晶葉「出来たぞ! コピーロボットだ!」 (22)

P「これがその完成品か」

晶葉「うむ。どうだ、素晴しいだろう」

P「うん。どこから見ても晶葉なんだが……なんで椅子に縛っているんだ?
 布まで噛ませて」

晶葉「少々問題があってな。まず第一に精巧すぎるだろう」

P「まぁな。どこからどうみても眠ってる晶葉だもん……お、髪も同じなのか?」サワサワ

晶葉「細部まで拘っているぞ。クローンと言っても差し支えないレベルだ」

P「ふーん……ここもかな」モミモミ

晶葉「やめろ!」

P「イテェ! 工具でつつかないで! 穴開いちゃう!」

晶葉「いくらコピーでも目の前でセクハラされると恥かしいんだ」

P「ということは今の揉み心地も本来通りということか」

晶葉「……」

P「わかった。俺が悪かった。手に持ったスパナを下ろしてくれ」

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晶葉「……一般生活で触れ合う程度なら何の違和感もないはずだ。そう言う風に作った。
   だがそのせいで本体とコピーロボットの区別がつかなくなったんだ」

P「なんか頭にネジでもつけとけばいいのに」

晶葉「そういうのは好きじゃない。とりあえず眼鏡の色は変えたが……」

P「わかりにくいな。服装のほうでもいいんじゃないか?」

晶葉「!!」

P「なんだ、その『その手があったか』みたいなリアクションは」

晶葉「ちょっと今から別の服を取ってこよう。
   そうそう、絶対に紐を解くんじゃないぞ」

P「分別がつかなくなるからだろ? わかってるよ」

晶葉「それだけじゃない。問題のもう一つは中身だ。ほとんど私と同じ知性を持っている。
   即ち開放した場合、保身のために何をしでかすかわからんのだ」

P「自分がコピーロボットって認識はあるのか?」

晶葉「ないだろうけど自分が捕縛されてたら解くように言うだろうし、Pがこの話をすれば
   成り代わるための計画を練りかねん」

P「怖いなー……。そうやって一人ずつコピーロボットになっていくのか」

晶葉「とにかくそれを防ぐためだ。絶対に解くなよ。それじゃあ服を持ってくる」

P「いってらっしゃい」

P「……しかし解くなと言われると解きたくなるな」

晶葉『……』

P「うーむ、どうみても晶葉だ。どこにロボット要素があるんだ……?」サワサワ

晶葉『……ん』

P「お、起きた。ハロー? 俺の言葉わかる?」

晶葉『……ん、んんんんん!?』

P「お、なんだなんだ。どうしたんだ」

晶葉『んんー!! んんんー!!』

P「解けって言ってるのか?」

晶葉『んんん!!』ウンウン

P「頷いているから合ってるみたいだが……それは出来んよ。
 晶葉に……本体のほうな。あっちに解くなって釘を刺されたからな」

晶葉『!?』

P「驚いてるな。そうか、自分がコピーだって認識がないんだっけか。
 ん? ということは教えたらまずかったのか?」

晶葉『んん! んんんんん!!』

P「なんだ?」

晶葉『ん ん ん ん ん !!』

P「言ってることはわからんがニュアンス的には……解け、じゃないな。
 五文字みたいだし……むねをもめか!!」

晶葉『んんん!!』ブンブン

P「そんな遠慮するなって。さっきも揉んだしさ」

晶葉『んっ』

P「揉むのは置いといて……これをとれ、とかかな」

晶葉『ん!!』ウンウン

P「口のを取ればいいのか? このぐらいなら大丈夫か……」

晶葉『騙されるな! 私が本物だ!』

P「いきなり予測通りな事を言っているな」

晶葉『まさかこんなことになっているなんて……油断しすぎだか』

P「優秀なロボットだな。まるで晶葉だ」

晶葉『本物だと言っているだろう! あっちがロボットだ!』

P「じゃあなんで本物が縛られているんだ?」

晶葉『動作を確認するために起動させたときに不意を突かれたんだ。
   想像以上にいい仕事するじゃないか、泉のやつ……!』

P「へー、泉も協力してたのか」

晶葉『AIの部分でな。一応成り代わりは想定していたが起動直後に行動を起こす
   のはさすがに想定外だった。とりあえずこの紐を解いてくれ』

P「だめだ」

晶葉『なぜだ!』

P「お前が本物だという証拠がないからだよ。こっちの本人はここまでちゃんと俺に
 忠告してたからな」

晶葉『……不本意だが仕方ない。体を触れば普通の人間とは違うことがわかる』

P「ロボットは硬いのか?」

晶葉『若干、だがな。触る程度じゃなくて握るぐらいしないとわからんぐらいの差だ』

P「ほお。じゃあまずはお前から触ってみるか」モミモミ

晶葉『胸を揉むな!! 腕でいいだろう!!』

P「やわかった」

晶葉『うるさい!! ……だが本物だと証明できたはずだ』

