提督「いやー鎮守府に帰るの久しぶりだなー」電「その2なのです」 (403)

取り敢えず次スレだけ作 っておきます

これは

提督「いやー鎮守府に帰るの久しぶりだなー」
提督「いやー鎮守府に帰るの久しぶりだなー」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1455070512/)

の続きになります


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1460727213

あらすじ

久しぶりに鎮守府に帰ったら鎮守府
がボロボロになっていてついでに艦娘が初期艦以外全員いなくなっていた。
艦娘全員を取り戻し再び昔の鎮守府に戻す為に提督は奮闘する。


何も書かないのもあれなので少しだけ書いておきます


提督「さて、やっと鎮守府に着いたな」

電「ただいまなのです」

川内「ただいまー」

大井「なんだか久しぶりな感じね」

蒼龍「最近色々あったからねー」

提督「ん?なんか燃えてないか?」

電「焦げ臭いのです」

大井「確かに言われてみれば……ん?」

西提督「おい北上!早くお前もバケツに水を汲んで消火を手伝ってくれ!」

北上「いやーこれはもう無理でしょー。完全に燃えちゃってるし」

西提督「何言ってるんだ!僕たちはここを任されてるんだよ!うっかり燃やしてしまいましたじゃ話にならないよ!」

提督「……」

大井「鎮守府が……」

電「燃えているのです……」

川内「でっかいキャンプファイヤーだねー」

蒼龍「あちゃー」


北上「いやー流石にでっかい魚を無理矢理焼こうとしたのは無理があったみたいだねー」

西提督「君だってノリノリだったじゃないか!そんなことより早く消火するんだ!火を消しさえすればここのボロさでごまかせ……」

提督「よう」

西提督「あ」

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提督「それで、でかい魚を焼こうとしたら燃え移っちゃったと」

