佐久間まゆ「しーぶりんっ♪」渋谷凛「どうしたの? ままゆ?」 (60)



※キャラ崩壊

※よくあるネタ

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北条加蓮「!?」

神谷奈緒「!?」




本田未央「……あ、おはよー。二人とも」

荒木比奈「おはようございますっス」

加蓮「おはよう……。で、早速だけど――アレなに?」

奈緒「普段、犬猿の仲の二人があんな風に呼び合うなんて……。変な薬でも飲んだのか? ちひろさんとか、志希とかの」

加蓮「それとも、晶葉ちゃんあたりが作った精巧なロボットとか?」

未央「いやいや。二人とも正真正銘のご本人だよ」

比奈「むしろ、本人たちだからこそああいう惨状になっているというか……」

加蓮「……どういうこと?」




未央「実は昨日、しぶりんとままゆ、同じ収録だったらしいんだけど……」

加蓮「……けど?」

比奈「どうやらそこで揉めたらしいんスよ――プロデューサーのことで」

奈緒「ああ……まあそれはいつも通りっちゃいつも通りだな」

比奈「ただ、それが原因で収録が若干、遅れたらしくって……」

加蓮「なるほど」

未央「まあそれはホントに些細なことで――結果的には何も問題なかったんだけど――」

未央「でも、やっぱプロデューサーは怒っちゃってさー……」



モバP『お前ら……仕事について、お互いの意見が食い違ったってならまだしもな…………』

モバP『どっちが俺の使った歯ブラシを手に入れるかで取っ組み合いになるなんて!! あまつさえそれで収録に影響が出るなんて!! どういうことだ!!』


未央「って感じでねー」

奈緒「それは、本当に収録が押したことに対する怒りだったのか?」

比奈「美嘉ちゃんも珍しく怒ってったっスよ――『仕事場にそんな私情を持ち込むな』『プロデューサーに迷惑かけるな』『あんたらのせいで、他のアイドルだってここでの仕事がやり辛くなる』――」

未央「流石、美嘉ねぇさん……。優しいだけじゃないんだよね……」

比奈「『あとプロデューサーにばらすな。アタシもやりずらくなる』」

奈緒「美嘉も怒られたほうがいいんじゃないか?」



比奈「とにかく――それで御冠なプロデューサーは『今後こういうことがあるようなら、社長に頼んでお前らには別の担当を用意してもらう』って言ったらしくって……」

加蓮「それであの――」



まゆ「しぶりん? クッキー作ってきたんですけど、よかったらどうですかぁ?」グギギギギギ……

凛「ありがとうままゆっ! ままゆのクッキーはおいしくてお気に入りだよ」ズジャアアアアアン……



加蓮「仲良しアピールをしていると?」

未央「全然アピールできてないけどね」

奈緒「まゆから錆びついた機械の駆動音みたいな音が聞こえるぞ……」

比奈「凛ちゃんからは急ブレーキかけた列車みたいな音がするっス……」



まゆ「うふふ、うれしいです。このクッキーはモバPさんも大好きなんですよぉ」クフゥゥゥゥンゴウンンンン……

凛「へぇそうなんだ。クッキー好きだし、前にうちに来たときはハナコのことも好きって言ってたし――プロデューサーの趣味ってなんだか女の子みたいだね」キュキィィィィイイイイン……



奈緒「まゆから進化したギャオスみたいな音が聞こえる……」

比奈「凛ちゃんから大型レギオンみたいな音が聞こえるっス……」



加蓮「まあ、あの二人のことは分かったよ――けど、もう一つ気になるんだけどさ……」

未央「ん? なんだい?」



島村卯月「ふふっ」ニコニコ



加蓮「……何で卯月は、あの二人を見てニコニコしてんの?」

未央「『いつも喧嘩してる二人が仲良くしてて、私うれしいです』――だってさ……」



中野有香「おおっ!」キラキラ

脇山珠美「ほほうっ!」キラキラ

浜口あやめ「お見事っ!」キラキラ



奈緒「……何であの三人はキラキラした目で二人を見てるんだ……?」

比奈「有香ちゃん曰く、常人には捉えられない速度で、あの二人は接戦を繰り広げている――らしいっス……」




星輝子「ヒャッハァァアア!! いいぜ、こういうのを待ってたんだぁ!! ビンビン来てるぜ地獄の波動!! グングン育つぜキノコォォオオオ!!」



加蓮「輝子ちゃんは……ノッてるね」

未央「……二人から発する暗いオーラが、キノコの生育にはいいらしいよ」

「ロック……だよねっ! これもねっ! ねっ!」

加蓮「若干、ノりきれてない人もいる……」



白坂小梅「わぁぁ……!」ピョンピョン



加蓮「……何で小梅ちゃんはあんなに嬉しそうなの?」

未央「小梅ちゃん曰く、あの二人が発するオーラでいろいろ寄って来ている――らしくて……」



神崎蘭子「」ブクブク

輿水幸子「マッタクモウッ! カワイイボクニオセワヲサレテ、ランコサンハシアワセデスネッ!!」ガクガク



奈緒「蘭子が倒れてるのと、幸子が泣きながらそれを介抱してるのは……?」

比奈「小梅ちゃんの話を聞いて――っスね……。幸子ちゃんは、とにかく動いて気を紛らわそうとしてるっス」

奈緒「地獄絵図だな……」

一人台詞のところの名前もらえない、にわかが居るな


>>11 プライバシー保護だから(震え声)


