ペパロニ「もちろんオッケーッスよ!!さ、入ってください!!」

アンチョビ「あぁ!悪いないきなり....」

ペパロニ「いいんスよ~!ささ、こたつどうぞ!」

アンチョビ「ん、ああ、ありがとう」

ペパロニ「いや~でも本当ビックリッスよ~」

ペパロニ「大丈夫なんスか?こんなところで遊んでて~」ニヤニヤ

アンチョビ「私も普段はちゃんと勉強してるんだ!」

アンチョビ「まあいいじゃないか今日くらいは」

ペパロニ「まぁ~そうッスねえ」

ペパロニ「今年も今日で終わりなんスもんね~」シミジミ

アンチョビ「そうだな....」

アンチョビ「....」

ペパロニ「....」

アンチョビ「ほら、あと1時間くらいで紅白も始まるぞ!」

ペパロニ「えぇ~、ガキ使が6時半からッスよぉ?」

アンチョビ「い~や~だ~!!」

アンチョビ「大晦日はガキ使って決めてるんだ!」

ペパロニ「ここ私の部屋ッスよ!?」

アンチョビ「私は元ドゥーチェだぞ!後輩は先輩に....」

ペパロニ「....」

アンチョビ「どうした....?」

ペパロニ「....いや」

ペパロニ「なんでもないッス....」

アンチョビ「まぁとりあえず紅白を

ペパロニ「何言ってるんスかぁ!?」

ペパロニ「見るのはガキ使ですって!!」

アンチョビ「いや紅白だ!」

ペパロニ「ガキ使!」

アンチョビ「紅白!」

二人「も~~~~~~!!!!!!」

ペパロニ「それで結局....」

アンチョビ「格闘技....か....」

ペパロニ「姐さん!どっちも年に一回しかなかったのにこれでいいんスかぁ!?」

アンチョビ「しょうがないだろ!いくら話し合っても決まらなかったんだから!」

ペパロニ「そこは部屋の主に譲りましょうよ...」

アンチョビ「いや年上にだな....」

二人「....」

二人「ふ、ふふ、」

二人「あはははははははは!!!」

ペパロニ「なんか久しぶりッスねぇ~こういうの!」

アンチョビ「そうだな、ちょっと前までは毎日こんなことしてたんだからな...」

ペパロニ「ちょっと前って言ってももう半年近く前の話ッスよぉ」

アンチョビ「そう考えると結構経つんだな」

ペパロニ「私がドゥーチェになってから....」

アンチョビ「....」

ペパロニ「....」

アンチョビ「よしペパロニ!」

アンチョビ「今何時だ?」

ペパロニ「今ッスか?11時半ッス」

アンチョビ「急いで年越しそばを食べるぞ」

アンチョビ「そして」

アンチョビ「学園艦の端まで行こうじゃないか」ニヤ

ペパロニ「端!?」

ペパロニ「いくらうちの学園艦がそんなに大きくないからって結構かかるッスよ?」

ペパロニ「それに真冬のこの時間は寒いッス!」

ペパロニ「こんな夜中に何しに行くんスか?」

アンチョビ「決まってるだろう」

アンチョビ「初日の出だ!」

ペパロニ「姐さ~ん」

ペパロニ「姐さん!!!」

アンチョビ「ん?なんだ?」

アンチョビ「こんな時間なんだからあんまり大きな声出すな」

ペパロニ「姐さんが聞こえてないからッスよぉ」

ペパロニ「それにしても....」

ペパロニ「大晦日の夜中から戦車乗りまわしちゃっても大丈夫なんスか?」

アンチョビ「まぁCV33なんて車と変わらないしたぶん大丈夫だろ?」

ペパロニ「適当ッスねぇ...」

ペパロニ「姐さんもだいぶんうちらみたいな考え方になってきてませんか?」

アンチョビ「失礼な!」

ガゴン

ペパロニ「しっかし....」

アンチョビ「真冬のこの時間....」

ペパロニ「寒い!!」

アンチョビ「寒すぎる!!!」

アンチョビ「誰だ!戦車に乗ろうなんて言ったやつ!!」

ペパロニ「姐さんッスよ....」

アンチョビ「....」

アンチョビ「まぁ、こういう時こそ」

アンチョビ「ノリと!」

ペパロニ「勢いッス!!」

アンチョビ「よっしゃ行くぞ!!走ってればじき暖まるだろ!!」

アンチョビ「ペパロニ!発進だ!!!」

ペパロニ「了解ッス!!」

ブオーーーーーーーーーーーーーーーーン

アンチョビ「着いたな....」

ペパロニ「そうッスね....」

ペパロニ「というか....」

ペパロニ「早すぎたんじゃないッスか!?」

アンチョビ「やっぱりそうか!!」

ハッハッハッハッハッハッハッハ

ペパロニ「どうするんスか....」

アンチョビ「まあまあ」

アンチョビ「温かいスープをたっぷり水筒に入れてきたから飲もう!」

ペパロニ「さっすが姐さん!!」

ゴクリ

二人「はぁ~~~~~~~~~~......」

ペパロニ「やっぱ姐さんの料理はうまいッスねぇ~」

アンチョビ「そういってもらえると悪い気はしないな!」

ペパロニ「....」

アンチョビ「....」

ペパロニ「まあ暖まるは暖まるんスけど....」

ペパロニ「ぶっちゃけ暇ッスね....」

アンチョビ「....」

アンチョビ「なあペパロニ」

ペパロニ「なんスか?」

アンチョビ「初日の出を拝むまでにはまだ時間もあることだし」

アンチョビ「少し話さないか」

ペパロニ「....」

ペパロニ「....いいッスよ」

そこから後はあまり覚えていない

というのも

覚えられないようなくだらない話ばかりだったからだ

でも

やっぱり

姐さんと一緒にいると

幸せだ

久しぶりに会ったせいで

また思い知ってしまう

私は姐さんが

大好きなんだと

気が付くとだんだんと空は白んできていた

あともう少しで

日の出なんだろう

アンチョビ「....」