P「しかしコピーのほうも揉んでみないと違いがわからんぞ」

晶葉『うっ……確かにまぁ……あれ、揉まれ損してないか、私……?』

P「仕事も完璧にこなしてるし、違和感もさっぱりない。俺はあっちが本物にしか
 思えないんだけどなぁ……」

晶葉『そういえばコピーはどこに行った?』

P「本物な。服を取りに行ったぞ。コピーと同じ服装だとわかりにくいからって」

晶葉『元から服のバリエーションなどさほど持ってないし被るのは致し方ない。
   しかしそれなら戻ってくるまでに脱出しないとな』

P「ほどかんぞ」

晶葉『もう期待していない。君ならきっと私とコピーの違いを見破ってくれると思ったのだが』

P「あまりにも精巧に作り過ぎたんじゃないか?」

晶葉『ふふふ、私の発明品だからな。当然だ』

P「お前は見破って欲しいのか、見分けがつかないでほしいのかどっちなんだよ」

晶葉「戻ったぞ。ん? 口のは外したのか」

P「おかえり。なんか喋りたそうだったからさ」

晶葉『偽物め。私に成り代わって何をする気だ』

晶葉「お前が本物を騙って何をする気だよ。服を持ってきたが……着替えは難しそうだな」

P「今外したら確実に逃げるよね」

晶葉「そこはPが押さえて欲しかったが……仕方ない。一度電源を落とすか」

P「へー、電源ボタンがあるのか」

晶葉『尾骨だ!!』

P「は?」

晶葉『背骨を下に辿って尻のあたりにある尾骨付近にスイッチがある!』

P「……本当?」

晶葉「いや、嘘だな」

晶葉『嘘だと思うならそいつを調べてみるがいい!』

晶葉「なんだ、お前は私の尻をPに触らせろと言うのか」

晶葉『偽物じゃないならそのぐらい出来るだろ?』

晶葉「偽物もなにもそんなところには何もないのだが……仕方ない。
   P、無実の証明のためだ。尾骨の辺りを触って見るがいい」

P「ひゅー! スカートとパンツも脱がしていいのか!」

晶葉『いや、服の上からでも十分違和感あるはずだ』

晶葉「だそうだ」

P「ちっ。まぁいいか。えっと……このへん?」サワサワ

晶葉『そこはただの尻だ』

晶葉「真面目にやれ!」

P「はい、すみません。えっとこのへんかな」サワサワ

晶葉『そうだ! 何かあるだろう!』

P「……? いや、別に普通だと思うが」

晶葉「だそうだが納得したか?」

晶葉『そんな馬鹿な……私にも触らせてくれ』

晶葉「そこまでする必要はないだろう。十分に譲歩したぞ。
   全く。泉に頼んでもう少し知性を上げてもらわないとな。
   私ならスイッチを尾骨になんて付けないし、付けようとも思わんぞ」

晶葉『なら額にでも付けるというのか? 普通はわかりやすいところに付けないだろ」

晶葉「尾骨になんて付けたら座るたびにスイッチが切り替わるんじゃないか?』

晶葉「……私のコピーは頭がいいな」

晶葉『私のコピーがバカなだけだ。もう電源落とすぞ』

P「で、本当はどこにあるんだ?」

晶葉「ないぞ」

P「え?」

晶葉「スイッチなどない。どこかしらに付けて偶然押されても困るからな」

P「じゃあどうやって電源落とすんだ?」

晶葉「そりゃこれだよ」

晶葉『スタン……ガン……? あれは確かアイドルの護身グッズとして私が開発した……
   そうか、それで私の意識を飛ばしていたのか』

P「物理的な電源の落とし方だな」

晶葉「これが一番だ。一応他の方法も考え中だがな」

晶葉『くそっ! どうすれば……いや! 待て! あるぞ! 私がロボットじゃない証拠が!』

晶葉「もう諦めろ」

晶葉『……くっ。見ろ! これを!』

P「唇を噛んだのか。それがどうかしたのか?」

晶葉『血だ! ロボットにも潤滑などのために体液は存在する! だが色が違う!
   人間は赤いがロボットは不透明な黄色だ! そいつの体から体液を出してみろ!』

P「……ほー、確かに赤いな」

晶葉「……」

晶葉『どうだ、もう観念するがいい』

P「……」

晶葉「……くっくっく」

晶葉『早くそいつを捕まえるんだ!』

P「……えっとさ、一ついいか?」

晶葉『こんなときになんだ!』

P「人間の体に赤い液体なんて流れているはずないだろ」

晶葉「本当におかしなことを言うな、お前は」

以上

ひえっ。乙

ヒエッ……

ヒエッ…

う、ウサミン星人なら……(錯乱)

やられた


もう遅かったんや…

以上
じゃねーよこえーよ乙

ええ…

オチの予想は出来るんだけども考える間があるせいで怖くないのが残念。

うまい

どゆこと?

どういうことだよ

バカばっかりか

分からんとか言ってる奴は>>2を読み直せばいいんじゃないかな・・・

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