【ワールドトリガー】空閑「エイプリルフール?」 (121)

ワールドトリガーのSSです

思いつきなのでなので短いかも。

とりあえす導入部分を投下していきます

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1459505012


空閑「エイプリルフール?」

烏丸「そうだ。1年で1度だけ、嘘をつかなきゃいけない日なんだ」

空閑「なんと。嘘をつかなきゃいけないのか」

烏丸「ああ。嘘をつかなければ……」

空閑「つかなければ?」

烏丸「へそを取られる」

空閑「なに。おへそがとられてしまうのか! それは困ったな」

烏丸「まあ、嘘なんだけどな」

空閑「そうか。嘘なのか」

烏丸「……」

空閑「……」


ガチャ

小南「なに2人で見つめ合ってるのよ、あんたたち」

烏丸「小南先輩お疲れ様です」

小南「珍しいわね。2人だけなの?」

烏丸「はい。そうですね。修がもう少しで来ると思いますが」

烏丸(遊真、ちょっと見とけ)ヒソヒソ

空閑(ほう……)

烏丸「いや、実は小南先輩に言いたいことがありまして」

小南「何よ改まって……何か企んでるんじゃないの?」

烏丸「小南先輩……実は俺」ズイ

小南「な、なによ……」


烏丸「俺、小南先輩のことが好きなんです。付き合ってください」

小南「え!! ちょ、ちょっと、とりまる!?」

烏丸「マジなんです。初めて見たときから可愛いな思ってました」

小南「いや……その、や、やめてよね! だって、だってとりまるは弟みたいなもんだし////」ドキドキ

烏丸「それは意識してなかったらからですよ。どうですか? いま俺に告白されて。それでも俺は弟みたいなもんなんですか?」

小南「う……」

小南(ど、どうしよう。とりまるのこと意識したことなんてなかったし。というか本当に弟みたいなものっていうか……)チラッ



烏丸「……」

小南(いや、そもそも早くない? あたしもとりまるも、まだ高校生だし付き合うとか……でもでも、学校の子たちのなかには恋人がいる子もいるし。むしろ、そろそろ恋人の1人くらいいたほうが……)

ガチャ

修「おつかれまでーす」

小南(って! これじゃ、あたしがとりまるのこと好きみたいじゃない!本当違うんだからね! でもとりまるって結構格好いいかもしれないし……)ブツブツ

修「ど、どうしたんだ? 小南先輩頭抱えてるけど……」

空閑「オサム。青春だな」

修「は??」


烏丸「小南先輩、小南先輩」

小南(いや、ここは保留? とりあえず保留ってのもありよね。それで加古さんとかに相談して――)

小南「って、なによ! 人がせっかく大事なこと考えてるの!」

烏丸「小南先輩。エイプリルフールです」

小南「え?」

烏丸「ですから、今日は4月1日。エイプリルフールです」

小南「え? えい……ぷりる……ふーる?」


―――
――


小南「なーーーーー!!!!!!!」

小南「だ、だましたな!!! このメガネ!」ゲシゲシ

修「小南先輩!! 痛いです!というか騙したのぼくじゃないですってば!」

小南「う、うるさーーい! このドキドキどこにぶつければ良いのよー!!」デュクシ デュクシ


烏丸「――と、まあ。こんな感じだ」

空閑「なるほど。いいのか? こなみ先輩はあのままで」

烏丸「ああ。いいとこのどら焼きも買ってあるし。エイプリルフールだから……許してもらえるだろう」

空閑「ふむ。ところで、とりまる先輩に聞きたいことがあるんだけど」

烏丸「なんだ?」

空閑「本当に小南先輩のこと好きじゃないの?」(≡ 3 ≡)

烏丸「……さて。どら焼きの用意でもしておくかな。遊真も出かけてきたらどうだ?」

空閑「むう。それもそうだな」


小南「この、この。あたしのプライド傷つけられたー!!」ゲシゲシ

修「だ、だから。ぼくじゃないですってばー!!」


とりあえず以上です

今後は遊真が様々なところで嘘をついてまわるような展開になるかと思います

それではまた


空閑「ふむ。嘘か……わざと嘘つこうとするのも難しいな」

空閑(あまり悪い嘘は言いたくないし。でもそれじゃあ面白みが)

嵐山「お、遊真。なんだか難しい顔してるな」ヨッ

空閑「あらしやまさん。これはいいところに」

嵐山「なんだ俺に用があったのか?」

空閑「まあね。ちょっといろんな人と話してみようかと」

嵐山「そうか……せっかくだから、うちの隊室来てみるか?」

空閑「いいの?」

嵐山「もちろん。いまなら皆もいるしな」

空閑「では。お言葉に甘えて」


――嵐山隊隊室――

綾辻「嵐山さん、おかえりなさい。あと、そっちは空閑くん?」

空閑「どうも初めまして。空閑遊真だよ。あらしやま隊のオペレータの人」

綾辻「はじめまして。綾辻といいます。おしかったね、この間のランク戦」

空閑「なんと。見られてましたか。それはお恥ずかしい」

綾辻「あの試合の実況だったからね。みんなから狙われてたのに凄かったよ」

空閑「それは、ありがとうございました。あやつじ先輩」


木虎「今度はあなたなのね……1人帰ったと思ったら」

空閑「今度は? 誰か来てたの?」

時枝「今じゃないけどね。三雲くんが前来たことあったから」

空閑「なるほど修が来てたのか」

時枝「それにしても珍しいね。遊真が隊室を訪ねてくるなんて」

空閑「うむ。ちょっと用がありまして」

嵐山「そんなこと言ってたな。どうした? 三雲くんのことか?」

空閑(いざ嘘つこうと思うと難しいな……)

