弟「はやくしろよ」男「待ってくれよ」(140)

弟「おい!お前は人を待たせすぎなんだよ!このヘタレ!」

男「兄に向かってヘタレとは何だ!」

弟「双子に兄とかは関係無いんですぅ!」

男「うぜーぞ早漏!」

弟「はぁ!?おおおおおおお前何で知ってんだよ!」

男「カマかけたんだよ!お前早漏なんだぷぷぷ」

弟「うぜえ!」

妹「・・・兄さん、遅刻するよ」

弟「お前のせいだ!ぶぁーか!」

男「んだと!お前が急かすから悪いんだよ!」

母「ほら早く食べちゃいなさいよ」

男「んー悪い!ギリギリだからもう出るわ!」

弟「ごめんな母ちゃん」

母「まったく・・・男、はいお弁当」

男「さんきゅ。じゃあいってきます!行くぞ弟!」

弟「はいよ!いってきまーす」

母「いってらっしゃい」


母「・・・男」

弟「お前ばっかり弁当、いいよなー」

男「お前の高校の学食のが羨ましいよ。幼稚園から私立の天才さんよぉ」

弟「お前と比べるなって!月とすっぽんだろ?」

男「自意識過剰うぜー」

弟「それに・・・ん、俺ちょっと忘れ物!」

男「あっ!・・・あいついつも忘れ物で戻って・・・遅刻しないのか?」

友「おっす」

男「おーおはよう」

友「いやー男くんよ!ちょっと頼みがあるんだけど」

男「宿題なら見せねぇ」

友「もー!けち☆」

男「野郎が星つけてもキモイだけだ」

友「昨日さ、駅前でナンパしようとしたんだけど女の子通らなかった」

男「こんなど田舎でしようとしていたお前に拍手だよ」

友「野郎に褒められても嬉しくねぇ!お前のとこの紹介してよ」

男「妹はやらん」

友「まぁ俺は年上好きだから!お前お姉さんいないの?」

男「俺と妹の二人だ」

友「ちぇっ」

男(この村では昔、双子狩りの伝説があった。今でも祖父母の世代は双子を疫病神と恐れている)

友「お姉さん大好きー!」

男「うるさい」

男(俺に弟という双子がいることは秘密にしなくてはいけない。弟もそうなんだろう)

実在しない弟?

女「あっ男くんに友くんおはよう」

男「!おはよ・・・」

友「おはよう女ちゃん今日も可愛いね!」

男「調子に乗るな」

女「仲いいねぇ」

男(俺が女ちゃんと仲良くしたいというのは秘密だ)

友「こいつ女ちゃんと仲良くしたいって思ってるぜ」

男「なにいってんだ!」

女「おー嬉しいなぁ。私もだよー」

友「よかったな!」

男「うるせぇ!」

友「なぁやっぱしダメ?」

男「ダメ」

友「お願い!今度ラーメンおごる!」

男「いいぞ」

友「単純なやつめ!」

男「俺は食欲に従順なんだよ」

友「性欲は抑えるのに?」

男「お前みたいな猿と同じにすんな」

友「いけず!!」

男「はいはい持っていけ」

男(まぁ、弟に聞いたとこばかりなんだけどな)

男(弟は昔から優秀だ。文武両道なあいつはいわゆるできる奴だ。何事もトロい俺はいつもあいつの後ろをついていっている)

男「・・・ん、シャー芯きれた」

男(姿はそっくりだと言うのに・・・大切なところが違ってしまったわけか)

男「・・・後で買おう」

友「男ーさんきゅー」

男「おう」

友「わかりやすかったけど・・・途中字変わってねぇ?」

男「!!」

友「お前・・・まさか」

友「お姉さんいるの!?」

男「・・・いねぇって言ってるだろ」

友「・・・だよな。この字汚いし・・・」

男「眠くて雑になったんだよ」

友「そうだよな・・・兄弟隠すなんて無いだろうしお前にお姉さんいる説は無いな」

男「・・・おう」

男(友の言うとおりだ。兄弟を隠す必要なんて普通はないだろう)

友「やべ!席戻るわ」

男(俺たちがもし他の地に住んでいたのなら・・・とは考えるがそれを望むわけではない)

先生「始めるぞ」

男(何だかんだでこの土地での生活が好きなのだ)

友「ぐえー疲れたー!」

男「叫ぶなよ・・・田舎はやけに声が通るんだから」

友「山やら田んぼやらだらけだもんな」

男「だな」

友「ところで男くんや。女ちゃんに告白はまだなのかい?」

男「アホなにいってんだよ!!」

友「恋は先手必勝だぜ?タラタラしてると取られるぞ」

男「・・・分かってるよ」

友「お前はじっくり型だろうけどさ、たまには型破ってもいいんだぜ?」

男「・・・おう。ありがと」

友「うわ!俺いいこと言ったわ!!」

男「台無しだな」

どうなるのか期待

友「んじゃまたな」

男「じゃーな・・・先手必勝、か・・・」

弟「よう、何悩んでんだ?らしくない」

男「うお!何時の間に!」

弟「お前がトロトロしてる間にだよ」

男「いつもパパッと出るから怖いんだよお前は!」

弟「人を幽霊みたいに言いやがって!!」

男「ただいま」

弟「無視するな!ただいま」

母「おかえりなさい」

弟「おれバイト行ってくる」

男「いいよなー賄い出るバイト」

弟「へっへーしかもがっぽりさ」

男「の割りには何も買わないよな」

弟「貯金趣味なんだよ」

男「いい趣味だ」

弟「褒め言葉だと思っとくよ。じゃあな」

男「いってら」

妹「兄さんご飯出来たって」

男「あいよ」

男「・・・食うと眠くなるな」

弟「ただいま」

男「おかえり・・・お前のバイト、終わるの早いよな」

弟「その分毎日出るからな」

男「そうか・・・眠い、弟ー宿題やってくれー」

弟「お前を放置する」

男「ひでぇ・・・」

弟「お前のためだ」

男「・・・何か忘れている気がするなぁ・・・いいや寝よう」

弟「・・・」

男「おやすみー」

弟「・・・おやすみ」

男「・・・朝か・・・宿題おわしてねぇ・・・」

弟「おはよう遅起きくん」

男「おはよう早起きくん・・・」

弟「 さっさと準備しろよ。昨日よりは早いけど」

男「飯食うか・・・お前はもう食ったのか?」

弟「おう。んじゃ俺は先行くわ」

男「早いな・・・」

妹「兄さんはやくー」

男「はいはい」

男「一人だと静かだな」

女「あ、男くんおはよう!」

男「女ちゃん・・・おはよう」

女「そういえば昨日男くん見かけたよ!」

男「え?どこで?」

女「駅の近くのコンビニだよー」

男「?」

女「いつもと雰囲気違ったから何かあったのかなって思って声かけられなかったよ」

男(弟か・・・)

