【艦これ】深海提督「とことんゲス野郎」 (169)

正義の味方提督【艦これ】
正義の味方提督【艦これ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1435335071/)

このスレの続編…というか単に世界観が一緒です
上記スレの艦娘とかがちょろっと出てくる予定がある程度

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1463503899

酉間違えた
こっちでいきます

深海提督「俺たちが戦う意味ってなんだと思う?」

重巡ネ級(以下ネ級)「戦う意味…ですか」

深海提督「そうそう」

重巡ネ級「恨み、怨念、憎しみ…そういった負の念から生まれたのが私達深海棲艦です
理由を挙げればキリがないかと思いますが…コレといったものは思いつかないですね」

深海提督「んー、やっぱその程度だよなぁ」

ネ級「そういう提督はどういうお考えで?」

深海提督「俺か?んー、俺はなぁ」

深海提督「人の嫌がる事が大好きでなぁ」

ネ級「はぁ…」

深海提督「あ、俺が元人間だって話はした事あったっけ?」

ネ級「いえ、初耳です」

深海提督「そっかそっか、んでよ、昔はこれでも海軍の士官学校でも1、2を争う優秀な生徒でな」

ネ級「…我々への指揮の手腕からすると妥当かと」

深海提督「素直に褒められると気持ち悪ィ」

深海提督「んでよ、優秀は優秀だったんだけどちぃとばっかしイタズラ好きでよ」

ネ級「その頃から性格はお変わりないのですね」

深海提督「まぁそんなに誉めんなよ、そんでまぁ演習中にちっと砲塔にイタズラしたら人死に出しちまってさ」

ネ級「…それはまた」

深海提督「そんでまぁ責任取らされて処刑食らって、気付いた時にはこうやってこの椅子に座ってたってわけ」

ネ級「…成る程、元々死人だから顔の半分がガイコツなのですね」

深海提督「まぁねー」

ネ級「因みに実際の所は?」

深海提督「悪気しかなかったし腹ん中大爆笑よ」

ネ級「そうだと思いました」

深海提督「…俺っちそういう返し好きよ?その調子で行こう」

ネ級「善処します」

深海提督「まぁ要するにこの性格はマジで深海化して気が狂ったとかそういうわけじゃないのを解ってほしいわけ」

ネ級「はぁ」

深海提督「そういや同期にいたなぁ、最後まで『こいつも悪気があったわけじゃない』とか『何も処刑する事はない』とか俺を庇ってたいい奴がよ」

ネ級「ご友人だったのですか?」

深海提督「いんや、俺と首席を取り合ってたいい子ちゃんでいけすかねぇ熱血野郎」

ネ級「それは提督とは気が合わなそうで」

深海提督「だろ?」

ネ級「それで提督の考える戦う理由とはいったいなんなんですか?」

深海提督「ん?今ので全部だけど解んなかった?」

ネ級「はぁ…つまり、『人が嫌がるから嫌がらせでやっている』と?」

深海提督「ビンゴビンゴー♪」

ネ級「…とんだゲス野郎ですね」

深海提督「だからそんなに誉めんなって」



深海提督「ギヒッ」

こんな感じの深海基地が主役です。
全体的に軽めの話を書くつもりですが、主要人物があまり気持ちの良い性格ではないので付き合ってくれる方は悪しからず。

▼レ級と仲良し▼

戦艦レ級(以下レ級)「ウィーッス!戻ったゼー!」<バーン!

深海提督「おーお帰りレ級!どうだ!?今回はどれだけ壊した!?」

レ級「数えてネー、チ級に訊いテー」

雷巡チ級(以下チ級)「レ級殿だけの戦果ではありませんが…中破7隻、大破19隻、轟沈5隻に、その他艦載機や敵設備を数えるのが追いつかない程…といった所であります」

深海提督「おー流石俺のレ級ー!やるねぇ!」(なでなで!

レ級「キシシッ!ダロー!?」

深海提督「お前 みてぇな何も考えてない奴好きだぜー?俺の良いように使えるからなぁ!」

レ級「キシッ!オレも提督好きダゼー!言う通りにしとけバ何デモ気持ちよークブッ壊させてくれるシなぁ!!」

深海提督「ギヒヒヒヒッ!」

レ級「キシシシシッ!」

ネ級「…相変わらず仲がよろしいですね」

レ級「オウヨ!もうマブダチよ!」

深海提督「犬と飼い主だろー?」

レ級「ワンワン!ガブー!」

ガキィン!ブチィッッ!!

深海提督「ギヒッ、おいおい人の手急に噛み千切んじゃねーよ」

レ級「イイじゃんどーせクッ付くンダシ」

深海提督「まぁそうなんだけどな?」<ピタァッ!

レ級「キシシッ!イイねぇバケモンっぽくテ!」

深海提督「実際俺ちゃんゾンビだしバケモンだかんなー、ゲッゲッゲッゲッゲ」

レ級「ケッケッケッケッケー!」

ネ級「…あちらは放っておいて、肝心の海域の守備はどうなったのかしらチ級?」

チ級「は、レ級殿の活躍により地上の艦娘共にはくれてやっておりません」

ネ級「そう、引き続き哨戒をお願いするわ
よろしいですね提督?」

提督「だってよ、まだ壊せるぜレ級?」

レ級「オウオウ楽しみだネェ♪」

チ級「それにしても…レ級殿と提督殿の掛け合いを初めて見ましたが、ネ級殿の言う通り本当に仲がよろしいのですね」

ネ級「レ級も来た頃はここまでじゃなかったのだけどね、いつの間にか笑い方まで真似するようになって…」

深海提督「気が合っちまったんだからしょーがねーじゃんよ」

レ級「キシシッ!この笑い方気持ちイイシナ!」

ネ級「私は彼らを"悪影響コンビ"と呼んでいるわ」

チ級「それは言えてますな」

深海提督「どーせ一回死んでんだから怖ぇモンねえしイイじゃん別に?」

レ級「ソウソウ、小難しク考えル奴がバカなんだゼ」


レ級「キシシッ!」

深海提督「ギヒッ!」

今回はここまで
ではまた

▼偉い奴は嫌い▼

ネ級「戦艦棲姫様達がここへ来られるそうです」

深海提督「げっ、面倒くせぇ
レ級ー、入り口に軽く姫クラス噛み砕けるくらいのトラバサミ仕掛けといてー」

レ級「そんなモンネーヨ」

深海提督「だよねー」

ネ級「提督、以前飛行場姫様が来られた時もそんな感じじゃありませんでした?」

深海提督「鬼クラスならまだしも姫クラスとなると俺の指揮下じゃねーし」

レ級「姫クラスって提督ヨリ偉いんダッケ?」

深海提督「まぁ俺は立場が違うから一概にゃ言えねーんだけどさ…どっちにしても俺の部下にはなんねぇってわけ」

ネ級「この人自分の思い通りにならない物嫌いですからね」

深海提督「俺より偉い奴なんぞ絶滅すればいい」

深海提督「それで何しに来んのお姫様は?」

ネ級「新たに誕生した『姫』級の実戦訓練、といった所です」

レ級「ナンでウチで?こんな教育にヨロシクナイ奴が仕切ってんのニ」

深海提督「てめぇも似たようなモンだろ」

ネ級「どっちもどっちですよ悪影響コンビ」

ネ級「近海の基地の中ではウチが一番戦力や指揮系統が整っていますからそれででしょうね」

深海提督「おうおう、レっきゅんのおかげだぜー?」

レ級「誉メテ調子ニ乗らせようとしてンなー、効果抜群だゼー?」

ネ級「…まぁ、要するにここが一番都合が良いんですよ」

深海提督「そっかそっかー、それじゃあもてなしてやんねーとなー、ギヒッ」

▽数日後

深海提督「これはこれは戦艦棲姫様、お変わりないようで
よくぞこんな辺境へいらっしゃいました、ギヒッ」

戦艦棲姫「…貴方も相変わらずね、その下卑た笑い、虫酸が走るわ」

深海提督「ゲッゲッゲ、そりゃあどうも」

深海提督「それで、こちらで新参の姫クラスの肩慣らしをしたい、と伺っておりますが?」

戦艦棲姫「本当は貴方に会わせるのは嫌なんだけど…駆逐棲姫、出て来て」

駆逐棲姫「……ドウモ、」<ひょこっ

深海提督「!!」

駆逐棲姫「……?」

深海提督「………」<ニタァ

駆逐棲姫「……!」<ササッ!

