千枝「あっ、10位さんだ」 肇「え?」 (46)

千枝「おはようございますっ」

肇「あ、千枝ちゃん。うん、おはよう」

肇「…えっと、今のは私の事を呼んだの?」

千枝「何の事ですか?」

肇「さっきの、あの」

千枝「?」

肇「わっ、何て澄んだ瞳かわいい」

千枝「あの…千枝何か変な事言いましたか?」

千枝「嫌な気持にさせるような事を言っちゃったならごめんなさい…」シュン

肇「ううんっ、そんなことないよ。私の気のせいだったみたい」

千枝「そうですか?ならよかったです」

肇「千枝ちゃんはこれからお仕事?」

千枝「はい。今日はちょっと早く来すぎちゃって、プロデューサーさんが事務所で待ってなさいって」

肇「そうなんだ」

千枝「はいっ」

千枝「10位さんもこれからお仕事ですか?」

肇「えっ」

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千枝「?」

肇「わっ、何て澱みの無い瞳かわいい」

千枝「どうかしましたか?」

肇「うん、ちょっとどうかしたかも」

肇「千枝ちゃん」

千枝「はい?」

肇「えっと…私の名前、フルネーム知ってる?」

千枝「そんなの当たり前じゃないですか。どうしてそんな事聞くんですか?」

肇「うん、ごめんね。ちょっと確認したくなっちゃったの」

千枝「?」

肇「もう一回…、私の事呼んでみてくれない?」

千枝「えっ?」

肇「…ううん、やっぱり何でもないの。気にしないで」

肇(…疲れちゃってるのかな、私…。総選挙の後色々忙しかったし…)

