男「はじめて犬を飼うぞ!」 (49)

犬「え、あんた初めてなん?」

男「ああ、とっても緊張す……ワアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」

犬「まぁ初めては誰だって緊張するもんよ。それにしてもよう拾うてくれたわ」

男「犬が喋った! 気持ち悪い!」

犬「ほらほうよ。犬が喋るんは当たり前じゃろ?」

男「当たり前じゃねーよ! すっげぇ流暢に喋ってるけど!」

犬「あー……。まぁ初心者やしのぉ……。知らんのも無理ないかぁ……」

男「え、何? 犬って普通喋るの!?」

犬「飼ったことある人は皆分かると思うけど、犬は家じゃ結構喋るんよ?」

男「う、嘘つけ! 友達が飼ってるけどそんな話聞いたことないぞ!」

犬「そら口も聞きたくないほど嫌われてるんじゃろ」

男「ま、マジかぁ……。知らなかった……」

犬「勉強になったろ? とにかくこれからもよろしくな?」

男「よ、よろしく……」

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犬「まぁ犬を飼うことが初めてということじゃけど、まずは名前を決めてもらわんといかんわい」

男「名前か……。じゃあ雄か雌かを確認しとかないとな……」グイッ

犬「ば、馬鹿たれっ! ///」ガブッ

男「ぎええええええ! 痛い痛い!」

犬「この助平っ! 何股間を覗こうとしよんよ! 雌ってことぐらい顔見たら分かるじゃろうがっ! ///」

男「し、知らねえよぉ……。ってか十中八九雄だと思ってたんだけど……」

犬「失礼じゃの! こう見えても2歳の柴♀じゃわい! 人間で言うたら23歳のレディーなんよ!?」

男「うーん雌かぁ……。ならソフィアとかどうだろうか?」

犬「馬鹿たれ。柴でソフィアってどういう神経じゃ。和名に決まっとるじゃろ」

男「ええ……!? 絶対英名の方がかわいいのに……」

犬「発想がDQNと一緒なんよ、あんたは。そう言えばあんた、名前は何て言うん?」

男「俺の名前? 男だけど……」

犬「歳は?」

男「22」

犬「何じゃ、年下かい」

男「お前2歳だろうが!」

犬「23言うとるじゃろ! ほんと話聞いてないな男は!」

男「男ってなんだ! ご主人様って呼べよ!」

犬「……」ガブッ

男「ぎゃああああああ! 痛たたたたたたた!」

犬「勘違いするなよ? 男とうちは対等な関係じゃ……。犬は人間のパートナーという言葉の意味をよく考えるんじゃの」フン

男(拾って来なきゃよかった!)

