周子「ありすちゃんに嫌われちゃった?」フレデリカ「うん……」 (30)

【モバマスSS】です


――――事務所

志希「えぇフレちゃんが!? これは大事件かも……!」

周子「というか本当に? 勘違いとかじゃなくて? いくらフレちゃんの話でもちょっと信じられないわー」

フレデリカ「だってね、さっきね、ありすちゃんに会ってきてね? ありすちゃんって呼んでも『橘です!』って言われなかったの……」

周子「……ほんまに?」

志希「……それ本当にまずいやつな気がする」

フレデリカ「でしょー……? あー、なんでなのかさっぱり分からないよ……!」

周子「これまでの積み重ねが原因とか」

フレデリカ「そんな……だとしたらフレちゃんどうすれば……!」

志希「う~ん、少し冷静に考えてみよう! まずは事態の把握からとして、一体どういう状況でフレちゃんはありすちゃんに会ったの?」

フレデリカ「ええっとねー――」


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※塩見周子
http://i.imgur.com/ReyIzmI.jpg

※一ノ瀬志希
http://i.imgur.com/KQH78bb.jpg

※宮本フレデリカ
http://i.imgur.com/kija9e2.jpg


――――40分前、事務所休憩室

フレデリカ「フフンフンフンフレデリカ~♪ 今日も事務所は賑やかですなぁ♪ おっとそうしていると目の前には!」

ありす「……から……で、つまり……」ブツブツ

フレデリカ「なにやら真剣な様子のありすちゃん発見☆ いけませんなぁ若い子があんな怖い顔しちゃ、そうと決まれば突撃~!」タタッ

フレデリカ「というわけでハーイ失礼しまーす☆ ありすちゃん元気にしてるかーい!」ギュム

ありす「……っ」ビクッ

フレデリカ「おやー、本もタブレットも持たないで怖い顔してるなんてありすちゃんらしくないな~♪ どしたの教えてしるぶぷれー?」プニプニ

ありす「……別に、フレデリカさんになにか関係ありますか?」

フレデリカ「おっと、実はフレちゃんにはありすちゃんの健康状態を見守る的なちょっとしたお仕事があるんだ☆ 知ってた?」

ありす「……そうですか。それで、それ以外にはなにかありますか?」

フレデリカ「そうだねあとは……あれ? そういえばなにか変なような……」

※橘ありす
http://i.imgur.com/wiZJ8a3.jpg


ありす「……っ、な、なにが変なんですか」

フレデリカ「いやぁなにかいつもと違うような……あ!」

ありす「……」ピクッ

フレデリカ「あ、分かった! 今日はいつものアレ、アレを聞いてないんだよありすちゃん!」

ありす「……アレ?」

フレデリカ「アレだよ! アタシがありすちゃんって呼んだらありすちゃんが『橘です!』って返してくれるあーれ♪」

ありす「……あ、そ、そういうことですか……」

フレデリカ「そういうことじゃないよーもー。ほらほら、いつもの感じで元気に『橘です!』って返事してくれないと寂しいよありすちゃーん」

ありす「……これなら……よし……」スゥ

フレデリカ「ねぇねぇ本当にどうしたのー? ぽんぽん痛いの? 大丈夫ありすちゃん?」サスサス

ありす「……大丈夫です。それより、ちょっと離れてくれませんか」ジトーッ


フレデリカ「あ、う、うん……あれ? いつもの『橘です』って言わないの……?」

ありす「……なんなんですかさっきから。そんなに言って欲しいんですか?」ジトッ

フレデリカ「え、や、あの……」アセアセ

フレデリカ(あれー……いつものありすちゃんならそろそろ可愛く『橘です!』って絡んできくれるのに……というかあれー……?)

ありす「……」ムスッ

フレデリカ(なんかすっごい不機嫌そうな、ていうかアタシを見る目がすごい不快そうな、あれ、あれ……?)

フレデリカ「あ、あのありすちゃん……? どうしたの、なんかあった? どこか痛かったり……?」

ありす「私は至って健康です心配してくださってありがとうございます。それで、他にはなにかありますか?」ジトッ

フレデリカ「」

フレデリカ(あれれ? なんだかすごいありすちゃんが怖い……ていうか冷たい……ありすちゃんが南極の氷以上に冷たく感じちゃう!)