友「グーテンモルゲンお二方」

女「友くんおはよう」

男「朝から騒がしいやつだな」

友「俺のとりえだからね」

男「迷惑なとりえだな」

寝る

友「みろよ!今日はちゃんと宿題してきたんだぜ!」

男「うお、珍しい」

友「やればできる!」

男「やればねやれば」

友「ん、ここ違ってた。シャーペン貸して」

男「ほれ・・・あ、シャー芯全然無いんだ」

友「え?・・・シャー芯あるじゃんか」

男「え?」

友「俺に貸すのがそんなに嫌か!」

男(弟か?でも、知っているはずがないよな?)

弟「あぁ、お前が寝ていた時借りようとしたら無かったからな」

男「んで、駅前のコンビニに行ったのか」

弟「よく分かったな」

男「同じクラスの女ちゃんがお前を見たらしいんだ」

弟「そうだったのか」

男「もし話しかけられたらどうするつもりだったんだよ」

弟「・・・」

男「双子だとばれたらヤバイだろ?」

弟「・・・男」

男「なんだよ」

弟「お前、その子好きだろ?」

男「はぁ!?」

弟「鼻の下伸びてんぞ。好きな子を話す時の癖だろ、それ」

男「えっ!?まじ?」

弟「昔からじゃねーか。それキモイからな」

男「うるせーお前も同じ顔だからな!?」

弟「脱線脱線。で、好きなんだよな?」

男「・・・おう」

弟「そうか。なら早く告白しろ」

男「はぁ!?流石に急かしすぎだろ!?」

弟「うっせーのろま」

弟「お前『もう少し距離を縮めてから』とか言うつもりだろ?」

男「もうす・・・なぜ分かった!!」

弟「お前は分かりやすいんだよ」

男「ちくしょう」

弟「まぁ、その考えも大切だな」

男「うわぁ珍しい」

弟「うるせー黙って聞け!というわけでお前は一ヶ月後にその女って子に告白しろ」

男「えー真面目に?」

弟「大真面目。そのため俺がお前を鍛えてやるよ」

男「・・・まじ?」

弟「馬鹿野郎!俺は結構モテるんだからだからな!」

男「同じ顔に言われても・・・」

弟「同じ顔だからこそ分かることもあるんだぜ?」

男「うへー」

弟「お前にとっては特になるからさ」

男「・・・分かった。やるよ」

弟「お願いします弟様だろ?」

男「うぜー」

弟「・・・というわけで『男と女のラブラブ大作戦』第一段は早起きだ!」

男「作戦名だっせえ!しかも内容も地味だな」

弟「うるせー!・・・女さんは真面目な子なんだろ?」

男「おう」

弟「そんな子にいつも遅刻ギリギリな上夜更かしで授業中寝ている奴がつり合うか!」

男「何で知っているんだよ!」

弟「カマかけたんだよ!ばーか!」

男「この前のこと根に持っていたのか」

弟「私語は慎むように!明日は・・・そうだ、六時に起きろよ?」

男「えっいつもよりかなり早いんだけど」

弟「朝にも特訓するんだよ」

男「・・・まじで?」

面白い



弟「うん、6時2分だ。少しオーバーしたけれど許容範囲だな。合格!」

男「・・・しかも起こしてくれないのな」

弟「人に頼っちゃ特訓じゃないだろ?おし、じゃあ二段目!いくぞ!」

男「・・・なにするんだよ」

弟「ミュージック・スタート!」

男「!?」

♪テーンテーレテテテテテーンテーレテテテテ

男「ラジオ体操じゃねーか!!」

弟「うるせー踊れ!!」

男「うわっ機敏な動き・・・」

弟「うわっ動き遅ぇ・・・」

男「・・・無駄に疲れた」

弟「ジジイか」

男「お前がガキみたいなちょっかいかけるからだよ!」

弟「何でお前ジャンプだけ異様に高いんだよキモーイ!!!」

男「うるせー!」

弟「おっと脱線。次は三段目だ!やっと本格的になるぞ」

男「お前もちょっと地味だと思ったのな」

弟「静粛に!・・・三段目はジョギングだ!村一周!」

男「うぇ!?この村異様に広いぜ!?体力無いし」

弟「その為の特訓だろ!体力ない奴がセ「おい!!」スなんて出来るかボケが!」

男「朝っぱらからんな言葉聞きたくなかったよクソが!」

弟「純情キャラを作っても無駄だ!おら行くぞ!」

弟「やっと駅だな。初日だしここらで休憩にするか」

男「かなり・・・疲れた・・・」

弟「こんなんでへばってどうすんだよ!遅いしさ」

男「うるせー・・・そういや・・・顔とか隠さなくて・・・いいのかよ」

弟「いいんじゃね?」

男「でも・・・」

「今日も可愛いね!うわぁぁあちゅっちゅちゅっちゅ!!」

「きめぇ」

男「仮にも駅だから・・・結構人来てるぞ」

弟「・・・俺がフードを被ろう」

男「おう」

友「あれ?男じゃーん!おはよう!」

男「友!?お前七時の電車じゃ無かった!?」

弟はいるが妹欲しかった

友「今日は朝練なんだよ・・・そう言うお前はなにしてんの?」

男「あぁ・・・ジョギングだよ」

友「おぉ、良きことかな!・・・やべ、俺もう行くわ」

男「んじゃ、また後でな」

友「おう、遅れんなよー?」

男「はいはい」


男「・・・友、お前について何も触れなかったな」

弟「さあな・・・お前、いい友達をもったな」

男「・・・まぁな」

弟「大切にしろよ?」

男「・・・分かってるよ」

男「・・・やっと終わった・・・」

弟「今の時点で6時51分だ。初回にしてはまずまずだな!」

男「え、初回って・・・」

弟「もちろん明日も明後日も行います」

男「えぇえ!!!無理!!」

弟「うるせー!サッサとシャワーでもして来いくっせーな!!」

男「うるせー!」


弟「・・・」

妹「・・・兄さん?いないと思ったら・・・どこに行っていたの?」

男「ん?あぁ、弟とジョギングしていたんだよ」

妹「そうなの・・・?まぁいっか。ご飯だい」

男「はいよ・・・弟はもう食べたのか?」

妹「・・・多分そう」

男「ふーん」

弟「おっ次シャワー借りるわ」

男「おー」

妹「・・・」

母「今日あんた早いわねぇ」

男「ん、ちょっとな」

