U-511「手乗りサイズのU-511です」提督「!?」 (33)


~執務室~


提督「U-511が出ると聞いて捜索を始めて、そろそろ出撃数が百を超えそうだな」

提督「全作戦終わってるとはいえ、そろそろ一隻くらい来てくれないと資材が危うくなってきたし……ひいい」

コンコンコン

三隈『三隈ですわ』

提督「どうぞ」

ガチャ

三隈「艦隊、帰投しました」

提督「ご苦労。今回の結果はどうだ?」

三隈「そ、その……」

提督「どうした? まさか誰かが……」

三隈「ち、違います! そうじゃなくて……これを」サッ


U-511(手乗りサイズ・以下U-511)「……」


提督「ええっ!?」



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U-511「……」ジーッ

提督(三隈の手の上に座っているこの子はまさしくU-511だ……でも何でこんな小さいんだ?)

U-511「えっと、この鎮守府のAd……提督ですよね?」

提督「あ、ああ」

U-511「ドイツ海軍所属、潜水艦U-511です。ユーとお呼びください」

提督(こんな状況でも動揺もなく自己紹介……マイペースな子なのか?)


提督「き、君がドイツの潜水艦か。こ、これからよろしく……それより、一つ聞いてもいいかい?」

U-511「は、はい」

提督「あの……何でそんなちっちゃいんだ?」

U-511「これは……ユーもよく分からないです」

提督「へ?」

三隈「えっ?」

U-511「気がついたら、この姿だったから……」

提督「そ、そうなのか……よし、三隈!」

三隈「明石さんですね、急いで呼んできますわ!」

――――
――


明石「こ、これは――」

提督「……」

三隈「……」

U-511「?」


明石「か、可愛いですー!」

提督「」ズコーッ

三隈「」ズコーッ


明石「まさかこんな小さい艦娘が存在するなんて思いませんでした! あ、ユーちゃんでしたっけ?」

U-511「は、はい」

明石「頭を撫でてもいいですか!? あと手に乗せてお腹を指で――」

提督「落ち着け」スパーン

明石「いたっ!」


提督「やれやれ……愛でる前に原因は分かったのか?」

明石「残念ですが、全然分かりませんでした!」

三隈「明石さんでもダメでしたか……」

明石「面目ないです……」

提督「いやまあ、こんな事は初めてだし仕方ないな。引き続き、原因の調査にあたってくれ」

明石「了解です!」


U-511「あの……ユーはこれから、どうすればいいですか?」

提督「ああ、そう言えばまだ来たばかりだから何も分からないか。三隈、潜水艦寮まで彼女を送り届けてやってくれるか?」

三隈「了解ですわ。さ、手に乗ってください」

U-511「んしょ……」ヨチヨチ

三隈(愛くるしいですわ)

提督(可愛い)

明石(飼いたい)


U-511「えっと、お願いします。ミクマ……さん」

三隈「こちらこそですわ、ユーさん。くまりんこにお任せですわ!」

U-511「くま、りんこ?」

三隈「はい、くまりんこですわ。では、行ってきますわね」

提督「おう」


明石「何だか楽しい事が起こりそうですね!」キラキラ

提督「俺としては悩みのタネが一つ増えたけどな……大本営にどう報告しようかなー」

キャーキャー

カワイイ!

提督「何か騒がしいな」

明石「もしかして、三隈さんが大変な事になっているんじゃ……」

提督「……とりあえず、行ってみよう」

――――
――


「何この小さい子、めっちゃカワイイじゃん!」

「あらー、お人形さんみたいね」

「レディーの私より小さいわ!」

「可愛いのです!」

「大艇ちゃんに乗せてみたいかも!」

三隈「あ、あわわ……」

U-511「……」キョロキョロ


提督「あー、やっぱり注目を浴びてるみたいだな」

明石「あんなに囲まれていたら潜水艦寮に近づくことは難しそうですね……」

提督「仕方ない、俺が止めてくる」


提督がこの騒ぎを収めるのに三十分掛かった

――――――

今日はここまで
ユーちゃん三隻目が出ないのでむしゃくしゃして書いた


【1】


~執務室~


提督「……」カキカキ

U-511「……」ジーッ

提督(……じーっと見られてやりにくいな)

U-511「提督、ユーに何か手伝えることはありますか?」

提督「うーん……特に無いかな」

U-511「そう……ですか」シュン

提督(ユーちゃんにも何かしてもらいたいとは思っているんだけど、そうもいかないからな……)


