春香「大事な」響「休日」 (53)

・キャラ崩壊、口調注意

・春香と響がユニットを組んでいるという設定です

・「がなはるトーク!」の番外編みたいなものです

よろしくお願いします。

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チュンチュン チュンチュン

響「んっ……!朝か……」フワァ

春香「おはよう、響ちゃん!朝ごはんできてるよ」

響「んー、ありが――えっ?春香、何で居るの?」

春香「合鍵でだよ?」

響「違う。そういうことじゃない」

春香「今日は久しぶりに仕事がお休みだからね。一緒にどこか出かけようと思って」

響「……そのためにこんな朝早くから自分の家まで来たのか?」

春香「そうだよ?」

響「……はぁ、顔洗ってくるぞ」

春香「よし、じゃあ朝ごはん食べようか!どう?我ながら上手くできたと思うんだよ!」

響「いただきまーす。……うん、まぁまぁかな」

春香「えぇ~!?そこはウソでもおいしいって言ってよ~」

響「春香の顔が目の前になければもう少し美味しく感じられたんだけどな」

春香「なるほど、緊張して味が分からないんだね!」

響「そうじゃないんだけどな……」

春香「まぁまぁ、せっかく響ちゃんのために奮発したんだから!」

響「とはいっても、これうちの冷蔵庫にあった食材だろ?」

春香「ううん、違うよ?」

響「えっ?」

春香「えっ?」

響「――本当だ……。冷蔵庫の中身、まったく変わってない」

春香「でしょ?ちゃんと買ってきたんだから!」

響「それじゃあ、偶然作ろうと思ってたものが同じだったわけか……」

春香「そうみたいだね」

響「ありがとうな、春香。いくらだった?」

春香「いいよいいよお金なんて!朝から響ちゃんの顔が見れただけでわたしは満足だから!」

響「じゃあ、朝から春香の顔を見たから千円払うな?」

春香「わたしの顔はプライスレスだからね?罰金対象じゃないよ?」

響「モグモグ」

春香「~♪」

響「どうした春香?病気か?」

春香「違うよ!さっきの出来事を思い出してね~♪」

響「さっきの出来事?」

春香「うん、わたしが響ちゃんとまったく同じ食材を買ってきたこと」

響「それがどうかしたのか?」

春香「いや~、わたしたちって似たもの同士だなぁ~って!知ってる?夫婦ってどんどん感性とかが似てくるらしいよ?」

響「……気のせいだぞ」

春香「気のせいじゃないよ!もう、照れちゃって!響ちゃんはかわいいなぁ~」

響「……そうか。――ドッペルゲンガーを見たら死期が近いらしいな。……消し去るしかないか」

春香「響ちゃん、そこまで似てるとは言ってないよ?さぁ、包丁を見つめるのはやめよ?」

ピンポーン

春香「誰か来たみたいだよ?」

響「……あっ、すっかり忘れてだぞ!」

伊織「お邪魔しまーす。……って春香、あんたが何でここに居るのよ!?」

春香「昨日はお楽しみだったんだよ」

響「そうだな。春香とワニ子のデスファイトは見ものだったぞ。ワニ子のデスロールが完璧に決まったんだよな!」

春香「それ、わたし死んでるよね?」

伊織「……ちょっと響。こっち来なさい」

響「あぁ、わかったぞ……」

春香「ん?わたしは?」

伊織「ちょっと待ってなさい」

春香「うん」クルクル

伊織「……何してんの?」

春香「だって『舞ってなさい』って」

伊織「しょうもないボケしてんじゃないわよ!」

伊織「……」コソコソ

響「……」コソコソ

伊織「……!」コソコソ

響「……」コソコソ



伊織「ふぅ、待たせたわね」

春香「ううん、別にいいよ。――ところで響ちゃんはどうして顔が真っ赤なの?」

響「うぐっ……」

伊織「まぁ、響にもいろいろあん――」

春香「もしかして耳元で伊織にずっと卑猥な言葉を囁かれたの?」