ペパロニ「....」

アンチョビ「ペパロニ」

ペパロニ「なんスか?」

アンチョビ「なんで」

アンチョビ「練習を休むんだ」

ペパロニ「....」

アンチョビ「少し前までそんなことなかっただろ」

アンチョビ「いや、少し前なら別によかったんだ」

アンチョビ「でもな、今お前は」

アンチョビ「ドゥーチェなんだ」

アンチョビ「だからその自覚を持って

ペパロニ「違うッス」

ペパロニ「姐さん、それは違うんスよ」

アンチョビ「なにも違わないだろ?」

ペパロニ「違うんスよ!!!」

ペパロニ「ドゥーチェは姐さんで!!!」

ペパロニ「私は」

ペパロニ「ただのペパロニ」

ペパロニ「ずっとそれで来たじゃないスか....」

アンチョビ「....」

ペパロニ「今更」

ペパロニ「今更お前がドゥーチェだなんて言われても....」

ペパロニ「私の中のドゥーチェは姐さんなんスよ....」

ペパロニ「どうすればいいんスか....」

アンチョビ「....」

ペパロニ「私も頑張ろうとしたんスよ」

ペパロニ「姐さんみたいにみんなに指示して」

ペパロニ「姐さんみたいにみんなを引っ張って」

ペパロニ「でもダメなんスよ....」

ペパロニ「私は姐さんにはなれないんス...」

アンチョビ「....」

ペパロニ「聞こえてくるんスよ」

ペパロニ「『勝手に仕切るな』」

ペパロニ「『一人で突っ走るな』」

ペパロニ「『空気を読め』」

アンチョビ「....」

ペパロニ「わかってるんスよ....」

ペパロニ「うちの高校にそんなこと言うやつはいないって」

ペパロニ「でも体が覚えてるんス....」

ペパロニ「戦車に乗ってみんなに指示してるときは何もないんスよ」

ペパロニ「でも部屋に帰って」

ペパロニ「布団に入ると」

ペパロニ「嫌でもその日のことを思い出すんス....」

ペパロニ「そしてみんなが言うんス....」

ペパロニ「『お前はドゥーチェじゃない』」

ペパロニ「って」

アンチョビ「....」

ペパロニ「....」

ペパロニ「....姐さん」

ペパロニ「私やっぱりドゥーチェやめます」

ペパロニ「私じゃなくてカルパッチョとかの方が向いてると思うッス」

アンチョビ「....」

アンチョビ「....」

アンチョビ「なぁペパロニ?」

アンチョビ「お前もカルパッチョも本当に世話が焼ける」

アンチョビ「お前はなぁ、いやお前も、か」

ペパロニ「?」

アンチョビ「勘違いしてるんだよ」

ペパロニ「勘違い...?」

アンチョビ「お前はな」

アンチョビ「私になるんじゃない」

アンチョビ「ドゥーチェになるんだ」

ペパロニ「だ、だから言ってるじゃないスか....!」

アンチョビ「いーや言ってない」

アンチョビ「お前は」

アンチョビ「ドゥーチェ・ペパロニになるんだ!」

ペパロニ「ドゥーチェ・ペパロニ....?」

アンチョビ「そうだ」

アンチョビ「私は一回でも」

アンチョビ「私のようなドゥーチェになれなんて言ってか?」

ペパロニ「....」

アンチョビ「私がなんでお前をドゥーチェに任命したかまだ言ってなかったな」

ペパロニ「....」

アンチョビ「私はお前のバカさに懸けたんだ!」

ペパロニ「....」

ペパロニ「はぁ!?」

ペパロニ「バカさってどういうことッスか!?」

ペパロニ「バカがトップに立っちゃダメってことくらいうちの弟でもわかるッスよ!?」

アンチョビ「あぁ、普通はそうだな」

アンチョビ「でもな」

アンチョビ「アンツィオにおいては大丈夫なんだ!」

ペパロニ「何言ってるんスか?」

ペパロニ「そりゃあ姐さんだってそこまで勉強ができたわけじゃないッスけど」

ペパロニ「戦術家としてすごかったってことくらいみんな知ってるッスよ?」

アンチョビ「それがまず間違いだったとしたら?」

ペパロニ「!?」

アンチョビ「去年の全国大会二回戦」

アンチョビ「私たちはマカロニ作戦やらなんやらが失敗して大洗に負けた」

ペパロニ「....」

アンチョビ「私はあの作戦が最良だと思った」

アンチョビ「でもあの試合が終わった後」

アンチョビ「それは違ったのかもしれないと思い始めたんだ」

ペパロニ「そんなわけっ

アンチョビ「あぁ、ないと思う」

アンチョビ「だがあるとも思えるんだ」

ペパロニ「....」

アンチョビ「だったら」

アンチョビ「弱いチームが賢い作戦をたてて負けたんなら」

アンチョビ「次は」

アンチョビ「うちの学校の強みを生かした戦いをしたらどうか」

アンチョビ「そう思ったんだ」

ペパロニ「ってことはつまり....」

アンチョビ「あぁ」

アンチョビ「私は来年の戦いでは」

アンチョビ「『ノリと勢い』で戦ってほしいと思ってる」

ペパロニ「そんなことしたらまた!」

アンチョビ「負けるかもしれない、な」

アンチョビ「でも考えようによってはこうとも言える」

アンチョビ「合わない作戦をやっても一回戦を勝てたということは」

アンチョビ「本来の力が出せたらもっと上まで行けるんじゃないか」

アンチョビ「ってな!」ニコ

ペパロニ「....」

アンチョビ「なぁペパロニ」

アンチョビ「これをやってどうなるかはわからない」

アンチョビ「でも私は」

アンチョビ「ノリと勢いに乗ったお前たちの可能性に」

アンチョビ「懸けてみたいんだ!」

アンチョビ「ひたすら楽しみながらCV33で戦場を縦横無尽に駆け巡り」

アンチョビ「敵を倒していく」

アンチョビ「そんなアンツィオ高校を」