千枝「どうしたんですか?大丈夫ですか?」

肇「あ、ごめんね心配かけちゃって。大丈夫よ」

千枝「ならよかったです。それで10位さんもこれからお仕事なんですか?」

肇「うーんごめん。やっぱり大丈夫じゃないかもしれない」

肇「千枝ちゃん千枝ちゃん」

千枝「はい?」

肇「えっと…私の名前、言ってみてくれる?」

千枝「えっ?」

肇「変な事お願いしてごめんね?ちょっと確認したい事があるの」

千枝「はい…えっと、藤原肇さん、ですよね?」

肇「うん正解。良かったぁ」

千枝「どうしたんですか?変な10位さん」

肇「全然良く無かったぁ」

肇「ち、千枝ちゃん?そ、その「10位」さんっていうのは…?」

千枝「…え?」

肇「え?」

肇「えっと、私の事をさっきから「10位」さんって呼んでるのは…一体?」

千枝「…?」

千枝「…あれ、千枝さんなこと言ってました?」

肇「まさかの無意識かぁ」

千枝「すいません…10位さんのこと10位さんって呼ぶのそんなにいけない事でしたか…?ごめんなさい10位さん」

肇「ううん、別に怒ってる訳じゃないの」

肇「ただ、ただひたすら困惑してるだけだから」

千枝「10位さん…」

肇「取りあえず手始めにその「10位」さんって止めてみようか」

千枝「はいっ」

千枝「あ、ところで聞きそびれましたけど10位さんはこれからお仕事なんですか?」

肇「うーん…どうしよう」

千枝「千枝、今日はプロデューサーさんと遊園地でお仕事なんですっ」

肇「そうなんだ。良かったね」

千枝「はいっ。久しぶりにプロデューサーさんと2人でお出かけですっ」

千枝「何でも、「後○園遊園地で大きなお友達と握手」ってイベントらしくて」

肇「千枝ちゃん千枝ちゃん」

千枝「はい?」

肇「くれぐれもPさんから離れちゃ駄目よ?」

千枝「?」

千枝「あ、それで10位さんはこれからお仕事なんですか?」

肇「……うん、私も今日は収録があってね」

千枝「うどん作りですか?」

肇「千枝ちゃん?」

千枝「?」

肇「あの、私別にうどん作りが特技じゃないんだけど…」

千枝「え、でもこの前「10位さんの私服はうどん職人みたいだ」って」

肇「あれは私服じゃなくて作業着だから!誰がそんな風評広げてるの」

千枝「この前雪美ちゃんが」

肇「意外な人物!」

千枝「ペロも「せやな」って言ってましたし…千枝、ついそうなんだなぁ、って思って…」

肇「違うからね?私うどん職人でもなければうどんにそこまでの情熱も無いからってペロ!?」

千枝「ごめんなさい10位さん…千枝、10位さんの事うどん職人だとすっかり思い込んじゃってました…」

肇「ううん、別に怒ってる訳じゃないの。ただそれよりも他に色々気になることが多すぎて」

肇「とりあえず、その「10位」さんって呼ぶのをやめるところから始めようか?」

千枝「でも…10位さんは9位さんでも8位さんでも無く10位さんですし…」

肇「言いたくないけどその理論だとランキング外だった人達の事は何て呼べばいいの」

千枝「…………そこの人?」

肇「千枝ちゃん千枝ちゃん」

千枝「ごめんなさい、千枝悪い子でした…」

千枝「そうですよね…千枝だって50位圏外でしたし、千枝も「そこの人」ですよね…」

肇「ち、千枝ちゃん?」

千枝「…いいですよねぇ、10位さんは。どうせ千枝なんて…」

千枝「千枝はもう、日向の道を歩けない…ハァ」

肇「千枝ちゃん戻ってきて!ハイライトも戻して!」

肇「き、きっと次の総選挙は千枝ちゃんもきっと良い成績取れるよ!頑張ろう?ねっ」

千枝「…そうでしょうか」

肇「そうだよ、きっと千枝ちゃんなら次こそランクイン出来るよ!」

千枝「…そう、ですね。千枝間違ってました。これからもっともっと頑張ります!」

千枝「佐々木千枝、頑張ります!」ブイッ

肇「うん、だからってまず手始めに5代目シンデレラガールさんの持ちネタを堂々と使うのは違うと思う」

千枝「ふーん、アンタが今回の10位さん?まぁ悪くないかな」

肇「だからって5代目じゃなければ良いよって意味でもないからね?」

千枝「千枝、子供だからよくわかりません」

肇「そっかぁ、それじゃあ仕方ないね」

千枝「あ、それで肇さ……こほん、10位さんは今日はどんなお仕事なんですか?」

肇「うんごめんね。聞き流してあげたかったけど無理かな。いま普通に「肇さん」って言おうとしたよね」

肇「無意識じゃなかったのかなぁ、千枝ちゃん」

千枝「…千枝、11歳だから難しいことはわかりません」

肇「そっかぁ、11歳じゃあ仕方ないよね」

千枝「はい」

千枝「それで10位の肇さんは今日はどこのうどん屋さんでロケですか?」

肇「仕方ない事にしておきたかったんだけどなぁ」

肇「千枝ちゃん、私の趣味はうどん打ちじゃなくて陶芸です」

千枝「はい」

肇「あと10位さんじゃなくてちゃんと名前で呼んで?」

千枝「はいっ」

肇「うん、良いお返事」

千枝「それで10位の肇さん」

肇「10位っていらないよ?」

千枝「ごめんなさい。千枝まだ子供だからよくわからないです…」

肇「私はちょっとだけ千枝ちゃんの将来が不安になってきちゃった」

千枝「でも10位さんは凄いですね。こんなに沢山のアイドルの中で10番目に人気って事なんですから」

肇「うん、ありがとう。でもできるなら順位じゃなくて名前で呼んでほしいな」

肇「それに上位入賞といっても私はギリギリの順位だから。他にもっと凄い人達がいるからね?」

千枝「あ、9シュガーさんや8にゃんさんとかの事ですか?」

肇「なんだか特殊な単位みたいな言い方になっちゃってるね」

千枝「そう言えば結果発表の後4デスケドーさんと5デシテーさんがプロデューサーさんのお家でお祝いしたというのは本当なんでしょうか」

肇「千枝ちゃん、もしかして今回の結果気にしてる?」

千枝「そんなことないですよ。それは確かにちょっぴり悔しいとは思いますけど」

千枝「入賞してプロデューサーさんに褒めてもらいたかったとか撫でて欲しかったとかぎゅっとしてほしかったとかあわよくばお家に行きたかったとかあと5年待てますかとか別にそんなこと思ってなかったですから」