加蓮「そういえば、今日は年少組見ないけど……?」

未央「大人組が他の部屋に連れて行ったよ。『あの瘴気は子供には毒だ』って……」

奈緒「瘴気って……物の怪じゃないんだから……」

比奈「まあ、小梅ちゃんじゃ無いけど――アタシにも二人の周りのドス黒いオーラが見えますしね……」

「あんな瘴気の中にいたら、正気じゃいられませんねぇ~」ヒック

加蓮「あっ! 大人組で一人サボってる人がいる!」



川島瑞樹「ちょっと楓ちゃん! 子供たちの相手手伝いなさいっ!!」

「ねぇねぇっ! かおるも将来素敵なお嫁さんになれるかなーっ!」

「留美さんこんなに素敵なんだから、結婚できないわけないじゃーん☆しないだけでしょー☆」

「きゃりあうーまんってやつだねー!! かっこいいなー!!」

「おもい……? 瞳子さんはとってもスタイルよいでごぜーますよ! ねっ、美優おねーさんっ!!」

未央「……あっちはあっちで地獄だね」

「ふふっ。地獄には事後行くことにしましょう♪」コクコク



奈緒「……いやこれ、結構やばいんじゃないか?」

未央「やっぱそう思う?」

奈緒「早々にあの二人をどうにかしないと……仕事に集中できないだろ」

未央「そうだよねー……やっぱどうにかしないとだよねー」



未央「二人が挟んでる机の下に、乃々ちゃんいるんだよねー」

奈緒「乃々ぉぉぉぉぉおおおおおっっっ!!!!」



森久保乃々「」ブクブク




奈緒「お、おい!! 早く言えよっ! 助けないとだろっ!」

未央「ごめんね。パッション属性って狂気には弱いんだ……」

比奈「どーにかして二人を机から遠ざけないと、近寄れないっス」

奈緒「くっそ……どうすれば……」


加蓮「……しょーがない。じゃあ私が行こうかな」


奈緒「えっ? 加蓮が……?」

未央「どうするの……?」

加蓮「んー? 別に。あの二人の気を私が引くから、その間に乃々ちゃんを助けてあげてよ」

奈緒「気を引くって……」

加蓮「まー任せてよ。――比奈さん、プロデューサーはどこ?」

比奈「あっちで事務仕事してるっスけど……」

加蓮「ん。分かった。行ってくる」スタスタ

奈緒「おいおい、どうする気だ……?」



加蓮「プロデューサー、おはよう」

モバP「ん? 加蓮か。おはよう。調子はどうだ?」

加蓮「んー……実はちょっとだるいんだよねー……」

モバP「なっ、なにっ!? ええと、じゃあとりあえずソファに……」

加蓮「だ・か・らっ!」ダキッ

モバP「っ! おい加蓮っ、膝の上に乗るなっ!」

加蓮「えー、いいじゃん。雪美ちゃんとか仁奈ちゃんとかよく乗せてるくせにー!」

モバP「年少組と一緒にするなよ……それにこんな向かい合った体制じゃないし……」

加蓮「……知ってる? モバPさん――人間って、大切な人や好きな人が傍にいると、免疫力や抵抗力が高まるらしいよっ!」

モバP「は、はぁ!?」



加蓮「だから……私も、モバPさんに……高めてほしい……なんて……///」



奈緒「加蓮っ!? あいつなに言って、いやなにやって……///」

未央「でも見て!! 二人が動き出したよっ!!」



凛「アレ……プロデューサートカレン……ナカヨサソウダネ……」ズゾゾゾゾゾォォォ……

まゆ「ウフフ……マユタチモオハナシ、マザリタイナァ」ゾルゾルゾルゾル……


奈緒「あいつっ! 任せろってこういう……!」

未央「……まさか、自分を犠牲に……! 楓さんじゃないけど、あの二人を前にして、正気でいられるわけないよ……」ガクガク

比奈「あの二人は神話生物かなんかっスか……?」




加蓮(奈緒、未央、比奈さん……聞こえる……?)