西提督「ごめんなさい」ドゲザ

北上「ごめんねー」ドゲザ

電「死んで詫びるのです」ジャキ

蒼龍「落ち着いて電ちゃん!」


提督「まあ落ち着け電、焼けたのはあくまで俺が作った仮の鎮守府だろ?」

提督「丁度人数も増えたしそろそろあの廃墟を建て直そうと思ってたところだ」

西提督「それならよかっ……」

提督「資材は全部西提督持ちでな」

西提督「え?」

提督「ん?」

西提督「それは……その……」

提督「電」

電「はいなのです」ジャキ

西提督「ひぃ!喜んで資材を提供させて頂きます!」

提督「はっはっは、ありがとうな」

大井「卑怯すぎるわ……」

川内「でも自業自得だねー」


西提督「しょうがない」プルル

山城『あ、提督。久しぶりね』

西提督「久しぶりだね山城、そっちはどう?」

山城『ええ、色々あったけど大丈夫よ。資材もかなり増えたわ』

西提督「そうか、ありがとうね山城」

山城『私だってやればできるのよ』フンス

西提督「じゃあ早速だけどその資材全部こっちに持ってきてくれないか?」

山城『え?いいけど何に使うのよ?』

西提督「それは後で話すから。よろしく頼むよ、じゃ」ブツッ


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山城「不幸だわ……」ズーン

西提督「ごめんな山城」

山城「折角苦労して集めた資材をこんな男の為に使うことになるなんて……」

提督「サンキュー山城」ニコッ

山城「むきぃー!あんたのせいでどれだけ苦労したと思ってるのよ!」

山城「もういいわ、これで役目も終わったし私は帰……」

西提督「あ、人手不足だから君にも手伝ってもらいたいんだ」

山城「え?」

西提督「まあこの中で一番力があるのは君だけだしね」


山城「でもその間私たちの鎮守府はどうするのよ」

西提督「さっき北上が「私に任せてよ!」って言ってダッシュで帰ったよ」

山城「いやあああああああああ」ゴロゴロ

提督「(こいつ、不幸だ)」

電「(不幸なのです)」

大井「(なんかもう可哀想ね)」

提督「まあなんにせよ鎮守府建て直し頑張るか!」

電「おー!なのです!」

ここまで。充電期間はいりまーす

山城は不幸可愛い

しばらくおまたせして申し訳ありません。もう少しかかりそうです、今週中には更新したいと思います


提督「おーい電、板取ってくれー」カンカン

電「はいなのです」

提督「いや、その黒焦げの板じゃなくてだな……」

山城「なんで私がこんなことしなきゃなんないのよ……」カンカン

西提督「まあまあ、これも訓練だと思って」


電「さあ使うのです!」

提督「落ち着け電、お前の感覚は少しずれている!普通はこんな板使えないんだよ!」

電「そんなことはないのです。電はよくこの板の上で寝てました!」

大井「どんな生活させてたのよ!」ドゴォ

提督「ごめんなさい!」ゴフッ


大井「兎に角この板は没収よ。他にもいい板があるからそれを優先して使うのよ」

電「わかったのです」

提督「そうだぞ電、こんな板なんてポイしてしまえ!」ブンッ

山城「それもこれも全部あいつの……ごふっ!」ドゴォ

西提督「大丈夫か山城!」

提督「……」

電「……」

大井「……」


提督「いいか、無暗に物を捨てるとこんな風に誰かにぶつかるかもしれないから気を付けるんだぞ」

電「はいなのです」

提督「じゃあ俺は急用を思い出したので一旦失礼す……」

山城「……ちょっと待ちなさいよ」ゴゴゴゴゴ

提督「さらばだっ!」ダッ

山城「待ちなさい!元はといえばあんたと会ってから私の不幸は加速したのよ!責任取りなさい!」

提督「知るかああああああああ!」ダダダダダ

山城「待てええええええええ!」ドンドンドン

大井「物をこれ以上壊すんじゃないわよおおおおお!」ダダダダ

ドカーン ドゴーン ウワアアアアア


蒼龍「作業が……終わらない……」

川内「……」カンカン

蒼龍「あれ、川内ちゃんはやけに熱心に何かを作ってるけど何作ってるの?」

川内「私と提督用のダブルベッド」カンカン

川内「できたら一緒に寝るんだー」カンカン

蒼龍「それっていいのかな……?」

蒼龍「だったら私も烈風模型つくっちゃおー」カンカン

暁「レディは……一人でも頑張るんだから……」カンカン

西提督「地獄絵図だ……」


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――――
――


電「では電は司令室の整理をしてくるのです」

提督「頼んだ。必要な物とか段ボールにいれて運んでおいてくれ」

電「はいなのです」

提督「倉庫がないから装備も置いてあるから気をつけてな」

電「了解なのです」

西提督「……」


-司令室-



扉『』バキッ

電「相変わらずドアノブがボロボロなのです」

電「……」キョロキョロ

電「……」ガサゴソ

電「……無いのです」ボソッ

西提督「何を探してるんだい?」

電「!」


電「ど、どうしたのですか西提督さん」

西提督「いや、一人じゃ大変だろうから手伝おうと思ってね」

電「い、電は大丈夫なのです。お気遣いはいらないのです」

西提督「まあそう言わないで。それより何を探してるんだい?」

電「何のことですか?電はただここの整理を……」

西提督「もしかして君が探してるのは報告書の段ボールのことかい?」

電「!」


西提督「やっぱりそうなんだ」

電「どこにやったのですか?」

西提督「大丈夫、全部別の部屋に置いてあるよ。ただ中身を少し見させてもらったけどね」

電「……」

西提督「最初に見た時はただの日記にしか見えなかったよ。今日もいい天気なのですとか今日は廃材を拾ってきたのですとか」

西提督「本当に他愛もないことしか書かれてなかったし」

電「そ、そうなのです。それが電の報告書の書き方なのです」

西提督「でも一つだけおかしなことに気がついたんだ」

電「……」ドクン

西提督「その報告書……書き始めた日付がおかしいんだよ」

電「!」


西提督「君の提督が居なくなってからあまりにも時間が経ち過ぎてる」

電「……」ギリッ

西提督「提督が居なくなってそれどころではなかったとも思ったけどそれでも空白期間が長すぎる」

西提督「そこだけがどうも引っかかってね」

電「それは……前のものは失くしてしまって……」

西提督「いや、それは無いと思う。だってその日から欠かさず毎日書いているしこの部屋の物も綺麗に整頓されている」

西提督「そんな几帳面な子が丸ごと失くしたなんて思えない」

電「……」

西提督「これは僕の勝手な推測だけど……本当は君は……暫くこの鎮守府には居なかったんじゃないかい?」

電「!」


西提督「この鎮守府さ、あまりにもボロボロなんだ」

西提督「君が全てを管理しきれなかったとしても大事な場所位は元の状態を維持できると思うんだ」

西提督「例えばこの司令室とかね」

電「……」

西提督「君は居なかったからここはこんなにボロボロになっていると思うんだ」

電「……西提督さんは一体何が言いたいのですか?」

西提督「単純な疑問だよ。僕の推測が正しいとしたら……君は空白の期間何をしていたんだい?」

電「……」

西提督「言ったら何かまずいことでもあるのかい?」

電「……それは……」


扉『』バキッ

提督「おい電どうした?遅いぞー」

電「司令官さん……」

西提督「……」

提督「まったく、二人でここでサボってやがったな?大井には内緒にしといてやるからさっさと作業に戻れ」

提督「ほら電、この段ボールを外へ持ってってくれ」スッ

電「は、はい」

提督「ほらダッシュ!」

電「はいなのです!」ダッ

西提督「……」


提督「……なあ西提督さん」

西提督「なんでしょう?」

提督「あんまりうちの秘書艦を虐めないでほしいんだが」

西提督「虐めてなんていませんよ。ただ質問しただけです」

提督「あんた、もしかして電を疑ってるのか?」

西提督「ただ気になっただけですよ。僕の推測が正しければなんで嘘を吐いたのか」


西提督「なら正直に言ってもよかったじゃないですか。言わなかったという事は何かあるんじゃないですか?」

西提督「提督さんも薄々気づいてるはずです。電さんが何かを隠しているんじゃないかということを」

提督「……人間隠したいことの一つや二つあるだろうよ」

西提督「最近深海棲艦が勢力を拡大してきています。もしかしたらそれについて何か知っているのかもしれない」


提督「それはお前の勝手な予想だろ?それに何か隠していたとしても俺は電が話す時まで待つさ」

西提督「貴方は甘すぎる。大事になってからじゃ済まないんですよ」

提督「そうなったらそれも含めて俺が全ての責任を負うさ」

提督「年頃の乙女の嘘は笑って許してやるのが男ってもんだよ」

西提督「貴方という人は……」ハァ

提督「兎に角、これ以上余計な詮索をしないでくれ」

西提督「……わかりました。もうやめます」

提督「ああ、それでいい」


西提督「ただ私だって好き好んで電さんを疑っている訳じゃないんですよ」

提督「わかってるさ」

西提督「では私はそろそろ作業に戻ります。くれぐれも気をつけてくださいね」

提督「ああ」

西提督「では」バタン

提督「……」

ここまで。夕飯をオムライスにするかハンバーグにするかで会議していて進まない工事


更新がかなり遅れて本当に申し訳ない。これからまた約一週間毎に更新していきます。見てる方がいるかわかりませんが気長にお付き合い下さい




提督「ふぅ、やっと工事が終わったなー」

電「疲れたのです」

暁「とっても綺麗になったわ」

川内「私達が住む鎮守府はやっぱりこうでなくちゃね」

蒼龍「飛龍や赤城さん達にも見せてあげたかったなぁ」

大井「まあでも建て直せたのは司令室のある建物と食堂だけですけどね」

提督「まあな、人数が人数だし」

電「電はそれだけでも十分嬉しいのです」


提督「西提督と山城もここまで手伝ってくれてありがとうな」

山城「べ、別にあんたの為とかじゃなくてうちの提督に言われたから仕方なくやっただけだし」

西提督「山城は素直じゃないなぁ」

山城「うるさいっ!」

提督「さ、今日は食堂でパーティーでもするか!」

電「ちょっと待ってほしいのです!」


提督「ん?どうした電?」

電「その前に寄りたいところがあるのです!」

提督「寄りたいところ?」

大井「そうね」

暁「ええ」

川内「まずはそこに行かなきゃねー」

蒼龍「うんうん」

提督「どうしたんだお前等?」

暁「相変わらず鈍いわねぇ」

大井「いいから来なさい!」

提督「あ、おいそんなに急ぐなって!」

蒼龍「レッツゴー!」

川内「おー!」

電「なのです!」

山城「どこ行くのかしら?」

西提督「うーん、僕達はここで待ってようか」

山城「ええ。別にいいけど」



-司令室-


扉『』ガチャ

大井「さ、着いたわ」

提督「寄りたかった所って司令室のことか?それなら何度も来たじゃないか」

川内「わかってないなぁ」

暁「そこはまだでしょ?」

提督「そこって……」クルッ

提督「あ……」


提督「(あれは……俺の机……)」

電「机と椅子は替えないでおいたのです」

大井「念願の俺の机だーって喜んでたものね」

川内「例えボロボロでも提督にはこの机で仕事をしてもらいたいんだ」

蒼龍「皆で話し合って決めたんだよ」

提督「お前等……」

提督「(懐かしいな、初めて家具コインで買った家具だったっけ……)」

提督「(大して高い物じゃないけど買った時は嬉しくてしょうがなかったなぁ……)」


大井「何ぼーっとしてんのよ」

提督「あ、ああ。すまん」

大井「皆待ってるのよ。早く座りなさいな」

提督「……本当に俺が座っていいのか?」

提督「だって俺は一度居なくなってお前達に凄い迷惑をかけた……」

提督「そんな俺がここに座ってもいいのか……?」

川内「提督……」

大井「……」

暁「司令官……」

蒼龍「提督……」

提督「今の俺にその椅子に座る資格なんて無いんじゃ……」

電「あるのです」


提督「電……」

電「その椅子は司令官さんが居なくなったあの日から誰も座ることはありませんでした」

電「秘書艦の電も、司令官さんの代わりをしていた金剛さんですらずっとそこには座らずにいました」

電「だってそこは司令官さんだけの席ですから……」

提督「!」

電「電達は皆、もう一度司令官さんがその席に座る日を夢見ていたのです」


提督「そうだったのか……」

電「あの席もきっと司令官さんの帰りを待っているのです」

提督「……」

大井「貴方がこれからも私達と一緒に居たいと思うならそこに座りなさい」

大井「そこに座って昔みたいに私達に指令を出しなさい」

提督「……わかった」


提督「……」スタスタ

提督「(随分……ボロボロになったな……あれから一体どれくらい経ったんだろうか……)」

提督「(思えば俺は無意識に逃げていたのかもしれない……仮の鎮守府を作ったのも……この部屋を、ボロボロのこの机を見て自分の犯した過ちを直視するのが嫌だったからなのかもしれない)」