妹「・・・ジョギングだって」

男「おい」

母「いいわねぇ!いつもこうだと嬉しいんだけど」

男「弟が言うからな」

母「そうなの?あんた体力無いからいいんじゃない?」

男「ちくしょう・・・」

弟「あがったぞー」

男「うぉ、早いな」

弟「まぁな」

弟「早く行くぞ」

男「えー待ってくれよ」

弟「おっせぇなぁ」

男「うるせー!・・・おし、行くぞ」

母「男!お弁当お弁当!」

男「あーありがとう!いってきます」

弟「いってきます」

母「いってらっしゃい」

妹「・・・」

男「友おはよう」

友「おっす!今日は早いなージョギング効果?」

男「まあな」

友「でもいきなりジョギングなんてどうしたんだ?」

男「ん?おと・・・友達に誘われたんだよ。俺と一緒にいた奴」

友「?お前、誰かと一緒になんて居たか?」

男「居ただろ?黒いパーカーの奴」

友「さぁ・・・?」

男「・・・?」

女「男くんおはよう」

男「あ、女ちゃんおはよう」

女「今日は早いんだね」

男「うん、ちょっとね」

友「ジョギングしてたんだってよ」

女「へぇ!凄いねぇ」

男「いや・・・」

友「照れるなって!」

男「うるせー」

男(今日は授業中寝ないですんでいるな)

先生「えーここを・・・友」

友「うぇ!?・・・あー、いやーその・・・」

男(友・・・弟がいる事に気付かなかった・・・)

友「・・・わかんないっす!」

男(・・・なぜかわからない・・・友、弟・・・)

先生「えー・・・じゃあ、男!」

男「えっ」

友「男、よろしく!」

男「・・・わかりません」

弟「おかえり」

男「ただいま・・・お前、さっき友と会ったよな?」

弟「あの短髪だろ?お前も居ただろ?」

男「だよな」

弟「何だよ」

男「友がさ、お前に気付かなかったらしいんだよ」

弟「見えなかったんじゃね?」

男「バスケ部三点ゴールの神とか言われている奴がか?」

弟「・・・知らん!バイトに行く!」

男「あっ!・・・なんだよ」

『おめでとうございます。双子ですよ』

『本当ですか!』

『・・・頑張れよ』


『ふふ、女の子かしら、男の子かしら?』

『女の子と男の子かもな。頑張ろうな』

『えぇ。・・・あなたと、この子達の為に・・・』


『・・・危ないかもしれません』

『・・・そんな』

『片方が助かっても、もう片方がということも・・・』

『あぁ・・・神様・・・この子達を・・・』

『・・・おかーさん』

『・・・ごめんなさい』

『ぼくの誕生日なのに何で泣いているの?』

『それはね・・・』

『それは・・・』

『・・・』



男「・・・妙な夢を見た」

男「・・・懐かしいような、不思議な・・・」

弟「おー起きたか」

男「弟・・・」

弟「5時54分、いい時間だ」

男「・・・」

弟「さ、特訓だ」

男「やっぱりキツイな・・・」

弟「でも6時47分だ。早くなっているぞ。次は休憩をなくそう」

男「あいよ・・・」

弟「学校から帰ったら四段目いくぞ」

男「うえー」

弟「ほら、学校行く準備しろー」

男「スパルタだなぁ・・・」

弟「あぁ?」

男「へいへい・・・」

弟「と言うわけで放課後だ」

男「うわっ!なんだこれ!」

弟「男はいまワニ叩き中だ」

男「げぇ!一斉に出てくんなよ!」

弟「トロい男にピッタリの反射能力のための訓練だ」

男「手がたりねぇ!!」

弟「それにしても・・・」

男「ぎゃああ!!」

弟「下手すぎだろ」

男「恐ろしいワニ達だ」

弟「恐ろしく下手だな」

男「黒フードの奴に話しかけられるとビビる」

弟「田舎とはいえゲーセンだからな。人がいるんだよ」

男「いつも小中学生とおっさんが二三人な」

弟「・・・」

男「今は誰もいないし」

弟「・・・まぁいいか」

男「え?」

弟「ほら、もう一回!」

男「何だよ」

『奥様は無事です・・・』

『!!』

『しかし、双子の、特に先に生まれた・・・兄に当たる子が危ない状態です』

『・・・そんな・・・!』

『・・・お子さんの両方が助かる可能性は・・・ほぼ0%・・・です』



『おかーさん?お誕生日のケーキ、ひとつ多いよ?』

『・・・ううん、いいのよ』

『ふーん・・・』

『・・・ほーら!乾杯しよう!』

『えへへ、乾杯!』

弟「おし、起きたか」

男(二週間も経つとやはり特訓の効果が出てきたことがよくわかるようになった。ただ・・・)

男「またか」

男(あれから毎日のように不思議な夢をみる)

弟「どうしたー?」

男(懐かしいような夢を)

男「何でもない!行くか」

弟「おう」

男(しかし何故か嫌な感じはしない)

女「おはよー男くん」

男「おはよう」

女「男くん最近えらいね!関心だよ」

男「そうかな?女ちゃんに比べたらまだまだだよ」

女「そんなことないよー」

男(これは)

女「?男くん?」

男「女ちゃん」

女「ん?」

男(チャンスだ)

男「週末って暇かな?」

弟「おお!デートか!」

男「そんな対したものじゃねーよ」

弟「えらいな!しっかし急だなぁ。明後日だろ?」

男「まぁな・・・うわあどきどきしてきた」

弟「純情ピュアボーイぶりやがって!」

男「それ何か死語っぽくね?」

弟「うるせー!よーしデートにそなえて特別訓練だ!」

男「まじかよ」

男(それから)

弟「筋トレも始めるぞ!!」

男(二日間)

男「え・・・なに鼻の下を鍛えるって・・・」

男(よく分からない特訓をした)

弟「早口言葉だ!」

男(そして・・・)

男「いってきます」

弟「・・・告白はまだでいいから頑張れよ」

男「あぁ」

男(当日が来た)

今日は寝ます

①①①①

男「えーと・・・あ、女ちゃん!」

女「男くーん」

男「ごめんな、待った?」

女「ううん!今来たとこ」

男(今のカップルみたいだ!!)