アンチョビ「夢見てるんだ!!」

アンチョビ「そして夢の実現に一番近づけることができるやつは」

アンチョビ「全員の中で一番のノリと勢いを持った」

アンチョビ「ペパロニ!お前しかいないんだ!!」

ペパロニ「....」

アンチョビ「どうだわかっただろ!お前がどれだけ必要な人間か!」

アンチョビ「お前はドゥーチェ・ペパロニになるんだ!!」

アンチョビ「わかったか!わかったなら」

アンチョビ「返事をしろペパロニ!!!!」

ペパロニ「....」

ペパロニ「はい!!!!!!」

ペパロニ「私が甘かったッス!!!」

ペパロニ「リーダーってのは人のマネじゃないんスね!!!」

アンチョビ「そうだ!!!」

ペパロニ「自分で作っていくものなんスね!!!」

アンチョビ「その通りだ!!!」

ペパロニ「姐さん、私、眼、覚めたッス!!!」

アンチョビ「はは!たぶんそれは私のおかげじゃなく」

アンチョビ「あれのせいだ!!」

ペパロニ「日が....」

ペパロニ「昇ってく....」

アンチョビ「さぁ、ここがドゥーチェ・ペパロニのスタートだ!!」

ペパロニ「はいッス!!!」

アンチョビ「お前も、アンツィオ高校も!」

アンチョビ「初日の出に負けないくらいに!」

アンチョビ「昇っていけ!!!!」

ペパロニ「はい!!!!」

アンチョビ「さあ来い!!」バッ

ペパロニ「姐さん!!」ギュー

アンチョビ「なぁペパロニ」

ペパロニ「何スか?」

アンチョビ「もう一つ言いたいことがあったんだがいいか?」

ペパロニ「どうぞッス」

アンチョビ「お前と出会った時のこと、覚えてるか?」

ペパロニ「もちろんッスよ!」

アンチョビ「あの時私はな、特に親しい後輩もいなくて」

アンチョビ「かなりビビってたんだ....」

ペパロニ「えぇっ!?あんなにテンション高かったのに!?」

アンチョビ「緊張しすぎておかしなテンションになってたんだ!」

ペパロニ「そうなんスか...」

アンチョビ「でもな」

アンチョビ「あの時お前が」

アンチョビ「『一生着いて行く』って言ってくれたから」

アンチョビ「私は今の私になれたんだ」

ペパロニ「姐さん....」

アンチョビ「お前をドゥーチェに任命した理由」

アンチョビ「実はもう一つあったんだ」

ペパロニ「....」

アンチョビ「お前があの時『着いて行く』って行ったから」

アンチョビ「ドゥーチェの後を継いで」

アンチョビ「私の通った道を」

アンチョビ「ドゥーチェ・ペパロニとして」

アンチョビ「着いて来てほしかったんだ...!」

ペパロニ「ね、ね、ね、」

ペパロニ「姐さ~~~~~~~~ん!!!!」ガバッ

ペパロニ「大好きっす~~~~~~~!!!!」ギューーーーーーーー

アンチョビ「私もだ!!!!」ギューーーーーーー

ペパロニ「やっぱ姐さん恋愛小説好きだけあって」

ペパロニ「変なとこでロマンチストッスよねぇ~~~~~~」ギューーーーーーーー

アンチョビ「恋愛小説をバカにするな!!」ギューーーーーーーー

ペパロニ「いいじゃないス、へ、へ、」

ペパロニ「ヘックション!!!」ダラー

ペパロニ「うぁ~鼻水が」

アンチョビ「ちょ、おまえ!髪に鼻水が付くだろ!!」

ペパロニ「いいじゃないッスか~ウィッグなんだし~」ズルズル

アンチョビ「これは地毛だ!!」

ペパロニ「そぉーだったんスかー!」

【第二部 完】
















チリッ

というわけで本日はここまでとさせていただきます
明日の夕方あたりから完結編となる三部を投下する予定です

遅くなって申し訳ありません
再開します

年初めの練習の時には

今までと何一つ変わらない

元気で明るい

ノリと勢いで生きている

いつもの

ペパロニに戻っていました

あの後何があったのかはわかりませんが

元旦にいきなり電話が来た時は驚きました

ペパロニ『もしもし?カルパッチョ?』

カルパッチョ「ペパロニさん!」

ペパロニ『あけましておめでとう」

カルパッチョ「おめでとうございます」ニコ

カルパッチョ「初めてですね、あなたから電話してくるなんて」フフ

ペパロニ『どうしても話しときたいことがあってな….」

カルパッチョ「話したいこと?」

ペパロニ『その….』

ペパロニ『お前を突き放したりして悪かった!!』

カルパッチョ「えっ?」

ペパロニ『姐さんから全部聞いたよ』

ペパロニ『お前が私のことでずっと悩んでくれてたこと』

ペパロニ『姐さんに私を助けてくれって頼んでくれたこと』

カルパッチョ「....」

ペパロニ『私はなぁ、』

ペパロニ『ずっと自分一人が苦しんでるんだと思ってた』

ペパロニ『それでも』

ペパロニ『自分が苦しくてもみんなが楽しめればそれでいいかって』

ペパロニ『なのに、お前まで苦しめてたなんてな….』

ペパロニ『私は本来ドゥーチェ失格なのかもしれないな』

カルパッチョ「....」

ペパロニ『私はドゥーチェになって』

ペパロニ『姐さんみたいにならなきゃって』

ペパロニ『姐さんみたいに一人で頑張ろうって』

ペパロニ『そう考えてたんだ』

ペパロニ『そして』

ペパロニ『今まで同じ場所にいたお前と』

ペパロニ『いきなり別の場所になって』

ペパロニ『少し離れちまったような気がしてたんだ』

ペパロニ『でも違ったんだ』

ペパロニ『私が勝手にお前から離れていってただけで』

ペパロニ『お前は私に寄り添おうとしてくれてたんだな….』

ペパロニ『そんなこと何も知らずに私は

カルパッチョ「ペパロニさん?」