犬「ほんでうちの名前じゃ。決めたんか?」

男「うーん……。なら京子とかでいいか?」

犬「京子……京子……。うん、ええの! 最近じゃ珍しくて逆にかわいいわ!」

男「気に入ってくれてよかった。さっそく京子のために犬小屋とか必要なもの揃えなきゃな」

京「ちょっと待って。京子は気に入ったけど、男がうちのこと京子って呼ぶのは違う気がする」

男「何が違うんだよ」

京「今日知り合って呼び捨てはないじゃろ?」

男「面倒くせっ!」

京「やっぱり『京子さん』じゃろうか……」

男「ええ……飼い犬にさん付とか嫌なんだけど……」

京「それも変か……。まぁよそよそしい気もするしな」

男「京子でいいよ、京子で」

京「なら『京ちゃん』はどうじゃろか? なんか女の子扱いされてる感じがしてええよ、こっちの方が」

男「わかったわかった。京ちゃんな……」

京「それから犬小屋は嫌じゃけんの?」

男「え、外につないどくだけでいいの?」

京「馬鹿たれ! 家のなかに住むに決まっとるじゃろうが!」 

男「そ、それはダメだ! 家のなかで飼ったら臭くなるっていうし!」

京「男はうちのことが臭い言うんか!」

男「そりゃ犬は臭えよ! っていうかお前だって初対面で俺のこと呼び捨てにしてんじゃねえか」

京「うちが言うてんのは初対面でさらに相手が年上の場合じゃ」

男「23か知らんが、それでも呼び捨てにされるのは気分悪いな」

京「細かいのぅ……。なら『男ちゃん』でええか?」

男「男ちゃん……? うーん……」

京「ええじゃろう、呼びやすいし。それはそうと今臭いっていったの!?」ガブッ

男「痛い! 反応が遅えよ! いちいち噛むなこの馬鹿犬っ!」

京「ちゃんとシャンプーしてくれれば臭くならんけんの。ほんと頼むぞ男ちゃん」

男「シャンプーとかもすんのか。思ってたより面倒臭そうだな……」

京「そして犬は大抵シャンプーを嫌がるぞ。うちも例外じゃないけん、覚悟せえよ」

男「具体的には?」

京「逃げ出そうとしたり暴れたり。まぁすぐに慣れるわい」

男「マジか……。あ、家で飼うならトイレとかも準備しないといけねーな……」

京「ついでにウチと遊ぶためのボールとかフリスビーもあるとええの」


***

次の日

男「ただいまー。京ちゃんいい子にしてたかー?」ガチャッ

京「遅いっ! 何時思っとんのじゃ!」

男「帰りにペットショップ寄ってたんだから仕方ないだろ? ほれ、ご注文のボール」ポイッ

京「ひょう♪」バタバタバタ

男「そんでこれがトイレだ。今日からここでおしっこするんだぞ」

京「男ちゃん、それ擬音装置ついてる?」

男「誰がおまえのおしっこの音なんか聞くかっての。あ、あとこれも買って来たんだ」ガサガサ

京「なんよ?」

男「じゃーん、首輪! 焦げ茶が渋くてかっこいいだろ?」

京「嘘……」

男「ん? 気に入らなかったか?」

京「いや、すごくかわいい……。ええよ、これ……///」

男「そりゃ良かった。さっそくつけてやる」カチャカチャ

京「うん、着け心地も悪うないよ。鏡見せて、鏡」

男「鏡って洗面台のしかないけど」

京「なら、うちを持ち上げてよ」

男「仕方ねーな。それ!」

京「ぎゃ痛たたたたたたた! 降ろせ! 降ろさんかい馬鹿たれ!」

男「あ、すまん。痛かった?」

京「両脇掴んだら痛いにきまっとるじゃろが! ちゃんと後ろ脚も支えるようにして持たんと!」

男「悪かったって。こうか?」ドッコイセ

京「そう、そうじゃ。まったく……」

男「京ちゃん、鏡見えるか?」

京「うん……。べっぴんさんが写っとる……///」トローン

男「はいはい……」

京「男ちゃんも幸せもんよ? こんな美犬連れて散歩できるなんて……///」

男(美犬ってなんだ……?)

