凛「プロデューサー」まゆ「Pさぁん♪」 珠美「ぐぬぬ……!」 (35)

激化する正妻冷戦に巻き込まれる珠ちゃんのSSです。
しぶりんがもの凄くイヤミな子になっちゃってるので注意です。


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珠美「……で、クラスで一番頭のいい武内君でさえ81点だった歴史のテストで、珠美はなんと94点! 94点を叩き出したのです!」

P「おー、流石よく歴史小説やら大河ドラマとか見てるだけはあるなぁ」

珠美「ふふん。これもあやめ殿や仁美殿と史実について語らうからこその賜物ですぞ!」

P「珠もよく歴史の事色々覚えられるなあ」

珠美「それはやはり、大好きな物であるから故ですな!」

P「ま、賢い珠はえらいえらい」ナデナデ

珠美「えへへぇ……!」

凛「やっほー。ただいま」

P「おう凛、おかえり。どうだった?」

珠美「あっ……。凛殿、おかえりなさい」

凛「今日の撮影は調子良かったよ。カメラマンさんから褒められたし」

P「おお、それはよかったな」ハイタッチ

凛「まあね」ハイタッチ

珠美「むう……」

凛「あ、プロデューサー。シャツの襟が折れてるよ。ちょっと待ってね……」

P「ん? 本当か?」

珠美「あ……」

凛「ほら、直った。……もう、事務所の主なんだからキチッとしないと」

P「すまんすまん」

まゆ「じー……」

珠美「ひっ!? ま、まゆ殿! いつから机の下に!?」

まゆ「珠美ちゃんが帰ってくる前からですよぉ? ちょうど今マフラーを編んでるんです」

P「さっきも言ったけど、そんな暗い所でやってたら目悪くなるぞ、まゆ」

まゆ「うふ♪ どうしてもここが一番集中出来るんです」

凛「……いいね、そのマフラー。あたしにくれるの?」

まゆ「うふふ……、これはPさんの。凛ちゃんのマフラーも今度作ってあげますよぉ……?」

凛「楽しみにしとくね」

まゆ「さ、Pさぁん? 試しに巻いて、大きさを確認してください?」

P「ん……。もう30センチくらい長いのが好きかな」

まゆ「わかりました、もう少し待っていてくださいねぇ♪」

珠美「…………」

珠美(このマフラー…、まゆ殿の……。優しい良い匂いがします……)

凛「さ、マフラー付けてちゃ仕事にならないよ」ハズシハズシ

まゆ「……うふふ。集中を乱しちゃいけませんよね?」

まゆ「あら、珠美ちゃん。さっきからPさんの袖をずっと握っているけど……」

珠美「へ? あ、す、すみません」

P「いや、大丈夫だぞ」

凛「大丈夫って言っても、ちょっと皺になってる……。そうだ、今私アイロンがけ練習してるんだよ」

凛「ね、ちょっと試してみていい?」

P「そうか、じゃあお願いしてみようかな」

珠美「うぅ……」


まゆ「うふふふ。凛ちゃん? スーツのアイロンがけは難しいですよぉ? もし溶かしちゃったりしたら……」

凛「そ、そうだけど……。でもお父さんので何度も練習したし、今度は大丈夫だよ」

まゆ「まゆが一緒にアイロンがけして教えてあげますよ♪ 」

凛「しょうがないなぁ……」

P「……あの2人は仲がいいなあ」

珠美「え? ……あ、ええ。まあ、はい……」

珠美(凛殿も、まゆ殿も……。2人はP殿に何かしてあげられるけど、珠美は……)

P「……珠? どうした、さっきと変わって表情が暗いじゃないか」

珠美「へっ? そ、そうでしたか……?」

P「何か悩みでもあるのか? 俺で構わないんならなんでも聞くよ」

珠美「ありがとうございます……。ですが、大丈夫です」

P「そうか……。でも、また何かあったらいつでもいい、溜め込まないで言ってくれ」

珠美「はい……! へへ……」

P「さて、仕事の続きを……。どこまでやったか……」

珠美(頑張ってください、P殿……)

P「…………っ」ブル…

珠美「……P殿? どうかしたのですか?」

P「……少し、冷えるな」

珠美「暖房が効いているとはいえ薄いシャツ一枚では……」

珠美(何か、何か気の効いた事が、珠美に出来れば……)