伊織「どうしてそんな発想になるのよ!ばっかじゃないの!」

春香「それで何して遊ぶ?」

伊織「あんたは本当にマイペースね……。とりあえず街に出るわよ」

春香「了解!」

伊織「ほら!いい加減響もしゃっきりしなさい!」

響「わかったぞ……」

…………

春香「さぁて、何しよっか?」

伊織「そうね……とりあえずそこのデパートに行きましょ」

春香「伊織、あのデパートね。屋上に遊園地はないんだよ?」

伊織「知ってるわよ!」

響「あのデパートって屋上に柵あったっけ?」

春香「響ちゃんはわたしを突き落とす計画を練らないでね?」

伊織「とりあえずデパートに着いたわけだけど……春香、あんた何か見たいものある?」

春香「特にないけど……強いてあげれば響ちゃんかな?」

響「春香って会話の流れ読める?」

春香「今のは伊織の質問が悪かったよ」

伊織「人のせいにしてんじゃないわよ!」

春香「まぁ、もともと二人で遊ぶ約束してたんでしょ?わたしは二人についていくよ」

伊織「あら?以外と優しいのね?見直したわ」

春香「ふふん!」

響「その優しさ……!お前、さては春香じゃないな!」

春香「ちっ、ばれたか……。そう、わたしは怪盗二十面――」

伊織「こんなとこで恥ずかしいコントしてんじゃないわよ!みんなこっち見てんじゃない!」

…………

響「とりあえず雑貨屋に来たぞ」

春香「へぇ~、色々な物が置いてあるね」

伊織「そうね、中々面白そうなところじゃない」

春香「あっ、これ伊織に似合うんじゃない?」

伊織「どれどれ――って鼻メガネじゃない!」

春香「伊織の顔だと何しても似合うよ!」

伊織「ま、まぁそうね。――ってこれだとその肝心の顔が隠れるでしょ!」

春香「意外!伊織って頭良かったんだね!」

伊織「バカにしてんじゃないわよ!」

春香「ふふっ、……ところで響ちゃんは?」

伊織「さぁ?トイレじゃない?」

春香「伊織ってデリカシーがないよね?そんなんじゃ社会で生きていけないよ?」

伊織「なんでそこまで言われなきゃなんないのよ!」

響「落ち着け伊織。春香は自分より下の存在を探そうとして必死なんだ」

伊織「なるほど。それなら納得ね」

春香「響ちゃん、帰ってきてそうそうにわたしのメンタルを削るのはやめてね?」

伊織「あんた、もう用は終わったの?」コソコソ

響「うん。ちょうど良さそうなのがあったんだ」コソコソ

伊織「そう。予想よりだいぶ早かったわね」コソコソ

春香「なになに?何の話?」

響「このデパートの屋上って柵あったかな?って」

春香「まだその話続いてたの!?」

伊織「よし!それじゃ時間も良い感じだし、どこかでお昼食べましょ!」

響「そうだな」

春香「あっ、わたしちょっとお花摘みに行ってくるから出口で待ってて!」

響「天国に良い花が咲いてるらしいぞ」

春香「そういう意味じゃないし、もしそういう意味だとしてもわざわざ天国まで行かないからね?」

伊織「つっこみがくどいわね。2点!」

春香「伊織は何なの?評論家なの?」

響「じゃあ、出口で待ってるからな」

春香「えぇ!?一緒に来てくれないの?」

伊織「あんたが先に行っててって言ったんじゃない!」

響「このデパートのトイレって上開いてたよな?」

春香「水をぶっかけられる未来が見えたから一人で行くね?」

響「自分も行くぞ?」

春香「No thank you!!」

伊織「めちゃくちゃ発音いいわね……」

…………

春香「お待たせー、待った?」

響「大丈夫だぞ」

伊織「お腹すいたから早く移動するわよ」

…………

春香「そしてファストフード店に到着だね!」

伊織「わたしはイタリアンがよかったんだけどね」

響「お金がもったいないからな。このぐらいで十分だろ」

春香「ところでさ、二人の学校での様子ってどんな感じ?」

伊織「どうって言われても……」

響「普通だぞ」