戦艦棲姫「あらら」

戦艦棲姫「うふふ…流石に敏感ね、貴方の下衆っぷりを一目で見抜いたみたいよ?」

深海提督「ギヒヒッ、そう怖がんなってお嬢ちゃん?」

戦艦棲姫「ともかく、私達はこの駆逐棲姫に2、3回実戦を経験させたらすぐに出て行くわ、こんな場所には1秒だって長居はしたくないもの」

深海提督「じゃあ最初から来んじゃねーよ」<ボソッ

戦艦棲姫「聴こえているわよ?」(にこっ

深海提督「聴こえるように言いましたから」(ニタァ

戦艦棲姫「とにかく貴方は黙って私に兵を貸せばいいの、解った?」

深海提督「どうぞどうぞ我が基地の精鋭達を存分にお使い下さい
なぁに心配は要りませんよ、私のように優秀な者ばかりですから」

戦艦棲姫「そうね、悔しいけど貴方は優秀だわ
だからここへ来たの、貴方の性格を除けばここは本当に理想的な基地だもの」

深海提督「おおベタ褒めじゃないですか!これは光栄ですお姫様」

戦艦棲姫「チッ、行くわよ駆逐棲姫」(くるっ

駆逐棲姫「……それでは、」(ぺこり

戦艦棲姫「そこのチ級、私達の部屋へ案内しなさい」

チ級「は!只今!」<ササッ

深海提督「……ネ級、あの駆逐棲姫とかいうガキ、どう見る?」

ネ級「怨念に満ちた良い目をしています、磨けば相当のモノになるでしょう」

深海提督「やっぱりそう思う?こりゃあレ級にも手伝ってもらわにゃなぁ
戦艦棲姫の悔しがる顔見てぇし」

ネ級「……悪影響コンビの本領発揮ですね」

深海提督「ギヒッ」

▼悪影響コンビ始動▼

駆逐棲姫「ケヒッ…こう…?」

レ級「ンー、もうチッと腹の底カラ笑う感ジデ、コウ、ギヒッ!」

駆逐棲姫「…難しい…」

戦艦棲姫「おいそこのレ級、何を教えている」

レ級「イヤコイツ暗いカラ」

戦艦棲姫「駆逐棲姫もこんなヤツから笑い方なぞ教わるな、性格まで影響されるぞ」

レ級「それガ目的ダシ?」

戦艦棲姫「……チッ、やはりあいつの部下か」

レ級「ンやンやオレはワンちゃんヨー?ワンワン!ガブー!」

ガキイィン!!

戦艦棲姫「きゃあっ!?…何をする急に噛み付いてくるな!!」

レ級「キシシシシッ!!『きゃあ』ッテ!『きゃあ』ダッテ!!キシシシシッ!」

戦艦棲姫「チッ…、沈みなさい…っ!」

レ級「その時ガ来たラー♪」

戦艦棲姫「行くわよ駆逐棲姫!」

駆逐棲姫「レ級さん…また…」(ぺこっ

レ級「ホイホーイ」

レ級「……デ、テートク今の聞いタ?」

深海提督「ギヒヒッ!聞いた聞いた『きゃあっ!?』だってよ!いやー今のだけであと1年はいじり倒せるわ!」(ひょこっ

ネ級「…覗き見とは趣味が悪い…」(じとっ

深海提督「止めなかったテメェも同罪よ」

深海提督「で、駆逐棲姫はどうだ?」

レ級「テートクの見込み通り筋がイイ、仕込ムマデもナクありゃオレラと同類ダネ」

深海提督「成る程、じゃあ引っ張り上げてやるだけでいいのか、楽な仕事だな」

レ級「マぁオレに任せトケよ、立派な深海棲艦に仕上げてヤッかんヨ!ケッケッケ!」

▽作戦海域

駆逐棲姫「ここで待機…?」

戦艦棲姫「ええ、この辺りを地上の鎮守府の奴らの艦隊が通るらしいの」

レ級「オレラ戦艦級でそいつラヲここニ誘導するかラ、お前達はソレを落とせばイイだけヨ
ウチの後期型駆逐艦隊も付けてッカラヨユーだロ?」

戦艦棲姫「チッ、こんなヤツと組む事になるなんてね…」

レ級「そりゃあウチで一番強イのオレダシ?マァ仲良クやりまショーって姫様」

戦艦棲姫「ごめんだわ、あなたはあいつと同じ臭いがする」

レ級「お高クとマッちゃってマァ、オレらはミーンナ深海棲艦ッつー同類ですゼ?」

戦艦棲姫「…それでもよ、あいつと一緒にはされたくないの」

戦艦棲姫「無駄話はこれまで、行くわよレ級」

レ級「ホイヨーっと…そうだクッチー」

駆逐棲姫「く…クッチーって…私…?」

レ級「オウオウ、一つアドバイスをシテヤルゼ」

レ級「艦娘共を撃つ時ハ何モ考えルナ、撃って沈んダ奴ラを見て…考えるノハそレからデイイ」

駆逐棲姫「撃った後で…考える…」

レ級「その時ノ気持チがクッチーの本当ニヤりたい事サ、ソレを忘れンなヨ?」

駆逐棲姫「……覚えておく」

戦艦棲姫「何をしているの?早く来なさいレ級!」

レ級「わーってルって、せっかチだネェ姫さんハ」

▽作戦海域

ザザーン…ザザーン…

駆逐棲姫「……来たか、」

潮「て、敵艦を発見しちゃいました…!」

朧「小さい…あれが本当に深海棲艦なの…?」

白雪「情報によればああ見えても姫クラスです…油断はできません」

満潮「なんだって良いわ、さっさと片付けて帰るわよ」

潮「満潮ちゃん…!」

満潮「どうせ倒さなきゃいけない事には変わりないでしょ?だったら迷っている時間の方が勿体無いわ」

響「そうだね、満潮の言う事はもっともだ」

駆逐棲姫(迷っている方が勿体無い……)

春雨「それでは…砲戦、始めます!!」

駆逐棲姫(撃ってから考えろ…か…そうか、そっちも、その気なら…)

………

潮「はぁ…、はぁ…っ!」<大破>

朧「つ…強い…!同じく駆逐艦なのにこんな…コレが姫クラスの力…!」<大破>

白雪「ま…まだやれます…!」<大破>

響「無理はいけない…ここは撤退した方が良い」<中破>

駆逐棲姫(…こんなもの…?艦娘とやらも…案外脆いのね…)

春雨「でも…そう簡単に逃がしてくれるでしょうか…?」<大破>

駆逐棲姫(虚しい…なんの感情湧いてこない…結局…私はなんの為にここに……?)

満潮「く…舐められたままじゃ終われないわ…響!魚雷の一発くらいまだ行ける!?」<中破>

響「それくらいならなんとか」

満潮「それじゃあやるわよ!あいつを怯ませて逃げる隙を作るの!」

響「了解だよ」<ガション!

駆逐棲姫(…まだやる気…?少しは骨のある艦もいるのね……)

満潮「準備良い?撃つわ!!」<バシュゥン!!

駆逐棲姫(けどヌルい、これなら迎撃も訳はない)<バシュンバシュゥン!!

ドゴゴォ!!

響「魚雷が防がれた…!」

駆逐棲姫(こんなもの、か……っ!?)

春雨「………」<ジャキッ!

春雨「みんなを…守りきります……っ!!」<ボォン!ボォン!

ドガアァアァァァアアァ!!!!

駆逐棲姫「グアああぁああァアアァァァああ!!!!」

満潮「春雨!!」

潮「や…やったんですか!?」

白雪「いえ…敵影、健在です!」

朧「直撃だったのよ!?なんて化け物なの…!」

響「なんでもいい、この隙に撤退しよう」

春雨「は……はい!」

駆逐棲姫「…………キヒッ」<小破>

春雨「!!」<ビクッ!