提督「(でももう逃げない……もう目を逸らさない……始めるんだ……ここから……)」


提督「皆、俺は一度お前達を放置して居なくなった屑だ!」

提督「この行いは提督として許されることではないだろう!」

提督「しかし、俺はもう一度お前達と共に歩みたい、進んでいきたい!」

提督「だから頼む!どうかこの俺にもう一度ついてきてくれ!」バッ

電「……」

大井「……」

暁「……」

蒼龍「……」

川内「……」

提督「……」


提督「(やはりそう簡単には許してくれないか……)」

電「頭をお上げください、司令官さん」

提督「え?」

電「皆さん、整列!」

大井暁蒼龍川内「「「「はっ!」」」」ザッ

電「敬礼!」バッ

大井「」バッ

暁「」バッ

蒼龍「」バッ

川内「」バッ


電「私達艦娘は、生まれた時から司令官さんに忠誠を誓う存在です!」

電「司令官さんが居なくなってからその忠誠心を失いかけていた私達をお許しください!」

電「そして今改めて誓います!私達艦娘は司令官さんの矛となり、盾となり深海棲艦と戦うことを!」

電「暁型駆逐艦四番艦、電!」

大井「球磨型重雷装巡洋艦四番艦、大井!」

暁「暁型駆逐艦一番艦、暁!」

蒼龍「蒼龍型正規空母一番艦、蒼龍!」

川内「川内型軽巡洋艦一番艦、川内!」


提督「お前等……」

提督「いいのか……こんな俺についてきて……」

電「当たり前なのです」

大井「長い付き合いですもの、一度のミスくらいは許してあげるわ」

暁「だからもう二度と暁達の前から居なくならないでよね」

蒼龍「約束だよ」

川内「夜戦もさせてね」

提督「ありがとう……だが夜戦は駄目だ……」グス

川内「けちー」


電「それともう一つ」

提督「ん?」

電「司令官さんがそこに座ったら言わなきゃいけないことがあるのです」

大井「ああ、あれね」

暁「なんだか恥ずかしいわ」

蒼龍「そうだね、言わなきゃね」

川内「よーし、張り切って言うぞー」

提督「なんだ?」

電「皆さん行きますよー、せーの」


電大井暁蒼龍川内「「「「「提督が鎮守府に着任しました!」」」」」



提督「……ははは」ポロポロ

提督「お前等……声が全然合ってねえよ……」ポロポロ

提督「でも懐かしいなぁ、その挨拶……」ポロポロ

電「お帰りなのです、司令官さん」

提督「ただいま……」ポロポロ

大井「もう締まらないわね、涙と鼻水でぐしょぐしょじゃない」

暁「しょうがないわねぇ」

蒼龍「やっと言えたね」

川内「ここから始まりだよ」

提督「よーし外の二人を呼んで来い!今夜は宴だ!騒ぐぞー!」

電大井暁蒼龍川内「「「「「おー!」」」」」」



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提督「よし、準備もできたしそろそろ出発するか」

電「はいなのです」

大井「ここは私達が守っておくから安心して行ってきなさい」

暁「寄り道しちゃだめよ?」

蒼龍「お土産よろしくねー」

川内「帰ったら夜戦させてねー」

提督「ああ。よし、行くぞ電!次は南鎮守府だ!」ダッ

電「はいなのです!」ダッ


西提督「よし、僕達もそろそろ帰ろうか」

山城「そうね」

プルルルルルル

西提督「もしもし?」

北上『提督、大変だよ!』

西提督「どうしたんだい?」

北上『南鎮守府が深海棲艦に襲撃されてるって!だから今すぐ応援を頼むって!』

大井「!」

暁「!」

川内「!」

蒼龍「!」

西提督「なんだって!?南鎮守府は提督が今向かった所なんだよ!」


北上『それだけじゃないんだよ!深海棲艦側に艦娘がいるらしいの!』

西提督「!?」

北上『兎に角すぐ帰ってきて!』

西提督「わかった!」ブツッ

西提督「行くぞ山城!」ダッ

山城「わかったわ!」ダッ

暁「え、私達も司令官の所に行った方が……」オロオロ

大井「いえ、南鎮守府が襲撃された以上ここや他の鎮守府も襲撃される可能性があるわ。だから私達はここに残らなきゃ」

暁「じゃあ司令官はどうするのよ!?」

川内「大丈夫。提督には電ちゃんが居るから」

蒼龍「信じて待とうよ」

暁「うう……」

大井「そうよ、今私達ができることは待つことだけよ」

暁「司令官……無事でいてよね……」

ここまで。

このssはそんなに長くは続けないつもりです


提督「そろそろ南鎮守府だなー」

電「なのです」

提督「まだまだ先は長そうだ」

電「でも司令官さんと一緒なら電はどこまでもついていくのです」

提督「電はいい子だなぁ」


電「……司令官さん」

提督「ん?なんだ?」

電「司令官さんにとって電達はどんな存在ですか?」

提督「急にどうしたんだ?」

電「時々物凄く不安になるんです。電達は司令官さんの何なんだろうって」

提督「電……」


電「私達はただの兵器なんじゃないかって。道具なんじゃないかってとっても不安になるんです……」

提督「……いいか電、お前達は俺にとって……」


ドゴォン


提督「!」

電「!」


提督「なんだ今の爆発音は!?」

電「見てください、南鎮守府の方から煙が出ているのです」

提督「一体どうなってるんだ!なんだか知らんがとりあえず急ぐぞ電!」ダッ

電「はいなのです!」ダッ



-南鎮守府-


提督「嘘だろ……」

電「南鎮守府が……火の海なのです……」

提督「ここの艦娘達はどうしたんだよ!」

電「恐らく交戦中なのです。もっと奥の方から音が聞こえるのです」


ブロロロロロ


電「あの艦載機は……!」

電「司令官さんはここで待っててください!」ダッ

提督「待て電、どこへ行くんだ!」

提督「行っちまった……」


提督「しかしどうするかな、電がどこかに行ってしまった以上この戦火の中を一人で進むのはどうもな……」


ドゴォン


提督「!」

提督「あっちの方で大きな爆発音が……あっちは電が向かった方向……」

提督「まさか電の身に何かあったのか?」

提督「くそっ、行くっきゃないか!」ダッ


提督「」ハァハァ

提督「確か音はこの辺から……」

日向「くっ!」

提督「おい、大丈夫か!」

日向「君は……?」

提督「偶然ここにきたただの提督だ!」

日向「そうか……それより……早くここから……逃げ……」ガクッ


提督「おい!しっかりしろ!」


「戦艦といっても大したことないのね」


提督「え?」

それは、懐かしい声だった。静かで、凛としていて、重みのある声……


ツカツカ


一歩一歩リズムよく歩く足音は昔から変わらない、聞くだけで気持ちが引き締まる足音……


ツカツカ


俺がゆっくりと後ろを振り向くと、そこには昔のような険しいけどどこか暖かみのある顔ではなくて、まるで深海のように暗く冷たい顔をした彼女が居た……






提督「……加……賀……?」






加賀「…………提…………督…………?」







提督「どうしたんだ加賀……そんな怖い顔して……」

加賀「本当に……提督なんですか……?」

提督「あ、ああ。最近帰ってきたんだ」

加賀「……」プルプル

提督「た、沢山言いたいことがあるのはわかるが今は緊急事態だから取りあえず俺達と一緒に……」

加賀「……なんで」ボソッ

提督「ん?」

加賀「なんで……今更戻ってきたんですか……!」ポロポロ

提督「え?」


加賀「提督、そこをどいてください」キッ

提督「どいて……どうするんだ?」

加賀「そこの戦艦の息の根を止めるだけです」

提督「はは、いつからそんなブラックジョークを言うようになったんだ?加賀にはそんなの似合わな……」

加賀「冗談ではありません、本気です」

提督「どうしたんだ加賀、お前おかしいぞ」

加賀「……」ギリッ


加賀「もし嫌だと言うのなら提督ごと……」チャキ

電「待つのです!」ザッ

加賀「!」

提督「電!無事だったのか!」

電「やっぱり……来ていたのですね……」

加賀「……久しぶりね」

提督「……」

電「お願いします、司令官さんに手を出さないでください」

加賀「嫌よ」

電「もしどうしても無理だというのなら……」チャキ

提督「やめろ二人とも!」


加賀「私と戦う気?あの時嫌というほど力の差を教えてあげたはずだけれど……」

電「それでも……電は……司令官さんを守るのです……」ブルブル

電「たとえ……この身が朽ち果てても……」ブルブル


「よく言った、小さな秘書艦娘さん」


加賀「……誰かしら?」
ギロッ

西提督「ちょっと西の方で提督をやってる者だよ」

北上「やっほー」

提督「西提督……」


西提督「僕と北上だけは急いできたんだけど間に合って良かった」

北上「北上様が来たからにはもう大丈夫だよー」

西提督「もう少しで僕の他の艦娘達も到着するだろう。どうする敵さん?」

提督「敵……?」

加賀「そうね、そろそろ引き際かしら」

加賀「でもその気になれば援軍が来る前にここの全員を始末すること位はできるわ……」チャキ


西提督「嘘でしょ?」

北上「いや、実は本当なんだよねー。私と電ちゃんが束になってかかっても多分勝てないと思う」

北上「それに提督狙われたらどうしようもないし、ここが地上だということをふまえても分が悪いかな」

加賀「そういうことよ」

提督「加賀、お前はこの鎮守府を守ってるんじゃないのか!?」

加賀「……いいえ、違うわ」

西提督「この鎮守府を襲ってるのは……彼女達と深海棲艦なんですよ……」

提督「!」


提督「……なんで……」

加賀「これ以上話に付き合う気はないわ」チャキ

電「戦うつもりなのですか?」

加賀「できなくはないけど私もただでは済まなさそうね……」

加賀「いいわ、ここは退いてあげる」
スッ

加賀「その代わりに電、私達と一緒に来なさい」

提督「!」

電「!」


加賀「今私達は戦力がほしいの。それで手を引いてあげるわ」

北上「そんな要求飲むわけ……」

電「わかったのです」

提督「電!」

加賀「……賢い選択ね」

提督「何を言ってるんだ電!」

電「……」

加賀「何も問題ないわ。だってその子は元々私達と一緒だったんですもの」

提督「!」

北上「!」

西提督「!」


提督「電……どういうことだ……?」

電「……」

加賀「早く来なさい」

電「……」テクテク

提督「おい!行くな電!」

電「……西提督さん、司令官さんを頼みますね」

西提督「……わかったよ」

提督「行くな電!なんで何も聞いてないぞ!全部説明しろよ!」ダッ

西提督「北上っ!」

北上「うん」ガシッ

提督「離せ北上!ふざけんな!」

西提督「絶対に離すなよ」

北上「……うん」


電「ごめんなさい……司令官さん……」

提督「ふざけんな!俺と一緒に居たいって言ったじゃねーか!艦娘全員取り戻すって言ったじゃねーか!」

電「ごめんなさい……電は……嘘つきなのです……」

電「どうか……電達の事は忘れてください……」ポロポロ

加賀「さ、行きましょう」スッ

電「さようなら……司令官さん……」スッ

提督「電!電ぁ!」

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ここまで。厳しく接したら駆逐艦に泣かれそうになってあたふたする東提督とそれをニコニコしながら見る鳳翔さん