女「あ、なんか今のカップルみたいだね」

男「そ、そうだね」

男(言われると変に意識するな・・・)

男「んじゃ、まずどこに行く?」

女「あのね、この近くのショッピングモールにいきたいんだ」

男「じゃあそこに行こうか」

女「うん!」

女「わぁこれ可愛い!」

男「うん、似合っているよ」

女「へへ、買っちゃおう」

男「俺が買うよ」

女「えー悪いよ」

弟(奢れよ!!俺との約束だ)

男(弟・・・約束は守るぞ・・・!)

男「いや、いいとこ見せさせてよ」

女「えーんじゃ甘えちゃお」

男(よしっ!)

女「ありがとう」

支援

女「どれも美味しそうだよー」

男「オススメはこれかな」

女「おーんじゃそれにしよ!」

男「すみませーん」

ウエイトレス「はい、ご注文うかがいます」

男「クリームパスタとシーフードドリフで」

ウエイトレス「カップルでのご注文ですとデザートもおつけ出来ますが」

男「うぇっ!?」

女「あーお願いします」

ウエイトレス「かしこまりました。少々お待ちください」

男「お、女ちゃん・・・」

女「へへ、いいサービスじゃない」

男「う、うん」

女「カップルにみえるかな?まだ違うのにねぇ」

男「ま、まだ・・・ね」

女「あ、男くんこれ!」

男「え?これ・・・マフラー?」

女「うん。さっきのお礼!好きな色だったらいいなぁ」

男「うん・・・ありがとう。大切にするよ」

女「こちらこそありがとう!それから・・・」

男「うん?」

女「女」

男「え?」

女「女でいいよ?ちゃん付だと疲れちゃうよ?」

男「うん・・・女!・・・ちゃん」

女「惜しい!」

男「・・・女」

女「へへ、はーい男!」

男「!!」

ウエイトレス「ご注文の品届けにきましたー」

女「んーこれ美味しいね!!」

男「口に合って良かったよ」

女「はいあーん」

男「え?」

女「あーん!」

男「あ・・・あーん」

女「へへ、どう?」

男「お、おいしいよ」

男(味どころじゃねぇ・・・)

女「あーん」

男「うぇ!?」

女「あーん!」

男「は、はい」

女「おーこれも美味しいね!」

男「」

女「そういやデザートってなんだろねー」

男「そろそろ来るかな?」

ウエイトレス「お待たせいたしましたーデザートです」

男「これは・・・」

女「でっかいパフェだ!」

男(二人で一つを食べるというのか・・・」

女「よーし食べよ!」

男「うん・・・」

女「いただきまーす!」

男「いただきます・・・」

女「おーうまいうまい!」

男「んむ・・・なかなか」

女「んーうま」

男(頬にクリームが)

男「女ちゃ・・・女、頬にクリーム着いてる)

女「え!?どこどこ?」

男「んーもう少し下」

女「えーとってくれる?」

男「ん」

女「ありがとう」

男(な、舐めるべきか否か)

女「あまい」

男(・・・)


男(拭き取りました)

女「美味しかったね!」

男「うん・・・」

女「今日はありがとう!楽しかったよ」

男「うん・・・こちらこそ」

女「へへ、また行こうね?」

男「うん・・・」

男(今が・・・チャンス!)

女「んじゃまた学校でね!」

男(引き止めて・・・言わなくては!)

男「うん」

男(はやく!)

男「またな」

女「ばいばーい」

男(・・・)

男「くそおおおぉおおお!!!」

男「・・・」

「さむいなぁ」

「ぎゅー」

「可愛いなぁ」

男「・・・」

「あー誰か抱きしめてくれないかなー誰か」

「凍え死にしてろ」

「んぁあそんなところも好きちゅっちゅ」

男「・・・今日はやけに寒いな」

弟「・・・お前って思ったよりヘタレだな」

男「うるせー俺は紳士だ」

弟「自分で言うなよ・・・虚しくね?」

男「・・・」

弟「まぁ呼び捨て段階までいったなら大きな進歩だといえるな。よくやった」

男「ありがとう・・・え、何で知ってるんだよ」

弟「やべ」

男「つけやがったな・・・」

弟「・・・男のヘタレのための特訓を始めよう」

男「お・・・おう」

弟「俺は今からお前専用のカウンセラーだ」

男「頼りにならなそう」

弟「俺は心理学を学びたいんだ!」

男「しらねぇよ」

弟「夢も将来への希望もないお前も心理学してみたら?」

男「真似したみたいでやだよ」

弟「うるせー!・・・では男さん、何か悩みなどはありませんか?」

男「・・・自分に、自信が、ないのが・・・悩み・・・!?」

弟「なるほど」

男(いま・・・口が勝手に・・・)