満潮「春雨!?」

春雨「今あの子…笑って……?」

駆逐棲姫「キヒッ、キヒッ、キヒヒ…ッ」

春雨「やっぱり…!」

朧「今はそんなのどうだっていいでしょ!?」

春雨「う…うん……」<ザザッ

駆逐棲姫「キヒッ、キヒャッ…ハ、ハハハハハハハハハハ!!!!!アハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!」


駆逐棲姫「痛イ…痛イじゃナイ…カ……!」

駆逐棲姫「生きてる…此処にちゃんと私の身体がある…!こんな幸福他にない……!
今解った…私の欲しかったモノはコレだったんだ…!!

アハハハハハハ、アハハハハハハハハハハハハハハ………!!!!」

▼深海基地

戦艦棲姫「…世話になったわね」

深海提督「ウチの居心地は如何でした戦艦棲姫様?」

戦艦棲姫「ええ、貴方が居る事を除けば文句無しだったわ」

深海提督「ギヒッ、お褒めいただき光栄です」

戦艦棲姫「……チッ」

戦艦棲姫「行くわよ駆逐棲姫、用が済めばこんな所に長居は無用よ」

駆逐棲姫「……みなさん、お世話になりました…」(ぺこり

レ級「いツでモ好きナ時に遊びニ来いよクッチー!」

駆逐棲姫「ええ、是非」(にこっ

戦艦棲姫「そんな奴らと馴れ合わないで駆逐棲姫」

レ級「ヒッデー差別だゼー?」<BOO!

深海提督「サイテー!くたばれー!」<BOO!

戦艦棲姫「お前がくたばれ!!」

深海提督「……でーレッきゅん、駆逐棲姫の仕上がりは?」

レ級「カンペキ!」

深海提督「イェーッ!!」

レ級「ハーイタァーッチ!!」

ブン!ドゴォッッ!!!!

深海提督「……レッきゅん、尻尾でハイタッチ仕掛けて俺の腕粉砕するのやめてくんね?」

レ級「ドーセ集まっテくっつクダロ?」

深海提督「まぁそうなんだけどな?」<ガシャガシャ!ジャキィン!!

レ級「スッゲーゾンビカッケー!!」(きゃっきゃっ

ネ級「…相変わらず不死身ですね」

深海提督「すげーだろ?」

レ級「モウお前ガ戦エヨ」

深海提督「ヤだよ俺弱いもん、艤装持たれたら駆逐艦にも勝てねーぞ」

レ級「キシシッ!不死身の無駄遣イ!!」

深海提督「っるっせーな、強ぇのがテメェらの能力なら死なねぇのが俺の能力なんだよ」

ネ級「ままならないですね」

深海提督「だから司令官なんてやってんだ」

ネ級「しかし、レ級が『完璧』と言う割にはそう変わったようには見えませんでしたが?」

レ級「オレはアイツガ素直になレるように頭カラッポニしてヤッタだかンなー?
最初からあいつはそウいウ奴ダッたンダよ」

深海提督「ゲゲッ、表向きそのまんまで腹ん中だけ仕込んだってのが実に良い、後々気付いて悔しがる戦艦棲姫の顔が目に浮かぶぜ」

レ級「キシシシッ!」

深海提督「…で、具体的にあのガキの中身はなんだったんだ?」

レ級「あー、アイツはナー…」

▽帰路

駆逐棲姫(痛かった…あの痛みが私を満たしてくれる…満たされたのなら…分けないと…痛みを…生きている実感を……私以外の誰かにも……)

駆逐棲姫「………キヒッ」

戦艦棲姫「?どうしたの駆逐棲姫?」

駆逐棲姫「いいえ、なんでもないわ姉様…♪」

戦艦棲姫「……そう…?」

駆逐棲姫「キヒヒッ」

仲良し2人組が大体全部悪い。

そんなわけで今回はここまで
また次回

▼ほっぽちゃんが来た!▼

▽深海基地

<ガチャッ

チ級「提督殿、ネ級殿、迷子をお連れしたであります」

深海提督「迷子ぉ?」

ネ級「…こんな深海で誰が迷子になるというの?」

チ級「彼女です、入ってきても大丈夫ですよ」

北方棲姫「……」(ひょこっ

深海提督「!?」

ネ級「………」

北方棲姫「……!」<ササッ!

チ級「ありゃ、隠れちゃったであります」

ネ級「提督の顔が怖いからですよ」

深海提督「てめぇらの顔も半分仮面だろうが」

チ級「大丈夫ですよー?怖くないですよー?」

北方棲姫「……ホントに…?」(ひょこっ

ネ級「………!!////」<きゅーん!

深海提督「ちょっとネ級さん?」

ネ級「その子を提督に近付けてはダメよチ級、レ級にも気をつけなさい」

深海提督「ギヒッ、それはどういう意味かねネ級ちゃん?」

ネ級「自分の胸に手を当てて考えてみてください」

チ級「何せ提督殿でありますからな」

ネ級「その子に悪影響が及ばないウチにどうにか家に返してあげたいけど…」

チ級「はい、迷子なだけあって自分が何処から来たのか解らないようでして……」

北方棲姫「ほっぽ…お家帰りたい…」(うるっ

ネ級&チ級「……!!」(きゅんきゅーん!

深海提督「なんなのお前ら」

チ級「お名前はなんと言うのでありますか?」

北方棲姫「ほっぽ…ホッポウセイキ…」

深海提督(見た目からもしやと思ったがやっぱ『セイキ』か…鬼って柄じゃあなさそうだし、姫級か?)

ネ級「そう、ほっぽちゃんって言うの」

チ級「心配要らないですよ、必ず私達がお家に帰してあげますから」

北方棲姫「お姉ちゃん達ホント…!?」(ぱぁ!

ネ級「ええ勿論♪」(にこっ

深海提督(え?なにこの空気ここ深海基地だよな?)

チ級「そう言えばこちらの自己紹介がまだでしたね、私は雷巡チ級であります」

ネ級「私は重巡ネ級よ、『お姉ちゃん』と呼んでくれて良いわ」

北方棲姫「おネーちゃん?」

ネ級「はぅんっ!///」(ふらっ

深海提督「ちょっと待ってネ級ちゃんそんなキャラじゃなかったよね?」

ネ級「良い事を教えてあげましょう提督」

深海提督「……何?」

ネ級「深海棲艦とて我々も女の子!!」<ザッ!

チ級「可愛いものは大好きなのであります!!」<ザザッ!

深海提督「わーなんだってー」(棒

北方棲姫「おネーちゃんおネーちゃん」(くいくいっ

ネ級「ん?何かしらほっぽちゃん?」

北方棲姫「"アレ"は?」

深海提督「人指差してアレ呼ばわりたぁ躾のなってねぇガキだな、やっぱ姫級ってクソだわ」

ネ級「あれはクズよ、覚えなくて良いわ」

深海提督「ギヒッ、キミ上官の扱いひどくない?」

北方棲姫「クズー!」(きゃっきゃっ

深海提督「気に入ってんじゃねぇぞクソガキ」

ほっぽちゃんとよく呼ばれるけど実は「ほくほうせいき」が正しい読みだったりする

>>61
マジっすか今までずっと「ほっぽう」って読んでました

じゃあほっぽちゃんは若干舌ったらずで「ほくほいせいき」が言いづらくて「ほっぽうせいき」と発音しちゃうという設定で

▼孤高のヲ級さんvsほっぽちゃん▼

……私の名は空母ヲ級

当深海基地にて主力の一端を担う深海深海棲艦

私は誰とも馴れ合わない
ただ提督の指揮に従い艦娘共を討つ

私に躊躇も慈悲もない

感情など捨てた
ただひとつ、何に向けているのかも思い出せないこの怒りと憎しみを除いては

北方棲姫「お姉さんいつも一人だね?」

ヲ級「………」

最近はチ級が何処からか拾って来たこの子どもがよく私に話しかけてくる

聞けばこの子も小さいながら空母のようなものだという

勝手にシンパシーでも感じているのだろうか?

