P「三万だ……」(55)




 765プロ事務所



P「……」カキカキ

P「ふぅっ、事務仕事おわりっと」


P「……」

P(それにしても、失敗した。年末の国民的歌番組で、うちのアイドルが出たのは良いんだが、そのトークコーナー)



P(まさか俺がステージ上まで呼び出されて、アイドル達から「ありがとうございます!」と言われるサプライズを受けるとは……)

P(いや、それも良い!! 感動してボロ泣きしたし)


P(問題は、そのシーンが瞬間最高視聴率を取り、アイドルでも無い俺がちょっとした有名人になってしまった事だ!!)

P(何をするにも、『765プロのプロデューサー』だとバレてしまう事なんだ……)



P(こんな安月給にこんな激務、たまに行く夜の店がストレス発散になってたのにぃぃ!!)ギリッ

P(行ったら絶対、週刊誌へ情報流されるしなぁ……はぁぁっ)ガクッ


P(アダルトショップに行った時も)

店員『常連さん、765のプロデューサーだったんスね!? 常連さんの為に、新作の「アナドルマスターチンコフェラガールズ」のBlu-rayをキープしてたっス!!!』



P(……)

P(もう二度と行けん……)


P(だからまぁ、長い前フリだったけど何が問題かって、つまり)

P(俺はオカズが欲しいんだ!!)クワッ



P(ちょうど今、事務所にはアイドルが一人。ソファーに座って雑誌を読んでる真だけ)チラッ

P(『パンツをくれと交渉』するなら絶好のチャンスだ!!)ガタッ


P「なぁ、まこと?」

真「ほえっ? 何ですかプロデューサー?」チラッ



P(テーブルを挟んだ向かい側のソファーに座り、気を落ち着かせ、相手の顔を真っ直ぐに見詰める)ボフッ

P「……」


P「真、三万だ……」

真「はい?」



P「……」

真「……」


P「ダメか?」

真「すみません。あの、何がですか?」キョトン



P(レッスン後の今、お前の履いてるパンツが欲しい!!)クワッ

真「っ!?」ビクッ


P(しかし、そんな事を俺の口から直接言ったんじゃセクハラ……間違いなくアウツ!! ここをクビになる)

真「プロデューサー?」



P「三万やろう真……」ニコリ

真「あのっ、ボクには理由がさっぱり」オロオロ


P(現物を見せた方が、欲に引っ張られて落とし易いんだったな)

P(だからおもむろに財布から諭吉を三枚抜き出し、真の前……テーブルの上に置く)ゴソゴソ



P「まこと……」スッ

P「三万やろう」


真「……」

真「ん……」ゴクリ



真「だ、だっ……だから、ボクには貰う理由がっ」チラッ

P「……」


P(一瞬だったが、差し出された金を見たな……そして、すぐには突き返さない)

P(恐らく、読んでいた雑誌に欲しい服か何かが載っていて、金が欲しいんだろう)



P(そう、つまり……何かしらのきちんとした理由が存在すれば、お金は欲しい。そんな所だ)

真「もしかして、ボクにして欲しい事があるんですか?」


真「あ、エッチなことは駄目ですからねっ!! なーんちゃって、あははっ」

真「そう言うのは、貴音とかあずささんに頼みますもんねー。で、そろそろ本当に教えてくださいよ? なんなんですか?」

エロは無いから。服は着ていいよ



P「……」

P(言える訳が無い。事務所のアイドルにパンツをくれなんて言ったら、確実にクビ!!)