提督(ユーちゃんを見つけてから三日が経ったが、まだ解決策は見つかっていない)

提督(ユーちゃんとしては出撃や訓練をしたいと言ってるが、艤装も小さいためまともに戦えない事が目に見えていたから待機命令を出した)

提督(その他にも、ユーちゃんが鎮守府内を移動する時は誰かが一緒であることを義務付けたり、食事は食べやすいパンなどにしたり……色々と問題が起きたら後手後手で対応している)

提督(今、執務室にいるのはユーちゃんが落ち着けるからだそうだ。他の場所だと艦娘の黄色い悲鳴が飛び交い、触られて落ち着けないらしい)

提督(ここにいても退屈だと思うけどなー)


提督「なあ、ユーちゃん」

U-511「何ですか? 提督」

提督「正直なところ、退屈してないか?」

U-511「そんな事、ないです」フルフル

提督「本当に?」

U-511「はい。こうして書類の日本語を読んでいると、勉強になります」

提督(熱心なんだなー。変わり者揃いの日本の潜水艦とはまた違って、何か新鮮だな)


U-511「でも、まだ漢字はあまり分かりません。もっと勉強して覚えたいと思いますが……」

提督「漢字を覚えることは難しいからなー。日本人でも書けない人が居るくらいだし」

U-511「……そうなんですか?」

提督「ああ……昔、知り合いに漢字のテストがボロボロだった友人が居たからな」

U-511「……ユーに出来るか心配になりました」

提督「んー、元々勉強苦手なやつだったし、ユーちゃんは勉強熱心だからきっと覚えられるさ」


U-511「そ、そう……ですか?」

提督「ああ、俺はそう思ってるよ」ニコッ

U-511「Dan……ありがとう、ございます」

提督(少し照れくさそうにしている所がたまらなく可愛い。撫でてあげたいけど今は我慢しよう)


提督「ところでユーちゃんは、好きな漢字とかあるのかな?」

U-511「好きな漢字ですか? うーん……あっ、一つありました」

提督「どんな字だ?」

U-511「えっと……書いたほうが早い気がするので、紙とペンを貸してくれますか?」

提督「紙は……これの裏を使うといい。破棄する予定の書類だから平気だぞ」ピラッ

提督「ペンは……このボールペンしかないが、持てるか?」スッ

U-511「はい。書きにくいですが、平気です」フンス

提督(何か駆け出しの冒険者っぽく見えるな……武器にしてはでかいけど)


提督(危なげな動きでユーちゃんが紙に書くのを見て三分が経ち、ようやく手を止めた)

提督「なるほど、"一期一会"か」

提督(これだと好きな漢字じゃなくて四字熟語だけど、まあいいか)

U-511「はい。意味は忘れちゃったけど、ユーはこの言葉が好きです」

提督「忘れちゃったのか……一期一会っていうのは、一生に一度だけの機会かもしれないから、その出会いを大切にするって意味の言葉だ」

U-511「……あれ、ユーが覚えていた意味と微妙に違う気がします」

提督「えっ?」

提督(え、もしかして俺間違えて覚えてたの!? そうだとしたら凄い恥ずかしいんだけど)


・一生に一度だけの機会、生涯に一度限りであると考え、そのことに専念する意味


U-511「でも、提督が教えてくれた意味の方が好きかもしれません。こうして提督やくまりんこさん達と出会えて……嬉しいです」ニコッ

提督(この笑顔を見れただけで俺も嬉しすぎて叫びそうだ。我慢我慢)

提督「俺も、ユーちゃんと会えて嬉しいと思っているよ。なんせ今までチャンスが有っても一向に会えなかったからな」

U-511「そうだったんですか。大きくなったら提督のために頑張らないと、ですね」

提督「ははは……無理だけはしないでくれよ」

提督(……俺も、ユーちゃんや皆のためにも、出来ることを頑張らないとな)

――――――


【1.5】


提督「変なことを聞くが……お風呂ってどうしてるんだ?」

U-511「えっと……お椀にお湯を入れて、そこに入ってます」

提督(目○おやじ方式か……)

――――――

今日はここまで
ユーちゃんたくさん居て困ることはない(WGと魚雷も手に入るし)

いろいろ忙しくて投下するの遅くなるかも

掘りはとっくに終わったけど数ヶ月先まで書く時間が全く取れなくなったんで完結諦めて依頼してきます

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