京「これ、さっそく近所の子達に見せびらかさんといけんわい。ご飯食べたら散歩に行くけんね?」

男「え、この後? もう遅いからいいんじゃね?」

京「何言うとるんよ。一日二回は当たり前じゃろうが」

男「そんなもんかぁ……」

京「ほんで今晩は何にするんよ?」

男「京ちゃんはドッグフードだけど?」

京「馬鹿たれ! 男ちゃんはディナーがシリアルでもええんか!? もっとましなもん出さんかい!」

男「ましなもんつったって……」

京「男ちゃんは何食うんじゃ?」

男「カップ焼きそば」

京「……。すまんかった。ドッグフードでええよ」

男「おい何だその憐れむような目は。やめろ」

京「……」

男「べ、別に夕飯がカップ麺でもいいだろ! 好きなんだから! ///」

京「……なんなら、うちのドッグフード分けてあげようか?」

男「いるか!」


***

男「いやー食った食った///」テクテク

京「カップ麺の臭いが強烈でたまらんわい。家帰ったらちゃんと換気しなさいよ?」

男「塩カルビのあの香りがいいんじゃないか」

京「これだから嗅覚の劣る人間どもは……」

男「なんだその棘のある言い方は。でもこうも暗くちゃせっかくの首輪が全然見えんな」

京「犬は暗闇でもはっきり見えるけん、問題ないんよ」

男「へー。色も?」

京「色は明るいところでもあんまりよく分からん。全部黄色とか灰色に見えるけん」

男「じゃあ俺はどういう風に見える?」

京「黄色いサル」

男「……」

京「ジョークよジョーク。ドギーズジョーク」

男「なんだよドギーズジョークって……」

京「あ、男ちゃん! こんなすぐ近くに公園がある!」

男「ああ、この町の中央公園だ。結構広いからボール遊びとか出来ると思うんだ」

京「おほほう! 芝生がちょうどええ感じ///」

男「あの丘のとこで寝転がったら気持ちいいんだぞ~。この公園、出来たばっかだから綺麗だし」

京「町長最高やん///」

男「結構開発に積極的な町長でな……あ、ダメだ。ペット禁止って看板出てる」

京「……」

男「仕方ない、河川敷に行こう。そこも広いから」

京「……ちょっとくらい構んて」

男「社会のルールだからな。ダメなもんはダメだろ」

京「……河川敷も芝生あるん?」

男「無い。でも綺麗な石があるぞ」

京「……へえ」トコトコ

男「おい、どこ行くんだ京ちゃん! 入っちゃダメっつってんだろ!」ガシッ

京「嫌じゃ! ここがええんじゃ! ここじゃなきゃダメなんじゃ!」バタバタ

男「聞き分けのないこと言うな! 大人なんだろ!?」

京「だってまだ2歳じゃけん!」バタバタ

男「どっちなんだよお前! 町長がダメって言ってんだから受け入れろ!」

京「アパルトヘイトか! 死ね町長!」バタバタ

男「ほら行くぞ!」グイッ

京「マンデラ!」ズルズル

男(マンデラ悪くねーだろ!)