木虎「話あるなら早くしてくれる? 私たち玉狛の何でも屋じゃないのよ」

綾辻「もー藍ちゃんってば、あいかわず厳しいんだから」

空閑「よし。実はですな」

嵐山「実は?」





空閑「このたび、うちのこなみ先輩ととりまる先輩が付き合うことになったのでその報告をと」



嵐山「え?」

時枝「へー」

佐鳥「なに?」

木虎「……」グフッ

綾辻「あ。藍ちゃんが倒れた」


嵐山「おいおいおい! 俺そんな話桐絵から一度も聞いてないぞ!」

空閑「きりえ……?」

綾辻「桐絵っていうのはね小南ちゃんの名前だよ。嵐山さんと小南ちゃん従妹同士だから」

空閑「それは知らなかった。世界は狭いな」

佐鳥「やったぜ! まさかあそこでくっついてくれるとは!」

空閑「あ。佐鳥先輩いたんだ」

佐鳥「えー最初から佐鳥もいますよー」

嵐山「賢。やけにうれしそうだな。そんなにとりまると仲良かったか?」

佐鳥「違いますって!嵐山さん! あのとりまるがとうとう彼女持ちになったんですよ! ボーダーモテ四天王の1人がくっついたってことは、つまりその分女の子がオレのところに来るってことじゃないですか!!」

時枝「まーまだ1番の障害が隊内にいるんだけどね」

佐鳥「それな。誰も俺のことなんて見てくれない悲しさ……」



木虎「い……やああああぁぁぁぁ!!!!!」

空閑「どうしたキトラ?」

木虎「う、うそでしょ。あ、ああの烏丸先輩が、ま、ま、まさか付き合うなんて……」

空閑「嘘じゃないよ。おれ聞いてたから。とりまる先輩が告白するの」

木虎「」パクパク

綾辻「だ、だいじょうぶ? 藍ちゃん?」

木虎「は……はい。だいじょばないです。私A級ですからね」フフフ ウフフフフ

佐鳥(あかん)

嵐山「いやーそれにしても驚いたな! まさか桐絵がとりまるとなんて。いや、仲良さそうにしてたのは前から知ってはいたが」


木虎「」

綾辻(あ、あらしやまさん! それ以上しゃべると藍ちゃんのライフが……)

嵐山(す、すまん。つい嬉しくてな。自分のことのように喜んでしまって)

空閑「なんで。キトラはそこまでショック受けてるんだ? 好きだったのか、とりまる先輩のこと?」

木虎「!? べ、べべべっべ、べつに好きとかじゃないですけどぉお!? ただやっぱり? 尊敬する先輩だったし? 一時期教えてもらってたこともあったというか。ちょっとびっくりしちゃっただけどいうか!? そうそう! 別に好きってわけじゃ――」

綾辻(どうしよう。いつになく藍ちゃんが暴走しちゃってるよ)

佐鳥(嵐山さーん。なんとかしてくださいよー)

嵐山(お、俺がか? さすがにこんな状況どうすれば……)

空閑(ここまでショックをうけるとは)


時枝「ねえ、遊真さ。その話嘘でしょ?」

嵐山「え、そうなのか?」

木虎「え? ……うそ? ほんと?」

空閑「さすが、ときえだ先輩。そうだよ嘘だよ」

「「「「えーーーーーー!!!!!!!」」」」

時枝「やっぱりね」

空閑「すまんね。ここまで大事になるとは思ってなくて」

嵐山「ど、どういうことだ! 充! 嘘って、それに遊真もなんでまた」 

時枝「嵐山さん。今日は何日ですか?」

嵐山「何日って今日は4月1日……あ」

綾辻「そっか。エイプリルフールですもんね」


木虎「え、えいぷりるふーる?」

時枝「こういう話を遊真からふってくるなんて違和感しかなかったからね」

嵐山「まあ、確かに少し唐突だとは思ったが」

空閑「悪かったな。キトラ。まさかここまでショック受けるとは」

木虎「そ、そう。嘘なのね。烏丸先輩が告白したのも。小南先輩と付き合ってるのも」

空閑「いや。とりまる先輩が告白したのは本当だよ。こなみ先輩と付き合ってるのは嘘だけどね」

木虎「」クラァ バタン

綾辻「あ、藍ちゃん!?」

佐鳥「木虎藍は2度死ぬ……」」

 
雑な感じですが嵐山隊おしまいです

こんなふうに隊ごとに取り上げていくと思います

次は明日で諏訪隊の予定

ではでは


空閑「なかなか……嘘もムズかしいな」

空閑「次は、つまんない嘘つこうか」

諏訪「よお、空閑ー」

空閑「これはこれは、すわさん」

諏訪「なんだお前。暇してんのか?」

空閑「ヒマといえばヒマしてるかな。すわさんこそ何してんの?」

諏訪「ああ、俺は……そうだお前打てるか?」

空閑「撃つ? 射撃トリガーならあんま使わないけど」

諏訪「ちげぇよ。麻雀だよ麻雀」

空閑「ほう。まーじゃん、とな」

諏訪「面子たんなくてよー。三麻は好きじゃねえしよ」

空閑(まーじゃん、何かの遊びか?)