だが私はそんな事に興味は無い
ただこの心が鎮まるよう沈黙を保つ

北方棲姫「見てコレ、艦娘から取って来たの!ゼロ!」(ぱっ

ヲ級「………」

艦娘共から奪ったという壊れた艦載機を私に見せてくる

生憎それにも興味は無い
それを私に見せて何になると言うのだろう

北方棲姫「ぶぅーん、ぶぅーん!」

ヲ級「………」

私に構うのを諦めたのか壊れた艦載機で遊び出す

そう、それでいい、私には何も関係無い

北方棲姫「ほっぽ…お姉さんの艦載機…見せて欲しいな…」

ヲ級「………」

空母のサガだろうか、他人の艦載機が気になるらしい

しかし何故自分の武器をこんな子どもに見せなければならないのか

何故そう簡単に見せてもらえるとおもったのか

本当に理解に苦しむ

北方棲姫「………ダメ?」

ヲ級「………」

北方棲姫「どうしても…?」

ヲ級「……少しだけよ」

北方棲姫「……!ありがとう!」(ぱぁっ!

………だがこの得体の知れない安らぎも、存外悪くはない

ケータイの充電切れそうなんで一旦失礼
では、

▼どっちも子ども▼

▽食堂

ネ級「チ級、提督は?」

チ級「しばらく執務室に缶詰だそうであります」

ネ級「そう、じゃあ食堂にはしばらく来ないのね
安心してほっぽちゃんの食事にできるわ」

北方棲姫「ほっぽ!お子様ランチ!」

チ級「はいはい、今用意してあげますからねー?」

<ガチャッ

レ級「ヤー!腹減っタ!メシメシー!」

ネ級&チ級「「あっ」」

レ級「レ?」

北方棲姫「?」

レ級「……どったノ?」(きょとん

ネ級「しまった…!提督にばかり気を取られて油断していたわ…!」

チ級「く…っ!せっかくここまでほっぽ殿をレ級殿に合わせずに来れていたと言うのに……!!」

レ級「エ?何何オレに隠しテタノ?ドレドレー?」

ネ級「この人が嫌がると思った事を率先してする姿勢…!やっぱり提督の同類だわ…!」

北方棲姫「お姉さん誰?」

レ級「ウヘェ、コイツもしかしテ姫級じゃネ?」

チ級「やはり解るでありますか」

レ級「ソリャ解ンだロ」

ネ級「ん?その手に持ってる物は何?」

レ級「あーコレ?さっき沈メた艦娘ガ持ってタ烈風
ここで改造しようかと思っテ」

北方「烈風!?」(ガタッ!

チ級「急に反応したであります!?」

北方棲姫「烈風!見せて見せてっ!」(キラキラ

ネ級「あぁっ!そいつに迂闊に近づいちゃダメよほっぽちゃん!」

レ級「ン?飛行機好きナのカ?」

北方棲姫「ウン!ウン!」(キラキラ

レ級「デもダメー、今カらオレがコレで遊ぶノー」(カチャカチャ

北方棲姫「ほっぽも!ほっぽも遊ぶ!」(ぴょんぴょん!

レ級「るっセー改造スルっつったローガ」

北方棲姫「うぅ〜っ!」

レ級「スッゲーカッコよく改造スッカラ、出来たら2人デ遊ぼうゼ?」(ニカッ

北方棲姫「……!うん!」(ぱぁっ!

チ級「あー…意地悪というより、楽しく遊ぶ事しか考えて無い感じでありますな」

ネ級「そう言えばレ級って艦級と能力に反して性格がまるっきり子どもだものね」

チ級「割と波長が合うのかもしれませんね」

ネ級「合いすぎてほっぽちゃんに悪影響が出るのは困るんだけど…」

チ級「それはそうでありますが、今は微笑ましいではありませんか、ふふっ」

▼ゲスクズvsほっぽちゃん▼

輸送ワ級(給仕係)<オ子様ランチオ待チドー

北方棲姫「ワーイ!」

チ級「ジュースとデザート付きでチャーハンに旗まで立って、豪華でありますな」

ネ級「いつもご苦労様ワ級」

チ級「いつも思うのですが、彼女どうやって料理してるんでしょうね?」

レ級「シラネー」(カチャカチャ

深海提督「いやー、美味そうな匂いがするなー」<ガチャッ

北方棲姫「クズ!!」

ネ級「提督!?どうしてここに!?仕事は!?」

深海提督「置いてきた、俺が真面目に仕事するように見えんのか?」

チ級「く…っ!そうでありました!」

深海提督「お、飲み物あるじゃん気がきくなぁ丁度喉が渇いてたんだよ」(ひょい

北方棲姫「ほっぽの!それほっぽの!」

深海提督「そうなの?」

チ級「そうですよそれお子様ランチのセットですから」

深海提督「ふーん?」

深海提督「でも飲む。」<グビーっ

北方棲姫「アーーーーーーーッッ!!クズ!!このクズ!!」

深海提督「ギヒッ!ギヒヒッ!!大人がみんな子供に優しいと思うなよクソガキィ!!」

ネ級「最低!ゲス野郎!!」

チ級「ゴミであります!!」

レ級「キシシッ、カスがイるカスガ」

深海提督「お前達よくそんなすぐに色々と人をなじる言葉思いつくね」

北方棲姫「カエセ!ほっぽのジュース!!カエセ!!」

深海提督「ほらよ、」(コトッ

ネ級「え……?」

チ級「て…提督殿が代わりの飲み物を持っている…ですと…っ!?」

深海提督「いやまぁ流石にな?」

ネ級「あ…明日は地震ですか!?」

レ級「ホー」

北方棲姫「クズ…思ってたより、クズじゃない…」(じーん…

深海提督「そう思うならまずクズ呼ばわりをやめやがれクソガキ」

北方棲姫「それじゃあいただきマース!」<グビーッ

北方棲姫「ブーーーーーーーーーーッッッ!!!???」

ネ級「ほっぽちゃん!?」

北方棲姫「マズイ!!コレ凄いマズイ!!!!」

チ級「ほっぽ殿に何を飲ませたでありますか提督殿!?」

深海提督「ギヒヒヒヒッ!!ドリンクバー名物デタラメカクテルに調味料ミックスよぉ!!!美味かったかぁクソガキィ!?」

北方棲姫「ペッ!ペッ!
少しでも!いいヤツと!思った!ほっぽが!!間違ってた!!
やっぱり!コイツ!!どうしようもない!クズ!!」

深海提督「ゲッゲッゲ!!相手が子供でも手加減も容赦もしねぇ!!それがこの俺ちゃんよ!!」

ネ級「本ッッ当に性根からゲス野郎め!!」

というわけで今回はここまで
ではまた、

▼ほっぽちゃん帰る▼

深海提督「菱餅うめー」(もぐもぐ

北方棲姫「カエセ!ほっぽのヒシモチカエセ!!」(じたばた!

……………

深海提督「みてみてクソガキ零戦取ってきた」

北方棲姫「ゼロ!オイテケ!!」

深海提督「これをー…こう!!」<グシャァ!!

北方棲姫「アーーーーーーーッッ!!!!」

……………

北方棲姫「カラッ!?これカラいッッ!!??」

深海提督「ギヒヒッ!ギヒヒヒッ!!効いただろぉタバスコチャーハンはぁ!?」

北方棲姫「クズ!!クズゥ!!!!」

深海提督「あー、楽しぃー」

チ級「ほっぽ殿がかわいそうでありますこのクズ!!」

深海提督「ゲゲッ、なんだか懐かしくなっちまってなー?」

チ級「懐かしい…?」

<ガチャ、

ネ級「提督、繋がりましたよ」

深海提督「おー、どうだった?」

ネ級「やはり提督の思った通りだったようです」

深海提督「やっぱそうかー」

チ級「んん?何の話でありますか?」

ネ級「ほっぽちゃんの家が解ったのよ」

深海提督「だってよ、ウチに帰れるぜクソガキ」

北方棲姫「ホントに!?」<ガタッ!

チ級「まことでありますか!?」<ガタッ!

▽数日後

飛行場姫「ほっぽぉ〜っ!!」(だきっ!

北方棲姫「オネーチャーン!!」(だきっ!