ありす「……もういいですか? 私も忙しいんですが」ジトッ


フレデリカ「ね、ねぇありすちゃん! いいの!? このままだとアタシありすちゃんのことありすちゃんって呼び続けちゃうよ?」

ありす「……勝手にしてればいいじゃないですか」ムスッ

フレデリカ「だ、だって昨日まではあんなに……」

ありす「ありす呼びを訂正するのはやめました」ムスッ

フレデリカ「……なんて?」

ありす「何度言ってもありすちゃんやありすと呼ぶ人達がいますからね、いい加減疲れたんです。面倒ですし。だからやめました」

フレデリカ「……え? うそ、ありすちゃん、が、なんで」

ありす「……はぁ、もういいですかフレデリカさん。私はここから出たいんですが、まだなにか?」ジトッ

フレデリカ「あ、や、そ、その……」

ありす「……」ジトーッ

フレデリカ「なにも、ないです」

ありす「そうですか。ではこれで、失礼します」ペコリ

スタスタスタ……

フレデリカ「……あれ……あれ……?」


――――現在、事務所

フレデリカ「……っていう感じだったの……」ズーン

周子「……完全に邪険に扱われてる」

志希「フレちゃんに抱きつかれても名前呼ばれても冷たい反応しかしないなんて、そんな、ありえなーい!」

周子「いやこれは思った以上に深刻かも。昨日まではいつものありすちゃんだったよね?」

フレデリカ「うん……」コクリ

志希「それが今日になって急に……ううーん、かなり難しい謎が出てきましたなフレちゃん」

フレデリカ「……うん」ズーン

周子「ていうかフレちゃん落ち込みすぎでしょ、そんなにありすちゃんの反応がいつもと違うのが応えたの?」

フレデリカ「……ありすちゃんに心底嫌な物を見る目されたの思い出したらなんだか……辛くて……」

周子「うわまじで。どれだけ破壊力あったのその視線」

志希「フレちゃんの中でそれだけありすちゃんの存在が大きかったってこと? だとしたらちょっと妬けちゃうなー」


フレデリカ「もちろん志希ちゃんも好きだよー……だから慰めてー……」

志希「よしよし、大丈夫大丈夫、きっとありすちゃんの虫の居所がたまたますごーく悪かっただけでフレちゃんは全然悪くなーい」ナデナデ

フレデリカ「やったー……! ……本当かなぁ」ションボリ

志希「あ、こりゃ駄目だ重症だー。ふむ、かくなる上はこのシキちゃんの出番かな!」

周子「どうする気?」

志希「もちろんあたしがありすちゃんに会って色々調べてくるんだよー。もしなにかあれば志希ちゃんお手製のお薬も使ってー!」

周子「あんまりありすちゃんに酷いことするなら怖いよ?」

志希「その辺は心配ご無用ー。あたしだってありすちゃんのことは可愛いと思ってるからね~♪ 無理なことはしないって」

周子「信じるからね? まぁあたしもありすちゃんが調子悪いのなら心配だし、シキちゃんに任せるよ」

フレデリカ「シキちゃん気をつけてね……今のありすちゃんの視線は凶器かもしれない……心に刺さる感じの」

志希「それは大変、でもいざとなったら逃げてくるから心配しないでほしいにゃー♪ それじゃありすちゃん探してくるねー」タタタッ

周子「……大丈夫かなぁ」


――――30分後、事務所

フレデリカ「もぐもぐ……うーん、この和菓子おいしいね~☆」

周子「それはそれは、実家から送ってもらって正解だったわー。フレちゃんがちょっと元気になってくれたし」

フレデリカ「シキちゃんが行ってくれたらもうほとんど問題はなくなったも同じだし、いつまでも落ち込んでちゃ勿体ないよねー」モグモグ