空閑「まーじゃんね、出来るよ」

諏訪「お!本当か!? なら今すぐ打とうぜ。ほかの2人はもう集まってるからよ」


すみません
急な用事入ったのでで中断します


―――
――


小佐野「すわさん誰つれてくるかな」

日佐人「どうですかね。おサノ先輩がいるから冬島さんじゃないことは確かじゃないですかね」

小佐野「かける?」

日佐人「誰が来るかですか?」

小佐野「うん」

日佐人「これから麻雀やるんですよ……」

小佐野「むう」

諏訪「おーい、戻ったぞー」


日佐人「諏訪さん、おかえりなさい!」

小佐野「すわさん、おかえりー」

空閑「ほうほう。ここが諏訪隊の部屋か」

日佐人「玉狛の……」

小佐野「ちっちゃいのだー」

空閑「ちっちゃいのじゃないよ。空閑遊真だよ」

小佐野「ゆーまね。ゆーま」

日佐人「こんにちは、空閑くん」

空閑「どもーささもり先輩。こちらの方は?」

日佐人「うちのオペレーターのおサノ先輩だよ」


小佐野「やっほー」

空閑「やっほー? すわ隊のあいさつなのか?」

小佐野「そだよ。ほらほら、すわさんやっほー」

空閑「すわさんやっほー」

諏訪「っけ。いつまで下らないことしてんだよ。4人集まったんだからとっとと座りやがれ」

小佐野「はーい」

ジャラジャラジャラジャラ

空閑(むむ。とりあえずこの四角いのを混ぜれば良いのか?)

空閑(それを2段にして……なんの遊びだ?)

諏訪「仮親きめっぞー」シュ コロコロ

日佐人「あ、俺ですね。」シュ コロコロ

小佐野「ゆーま、親だね」

空閑「? 親?」

諏訪「やったことあるのか? 牌取るんだぞ?」

空閑「牌?」


小佐野「えーすわさんがまたルール知らな人無理やり拉致ってきたー」

日佐人「いくら面子たんないからって、それはよくないですよ」

諏訪「は!? ちげーよ! しかもまたって人聞き悪いこと言うなっての」

小佐野「でも、ゆーまがルール知らないんでしょ?」

空閑「すまんね、すわさん」

諏訪「は?」

空閑「このまーじゃんといかうやつは、見たことすらない」

小佐野「やっぱりーすわさんが無理やりつれてきたー」ブーブー

諏訪「だっから、ちげぇっての! おい、こら空閑。どういうことだよこれは」

空閑「まあ、なんとういかね。今日は嘘ついてもいいと聞いたもんで」


日佐人「ああ、なるほどね。4月1日ですね」

空閑「まーじゃんが出来るというのは嘘だ。なぜなら今日はエイプリルフールだからな」ドヤッ

小佐野「おー。えいぷりる」

諏訪「かー! くだらねー!! しょうもなさすぎんだろ!」

空閑「ふむ。今回はしょうもなかったのか。難しいなエイプリルフール」

日佐人「空閑くん。わざわざそのために、ここ来たの?」

空閑「そうだよ。あとはまーじゃんというものに興味があったのもあるけど」

諏訪「くー! なんか一杯食わされた感あるなー。おい日佐人。おまえも何か嘘つけ」

日佐人「それ、もう。嘘ってばれてるやつですよね……」


小佐野「まーまー。すわさんも、ひさともこれあげるから元気だしなよ」

諏訪「元気って、ただの飴じゃねえか!」

空閑「ほう。おさの先輩がなに咥えてるのかと思ったら飴だったのか」

小佐野「そうだよ。ゆーまもいる?」

空閑「せっかくだし貰っておこう」

諏訪「にしてもよ。別に無理して嘘つくことはないんだぜ?」

小佐野「そうそう。嘘つくと泥棒になっちゃうんだよ?」

空閑「なに。それは初耳だ」

日佐人「おサノ先輩。話が脱線しますし、空閑くんも信じなくていいから」

空閑「なんと嘘なのか」

小佐野「嘘じゃないんだけどなー」

日佐人「はあ……なんかこの2人疲れる」


諏訪「ったく。まあ……あれだ。せっかくだし麻雀覚えていくか?」

空閑「実は、待ってました」

日佐人「えと、じゃあ……っておサノ先輩なにしてるんですか?」

小佐野「うん。みんなにあげちゃったから。新しい飴持ってこようかと思って」

諏訪「飴って、お前咥えてたじゃねえか」

小佐野「だーかーらー。あげたってばー」

日佐人「え……自分が咥えてたやつもですか?」

小佐野「そだよー。すわさんに」

諏訪「……」ポロッ

小佐野「嘘だけどね」

諏訪「! おいおい脅かすなよ! 一瞬本気で信じちまったじゃねえか」

小佐野「まあ、本当はひさとにあげたよ?」

日佐人「え? お、おサノ先輩マジで言ってます?」

小佐野「と見せかけて実はゆーまにあげてたり」


空閑「なんと」

日佐人「おサノ先輩……」

諏訪「もう、わっけわかんねえ……」

小佐野「全部うっそー」

諏訪・日佐人「!!」

空閑「やるな。おさの先輩。みんな信じてたぞ」

小佐野「ぶい」

諏訪「……なあ、俺達ってこんなキャラだったか?」

日佐人「正直な話、オレはともかく諏訪さんの扱いはこんな感じですね」

諏訪「日佐人、お前なかなか言うようになったじゃねーか」


小佐野「楽しかった?」

空閑「おさの先輩にはいろいろ勉強させてもらいました」ペコッ

小佐野「うんうん。それは嘘ついた甲斐があったよ」

空閑「それじゃあおれはこの辺で。ありがとうございました」

小佐野「ばいばーい」

諏訪「おい! 空閑! 麻雀どうすんだよ!麻雀はよぉ!」

空閑「すまんね。すわさん。また今度だ」

空閑(だんだん嘘つくの楽しくなってきたぞ)


終わりです

おサノと遊真は仲良くなれる気がする

次回は那須隊の予定なので、また


那須隊の予定でしたが、話に収集つかなくなってしまし書き直すのでお待ちを。

代わりに今回は太刀川隊(太刀川さん出ないけど)