カルパッチョ「そんな時はごめんなさいじゃなくて?」

ペパロニ『….』フフ

ペパロニ『私を助けてくれてありがとう』

ペパロニ『ドゥーチェ失格の私からじゃ図々しい頼みかもしれないが』

ペパロニ『これからも私はドゥーチェとして』

ペパロニ『アンツィオを引っ張ってくつもりだ』

ペパロニ『だからカルパッチョ、』

ペパロニ『お前は、』

ペパロニ『これからも副隊長として』

ペパロニ『一緒に来てくれるか?』

カルパッチョ「…..」

カルパッチョ「もちろんです♪」

ペパロニ『....』

ペパロニ『ありがとう』

カルパッチョ「ペパロニさんは私みたいな補佐役がいないと」

カルパッチョ「すぐ間違った方に全力で走っていってしまいますから」

カルパッチョ「今回みたいに♪」

ペパロニ『なんだと~!!』

カルパッチョ「新年最初の練習は遅刻しないでくださいね?」

ペパロニ『当り前だ!』

カルパッチョ「前科がありますから♪」

ペパロニ『んだと~お前

カルパッチョ「それじゃ、また会いましょ」ガチャ

カルパッチョ「....」

カルパッチョ「........よかったっ!」ポロ

まさか新年早々大泣きすることになるなんて

思いませんでした

でもこのこと

ペパロニさんには秘密です

私はいつからこんなに弱くなってしまったんでしょう

それもこれも全部

ペパロニさん

あなたのせいですよ

まったく

世話の焼けるドゥーチェです

生徒A「ドゥーチェ!この後どうするんスか?」

ペパロニ「ああ!?そんなこともわかんねえのか!?」

ペパロニ「この後はもちろん....」

一同「(ゴクリ....)」

ペパロニ「....」

ペパロニ「おやつの時間だ!!!!」

一同「おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

カルパッチョ「ほらほらみんな押さないで~」

カルパッチョ「ちゃんと全員分用意してるから大丈夫!」

ペパロニ「はーいはいお前らカルパッチョの言うことよく聞け!」

一同「おおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

生徒A「戦車に乗ってんのも楽しいけどさ~」

生徒B「一番楽しみなのは」

生徒C「おやつの時間だよな!!」

ペパロニ「まったく人の気も知らないで....」

カルパッチョ「混ざってきてもいいんですよ?」クスクス

ペパロニ「私はもうああいうのは卒業したんだ!」

ペパロニ「ノリと勢いがあるのとバカは別だ!!」

カルパッチョ「そんなドゥーチェにはいこれ」スッ

ペパロニ「おっ!二つもいいのか!!」

ペパロニ「いっただきま~~~~す!!」パクッ

カルパッチョ「やっぱり素直じゃないんですね」クスクス

ペパロニ「あっ....」

ペパロニ「そういや聞いたか?」

カルパッチョ「何をですか?」

ペパロニ「姐さん、大学決まったらしい!」

カルパッチョ「ホントですか!?」

ペパロニ「あぁ、なんでも戦車道じゃそこそこ有名なところらしいぞ!」

ペパロニ「さっすがうちらの姐さんだよな!!」

カルパッチョ「よかったですね....」

カルパッチョ「でも....」

ペパロニ「ん?どうした?」

カルパッチョ「....」

カルパッチョ「いよいよ姐さんも」

カルパッチョ「アンツィオからいなくなっちゃうんだなあと思いまして....」

ペパロニ「....」

ペパロニ「....そうだな」

ペパロニ「でも」

ペパロニ「私にはあいつらや」

ペパロニ「そしてお前だっている」

カルパッチョ「....」

ペパロニ「お前にだってあいつらや」

ペパロニ「....その」

ペパロニ「このドゥーチェ・ペパロニ様がいるんだ!」

ペパロニ「もう姐さんの手を借りなくてもうちらはやっていける」

ペパロニ「そして姐さんに見せてやるんだ」

ペパロニ「アンツィオに飾られた優勝旗を....!!」

カルパッチョ「....ペパロニさん」

カルパッチョ「さっきまで満面の笑みでおやつを頬張ってた人とは思えません」クスクス

ペパロニ「おまえっ....人がせっかくいいこと言ってんのによぉ!」

カルパッチョ「うふふ♪」

カルパッチョ「....でもそうですね」

カルパッチョ「私たちも成長したんですもの」

カルパッチョ「あとは姐さんを」

カルパッチョ「明るく笑って送り出すだけですね!」

ペパロニ「そうだな!」

ペパロニ「湿っぽい旅立ちなんてアンツィオには似合わねえ!」

ペパロニ「戦車道生全員で」

ペパロニ「姐さんに何の心配もいらねえってこと見せつけてやろうぜ!!!」

カルパッチョ「そうしましょう!」

私たちの計画は動き始めました

ペパロニさんは考えることなんて大の苦手なのに

姐さんを喜ばせるため

ただそれだけのために

練習の合間や、授業の合間

サプライズパーティーの計画を一生懸命考えていました

私としては授業や戦車道には集中して欲しいんですけど

あの子は一つのことに集中すると周りが見えなくなるようで

それに

頑張っているあの子の

ドゥーチェの邪魔なんて

私にはできません

サプライズパーティーの計画は順調に進み

使う道具や食材の準備を始め

みんなが様々な作業をしている中

私とペパロニさんは

計画の最終確認を行っていました

ペパロニ「まあ最終確認っても特にやることないんだけどなぁ」

カルパッチョ「ペパロニさんは少し休んでくださいな♪」

カルパッチョ「最近頑張りすぎですよ?」