港湾棲姫「北方棲姫が…お世話になりました…」(ぺこり

ネ級「いいえ、こちらも楽しかったですよ」

深海提督「ギヒッ」

飛行場姫「大丈夫だった!?兄さ…ゲス野郎に酷い事されなかった!?」

北方棲姫「イッパイされた!!あいつ!!クズの中のクズ!!」

飛行場姫「ゴラァそこになおれにい…ゲスゥ!!!!」

深海提督「ゲッゲッゲ、久々に会ったってのにそりゃあんまりだろぉ?」

チ級「む、以前公務で来られていた時とは随分様子が違い随分親しげですね?
もしや顔見知りだったのですか?」

深海提督「まぁなー、前回は一応建て前としてな」

ネ級「私がここに来た時にはもうこんな感じだったから聞いた話になるんだけど…飛行場姫様、昔はこの基地にいたのよ」

チ級「えぇっ!?そうなのですか!?」

飛行場姫「しかもこいつ私に言う事聞かせるために『俺はお前の兄だ』ってずっと騙してたのよ!!」

チ級「あー…それで癖でさっきから『兄さん』と呼びかけてるんですねー…」

深海提督「ギヒッ、昔みたいに兄さんと呼んでくれよぉヒコたんよぉ?」

飛行場姫「誰が兄で誰がヒコたんよ!!!!」<ガーッ!!

深海提督「なんでぇ俺がここで生き返ってすぐにここで生まれたのがテメェなんだからあながち間違ってもねぇだろ」

飛行場姫「あんたは一司令官!!私は姫!!私の方が偉いの!!偉いの!!!!」

深海提督「『兄さん…私…海鳴り、怖いわ…』」(裏声)

飛行場姫「殺す!!!!こいつ絶対殺すぅ!!!!」

深海提督「ギヒッギヒッ、俺が何やっても死なねぇの知ってるくせによく言うね」

北方棲姫「お姉ちゃん、落ち着いて…!」(オロオロ…

深海提督「ほぉら妹分にも心配されてんぞぉ?」

飛行場姫「いいのほっぽ!!私がこいつの妹だって認めたらあんたもこいつの妹になるのよ!?」

北方棲姫「それはとても嫌ですお姉様。」

港湾棲姫「北方棲姫がかつてない滑らかな発音で拒絶を…!?」

レ級「デモ実際あんたモこのガキも妹ミテーだっタけどナ」

飛行場姫「出たわねレ級…!」

レ級「懐かシいジャねーカ、昔はテートクとアンタとネ級とオレデささヤカにヤッてたロー?
今モ里帰りミテーなモンじゃねーカ」

チ級「戦力的に全くささやかではありませんが…」

チ級「しかし成る程、提督殿は飛行場姫殿をよく知っていたからほっぽ殿が彼女の関係者だと解ったのですね」

深海提督「ギヒッ、イジメ…イジり甲斐がそっくりだったからな」

北方棲姫「イジメ!!今ハッキリイジメって言ったクズ!!」

飛行場姫「そんなんで気付いてんじゃないわよこのゲスゥ!!!!」

深海提督「な?」

チ級「…言われると納得してしまうであります」

飛行場姫「まぁいいわ、北方棲姫を保護してくれた事、感謝するわネ級」

ネ級「いいえ構いませんよ」

飛行場姫「…貴女に敬語を使われると妙な気分ね」

ネ級「ふふっ、そう?」

深海提督「俺にも感謝しろよ」

レ級「オレもオレも」

飛行場姫「兄さんとレ級にする感謝は無い!!!!」

チ級(兄さんと言ったであります)

港湾棲姫「そろそろ行きましょう飛行場姫」

北方棲姫「そうですよ飛行場姫様、時間が勿体無いです」

港湾棲姫「北方棲姫が姫の地位を捨ててでも深海提督と兄妹である要素を消そうとしている……!?」

飛行場姫「…そうね、今回はほっぽを迎えに来ただけだしこれくらいにしてあげる」

レ級「キシシッ、タダの捨テ台詞じゃネーか」

飛行場姫「黙れスカポンタン!!!!」

ネ級「まぁあの人達は置いといて、たまには何も無くても足を運んでちょうだい飛行場姫
レ級の言う通り、この基地も貴女の家みたいなものなんだから」

飛行場姫「……そうね、ネ級には会いに来てあげる」

ネ級「ええ、そうしてくれると嬉しいわ」(にこっ

深海提督「兄さんにも会いに来てくれよぉヒコたーん」

レ級「オレもオレモー」

飛行場姫「あんたらは早くくたばれ!!!!」

深海提督「ギヒッ」

でも多分深海提督が本当に倒れたら一番心配するのは飛行場姫。

そんなわけで今回はここまで
次回最終章(の、予定)

ではまた

今回の投下で最終章です
>>1レス目の前スレの展開が絡むので最初の方はご愛嬌

あわよくば今回で終わらせるつもり

▼「解るだろ?俺だ」▼

……私の名は空母ヲ級

当深海基地にて主力の一端を担う深海深海棲艦

私は誰とも馴れ合わない
ただ提督の指揮に従い艦娘共を討つ

私に躊躇も慈悲もない

感情など捨てた
ただひとつ、何に向けているのかも思い出せないこの怒りと憎しみを除いては

『明らかに…人型の艦がいるのです!」』

『でも…話ができるかもしれないのです!!』

『そんな事…話をしてから考えるのです!!』

なんだ…?あいつは一体何を言っている?

理解が出来ない、そして腹がたつ

あいつが、あんな奴がいるから、私たちはーーーーーー

『空母ヲ級!こちらの言っている事が解りますか!?』

解るとも、ああ解る
お前がやろうとしている事も

だからこそ、この怒りが燃え上がる
この憎しみが湧き上がる

そうだ、私はお前みたいな奴をーーーーーー


ヲ級「ーーーーーーー死ネーーーーーーー」


電『…………え……っ」』


ブゥーン…ヒュゥーン…ドガガガガガッッ!!ドガアァッ!!!!

ミスった。
電のセリフカッコ一個多いです

正しくは
電『…………え……っ』

です

▽深海基地

深海提督「ギヒッ、ヲ級の奴が負けたって?」

レ級「ホー、死んだカ?」

ネ級「いえ、出撃した艦は随伴艦共々全艦帰還しています」

深海提督「…見逃されたってのか?舐めた真似してくれる艦娘もいるじゃねぇか」

ネ級「相手の真意は解りかねますが、報告を聞く限りではそもそも初めからこちらを沈める気がなかったとしか…」

深海提督「ますます解んねぇな、負け犬のツラ拝みに行くついでに話でも聞いてやるか」

ネ級「はい、それがよろしいかと」

▽ドック

ヲ級「………」

深海提督「ゲッゲッゲ、ようヲ級!地上の艦娘共にコテンパンにやられたって?」

ヲ級「…………」

深海提督「…相変わらずクールだねぇ、けどまぁ今回は話をしに来たんだ、付き合ってくれねぇか?」

ヲ級「…………」

深海提督「…ま、黙ってても勝手に喋るけどね」

深海提督「俺はよ、人をおちょくるしバカにもするがここの司令官である以上テメェらの戦力は把握してる」

深海提督「そしてお前はウチのエースの一人だ、艦娘共に舐めた真似されてそう簡単に引き下がる奴じゃねぇ事は解ってる」

深海提督「だがこうして帰ってきた、テメェだけじゃねぇ、一緒に出た奴らも全員だ、俺にはそこが意味わからん」

深海提督「何があったか話せ、これは命令だ」

深海提督「舐められっぱなしじゃ俺の気が済まねぇ」

▽執務室

<ガチャ

ネ級「お帰りなさい、どうでした提督?」

深海提督「…なんでも敵の一人がこうのたまったらしいのさ
『話がしたい』『一隻も沈めない』『敵を助けたい』……とよ」

ネ級「それはまた頭のおかしな艦娘もいたものですね」

深海提督「それだけならそいつがバカなだけだ、異常なにはそいつの仲間がそれを手伝って、形だけでもやりきっちまったってトコだ」

ネ級「お人好し…というには度が過ぎていますね」

深海提督「まっったくだ、これがイラつかずにいられるかよ」

ネ級「……その割には、とても嬉しそうな顔をされていますが?」

深海提督「……ギヒッ、やっぱ解っちゃう?」

ネ級「ええ、長い付き合いですから」

深海提督「間違いねぇ"あいつ"の指揮だ、"あいつ"の艦娘だ、あの野郎いつの間に提督なんぞになってやがった」

ネ級「あいつ…?ああ、例の」

深海提督「ネ級、ちょっくら留守を頼まれてくれねぇか?」

ネ級「どうするおつもりで?」

深海提督「俺が出る
そんなに話がしてぇならしてやろうじゃねぇか…ギヒッ」

ネ級「……提督弱いじゃないですか
出てってどうするつもりですか」

深海提督「そりゃもう輸送船みてぇに守れよ、ホラ俺デリケートだから」

ネ級「不死身のくせに」

深海提督「不死身だけが取り柄だからな」

ネ級「随伴はどうしましょう」

深海提督「話をしに行くだけだしレ級とヲ級がいれば充分だ」

ネ級「解りました、手配しておきます」

深海提督「いつも悪いね」

ネ級「いいえ、慣れてますから」

▽地上の鎮守府・鎮守府正面海域

ビーッ!ビーッ!ビーッ!