すみません、少し忙しいので更新遅れます


-深海アジト-

加賀「ただいま戻ったわ」

榛名「あら、遅かったですね」

加賀「ええ、色々あって」

榛名「流石の貴女も苦戦していたのですか?」

加賀「そんなことはないわ。ただ新しい戦力を手に入れるのに時間がかかっただけよ」

榛名「新しい戦力?」


加賀「ええ、電がまた私達の戦力になったわ」

榛名「ああ、あの子突然居なくなるものですからどこにいったのかと思っていましたが戻ってきましたか。どういう風の吹き回しでしょうか」

加賀「さあ」

榛名「まあいいです。兎に角今は戦力がほしいのでこの際理由なんてどうでもいいでしょう」

加賀「そうね」

榛名「それで電さんは?」

加賀「貴女とは会いたくないそうよ」

榛名「随分と嫌われたものですね。まあいいでしょう、彼女の事は貴女に任せますね」

加賀「ええ、任せてちょうだい」





電「……」

扉『』コンコン

加賀「入るわよ」ガチャ

電「なんですか?」

加賀「調子はどう?」

電「別に普通なのです」

加賀「そう。これから貴女の行動は私が制限するわ、だから基本はこの部屋から出させないわ」

電「……はい」

加賀「そして近々私達は大本営を襲撃します」

電「!」


加賀「その時には貴方にも出撃してもらうわ」

電「加賀さん、なんでそんなことをするのですか!」

加賀「……復讐の為よ」

電「復讐をして、この世界を壊して、その先に何があるんですか!」

加賀「……さあ」

電「それに司令官さんだって帰ってきたじゃないですか!もう復讐する理由なんてないじゃないですか!」

加賀「……」

電「司令官さんだってこんな事望んでなんか……」

加賀「黙りなさい」


電「……」

加賀「あの人が戻ってきたところで私達の怒りは収まらないわ」

電「……そんなの嘘なのです」

加賀「……」

電「加賀さんだって本当は司令官さんが戻ってきて嬉しかったはずなのです」

加賀「……」

電「司令官さんと会って、もう復讐の理由なんて無くなったはずなのです」

加賀「……」


電「復讐って誰への復讐ですか?司令官さんへの復讐なら司令官さんに直接すればいいじゃないですか」

加賀「……」

電「今の加賀さんはただ必死で復讐の為と自分に言い聞かせているようにしか見えないのです……」

加賀「……」ギリッ

加賀「貴女が何と言おうとも作戦は変わらないわ。作戦の時になったら働いてもらうから」

電「……」

加賀「もし逆らうのであれば提督の鎮守府を深海棲艦に襲わせる事もできるのよ」

電「!」


加賀「わかったら黙っていう事を聞きなさい」

電「……はいなのです」

加賀「じゃあ私は行くわ」

電「待ってください、一度でいいから榛名さんと会わせてください!」

加賀「それは駄目」

電「なんでですか!お願いします!」

加賀「駄目と言ったら駄目よ。さよなら」バタン

電「加賀さん!」




加賀「……」

加賀「あの子に会わせる訳にはいかないの……」

加賀「提督が居るとわかったら……あの娘の決意が……揺らいでしまうから……」





ザザァン


榛名「……」

戦艦水鬼「マタ空ヲ見テイルノカ?」

榛名「何をしようと私の勝手じゃないですか」

戦艦水鬼「ソレモソウカ」

榛名「今考えていたんです、もし今提督が榛名の前に現れたら榛名になんて言うんでしょうかって」

榛名「馬鹿野郎と怒るのでしょうか?何をやっているんだって罵るのでしょうか?」

戦艦水鬼「考エテモ仕方ナイダロウニ」

榛名「……それもそうですね」


戦艦水鬼「ソウダ、ダッテオ前ノ提督ハ……」

戦艦水鬼「オ前タチヲ捨テテ逃ゲタンダ」

榛名「……」

戦艦水鬼「アイツニトッテオ前ナンテイラナイ娘ナンダ」

榛名「……」

戦艦水鬼「オ前ガドレダケアイツヲ慕ッテモ……ソノ想イハ届カナイノヨ」

榛名「五月蠅い!」

榛名「そんな事言われなくてもわかってます!」

榛名「今は最終戦の前で少し変なことを考えていただけです、私の怒りは消えてませんよ!」

戦艦水鬼「ソウ」
ニヤ

榛名「もういいです、私はこれで」スッ

戦艦水鬼「マタネ……」

戦艦水鬼「フフフ……本当ニ扱イ易イ娘」

戦艦水鬼「ソノママ身モ心モボロボロニナルマデ頑張ッテチョウダイ……フフフ……」

ここまで。

暫く遅筆だったので今日はもう一回やります。進みが遅くてすみません


-鎮守府-


大淀「結果から言うと南鎮守府は壊滅です」

提督「……そうか」

大淀「負傷した提督及び艦娘は暫く大本営で療養してもらうことになりました」

提督「……」

大淀「そして私が態々大本営から来た理由ですが……もうそちらもわかってますよね?」

提督「……加賀だな」


大淀「ええ。しかし加賀さんだけではなく榛名さんも深海棲艦を指揮する姿が目撃されました」

提督「!」

大淀「恐らくこの二人が敵部隊の中核ですね、他にもいる可能性もありますが」

大淀「そしてその二人は提督さん、貴方の艦娘ですよね?」

提督「……ああ」

大淀「やはりそうですか。処分は後々知らせます。それまで鎮守府から出ないでください」

提督「……なんであいつらは南鎮守府を襲ったんだ?」


大淀「……恐らく次に深海棲艦側は大本営を落としに来るでしょう」

大淀「そこで大本営が他の鎮守府から援軍を要請することができないように他の鎮守府を襲ったのかと」

提督「大本営に応援を寄越したらその間に自分の鎮守府がこうなるぞって脅しをかけたのか」

大淀「恐らくそうでしょう。深海棲艦側が大本営を襲いに来た場合大本営と深海棲艦の総力戦になりますね」

提督「……そうか」


大淀「そして、深海棲艦側についた貴方の艦娘ですが……大本営から撃沈許可が下りました」

提督「!」

提督「ちょっと待て!」

大淀「これは決定事項です」

提督「頼む!もう少し待ってくれ!せめてあいつらに会ってから……!」

大淀「駄目です。相手が本気で攻めてきている以上こちらもそれ相応の対応をしなくてはいけません」

提督「そこをなんとか!」

大淀「私に言ったところでどうにもできません。諦めてください」

提督「くっ!」

大淀「では私はこれで」スッ

提督「くそおおおおおおおおおおおお!」




川内「あれから提督の様子はどう?」

暁「んーん、ずっと司令室でぼーっとしてる」

蒼龍「帰ってきたと思ったら電ちゃんはいないし提督は抜け殻のようになっちゃってるしどうなってるのさ」

川内「急に大本営から大淀が来て何か話してたしね」

暁「大淀さんが居なくなってから数週間経っちゃったけど何を聞いても上の空だし本当に何があったのかしら……」

川内「あまりにも反応が薄いから大井もどっか行っちゃったしでもうなんか大変だね」

蒼龍「なんだか……またバラバラになっちゃったね……」




提督「」ボー

『司令官さんがいれば他に何もいらないのです』

提督「なあ電……結局……全部嘘だったのか……?」

提督「俺が帰ってきてから今日までの事も……全部嘘だったのか……?」

提督「そんなの……流石の俺も受け止めきれねえよ……」

提督「なんで……なんで一人で勝手に居なくなるんだよ……」

提督「ずっと一緒じゃなかったのかよ……」


ドゴォン

提督「!」

提督「なんだこの爆発音は!?」

川内「提督、敵襲だよ!」ガチャ

提督「なんだと!?深海棲艦かの反応はなかったはずだぞ!」

川内「違うの!撃ってるのは大井なんだよ!」

提督「はぁ!?」

川内「兎に角早くここから出て!鎮守府が壊れちゃう!」グイッ

提督「何やってんだあの野郎!」ダッ


-鎮守府外-


大井「……」ドンドン

暁「何やってるの大井さん!」

蒼龍「いきなり帰ってきてどうしたのさ!」

提督「おい、何やってんだ!」

暁「あ、司令官!大変なの!」

提督「おい大井、今すぐ砲撃を止めるんだ!」

大井「……」ドンドン

提督「大井!」

大井「……」ドンドン

提督「皆、早く大井を止めるんだ!じゃないと俺達の鎮守府が……!」


川内「提督、もう遅いよ」

提督「え?」

ズズズズズ

提督「あ……あ……大事な……鎮守府が……」

大井「どう?久しぶりに外に出た気分は?」

提督「どうじゃねーよ!何やってんだよお前!」ガッ

暁「司令官!」


大井「こうでもしなきゃあんた外に出てこなかったでしょ」

提督「だからってなんでこんな事すんだよ!この鎮守府はお前達との思い出が沢山詰まってんだぞ!それを……!」

大井「そんなもの要らないわよ」

提督「なんだと……!」

大井「大体何なのよ!秘書艦一人居なくなったからって抜け殻みたいになって!そんな屑だとは思わなかったわ!」

提督「お前に何がわか……」

大井「思い出なんてまた作ればいいじゃない!電が居なくなったなら探しにいけばいいじゃない!仲間が敵になったならまた取り戻せばいいじゃない!」

大井「少なくとも私の知ってる提督ならそう言うわ!」


提督「お前……なんでそれを……」

大井「なんで私達に何も言わないのよ……悩みがあるならなんで相談しないのよ……」ポロポロ

大井「私達とあんたの関係はその程度だったの?」ポロポロ

提督「大井……」

大井「それに今一番助けを求めてるのはあの子でしょ!」ポロポロ

提督「!」

大井「誰よりもあんたと一緒に居たがってたあの子が自分から居なくなろうとしてるのよ!」ポロポロ

大井「あんたの為に自分だけ犠牲になろうとしてるのよ!」ポロポロ

大井「あんたはあの子の優しさにただ甘えてるだけなの!?」ポロポロ


提督「……」

『どうか……電達の事は忘れてください……』

『さようなら……司令官さん……』

提督「」ブチッ

提督「うおおおおおおおおおおおおおお!」

提督「」ハァハァ

暁「しれー……かん?」

提督「俺は……今まで何をやってたんだろうな」

提督「そうさ、電も、加賀も榛名も皆助けに行けばいいんだ」

提督「俺の艦娘は誰一人として沈めさせるもんか」

大井「やっと戻ってきたみたいね」

提督「ごめんな、大井、暁、蒼龍、川内」

暁「もう、少しは暁を頼ってよね」プンスカ

川内「でも提督が元に戻ってくれたしいいかな」

蒼龍「うん、私も気にしてないよ」


提督「皆、俺の無茶を聞いてくれるか?」

大井「今更何言ってるのよ」

暁「司令官の無茶なんて今に始まったことでもないでしょ」

川内「うんうん」

蒼龍「だねー」

提督「大本営と深海棲艦の戦争に突っ込むぞ!目標は電の奪還と榛名と加賀の説得だ!」

大井暁川内蒼龍「「「「はい!」」」」


提督「じゃあこれから準備を整えて作戦を練ってから……」

大井「そんな余裕はないわ」

提督「え?」

大井「もう始まっちゃってるのよ、戦争」

提督「はあ!?」

提督「お前なんでそれを早く言わなかった!」

大井「私だってそれを知って急いで帰ってきたのよ!」

提督「じゃあどうすんだよ!」

大井「それを今から考えるんじゃない!」


川内「ぐだぐだだねー」アハハ

蒼龍「でもやっといつもの雰囲気に戻ってきたね」

暁「そういえば大井さん今までどこに行ってたの?それにそこにあるおっきな袋は何かしら」

大井「ちょっと西鎮守府に装備を取りに行ってただけよ」

暁「え?」ガサゴソ

暁「ええ!?貴重な装備が沢山あるわ!」

川内「しかも私達全員の分あるねー」

蒼龍「それにしてもよくくれたね西提督さん」

大井「西鎮守府で働いた分の正当な給料を貰ってきただけよ」


暁「じゃあ早く行きましょう!」

提督「待て、俺達全員が出撃してる内に鎮守府が襲われたりしたらどうするんだ」

大井「いいじゃない。もう失うものなんてないんだし」

提督「え?……あ」

大井「これで心置きなく出撃できるじゃない」ニコッ

提督「……まさかお前ここまで全部計算してたんじゃないだろうな?」

大井「さあ、どうかしらね?」

提督「やっぱりお前には敵わんよ」

大井「当たり前でしょ、私を誰だと思ってるのよ」


提督「じゃあ早速準備して……」

島風「やっほー!」ズザザザザ

提督「今度は何だ!」

大井「この子は確か北鎮守府の秘書艦だった……」

島風「島風だよ!」

暁「島風ちゃんがいるってことは……」

北提督「どうも」

提督「やっぱりか」


川内「何しに来たのさ」キッ

蒼龍「返答次第によってはただじゃおかないよ」キッ

北提督「そう睨まないでくれ。別に何かしようなんて思っちゃいないさ」

提督「じゃあ何しに来たんだ?」