空閑「まだまだ面白い人たちがたくさんるな」

空閑「……まーじゃんは今度教えてもらおう」

出水「おいコラ唯我! いつまでも逃げてんじゃねえ!」

唯我「嫌だー断固拒否します!! これは訓練の域を超えてる! シゴキではないですか!」

出水「普通に訓練してたら、いつまでたっても追いつかねえだろうが! 過剰なくらいでちょうどいいんだよ!」

唯我「ひ、ひどい。人権団体を呼んでくれ! ここにボーダー内での深刻なイジメの真実がー」

出水「っく、このやろ……メガネくんの爪の垢でも飲ませてやりてえ」

空閑「いずみ先輩。何やってんの?」

出水「空閑か。ちょうど良いところで会ったな。ちょっとこいつを部屋まで運ぶの手伝ってくれ」

空閑「いいよ。で、これは誰なの?」

出水「……悲しいことにうちのメンバーだ」


――太刀川隊――

国近「おーちゃんと捕まえてきたー?」

出水「バッチリですって柚宇さん!」

空閑「どうも、お邪魔します」

国近「空閑くん、いらっしゃーい」

出水「ほら、さっさと準備しろ。逃げたのも合わせてとりあえず30戦な」

唯我「!! さっきすでに何十戦もしたではありませんか! それなのにまだ戦えと!? せめてブレイクタイムを~」

国近「そうだねー空閑くんも来てるし休憩するー? こないだのお菓子まだ残ってるよ~」

出水「柚宇さんが言うなら、あ、おれが準備しますよ!」

ホラ、オマエモコイ、ユイガ!
ヒエー、ナンデ、ボクバッカリ


国近「これねーこないだ三雲くんが持ってきてくれたんだよー」

空閑「ほう。修がどうやらお世話になってるみたいで」

国近「こちらこそだよー三雲くん来てくれると楽しいしー」

出水「メガネ君のおかかげでこのバカも少し真面目になったし」

唯我「何言ってるんですか! ボクが三雲くんにいろいろ教えてあげてるのではないですか!? 三雲くんがボクから教わることはあってもボクが三雲くんから教わることなんてあるわけない! このA級1位のボクが!」

国近「すーぐ調子のるー」

空閑「この人、本当に太刀川隊なの?」

出水「ああ、マジだマジ。嘘なら良かったんだけどな」


唯我「ところで、さきほどからさも当然のようにいるこの少年は誰なのですか?」

出水「メガネ君のところの空閑だよ」

唯我(……唯我>三雲。三雲=空閑。∴唯我>空閑)ピコンピコン

唯我「三雲くんのチームメイトだったのか! ボクは三雲くんに戦い方を教えいている唯我だ。気軽に唯我先輩と呼んでくれていいんだよ? 彼のチームメイトなら僕の弟子みたいなものだからね!」

『そりゃあれだ。唯我はボーダーのスポンサーの息子なんだ』

空閑(ふむふむ。これがあのゆいが……)

出水(なあ、空閑いいか?)ヒソヒソ

空閑(なに?)ヒソヒソ

出水(少しこいつと模擬戦してくれよ。見ての通り訓練嫌いでな。おれが相手だとボコボコにされのが分かりきってるから中々訓練もしない。その点空閑のなら……)

空閑(……なるほどね。良いよ。修がお世話になってるってみたいだし、何より楽しそうだ)

出水(さんきゅ! でもな唯我は各上の相手とわかったら途端に逃げ腰になる。だから――)ゴニョゴニョ

空閑(ほうほう。なるほどなるほど)フムフム


出水「というわけで! なんなら空閑にもレクチャーしてやったらどうだ? 唯我」

唯我「ボクがですか?」

出水「今自分でボクの弟子みたいなもんって言ってただろ。それに人に教えるのも勉強になる。おれとばっかり戦ってるよりも学ぶことは多いだろ」

空閑「お願いします。ゆいが先輩」ペコリ

唯我「!! 可愛い後輩にそこまでお願いされては、この唯我尊がひと肌脱ごうじゃないか!」

唯我(しかし玉狛の空閑……どこかで聞いたような気も……)

唯我「空閑、空閑、どこかで聞いたような……たしか緑川に勝ったとかいうのも……」

空閑「それは全部ただの噂だよ。おれはただの一般的B級のボーダー隊員。だから先輩に戦い方教えてもらいたいんだ」

国近「ほらーほらーこういってることだしーA級1位の唯我先輩?」

唯我「国近先輩……ようやくボクのことを認めてくれたんですね……よしわかった空閑くん!! 君の熱意は伝わった! さあ、10戦でも20戦でも教えてあげようじゃないか!」



―――
――



空閑 ○○○○○○○○○○
唯我 ××××××××××


国近「2人ともおつかれー」

空閑「ふー本当に弱いんだな」

出水「さんきゅー! おかげで良い訓練になった!」

アハハハハハハハハ

唯我「ちょ、ちょっと待ってくれー! これはおかしい! 聞いていた話と違うではないですか!!」

出水「何がだよ。良い訓練になったろ?」

唯我「ちがーう!! 最初の話ではボクが空閑くんに色々教えてあげるという話だったじゃないですか!? それがなんですか! ふたを開けてみたらこのボクがボロ雑巾のように10回も転がされてるなんて……さては嘘ついたのですね!?」

国近「空閑くんは鋼くんにもランク戦で勝ってるよ?」

出水「というかログぐらい見やがれ。だから足元すくわれるんだよ」

唯我「な、な、なんという……」


空閑「まあまあ、ゆいが先輩。今日は嘘ついても良い日だからな。どんまい」

唯我「え?」

出水「そうか、今日はエイプリルフールか」

国近「あー忘れてたよー。わたしも嘘つきたいなー」

出水「別に嘘つかなきゃいけないわけじゃないですし、そこは良いんじゃないんですかね?」

国近「うーむ」

唯我(よってかかって……くそ、なにか、なにか反撃の、そ、そうだ!)