***

男「ほーら京ちゃん、取っといで!」ポーン ポテンポテン

京「……」ツーン

男「あの……京ちゃん?」

京「……」

男「あの……ボール……」

京「なにが悲しゅうてこんな寒々しい河川敷でボール取って来にゃならんのじゃ……」シクシク

男「んだよ、まだ拗ねてんのかよ……」

京「差別されたことのないイエローモンキーには分からんじゃろな……」

男「それ! まさにそれが差別!」

京「ええか! うちは柔らかな芝生の上を駆け回りたかったんじゃ! それに引き換えなんなんここは! 不毛地帯じゃろうが!」

男「ほら、綺麗な石あるぞ? 水切りしたらきっと楽しいぞ?」

京「そんなガキの遊び興味ないわい……だいたいうち出来んし……」

男「そーれ! おっ! 6回くらい跳ねたんじゃないか!? なあ、京ちゃん!」ピシッピシッポチョンッ

京「ええけん放っといてくれや……。うち、先帰るわ……」トボトボ

男「京ちゃん……」

男「お、おーい……一回くらいボールで遊ばないか? せっかく買って来たんだし……」

京「せん……」トボトボ

男「や、やってみたら楽しいって!」

京「ええて……。男ちゃんも風邪ひかんうちに帰ってきいや……」トボトボ

ポーン……ポテンポテン……

京「ああもう男ちゃんしつこい! ボール遊びせん言うたやろ!」

犬「ハァッハァッハァッハァッ!」ダダダダッ カプッ

京「!?」

犬「ハァッハァッハァッハァッ!」ダダダダッ ポテン

女「よーしよし! いい子だねアル!」ガシガシガシ

犬「ワンッ!」

女「ご褒美にビーフジャーキーあげちゃうよー! お座り!」

犬「ワンッ!」ペチョン

女「はいお利口さん! お食べ!」ヒョイッ

犬「ガウッ」パクッ

女「ふふふ!」

男「あのー……」

女「うひゃあ!? だ、誰ッ!?」

男「あ、驚かせてすみません。そのワンちゃん、間違って僕のボール取ってきちゃったみたいなんで……」

女「え?」

男「多分、こっちがあなたのボールですよね?」

女「あ、ホントだ……すみません……///」

犬「ワンッ!」

女「ワンじゃない! あーもうこのおバカ!」

男「いやいや、ボールに興味示してくれるだけいいじゃないですか。うちのなんて僕置いて先に帰っちゃったし……」

女「この子ったら元気だけが取り柄で……。って先帰っちゃんですか!?」

男「ええ。まだ飼い始めたばかりだから信頼関係が出来上がってないんですよね……」

女「あ、私も先月飼い始めたばかりなんですよ? 初めてなもんだから分かんないことだらけで……」

男「僕もついさっきまで中央公園がペット禁止だって知らなくて、仕方なくこの河川敷に来たんですよ」

女「いいですよね、ここ! 石がゴロゴロしてるけど広くて。うちのアルフレッドも大好きなんですよ。ね?」

ア「ワン!」

男「アルフレッドくんっていうですか?」

女「はい。シェットランド・シープドッグの雄でして。もう見るから外国犬だから、それっぽい名前つけちゃえって思って」

男「いいですね。うちのは英名嫌がって京子に落ち着きました」

女「あはは、犬が名前を嫌がるとか! でも京子ちゃんって可愛くていいですね!」

男「これは結構気に入ってくれたんですよ」

女「へぇ。あ、自己紹介がまだでしたね。私女って言います」

男「男です。本当は京子も紹介したいんですが……」

京「///」

男「あれ、お前帰ったんじゃなかったのか?」

女「うわー可愛い! 日本犬もいいですねぇ///」

男「でしょ?」

ア「ワンッ!」

京「くうん……///」

女「私たち、朝の6時にも散歩でここに来てるんですよ。朝日に輝く川を見ながら歩くのも気持ちいいですよー? ご一緒にどうです?」

男「そうなんですかー。あー、でも残念ながら京子の奴、河川敷なんか不毛地帯だから」

京「大好きらしいんですよね。明日も来ます」

男「!?」

女「アル、よかったねー! 気が合うお友達が出来たよ!」

ア「ワンッ!」

京「……///」モジモジ

男「……」


***

男「ただいまー……ってうわ! もうこんな時間か」ガチャ

京「……///」ポケーッ

男「あー疲れた……。なあ、京ちゃん?」

京「……///」ポケーッ

男「……」

京「……///」ポケーッ

男「……アルフレッド」ボソッ

京「!?」ガバッ

男「……」ニヤニヤ

京「……何やの?」

男「別にー?」ニヤニヤ

京「ならその気色悪い顔やめてや。吐きそうじゃけん」

男「りょうかーい」ニヤニヤ

京「……///」ポケーッ

男「……」

京「……///」ポケーッ

男「なぁ京ちゃん……」

京「……///」ポケーッ

男「……あのワンちゃんが気にいったんだろ?」

京「ハァ!? ///」ガバッ

男「だってそうだろ? 『くうん……///』とか言っちゃって。俺、お前がそんな風に鳴くの聞いたこと無いぞ」

京「何言うとるんか意味分からんわ! 別にあんな雄、どこにだっておるけんね! ///」

男「何が『大好きらしいんですよね。明日も来ます』だよ。完全にアルフレッドねらいじゃねーか、このスケベ」

京「違わい! ちょっと川で犬かきしたなっただけじゃボケ! ///」

男「照れちゃってまあ!」ニヤニヤ

京「おんどれ! 舐めんなこの糞童貞! ///」ガブッ!