奈緒「っ!? 加蓮!? 加蓮なのかっ!!」


加蓮(今のうちだよ。私が二人を引き付けている間に、乃々ちゃんを……)


未央「でもっ! 加蓮はっ!? あの二人が相手じゃ、勝ち目なんてっ!!」


加蓮(私はいいの。確かに、勝ち目は薄い……でもね……)


比奈「……でも?」


加蓮(私、嬉しいんだ……。今まで病弱で、誰かに助けてもらってばっかりだった私が最期に――こうやって、誰かの助けになれるっていうのが)


奈緒「加蓮……」



加蓮(比奈さん……あなたには、自分に正直でいることを教わったよ……。好きなものは好きでいいって、とっても素敵な気持ちだって……)


比奈「どうも……」(そんなこと教えたっけ……)


加蓮(それと未央……あんたはいっつもお調子者で……でもおかげでいつも笑わせてもらって……とっても温かい笑顔をくれた……)


未央「笑顔なら……もっといっぱい、これからも届けるよっ!! だから……!」グスッ


加蓮(そして奈緒……奈緒には……ふふ、言いたいこといっぱいあって言い切れないなぁ……)


奈緒「馬鹿野郎……いくらでも聞いてやるよっ!! だからっ最期なんてっ……そんな……」グスッ


加蓮(ありがとう……皆……私の世界を、こんなに素敵に彩ってくれて……あなたたちに会えて……ズズ本当ズズ……に……ズズ)

(ズサァァァァ…………)


(あ、モバPさんのここ、固く……これってそういうことだよね……)

(ズサァァァァ…………)



奈緒・未央「「かれぇぇぇええんっ!!」」ブワッ!

比奈「かっ、かれーん……」目薬さし



未央「ううう……こんなのってないよ……なんで……あんないい子が」グス

奈緒「……行くぞ、未央」

未央「奈緒……?」

奈緒「……今は泣いてる場合じゃない……乃々を助けなきゃ……」

未央「……そうだね。加蓮の犠牲を――その雄姿を!! 無駄にしちゃいけないっ!!」

比奈「かっ、かれーーーん!!」グス



加蓮「モバPさーん///」スリスリ

モバP「こっこらっ! 加蓮!!」

モバp「こっこらっ! 加蓮!!」ムクムク


「プロデューサー?」

「モバPさん……?」


モバp「あっ……」シュン

凛「随分、楽しそうだね……?」ゴゴゴゴゴ

まゆ「……他の娘に抱き着かれて、うれしいですかぁ……?」ゴゴゴゴゴ

モバP「いやっ! 違うぞ、これはっ!」

加蓮「ふふふっ」スリスリ



加蓮(まあ、奈緒たちにはああ言ったけど――私だって考えなしに囮になったわけじゃないんだよねー)

加蓮(モバPさんとくっつくため、目下最大の難敵はこの二人――普段じゃあアプローチしようとしても難しい……)

加蓮(でも、今この二人はモバPさんに叱られて、彼の前じゃ強く出られない!! ならばこのチャンスに一気にラブピールを……)

モバP「お前ら……なんか怖いぞ? もしかしてまた……」

加蓮(フフフッ。これぞ漁夫の――)



凛「怖い? 何言ってるのプロデューサー」ニコ

まゆ「まゆのこと……怖いですかぁ?」ニコ



加蓮(……あれ?)



モバP「いやっ。そういうことじゃないんだが……何だかまた喧嘩しだしそうな雰囲気だったから、な」

凛「ああ、そうなんだ……。まあ、気持ちは分かるよ。あれは私が悪かったし、プロデューサーにもスタッフさんたちにも――それにまゆにも迷惑かけて、本当に申し訳ないと思ってる」

まゆ「そんなっ! 違うんですよぉ! あれはまゆが突っかかっていっただけで……凛ちゃんは悪くないのに、一緒に怒られてくれたんです……」シュン

凛「もう、まゆったら。そういうのは無しだよ。私達、仲間なんだから……!」ナデナデ

まゆ「うふふっ。凛ちゃんったら、まゆのほうがお姉さんなんですよぉ?」ニコニコ

凛「ふふっ。そうだね。可愛いお姉さん」ニコニコ

加蓮(……何が起きているの?)