弟「・・・まぁ、お前は昔からそうだよな」

男「・・・」

弟「覚えているか?幼稚園前のこと。家の近くに公園があった時だよ」

男「・・・五年前に本屋になったところか」

弟「あの公園でお前、近所のガキにいじめられてピーピー泣いていたんだぜ?おかしーの」

男「うるせーよ」

弟「あの時は俺が守ったけどさ、お前はもうガキにいじめられても泣かないだろ?」

男「そりゃな」

弟「当たり前だろ思うだろ?お前は精神的にも肉体的にも成長したんだからな」

男「・・・」

弟「年齢の割に成長してないかもだけど」

男「うるせー」

弟「とにかく、お前はその成長を誇っても良いんだぜ?」

男「・・・」

弟「それにお前は俺の兄弟だしな!」

男「自意識過剰」

弟「うるせー!でもどっちかっていうと俺のが兄っぽいよな」

男「まぁな」

弟「いじめられた時も泣いた時もお前を守ってやったからな!・・・生まれた時も」

男「え?」

弟「とにかく、お前は俺の守りが要らなくなったことに誇りを持てよ!」

男「何かよくわからないけど・・・ちょっと安心した。さんきゅ」

弟「ん」


弟「本当成長したよ・・・俺がいらないくらい」

今日は寝ます

『兄の方がどんどん弱っています』

『どうにかならないのですか・・・?』

『最善を尽くします・・・しかし』

『・・・』

『・・・覚悟は、していてください』


『こら!また妹をいじめて!』

『いもーとじゃなくておとーとがよかったよ!』

『またそんなこと言って・・・』

『いもーとなんか大嫌い!』

『お兄ちゃんでしょう?』

『う・・・うわぁああん!おかーさんも嫌い!うえぇえん!!』

『もう・・・』

男「あぁ・・・ついに来週か」

弟「・・・」

男「今から緊張してきた・・・」

弟「・・・」

男「おい弟?どうかしたか?」

弟「・・・うるせぇよ」

男「は?」

弟「うるせぇって言ってんだよノロマ」

男「おい、何だよいきなり」

弟「何回言わせんだよ?目障り耳障りなんだよ」

男「なんだ?八つ当たりかよ?」

弟「なんの努力もしてねーくせにぐだぐだへらへらしやがってよ・・・うぜーんだよ」

男「何だよ、俺だって一ヶ月頑張っているじゃねーか」

弟「全部俺がやってんじゃねーか!」

男「あぁ?感謝しろってか?ずっとしてるよ・・・ありがとよ」

弟「ちげーよ!違うんだよ・・・」

男「・・・俺が何かしたなら言ってくれよ・・・悪かったら謝るからさ」

弟「ちげぇよ・・・ちげーよ・・・」

男「・・・お前、意味わかんねーよ・・・」

弟「俺だってわかんねーよ・・・なんで俺なんだよ・・・」

男「・・・」

母「男、どうしたの?」

男「・・・別に」

母「・・・一週間暗い前から・・・へんよ?」

男「なんでもねーよ・・・」

母「そう・・・弟は?弟は起きたかしら?」

男「知らねー・・・部屋からでねぇし」

母「そう・・・」

妹「ごちそうさま」

母「はい・・・男も出ちゃいなさい」

男「・・・よう、当日だぜ」

弟「・・・」

男「お前が言ったことはムカつくけどさ、許してやるからさ」

弟「・・・」

男「だから出て来いよ・・・一人で特訓、頑張ったから・・・」

弟「・・・」

男「告白してくるから・・・」

弟「・・・」

男「・・・じゃあな」

弟「・・・」

友「おっはよーん」

男「友・・・おはよう」

男「友・・・俺、今日女ちゃんに告白するよ」

友「え!本当か!?」

男「放課後・・・呼び出そうと思う」

友「おぉ・・・ついにか」

男「友には今までいろいろ世話になったな」

友「何一生の別れみたいな言い方してんだよ!頑張って来いよ?」

男「ああ・・・ありがとう」

友「うへー男と女ちゃんがくっついたら俺ぼっちか!?」

男「なにいってんだ!まだラーメン奢ってもらってねーぞ?」

友「げーまだ覚えてた!!」

男「当たり前だ」

女「おはよう!」

男「お、おはよう」

友「おはー」

友(男、今がチャンスだ!)

男「お、おんなひゃん!」

友「おい!」

女「ふふ、女でいいって言ったのに!」

男「あっ!」

友「何時の間にそんな関係に!?」

男「うるせー!・・・・放課後、屋上に来てくれるかな?」

女「・・・うん、わかった」

男(放課後まであと五時間か・・・)

先生「わかるところまでは公式を使います」

男(特訓もしてきたんだ・・・大丈夫)

先生「かなり大きな数になりますがこれが正解です」

男(特訓・・・弟はどうしたんだ・・・急にあんなことを言って)

先生「例の5を・・・女」

女「はい」

男(女ちゃ・・・女)

『・・・』

『・・・同時に急変したんです。しかし兄の子がだんだん安定して・・・弟の子は・・・助けられずに、申し訳ないです』

『あぁ・・・』

『すみません・・・すみません』

『それでも・・・』

『ばーか!弱虫!』

『はは!へっぴり野郎ー!』

『いたいよ・・・やめてよ』

『このおもちゃは貰っていくぞ!』

『あばよ!泣き虫!』

『うぅ、うぇえぇえええん・・・』

『泣くなよ』

『え・・・?』

『みっともないだろ』

『きみは・・・ぼく・・・?』

『ちげーよ』



『 』

男「はっ!!」

男「ね、寝てた・・・?」

男(また・・・あの夢だ)

男(あれは・・・あれは、俺の)

友「やっと起きたか!」

男「友・・・今何時だ?」

友「バカ!もう放課後だぞ!?」

男「え、え、マジかよ!?」

友「バカ!何で昼休みも寝過ごしてん

男「やべぇ!」

友「早く行け!!」

男「おう!」

男(やべぇ・・・何言うかも分かんねぇ!)

男「あ・・・屋上入口・・・」

男「・・・」

男(今頃怖くなってきた・・・)

男(断られたら・・・いつも通りにはいかないぞ?もう話せないかもしれない・・・)

男(今日じゃ無くても・・・告白なんかしなくてもいいんじゃないか?)