北提督「島風と追いかけっこしてたらここに辿り着いただけだよ」

島風「島風は速いんだよ!」

大井「はあ!?」

暁「訳がわからないわ」


北提督「それより話はちょっとだけ聞こえましたよ。大本営が深海棲艦と戦争を始めたらしいですね」

大井「おかしいわね、全鎮守府に通達があったみたいだけど」

北提督「ああ、ずっとこいつに付き合ってて執務なんてやってなかったから」

島風「こいつじゃないもん!島風だもん!」


北提督「それよりいいんですか?急いでるんでしょう?」

提督「そうだった、急いで準備をしなくては」

大井「いいえ、予定変更よ。提督はこの子と一緒に今すぐ大本営に向かいなさい」

提督「!?」

北提督「!?」

島風「おうっ!?」

提督「何言ってんだ大井!?」

大井「事は一刻を争うのよ、使えるものはなんでも使うわ」


北提督「俺がそれを許すと思ってるのか?」

島風「島風はいいよ!」

北提督「……いいのか?」

島風「うん、困った時は助け合わなきゃ!」

北提督「好きにしろ」ハァ

島風「わかった!じゃあ提督さん、早く背中に乗って!」

提督「しかし大井……」

大井「いいから早く行きなさい。グズグズしてると何もかも終わっちゃうわよ」

大井「私達も後で追いつくから今は行きなさい」

提督「しかし……」

暁「行って、司令官。暁なら大丈夫、だってレディですもの」

川内「行ってよ提督」

蒼龍「うん、早く行って皆を助けて来てよ」

提督「わかった!絶対命だけは大切にするんだぞ!」

大井「それはこっちの台詞よ」

島風「じゃあ行ってくるね提督!」

北提督「……気をつけろよ」

島風「うん!」ニコッ

島風「島風、抜錨しまーす!」ザザァ

ここまで。大井に脅されて抜け殻になった西提督とどうすればいいかわからずオロオロする山城



-大本営近海-



ザザァン


金剛「……」

赤城「大丈夫ですか、金剛さん」

金剛「イエー、問題ナッシングデース」

赤城「私は……今日ほど出撃したくないと思った日はありません」

金剛「……それは皆一緒デス」

金剛「でも誰かがやらなくてはいけないんデス」

赤城「……苦しいですね」

金剛「……」


飛龍「敵艦隊、捕捉しました!」

金剛「解りまシタ。皆さん、戦闘準備をしてくだサイ!」

艦娘達「「「「「「おおおおおおおおおお!」」」」」」

金剛「(そう、誰かがやらなくてはいけないんデス)」

金剛「(敵が全力でくるならこちらも全力で相手をしなくてはならないんデス……沈めなければならないんデス……)」

金剛「(例え相手が同じ場所で過ごした仲間でも……)」

金剛「(例え……マイシスターでも……)」ギリッ


榛名「……」ザザァ

加賀「……」ザザァ

戦艦水鬼「……」ザザァ

駆逐棲姫「……」ザザァ

飛行場姫「……」ザザァ

電「……」ザザァ

榛名「……加賀さん、全部隊の準備はできていますか?」

加賀「ええ、いつでもいけるわ」

榛名「そうですか……」


榛名「……榛名は、この日をずっと待っていました。憎い憎いこの世界を終わらせる日を」

加賀「……」

榛名「あそこの奥の旗艦は金剛お姉さまでしょうか?なぜあんなに辛そうな顔をしているのでしょう?もっと喜べばいいのに……フフフ……」

加賀「相手も長くは待ってくれないみたいよ」

榛名「わかってます。そろそろ始めましょうか」






ザザァン





榛名「全軍、出撃!」

金剛「総員、抜錨!」




オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ








提督「おい、後どれくらいで着くんだ!」

島風「もうすぐだよ!だって島風速いもん!」ザザァ

提督「さっきからそればっかじゃねーか!もっと速く進めよ!」

島風「提督さんを降ろしたらもっと速く動けるよ!」

提督「それじゃあ意味ねーよ!」

島風「……さっきさ、追いかけっこしてたら鎮守府に着いちゃったって言ってたでしょ?」

提督「ああ」

島風「本当はさ、ちゃんと用事があって来たんだよ」

提督「用事?」


島風「うん、提督さんにありがとうって言いに来たの」

島風「島風は今とっても幸せだよって言いに来たの」

提督「はは、そんなもん言わなくてもわかるっつーの」

島風「なんでわかったの?」

提督「お前の顔を見ればわかる」

島風「そうかなー?えへへ」

提督「そういえばお前は自分の鎮守府を守んなくていいのか?」

島風「壊されたらその時考えるよ!」

提督「雑だなぁ」

島風「でもそっちみたく自分から壊したりはしないけどね!」

提督「それは言うな」

島風「じゃあもっとスピード上げるからしっかり掴まっててね!」

提督「おう!」

島風「いっくよー!」

提督「(頼む……間に合ってくれ……!)」



第一部隊

駆逐棲姫「……」ドンドン

電「……」

駆逐棲姫「オ前モ戦エ」

電「いえ、電は……」

駆逐棲姫「提督ガドウナッテモイイノカ?」

電「!」

電「わかりました」チャキ


雷「電!」

電「!」

雷「どうして貴女が深海棲艦側に居るのよ!」

響「電、これは何かの冗談だろう?」

電「雷ちゃん……響ちゃん……」

雷「嫌よ!私は妹となんか戦いたくないわ!」

響「落ち着くんだ雷、もしかしたら捕虜になってしまったのかもしれないよ」

雷「そっか、そうよね。電が私達を裏切る訳ないもの!そうよね電!」


電「……」

駆逐棲姫「……撃テ」

電「で、ですが……」

駆逐棲姫「撃テ」

電「」ギリッ

電「」ドン

ザパァン

雷「!」

響「!」

雷「そんな……電……どうして……?」

電「電は……敵なのです」

響「それは本当かい?」

電「はい……だから二人とも……本気で来てください!」




第二部隊


赤城「……」

ブロロロロロ

赤城「やはり航空戦は貴女が来ますか……」

加賀「……久しぶりね、赤城さん」

飛行場姫「フフフ……」


瑞鶴「加賀さん!」

加賀「……」

瑞鶴「なんでこんなことするのよ!」

赤城「瑞鶴さん……」

瑞鶴「いっつも演習で私を指導してくれたじゃない!不愛想だったけど優しく教えてくれたじゃない!」

瑞鶴「そんな加賀さんがこんなことしてるなんて信じられないよ!」


飛龍「瑞鶴、それ以上は話しちゃ駄目だよ」

瑞鶴「だって!」

飛龍「どんな理由であれ敵側にいる以上戦うしかないんだよ。あれは私達が慕ってた頃の加賀さんじゃない、深海棲艦の仲間だよ」

赤城「飛龍さんの言う通りです。私達にはここを守るという使命があるのですから一切の私情を挟んではいけません」

瑞鶴「そんな、赤城さんまで……」

加賀「そこの二人の言う通りよ、瑞鶴。戦場では常に冷静に状況を分析しなさいと言ったじゃない」

瑞鶴「やっぱり……戦うしかないんだね……」

加賀「……そうよ、構えなさい瑞鶴」

瑞鶴「うう……」


赤城「瑞鶴さんと飛龍さんは飛行場姫をお願いします。加賀さんの相手は……私がします」

赤城「お二人に重荷を背負わせる訳にはいきませんから」ニコッ

瑞鶴「そんなの駄目だよ!私達も一緒に……」

飛龍「わかった」

瑞鶴「なんで!」

飛龍「瑞鶴が今加賀さんと戦ったところで動揺して上手く戦えないでしょ」

瑞鶴「……」

飛龍「それに一緒に戦ったって私達じゃ足手まといになるだけだよ」

瑞鶴「」ギリッ


瑞鶴「わかった……赤城さん、そっちは頼んだよ」

赤城「ええ、任せてください」

加賀「……負けませんよ」スッ

赤城「私だって負けません、そう……」スッ



赤城加賀「「一航戦の誇りに賭けて」」



ここまで。今更ながら少し装備を奪い過ぎたかなと反省し始める大井


金剛「できれば……嘘であってほしかっタ……」

金剛「信じられなかった。いや、信じたくなかっタ……」

金剛「だって、私の妹が……榛名が……敵として私の前に現れるなんて想像したくなかったんデスから……」

榛名「ふふふ……」

戦艦水鬼「……」


金剛「どうしてデスか?どうして榛名がこんな……」

榛名「どうして……ですか。本当はお姉さまもわかっているんじゃないですか?」

金剛「……テートクですか」

榛名「そうです。あの人はこの世界から居なくなってしまいました……私達を捨てて……」

金剛「それは違いマス!きっといつか帰って……」

榛名「いつかっていつですか!今日ですか!明日ですか!そうやっていつまでもありもしない希望に縋るのはもう飽きたんですよ!」

金剛「榛名……」


榛名「だから決めたんです……私達を捨てた提督に復讐してやろうって」

金剛「だからって……こんなの間違ってマス……」

金剛「榛名……目を覚ましてくだサイ……」

榛名「榛名はいつだって正気ですよ?おかしいのは金剛お姉さまの方です」

榛名「止めたければ力づくで止めればいいではないですか」チャキ

金剛「やはり……やらなければならないんデスネ……」チャキ


戦艦水鬼「手ヲ貸ソウカ?」フフ

榛名「結構です。ここは私一人でやるのでどこかへ行ってください」

戦艦水鬼「ショウガナイ奴ダ」スッ

榛名「懐かしいですね……最後に手合わせをしたのは演習でしたっけ」

金剛「……」

榛名「あの時は全く歯が立たなかったけど今は違います……あれから榛名はずっとずっと強くなりました」

榛名「もう……誰にも負けません」ギロッ

金剛「……今の私達をテートクが見たら……なんて言うんでショウネ……」

榛名「まだありもしない幻想を抱くのですか」

金剛「榛名……私は貴女の事が大好きです。例えどんなに変わっても……私の大切な妹デス」

金剛「デスが……この世界を……テートクが愛したこの世界を壊すというのであれば……」

金剛「私は……榛名を沈めマス」キリッ

榛名「やれるものなら……やってみてください!」



響「はあっ」ドンドン

電「」サッ

電「どうしたのですか二人とも、動きが鈍いですよ」ドンドン

響「くっ」

雷「二人がかりでも圧されてる……」

電「当てる気のない砲撃は電には効かないのです」

響「雷、覚悟を決めよう。このままじゃ二人とも沈んでしまうよ」

雷「それって電を沈めろってこと?そんなの絶対嫌よ!」

響「でもそれしかもう方法がないんだ」


雷「でも……でも……」

電「そこです!」ドン

雷「え……」

響「危ない!」バッ

ドォン

雷「響!」

響「無事かい……雷……」ハァハァ

雷「なんで私を庇って!」

響「姉を守るのに……理由なんているかい……?」

雷「響……」

響「雷……今すぐ一人で逃げるんだ」

雷「!」


響「私が囮になれば……まだ逃げられる」

雷「嫌!そんなの嫌よ!」

響「でも……このままじゃ……」

雷「響一人置いて逃げることなんてできる訳ないじゃない!」ギュ

響「はやく……しないと……」

電「もう遅いのです」チャキ

雷「!」

響「……」

電「この距離なら……外すことはないのです」

雷「……なんで」

電「……」

雷「なんでこんな事するのよ……電……貴女に……何があったのよ……」


電「……電はただこの世界が嫌いになっただけなのです」

雷「そんなの嘘よ……」

電「嘘じゃ……ないのです」

雷「だったら……だったらどうして泣いてるのよ!」

電「……」ポロポロ

雷「泣くほど辛いのに……押し殺してた感情が溢れるほど苦しいのに……それでも戦う理由は何なの?」ポロポロ

雷「辛いなら私達に言ってくれたっていいじゃない……なんでいつも一人で背負い込むのよ」ポロポロ

電「……」ポロポロ

雷「皆で笑って一緒に過ごした日々は……どこにいっちゃったのよ……また四人で笑いあう事はできないの?」ポロポロ

電「……電は……もうどうしていいのかわからないのです」ポロポロ

電「ごめんなさい……」チャキ


雷「誰か……助けて……」ポロポロ

雷「助けよ!しれいかああああああん!」ポロポロ



「電ぁ!」



電「!」

雷「!」

響「!」

提督「やっと見つけたぞおおおおおおおお!」

島風「」ゼーハーゼーハー

電「司令官……さん……?」

すまぬ、修正します


雷「誰か……助けて……」ポロポロ

雷「助けてよ!しれいかああああああん!」ポロポロ



「電ぁ!」



電「!」

雷「!」

響「!」

提督「やっと見つけたぞおおおおおおおお!」

島風「」ゼーハーゼーハー

電「司令官……さん……?」








赤城「はあっ!」バシュ

加賀「……」バシュ


ブロロロロロ


