提督「大井さんってさ」 (98)

提督「かわいいよね?」


北上「そーだねー」


提督「あの容姿、近代化改修の時に他の艦娘への心配、魚雷を見た時のはしゃぎっぷり」


北上「うん」


提督「あと夜戦火力とか、その時の喜びよう、かっこいいね」


北上「まぁ、夜戦火力は私にも言えるけど」


提督「そして、極めつけはあの笑顔!!最高だね」


北上「うん、概ね理解できるよ」


提督「それで、俺は彼女にカッコカリを申し込もうと思うんだが」


北上「はいそこストップ」

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提督「ん?」


北上「いや、うん。好きだからケッコンカッコカリを申し込むってのはわかるんだけどさ」


提督「うん」


北上「いきなりというか唐突過ぎると思うんだよね」


提督「そうか?他の提督は結構こんな感じって聞いたけど」


北上「まぁ、そりゃそうだけど」


提督「あれか?親友だから安易にさせたくないとかか?」


北上「いや、反対はしないよ。提督がしたい、大井っちがしたいってことなら反対する理由もないからね」


提督「だろ?だから早速」


北上「だから待ちなって」

提督「なんなんだよー。あ、それか大井さんの魅力をまだうまく伝わってない?それなら」


北上「さっきのやつメインに小一時間聞かされてるんだから伝わってるよ」


提督「じゃあ何がダメなんだ!!」


北上「んー....しょうがない。一回私部屋に戻るよ」


提督「うおい!!なんでだよ!!」


北上「ちょっとやることあるからその後で。じゃね」バタン


提督「あ、おい!!」

北上「ふー....で、大井っちどうすんの?」


大井「....別に」


北上「あーまぁそう簡単に決めれるようなもんじゃないだろうし」


大井「あのですね、私は北上さんと一緒にいるのが一番の幸せなんですよ?誰があんな男....」


北上「素直じゃないなー」


大井「私の言ってることが本心です!!」


北上「まぁ、私は大井っちがそうしたいならそうすればいいと思うけどね」


大井「え?」


北上「さっき提督にも言ったように大井っちがカッコカリしたいなら反対しないし。逆に言えばしたくないなら別にしなくていいってことだよ」


大井「き、北上さん」


北上「親友としてはそんな感じだよ」


大井「し、親友....」ズーン


北上「ん?どったの?」


大井「い、いえ別に....」


北上(まぁ、盗み聞きするぐらいだし、嫌ってことはないだろうけどね)