男「やっぱり・・・帰ろう」


弟「逃げるのか?」

男「弟!?何でここにいるんだ?しかもそれ、俺の制服じゃねーか!」

弟「逃げるのか」

男「何だよ!なにしているんだよ?」

弟「逃げるのか」

男「何だよ・・・」

弟「今更逃げるのか」

男「・・・怖いんだよ」

弟「・・・」

男「断られたら・・・嫌われたらって・・・」

弟「・・・」

男「・・・今更だろうけどさ」

弟「・・・」

男「女ちゃんに謝って・・・今日はやめるよ」

弟「ばーーぁか」

男「・・・え?」

弟「そんなに嫌ならな・・・俺が言ってやる」

男「や、やめろよ!!結局俺が嫌われるんだ!」

弟「やってみなきゃわかんねーんだよ!」

男「弟!!」

弟「バカの変わりになってやる!!」

ガチャ

弟「女」

女「男」

男「やめろ!」

弟「聞いて欲しいんだ」

女「どうしたの?」

弟「俺は」

男「!」

弟「女が・・・」


男「俺は女が好きだ!!!」

女「!!」

男「・・・!!」

女「・・・ありがとう、嬉しい」

男「あ・・・今」

女「うん、ちゃんと聞いたよ」

男「・・・」

女「男の気持ち・・・」

男「・・・」

女「次は私の気持ちだね」

クライマックスか

女「・・・私も男が好きだよ」

男「!!」

女「よかったら・・・付き合ってください」

男「もちろん!こちらこそ!」

女「ふふ・・・よろしくお願いします」

男「こちらこそよろしく・・・!」

女「へへ、何か照れちゃうね」

男「うん・・・」

女「またデートしようね!約束!」

男「うん、約束だ」

女「へへ」

男「女ちゃん」

女「もー!おーんーな!!」

男「お、女・・・紹介するよ」

女「ん?」

男「こいつは・・・俺の兄弟だ。実は俺たちは双子なんだ」

弟「・・・」

女「へ?」

男「俺と女のために頑張ってくれた・・・」

弟「・・・」

男「だから女には本当のことをいうよ」

女「・・・男」

男「・・・うん?」



女「さっきから、誰のことを話しているの?」

きょうじゃねる

はい

男「え?」

弟「あーあ、ばれちゃったか」

男「何だよ?」

弟「おい、男。おかしいと思わなかったのか?」

男「・・・は?」

弟「俺と、お前がだよ」

男「何いってんだよ?」

弟「俺たちはここでお別れだ」

男「・・・!?どこだここ!真っ白だ・・・」

弟「ここはお前の意識の中・・・もとい俺の居場所だ」

男「はぁ?なに言ってんだ?」

弟「バカなお前のためにはっきり言おう・・・俺という人間は存在しないんだ」

男「・・・はぁ?なにいってんだ?お前は・・・俺の弟じゃねーか」

弟「そう、俺はお前の弟として生まれた・・・お前の意識の中で」

男「・・・え?」

弟「多重人格って知っているな?」

男「あぁ・・・いろいろな人格が一人の中にいることだよな」

弟「そう。俺たちはそんな感じだ。俺はお前の別人格のようなもんだ」

『ばーか!弱虫!』

弟「俺はお前が生み出した存在だ。母ちゃんから聞いた『いたはずの双子の弟』に憧れを抱いたお前がな」

男「なにいってんだ・・・お前は昔からいただろ?」

『うぅ、うぇえぇえええん・・・』

弟「『弟』がお前の記憶の途中から生まれるなんておかしいだろ?なんてったって双子だからな。昔からいるように記憶が改ざんされただけだ」

男「何でだよ・・・?」

『泣くなよ』

弟「お前は自分が嫌いだった。だから作り出したんだ、自分が出来ないことが出来る理想の弟を。二人で一人でいいように。自分の嫌いなところから逃げるように」

男「でも母ちゃんだって父ちゃんだって妹だってお前を知っていただろ!?」

弟「・・・俺はお前の別人格のようなもんだからな。お前が寝ている間だけ体を借りられるんだ」

『え・・・?』

弟「だから母ちゃんや父ちゃん、妹にすべて説明をして、協力してもらった」

男「え・・・」

弟「双子の家族を演じてもらったんだ。俺がいなくなるまで」

男「・・・」

弟「もちろん双子狩りの伝説も嘘だ。いないはずの弟の事を話すお前が奇怪な目でみられ、辛い思いをしないように・・・」

男「・・・」

『みっともないだろ』

弟「すべてお前が自分を嫌わないように。自分を愛せるようにだ」

男「・・・」

弟「いい家族を持ったな。お前は幸せだよ」

実は本当にいるって展開のほうが意表つけた気がする

弟「俺は消えなくちゃいけない」

男「何で・・・」

弟「お前は特訓で自信をつけることが出来た。嫌いなことから逃げないようになった」

男「俺はまだまだだよ・・・さっきだって」

弟「お前には女ちゃんがいるだろ?支え合うのが恋人だ」

男「でも・・・」

弟「もともとお前が隠し持っていた才能の塊が俺なんだ。それを特訓で吸いとられた後には良いものなんて残っていないよ」

男「弟・・・」

弟「俺はただの抜け殻になった。一週間前みたいに悪い感情を蒔くことしか出来なくなった」

弟「だから・・・」

男「弟、」

弟「俺たちはお別れだ。逃げるための人格が必要無くなった今がその時間だ」

『きみは・・・ぼく?』

男「なぁ・・・」

弟「俺は知っているんだ。お前の未来」

男「弟・・・」

弟「そのためにも早く消えなくちゃいけない」

『ちげーよ』

男「弟!」

弟「それが・・・俺の」


『お前の弟だよ』


弟「弟の最後の役目だ」

「じゃあな、男」

ふむ

女「おはよー!男!」

弟「おす」

女「ねぇ、宿題やった?」

弟「ん、わかんないとこでもあった?」

女「へへ、ちょっとね」

弟「んじゃあとで教えるから・・・ちょいと離れろ」

女「んーやだ!」

弟「おいおい」

友「おーす!男!女!」

弟「よう」

女「おはよー」

友「ひゅーお熱いねぇ!」

弟「うざ」

友「ショッキング!」

男「は・・・何で俺が消えそうになってんの?」

弟「言っただろ?人格はひとつしかいらないって」

男「え・・・?」

弟「今がその時間なんだよ。二つの人格が一つになるとき」

男「なにいってんだ・・・」

弟「お前が自信を持たない限り二つが一つになることはないんだ」

男「おい、弟・・・」

弟「最初からこれが目的だったんだ」

男「どういうことだよ・・・」

弟「まだわかんないのか?相変わらずだな。いいよ、教えてやるよ」


弟「消える人格はお前なんだよ、男」

弟「そもそも最初に死ぬのが俺だったのが間違いなんだよ」

男「あぁ・・・」

弟「何度お前を恨んだと思っているんだ?」

男「うわぁあ・・・」

弟「もっと生きていたかったよ・・・」

男「うあああぁあ」

弟「もう聞いていないのか・・・」

男「ああああああ」

弟「でも、後からお前は俺のこの選択に納得するはずだよ」