電「司令官!鎮守府正面に深海棲艦の反応なのです!!」

地上の提督(以下【提督】)「何!?近いのかレッド!?」

※電の「レッド」呼びに関しては前スレ参照

電「もうすぐそこです!」

羽黒「ぼ…迎撃システムは…?作動してなかったんですか……!?」

電「それが…全滅してるのです、正面から全部叩き壊して突破して来たみたいで…」

山城「そんな馬鹿な…!?どんな戦力ならそんな事できるのよ!?」

赤城「敵影は3隻、艦種は戦艦レ級に艤装を持っていない不明の艦が一隻と…」

電「あれは…!?あの傷!あの時のヲ級なのです!!」

赤城「まさか…見逃したヲ級が仲間を連れて報復に!?」

雷「そんな…レッドの気持ちは届いてなかったって言うの!?」

木曾「チッ、やるしかないのか…!」

<ザザッ

???『あー、あー、聞こえるか地上の艦娘諸君、それに地上の司令官」

提督「!?」

雷「敵艦から通信!?」

???『こちらに戦闘の意思はない、繰り返す、こちらに戦闘の意思はない』

赤城「……通信、こちらからも繋ぎます」

提督「……ああ、そうしてくれ赤城くん」

赤城「こちらの防衛システムを壊滅させておいて『戦闘の意思は無い』とは随分勝手ではありませんか?」

???『撃ってくるから撃ち返したんだ、デモンストレーションをかねてな』

木曾「話し合いに応じなければ俺たちも同じようになる、と言いたいのか?」

???『ギヒッ、物分かりがいい奴もいるじゃねぇか
その通りこいつらはウチのエースだ、ここでこいつらとやり合ってテメェらもこの鎮守府も、タダで済むたぁ思わねぇよな?』

提督「……その声、その笑い…まさか君は…本当に…君なのか……!?」

電「司令官、あちらを知っているのですか!?」

???『ギヒッ、こぉーんな顔になっちまったから気付いてくれるか不安だったんだけどよぉ…嬉しいぜぇ、俺の処刑以来だなぁ「親友」?』

提督「ああ、まさかとは思ったが彼は…」



深海提督「解るだろ?俺だ」

提督「レッドに出会う前の私に、解り合うことを諦めさせた男だ」

▼正義の味方▼

▽鎮守府・客間

深海提督「なんでぇこの鎮守府は、客人に茶の一つも出さねぇのか?」

木曾「貴様らに出す茶など無い…!」<チャキッ

提督「軍刀から手を離してくれ木曾くん
……それにしても久しぶりだな、士官学校以来か、まさか君が生きているとはな…」

深海提督「あぁん?このツラが生きてるように見えんのか?おいレ級」

レ級「アいよー」

ブン!!ズガァッッ!!!!

羽黒「ひ…っ!?」

電「うぷ…っ、な…何をしているのですか…!?」

雷「急に自分達の司令官の上半身を吹き飛ばすなんて……!」

<<ゲッゲッゲ、ビビったか?いいねぇそういう反応初々しくて>>

赤城「!?」

木曾「砕けた体が…再生しているのか…!?」

深海提督「ご覧の通り死んでんのよ、俺はゾンビな深海提督になったのさ」<ズズズズズズ…

提督「そうか…そんな事がありえるのか…」

深海提督「で、本題だ
先日そこのヲ級がここの艦娘に舐めた真似されたみてぇでよぉ?
そこんとこの話が詳しく聞きたくてな」

雷「舐めた真似って…あなたレッドがどんな気持ちで……!!」

深海提督「そこんとこ聞きに来たっつってんだろガキ、その『レッド』ってなどいつだ?そこの赤い空母か?」

電「……電です」

深海提督「テメェが…?ギヒッ、随分とちっちぇなこっちもガキじゃねぇか」

深海提督「…で、なんの真似だ?俺たちゃ戦争をしてるんだ、何を思ってこいつらを見逃した」

電「…話が、したかったのです」

深海提督「話?」

電「彼女は電が初めて出会った、言葉が通じそうな深海棲艦だったのです

だから話がしたかった、戦わずに済むならそれが一番いいと思った

それが叶わないならせめて…沈めずに助けたいと思ったのです……」

深海提督「………ギヒッ」

電「!?」

深海提督「ギヒッ!ギヒヒッ!ゲゲッ、ギヒヒヒヒッ!ゲヒッ、ギヒィッ!!」

電「な…何がおかしいのですか!?
沈んだ敵も、できれば助けたいって、命は助けたいって思うのは…そんなにおかしな事ですか!?」

深海提督「ギヒヒヒヒッ!!おかしいさこれ以上笑わせんなよ!!
本っっ当に昔のテメェにそっくりだなぁ『親友』!?類は友をナントカってかぁ!?ゲッゲッゲッゲッゲ!!」

木曾「貴様…レッドの理想を笑ったな…!?」

羽黒「私たちは…こんなレッドと司令官さんだからついて来たんです…!バカにしないで下さい……!」

深海提督「…ギヒッ、らしいねぇ、テメェの鎮守府って感じだ」

提督「………」

深海提督「おいガキ、テメェが本気でそれを言ってんのはよぉく解ったぜ
けど俺たちは戦争をしてるんだ、綺麗事じゃどうにもなんねぇ事もあるってなぁ流石に解ってんだろ?」

電「それでも…それでも電は……!」

深海提督「…俺逹も救いてぇってか」

提督「私はこんな電くんだから託したんだ、君を救えなかった…1度は折れてしまった私の正義を」

深海提督「救えなかった…ねぇ」

深海提督「なぁ、深海棲艦ってなぁなんで生まれると思う?」

電「…なんでって……」

深海提督「考えた事もねぇか?じゃあ質問を変えよう、なんで戦うと思う?」

電「……それが解らないから、こうして話がしたかったのです」

深海提督「ギヒッ、素直な良い子だ」

深海提督「まぁ俺たちも大分デカくなったからなぁ、組織的には色々あるんだろうが…個々としての目的は単純だ」

提督「……聞かせて、くれないか」

深海提督「俺逹はよぉ…ただ一人の例外もなく、成仏してぇのさ」

赤城「成仏…?」

深海提督「俺がゾンビやってんの見たろ?深海棲艦ってなぁ亡霊みたいなモンなんだ

何処かの誰かの恨みや憎しみが集まって具現化したヤツもいれば、生前の感情や怨念が体に残って生き返ったヤツもいる

けど間違いなく言えるのは、誰しもこの世に未練があるから深海棲艦なんぞになるって事よ」

電「じゃあその未練を果たしてあげれば…」

深海提督「ああ成仏するだろうな、けどテメェらにはできねぇぜ」

雷「なんでよ!どれだけ時間がかかるか解らないけど、一人一人向き合っていけば必ず…!」

深海提督「じゃあ訊くがよ?例えばテメェは『世界征服がしてぇ』って思って死んだヤツの未練をどう果たしてやれるんだ?」

雷「!!!!」

深海提督「テメェが世界征服を手伝ってくれんのか?