提督「うーん....北上さんは結局何が言いたかったのか」


球磨「ん?提督どうしたクマ?」


提督「あ、球磨の姉御」


球磨「姉御はやめるクマ」


提督「はい」


球磨「で、何廊下で唸ってたクマ?」


提督「いや、さっき執務室で」



球磨「なるほど」


提督「だけど北上さんにそれは待ったほうがいいと言われてさ」


球磨「ほう」


提督「なんでかなーってさ」


球磨「それで唸ってたと」


提督「しょうゆうこと」


球磨「オヤジ臭いクマ」


提督「(´・ω・`)」

球磨「うーん、提督何かしたクマ?」


提督「何か、何かかぁ」


球磨「例えば大井の好きな食べ物食べたとか」


提督「子供か」


球磨「魚雷を他の艦娘に積んだとか」


提督「大井さんには最高の魚雷と甲標的を同伴させてるよ」


球磨「むー、だったら何が原因クマ?」


提督「というかそもそも大井さんが好きという前提で話してる会話だよなこれ」


球磨「....あー、そういうことかクマ」


提督「へ?」


球磨「提督、道は厳しいかもしれないクマ。でも頑張るクマ」


提督「え、え?」

提督「球磨も行ってしまった....」


多摩「にゃ、提督どうしたにゃ」


提督「球磨の次は多摩か」


多摩「にゃ?」


提督「多摩なら知ってるか?」


多摩「にゃんだ?」




提督「というわけなんだが」


多摩「ふむふむ、にゃるほど、理解したにゃ」


提督「なんかわかるか?」


多摩「....わかるにゃ」


提督「ほんとか!?」


多摩「ほんとにゃ」


提督「教えてくれないか!?」


多摩「ふふふ、いいにゃ。ただし、それなりの報酬はいただくにゃ」


提督「なん....だと」


多摩「他人の情報を手に入れるんにゃ、対価は必要にゃ」


提督「くっ、なにが欲しいんだ」


多摩「まずは焼き魚を無料で多摩に提供するにゃ」


提督「焼き魚?まぁそれぐらいだったら」


多摩「ちなみに10年分にゃ」


提督「10年!?」


多摩「情報のためなら安いにゃ」


提督「致し方ないか....」

多摩「次に」


提督「まだか!?」


多摩「情報」


提督「くっ」


多摩「多摩のプライベートルームを作るにゃ」


提督「ふぁ!?」


多摩「エアコンこたつ完備。ガ○○リ君もにゃ」


提督「....仕方ない自腹で払うしかない」


多摩「ふふふ、さぁこの契約書に判を」


提督「くそう....」

木曾「おーい多摩姉」


多摩「にゃ!?」


提督「あ、木曾嬢」


木曾「提督もいたのか。こんなところで何してるんだ?」


提督「いや実はな」


多摩「て、提督やめるにゃ!!」


提督「え?」


木曾「なんだこの紙?」ピッ


多摩「にゃ!?」

木曾「え、と」


多摩「か、返すにゃ!!」


木曾「待て待て、一つ、提督は多摩に焼き魚10年分無料で提供する。一つ、提督は多摩のプライベートルームを建造する義務を有する」


提督「情報と引き換えに多摩へやる報酬の契約書だよ」


木曾「情報?にしても結構な額になりそう....おい、多摩姉」


多摩「にゃ、にゃんだにゃ?」


木曾「ここの項目はなんだ。ここは」


提督「なんかあったのか?」

木曾「自分で確かめてみろ」


多摩「やーめるにゃ!!」


提督「なになに?一つ、提督は多摩に対して忠誠を誓い、奴隷となる義務を、って奴隷!?」


多摩「ちっ、ばれたらしょうがにゃいにゃ!!」ピューン


木曾「あっコラ!!ったく」


提督「はー、詐欺とかってあんな感じなのか」


木曾「うちの姉が犯罪者予備軍だってことに戦慄が走ったぞ....。んで、お前なんであんな契約書に判、押そうとしたんだよ」


提督「あー、実はな」



木曾「んで北上の姉貴の渋る理由が知りたいって?」


提督「そうそう、木曾嬢は何か知らないか?」


木曾「つってもな、部屋は違うし、そもそも北上の姉貴と大井の姉貴とは最近会わないしでそこまで知らな....」


提督「?どうした?」


木曾「いや、でもあれは....」ブツブツ


提督「なんだよ」


木曾「いや、この前さ」

数日前



木曾「....ん?大井の姉貴の声か?」


大井北上の部屋


木曾「....何してんだ?」チラ


大井「....」


木曾(なんか真剣に見てるな)