男「ああああああああぁああ」

弟「お前にぴったりの消え方だからな」

弟「じゃあな、男」


男「あああああああああぁあああああああああああああぁあああああぁあああああああああああ」

一気に面白くなってきたな

母「男ー!ちょっと買い物頼んでいい?」

弟「ん、何を?」

母「んーとね、お米五キロと・・・」

弟「まって、その時点で一人では無理だ」

母「えぇー!んじゃ・・・妹ー!」

妹「なに?」

母「ちょっと男と一緒に買い物いってくれる?」

妹「アイス買っていい?」

弟「ちゃっかりしやがって」

母「えぇー!?・・・もう、しょうがないわねぇ」

弟「んじゃいってくるよ」

妹「いってきます」

母「はーい・・・あっ!メモメモ!」

弟「おー桜咲いてきたな」

妹「・・・兄さん」

弟「ん?」

妹「・・・母さんに聞いたんだ。弟兄さんが本当の双子だったこと」

弟「・・・あぁ」

妹「もし生きていたらさ、あたしも弟兄さんと仲良くできていたかな?」

弟「・・・うん、絶対に」

妹「そっか・・・」

弟「・・・こんなことお前に言うのもあれだけどさ」

妹「・・・うん」

弟「生まれ変わったらまた、あいつと双子になりたいんだ・・・あいつはそう思ってないだろうけど」

妹「・・・そんなことないよ」

弟「・・・後にでもそう思ってくれるといいな」

妹「?」

弟「何でもない。ほら、早く行くぞ!」

女「えー今日は何と!私たちが付き合って十年目です!」

弟「そんなになるかぁ・・・」

女「ふふ、懐かしいね、初めてのデート」

弟「あぁ・・・」

女「たくさん思い出できたねぇ・・・」

弟「今からもっと増えるといいな・・・」

女「もう!増やすって言い切らなくちゃ」

弟「うん・・・女・・・女さん」

女「ん?」

弟「僕と結婚してください」

女「・・・!」

弟「・・・」

女「・・・嬉しい・・・嬉しいよ」

女「こちらこそ・・・」

男消えたか

弟「それじゃあいってきます」

女「はい、お弁当!」

弟「いつもありがとな」

女「これが私のお仕事だからね!ほら、娘ーパパをお見送りしましょ」

娘「ぱぱ、いってらっしゃい!」

弟「うん。はやく帰ってくるからいい子にしているんだよ?」

娘「はぁーい!」

女「いってらっしゃい」

弟「・・・」

弟(今日が運命の日だ。俺はこの日から男を・・・)

部長「今日は早めに終わったな。あがっていいぞ」

弟「お疲れ様でした。お先に失礼します」

同僚「お疲れ様でしたー」

弟「・・・」

弟(午後4時23分、一時間後には家につく)

弟(これは捻じ曲げることが出来ない。運命には・・・)

弟(男・・・お前のためなんだ)

弟(このドアを開ける時運命が始まる・・・)

ガチャ

弟「・・・ただいま」

「やべ、あいつもうきたのか」

「あっ隠れて」

ガチャ

弟「・・・女?」

女「あっ・・・」

友「・・・よう」

弟「友・・・」

女「今あなたに会いに来てくれたの」

弟「・・・」

友「久しぶり・・・」

女「今お茶いれるから・・・」

弟「・・・」

友「・・・」

友「気付いているんだろ?」

弟「・・・何にだよ」

友「女、俺と付き合ってんだぜ」

弟「・・・」

友「・・・」

女「お茶、くんできたよ」

友「女」

女「きゃっ」ガシャン

友「男に言ったよ。俺たちのこと」

女「!!男、違うの!!」

友「何が違うんだよ?」

女「あっ・・・」

友「お前言ってたじゃねーか?男より俺がいい俺がいいってさ」

女「・・・っ!」ブンブン

弟「・・・」

友「何だよ?毎回毎回愛してるとか言ってんのに?なぁ?」

女「・・・んっ・・・ちが・・・あっ」

弟「・・・」

友「なぁ?」

「ほらお前見られながらヤりたいっていってたろ?」

「んっ違う・・・違うの・・・」

「お前早いんだってな?こいつは満足出来ないんだってよ」

「んぁっ・・・はぁ・・・ん」

「女、お前が愛してるのは誰だよ?」

「あっ・・・あぁっ」

「なぁ?言わなきゃやめんぞ?」

「あぁあっ・・・やめないでぇ・・・」

「おら言えよ!俺とあいつどっちが好きなんだよ」


「・・・友、友が好きなの!愛してます!」

弟「・・・あぁ」

えんだああああああああ

娘「・・・まま?」

女「・・・!!娘・・・」

娘「まま、その人だぁれ?いじめられてるの!?」

女「娘・・・向こうにいなさい・・・」

娘「ままをいじめるな!!」

友「・・・あぁ?」

娘「いじめるな!!でていけ!!」ポコッポコッ

友「・・・うぜーんだよクソガキ」

バキッ

娘「あぐぅっ!!・・・」

娘「・・・」

女「・・・え?」

友「あぁ?死んだか?」

弟「・・・娘?」

娘「」

弟「なぁ?おい?」

娘「」

弟「・・・あぁ」

娘「」

友「ご愁傷さま!男くん」

弟「ーーーー」

いや殺しちゃったらこいつ人生終了だろ

弟「・・・」

友「」

女「ひぃっ・・・」

弟「おんな」

女「!!」

弟「あいしてるよ」

女「・・・!!こないでぇ!!」

弟「いっしょにいこうよ」

女「・・・!!」



弟「」

女「あぁ・・・」

女「ごめんなさい・・・」



女「」

男「・・・」

弟「こんな終わり方、だったんだ」

男「・・・」

弟「これは俺でもお前でも変わらないことだったんだ」

男「・・・」

弟「お前にはあまりにも辛すぎた・・・だから俺が変わったんだ」

男「・・・」

弟「納得してくれたか?」

男「・・・」

男「・・・ふざけんな」

弟「え?」


男「お前が許せない」

やはりビッチ

弟「なにいってんだよ?ずっと信頼していた友にも、永遠に愛すと誓った女にも裏切られたんだぞ?そんなの嫌だろ?」

男「・・・お前は」

弟「え?」

男「お前は女を愛していたか?」

弟「・・・あぁ。お前の代わりをする内に本当に愛していたよ。でも・・・」

男「ならさ」

弟「なんだ?」

男「その愛する女と結婚したときどうだった?娘が生まれた時どうだった?」

男「なぁ?幸せだと思わなかったか?思ったんだろ?なぁ!」

弟「あぁ・・・でもそれもすべて一瞬で消されたんだぞ?」

男「・・・お前は一瞬の不幸とたくさんの幸せ、どっちが重いと思うんだ?」

弟「俺はお前に不幸になってほしくないだけだったんだ・・・」

男「俺だって幸せを味わいたかったんだよ!!」

弟「!!」

男「俺だって女と結婚したかったよ!もう一度デートをしたかったよ!一緒に笑ったり喧嘩したり泣いたりしたかったよ!高校卒業したかった!大学のために勉強したりしたかった!娘が生まれる瞬間に出会いたかった!初めて喋ったり歩いたりしたところを見たかった!」