ペパロニ「あのなぁ、姐さんのためなんだぞ?」

ペパロニ「私が働かなくてどうするんだよ?」

カルパッチョ「にしてもですっ」ペシッ

ペパロニ「あいたっ」

カルパッチョ「頭を使う仕事は本来私の担当なんですから」

カルパッチョ「仕事を奪わないでくださいっ」ペシッ

ペパロニ「あいてっ」

カルパッチョ「スト起こしますよ?」ペシッ

ペパロニ「スト?」

カルパッチョ「....」

カルパッチョ「野球の話です....」

ペパロニ「あぁ、むしタイプか!」

カルパッチョ「....そうですよ」

ペパロニ「そういや最近私な」

ペパロニ「姐さんに勉強見てもらってんだよ」

カルパッチョ「こんな時にいいんですか?」

ペパロニ「もう大学も決まってるし暇なんだってさ」

カルパッチョ「そうですか....」

カルパッチョ「それで、何を教えてもらってるんです?」

ペパロニ「学校の勉強はいくらしたってできたためしがないから」

ペパロニ「主に戦車についてだな!」

カルパッチョ「えぇ....」

ペパロニ「姐さんも最初は渋ってたんだよ」

ペパロニ「『私が教えることなんて何もない!お前はお前の戦車道をしろ!』ってさ」

ペパロニ「でも私があまりに戦車のこと知らなすぎるってわかったみたいで」

ペパロニ「さすがにこれじゃ私の戦車道も糞もないってことで」

ペパロニ「ちょくちょく教えてくれるようになったんだ!」

カルパッチョ「そんなことがあったんですか....」

ペパロニ「やっぱ姐さんはすごいんだ!」

ペパロニ「私みたいなバカでもわかるように教えてくれる!」

ペパロニ「それに今までは勉強ってだけでウンザリだったけど」

ペパロニ「姐さんとするとすっごく楽しいんだ!!」

カルパッチョ「そうなの....」ニコニコ

ペパロニ「そうなんだよ!」

ペパロニ「やっぱり私は姐さんのことが大好きなんだなぁって」

ペパロニ「姐さんと会うたびに思うんだ!!」

ペパロニ「こう、なんていうんだ?お前が前教えてくれた....」

カルパッチョ「心が高ぶる?」

ペパロニ「そう!きっとそれなんだよ!」

ペパロニ「姐さんと会うとな」

ペパロニ「心がギューってなってちょっと苦しいんだ」

ペパロニ「でも話してるうちにだんだん」

ペパロニ「それは治ってくんだけどさ」

ペパロニ「今度はドキドキしてくるんだよ!」

ペパロニ「もう顔も真っ赤なんじゃないかってくらい熱くてさ!」

ペパロニ「それなのにぜんっぜん嫌じゃないんだよなぁ....」

ペパロニ「不思議だよなぁ!」

ペパロニ「やっぱ戦車に乗ってるときと姐さんといる時は」

ペパロニ「心が高ぶっちまうよなぁ!!」

カルパッチョ「....」

ペパロニ「だろカルパッチョ?」

カルパッチョ「....」

カルパッチョ「えぇ、そうですね....」

ペパロニ「しっかし私もよく覚えてたよな!あの、なんだっけ?」

カルパッチョ「心が高ぶる」

ペパロニ「それそれ!」

ペパロニ「これもやっぱり姐さんとの勉強の成果だな!」

ペパロニ「本当ありがたいな!!」

カルパッチョ「そうですね....」

ペパロニさん

あなたは

私の口はそう言いかけて止まりました

せっかくあの子が頑張っている

姐さんが学校を卒業するように

あの子も姐さんから卒業しようとしている

だったら私のすることは

思いを教えることではない

そう思ってしまったからです

でも

これでよかったのか

その答えは

いくら考えても出ませんでした

私もペパロニさんのこと言えませんね

少し休憩します
なんとか今日中に完結させるつもりです

再開します

そこから卒業式まではあっという間でした

やっぱりペパロニさんがいるのといないのでは

時間の進み方が違うような気がします

パーティーの準備は滞ることなく進んだのは

みなさんの頑張りがあってのことでしょう

全員のノリと勢いが同じ方向を向けば

こんなに大きな力になるんですね

もっともこれができるのは

姐さんが愛されていたからで

この力が戦車道に向くことは

たぶんないんでしょうけど

アンチョビ「ふぅ....」

アンチョビ「アンツィオの卒業式もそれなりに堅苦しいんだな」

アンチョビ「やっぱり見てる側と参加する側じゃ感覚が違う」

アンチョビ「こういうのは私には合わない」

アンチョビ「ってのは卒業生全員が思ってるんだろうなあ」

アンチョビ「式が終わったばかりだってのに」

アンチョビ「なんて騒々しいんだ」

アンチョビ「まぁこれもアンツィオの良さだな....」

アンチョビ「さて、私はどうするかな....」

ネエサーーーーーーーーーン

アンチョビ「ん?」クルリ

ペパロニ「姐さーーーーーーん!!!」

アンチョビ「おお!ペパロニじゃないか!」

ペパロニ「お久しぶりッス!」

アンチョビ「久しぶりって....昨日人ん家来て泊まってったやつは誰だ....」

ペパロニ「そんなことより姐さん!」

アンチョビ「なんだ?私の卒業を祝いに来てくれたんじゃないのか?」

ペパロニ「そんなこと言ってる場合じゃないッス!」

ペパロニ「戦車の倉庫が大変なんスよ!!!」

アンチョビ「なに~~~~~!!??」

アンチョビ「何かあったのか!?」

ペパロニ「すみません!事情を説明してる暇はないんで早く行きましょう!!!」

アンチョビ「お、おう!!!急ぐぞ!!!」

ペパロニ「はいッス!!!」

アンチョビ「大丈夫か!!!」ガラッ

パンパンパンパンパンパンッパンッパンッ!!!!!!