P(だから、パンツをくれとは言わん。真が自主的にパンツを置いて行く……そう仕向ける!!)グッ

P「……」



P「さっき、見てた雑誌にさ?」

真「へっ? あ、はい。コレですよね?」スッ


P「ああ、何か欲しい服でも載ってたのか?」

真「えっへへー、実はそうなんですよ!! ここっ、ここっ、このページに載ってる服なんですけど、可愛くないですか!?」ペラペラ



真「でも、値段が……」

P「三万八千円」


真「はぁっ、そうなんですよねぇ。今月も使っちゃったし、来月まで待たなくちゃ……」ガクッ

P「そうか」



P「じゃあ、4、5、と。五万ならどうだ真?」ゴソゴソ

真「五万なら足りますけど……って、そうじゃなくて、だから何なんですかプロデューサー!!」


P「まこと、五万やろう」

P「五万有れば、この服と、新品の下着まで揃えられるな?」ニコリ



真「……」

真「はい? 新品の下着までって……」


真「あははっ、やだなぁプロデューサー。それだと、ボクの下着が欲しいみたいに聞こえますよ?」

P「まこと」



P「五万だ。五万やろう」

真「うっわーーっ、否定しないよこの人……」ドンビキ


真「だいたい、ボクのパンツに五万って」

P「……」



P「四万九千」

真「っ!?」ビクッ


P「十秒経つごとに減らす」

真「えっ? いや、あのっ」オドオド



P「四万八千」

真「あっ、あ、あっ、あっ」プルプル


P「四万七……」

真「まっ、待ってくださいよっ!!」ガシッ



真「どうして減らすんですかっ!?」

P「パッと決めてくれないと、こっちも気持ちよく払えないからな」


真「うぐぐっ……」

P(よしっ、ここで悩んでると言う事は)ワクワク



真「プロデューサーが、欲しいんですよね?」

P「何の事か分からないけど、何かを貰えるなら貰いたいな」


真「はぁぁっ……まさかプロデューサーが、ボクのパンツをねぇ」

真「こう言っちゃなんですけど、すっごい変態だと思いますよ? それに、ボクのなんて可愛くないのに……」ゴニョゴニョ



P「なんの事かは分からないけど、真は可愛いと思ってるよ?」

真「ふぇっ!?」ピクッ


真「そっ」

真「そう、ですか……」プイッ



P「……」

真「うぅっ……」


真「分かりました!! 下着代の五千円だけ貰います!!」パシッ

P「ん? 残りの四万二千は?」



真「もっと安い服で良いんで、今度の休みにボクと一緒にお出掛けして、プロデューサーが選んでください!!」

P「……」


真「やっぱり、駄目、ですか?」チラッ

P「(パンツを貰えるならそれで)いいよ」ニコリ



真「っ!!」ガタッ

真「わっはーーっ♪ 本当ですかぁプロデューサー!? もうキャンセル無しですよ!?」


P「ああ。ちょうど休み同じだし、俺も予定を空けとくよ」ニコリ

真「じゃあじゃあ、ちょっと待っててくださいね!? ボク、トイレで脱いで来ます!!」タタッ



P(よしっ!! だいぶ出費が抑えられたぞ!!)グッ

P(それにしても、いまトイレで脱いでるんだよな……と、言う事は、ノーパンか)


P「ふむ」

P「ぐあああああっ、オシイ!! 今が夏なら、スパッツかショートパンツだっただろうに!!」



P「ジーンズだと、余り妄想が捗らないんだよなぁ……はぁっ」

P「いや、待てよ。ジーンズのファスナーを下げたら実はノーパンだったら、それはそれで」


真「プロデューサー♪」タタッ

P「やべっ、戻って来た!?」ビクッ



真「目、つむってください」

P「はい? なんでだ?」


真「いいですからっ、早くっ」

P「ああ。なんだか分からないけど、こうか?」パチッ



真「えへへっ、幾らボクでも、見られてると恥ずかしいんで……」テレテレ

真「それじゃあ、行きますよプロデューサー? せーーーのっ、えいっ!!」グイィッ


P「っ!? もがぁっ!?」

真「あははははっ♪ えーっと……ボク、先に帰りますねっ? お疲れ様でしたプロデューサー!!」タタッ




 ガチャッ バタンッ!!

真「うわあぁぁぁぁぁぁん!!」

真「やっぱり恥ずかしいよおおおおお!!!」タッタッタ


P(大声を出しながら階段を下りるなって)

P(しかしまさか、パンツを顔に被せられるとは……はぁっ、温かい)



P「ふがふが」

P(なんか思いの外、かなり上手く行ったよなコレ?)


P「ふがふが、ふがふが」

P(財力にまだ五万は余裕が有るし、後もう何枚かはパンツを獲得できるな)




 数日後 765プロ事務所



P(使いまくってたら、真のパンツがついに擦り切れてしまった)ガクッ

P(今、事務所に居るアイドルは……ソファーへ座ってラーメン雑誌を読む貴音だけ)チラッ



P(これは、交渉に行くしか無い!! 臆するなよP!! お前は既に実践を経験しているんだ!!)