春香「はい!ダウト!春香さん人形はボッシュートです!」

響「今日の春香はテンションがぶっちぎってるな」

伊織「頭のネジが抜けてんでしょ――あれ?いつもどおりね」

響「そういえばそうだな」

春香「不肖ながらわたくし二人の学校での様子を想像してみました」

響「これ以上ないくらい迷惑だぞ……」

伊織「ほんとね……」

春香「まず響ちゃん!『日直になったはいいが、黒板の上のほうに書いてある文字が消せない!』」

響「そんなことないぞ!」

伊織「あぁ~、分かるわ」

響「伊織まで!」

伊織「落ち着きなさい。事実でしょ?」

響「事実じゃないぞ!」

春香「えっ?届くの!?」

響「届くぞ!――台があればだけど……」

春香「なーんだ」

響「ぐっ!」

春香「でもよかった。上のほうに手が届かなくてプルプルしてる響ちゃんは実在したんだね!」

響「だから台があれば大丈夫だって言ってるだろ!」

伊織「ほんとに大丈夫なの?」

響「うっ……まぁ、目一杯手は伸ばすけどさ……」

伊織「やっぱりプルプルしてんじゃない!」

響「プルプルはしてないぞ!」

伊織「じゃあどうやって上のほうを拭いてんのよ?」

響「こう、ピョンって」

春香「そっちのほうがかわいいじゃん!ピョンピョン響ちゃんだよ!」

響「うぎゃー!ピョンピョン響ちゃんってなんだよー!?」

春香「いやー、いい話が聞けて満足しました」ムフー

伊織「ほんとね、かわいいところあるじゃない」ニヒヒ

響「うぅ……もう!」

春香「恥ずかしくなると語彙力がなくなる響ちゃん、かわいい」

春香「はい、じゃあ次は伊織!『授業を真面目に受けようと思っても仕事の疲れで寝てしまう』!」

伊織「失礼ね!ちゃんと起きてるわよ!」

春香「はい!ダウト!春香さん人形はボッシュートです!」

伊織「なんでもかんでもそれ言っときゃすむと思ってんじゃないわよ!」

響「うーん、たしかに寝てる伊織は想像できないな……」

伊織「でしょ!あったりまえじゃない!この伊織ちゃんよ!」

春香「ところがギッチョン!そうはいかんでゲスYo!」

伊織「あんたはまず話し方を統一しなさいよ!」

春香「伊織がいくら真面目でも人間の三大欲求には勝てないよ」

響「三大欲求って『食欲・性欲・睡眠欲』か?」

春香「そう!うちだと食欲が貴音さん。性欲と睡眠欲が美希だね」

伊織「あんたは美希に恨みでもあるの?」

春香「でも性欲とかガチで決めたら小鳥さ――」

響「はいはい、やめやめ!この話はおしまいだ!」

春香「昨日はずっとお仕事で疲れがたまってるのに、今日はプールの授業があり、給食もお腹いっぱい食べちゃった」

伊織「……」

春香「次はマニュアルどおりの授業しかしない先生。そして伊織に容赦なく襲い来る睡魔!そして伊織は――」

伊織「悪かったわね!寝たことぐらいあるわよ!」

春香「ふふん!」ドヤッ

伊織「なんでドヤ顔なのよ!腹立つわね!」

響「伊織、店員さんに鉄板借りれるか聞いてこようか?」

春香「しゃれにならないからやめてね?」

春香「で、伊織の寝方を想像してみました。こんな感じです」

春香「――」カクリカクリ

伊織「ちょっと!なんで白目で頭カクカクしてんのよ!」

響「……」プルプル

伊織「あんたも笑いこらえてんじゃないわよ!」

響「は、春香。も、もう一回……!」プルプル

伊織「リクエストしてんじゃないわよ!」

春香「OK!」

伊織「やるなあぁぁっ!!」

春香「それで美希も想像してみました」

響「絶対ろくなもんじゃないからしなくていいぞ」

春香「そんなことないよ!」

伊織「ふーん、じゃあやってみなさいよ」

春香「見ててね、絶対納得するから。『ふふっ、二人きりだね……。放課後の校舎ってなんだかドキドキするね……。ねぇ……来て――』」

伊織「いかがわしいのよ!!」

響「ほらもう、見れるもんじゃなかったぞ……」