じゃあ『ぶっ殺してぇ奴がいる』って未練は?そいつを殺す手助けをしてくれんのか?

何もかもブッ壊してぇって奴は?
単に艦娘共が憎いってだけの奴は?
この世界そのものを恨んでいる奴は?

無理だね、テメェらじゃ何もできねぇ、テメェらは所詮正義"の"味方でしかねぇ

俺達を救うってなぁそういう事だ

テメェらじゃ俺逹みてぇな悪党の味方にはなれねぇし、なって欲しいとも思わねぇ」

電「そ…それは……!」

深海提督「救えねぇんだよ、救えねぇから悪党なんだよ
だから戦争なんかしてんだよ
これはそういう戦争なんだよ」

提督「…手を取り合う気は無いのか……?」

深海提督「変わらねぇなテメェも…今の話を聞いて、手を取り合えば俺逹が救えると思うのか?」

提督「……解らないが…戦っても戦っても…君達のような者を増やしていくだけなんじゃないのか…?」

深海提督「仮に解り合えても応えは同じだ『親友』、俺逹はテメェらが憎いからここにいて、テメェらは害悪でしかねぇ俺たちを殺すしかねぇ」

提督「……私は諦めないぞ、いつか君達を本当の意味で救えると信じている」

深海提督「これ以上は平行線だ、邪魔したな」

雷「待ちなさいよ!!そっちが言いたい事だけ言って逃げる気!?」

深海提督「ゲゲッ、その通りよ、なんたって俺達は悪ーい深海棲艦だからな?」

雷「くぅ…っ!」

提督「…最後に聞かせてくれないか?
君は…君自身は何を思って深海提督になったんだ?」

深海提督「……俺をこんな風にした奴らを皆殺しにしてやる
それを果たすまで俺は死ぬ事も出来ねぇんだよ」

▽帰路

レ級「アー!真面目な感ジ疲レたー!」

深海提督「おー、付き合わせて悪かったなーレッきゅん!」

ヲ級「………」

深海提督「ああ、ヲ級もご苦労さん」

レ級「しっカし良いノかヨ、次の作戦のコトバラしちゃっテサ?」

深海提督「ん?ああ本土の襲撃作戦の事か?あれだけハッパかけりゃああっちも本気で動かざる得ないだろ?」

レ級「わざわザ本気出さセてドーすルってのサ?」

深海提督「…知らばっくれんなよ気付いてんだよ」

レ級「レ?」

深海提督「話中テメェがあれだけ静かだったんだ…『見つけた』んだろ?」

レ級「……キシシッ、バレてタ?」

深海提督「ああ、思う存分暴れてぶっ壊して来い」

レ級「ケケッ」

▼決戦、戦艦レ級▼

▽作戦当日

雷「ここね、あの人が言っていた襲撃作戦の待機ポイントは」

羽黒「でも…相手は深海棲艦の司令官さんですよ…?本当に信じて良いのかしら…?」

山城「提督の話じゃ嘘はつくけどやると言ったらやる男だって話だし、少なくとも何かはあるんでしょうね」

電「赤城さん、羽黒さん、山城さん、索敵をお願いできますか?」

赤城「解りました、レッド」

木曾「悪いな、俺が水上機を積めなくなったばっかりに索敵を手伝えなくて」

赤城「いいえ、木曾さんにはその分火力を頼らせてもらっていますから」<バシュゥン

羽黒「はい、頼りにしています」<バシュゥン

山城「今は休んでなさい」<バシュゥン

赤城「……敵影、捉えました!」

羽黒「こちらもです!数は…1!?」

雷「1隻ですって!?まさか、本隊が別にいるんじゃ…!」

赤城「いいえ、襲撃作戦なら彼女を本隊から外すとは思えません…だってあれは先日の……っ」

羽黒「戦艦…レ級……!!」



レ級「キシッ」

レ級「ヨーヨー待っテたゼぇ艦娘共ォ?全員揃っテルかァ?」

山城「そういうあなたは一人のようね、お仲間はどうしたのかしら?」

レ級「キシシ…ッ、要らネェかラ置いテ来たンだヨ、テメェら全部…オレがまとメてぶっ壊スんだかラヨォ!!!」

※少し前※

ネ級「はぁ?一人でやらせて欲しい?」

レ級「おウ、ダメか?」

ネ級「あなたの戦闘力は知ってるし別にダメって事はないけど…どうしてまた?」

レ級「……どうシてモぶっ壊シテェ奴ガいルんだ、手出シして欲シくネェ」

ネ級「…そう、解ったわ
でも一応艦隊として出撃した以上、離れて私達も待機しているわ
チ級とヲ級もそれで構わないわね?」

ヲ級「………」(こくん

チ級「了解であります!」

レ級「…悪ィねネ級、オメーは久々出撃だったノニよ」

ネ級「良いわよ別に、長い付き合いだもの」

チ級「応援していますよ、レ級殿!」

ヲ級「…………」

▽現在

赤城「たった一隻で私達を倒すですって?舐めないで下さい!攻撃隊、発艦!!」<バシュゥン!!

レ級「ひぃフぅみィ…そんなモンかヨ、舐めテんのはドッチだァ!?」<バシュンバシュンバシュゥン!!

木曾「な…なんて数の戦闘機だ!!」

赤城「数で負けてたって!一機一機の練度なら遅れは取りません!!」

レ級「このオレにぃ…そンなコト関係ねぇンだよォ!!!!」

ドガガガガ!!ドガンドガァ!!!!

赤城「きゃああぁぁあああっっ!!??」<<大破!!>>

電「赤城さん!!」

木曾「くそ…っ!魚雷をお見舞いしてやる!!」<バシュゥ!!

レ級「キシッ!!ならコッチモだァ!!!」

木曾「何っ!?」

ドゴン!!ドゴォ!!!!

木曾「くぅ…っ、ちょっとばかし涼しくなったぜ…っ!」<<大破!!>>

山城「戦闘機に加えて魚雷まで撃てるのあいつ…!?なら…砲戦はどう!?」<ガシャッ!!

レ級「いいネェのッテ来たゼぇ!!!!」<ガション!!

電「みなさん!山城さんに合わせて集中砲火です!!少しでもレ級の動きを抑えないとどうにもならないのです!!」

雷「任せて!!ってー!!」<ボォン!!!

羽黒「これ以上…やらせません!!」<ボガァン!!!

電「なのです!!」<ドドォン!!!

山城「主砲、よく狙って…てぇーっ!!!!」<ドゴオォン!!!!

レ級「キシシッ!!いいねいいネェ最ッッ高だネェ!!!!」<ズドオォッッ!!!!

ズガンズガンズガアァン!!!!

山城「きゃあぁあっ!!??…痛い…やっぱり不幸だわ……」<<大破!!>>

雷「山城さんまで!?」

羽黒「そんな…あっと言う間に3隻…!?」

赤城「これが戦艦レ級…想定よりもはるかに強い……っ!!」

レ級「キシッ」<小破>

電「みなさん!レ級も無傷ではありません!!攻め続ければ無力化できない敵ではないのです!!」

レ級「……無力化ァ…?遊んデんジャネーんダヨまだ解ンねェのカァ!!!!」<ゴッ!!

雷「ひっ!こっちに来るわ!!」

羽黒「レッドは…やらせません!!」<バッ!!

レ級「邪魔ダァ!!!!」<ブン!!

羽黒「く…っ!」<ジャキッ!ドォン!!

ドガアァッッ!!

羽黒「 きゃあぁっ!!??」<<大破!!>>

レ級「ギヒッ!!」(被弾)

木曾「嘘だろ…!?砲撃でも雷撃でもなく、尻尾でぶん殴っただけで重巡の羽黒にあのダメージ!?」

山城「しかもほぼ直撃だった筈なのにまるで堪えてない…!どんな装甲してるのよあいつ……!!」

雷「逃げてレッド!!こいつは私がくい止めるわ!!」

電「ダメ!!雷ちゃん!!」

レ級「テメェがオレヲ止めラレるわケねぇだロうガよぉ!!!!」<ブン!!

赤城「また尻尾!?」

ズガァッ!!