唯我「国近先輩!」

国近「んー。どしたー?」


唯我「実はですね! ボクはこの間先輩がやってるゲームのデータを消してしまったんですよ!」

国近「……え?」

唯我「いやーいつ謝ろうかと思ってたんですが、良い機会があったので……あ、あれ」

国近「……唯我君? その話、詳しく聞きたいな」ニコッ

出水(やっちまったな唯我……)

唯我「い、いや。嘘ですよ? 嘘。ほ、ほらエイプリルフール、エイプリルフール……」

空閑(どうしたの?)ヒソヒソ

出水(柚宇さんいゲーム関係の冗談はタブーなんだ)ヒソヒソ

国近「うん。やっぱりね。言っていい冗談と駄目なのがあると思うんだよね」

唯我「はい……それは、もう」

国近「ねえ。唯我が言った冗談はさ一体――」


国近「――どっちの冗談だったんだろうね?」

ギャアアアーーー


出水「あー悪かったな空閑。変なことに巻き込んで」

空閑「いいよ。おれも楽しかったから」

出水「メガネ君にもよろしくな」

空閑「うん。またね、いずみ先輩」


―――
――


出水「おい、柚宇さんを怒らした罰として今から模擬戦50戦な」

唯我「もちろん、嘘ですよね? エイプリルフールの……」

出水「嘘だと思うか?」

ギャアアーーー


おしまいです

次は景浦隊か鈴鳴の予定

ではまた


あと今更ですが、呼称のミスの指摘ありがとうございました

こういのうあると自分も読んでて冷めてしまうので、気を付けていきます


少し間空きましたが投下していきます


空閑「もっと嫌な奴かと思ってたけど……結構楽しそうな奴だったな。ゆいが」

空閑「チームにいたら大変そうではあるが」

光「おい、ゾエ! あんま揺らすなよ。中で傷んだら困るからな」

北添「分かってるってヒカリちゃん。およ? あれは」

空閑「あ……かげうら隊の人たちだ」

北添「こんにちは、空閑くん」

空閑「こんにちは。えーと……」

北添「ゾエさんでいいよ。こっちはヒカリちゃん」

光「玉狛の空閑じゃん。なにやってんだ?」

空閑「ちょっと基地内をぶらぶらと」

光「ぶらぶら楽しいかー?」

空閑「うん。結構楽しかったよ。そっちは何やってんの?」


光(たしかユズルがこないだ連れて来たのも玉狛だったよなー)

北添「ヒカリちゃんの買い物にね。ゾエさんはただの荷物持ち」

光(ここは先輩としてユズルのためにできることがあるんじゃないのか?)

空閑「結構重そうだ。それなに入ってんの?」

北添「これは三門名物みかどみかんだよ」

空閑「みかどみかん……」

光「なあ、よかったらウチの隊室来るか―? いまならコタツもあるしミカンもあるぞー」

空閑「コタツか……そんなような暖房器具があるってオサムから聞いたことあるぞ」

ヒカリ「え! おまえコタツはいったことないのか!?」

空閑「うん。ないよ」

光「なら、なおさら来いよー気持ちいいぞー」

空閑「ふむ。そこまで言われると行かないわけにはいかないな」


――景浦隊――

空閑「これがコタツか……なんだか離れられなくなりそうだ」

光「だろーみかんも食うー?」

空閑「いただこう」

北添「やっぱコタツにはみかんですなー」

光「……なんでゾエはコタツに勝手に入ってんの?」

北添「えーまさか空閑くんが入っててゾエさんは駄目だったらソエさん泣いちゃう」

光「泣くならうるさくなるから、部屋の外でな」

北添「……」


空閑「ここだとコタツ入るにはひかりちゃんの許可がいるんだな」

北添「そうだよ。あのカゲだってここには基本近寄らないんだから」

空閑「なるほど。そういえば、かげうら先輩はいないね」

光「カゲならコウさんたちと出かけるってさー」

空閑「こう……むらかみ先輩か」

北添「カゲが出かけるときはだいたい鋼くんか荒船くん絡みだからね」

光「つーか、いまはカゲの話なんてどうでもいい!」

北添「と言いますと?」

光「空閑に来てもらったのは他でもなく、そっちのスナイパーの子の話聞きたくてな」

空閑「スナイパーってチカのこと?」


光「そうそれ! そのチカってこの話!」

北添(あれだけのトリオンがあったら、ゾエさんの適当メテオラも殲滅兵器になりそう……)

光「まわりくどいのは嫌いだからぶっちゃけて聞くとな――」

ユズル「ただいまー」

光「チカちゃんって誰かと付き合ってる?」

ユズル「!?」

北添「ユズルおかえりー」

光「おーユズルか良いとこに」


ユズル「な、なに聞いてんだよヒカリ! というかなんで玉狛が!?」

空閑「どうもお邪魔してます」

北添「たまたま廊下で空閑くんと会ったらヒカリちゃんが……ね」

光「いやーあたしはユズルのことを思ってな」

ユズル「だからって……いや、そもそも雨取さんのことは――」

空閑「おれの知る限りチカが誰かと付き合ってるって話は聞いたことないよ」

ユズル「!!?」

光「おお!! じゃあじゃあ好きな奴いるとかは!?」

空閑「好きな奴かーうーん。そういう話あんまりしないから確実とは言えないけどいないんじゃないかな。いまそれどころじゃなさそうだし」


光「聞いたかユズル! 良かったじゃんか!」

ユズル「だから、そういう好きとかじゃないってば!」

空閑(……ふーん)