P(前回と同じにやれば、必ず上手く行くさ)スタッ


P「なぁ、貴音?」

貴音「はい? どうかなされましたか?」チラッ



P(テーブルを挟んだ向かい側のソファーに座り、気を落ち着かせ、相手の顔を真っ直ぐに見詰める)ボフッ

P「……」


P「貴音、三万だ……」

貴音「っ!?」



P「……」

貴音「……」


P「お前に、三万やろう」

貴音「あなた様……」



P(テーブルの上へ、見せ付けるように金を置いて、と)スッ

貴音「あなた様に心よりの感謝を」パシッ


P「え゙っ!? ノータイムで取っちゃうの!?」

貴音「わたくしが以前より、最高級ふかひれらぁめんを食べたいと申していたのを、憶えていてくださったのですね!!」キラキラ



P「そんなこと、言ってたっけ?」

貴音「ふふっ。あなた様はまことにいけずです……そうで無ければ、このように昼食代を託したりはしない筈」ニコリ


P「あっ、これは昼食代じゃなくてだな」アセアセ

貴音「こうしては居れません!! 人気のめにゅう、すぐに向かわねば無くなってしまいます!!」ガタッ



P「おい、貴音?」

貴音「さらばっ!!」タタッ


P「たかねえええええええええええええええ!!!」

貴音「外へいでよ、アクロバッター!!」




 ガチャッ バタンッ!!



P「……」

P「……」プルプルプルプル


P「オチが早いんだよっ!! なんで二人目でオチが着くんだ!!」バンッ

P「クソっ、まだ二万は余裕が有る、諦めんぞ!! 次のアイドルだ次のアイドル!!」




 翌日 765プロ事務所



響「はいさーい!!」ガチャッ

P「響キタ!!」


P「ひびきーーーっ!!」タタッ

響「なんだプロデューサー?」



P「二万やろう!!」スッ

響「ありがとねっ!! これで皆に豪華な夕食を食べさせてあげられるぞ!!」パシッ


響「さっそく買いに行くさ!! じゃあねプロデューサー!! ハム蔵も行くぞ!!」タタッ

ハム蔵「ヂュイ!!」スタタタッ



P「ちょっ!?」ビクッ

P「……」


P「……」プルプルッ

P「……」プルプルプルプルッ



P「いいかげんに」

P「しなさーーーーーーい!!!」バンッ


P「おっとイケない。すぐに体をプルプルさせてしまう」

P「僕の悪いクセ……」クスッ



P「……」

P「って」


P「あ゙あ゙あああああああああああああああ!!!」ゴロゴロッ

P「だからオチがはえぇんだって!! ワンクッション挟めやっ!!!」ゴロゴロゴロゴロッ



P「金もなくなっちまうしさぁ……」

P「うちのアイドルにはまず、人の話を聞くところから教えないと」


P「しかし、こうなったらもう……」スタッ

P「残る手段はアレしかない!!」




 更に翌日 765プロ事務所



美希「むにゃむにゃ……なの」

P(美希がソファーで横になって寝ている)ゴクリ


P(気付かれないように、何とかパンツを抜き取るしか無い!! そして買って置いた新品のパンツを穿かせる!!)

P(まずは、スカートの中に手を突っ込んで、そーっと、そーっと……)スゥッ



P(よし、後はずり下げるだけだ。起きるなよー)

P(この現場さえ押さえられなきゃ、なんとでも言い訳出来るんだ)スルスルッ


美希「んーっ……」モゾモゾ

P(っ!? ヤバい、起きたか!?)



美希「むにゃむにゃ……」ボーッ

美希「ハニー?」


P(まだ寝惚けてるっ、なんとか誤魔化さないと!!)

P「にゃ、にゃあ……」




美希「あふ? イヌさんなの」ゴロン

P「猫だよっ!!!」


美希「へっ!? なっ、なにしてるのハニー!?」ビクッ

P「あ、やべっ」




 数ヶ月後 刑務所 面会室




真「ボク、待ってますから……早く戻って来てくださいね?」

P「すまんな真」


真「いえ。その、好きで……やってる事ですし」モジモジ

真「あっ、それと今月分です」スッ



P「毎月、ありがとう真!!」ポロポロ

真「うわぁっ、泣かないでくだいよ。ボクので良かったら、こうして幾らでもあげますから……ねっ?」


P「俺、これからは真面目に生きるよ!!」

真「はい、期待してます!! また一緒にがんばりましょうプロデューサー!!」ニコリ



 ギャルゲーアイドルマスター

 真ルート トゥルーエンド


終わり



この前に書いたの
P「ふわとろおまんこ」
P「ふわとろおまんこ」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1452908253/)

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