周子「まぁ、普通はそうなんだろうけど」ズズッ

フレデリカ「あ、シューコちゃんそのお茶ちょーだい♪」

周子「ん、どうぞ。温いから気をつけるんだよー」

フレデリカ「ハーイ♪ ……わ、ほんとだ温ーい」

ガチャ

志希「……」

周子「おっと、そんなこんなでシキちゃんが戻ってきたねー。おかえりー、どうだったのありすちゃんは」


フレデリカ「怖い顔になってた原因とか分かっちゃったー?」

志希「……い」

周子「ん?」

志希「ごめんなさいぃ……」ドサッ

フレデリカ「シキちゃん!?」

周子「だめだったかー」

志希「今のありすちゃん超こわいよぉ……的確に人の心抉ってくるよぉ……許してぇ……もうなにもしないからあ……」グスッ

フレデリカ「わわっ、シキちゃん! と、とりあえずこのお菓子食べて元気だして! はいアーン!」

志希「あーん……もぐもぐ……おいしい……」グスッ

周子「こりゃフレちゃん以上の重症かも……なにがあったの?」

志希「……なにもなかったの……」


周子「はい?」

志希「話しかけても、名前を呼んでも、お薬飲まそうとしてもこっちを見てくれなくて……」

フレデリカ「シキちゃんの存在を無視したってこと……?」

周子「……正直すごいことしてるねーありすちゃん」

志希「悲しくなって帰ろうとしたタイミングで、やっとこっち見てくれたと思ったらすごい冷たい目で見られて……」

ありす『――なにか用だったんですか?』

志希「って言われたらもう無理だよー……見た目や匂いは良く知ってるありすちゃんなのに全然違う……怖い……」グスッ

周子「なるほど……これはありすちゃんがちひろさんみたいな相当恐ろしい存在になったとみるべきかなー」

フレデリカ「そ、そんなのやだ!?」

志希「弄り甲斐のある可愛いありすちゃんの方がいい!」

周子「そりゃそうだけどさー、ありすちゃんも成長期だから思わぬ成長をしちゃうことだって」


フレデリカ「あんな成長フレちゃん認めません!」

周子「お母さんかな? まあとにかくシキちゃんがダメだった以上、あとありすちゃんをどうにか出来そうな人って言ったら……」

奏「なんの話をしているの?」

周子「お、丁度そのなんとか出来そうな人が来た」

奏「突然なによ」

フレデリカ・志希「奏ちゃん!」グイッ

奏「ちょ、二人して一体どうし……」

フレデリカ「ありすちゃんを元に戻して!」

志希「奏ちゃんならきっと出来る、うん、なんなら色々手伝うから!」

奏「は、はぁ……ありすちゃんがどうしたっていうのよ」

周子「いやー、実はどうもありすちゃんがこの二人を怯えさせるくらいすごい冷たい人間になっちゃったみたいで」

※速水奏
http://i.imgur.com/Vavhjip.jpg


奏「そうなの? でもさっき美嘉と一緒にありすちゃんと会ったけど、あんまり普段と違う様子はなかったわよ?」

フレデリカ・志希「「え」」

周子「あれ、美嘉ちゃん一緒だったんだ? どこで別れてきたの?」

奏「ありすちゃんと会った直後に莉嘉ちゃんがやってきて、そのまま美嘉を連れて家に帰っちゃったわ」

周子「あらら」

志希「ちょ、ちょっと待って、奏ちゃんの見たありすちゃんはいつも通りだったってホント?」

奏「ええ、いつも通りの可愛らしい感じで、冷たいって印象はなかったわ」

フレデリカ「……おかしいなぁ」