珠美「……そ、そのP殿、よければ珠美が……」

まゆ「Pさぁん、お待たせしました」

凛「どうかな、プロデューサー」

珠美「珠美が……、ぃぇ……」

P「うん、綺麗にアイロンがけ出来てるじゃないか」

凛「でしょ。私のお父さんも泣いて喜んでくれるんだよ」

まゆ「Pさんは泣きませんよねぇ、ふふ?」

P「よっと。お、ほのかに温かいのが気持ちいい……」

P「それはそうと、珠。さっき何か言いかけていなかったか?」

珠美「いえ…、なんでもありません……」

P「そう、か」

P「……もうこんな時間か。そろそろ本腰入れて続きをしないと」

凛「……じゃあ、頑張って。プロデューサー」

まゆ「まゆも、あっちのソファで続きを編みましょうか」

珠美「あ、う……」

凛「ほら、珠ちゃんもプロデューサーの迷惑になっちゃうから。あっち行こう?」

珠美「なっ! た、珠美は凛殿より年上です! そんな子供扱いは……!」

凛「ん、そうだったっけ」

まゆ「いちおう、まゆと同い年です……。よね?」

珠美「いちおう、は余計です!」

凛「でも、私がこれくらいの大きさだったのは小学生の頃だよ?」

まゆ「まゆも背は高くないけど、珠美ちゃんはもっと小さいですね♪」

珠美「うっ……」

凛「ほら、私と並んでみたらさ。20センチくらい違うんじゃないかな」ナデナデ

珠美「や、やめてください! 頭を撫でられて喜ぶ程、珠美は……!」

凛「……ふふ」

まゆ「……ふふふ?」

凛「賢い珠は……」ナデナデ

まゆ「えらいえらい♪」ナデナデ

珠美「…………っ!」カアァァ///

凛「いいなー、珠ちゃん。私プロデューサーに撫でられた事ないなぁ?」

まゆ「まゆもないんですよぉ……。珠美ちゃんが羨ましいです」

珠美「そ、そうなのですか……?」

凛「ま、子供扱いされた事もないけどね」

まゆ「ふふ♪ ねぇ?」

珠美「むうぅ…! やっぱり子供扱いしてぇ……!」

珠美「そ、そもそも凛殿は歳上に対する敬意が足りていないのです!」

凛「んー……、お説教?」

珠美「P殿に対しても! 初めて会った時も『ふーん』だの! 『アンタ』だのと!」

凛「…………」プルプル

まゆ「ふふっ……!」


珠美「全部P殿から聞いたのです! 目上の人を品定めするように『悪くないかな』って……」

凛「も、もういいでしょ! いつそんなにプロデューサーと話してるのさ……」

まゆ「羨ましいですよぉ? そんなに自身の事を語り合って貰えるなんて」

凛「じゃ、じゃあまゆは? まゆの事はなにか言ってなかったの?」

まゆ「もう。凛ちゃんたら」

珠美「……いや、特に、何も」

まゆ「……………………」

凛「良かったじゃん、悪く言われてなくて」

まゆ「この、まゆが……? Pさんに? 何も……? どうして? Pさんは…、まゆは……」ブツブツ

凛「…………」ジッ

珠美「な、なんですか」

凛「珠ちゃんはさ、プロデューサーの事、どう思ってる?」

珠美「それは…、珠美達の為に毎日遅くまで頑張ってくれて……」

珠美「たとえP殿自身がどんなに疲れていても、微笑みかけて手を差し伸べてくれる……。そんなとても素敵な、珠美達のプロデューサーです……!」

凛「素敵、か……」

珠美「凛殿は、どう思っているのですか……?」

凛「ん……、止めとく」

珠美「なっ! 何故珠美に言わせておいて、自分はっ!」

凛「わかんないだろうからさ」

凛「『素敵』なんて言葉で済ませちゃう、そんな子供にはまだ、早いかなって」

珠美「またそう子供扱いをして! 珠美の目を見て話せないのならば、凛殿はその程度の女の子で……!」

凛「……首、疲れるからさ」

凛「下向いて喋ったら」

珠美「…………ッ!」

凛「プロデューサー、よく首元抑えてるでしょ? 俯いてばかりで痛めてるんじゃない」

まゆ「はっ…!? こ、ここは……?」

珠美「ぅ……」

凛「ま、そんなステキなプロデューサーの事、気遣ってあげたいなら何か考えてあげなよ」

珠美「ううぅ……!」

まゆ「えぇと…、目が覚めたら険悪な……」

凛「ふぅ…。肩凝るな……」

珠美「…………ぅ」

珠美「ぅ、うあぁぁん……。えぐっ…、うえぇぇ……!」ポロポロ