赤城「やはり一筋縄じゃいきませんね」

加賀「……」

赤城「かつて背中を合わせて戦った相手と向かい合うのは……複雑な気分ですね」

加賀「……」

赤城「どうして……こんなことになってしまったんでしょうね」


加賀「昔から変わらないわね、赤城さん」

赤城「……」

加賀「貴女は優しすぎる。私達に対しても、深海棲艦に対しても」

加賀「今だってそう……貴女の攻撃には殺意がないもの」

赤城「そういう加賀さんこそ攻撃に迷いがあります」

加賀「……」

赤城「本当は加賀さんだって戦いたくはないんじゃないですか?」

加賀「……」


赤城「こんな戦いはやめましょう。今ならまだ間に合うはずです」

加賀「……」ギリッ

赤城「何か抱えているなら私も力に……」

加賀「うるさいっ!」

ブロロロロ

赤城「!」

ドガァン

赤城「くっ!」大破

赤城「加賀さん……なんで……」


加賀「何と言われても私は止まるつもりはないわ」

赤城「貴女がそこまでして戦う理由は何なのですか……?」

加賀「……」

赤城「やはり……提督ですか?提督が居なくなったからですか?」

加賀「……提督ならもう戻って来てるわ」

赤城「!」

加賀「前に会ったの」

赤城「じゃあもういいじゃないですか。戦う理由なんてないじゃないですか……」


加賀「ええ……そうかもしれないわね。でも今私が戦うのを止めたらあの娘の気持ちはどうなるの?」

赤城「あの娘……榛名さんのことですか?」

加賀「そうよ。あの娘は誰よりも純粋に、誰よりも真っすぐに提督を慕ってた」

加賀「それを裏切られたあの娘の悲しみを、絶望を誰が理解してあげられるの?」

赤城「加賀さん……」

加賀「私まで居なくなったらあの子は独りぼっちになってしまうわ……私はあの娘の気持ちを汲んであげたいのよ」

赤城「だからって……」

加賀「その為なら私は鬼にも悪魔にでもなるわ」


赤城「そう……ですか」フフ

加賀「何が可笑しいの?」

赤城「だって、加賀さんだって……私に負けず劣らず優しいじゃないですか……」

赤城「昔から……何も変わってないじゃないですか」

加賀「……」

赤城「どうしてもその道をいくのですか?」

加賀「ええ……だから私は貴女を沈めるわ」

赤城「そうはさせません……と言いたいですが今の私には抵抗する力はありません」

赤城「私はここまでのようです」

加賀「」チャキ

加賀「さよなら……赤城さん」

ここまで

すみません、忙しいので更新は今週の土日になりそうです。すみません



榛名「はあああああああ!」ドンドン

金剛「遅いデス!」サッ

榛名「くっ!ならばこれはどうですか!」ザザァ

金剛「!」

金剛「そんなに近くから撃ったら榛名自身まで巻き込まれマス!」


榛名「当たるなら榛名は構いませんよ!」ドンッ

金剛「!」

ドォン

榛名「これでどうですか」ハァハァ

金剛「」ヌッ

榛名「な!?煙の中から!?」

金剛「」ドゴォ

榛名「がはっ!」


金剛「この距離なら……外さないでショウ……」ハァハァ

榛名「まさか砲撃を食らいながら無理矢理攻撃してくるとは……」ハァハァ

金剛「言ったはずデス、沈めてでも止めると」

金剛「(とは言っても流石に今のは効きマシタ)」

金剛「でもこれでチェックメイトデス」チャキ

榛名「くっ!」ギリッ


金剛「ここで貴女を……沈めマス……」

榛名「そうですか、ここまでですか」

榛名「でも、例え沈んでも榛名はきっと蘇ってみせます」

金剛「その時はまた沈めマス」

榛名「……」

金剛「さようなら、榛名……」チャキ

金剛「……」


『榛名は、大丈夫です』

『無茶しないでください金剛お姉様、榛名は心配になります』

『榛名は、この鎮守府で過ごす日々が大好きです』

金剛「……」

榛名「……どうしたんですか?早く撃てばいいではないですか」

金剛「……」プルプル

金剛「……できまセン……」プルプル

金剛「やっぱり……私には大切な妹を沈めることなんて……できまセン……」ポロポロ


榛名「……」ギリッ

榛名「」バッ

金剛「!」

榛名「」ガッ

金剛「ぐっ!」

榛名「これで形成逆転ですね」ニヤリ

金剛「あ……が……」

榛名「お姉様は甘すぎます。だからこんなことになるんですよ」

榛名「このまま絞め殺してあげます」グググ

金剛「ぐ……」ポロポロ

金剛「テイ……トク……」ポロポロ

金剛「ごめん……なサイ……」ポロポロ






電「司令官……さん……?」

雷「しれー……かん……?」

提督「その砲塔を降ろすんだ電」

電「そ、それは……できないのです」

提督「なんでだ?」


電「電が戦わないと……司令官さんが危ないのです……」

電「司令官さんには……傷ついてほしくないのです……」

提督「じゃあ撃つのか?」

電「……それも……できないのです……」ポロポロ

電「同じ仲間を……姉妹を沈めたくなんてないのです……」ポロポロ

雷「電……」

電「もう電はどうすればいいのか自分でもわからないのです」ポロポロ


提督「もういい、無理するな」

電「でも……」

提督「もし俺に何かあったらその時はお前が守ってくれ、電」

電「それは……できないのです」

電「電の力じゃ加賀さんや榛名さんには敵いませんでした……」

電「この状況も……電の力が足りなかったからこうなってしまったんです」


電「だからせめて司令官さんだけは助かるようにって居なくなったのに……」

電「なんで……司令官さんはまた電の前に現れるのですか……」ポロポロ

提督「そんなの決まってるだろ!俺にはお前が必要だからだ!」

電「!」

提督「お前だけじゃない、加賀も、榛名も、全員俺の鎮守府には必要なんだよ!」

提督「俺はお前達全員ともう一度やり直したいんだよ!」

電「じれいがん……ざん……」ポロポロ

提督「だからこれ以上無茶するな。お前にはそんな役は似合わん」

電「うう……」ポロポロ


提督「今まで一人で頑張って来たんだな」ナデナデ

電「でも……でも……じゃあどうすればいいのですか……」ポロポロ

電「電だけじゃ……どうしようも……」ポロポロ

提督「安心しろ、もうお前は一人じゃないだろ?」

電「え……?」

提督「いるじゃないか。今まで集めてきた仲間が」







駆逐棲姫「……」チッ

駆逐棲姫「……」チャキ

駆逐棲姫「ソレナラ……全員沈メテアゲル」スッ

「折角いい所なのに邪魔するなんてレディじゃないわね」

ドゴォン

駆逐棲姫「ガハッ!」

駆逐棲姫「誰ダ!」キッ

暁「特Ⅲ型駆逐艦一番艦、暁よ!」エッヘン




加賀「さよなら……赤城さん」チャキ

ブロロロロロ

加賀「!」サッ

ドゴォン

加賀「くっ!」

加賀「艦載機に雷撃……一体誰かしら」キッ

蒼龍「久しぶり、加賀さん」

川内「ちょっと私と夜戦しない?」







金剛「ごめん……なサイ……」ポロポロ

「その汚い手を離しなさいな」

榛名「!」サッ

金剛「かはっ」ゲホゲホ

榛名「(凄い殺気……)」ハァハァ

榛名「誰ですか」ギロッ

大井「通りすがりの重雷装巡洋艦よ」





電「暁ちゃん……」

暁「全く、急に居なくなるんだから心配したわ!」プンスカ

提督「な?お前はもう一人じゃないだろ?」

提督「お前が一人でできないなら俺達も手伝うさ」


電「(そうだ……電は……もう一人じゃないんですね)」

電「(電達の今までの行動は……無駄じゃなかったんですね)」グスッ

電「ごめんなさい……心配かけてごめんなさいなのです……」ポロポロ

暁「いいのよ。電は今まで頑張ったんですもの、今度は暁達が頑張る番よ」

電「暁ちゃん……」

暁「ここは暁達に任せて電は行かなきゃいけない場所に行って」

電「で、でも……」

雷「大丈夫、私もいるわ!」

電「雷ちゃんまで……」


雷「もっと私に頼ってもいいのよ電!だから先に行きなさい!」

電「……わかりました、電は先に行くのです」

電「司令官さん……行きましょう、榛名さんの元へ」

提督「おう」

電「司令官さんは電の背中に」スッ

提督「わかった」

島風「じゃあ島風はそこの大破してる娘を預かって戻るね」スッ

響「……」


暁「ありがと、島風ちゃん」

島風「これで借りは返したからね!」

提督「ああ、十分だ」

雷「折角司令官と会えたのに直ぐ居なくなっちゃうのは悲しいけど……また会えるわよね?」

提督「当たり前だろ?帰ってまたやり直すんだからな」

雷「そうよね……なら気合い入れなきゃ!」

電「じゃあ急ぎますよ司令官さん」

提督「おう、行くぞ電!」

電「はいなのです!」ザザァ




暁「さ、さっさと終わらせましょ?」

雷「相手が深海棲艦ならこっちのものよ!」

駆逐棲姫「ヒネリツブシテヤル……!」

ここまで。今週中には終わる予定です。



赤城「蒼龍さん、川内さん!」

川内「危なかったね、赤城さん」

蒼龍「大丈夫?」

赤城「ええ、なんとか。でももう艦載機は飛ばせそうにありません。ごめんなさい役に立たなくて」

蒼龍「ううん、赤城さんはよく頑張ってくれたよ。後は私達に任せて」

川内「そういうこと、後方でゆっくり休んでて」

赤城「ありがとうございます……」


加賀「……何しに来たのかしら」

川内「そりゃあもう」

蒼龍「加賀さんを止めに……かな」

加賀「私も随分舐められたものね。貴女達だけで止められると思ってるのかしら?」

蒼龍「確かに一人じゃ無理でも」

川内「力を合わせればできるって提督に教えてもらわなかった?」

加賀「そんなこと覚えてないわ」チャキ

蒼龍「じゃあまた教えてあげるよ」チャキ

川内「二度と忘れないよう身体に刻み込んであげる」チャキ


電「」ザザァ

提督「なあ電」

電「なんですか?」

提督「少しでいい、教えてくれないか?お前がどうして深海棲艦側にいたのか、そしてなんで一人で鎮守府に居たのか」

電「……大本営から異動命令が出た後、皆さん居なくなって後は榛名さんと加賀さんと電だけになりました……」



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電『榛名さん、加賀さん』

加賀『……』

榛名『……』

電『お二人は練度も高いし今までの戦果も優秀なので大本営がどこに行くか選ばせてくれるそうです』

榛名『結局、提督は来ませんでしたね』

電『……いつかきっと帰ってきますよ』

榛名『いつか来る、いつか来ると言って待ちどれ位経ちましたか?』

電『……』


榛名『ずっと提督を信じて待ってた私が馬鹿みたいですね』

電『それでも今はただ待つことしかできないと思うのです』

加賀『私達は提督にとってその程度の存在だったってことかしら』

電『そんなことは……ないのです……』

榛名『あの人に全てを捧げた私達の人生は何だったのでしょうね』

加賀『……』ギリッ

榛名『今はもうあの人への憎悪だけが込み上げてきます』

電『……』


戦艦水鬼『フフフ……捨テラレタ可哀想ナガラクタ達……』スゥ

電『!』

榛名『!』

加賀『!』

電『何故こんな所に戦艦水鬼が!?』

戦艦水鬼『オ前等ノ心ノ闇ガ私を呼ンダンダ』フフ

加賀『心の……闇……』

戦艦水鬼『憎インダロウ?提督ガ』


戦艦水鬼『ソコノ二人ハ正直ダゾ』フフ

電『そ、そんなことないですよね二人とも……』

榛名『……憎いです』

加賀『……ええ』

電『え……』

戦艦水鬼『ナラ復讐スレバイイ、壊セバイイ、何モカモ』

戦艦水鬼『本気デ復讐シタイノナラツイテキナサイ』

電『そんな口車には乗らないのです!』

加賀『……そうよ、私達を甘く見ないでちょうだい』


戦艦水鬼『フゥン……貴女達ノ憎シミッテソノ程度ナンダ』フフ

榛名『……行きます』

電『!』

加賀『!』

榛名『こんな世界にいたっていいことなんてありません。ならばいっそ壊してしまった方がいいではないですか』

戦艦水鬼『ソノ通リダ』フフ

電『榛名さん!』

戦艦水鬼『ツイテコイ』ザザァ

榛名『……』ザザァ

電『榛名さん、行かないでください!』

加賀『……』ザザァ

電『加賀さんまで……』

電『そんな……』ポロポロ

電『このままじゃ……』ポロポロ

電『……』グシグシ

電『電も行くのです!』ザザァ


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電「あの時の電には二人を説得することも、力づくで止めることもできませんでした」