大井「....これでいいかしら」


木曾「ん?」


大井 ギュッ


大井「あぁ、北上さん」ゴロゴロ


木曾「....いつものことか」





提督「ちょい、それはいつもの大井さんの日課じゃないか」


木曾「まぁ、そうだな」


提督「木曾嬢、あなたがボケになったらカオス空間になるぞ」


木曾「本題はここからだよ」






木曾「いつも通りだな」


大井「....ぅ」


木曾「ん?」


大井「ていとく....」///


木曾「....え?」

提督「....」


木曾「....あまりのギャップに思わずそこから走り去ってしまった」


提督「想像したら鼻血が....」


木曾「おいなに出してんだよ」つティッシュ


提督「お、ありがとう。女子力高いね木曾嬢」キュッ


木曾「球磨姉と多摩姉見てたら自然とこうなったんだよ」


提督「ふむ?上の二人だけということは、北上さんと大井さんは」


木曾「うん、まぁ常識的だな」


提督「ということはカッコカリおkということだな」


木曾「うん、うん?」


提督「よし、これならいけるな!!ありがとう木曾嬢!!」


木曾「え、ちょ」


提督「じゃ、指輪渡してくる!!」


木曾「お、おい!!....行っちまった」




提督「大井さん!!」バァン


北上「んおびっくりしたー」


提督「あ、あれ?大井さんは?」


北上「んーなんか提督の気配感じてどっかに行ったよ」


提督「なん....だと....」


北上「....で?」


提督「でって?」


北上「理由わかった?」


提督「....全然わからん。だがしかし!!大井さんが俺のことを少なからず好いている!!その確認が取れた!!」


北上「....ほー」


提督「というわけで指輪を渡しに来たのだ」

北上「....はぁ」


提督「ん?どうした北上さん?」


北上「提督、やっぱやめたほうがいいよ」


提督「なんでだよ、北上さんさっきは反対しないって言ってたじゃないか」


北上「反対しないって言ったけど賛成もしないってことだよ」


提督「なんだよそれ、矛盾してるじゃないか」


北上「矛盾してないよ。さっき言ったことは私が中立だってこと。場合によっては賛成派にも反対派にもなるってことだよ」


提督「....」


北上「それにさっきも言ったよ。大井っちが嫌じゃないなら別にいいって」

提督「だ、だったら大丈夫だろ?さっき確認が取れた情報があるって言っただろ、それがほんとなら」


北上「大井っちは嫌だってさ」


提督「は!?どういうことだよ!?」


北上「私からは何にも言えないよ。そういうことは本人から聞いてみたら」


提督「....なんなんだよ」




北上「....行ったかー。大井っち、提督行っちゃったよ」


大井「....」ガチャ


北上「結局、大井っちの納得できそうなことは何も言わなかったねー」


大井「....納得もなにも」


北上「あー、私がどうたらとかの言い訳はなしだからね」


大井「....」

北上「そりゃあさ、あの提督ならそんな風になるのは仕方ないと思うけどさ、それで逃げ回るのはどうなのさ」


大井「別に逃げてなんか」


北上「昨日は普通にしゃべってたじゃん」


大井「それは!!あの....」


北上「ほら逃げてるじゃん」


大井「....北上さんひどいです」


北上「こんな大井っち久しぶりだからねーハハハ」

大井「....もう」


北上「で、どうするの?」


大井「どうするって....」


北上「別に後でもいいけどさ、今すぐ解決したほうが大井っちも、それに提督もいいんじゃないかな?」


大井「北上さん....」


北上「さっき提督にはああ言ったけどさ、どうせなら幸せになってほしいんだよ。だから私は中立でいるべきなんだよ。何事も」


大井「....」




提督「うーん....。なんでだめだって言われんのかなー」


電「提督?どうしたのです?」


提督「ん?電か」


電「はいなのです。電なのです」ビシッ


提督「相変わらず礼儀正しいな」


電「これがいつも通りなのです!!」


提督「ははは、やっぱり相変わらずだな」


電「なのです!!」

提督「....そうだ、電。ちょっと聞きたいことがあるんだが」


電「なんですか?」


提督「....俺ってさ長所ってある?」


電「長所....ですか?」


提督「うん、ちょっと気になってさ」


電「長所....長所ですか....」


提督「ああ」


電「突然どうしたのです?」


提督「いや、実はさ」




提督「....って訳なんだよ」


電「な、なるほどなのです」


提督「それでさ、じゃあなにが俺ダメなのかってのがわかんなくてさ、そもそも俺に長所はあるのかって思っちゃってさ」


電「そ、それで私に?」


提督「そうそう。それに電なら正当に評価してくれそうだからな」


電「か、買いかぶり過ぎなのです」


提督「買い被ってないさ。で、なんかないか?」

電「長所、長所....」


提督「え、もしかして俺本当に無い?」


電「い、いえそういうわけではないのです」


提督「じゃあ、なにがあるんだ?」


電「ちょ、長所というか短所にも近いというか」


提督「長所で短所?なんか北上さんみたいなこと言うな」


電「....提督は正直者なんです」


提督「正直?まぁ嘘はほとんどついたことはないけどさ」


電「それが長所であって短所でもあるのです」


提督「はぁ?」

電「提督はいつも正直に真面目に感想などを言うのです」


提督「嘘ついたところでいいことなんてあんまないしな」


電「私はそれは正しいと思うのです」


提督「そ、そうか」


電「でも、たまに怖いのです」


提督「怖い?」


電「はいなのです」


提督「別に怖がる要素なんてないだろ」


電「いえ、怖いのです。嘘をつくということがあってこそ信頼があると思うのです」


提督「んなことないだろ....」

すんません寝ます

がんばる

電「本当なのです。最低でも、大井さんはそうだと思うのです」


提督「大井さんが?」