弟「ごめん・・・お前の気持ちを考えなくて・・・お前のためだと思ったんだ」

男「弟、俺はお前を恨んでいる」

弟「・・・!」

男「なぁ、何で俺じゃなくてお前が消えなかったんだよ・・・」

弟「・・・男」

男「弟」

弟「・・・何だよ」



男「」



弟「・・・あぁあ」

弟「うあぁあああああああぁあああああぁああああぁああああああぁああああああああああああああ」

男「俺はもう二度とお前となんて双子になりたくないよ」

看護師「娘ちゃん、お薬よ」

娘「・・・」ゴクゴク

看護師「・・・いい子ね」

娘「・・・看護師さん」

看護師「ん?」

娘「ぱぱとままは?」

看護師「・・・遠いところに行っちゃったわ」

娘「・・・あのね」

看護師「ん?」

娘「ぱぱが二人いたんだよ」

看護師「え?」

娘「ずっとね、ぱぱの後ろにね、ぱぱと同じ顔の人がいたんだよ」

看護師「・・・」

娘「わたしが生まれた時その人もにこにこしていたからね、この人もぱぱなんだって思ったんだよ」

看護師「娘ちゃん」

娘「いつもは悲しい顔なんだけどね、わたしが頑張るとぱぱと一緒ににこにこするんだよ」

看護師「・・・」

娘「わたしがままをいじめた人にいたいいたいされた時も泣いてくれたんだよ」

看護師「・・・そうだったの」

娘「だからね」


娘「どっちのぱぱも、大好きだったんだよ」



おわり

弟が消えるエンドと迷った。気分があれだったせいでこんなエンドになってしまったことを詫びます。


途中から面白かった



友は嫌なやつと言うより発狂してるように見えた

>>98から


女「おはよー!男!」

男「おす」

女「ねぇ、宿題やった?」

男「ん、わかんないとこでもあった?」

女「へへ、ちょっとね」

男「んじゃあとで教えるから・・・ちょいと離れろ」

女「んーやだ!」

男「おいおい」

友「おーす!男!女!」

男「よう」

女「おはよー」

友「ひゅーお熱いねぇ!」

男「うざ」

友「ショッキング!」

男「お前・・・薄くなって・・・」

弟「ん、時間だな。言っておくけどお前のことはずっっと見ててやるからな。失敗するとこも、恥ずかしいことも」

男「それは遠慮しろよ・・・」

弟「その代わり、お前が幸せになった時は誰よりも祝ってやる。だからさ、安心して幸せになれよ」

男「・・・ありがとう。俺のそばに居てくれて」

弟「やーめろよキモイな!お前には照れ隠しが一番似合うっつの!」

男「うぜー・・・俺だけが生きてること、恨んで無いか?」

弟「何でだよ?逆に嬉しいよ。お前が助かったこと」

男「弟・・・」

弟「だからさ、俺の代わりに幸せになってくれよ?あと・・・母ちゃんや父ちゃん、女さんを・・・幸せにしろよ?・・・それが最後の特訓だ」

男「弟・・・わかった。必ず成功させてやる!」

弟「おう・・・じゃあもうお別れだ」

男「・・・あぁ」

弟「じゃあな、男」

男「・・・じゃあな」

母「今日掃除してたらさ、昔のアルバム出てきたんだよ」

男「うおぉ・・・だいぶ年季入ってんな」

妹「あ、これ母さん達の結婚式?」

男「わかい」

母「そそ!美人だったのよ!」

妹「・・・あっこれ・・・!」

男「俺と・・・弟」

母「・・・二人とも危なかったのよ」

妹「いっぱい機械に繋がれてるね」

母「本当はあんたの方が危なかったのよ」

男「えっ・・・」

母「あんたが急変した時、弟も一気に悪くなって・・・あんたは安定して。あんたの代わりになったみたいだった」

男「・・・」

母「ちゃんと二人を無事に産めなくてごめんね・・・」

男「・・・ううん、母ちゃんには感謝しているよ。ありがとう」

母「・・・でもあんたが弟、弟って言い出した時はびっくりしたよ」

男「・・・ごめん」

母「そうじゃなくて!あの子が弟って名前だったこと、あんたには言ってなかったから」

男「・・・そうだったんだ」

男「・・・でも、俺に付き合ってもらって・・・本当にごめん」

母「何で謝るのよ!・・・それに、私もちょっと楽しかったし」

男「・・・え?」

母「見えないけど、本当に弟と生活しているみたいで。たまにあんたの体を借りて出てきたりとかしてたけど」

男「・・・」

母「あの子が生きてたらこんな感じだったのかなって」

妹「・・・もし、弟兄さんが生きてたら・・・私、仲良くできてたかな」

男「・・・うん、絶対」

妹「・・・へへ」

男「・・・もし生まれ変わったら、またあいつと双子になりたいな」

女「男ー!進路希望書いた?」

男「うん」

女「・・・へぇ、心理学?やっと決まったんだ!頑張ってね!」

男「もちろん・・・女は何なんだ?」

女「へへ、小学校の先生になりたいんだ」

友「え!?男のお嫁さんじゃなかったの!?」

男「何時の間に・・・」

女「ふふ、それはぜーったい叶うから!」

友「ちぇっ仲がよろしくて・・・男、実は俺も女ちゃんが好きだったんだぜ?」

男「そうだったのか!?」

友「まぁもう諦めたんだけどな!お前がいるし」

男「友・・・ごめんな」

友「ばーか!女ちゃんは任せたってことだよ!」

男「・・・さんきゅ」

女「ちょっと!こそこそしないでよー!」

女「わぁ!綺麗!」

男「ごめんな・・・十年目記念のデートなのにこんなところで・・・でも、俺ここが好きなんだ」

女「ううん、私も好きだよ?この丘からの景色」

男「よかった・・・」

女「・・・」

男「・・・女さん」

女「・・・はい」

男「・・・僕と、結婚してください」

女「・・・へへ」

男「うぇっ!?泣いてる!?」

女「ばーか・・・嬉し泣きだよ」

男「・・・」

女「・・・喜んで」

娘「ただいまー」

男「おかえり」

娘「おーパパ・・・ん?その大量の写真は何?」

男「お袋が送ってきたんだよ」

娘「へぇー・・・あっパパだ!」

男「高校の頃のだな。今のお前より二つ上の時だ」

娘「ふふ、ママもわかーい!・・・ん!?」

男「これは・・・」

娘「パパ・・・この人は!?」

男「えっ!?・・・い、従兄弟だよ」

娘「そ、そっくり・・・」

男(弟が写っているの・・・見えるのか!?)

男「・・・娘ーご飯だぞー」

『ちょっと!あんたパパの従兄弟だったの!?』

『んぁ?俺はこの家に憑く幽霊だっつの』

男「・・・え?」

『似てるとは思ったけど・・・』

『まぁ・・・実は従兄弟じゃ無いんだな』

『えっ!?』

『実は俺はあいつの・・・』


『弟だよ』

男「・・・まさか、なぁ・・・」


おわり

自己満足な男編エンドおわり
やっぱり何かクサくなる・・・

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