電「ただあの二人をそのままにするともう二度と戻ってこれないような気がして……それで電もついていきました」

提督「……」

電「時間が経てば説得のチャンスがある……そう思っていましたが結局二人を止めることができませんでした……」



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電『加賀さん、もうこんなことはやめましょう』

加賀『……』

電『加賀さんだって気づいてるはずです、こんなことをしても何の解決にもならないって』

加賀『……』

電『電はこれ以上こんな加賀さんや榛名さんを見たくはないのです……』


加賀『やっぱり貴女はそっくりだわ』

電『え?』

加賀『その甘いところも、頑張れば皆が幸せになれると本気で夢見てるところも』

加賀『あの人そっくりで……ずっと気に入らなかったのよ』ギロッ

電『』ゾクッ

加賀『もし秘書艦が貴女じゃなくて私だったら……私も貴女と同じことを言ってたのかもしれないわね』チャキ

電『加賀さん……?』

加賀『これ以上協力できないというのなら……今すぐ沈めてあげるわ』バシュ

電『!』

ブロロロロロ

ドゴォン

電『』ハァハァ

加賀『どうしたの、動きが鈍いじゃない』

電『電は……加賀さんと戦いたくないのです……』

加賀『そう、じゃあ黙って沈みなさい』

ドドドドドド

電『きゃあ!』




電『はぁ……はぁ……』

電『(もう……立ってるのが……精一杯なのです……)』

加賀『もういいわ、これ以上やっても仕方ないもの』スッ

電『……』ハァハァ

加賀『もうこれ以上私達に関わらないでちょうだい』

電『……』ハァハァ

加賀『次会ったら本当に沈めるわよ。わかったらどこかで静かに暮らしなさい』

電『(だめ……なのです……もう意識が……)』




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電「そして電はそのまま流されて気づくと何の偶然か自分の鎮守府に流されていました」