肇「千枝ちゃん千枝ちゃん」

千枝「…はっ」

千枝「ご、ごめんなさい…千枝まだ11歳なんで、ついまだプロデューサーさんに甘えてしまいがちで…」

肇「大丈夫。聞かなかったことにするね」

千枝「10うどんさん…」

肇「藤原肇だからね」

目がしぱしぱしてきたので寝るざんす。
ドラクエビルダーズのせいでますます時間が…

千枝「そう言えば10位さんは今回の総選挙のお祝いってプロデューサーさんにしてもらったんですか?」

肇「もう絶対10位さんってワザと言ってるよね…うん、お祝いしてもらっちゃった」

千枝「そうなんですか、よかったですねっ」

肇「ふふ、ありがとう千枝ちゃん」

千枝「それでどこの丸亀製麺でお祝いしたんですか?」

肇「千枝ちゃん千枝ちゃん」

千枝「はい?」

肇「だから、私別にうどんアイドルじゃないの」

千枝「あっ、ごめんなさい…千枝うっかりしてました」

肇「うっかりじゃあ仕方ないよね」

千枝「はなまるうどんだったんですね?」

肇「佐々木さん」

千枝「はい?」

肇「先に行っておくけど山田うどんでもないから」

千枝「えっ…そ、それじゃあどんなお祝いをしてもらったというんですか…?」

肇「そんなに驚愕されると逆にこっちが悪い気になってくるなぁ」

千枝「だ、だってこの事務所の年少組はみんな肇さ…10位さんと言えばうどん。うどんと言えば肇さ…10位さんだって」

肇「もう10位さん呼びに無理が出てきちゃってるよ千枝ちゃん。あとどれだけ私の風評被害が年少組に広がっちゃってるの」

千枝「雪美ちゃんも薫ちゃんも…あとこずえちゃんと芳乃さんとありすちゃんとか…」

肇「あれ、今1人年少組というには年齢がおかしい人の名前があったような」

千枝「みんな言ってたよね?ねぇアッキー」

アッキー「コシの強い出来立てを啜るのがうどんのルールではないのか」

肇「千枝ちゃんは一体どうしちゃったの?」

千枝「えっ?千枝はいつも通りですよ?」

肇「ごめんね、とてもそうは思えないから聞いてるの」

千枝「?」

肇「うーん、その純真無垢な瞳がもう狂気に見えてきたかも…」

千枝「千枝、何か10位さんを困らせるな事しちゃいましたか?」

千枝「ごめんなさい。千枝悪い子ですよね。ご迷惑ですよね」

肇「そ、そんな事ないよ?千枝ちゃんはとっても良い子だよ?」

千枝「…本当ですか?」

肇「うん、もちろん」

千枝「よかった…ありがとうございます。千枝ホッとしました」

千枝「それで10位さんはプロデューサーさんとどこでどんなお祝いをしたんですか?詳しく聞きたいですっ」

肇「えっ」

千枝「やっぱり丸亀製麺」

肇「それは絶対違うから。麺類も粉物も関係ないから」

千枝「えっ…?」

肇「何でそんな信じられないって顔になっちゃうのかな…」

肇「ただ普通に、私1人じゃとても入れないようなレストランで一緒にお食事しただけよ?」

千枝「本当にそれだけですか?本当に、本当に?」

肇「ほ、本当にそれぐらいよ……き、着ていったドレスはそのままプレゼントしてもらっちゃったけど…」

千枝「有罪」

肇「千枝ちゃん?」

千枝「あ、ごめんなさい言い間違えました。羨ましいですっ」

肇「言い間違いじゃあ仕方ないよね」

千枝「はいっ」

千枝「レストランにいって、お食事して終わりだったんですか?」

肇「…うん」

千枝「嘘ですね」

肇「ど、どうしてっ?」

千枝「今露骨に目を逸らしました」

肇「き、気のせいだよ。ほら」

千枝「今度は目が泳いでます」

千枝「さあ、白状するなら今のうちですよ」

肇「い、いつの間にか取り調べみたいね」

千枝「あ、イチゴパスタ持ってきましょうか?」

肇「食事にいった後ちょっとドライブして夜景が一望できる展望台に登ってそこで今度は改めて総選挙のお祝いってペンダントを貰いました!」

千枝「…それで全部ですか?」

肇「う、うん」

