塩見周子「おにいたーん」 (15)

P「は?」

周子「お兄たん」

P「いつから俺は君の兄になったんだ」

周子「いつもよりフレンドリーな呼びかけ方を模索中でさー」

P「今まで通りPさんじゃダメなのか」

周子「んー、なんか面白みがないんだよね」

P「フレンドリーと面白みがどうして結びつくのか」

周子「細かいことを気にする男はモテないぞ?」

P「知らんがな」


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周子「お兄ちゃん、暇ー」

P「もう呼び方変わってるじゃないか」

周子「うーん、お兄たんはさすがにこの歳じゃきついよね。なんか媚びすぎっていうか」

周子「シューコちゃんは自然体が売りのアイドルだからねー。呼び方も自然に自然に」

P「あーそうだなー」

周子「お兄ちゃんジャンプ買ってきてよー。あと羊羹とリョクチャーも」

P「自然体すぎだろ。そうやってだらけてるから家を追い出されるんだぞ」

周子「あー知らない知らない。いいからサンデーかってこーい」

P「雑誌変わってるぞ」

周子「正直言うとノリで言ったからどっちでもいい」

P「いい加減すぎるな、この女」

周子「いちいち全部にツッコミ入れてくれるお兄ちゃんは結構好きだよ」

周子「ねーねーそなたー」ツンツン

P「他人のキャラをパクるな」

周子「あたしだって、お兄ちゃんが忙しそうにしてるならちょっかい出さないよ?」

周子「でもさー、さっきからこたつに足突っこんでだらだらしてるだけじゃん。それなら、シューコちゃんの相手よゆーでできるよね?」

P「俺は今年度最後のコタツの感触を味わうのに忙しいんだ。今日片付けるってちひろさんと約束しちゃったから」

周子「え、マジ?」

P「うん」

周子「それならそうと早く言ってよ。あたしもコタツの味を確かめないと」

P「さっきからずっと俺の向かい側で足突っこんでるじゃないか」

周子「これからは本気モードでコタツに入ります」

P「本気モードってなんだ」

周子「こう……なんか、足のほうに神経を集中させてうんぬんかんぬん?」

P「設定くらいちゃんと考えたらどうだ?」

周子「細かいことを気にする男はモテないぞー」

P「それ2回目」

周子「野暮なツッコミをするお兄ちゃんには足責めだっ」グリグリ

P「こら、コタツの中で足を暴れさせるな」

周子「どーよこの指使い。このまま足裏をくすぐっちゃうよーん」

P「やめんかっ、くすぐったい」

周子「ほれほれ~、ここがええんか? ここがええのんか~?」

P「エロオヤジか!」

周子「ねーお兄さまー」

P「まだ続けるつもりなのか」

周子「しっくりくるのが出てくるまでやめませーん」

周子「さすがですお兄さまー。みかんの皮を左手だけで剥くなんてなかなかできることじゃないよ」

P「どういたしまして」

周子「ところでお兄さま。あたしアイス食べたい」

P「冷凍庫に残ってるから自分で取りなさい」

周子「はーい」トテトテ


周子「たっだいまー」

P「おかえり」

周子「はー。コタツでぬくぬくしながら食べるアイスキャンディー。庶民には最高の贅沢だわ」

P「それはわかる」

周子「でしょ?」ペロペロ

周子「あ、一口食べる?」

P「まだみかんが残ってるからいいや」

周子「そっかー」

周子「………」

周子「ちゅぱちゅぱ」

P「………」モグモグ

周子「じゅっぽじゅっぽ」

P「変な音出しながら食べるんじゃありません」

周子「はーい」

周子「しかし、兄さんは全然取り乱す気配がありませんね」メガネクイッ

P「どこから眼鏡持ってきたんだ?」

周子「いつだったか春菜ちゃんがくれたやつ。度が入ってない伊達メガネだよーん」

P「そうか」

周子「で、どう? 知的に見える?」

P「……そうだなあ」

P「個人的な感想としては、眼鏡ないほうがかわいいかな」

周子「………」

周子「え、えっと。知的に見えるかどうかを聞いたんだけど……」

P「あっ」

周子「ま、まあ。ありがと……」プイ

P(まさかの照れ顔)