奏「あ、でも一つだけ違う点があったとするなら、少しだけ機嫌が良さそうだったわね。志希とフレデリカのおかげって言ってたかしら」

志希「……あたし達の」

フレデリカ「おかげ? ……うーん、ますます不思議なことになっちゃった。だってありすちゃんあんなに不機嫌そうにしてたのに」


奏「そんなに気になるなら、本人に聞いてみればいいじゃない。なにがあったのかって」

志希「そうしようと思ったらすごい心に傷を負いましたー、もうやだフレちゃんの匂い嗅いで眠りたい」

フレデリカ「……またありすちゃんにあの嫌そうな顔されたらどうしよう……」

奏「なるほど、あなた達がそんな反応をするなんてありすちゃんに相当冷たくされたみたいね。周子は?」

周子「あたしは二人の話を聞いてただけだから無事だよー。しかしありすちゃんはいきなり二人のことが嫌いになったのかな」

奏「それはないんじゃないかしら。ありすちゃんと話してるとあなた達のことも楽しそうによく話すから、嫌いになることはまずないはずよ」

志希「じゃあ今日はどうして……」ションボリ

奏「……しょうがないわね、私が電話で事情を聞いてあげるわよ」ゴソゴソ

フレデリカ「ありがとう奏ちゃん!」

奏「ちょっと待っててね。ありすちゃん出るかしら……」プルルルル ガチャ

奏「あ、ありすちゃん? 今ちょっといいかしら。ええ、ごめんなさいねさっき会ったばかりなのに。それで――」


周子「これでちゃんと原因分かるといいねー」

志希「分かってくれないと困るにゃー……このままだとちょっと危ないお薬作っちゃいそう……」

フレデリカ「ありすちゃんに冷たくされるのホント困っちゃうもんね、手伝っちゃうよシキちゃん」

志希「わぉありがとうフレちゃん。ありすちゃんに本当に嫌われてた時は二人でがんばろーね!」

周子(……むしろありすちゃんよく普段この二人に付き合ってくれてるなー。あたしらも大概な気がするけど)

奏「……ふふっ、そういうことだったの。ええ、分かったわ、二人には私から説明しておいてあげる。でも、覚悟はしてたほうがいいわね」

周子「お、理由が分かったのかな」

奏「そうね……ええ、まぁそうなったら助けてあげるから……うん、またねありすちゃん」ピッ

フレデリカ「ありすちゃんなんて! なんて言ってたの!?」

志希「あたし達のこと嫌いになったの!? 違うの!?」

奏「焦らないで。まったく、いつもありすちゃんが鬱陶しがっちゃうくらい構うのなら、こういう時もうちょっと配慮してあげなさい二人共」


フレデリカ・志希「「だって……」」

奏「まぁ結論から言うと、ありすちゃんは二人のことを嫌いになったわけではないわよ。そこは安心なさい」

フレデリカ「ほ、ホント……!?」

志希「よ、良かったぁ……」ホッ

奏「なんだかんだでありすちゃんはあなた達のこと尊敬してるのよ? 多分あなた達の前では絶対言わないでしょうけど」

周子「奏ちゃん、それ言ったらありすちゃんが後で大変じゃない?」

奏「もう今回のことで覚悟はしてるみたいだから大丈夫。それでありすちゃんの態度が冷たかった理由だけど……」

フレデリカ「なーにかっなーなーにかっなー♪」

志希「わくわく♪」

奏「まずこれはまだあんまり人に言いふらしちゃダメな話になるけど、ありすちゃんが主演のドラマが決まったそうよ」

フレデリカ「そうなの!? ありすちゃんすごい! めでたい♪」

志希「わぉ、それはビッグニュース、あとでちゃんとお祝いしないと……たっぷりとねー♪」


周子(……あたしもなにか用意しよ)