男「ぎええ! そこは噛むな! 死ぬ死ぬ!」バタバタ

京「ええか……? うちはアルフレッドくんのことなんか何とも思うとりゃせんのじゃ……」パッ ハァッハァッ

男「わ、分かった……悪かった……。俺の負けだ……」ウグウウウ シクシク

京「もううちに逆らうんじゃないぞ……? で、それはそれとして相談があるんじゃが……」ハァッハァッ

男「な、何……?」

京「……///」

男「……なんだよ」

京「……名前変えたい///」

男「……は?」

京「ソフィアとかエリザベートみたいな名前にしたい……///」

男「それはもう京ちゃんで馴染んでるじゃん。和名にしろってうるさかったし。今更何で……」

京「い、いや……今日みたいに国際交流をしてみるとのぅ……何ていうかその……外国でも通用する名前の方がええのか思うて……///」

男「……」ジトー

京「べ、別にアルフレッドくんとお揃いな感じがええ言うとるんやないぞ!? 何じゃその目は! 噛まれたいんか! ///」

男「……」

京「……で、ダメじゃろうか? ///」

男「ダメだ」

京「何でなん!?」

男「せっかくつけてやった名前なんだからもっと大切にしろ」

京「うぅ……」

男「それに首輪にもKYOKOって書いちまったからな」

京「……」

男「……そんなことよりお前、本当に犬は皆喋るんだろうな?」

京「ん? 現にこうして喋っとるじゃろうが?」

男「いや、今日会った女さんの反応を見る限り、アルフレッドは喋らないみたいじゃないか」

京「まぁなんか事情があるんかもしれんが、とにかくアルフレッドくんも喋れるはずじゃ。……早よお話がしてみたい///」

男「へぇ?」ニヤニヤ

京「ち、違うけんなっ!? 純粋に他者とのコミュニケーションを楽しみたいだけじゃ馬鹿たれっ! ///」

男「何も言ってねーだろ? ……案外方言がきつかったりしてな」プププ

京「いーや、きっと高貴な言葉遣いやね」

男「ま、どーでもいーや。風呂入って寝よ」


***

京「男ちゃん、起きて! もう5:45じゃけん!」ユサユサ

男「……うーん」

京「河川敷に行く約束しとるんじゃろが!」

男「あー……そうだった……」ムクリ

京「先に玄関出とるけん、顔洗って早よ来るんよ?」パタパタ

男「あいよー……」ボー

京「♪」パタパタパタパタ

京「♪」ガシガシガシガシッ

京「♪」パタパタパタパタ


10分後


京「……男ちゃん?」

男「すぴい」zzz

京「おどれっ!」ガブッ

男「ぎいああああああ!? 尻がっ!」


***

男「すみませーん」ハァハァ

女「あ、やっと来ましたね! 5分遅刻ですよ♪」

男「遅刻の言いわけ考えてたら遅くなりました」ハァハァ

女「言いわけ考えてる時点で遅刻じゃないですか」アハハッ

男「わあ、ホントに綺麗な景色ですね」

女「そうでしょ? アルが家に来るまではこんなの気づかなかったんですよ」

京「キャンッ! ///」パタパタ

ア「ワンッ!」

男「週末に早起きするなんて、アニメを楽しみにしていた子どもの頃依頼ですよ」ハハハッ

女「あ、そういえば男さん、京子ちゃんがボールに関心を示さないって言ってましたよね?」

男「あー、それは最初この場所が気に入らなかったからみたいで……。今は何故か大好きらしいですが」ニヤニヤ

京「……///」ギロリ

女「そうでしたか。一応こんなのも持ってきたのですが」スッ

男「フリスビーですか?」

女「結構面白いんですよ。アルフレッド!」ヒョイヒョイ

ア「ワンワンワンッ!」バタバタバタ

女「それっ!」ビュンッ

ア「!」ダダダダッ ピョーン パシッ!

京「……!! ///」

男「すごっ! 犬ってこんなに跳べるんですね!」

女「最初はフリスビーに興味を示してくれなかったので大変でしたけどね。フリスビーに餌を入れたりして興味を持たせるんです」

男「へぇ~」

女「これ、ディスクドッグっていうスポーツで大会もあるんですよ。私はまだ出たこと無いんですが」

男「より遠くでキャッチすればいいんですか?」

女「それは部門によりけりですね。フリーフライトって言う、フィギュアスケートみたいなものもありますよ。音楽に合わせて人と犬が演技をするんです」

男「京子にもできるかなぁ?」

女「試しに投げてみたらどうですか? はい」

男「いいんですか? よしいくぞ京子っ!」コンコン

京「ワンワンッ!」

男「それっ!」ビューン ポチョンッ 

京「……」

女「……流れてっちゃいましたね」

男「……弁償します」シュン

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