電「それから電は何をすればいいのかわからずただずっと司令官さんが帰ってくるのを待ち続けることしかできませんでした」

電「そして諦めかけた時に司令官さんが帰って来たのです」

提督「……今まで本当にすまなかったな」

電「いいのです。今は司令官さんが居ます。電はそれだけで十分なのです」

電「司令官さん、また昔みたいに皆で笑いあえるように頑張りましょう」

提督「ああ、頑張るぞ!」

一旦ここまで



大井「」ハァハァ

榛名「」ハァハァ

大井「だいぶ動きが鈍くなってるじゃない。深海に浸かりすぎて身体が鈍ってるんじゃないの?」ハァハァ

榛名「そっちこそ普段から動かず魚雷ばかり撃ってるから動き方忘れたんじゃないですか?」ハァハァ

大井「言うじゃない」チャキ

榛名「ふん」チャキ


提督「お、見えてきたぞ電!」

電「なのです!」ザザァ

提督「もっと急げないか電、このままじゃ二人とも共倒れになっちまう!」

電「それは無理なのです!」

提督「くそ……どうすれば……」


電「!」

電「司令官さん、いい方法を思いつきました!」

提督「もうなんでもいい、時間がないから早速やるんだ!」

電「わかったのです!」フリカブリ

提督「え?」

電「司令官さん」カマエ

提督「嘘だろ……まさか……」

電「電の本気を見るのです!」ブンッ

提督「うわああああああああああああああああああ」




榛名「死になさい!」チャキ

大井「負けるもんですか!」チャキ

金剛「二人ともやめるデス!これ以上やったら……」


「ちょっと待ったああああああああああああああああああああああああ」


榛名「!」

大井「!」

金剛「!」

大井「この声は……」

金剛「まさか……」

榛名「てい……と……」


提督「ああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」



ヒュウウウウウウウウ


ボチャン


ブクブクブク……ブク……


大井「……」

金剛「……」

榛名「……」


提督「」ザバァ

提督「がば……ごぼ……誰か……助け……」ブクブク

大井「……」ザザァ

大井「」ガッ

提督「」ザバァ

大井「……」

提督「すまん……大井」ゲホゲホ

大井「すまんじゃないわよこの馬鹿!もっとビシッときめなさい!」ドゴォ

提督「ごめんなさい!」ゴフッ


金剛「本当に……テートクデスか?」

大井「ええ、この前帰って来たのよ」

榛名「う……そ……」

提督「大井、榛名のところまで連れてってくれないか」

大井「わかったわ」ザザァ


提督「……久しぶりだな、榛名」

榛名「……今更何しに来たんですか?」ギロッ

提督「お前は今この深海棲艦達を率いてるんだってな」

榛名「ええ、凄いでしょう?これで私はこの世界を壊すのです!」

榛名「かつて自分の部下だった艦娘が他の艦娘を襲う気分はどうですか?」

榛名「軽蔑しましたか!落胆しましたか!怒りで一杯ですか!」

提督「……」

榛名「黙ってないでなんとか言ったらどうですか!」

提督「……本当にごめんな」

榛名「…………え……?」


提督「榛名が敵になってしまったのも……今こんな状況になってしまったのも……元を辿れば全部俺のせいだ」

提督「今更謝ったところでどうにかなるわけでもない。でもそれでも謝らせてくれ」

提督「本当にすまなかった」

榛名「ふざけないでください!」

榛名「そんなことをしても無駄です!榛名は決めたんです!復讐すると!この世界を壊すと!」

提督「わかってる。お前は俺に復讐がしたいんだろう?」

提督「だったら俺の命をやる。それでこの戦争を終わらせてくれ、頼む」

大井「!」

金剛「!」


大井「何言ってるのよ!」

提督「これでこの戦争が終わるなら安いもんさ」

大井「だからってあんたが犠牲になるのよ!そんなことさせないわ!」

提督「俺はそれだけの事をしたんだ。これは提督命令だ、絶対に助けるな」

大井「なんで……なんで貴方はいっつも自分勝手なのよ……」ポロポロ

提督「ごめんな……大井」

大井「皆でやり直すんじゃなかったの……?」ポロポロ

提督「すまない、これからは新しい鎮守府で道を歩んでくれ」

提督「さあ離れるんだ大井」

大井「……」ザザァ


提督「さあ撃て榛名!それでお前の恨みが少しでも収まるなら安いもんだ!」

榛名「ふ……ふふふ……」

榛名「いいでしょう、そんなに言うなら殺してあげます!」

榛名「」チャキ

榛名「長かった……本当に長かった……」ポロポロ

榛名「ですがそれもぜ全部これで終わりです……!」ボロボロ

榛名「さよなら……提督……」ボロボロ



ドン



ドゴォン



大井「いやあああああああああああ!」

金剛「テートクウウウウウウウウ!」

榛名「フ……フフ……」

榛名「アハハハハハハハハハ」ポロポロ

榛名「終わっタ……終わっタ……」ポロポロ

榛名「……」ポロポロ

榛名「違う……私がしたかったことは……コンナコトじゃ……」ポロポロ

榛名「本当は……ホントウハ……」ポロポロ



電「全く、司令官さんはいっつも無茶しますね」

提督「あれ……俺生きて……」

電「言ったじゃないですか、皆で笑い合おうって」

提督「いな……づま……」

電「その皆の中には司令官さんも入ってるんですよ」


提督「なんで……提督命令だって……助けるなって言ったろ……」

電「司令官さんが間違った道を行ったら正しい道を示すのが秘書艦の役目なのです」

電「撃たれて、死んで、どうするんですか」

電「そんなことをしたって何の解決にもならないのです!」

提督「……」

電「司令官さんがしなきゃいけないのは生きて皆に償うことなのです!」

提督「電……」


榛名「生キテ……る……?」

電「榛名さん、本当の気持ちに向き合ってください」

電「榛名さんが本当にしたいことは復讐なんですか?」

電「本当にずっとずっと恨んでたんですか?」

榛名「榛……名……は……」

榛名「本……当……は……」

ドクン

榛名「うっ!」ズキン


戦艦水鬼『恨ミナサイ……全テヲ』

榛名「あ……あ……」ズキン

戦艦水鬼『壊シナサイ……全部……全部……』

榛名「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」ズキン

電「どうしたのですか榛名さん!」

提督「様子がおかしいぞ!」

榛名「コワス……ゼンブ……ゼンブ……」ポロポロ

大井「自分自身を制御できなくなったんだわ」

金剛「榛名……」

電「司令官さん……電には聞こえるのです、榛名さんの叫びが」

提督「ああ……俺にも聞こえる」

提督「電、榛名を助けてやってくれ」

電「はいなのです。秘書艦に任せてくださいなのです」ザザァ




電「榛名さん」

榛名「ウ……ウ……」ポロポロ

電「待っててください、今助けるのです」

榛名「アアアア!」ブンッ

電「今の榛名さんの攻撃なら電でも避けられるのです」サッ


榛名「コワス……」ブンッ

----違う

電「」サッ

榛名「ゼンブ……コワス!」

----違う、本当は悲しかっただけなんです

電「」サッ

榛名「ナニモ……カモ……!」ブンッ

----提督が私達に……私に・・何も言わずに居なくなったことが

電「はあっ!」ドゴッ

榛名「カハッ!」

----本当は寂しかっただけなんです

電「ごめんなさい榛名さん、ですが今はゆっくり休んでください」

榛名「ア……ア……」ツー

----鎮守府の皆と離れ離れになることが

榛名「……」ガクッ






----提督の側に……大好きな人の側に居られないことが






電「榛名さんの気持ちが……痛いほど伝わってきたのです」

提督「そうか……」

戦艦水鬼「……」ギリッ

戦艦水鬼「役立タズメ……!」チッ

戦艦水鬼「一旦退クゾ!撤退ダ!」

大井「深海棲艦が退いていく」

金剛「終わったん……デスネ……」

提督「ああ、取りあえずは、な」


金剛「そういえば他の皆は……」

ザーザー

『こちら雷よ!』

金剛「そっちはどうデスカ?」

雷『ええ、駆逐棲姫を倒したわ!』

金剛「素晴らしいデース!」

雷『もーっと私に頼ってもいのよ!』

暁『何よ、暁だって頑張ったんだからね!』

金剛「二人ともMVPデース」


加賀「くっ!」ハァハァ

蒼龍「なんとか……勝てたね……」ハァハァ

川内「流石に大破すればもう艦載機も飛ばせないでしょ」ハァハァ

加賀「まだよ」グググ

川内「嘘、まだ動けるの!?」

蒼龍「ちょっと待って加賀さん、これ以上は危険だって!」

加賀「私には……私の意地が……あるのよ」グググ

蒼龍「蒼龍なんでそこまでするのさ!」

加賀「貴女には……関係ないわ」グググ


加賀「行く……わよ……」

蒼龍「(だめ、これ以上は加賀さんの命が……)」

赤城「」ギュ

加賀「……え……?」

赤城「加賀さん、もういいんです」

赤城「今金剛さんから連絡がありました……榛名さんが負けたそうです」

加賀「!」

赤城「そして深海棲艦が兵を退きました。もう……終わったんです」

赤城「だからもうこれ以上……無茶しなくてもいいんです……」ギュ

加賀「……そう」

加賀「あの子は……負けたのね」

加賀「全部……終わったのね」

加賀「ああ……空が青いわ」ポロポロ

加賀「こんなに綺麗な空を見たのは……いつ振りかしら」ポロポロ




-------------------
------------
-------
---
--




榛名「」ガバッ

榛名「ここ……は……?」

提督「大本営のベッドだ」

榛名「提督……」

提督「お前が暴走したから電に止めてもらった。気分はどうだ、大丈夫か?」

榛名「……まるで悪い夢を見ていたようです……長い、長い悪夢を……」

提督「いいんだ、お前は何も悪くない。悪いのは全部俺だ」ギュ

榛名「提……督……」


提督「これから少しずつ償いをしていきたい。いつかお前の恨みが消えるまで償ってみせる」

榛名「……もういいんです」ポロポロ

榛名「榛名は……ただこうして提督の側に居られるだけで幸せなんです」ポロポロ

榛名「だから……もう居なくなったりしないでください」ポロポロ

提督「ああ」


扉『』ガチャ


電「司令官さん!」

提督「どうした?」

電「深海棲艦がまた攻めてきました!」

提督「なんだって!?」

電「でも数はずっと減っているのです、たった六隻みたいです」

提督「なんだ、それならいけ……」

電「ですが全員姫級みたいなのです!」

提督「なんだと!?いや、だがまた全員で力を合わせれば大丈夫……」

電「それが今回の騒動は司令官さんの艦娘が引き起こしたものだから司令官さんの手で全部片付けろと大本営が言ってました!」

提督「ふざけんなああああああああ!」

電「その他諸々の問題は後で追及するそうです!」

提督「勝っても負けても地獄じゃねえか!」

電「兎に角急ぐのです!」

提督「くそっ!行くぞ榛名、準備しろ!」

榛名「え!?は、はいっ!」




提督「よし皆、準備はできたか?」

大井「ええ」

電「なのです!」

暁「当たり前じゃない、レディですもの!」

雷「準備できてるわ!」

響「ハラショー」


赤城「それにしても提督と戦うのはいつ振りでしょうか」

加賀「ええ、懐かしいわ」

飛龍「でも提督がいるってやっぱりいいねー」

蒼龍「うん、そうだね」

瑞鶴「翔鶴姉、なんだかワクワクするね!」

翔鶴「あらあら、そんなに焦っちゃ駄目よ瑞鶴」


金剛「テートクゥ、これが終わったらご褒美がほしいデース!」

榛名「は、榛名も欲しいです提督!」

提督「終わったら何でも用意してやる!だから頑張れ!」

金剛「イエース!テートクと一日デート券頂きマシター!」

赤城「うな重……天丼……それから……」

川内「夜戦でしょーそれから夜戦でしょー」

飛龍「焼肉は外せないよねー」

榛名「なんでも……なんでも……」

大井「終わったわね」

提督「」

電「皆さん変わってないのです」ニコニコ

提督「まあいいや、じゃあ行くぞ皆これが春イベラスダンだ!」





提督「総員抜錨!」




艦娘「「「「「「「「オーーーーーーーー!」」」」」」」」





-----------------
-----------
--------
----
--





提督「」グガーグガー

電「司令官さん、起きてください」ユサユサ

提督「ん、ああすまんすまん寝てたわ」

電「今日はやらなきゃいけないことがあるのです」

提督「何だっけ?」

電「鎮守府の全員で集合写真を撮ろうって言ったじゃないですか」

提督「ああ、そうだったなぁ」

電「では行きましょう」

提督「今な、少し昔の夢を見てたよ。榛名達が大本営攻めてた夢」

電「それは懐かしいですね」フフ


提督「あれから色々あったなぁ。鎮守府に帰ったら建物壊したの忘れてて皆で仮鎮守府に泊まったり」

電「人数が多すぎて外まで溢れてましたもんね」

提督「他の艦娘達に戻ってもらうのも苦労したなぁ」

電「曙ちゃんにボディブローされたり霞ちゃんに靴で踏まれたり大変でしたね」

提督「ま、でも今こうして皆戻って来てくれてよかったよ」

電「はいなのです」


提督「あ、そうだ電。この後少し用事で出かけるわ」

電「どこに行くのですか?」

提督「そういえば他のゲーム退会してなかったからそこら辺の身支度済ませてくるわ」

電「いいですけど……ちゃんと戻って来てくれますよね?」

提督「安心しろ、俺はもう提督一筋でいくさ。直ぐに戻ってくる」

電「わかったのです。できるだけはやく戻って来てくださいね?」

提督「ああ」







提督「いやー事務所に帰るのも久しぶりだなぁ」テクテク

提督「暫く艦これで忙しかったし皆元気かなぁ」テクテク

提督「お、そろそろ着くな」テクテク

提督「あいつら元気にやってるかなぁ」テクテク


ビュオオオオオオオ


カランカラン


提督「ん?」

提督「……」ダラダラ

提督「ま、まさかな……ただのボロボロの木の板だよな、決して俺の事務所の表札とかじゃないよな」ダラダラ

【○○事務所】

提督「……」ダラダラ

提督「う、うわああああああああああああああああ」ダダダダダダダ




これで終わりです。亀更新でしたが今まで付き合ってくれてありがとうございました。

次回作の予定はありません。また何か思いついた時に書くかもしれません、その時はよろしくお願いします

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年04月16日 (土) 21:15:54   ID: 7bDcS-qk

続きに期待

2 :  SS好きの774さん   2016年04月18日 (月) 00:50:43   ID: Chb9mscR

続ききてたのか! 頑張ってください!!

3 :  SS好きの774さん   2016年04月19日 (火) 19:42:38   ID: 6dMYWvpW

続期待

4 :  SS好きの774さん   2016年04月19日 (火) 22:39:31   ID: cNlpBr3u

続き期待してます

5 :  SS好きの774さん   2016年05月20日 (金) 00:10:57   ID: zZRaRXDF

続き期待です!

6 :  SS好きの774さん   2016年05月20日 (金) 14:28:16   ID: CqYSHBzQ

久々に覗いたら続きが書かれており楽しく読ませて頂いてます!
また楽しみにしていますね!!

7 :  SS好きの774さん   2016年05月22日 (日) 11:41:28   ID: yQnbaPvS

この提督さん、ちょっち嫌いだなぁ…(優柔不断+100)
この作品とても面白いのでゆっくり頑張ってください ^^) _旦~~
期待1000%です!

8 :  SS好きの774さん   2016年05月25日 (水) 00:06:24   ID: DUUC8kqA

エタんなよ~たのむよ~

9 :  SS好きの774さん   2016年05月27日 (金) 22:17:34   ID: BXvVm_0m

ながくしないつもりのわりにはやる気ないよな

10 :  SS好きの774さん   2016年05月28日 (土) 20:19:45   ID: cSiXLHlh

来るぞ!修羅となった加賀さんがやって来るぞ!

11 :  SS好きの774さん   2016年06月15日 (水) 20:52:25   ID: H-_gi0sM

エタる予感……自分が面白いと思った作品は大体完結しないから、本当にゆっくりでもいいから頼むわ……

12 :  SS好きの774さん   2016年06月18日 (土) 02:50:34   ID: wiGfoazv

この提督さんの「長期不在」っての理由って出ましたっけ?

13 :  SS好きの774さん   2016年06月19日 (日) 16:58:39   ID: 0uyxa5NW

※12
プロデューサー業が忙しくて艦これに飽き気味だったと
その1の一番最初に書いてあったよ

14 :  SS好きの774さん   2016年07月24日 (日) 13:51:19   ID: yok5VvI7

ゆっくりでいいので完結してくださき。
すごく気に入ってるssなので頑張ってください!

15 :  SS好きの774さん   2016年07月28日 (木) 23:51:31   ID: ANM9eswU

や、やはりゲームは1つに絞るべきなのか……!?

16 :  SS好きの774さん   2016年07月29日 (金) 04:24:45   ID: h3WXygRO

ふぇ?春イベの話だったの?
もう少し見たかった、残念

17 :  SS好きの774さん   2016年07月31日 (日) 19:50:52   ID: H453AiM3

無限ループって怖いね(震え声)

18 :  SS好きの774さん   2017年01月16日 (月) 23:31:02   ID: UEJzbec9

わるいひとはひとりもいない(優しい世界)

19 :  SS好きの774さん   2017年04月13日 (木) 01:40:32   ID: 7ojDv6vo

こちらの世界と向こうの世界は流れている時間が違う
1か月INしてない=・・・

20 :  SS好きの774さん   2018年01月22日 (月) 17:36:27   ID: pWNlNffw

提督が電に乗ってるの想像したら吹いた

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