アンチョビ「うわっ!?なんだ!!??」

ペパロニ「アンチョビ姐さん!!!」

カルパッチョ「ご卒業!!!」

一同「おめでとうございま~~~~~~~~~~~~~~す!!!!!!!!!!!」パチパチパチパチ

アンチョビ「はぁ!?」

アンチョビ「おいペパロニ!お前さっき倉庫が大変だって!」

ペパロニ「こんなにおいしそうな料理」

ペパロニ「早く食べちまわないと冷めて大変ッスよ!!!」ニヤリ

アンチョビ「....」

アンチョビ「....まったく」

アンチョビ「みんな!挨拶は後だ」

アンチョビ「冷める前に全部食べろ~~~~~~!!!!!」

一同「おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」

アンチョビ「お前らなあ....」

アンチョビ「だからって先輩と奪い合いしろなんて言ってないんだぞ!!」

アンチョビ「私の卒業記念パーティーなんだから譲れよ!!」

生徒A「姐さんが早く食えって言ったんじゃないスか~」

生徒B「そうッスよ~冷めるからって~」

生徒C「でもおかげでうまかったッス~」

アンチョビ「相変わらずだなお前らは....」

ペパロニ「まぁまぁいいじゃないスか姐さん」

ペパロニ「こいつらもすげー頑張ったんスよ?」

カルパッチョ「もちろんペパロニさんもね?」

ペパロニ「ちょ、カルパッチョ!!」

アンチョビ「....」

アンチョビ「....わかってるよ」

アンチョビ「こんなデカいパーティー」

アンチョビ「一日や二日でできるもんじゃない」

アンチョビ「私のために」

アンチョビ「ありがとな、ペパロニ、カルパッチョ」

ペパロニ「喜んでもらえてうれしいッス!」

カルパッチョ「さぁさぁ姐さん、ようやくですけど挨拶をどうぞ!」

アンチョビ「や~っと私の出番か....」

アンチョビ「よぉ~しお前らよ~く聞け!!」

アンチョビ「この元ドゥーチェ・アンチョビの最後の言葉だ!!!」

ガヤガヤモグモグパクパクワイワイ

アンチョビ「....」

アンチョビ「聞け~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~い!!!!!!」

ペパロニ「んじゃあこれでひとまずお開きってことにする!」

ペパロニ「後は各自で適当にやってくれ!!!」

カルパッチョ「あの、片づけは....」

ペパロニ「んなの明日の練習前にすりゃいいんだよ!!」

カルパッチョ「明日の練習は中止になりそうですね....」

ペパロニ「じゃあみんな最後に」

ペパロニ「せーの!!!!」

一同「アンチョビ姐さん、卒業おめでとう!!!!!!!!!」

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ

アンチョビ「おう!お前らも頑張れよ!!!!」

ペパロニ「姐さん、この後はどうするんスか?」

アンチョビ「私はもう少し学校を見て回るつもりだ」

ペパロニ「浸ってるッスねぇ~」ニヤニヤ

カルパッチョ「こらペパロニ!」

アンチョビ「ほら!お前らは早く帰れ!」

ペパロニ「姐さんと学校の別れを邪魔しちゃ悪いッスね!」ニヤニヤ

カルパッチョ「ほら!早く行きましょ!」

ペパロニ「んじゃ姐さん!また!」

アンチョビ「おう!見送りには来いよ!!」

カルパッチョ「それじゃあ失礼します」ペコリ

アンチョビ「じゃあな」

テクテクテクテクテクテクテクテク

アンチョビ「....」

アンチョビ「....行くか」

ペパロニ「いやぁ~大成功だったな!」

カルパッチョ「そうですね!」

ペパロニ「姐さんも喜んでくれてたみたいだし」

ペパロニ「これで一か月くらい続いた私の大仕事もひと段落だなぁ~」

ペパロニ「あぁ~疲れた!!」

ペパロニ「ふぅ....」

カルパッチョ「....」

ペパロニ「な~んか全部終わって気が抜けちまったなぁ~」

ペパロニ「....」

カルパッチョ「....」

カルパッチョ「ねえペパロニさん」

ペパロニ「ん?」

カルパッチョ「寂しい?」

ペパロニ「何が」

カルパッチョ「姐さんがいなくなっちゃうこと」

ペパロニ「....」

ペパロニ「そりゃあ寂しいよ」

ペパロニ「今だって心が」

ペパロニ「苦しい」

ペパロニ「でもさ」

ペパロニ「私が何言っても結果は変わらないし」

ペパロニ「それに姐さんの迷惑になるだけだろ?」

カルパッチョ「....」

ペパロニ「私はもう大丈夫だ」

ペパロニ「今は苦しいけど」

ペパロニ「たぶん乗り越えられる」

カルパッチョ「....」

ペパロニ「なんてったって私は」

ペパロニ「ドゥーチェ・ペパ

カルパッチョ「ペパロニさん」

ペパロニ「なんだよ言わせろよ!」

カルパッチョ「あなたの胸の苦しさって」

カルパッチョ「姐さんがいなくなるから」

カルパッチョ「だけじゃないと思います」

ペパロニ「はぁ?お前何言ってんだ?」

ペパロニ「もし食べ過ぎで腹が膨れてるからとか言ったら怒るぞ?」

カルパッチョ「あなたは自分の心を分かってない」

カルパッチョ「あなたこの前言ってたわ」

カルパッチョ「姐さんが大好きだって」

ペパロニ「そんなのずっと前からいってるだろ?」

ペパロニ「私が姐さんを大好きなことくらい私もお前もよく知ってるだろ」

カルパッチョ「なにもわかってない」

カルパッチョ「姐さんに会って胸が苦しいんでしょ?」

カルパッチョ「姐さんに会って顔が熱いんでしょ?」

ペパロニ「それは胸が高ぶるからだってお前が

カルパッチョ「あなたは戦車を見てそうなるの?」

ペパロニ「....」

ペパロニ「....」

カルパッチョ「あなたのそれはただの胸の高ぶりなんかじゃない」

カルパッチョ「あなたは姐さんに」

カルパッチョ「恋してるのよ」

ペパロニ「は、はぁ!?」

ペパロニ「お前本当に大丈

カルパッチョ「まだ認めないつもり?」

カルパッチョ「じゃあ認めるまで言ってあげる」

カルパッチョ「あなただって薄々気づいてたんじゃないの?」

カルパッチョ「いつもの好きとは違うことくらい」

カルパッチョ「あなたは姐さんが」

カルパッチョ「愛おしくて愛おしくて」

カルパッチョ「どうしようもないくらいに」

カルパッチョ「姐さんに恋してるのよ」

ペパロニ「....」

ペパロニ「....だったら」

ペパロニ「だったら何だって言うんだ」

ペパロニ「私が姐さんに恋してる?」

ペパロニ「その気持ちを知ったところで何も変わらないだろ!」

ペパロニ「私は姐さんが大好き」

ペパロニ「それだけのことだ」

カルパッチョ「変わるわ、いや」

カルパッチョ「変えられる」

カルパッチョ「あなたの胸の苦しみは軽くなるはず」

カルパッチョ「だってもう一つの原因は」

カルパッチョ「思いを伝えていないからだもの」

カルパッチョ「あなたの胸は頭よりよっぽど利口だわ」

カルパッチョ「頭より先に気づいてたんだから」クスクス

カルパッチョ「あなたはさっき乗り越えられるって言ってたけど」

カルパッチョ「黙ったままじゃ消えないわ」