周子「さ、さっきはよくもやってくれたな馬鹿兄貴!」フッカーツ

P「照れをごまかすために強引にキャラを変えてきたぞ」

周子「不意打ちを食らったお返しに、今度はシューコちゃんが馬鹿兄貴を照れ顔にしてやろーじゃないか」

P「不意打ちって、別に俺はそういうつもりでやったわけじゃ」

周子「じゃあいってみよー」

P「もうキャラ戻ってるし。長続きしないやつだな」


周子「じーーー」

P「………?」

周子「じーーー」

P「にらめっこしてるのか?」

周子「そんなもんかな。この周子ちゃんの美貌を前に、果たして何秒目を背けずにいられるか」

周子「先に目を逸らした方が負け。負けたらなんか罰ゲーム。はい、よーいスタート」

P「すごい一方的にルール決められたあげくゲーム始められた」

周子「じーーー」

P「………」

周子「じーーー」

P「………」

周子「………」カアァ

P「………」カアァ

周子「あれあれ? Pさん、ちょっと赤くなってきたんじゃないの?」

P「そっちこそ、肌白いからかなりわかりやすいぞ」

周子「あ、あたしのは……そう、コタツでちょっとぬくもりすぎただけだから」

P「じゃあ俺もそうだ」

周子「む、強情な……」

P「そっちこそ……」




P「………」ジーー

周子「………」ジーー

P(今、何分たった?)

周子(ここまで来たら絶対に引けないね。かけた時間的に)

P「そ、そろそろギブアップしたらどうだ? もう顔真っ赤だし」

周子「Pさんのほうこそ、りんごみたいな色してるくせに……サレンダーは許されるだー」

周子(ていうかほんと早く降参して! 恥ずかしくて顔が熱くて限界っ)

P(こたつ入ってるせいで、余計に熱がたまりやすいのに……!)

P「……はあ、はあ」

周子「はあ、はあ……わかった。Pさんの根気には負けたわ」

周子「ドストライクな容姿を持つシューコちゃん相手に、よくここまでがんばりました」

P「だ、誰がドストライクだ」

周子「京都で一目見ただけでスカウトしてきたんだから、好みの顔なのは事実なんじゃないのー?」

P「………」

周子「まあ、今はいいよ」

P「そ、そうだな。今は我慢比べの勝負中だ」

周子「そうそう。だから、見事ここまでがんばったPさんには」スッ

P「?」


周子「ゴホウビ、あげなきゃね」

チュッ


P「………」

P「なっ、なあっ!?」バッ

周子「ふふっ♪」

P「な、なんでいきなりキス」

周子「頬だからセーフ」

周子「それと……今顔逸らしたから、Pさんの負けだよ」ニッコリ

P「あ………き、汚いぞ周子!」

周子「知りませーん。肉体的スキンシップがダメだなんて一言も言ってませーん」

周子「これぞ、妹特有の身体を使ったアピール攻撃!」

P「途中から完全に呼び方元に戻ってたくせに……」

周子「細かいこと気にする男は」

P「それはもういい」

周子「いやー、勝ったけどなにしてもらおうかなー♪」

P「はあ……あのなあ。いくら遊びだからって、気安くキスをするのはよくないぞ」

P「たとえ頬でもな」

周子「んー?」

周子「んー……いいんじゃない?」

P「なんで」

周子「だってキスは遊びじゃないし」

P「………えっ」

周子「なーんちゃって☆」

周子「ほいじゃ、あたしそろそろレッスンの時間だから」

周子「じゃあね~」


ガチャ、バタン




P「………」

P「な、なんだこの敗北感は……」



おわり

読んでくれた方々に感謝を
周子の自然体な感じが好きです

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