雷「うぐぁ……っ!!?」

電「嫌ぁ!!雷ちゃぁん!!」

レ級「キシッ!キシシシッッ!!」

ズザアァッ!!

雷「っつ〜〜っ、いったぁーい……っ!」<<小破>>

レ級「レッッ!?」

山城「嘘!?駆逐艦の装甲でレ級の尻尾を耐えた!?」

木曾「…そうか!!体重が軽い分衝撃がモロに伝わらず吹き飛んでダメージを逃したんだ!!」

雷「行かせないって…言ってるでしょ!!」<バシャァッ!

レ級「ーーーーーッッ!!??」

ドガアアアァァァアアアン!!!!

レ級「グアアアァァァああァァああああッッ!!!??」<<中破>>

雷「流石のあなたも魚雷の不意打ちは効いたみたいね!」

レ級「キシッ、やるネェ!!!!」<ジャキン!!ドゴォ!!!!

雷「きゃああぁあぁあぁッッ!!!!」<<大破!!>>

木曾「雷ぃ!!!!」

雷「……っ、大丈夫!雷は大丈夫なんだから…!」

レ級「フゥー…、後戦えルのハテメェだけダゼぇ?」

電「く……っ!やるしかないのですか……っ!」

木曾「パワーじゃ絶対に勝てない!!逃げ回って少しずつダメージを与えるんだレッド!!」

雷「大丈夫!!勝てない敵じゃないわ!!」

レ級「外野ハすっコンデロ!!」<ジャキッ!!

羽黒「こっちに砲口が!!」

山城「機関部が…っ!く…っ、これじゃあ躱せない……っ!」

電「やめるのです!!!!」<ボン!ボボォン!!

ドガッ!ドガァッ!!

レ級「ガ…ッ!?」(被弾)(ぐらっ

赤城「レッド!!」

電「ふぅー、ふぅー…ッ!」<キッ

レ級「いいネェ…イイ目だ…!その目になるノを待ってイタ!!!」<ジャキン!!

電「く…っ!急速旋回!全力回避!!」<ザザッ!

レ級「ケケケェッ!!逃ガスかよォ!!!」<ザザッ!

ザザァッ!!

電「戦艦レ級!!電達は戦いたいわけじゃないのです!!
話をする事は出来ないのですか!?」

ガオン!ガオン!!

レ級「コナイダうちのテートクと散々話タロ!!アレ以上話ス事ァ無ェヨ!!」

バシュゥン!

電「でも…電は諦めたくないのです!!誰も泣かずに済む決着が…きっと有るのです!!!」

ドン!ドォン!

レ級「キシッ、有るカモなァ…でモ興味無いネ!!!オレは撃って撃たレて壊シて壊レて!!!そんな戦いガしてェダケなンだヨォ!!!!」

ズガンズガン!!ズガァッ!!

……………

電「はぁ…っ、はぁ…っ、はぁ…っ」<<中破>>

レ級「…キシッ、ヤるジャネェか」<<大破>>

電「…電の勝ちですレ級、これ以上あなたはもう戦えないのです」

レ級「アア、カモな」

電「……話をしましょう、きっと解り合える道があるのです」

レ級「……あぁ、アルかモな」

電「じゃあ……っ!」(ぱぁっ!

レ級「でモ御免ダ、オレはまダヤるゼ?」

電「そんな…そんなボロボロで何ができるって言うのですか!?」

レ級「…そうダな、こンナのドーだ?」<ベキベキべキィッ!!ガラン!!

電「な…っ!自分で自分の装甲を剥がして…!?」

レ級「見エるカ?コレがオレの心臓ダ」

電「そんなもの見せてどうしようって…」

レ級「コレをヨ、今かラ暴走さセテ自爆すル
そしタらここら一帯吹き飛ブンジャねーかナ?」

電「な……っ!?」

レ級「キシシッ、テメェもテメェノ仲間モ手負いでここカら逃げラレネェ、全員仲良くあノ世ニ行こウゼ……!!」

電「やめるのです!!話をしましょう!!そんな事する必要なんか無いのです!!」

レ級「キシッ、キシシ……ッ、手遅れダ、バーカ……!!」<キュイィィイィィイイーーーーーン…

ピピピピピピピピ…ッ


ドゴオオォオオォォォオオオオォォオオオオオン!!!!!!!!

レ級「…………キシッ?」(ゴウン…ゴウン…ゴウン…

電「フーッ、フーッ、フゥー……ッ!」

レ級「アー…撃った?」

電「…ぅ……ぐす…っ、……っ…ふぇ……っ」(ぽろぽろ…

レ級「なんでェ、やレばできンジャン」

電「話を…っ、話を…じまじょぅ……っ、こんな…こんな結末…電は望んでいないのです……だから…話をしましょう……っ!」

レ級「……バーカ、散々したロ
こノ砲弾ト傷跡ガ、オレの言葉ダ」

電「違う…こんなの、違うのです…電は……こんな事がしたかったわけじゃ……!」

レ級『ネ級ーーーーーーーーーー!!!!!聴こエてンだロォ!!!??
テートクに伝えナァ!!!大満足ダ!!!先に逝っテルってナァ!!!!!!』

レ級「キシッ、キシシシシッ!ケッケッケ…キシシッ!!!」


レ級「キシッ」<<轟沈>>

▼誰ガ為ニ在リ▼

▽深海基地

ネ級「以上、戦果報告です」

深海提督「ギヒッ、そうかレ級が逝ったか」

ネ級「…寂しくなりますね」

深海提督「いいんじゃねーの?大満足って言ってたんだろ?」

ネ級「……はい、確かに」

深海提督「ならいいじゃねぇか」

深海提督「…あいつの未練はよ、撃って撃たれて壊して壊れて…そんなお互いボロボロになって、最後にはどっちが沈んでてもおかしくねぇ、そんな激戦の中で死ぬ事だったんだ

あいつはそんな戦闘の中で自分を殺してくれる誰かをずっと探してた

それが果たせたんなら、俺がとやかく言う事じゃねぇよ」

ネ級「…そうですね、我々深海棲艦は一隻足りとも例外はなく、ただ己の未練を全うして成仏する為に戦うのですから」

深海提督「それを『大満足』なんて吐かしながら逝くなんてよ、贅沢な奴じゃねーか」

深海提督「悪ィなネ級、お前のは当分先になっちまいそうだ」

ネ級「いいえ…飛行場姫がここを離れて、レ級も逝って、提督と長い付き合いなのは私だけになってしまいましたし、私はまだ先で構いません」

深海提督「ギヒッ、言ってろ」

ネ級「…ところで、以前から一つお訊きしたい事があったのですが」

深海提督「ん、何?」

ネ級「恨み、怨念、憎しみ…そういった負の念から生まれたのが私達深海棲艦です

……でも提督はそうではないでしょう?貴方は好き勝手に生きて、世の中に迷惑かけたまま勝手に死んで…生前に未練なんか無いでしょう?

なら何故、提督は深海化してしまったのでしょうか?」

深海提督「…何言ってんだ、俺を呼んだのはテメェらの方だろ」

ネ級「と、言いますと?」

深海提督「テメェらがどれだけ強くても一隻一隻はどーって事ねぇただの亡霊よ
テメェらが満足して逝くにはまとめ上げる"誰か"が必要なんだよ」

ネ級「それが貴方だと?」

深海提督「ま、丁度良かったんだろうさ
艦隊の指揮ができて嬉々として人類の敵になれる死にたての死人なんてそうそういるモンじゃねぇ」

ネ級「そんな人がいたら、最低でどうしようも無い、とことんゲス野郎に違いありませんね」

深海提督「ゲッゲッゲ、そういうこった

だから俺の未練は『今』にある

テメェら全員の死に場所を用意してもれなくぶっ殺してやるまでは、どう足掻いても死ねねぇんだよ」

ネ級「苦労しますね」

深海提督「おう、付き合えよ」

ネ級「はい、地獄の果てまで」

深海提督「ギヒッ」

と、いうわけでこれにて終了です
ここまでお付き合いいただきありがとうございました

それではまたいつか

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年08月29日 (火) 12:37:00   ID: HeSryjhI

良かった

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