ペパロニ「....」

ペパロニ「でも」

ペパロニ「いきなりこんなこと言っても姐さん困るだろ....」

ペパロニ「せっかく姐さんを明るく送り出したのに」

ペパロニ「水を指すようなこと

カルパッチョ「あのねぇ」

カルパッチョ「あなたがどれだけ姐さんに迷惑かけてきたと思ってるの?」

カルパッチョ「そんなの今更よ!」

ペパロニ「....」

カルパッチョ「こういう時こそ」

カルパッチョ「ノリと勢い」

カルパッチョ「なんじゃないの?」

カルパッチョ「アンツィオで一番それを持ってる隊長さん?」

ペパロニ「....」

ペパロニ「....ふふ」

ペパロニ「お前って冷静に見えて全然違うよな」

カルパッチョ「あら、知らなかったの?」

ペパロニ「まさか」

ペパロニ「....」

ペパロニ「フラれたらお前んち行くからな」

ペパロニ「部屋の鍵は開けとけ」

カルパッチョ「わかったわ」

ペパロニ「あと」

ペパロニ「久しぶりに聞いたお前のタメ口」

ペパロニ「やっぱそっちの方がいいぞ」

カルパッチョ「....」

カルパッチョ「....ありがと」

ペパロニ「こっちこそありがとな!」

ペパロニ「んじゃちょっと行ってくるわ!」

カルパッチョ「言ってらっしゃい」

タッタッタッタッタッタッタッタ

カルパッチョ「今度こそ」

カルパッチョ「ちゃんと助けられたかな」

カルパッチョ「....」

カルパッチョ「さて」

カルパッチョ「私は家に帰ろ」

カルパッチョ「不用心だから鍵は閉めとくけどね♪」クスクス

また

あいつに助けられてしまった

本当に私は

頼りないリーダーだ

でも

せっかくあいつが助けてくれたんだ

最後くらいドゥーチェらしいところ

見せないといけないな

ネエサーーーーーーーーーーーーーーーーン

ガチャ

ペパロニ「姐さん!!」

アンチョビ「ん?お前何してんだ?」

ペパロニ「やりたいこと思いだして戻ってきたッス!」

ペパロニ「やっぱり姐さんここにいたんスね」

アンチョビ「まぁ、最後にもう一回挨拶しとこうと思ってな....」

ペパロニ「大学でも戦車乗れるんスよね?」

アンチョビ「でもアンツィオの戦車にはもう乗れないだろ?」

ペパロニ「それもそうッスね!」

アンチョビ「....」

アンチョビ「....んで」

アンチョビ「お前は何しに戻ってきたんだ?」

ペパロニ「ピザッス」

アンチョビ「は?」

ペパロニ「ピザ、食べないッスか?」

アンチョビ「ピザ!?」

アンチョビ「ピザってお前....」

アンチョビ「一から?」

ペパロニ「もちろんッス!」

アンチョビ「えぇ....」

アンチョビ「それ明日じゃダメか?」

ペパロニ「今日じゃなきゃダメなんス」

アンチョビ「....」

アンチョビ「ったくしょうがないな」

アンチョビ「んじゃ作るか!!」

ペパロニ「はいッス!!!」

アンチョビ「じゃあちょっと待ってろ」

ペパロニ「何スか?」

アンチョビ「そこらへんにまだ戦車道のやつら何人かいるだろ?」

アンチョビ「残ってるやつらみんなでピザパーティーを

ペパロニ「姐さん!!!!」

ペパロニ「最後のピザは、どうか二人で」

アンチョビ「しっかしよくこれだけ材料揃ってるな....」

ペパロニ「うちはアンツィオ高校スから!」

ペパロニ「食事の材料がないと戦車が動かないッス!!」

アンチョビ「なわけないだろ....」

アンチョビ「じゃあ二人だし」

アンチョビ「一枚でいいよな?」

ペパロニ「....」

ペパロニ「二枚にしましょう」

アンチョビ「え?でもさすがに一人一枚だと

ペパロニ「小さめの作ればいいんスよぉ~」

ペパロニ「お願いッス姐さん!いっぱい食べたいんスよぉ~」

アンチョビ「も~わかったから!」

アンチョビ「よ~しじゃあ入れるぞ?」

ペパロニ「どうぞッス!!!」

スー

アンチョビ「なんで戦車道の倉庫なのに石窯があるんだか....」

ペパロニ「アンツィオ高校ッスから....」

アンチョビ「でもおかげで」

スッ

ペパロニ「マッハで焼けたッス!」

アンチョビ「CV33も顔負けだな!」

ペパロニ「それじゃ!」

二人「いただきまーーーーす!!」

モグモグモグモグ

アンチョビ「まぁなんというか....」

ペパロニ「いつも通りうまいッスね....」

アンチョビ「最後のピザとか言うからてっきりなんかすごいピザ用意してんのかと思ったんだが....」

ペパロニ「....すみません」

アンチョビ「い、いや別にいいんだ!」

ペパロニ「....」

ペパロニ「姐さん」

ペパロニ「私姐さんのこと大好きッス」

アンチョビ「なにあらたまって言ってんだよ」モグモグ

ペパロニ「いや違うんス」

ペパロニ「姐さんのこと愛してるんス」

アンチョビ「はぁ?」モグモグ

ペパロニ「私の恋人になってほしいんス」

アンチョビ「....」

アンチョビ「はあああああああああああああああああああ!?」ブーーーーー

ペパロニ「ちょ、姐さん!汚いッスよ!?」

アンチョビ「あ、ああすまない」フキフキ

アンチョビ「って!?」

アンチョビ「さっきのどういうことだよ!!」

アンチョビ「その、私のこと....愛してる、とか....」

ペパロニ「言葉の通りッス」

ペパロニ「私は姐さんと」

ペパロニ「恋人同士になりたいんス」

アンチョビ「....」

アンチョビ「本気なんだな....?」

ペパロニ「はい」

アンチョビ「....」

アンチョビ「まぁ、先にピザを食べよう」

アンチョビ「冷める前に、な?」

ペパロニ「....」

ペパロニ「....はい」

アンチョビ「ふぅ~食った食った....」

ペパロニ「....」

アンチョビ「....」

ペパロニ「姐さん」

ペパロニ「私に気ぃ使ってるんなら大丈夫ッスよ」

アンチョビ「....」

ペパロニ「覚悟はできてますから」

アンチョビ「....」

ペパロニ「でも、もう一回だけ言わせてください」

ペパロニ「私は、アンチョビ姐さんのことが好きです」

ペパロニ「恋愛小説に出てくるようなカッコいい男にはなれません」

ペパロニ「言葉遣いも悪いので案外カッコいい女にはなれるかもしれません」

ペパロニ「そして」

ペパロニ「絶対に姐さんのことを愛し続けます」

ペパロニ「だから私と

アンチョビ「ペパロニ」

ペパロニ「なんでみんな言わせてくれないんスか....」

アンチョビ「お前と始めて話した時のこと」

アンチョビ「覚えてるってあの時言ったよな」

ペパロニ「言ったッスけど」

アンチョビ「あれ嘘だな」

ペパロニ「いや、嘘じゃないッスよ!?」

ペパロニ「ちゃんと覚えてたじゃないスか!」

アンチョビ「いや覚えてない」

アンチョビ「私あの時言ったよな」

『私はありのままのお前が好きだな』

アンチョビ「って」

ペパロニ「えっ....」

アンチョビ「なぁペパロニ」

アンチョビ「私をお前の恋人にしてくれないか?」

ペパロニ「い、いいんスか?」

ペパロニ「女同士スよ?」

アンチョビ「おいおい、元ドゥーチェの頼みを聞けないってのか?」