まゆ「あ…、あの、珠美ちゃん……」

凛「……はぁ、まいったな」

珠美「ひっく…、たま、珠美は、珠美はぁ……。P殿が、ぐすっ…、P殿がぁ……!」

まゆ「た、珠美ちゃん。ほら、泣き止んで、ね……?」

ガチャ

P「お、おいおい。さっきから騒いでると思えばどうしたんだ?」

凛「プロデューサー……」

まゆ「……凛ちゃん、ちょっとあっちの部屋に行きましょう……?」

珠美「ひぐ…、う、うぅぅ……!」

P「ほら、珠。泣いてちゃわかんないだろう」ナデナデ

P「さっきも言ったけど、なんでも聞くからさ、言ってくれ」ナデナデ

珠美「えぐ…、り、凛殿に……、ち、ちっちゃいって……!」

P「そっか……。まああいつ背高い方だからなぁ……」

珠美「それ、それで…! ぐすっ…、P殿のこと、珠美は、ひっく…! 何も考えてなくて……!」

P「……俺の事?」

珠美「たまみは…、凛殿みたいに…。うぅ……、細かい気遣いも出来ないし……!」

珠美「まゆ殿みたいに、マフラーを編んでも……、えぐっ…! 出来ないですし……!」

P「…………」

珠美「たまみが、たまみがこんなだから…! P殿もくび…、ひっく…! 身体を悪くしてるって……」

P「……そうか」ナデナデ

珠美「ひうぅ…! だから、だからたまみは……! うあぁぁん……!」

P「ありがとう、珠」

珠美「ふぇ……?」

P「珠はあの2人と同じくらい、いや、それ以上にも俺の事を考えてくれてるんだな……」

珠美「そんなこと……!」

P「何か出来る事って、色々考えてくれたんだろ? その気持ちだけでも、俺は十分に、もうそれ以上無いってくらい嬉しいよ」

珠美「P殿……!」

P「何かしてあげたいけど、どうしてもできない事ってあるよな。俺も皆に気の効いた言葉をかけてあげたいけど、何も出ないって事が……」

P「結局なにもしてやれない事ばかりだ……。俺も珠の感じたもどかしさがわかるし、それこそ今の珠の気持ちも痛いくらいにわかる」

珠美「P殿……」

P「それで、今も珠は泣いちゃってるしな……」

珠美「こ、これはP殿が悪いのでは……! これは、珠美の、珠美の……」

P「……少し、落ち着いたか?」

珠美「……はい」

P「ごめんな、俺が3人を追い出すようにしちゃったせいで」

珠美「そんなことはありません……」

P「珠、今俺に出来る事が……。して欲しい事があるか?」

珠美「…………」

P「なにか出来る事があるなら、なんでも言ってくれ」

珠美「なら……」

珠美「……ぎゅっ、てして欲しいです……」

P「ああ、いいぞ」ギュウ…

珠美「ぐすっ…。えへへぇ……」

P「珠はまだ、甘えんぼさんだなぁ」

珠美「……あと、子供扱いを控えて欲しいです」

P「わかった」

珠美「……えへへ」

まゆ「……お取込み中、ですかぁ?」

P「ああ、もうちょっと待っててくれ」

珠美「ま、まゆ殿。……P殿、もう大丈夫です」

まゆ「珠美ちゃんが言うならいいですよねぇ。……ほら、凛ちゃん」

凛「…………」グスッ

珠美「…………」

まゆ「凛ちゃん? こんな時に何て言うか、お姉ちゃんと練習したよね?」

凛「子供扱いは止めてよ……。……で、その、さ……」

凛「その、嫌な言い方してごめん……」

まゆ「…………」

凛「なさい……」ペコリ

珠美「珠美も、色々言い過ぎて……。ごめんなさい……」

まゆ「はい。最後に仲直りの握手♪」

凛「ふふ……」キュッ
珠美「えへへ……」キュッ

P「よし、これで元通り。だな?」

P「凛も、事情は俺もよくわからんが、喧嘩はあんまりよくないぞ?」ナデナデ

凛「ちょっ、プロデューサー……!?」///

まゆ「あらぁ……。羨ましい♪」

P「多少はぶつかった方がいい刺激になるが、悪口はダメだ。いいな?」ナデナデ

凛「わかったから……! だからもう子供扱いしないでよ……! ……へへ」///

珠美「少しはわかりましたか? 珠美の気持ちが……?」

凛「……うん」

凛「気持ちいいね。撫でられるのって……」

珠美「そっちじゃないでしょう!?」

まゆ「あらあら♪」





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