電「はいなのです。そして、私たちも形は違うけど今、怖いのです」


提督「はい?」


電「提督が正直者だからこそ怖いのです」


提督「意味わからんのだが」


電「嘘をつくとは冗談を言うこともできるということなのです。冗談というのは情報の前置き、その人から収集でき情報でもあるのです」


提督「冗談が?」

電「例えばなのです。もし、私が、提督が好き、と言ったとするのです」


提督「え、マジで!?」


電「冗談なのです」


提督「お、おう」


電「このように提督は少なからず驚くと思うのです」


提督「実際驚いて落ち込んだな....」


電「そして、実はこれが本当だとするのです」


提督「え、へー」


電「このようにある程度の余裕が生まれるのです」


提督「はーなるほど」

すみません
電の一人称を間違えていました
申し訳ありませんでした。

電「でも、これは嘘をつくときがある人が言うからなのです」


提督「ん?」


電「つまり、その人の冗談に慣れてるからなのです」


提督「確かに電は冗談言わないから驚いたな」


電「それは提督も一緒なのです」


提督「ほう、ん?」

電「提督は正直者なのです。それはいいことなのです」


提督「正直なことに越したことはないからな」


電「でも逆に言えば言うこと全てが真実ということなのです」


提督「....おう」


電「大井さんは提督が好き、そして、提督は大井さんが好き。それは提督の口からきいた言葉。電たちはそれは悲しいです」


提督「....」


電「....ごめんなさいなのです。でも、耐えきれなかったのです」


提督「....そっか、でもごめんな。それが俺の性分だから」

電「....いいのです」


提督「うん、ありがとな」


電「....ふふふ。それでは、電は行くのです」


提督「おう」


電「失礼しますのです。....あ、司令官さんもう一つ言うことがあったのです」


提督「?」

電提督の方本当に申し訳ありません。
電の提督呼びは司令官でした。
一人称に続いて申し訳ありません。

司令官さんでした。

電「司令官さんはもう少しデリカシーを持つべきなのです」


提督「で、デリカシー?」


電「これで本当に失礼するのです」


提督「あ、おい!!....行っちゃったよ。....あ、大井さんが何が怖いか聞くの忘れたな」

大井「....」


提督「あ、お、大井さん」


大井「あ、提督....」


提督「さ、探したよ。ちょっと大井さんに話したいことがあってさ....今、大丈夫?」


大井「....」


提督「あー、えっと....」


大井「....いいですよ」


提督「そ、そっか。じゃ、じゃあちょっと執務室....はちょっとあれだな....。そうだ」


大井「?」


提督「俺の部屋に来てくれないか?」




大井「お、お邪魔します」


提督「う、うん。適当に座って」


大井「....」ストン


提督「ごめんな。でもあんま聞かれたくないっていうか」


大井「!....そうですか」


提督「うん」


大井「ふぅ....それで、聞きたいことって何ですか?早く、北上さんの元に行きたいんですけど」


提督「....え?用事あったの?」


大井「あ、えと、間違えました。うん」


提督「?」


大井「そ、それで?」


提督「お、おう」


大井「....」


提督「.....」


提督(やばい....聞こうと思ったことがわからなくなった)

大井「....」


提督(さっきまで聞こうと思ったのはなんだったっけ?いや、そもそも聞くことだったっけ?)


大井「あの、提督?」


提督(俺って、結局何をしようとしたんだ....)


大井「提督~?」


提督(....どうしよう)


大井「お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛い!!」パァアン


提督「ヘブラァ!?」

9時(`・ω・´)

大井「は!!ごめんなさい提督!!大丈夫ですか?」


提督「うぐぉ、だ、大丈夫。むしろすっきりした」


大井「え?」


提督「ふぅ、大井さん」


大井「は、はい」


提督「単刀直入に聞きたい。俺のことは好きですか?」


大井「あ....」


提督「わからない?」


大井「....はい」


提督「....どうして?」


大井「....提督は正直なんですよ」


提督「そうですね。冗談すらも言ったことはない」


大井「そうね....全部真面目に正直に言っているように見えました」


提督「見えた?」

大井「ええ、人は誰しも嘘や冗談を言います。北上さんも言っていたし、私だってさっき提督に嘘をついてしまった」


提督「....」


大井「でも、提督は一切言いませんよね?」


提督「うん、さっきも言ったけどそれは」


大井「それは本当に本心から言っていますか?」


提督「....は?」

弾薬1万までたまったら書き始めます
しかし、今になってみるとひどいな(´・ω・`)
変なテンションは変な物しか作り出さないのか....

大井「本当に私のことが好きなんですか?」


提督「....好きに、決まってるだろ?」


大井「だったら、なんでそんなべらべらいろんな人に言っちゃうんですか!」


提督「それは....」


大井「百歩、千歩譲って北上さんはいいですよ、私と同じころにこの鎮守府にきて古参の一人ですし」


提督「まぁ....」


大井「でも、姉さんたちや木曾、電にも言うってどういうことなんですか!!」


提督「....」

大井「他の女性に自分の好きな人のことを言うなんて!!」


提督「....結構あることじゃないのか?」


大井「確かに世間一般でそういうこともあるかもしれません!!でも、ここは艦娘のいる鎮守府です!!なんでもかんでも誰にでも正直に」


提督「....」


大井「って提督、聞いてますか!?」


提督「....あぁ、聞いてるよ」

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