ペパロニ「....」

ペパロニ「....こちらこそ」

ペパロニ「よろしくお願いします」ギューーーーー

アンチョビ「あぁ」ギューーーーー

ペパロニ「まだ信じられないッス....」

アンチョビ「そうか?私はもうなんか疲れたぞ....」

ペパロニ「....」

ペパロニ「さっき私ピザ一枚食べきるのすげーしんどかったんスよ」

アンチョビ「....じゃあなんで一枚ずつにしようなんて言ったんだよ」

ペパロニ「だって....」

ペパロニ「切りたくなかったんスよ....」ポロ

ペパロニ「切っちゃったら....」ポロ

ペパロニ「離れ離れじゃないッスか....」ポロ

アンチョビ「....」

ペパロニ「せっかく告白して....」ポロ

ペパロニ「付きあえることになったのに....」ポロ

ペパロニ「なんでこんなに寂しいんスか....」ポロポロ

アンチョビ「....」

アンチョビ「その通りだ!」

アンチョビ「私と付きあえることをもっと喜べ!!」

ペパロニ「姐さん....でも....」ポロポロ

アンチョビ「あ~もう!泣き止め!!じゃないと別れるぞ!!」

ペパロニ「そんなこと言ったって....」ポロポロ

アンチョビ「....」

アンチョビ「....」シュルッ

アンチョビ「....これやるから」

ペパロニ「これって....」ポロ

アンチョビ「毎日練習の前にこれで髪を結ぶんだ」

アンチョビ「そしたら私は」

アンチョビ「ドゥーチェ・アンチョビになるんだ」

アンチョビ「でも私にこれはもういらないからな」

アンチョビ「私は」

アンチョビ「ペパロニの恋人の」

アンチョビ「安斎千代美だからな」

ペパロニ「....」ポロ

アンチョビ「....」

アンチョビ「....」シュルッ

千代美「ほら!奮発してどっちもあげるぞ!!」

ペパロニ「....」ポロ

ペパロニ「....ははっ」ポロ

千代美「....なんだよ」

ペパロニ「こんな派手なリボンもらってもあたしつけられないッスよ」ポロ

千代美「それじゃいつもつけてた私がバカみたいじゃないか!!」

ペパロニ「....」ポロ

ペパロニ「....でも」ポロ

ペパロニ「姐さんが初めて私にくれたもの」ポロ

ペパロニ「大切にします」ポロポロ

千代美「...あぁ」

千代美「そうしてくれ」ニコ

千代美「....」

千代美「落ち着いたか....?」

ペパロニ「....はい」

千代美「なんか私こればっかり言ってる気がする....」

ペパロニ「みんな姐さんには甘えちゃうんスよ」ニコ

千代美「....」

千代美「なぁ、」

ペパロニ「はい?」

千代美「お前は私のリボンがあるから寂しくないと思うが」

千代美「私は何もない」

千代美「寂しい」

ペパロニ「えぇっ!?」

千代美「だからなんかくれ」

ペパロニ「えぇっ!?」

ペパロニ「でも私、何も持ってないッスよ?」

千代美「んーじゃあ」

千代美「それでいい」

ペパロニ「それって」

ペパロニ「この髪ゴムのことッスか!?」

ペパロニ「これ本当に三つ編み止めてるだけのただのゴムッスよ!?」

千代美「それでいい」

ペパロニ「えぇ....」

千代美「....」ジー

ペパロニ「....わかったッスよ」スッ

千代美「....」

ペパロニ「....」

ペパロニ「....今度は何スかぁ?」

千代美「んっ」スッ

ペパロニ「....?」

千代美「も~!!」

千代美「この指に巻いてくれ!!」

ペパロニ「....」

ペパロニ「ほんっと姐さんって乙女ッスねぇ」ニヤニヤ

千代美「いいから!!」

ペパロニ「ただのゴムなのに」ニヤニヤ

千代美「....」

千代美「私にとっては....」

ペパロニ「....」

ペパロニ「はぁ~~~~」

ペパロニ「わかったッスよ!!」マキマキ

ペパロニ「これでいいんスか?」

千代美「あぁ、これでお互い」

千代美「なかなか会えなくても」

千代美「離れ離れでも」

千代美「寂しくないな」

ペパロニ「はい!!!」



















生徒C「姐さんもすっかり髪伸びたッスねぇ~」

カルパッチョ「そうねぇ....」

カルパッチョ「ま、まだリボンで結ぶには不格好だけどね♪」

ペパロニ「しょうがねえだろ....何か月じゃそんなには伸びねえよ....」

生徒D「えっ!?ドゥーチェって昔からこの髪型じゃないんスか!?」

ペパロニ「いやお前が入った時はまだ短かっただろ....」

生徒D「てっきり失恋でもしてバッサリいったのかと....」

ペパロニ「んだと!?失恋なんかこれっぽっちもしてねーよ!!!」

ペパロニ「....」

ペパロニ「....むしろ」

ペパロニ「その逆だ」クスリ

カルパッチョ「....」ニコニコ

女「あれ、安斎さん?今日は髪下してるんだ~」

千代美「あ、あぁ」

女「なんか新鮮!って何見てるの?」

女「戦車道の試合?ほんっと好きだね~」

千代美「....」

千代美「今日は」

千代美「私の母校の試合だから」

千代美「応援するんだ」ギュッ

女「へ~じゃあ私もいい?」

千代美「もちろん!」

女「あ、この子見て!変わった髪型!」

千代美「....」

千代美「そいつは」

千代美「ドゥーチェだ」

女「どぅーちぇ?」

千代美「あぁ、」

千代美「ドゥーチェ・ペパロニだ」ギュッ

カルパッチョ「ほらドゥーチェ?」

カルパッチョ「そろそろ整列しないと」

ペパロニ「お、そうか」

ペパロニ「よ~~~しお前らよく聞け!!!」

ペパロニ「今日はこのドゥーチェ・ペパロニの記念すべき初めての公式戦だ!!!」

ペパロニ「緊張はするな!!」

ペパロニ「そして、」

ペパロニ「一番大事なのは、」

ペパロニ「ノリと」

ペパロニ「勢いだーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

一同「おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!」

ペパロニ「行くぞおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

一同「おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!」

アンチョビ「(頑張れペパロニ)」ギュッ

アンチョビ「(遠くからで済まないが私も応援してるぞ)」ギュッ

女「ねえ、さっきから何握ってるの?」

アンチョビ「これ?」

アンチョビ「これは」

アンチョビ「ただの髪ゴムだよ」ニッコリ

【最後のピザは、どうか二人で 完】

最後までお付き合いいただきありがとうございました
初めてのシリアスで至らぬところもあったと思いますが、なんとか完結できてよかったです
このSSが少しでも読者の方の人生の糧になれば幸いです

よろしければ過去作の方もご覧いただければうれしいです

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