光「なに恥ずかしがってんだよー。あ、それともあれか? じつはあっちのC級の子のほうが好みだったかー?」

ユズル「あーもう……とういかさヒカリはそんなに人のことばっか気にしてていいわけ? 自分が寂しいからってオレの話で盛り上がるのやめなよ」

光「なにおーそんな失礼なこというのはこの口か? この口なのか!」

ユズル「いふぁい! いふぁい!」


空閑「元気だね。みんな」

北添「ほんと毎日毎日騒がしくて。カゲがいないからからまだ良いけど」

空閑「ここにかげうら先輩も混ざるのか、それは見てみたいかもしれない」

光「じゃあ次は―」

ユズル「ヒカリ!」

光「ゾエ」

北添「はいはい。ヒカリちゃん」ガシッ

ユズル「ゾエさん離してって」ジタバタ


光「じゃあ空閑はチカちゃんからユズルの話聞いたことないかー?」

空閑「ユズル……」

ユズル「――――」ドキドキ

光「なんでもいいんだぞ。気になる子がいるとか、鉛弾のことで凄く喜んでたとか」

空閑「チカの鉛弾がどうした?」

光「あれー!? 聞いてない? あのライトニング+鉛弾は何を隠そうウチのユズルが伝授したのだ!」

空閑「なんと!」

空閑(あの作戦にはこういう訳があったのか、チカ)

光「で、どう空閑?」

空閑(正直ユズルとやらのことは聞いてないけど……)チラ


ユズル「……」

北添「……」

光「……」

空閑(それ言っていいのか? でも鉛弾のことはすごく喜んでたからなチカのやつ)

光「……」

空閑(やれやれ、だんだんおれにもオサムの面倒見がうつってきたかもな)

空閑「思い出した。たしか凄く喜んでたぞチカ」

光「ほ、ほんとうか!?」

空閑「うん。いままで戦力になれないって悩んでたからな、鉛弾のことでは凄く感謝してたぞ」

光「おお! 良かったじゃんかユズル! な? な?」


ユズル「う、うるさいなー確認しなくてもわかってるってば」

北添「よかったなーユズル」ホロリ

ユズル「ゾエさんまで何この空気……」

光「恥ずかしがんなよー」

ユズル「恥ずかしがってない!」

北添「ヒカリちゃん。ユズルはまさに思春期なんだからあんまからかわないでやろうよ」

光「そうだな。ここは暖かく見守っておくとしよう」

ユズル「だ・か・らー!! はぁ……もういい」


空閑「さてと。じゃあおれもそろそろ行くかな」

北添「空閑くんもう行くのー? ゆっくりしとけばいいのに」

空閑「すまんねゾエさん。今日は他にも行きたいところあるから」

光「そかー。ありがとなーいろいろ話聞かしてもらって」

空閑「こちらこそ。こたつというものを知れて有意義な時間だった」

ユズル「……」

光「ほら! ユズルも何か言え!」

ユズル「ああ……」

空閑「……」

ユズル「こ、このまえのランク戦……おめでとう。オレもゾエさんもヒカリも、もちろんカゲさんもまた戦えるの楽しみにしてるからって」

北添(このコメントはどうですか? ヒカリちゃん)ヒソヒソ

ヒカリ(まあ、すげえ遠回しな言い方だけど一歩前進したんじゃね?)ヒソヒソ

空閑「わかった。チカにも伝えておくよ」


おしまいです
太刀川隊に引き続き隊長はでないという……

次の更新でラストです
本編+没にした那須隊のショートショートになる予定

最後もよろしくおねがいします


始めます
先に蔵入り予定だった那須隊を

せっかく書いたので投下しちゃいます


空閑「迷った」

空閑(どこだ?)

那須「――はい。ありがとうございました。また、よろしくおねがいします」ガラッ

空閑「あ」

那須「あら。久しぶりね空閑くん」

空閑「……どこか以前でお会いしたような」

那須「那須玲よ。この前ランク戦で戦った」

空閑「ああ、言われてみれば確かになす先輩……でも少し雰囲気違うよーな」

那須「そう?」

空閑「うん。目とか、あとなんか雰囲気」

那須「いまは生身だからそのせいかもしれないわね」

空閑「そっか」


那須「空閑くんもどこか調子悪いの?」

空閑「そんなことないよ。どうして?」

那須「だってここ医務室がある区画よ」

空閑「なんと。そうだったのか」

空閑「どうりで、見慣れない場所だと……」

那須「私も最初のころそうだったわ。さすがに今では迷わなくなったけど」

空閑「ふむ。おれはいつまでたっても迷いそうだ」」

那須「私は隊室に帰るんだけど、空閑くんがどこか目的の場所はある?」

空閑「ないよ。今日は当てもなくブラブラしてるだけだから」

那須「でもこの先にはもう、何もないよ?」

空閑「そうなのか。じゃあもどろっかな。ここらへんはあんまり楽しくなさそうだ」

那須「確かに楽しいところじゃないわね……」


空閑「そういえばなす先輩は怪我でもしたの?」

那須「あ……私はそうじゃなくて――」

「――いたいた」

熊谷「探したよ、玲。少し遅かったかったし、何かあった?」

那須「ちょっと検査長引いちゃって、ごめんね熊ちゃん」

空閑「クマ=チャン?」

熊谷「なんか胡散臭い中国人みたいな呼びかたね……というか空閑くんも一緒だったんだ」

那須「そう。たまたま、そこであったから」


熊谷「空閑くんも医務室来てたの? なんかイメージないけど」

空閑「おれは違うよ、ただぶらぶらしてただけ」

那須「それで盛り上がっちゃったのよね」

空閑「うむ」

熊谷(玲が初対面の男の子とね……)