千枝「隠すとためになりませんよ?イチゴパスタが冷蔵庫の中で待ってますよ?」

肇「…っ」

千枝「…10位さん?」

肇「えっと…」

肇「…じ、実は……」

千枝「実は?」

ガチャッ

ちょっとアレな感じのモバP(以降P表記)「お、いたいた。おーい千枝ーそろそろ時間だぞー」

肇「っ!」

P「ん?肇もいたのか。お疲れさん」

肇「えっ、あ、は、はい。お疲れ様です」

P「千枝の相手してくれてたのか?」

肇「え?いや、何と言えばいいのか…」

千枝「はいっ。肇さんに遊んでもらってましたっ」

肇「え」

千枝「千枝がちょっと早く来すぎちゃって待ってるんですって言ったらプロデューサーさんが来てくれるまでずっと遊んでてくれてたんです」

P「そっか、悪かったな肇。ありがとな」

肇「い、いえ…」

P「ほら、千枝もちゃんとお礼言って」

千枝「はいっ。ありがとうございます肇さん」ペコリ

肇(わっ、かわいい)

肇(でもそれ以上に何か怖い)

P「もう準備は出来てるか千枝」

千枝「はい。ハンカチもタオルも台本もシフトカーもバッチリです」

P「よし、んじゃ行くか。それじゃあ行ってくるな肇」

肇「い、いってらっしゃい…お気をつけて」

千枝「…あ、そうだ」

千枝「プロデューサーさん、ちょっと待っててくださいね」トテトテ

肇「えっ?」

千枝「肇さん、千枝と遊んでくれて本当にありがとうございましたっ」ペコッ

肇「う、ううん。別にいいのよ?私も楽し…かったし?」

千枝「本当ですか?よかったです。じゃあ…」




千枝「さっきのお話の続きは、また後でしましょうね」ボソッ

肇「」

千枝「お待たせしました」トテトテ

P「よーし、行くぞ千枝ー」

千枝「はいっ」

アッキー「イッテイーヨ」

P「お前は優のとこに戻れぃ」

なんだかうどん食べたくなってきた…何でだろ
完結させたかったけどひとまず眠いので寝るっす。明日には終わらせたいっす、ウス

ガチャッ

ちひろ「ごめんなさい肇ちゃん。ずいぶん待たせちゃったでしょう?」

肇「あ、いえ…そんなことありませんよ」

ちひろ「どうしました?何か疲れたような顔してますけど」

肇「えっと、ちょっと色々あって…」

ちひろ「大丈夫ですか?これから収録なのに」

肇「大丈夫です。精一杯やらせて頂きます」

ちひろ「おお、良い意気込み。流石総選挙10位っ」

肇「」ビクッ

ちひろ「えっ、どうかしました?」

肇「い、いいえ何でもないです」

ちひろ「じゃあ行きましょうか。今日は確か…」

肇「はい、そば打ちの収録です」



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菜々「あ、千枝ちゃん。おはようございます」

菜々「…あの、今のは私の事を呼んだんですか?」

千枝「何の事ですか?」

菜々「いえ、ですからさっきの、あの」

千枝「?」

菜々「わっ、何て穢れのない純粋無垢な瞳っ。胸が痛い」

菜々「…えーっと」

菜々「ごめんなさい。もう一回、ナナの事呼んで見てもらえますか?」

千枝「?」

菜々「…ううん、ごめんなさい。やっぱり何でもないです」

菜々(うーん…総選挙のお祝いだからって飲みすぎたんですかねぇ…変な幻聴が聞こえるなんて)

千枝「大丈夫ですか?具合でも悪いんですか?」

菜々「えっ?ああ、いえいえ全然元気ですよー☆ウサミン星人はいつだって元気いっぱいですからっ♪」

千枝「よかったぁ。安心しました」




千枝「あ、ところで7位さんは今日はお仕事なんですか?」

菜々「え?」





アッキー「終わりだ」

何となく肇とか千枝ちゃんとか書きたくなったからこの2人でやっちまえー的な感じです。
コレジャナイ感とかアッキー喋ってるじゃねぇかとか色々ご容赦ください。埼玉の県民性のようなものです。


オツカーレ

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