奏「それでそのドラマでのありすちゃんの役柄が『シビアな性格で人間関係には無頓着だが、一方でどこかとても子供っぽい』女の子らしくて」

周子「へぇ……ああなるほど、そういうことか」

志希「ということは演技してて普段の匂いのままだったのかー、やるなありすちゃん!」

フレデリカ「え、え、なになにどういうこと?」

周子「要するにありすちゃんがフレちゃんやシキちゃんに対して冷たかったのは、その役作りの最中だったってことだよー」

フレデリカ「へぇー」

奏「二人に冷たい人間だと思われたから、自分の演技が上手く出来てるって自信が持てたってありすちゃん言ってたわ」

志希「……でもそういうことなら最初にちゃんと言ってくれればいいのにー」

奏「説明したらわざと変な反応されるかもしれないって心配になったから言わなかったそうよ。でもそのせいで不安にさせたのはごめんなさいって」

フレデリカ「ありすちゃんが?」

奏「ありすちゃんが」


フレデリカ「……これは心外ですな一ノ瀬さん。アタシ達はありすちゃんが頑張ってるならそこまで変なことはしませんよね」

志希「もちろんです宮本さん。それどころかありすちゃんがリラックス出来るようにあの手この手でお助けするだけですね」

フレデリカ「むしろ変なことをすると思われた上に、あんな怖い演技をするありすちゃんを見て心が深く傷つきましたね」

志希「はい、これはもうお祝いも兼ねて急いでありすちゃんに会いに行くべきですね」

周子「……茶番もいいけど本音は?」

フレデリカ・志希「「今すぐにでもありすちゃんで遊びたい!」」

奏「行ってきてあげたら? ありすちゃんも役作りのためとはいえあなた達が驚くくらい落ち込むのを見て心が痛かったそうだから」

フレデリカ「そーするそーするそうしよう☆ シキちゃん急ごうありすちゃんの気が変わらない内に!」ダダダッ

志希「ふっふー、そうだね急ごうフレちゃん! それじゃシューコちゃんも奏ちゃんも、あたし達はありすちゃんを堪能してくるからまたねー♪」ダダッ

周子「……ありすちゃん、この後のこと覚悟してるんだっけ?」

奏「そう言ってたわね」

周子「……ありすちゃん、がんばってねー」


――――2日後、事務所ラウンジ

ありす「……まだ変な感じが……やっぱりあの二人相手に役作りをするのは失敗でした……うぅ……」ドンッ

ありす「あっ、す、すみません。お怪我は……」

文香「……大丈夫ですよ、ありすちゃん」

ありす「ふ、文香さん! お、お久しぶりです!」パァァ

文香「はい、お久しぶりです……ここ最近姿が見えなくて、心配していましたが元気……そうですか?」

ありす「え、あ、はい! もちろんばっちりです!」

文香「そうですか……実は向こうで志希さんから昨日ありすちゃんを堪能していたという話を聞きまして。無理は、していませんか?」

ありす「あの人は……い、いえ、大丈夫です。確かに昨日はその、色々されましたが」

文香「……色々?」

ありす「あ、いえ、その、あんまり変なことじゃないです。なんだかんだであの二人ちゃんとお祝いもしてくれて……」

※鷺沢文香
http://i.imgur.com/4scuFal.jpg


文香「……それは、ありすちゃんがドラマの主演に決まったことについてのお祝いでしょうか?」

ありす「えっ!? 文香さんどこでそのお話を!?」

文香「これは少し前にフレデリカさんから聞きました」

ありす「……あの人も……正式発表があるまでは秘密にして下さいってアレだけ言ったのに……」

文香「本当に嬉しかったんでしょう……私もとても嬉しいですから。放送が始まったら……毎週必ず見ます」

ありす「あ、ありがとうございます……えへへ♪」

文香「……ところでありすちゃん、一つお願いがあるのですが」

ありす「はいなんでしょう! 私に出来ることならどんなことだって」

文香「志希さんとフレデリカさんに見せたという……その、ドラマの役の演技を私にも見せてくれませんか……?」

ありす「……そ、それはだめです! 文香さんに向かってあんな態度を取るなんて私には出来ません!」

文香「で、でしたらせめてどういう表情をする役なのか、その表情だけでも……事前に知っていたほうが、もっと楽しみになりますから……」


ありす「ひょ、表情ですか……? うーん、でも、表情だけでも文香さんには……」

文香「……志希さんやフレデリカさんは良くて、私はダメなんですね……」ションボリ

ありす「そ、そういう意味じゃ……! ……わ、分かりました、表情だけですね! それなら、やってみます!」

文香「ありがとうございます、ありすちゃん」

ありす(とは言ってもフレデリカさん達にも冷たく思われた表情を文香さんにするのはやっぱり……よし、一瞬、一瞬だけ……)スゥ

ありす「――……これでいいですか?」ジトッ

文香「……ぁ……」ドキッ

ありす「……っ、はいおしまいです! 文香さん、あとはドラマを楽しみにしてて下さい! え、えと……すみません、失礼します!」///

文香「あ、ありすちゃん……!」

文香(行ってしまった……ありすちゃんが、あんな不愉快そうな表情で私を見るなんて……そして、どうして……)ドキドキ

――これでいいですか?

文香(……あんなに怖いありすちゃんは嫌なはずなのに……どうして私の胸は、こんなに……高鳴っているのでしょうか……?)ドキドキ

〈終〉

唐突にレイジー・レイジーの二人をへこませるありすちゃんの話が見たくなった
でもすぐに見つからなかったから衝動に任せて書いた、レイジー・レイジー with ありす的なユニットが欲しい
読んでくださった方ありがとうございました

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