空閑「それでなす先輩は検査に来てたんだ」

熊谷「その話は……」

那須「ううん。熊ちゃん大丈夫」

那須「私ね。生まれつき体が弱くてね。それで、トリオン体でどこまで動けるかっていう、プロジェクトの一環でボーダーやってるのよ」

那須「だから、こうして定期的に検査してもらってるの」

空閑「なるほど。だから少し雰囲気も違うのか」

熊谷「ほんとほんと。それでトリオン体になると、あれだけ動けるんだからねー。アタッカー顔負けだよ」

那須「ふふふ」


空閑「それが嫌になったりはしないの?」

那須「」こうして手に入ったにはトリガー技術のおかげで、これだけ動き回れるようになったんだもの。とても感謝しているわ」


熊谷「玲……」

空閑「おれも訳あって生身の体は死にかけてるんだ」

那須「え?」

空閑「だからトリオン体で、不便なこともあるけど気持ちわかるなー。いま楽しいし」


『これからも、きっと楽しいことはたくさんあるさ。おまえの人生には』

那須「……」

熊谷「え……なんかすごいこと聞いちゃった気がして理解が追いつかないんだけど……」

空閑「そう?」

熊谷「だって玲の事情よりさらに深刻じゃない。死にかけてるとか。そんな聞いたことないし、そもそも聞いてよかったの?」

空閑「なるほど、そうなるのか……じゃあおれの話は嘘ってことで」

熊谷「は!?」

空閑「たしかに今回はおれがしゃべりすぎたかもしれん。だから全部嘘ってことで」

熊谷「聞かなかったことにして欲しいってこと?」

那須「良いじゃない。今日はエイプリルフールだし。ね」

空閑「そうそうエイプリルフール」ウンウン


熊谷「はぁ……わかったわよ」

空閑「あ、ここまで来れば道分かるな」

那須「そうなの、良かったら隊室来ればいいのに」

空閑「いや、もう充分話せたからまたにするよ。じゃあねなす先輩にくまちゃん」

那須「ばいばい。空閑くん」

熊谷「熊ちゃんって、もう何でもいいわ。じゃあね空閑くん」



程度の差はあるけれど那須さんと遊真って似てるなーと妄想した結果……

エイプリルフールネタに絡めるのでなく、きちんと那須さんと遊真で一本書きたい気がしますね

最後の話もあとで投下します

最後始めていきます


空閑(オサムはあらしやま隊とたちかわ隊。チカはかげうら隊)

空閑「なんだか、おれの知らない2人知った気がするぞ」

空閑「……玉狛にもこたつはあるのだろうか」

加古「あら。空閑くんじゃないの」

黒江(……クガ?)

空閑「カコさん、ひさしぶり」

加古「久しぶりね。調子はどう?」

空閑「相変わらず、絶好調です」

黒江「……」

加古「それは良かったわ。そうだ、空閑くん。双葉と初めて?」


空閑「ん。こっちの小さいののことなら初めてだな」

黒江(あんたの方が背低いじゃない……)

黒江「どうも。黒江双葉です」

空閑「よろしくなクロエ」

加古「うーん、やっぱり良いわねえ」

黒江「何がですか?」

加古「2人が並んでるとこよ」

空閑「おれとクロエ?」

加古「そうそう。あなたがウチの隊に入ってくれれば、空閑くんと双葉の小型かつ高性能なアタッカーコンビが出来上がるのになーと思って」


黒江「冗談はやめてください」

加古「あら。冗談じゃないのよ? 2人とも機動力は既にボーダーの中でもトップクラス。隊の新しい目玉になるでしょう。そういう意味では緑川くんはおしかったわねー」

空閑「緑川も昔勧誘したの?」

加古「緑川くんはねーイニシャルKじゃないから。残念よね。黒江とも名前似てるし対になる感じなのに」

空閑(くろえ、みどりかわ?)

黒江(黒江、緑川……)


加古「ねえ。あれから考えてくれた? 私はまだあなたのこと諦めてないわよ」

黒江「!? ほ、本気ですか? なんでこんな……」

加古「空閑くんの実力は本物よ。ここ最近では最高のKだわ」

空閑「どうも最高のKです」

黒江(こいつ……)

加古「どうかしら。空閑くん」

空閑「ふむ……」

黒江(ありえないでしょ)


空閑「前向きに考えてみようかな」

黒江「え……」

加古「言ったわね」キラッ

空閑「言いましたとも」キラッ

加古「じゃあ、さっそくで悪いけどウチの隊室に来て具体的な話でも――」

黒江「ちょ、ちょっと待ってください!」

加古「双葉、どうしたのよ」

黒江「あたしは認めてません! 5人目になるなんて」

加古「そうは言われてもねえー」


空閑「隊長が良いって言ってるから良いんじゃないの。クロエ」

黒江「……!」

加古「私としては皆が納得する方法が良いんだけど……」

黒江「……じゃあ、」

空閑「……」

黒江「あたしと勝負してくださいクガ先輩」

空閑「へぇ……」

加古「あら、面白そう!」


黒江「あたしたちも今回は遠征部隊目指してるんです。そうですよね?」

加古「そうね」

黒江「ここで、あたし負けてるようじゃあA級の中で遠征を目指すなんて夢のまた夢です。もし本当に先輩が推すような素質があるのであれば――」

黒江「力で見せてください」

――

「おいおい聞いたか」

「なになに?」

「A級の黒江とB級の空閑がランク戦するらしいぞ」

「マジで? 空閑ってたしか緑川に圧勝した……」

「そうそう入隊の試験で0.4秒出したっていう……」

「こないだの大規模侵攻では1人で黒トリガー追い返したってのも聞いたぞ」

「なら空閑で決まりじゃね?」

「まあ、そうかもなー」


米屋「なーんか面白いことになってんな」

緑川「でも順当にいったら遊真先輩じゃない?」

米屋「まーそうだけどよ。ただあいつのトリガーは割と初見殺しの構成だからなー」

緑川「あーたしかに」

米屋(10戦もやれば空閑が勝つだろうけど、はて……)

米屋「どうなることかねえ」

―――
――


空閑『何本にする?』

黒江『奇数がいいんで5本にしましょう』

空閑『OK』

キュイン


――個人ランク戦5本勝負 開始――

キィンキィン
ガッガ

黒江(速い……それに戦いなれてる)

空閑(結構鋭いな。弧月相手に受けに回ってたら落とされそうだ)

黒江(余計な時間はかけない。先手必勝)ダンッ

空閑(ん。距離を取った……)

黒江『「――旋空弧月」ズパッ!!
 