春香「二人はそんなに美希のことが嫌いなの?」

伊織「そっちなはずないでしょ!あんた頭わいてんじゃない!?」

春香「あっ、そうか!二人は勘違いしてるよ!」

響「勘違いする余地なんてなかったぞ……」

春香「違う違う。これね、相手は生徒じゃなくて先生だよ?」

伊織「どっちでもいいわよ!」

春香「よくないよ!単位がとれなくて先生を誘惑する美希の図だから!」

響「中学は義務教育だぞ」

春香「知ってるよ!でも美希は単位でないんだよ!」

伊織「言ってることめちゃくちゃじゃない!」

響「春香は美希のことになると毒舌になるよな……」

春香「美希のことが好きだからね」

伊織「じゃあ、それに見合った態度を取りなさいよ!」

春香「好きだからこそ毒舌になってるんだよ!」

伊織「ただの小学生じゃない!」

響「体は大人、頭脳は子どもだな」

春香「まぁまぁ、次は亜美だよ。亜美はね――」

…………

春香「ふぅ、すっかり話込んじゃったね!」

響「そうだな。最後のほうは店員さんがすっごいにらんできたもんな」

伊織「まぁ、たまにはこんな休日もいいかもしれないわね」

春香「あっ、そうだ。はい、響ちゃん」スッ

響「ん?なんだこれ?遺書か?」

春香「まずこれ紙じゃないよね?」

春香「まぁ、あけてみてよ」

響「それじゃあ――ん?リボン?」

春香「そう!響ちゃんにプレゼント!響ちゃん覚えてる?今日はユニットを結成してちょうど一年だよ!だから、おトイレ行くふりして買ってきたんだ~♪」

響「あぁ、あのときトイレに行ったのはそういう――」

伊織「何やってんのよ!先越されちゃったじゃない!」バシッ

響「いたっ!痛いぞ伊織!」

伊織「あんたがグズグズしてるからでしょ!」

春香「えっ?先って?」

伊織「ほら、あんたも覚悟を決めなさい!」

響「ふぅ、わかったぞ……。春香、いつもありがとう。そして、これからもよろしく……」スッ

春香「えっ!?響ちゃん、これって……」

伊織「一人でプレゼント買いに行くのが恥ずかしいからってわざわざこの伊織ちゃんを呼んだのよねー」

響「ぐっ、別に……。絶対来てとは言ってないし……」

伊織「はいはい。――でも、春香が居たときは驚いたわ……」

春香「ねぇ、開けてもいい?」

響「……あぁ、そのために買ったんだしな」

春香「えーっと――あっ、かわいいチョーカー……」

響「は、春香は自分がいないとダメだからな!逃げられないように首輪しとかないと!」

伊織「ふ~ん、素直じゃないわねぇ」ニヤニヤ

春香「響ちゃん!」

響「な、何?」

春香「ふふっ、大切にするからね!」

響「あ、あぁ……。自分も、自分もリボン大切にする……から」

春香「ふふっ、ありがと♪」

伊織「あ~あ、甘いったらありゃしない。この空気砂糖の味がするわね」

春香「伊織、どうしたの?舌が馬鹿になった?」

伊織「あんたはほんとブレないわねぇ……!」

春香「ふふっ、響ちゃん。これからもよろしくね!」

響「あぁ、もちろんだぞ!」

伊織「さっ、じゃあ帰りましょ。もうそろそろ暗くなってくるし」

春香「そうだね。ふふっ♪」

響「春香……」

春香「ん?何?」ニコニコ

響「ニヤニヤしてて気持ち悪いぞ……」

春香「最後までそれ!?」

響「ふふっ、冗談だぞ――これからもよろしく……な」ニコッ

春香「うん!」ニコッ

伊織「ちょっと!置いてくわよ!」

春香「今行くよー!――ねぇ、響ちゃん」

響「ん?なんだ?」

春香「絶対トップアイドルになろうね!」

響「――あぁ!」



END

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

お目汚し失礼しました。

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