空閑「よっと」スッ

黒江「逃がさないよ」キィィィンンン

バチバチバチバチ

黒江「韋駄天」ザッ

空閑「!?」

空閑ベイルアウト
1-0 黒江リード


空閑(なんださっきの。一瞬だけど完璧に目で追い切れなかった……)

『研究室に頼んでトリガーを自分好みに改造できるわ』

空閑(……なるほど)

空閑「結構楽しめそうだな」


米屋・緑川「おー」

米屋「初見とはいえ良くやったな」

緑川「やっぱ韋駄天って速いよね」

加古「2人も見てたの?」

米屋「お、加古さんじゃないですか。ということはあれは加古さんの仕業っすか?」

加古「人聞きが悪いわねーあれは双葉が決めたことよ」

緑川「双葉が?」

米屋「そんなこと言っちゃってー。あいつが噛みついていくときはほぼ加古さん絡みのときじゃないすか」

加古「まあ、それは否定しないわ。そういえば緑川くんは空閑くんと仲良しなのよね」

緑川「そうだよ。よくランク戦一緒にしてる。ぜんっぜん勝てないけどね、こないだも3-7で負けたし」

加古「3-7……」

米屋「そういや加古さんはどっちが勝つと思います?」

加古「うーん順当にいったら双葉にはすこーし荷が重いのかもねー」

加古(機動性はほぼ互角。双葉の強みは旋空による間合いの長さと、空閑くんの知らない改造トリガー)



2本目

キィンキィン ザシュ

黒江(っく! 接近戦じゃ押される)ブシュウゥゥゥ

黒江(距離を取らないと)ダッ

空閑(間合いが空いた……)

黒江「――韋駄天」キイィィィィ

ザッ
バゥゥゥウンン

黒江「!?」

黒江(これはグラスホッパー!)

空閑「正面から突っ込んでくるなら、罠を踏ますくらいわけないね」ザンッ

黒江ベイルアウト


米屋「あれは鋼さんのときもやってた……」

緑川「グラスホッパー踏ませるやつだ」

加古「あのスピードに対して罠を張って待つとは。流石ね空閑くん」


黒江(やられた。あんな簡単なトラップに引っかかるなんて……)

黒江(これで1-1か、あと2本)

3本目

空閑(あのトリガー速いけど。動きが単純だし、なんとかなるかな)

黒江(こんどはより複雑な軌道を設定してしとめる)

黒江「韋駄天の底は……そんなに浅くないよ」

空閑ベイルアウト
黒江2-1空閑

―――
――


4本目

黒江ベイルアウト
黒江2-2空閑


黒江「あと1本……」

空閑(あのトリガーの強みはわかった。遊びはなしだ)

キンキン
ザシュザシュ

黒江(ここまできて)

黒江「負けらない……魔光!!」

空閑「___!!!」


空閑「いやーまさか最後まできて奥の手があるとはね」

加古「ウチの双葉もなかなかでしょう」

空閑「うん。見事に負かされました」

黒江(結局相手の知らない改造トリガーで不意打ち的に勝てただけ)

加古「約束だからね。私から誘っておいて悪いんだけど、空閑くんの勧誘はなしね」

空閑「いいよ、おれも気にしてないし」

黒江「あの! あたしから言い出して申し訳ないんですけど、勧誘なしにするってのなしにしてもらえませんか?」


空閑「お?」

加古「あら、どうしたの双葉? 試合前と言ってることが正反対だけど」


黒江「今回は5本だからあたしが勝ち越せましたけど、10本なら確実にあたしが負け越していました。クガ先輩はあたしなんかより本当に強かったです」

空閑「ふむ」

黒江「だから、その……もともとあたしより弱かったらって話で……でもクガ先輩はあたしより強いのは明らかだし……試合にはあたしが勝ったけど、それはまぐれというかたまたまというか……」

加古「……わかったわ。双葉は許せないのね。自分のことが」

黒江「……」

加古「そうね……ならこうしましょう」


加古「今回は約束通り試合に勝ったってころで空閑くんの勧誘はしないわ。でも、今度会うときには、また
勧誘させてもらうわね?」

黒江「……はい!」

空閑「ん。おれは何でもいいよ」

加古「そういうことだから、双葉そろそろ行きましょうか。舞と杏もラボに着いたみたいだから」

黒江「はい。クガ先輩、今日はありがとうございました。またお手合わせお願いします」ペコッ

空閑「おれも楽しかったよ。またやろうなクロエ」


空閑「ふう……」

空閑「次はどうしようかなー」

修「空閑!」

空閑「おーオサムか。なんか久しぶりな気がするな」

修「朝あっただろう? それより空閑来てくれ。小南先輩と烏丸先輩が大変なんだ」

空閑「ほう。なら帰らないとな、一体なにがあったんだ?」

修「ああ。実はあれから――」




空閑(嘘つくのも……悪くないもんだな)



終わりです

最後までありがとうございました

魔光は名前格好いいので本誌で見られるのが楽しみです

また近いうちに、ワールドトリガー題材になんか書くかもしれないので、そのときはよろしくお願いします

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