モバP「ははっ。そうか。二人の仲が良くなったようで良かったよ」

凛「ふふ、そうだね。私も意地を張り過ぎてたんだ。まゆって私には無い可愛さがあって、ちょっと嫉妬してたって言うか……」

まゆ「まゆは……凛ちゃんより背が低いですから――お姉さんに見られようと焦り過ぎていました」

まゆ「でも分かったんです――そんなことは心配しなくていいって。だって、凛ちゃんはとてもいい子ですから……!」

凛「もうまゆっ……! あんまり恥ずかしいこと言わないで///」

まゆ「ほら、凛ちゃんだってこんなに可愛いんですからっ! 自信を持ってくださいねぇ?」ニコニコ

モバP「うんうんそうかっ! じゃあ、加蓮」

加蓮「えっ……はい」

モバP「俺はこれから、次の企画の会議だから。凛とまゆと話していてくれ」

加蓮「えっ…………はい?」



モバP「好きな人が傍にいると体が強くなるんだろ? それに二人はしっかりしてるからな――何かあっても安心して任せられるよ」ウンウン

加蓮「ちょっ!!」ガシッ

凛「加蓮、調子悪いの? 大丈夫?」右腕掴み

まゆ「心配ですねぇ……食欲はありますか……?」左腕掴み

加蓮「あっあの――」モガッ

凛「うーん、熱は無いみたいだね」ガシッ

まゆ「食欲があるなら、まゆのクッキーと温かいお茶をどうぞぉ。温まりますからぁ」ズルズル

凛「うん。とってもおいしから。きっとすぐ『良く』なるよ」ズルズル

まゆ「じゃあ、とりあえず仮眠室あたりで……」ズルズル

凛「そうだね。あっ、南京錠なら持ってるよ」ズルズル

加蓮「んーっ!! んーっ!!」ジタバタ

ギィ……

バタンッ……

ガチャンッ……

―――――
――――
――




奈緒「お疲れ、モバPさん」

モバP「おお、お疲れ奈緒。レッスンどうだった?」

奈緒「ああ……それはまあよかったけどさ……」

モバP「ん? 他になんかあるのか」

奈緒「あー、えっと。その……」

モバP「どうしたー? 仕事のことかー? あっ、もっとフリフリの衣装がいいとか――」

奈緒「凛とまゆのことだけどさ」

モバP「」ブフッ!



モバP「あー、凛とまゆな。おお、それがどうした?」

奈緒「……今のあの二人を見て、モバPさんはどう思う?」

モバP「いや、仲良くなってよかったじゃないかっ! 今日も二人でお茶してたし……」

奈緒「本当に?」

モバP「えっ?」

奈緒「本当にそう思ってるか? あの二人が仲が良くなったって……?」

モバP「そりゃもちろ――」

奈緒「本当に? 誓える?」

モバP「…………」ダラダラ

奈緒「……菜々さんがJKであることに――」

モバP「やめろぉっ!!」



モバP「……いや、正直結構ショックなんだよ」

奈緒「ショック?」

モバP「確かにうちは人数も多いし、みんな個性的だ。だから――誰か反りが合わない人物が出てくるってのも不思議じゃない……」

奈緒「……ふうん」

モバP「でも、あの二人があそこまで仲が悪いとは思わなくてな……。二人ともしっかりしてるし、タイプも違うから――だから、お互いに影響しあって高め合っていければ、と思っていたんだが……」

奈緒「…………」

モバP「流石に……体からあんな音立てるほど、嫌い合っているってなるとなぁ。このまま一緒の事務所や活動場所にいさせるのは、お互いのためにはならないかな――と」

奈緒「アタシはちょっと違うと思うな」



モバP「……どういうことだ?」

奈緒「確かにあの二人はよく喧嘩してるよ。――でもアタシはそれでいいんじゃないかって思う」

モバP「そうか……? でもそれで仕事に支障がでたら……」

奈緒「モバPさんの気持ちも分かるよ。確かに仕事に影響が出るようじゃダメだけどさ――でも、それこそあのしっかりした二人なら、同じ間違いはもうしないと思う」

奈緒「喧嘩するって、自分の本音とか本心とかをぶつけ合うってことだろ? 家族にだって自分の本心をさらけ出すって難しいことだしさ――だから、そういう相手がいるって結構大事なんじゃないかな」

モバP「…………」

奈緒「特にあの二人はさ――凛は、シンデレラガールにも選ばれて、みんなから期待されてるし――まゆは、お姉さんとして、年下の連中の面倒とかよく見てるからさ。なかなかお互い、自分の本心を晒すって機会が無いと思うんだよ」

奈緒「今日、二人があんなにぎこちなかったのは、無理に仲良くしようとしてたからじゃなくて――いつもみたいに本音で話し合って、本心を見せ合うってことができなかったからじゃないかな……」

モバP「あれが……いつもの喧嘩してるのが、二人の関係の在り方だってことか……?」

奈緒「言いたいこと言って、やりたいことやって……喧嘩するほど仲がいいってのはそういうことだと思う……」

奈緒「言いたいことが素直に言えない辛さは、アタシもそれなりに理解してるつもりだしさ……」



モバP「…………」

奈緒「なっ、なんだよ! なんか言ってくれよっ! アタシだってらしくないこと言って恥ずいんだから――」

モバP「」ブワッ

奈緒「!?」

モバP「そうか……お前はそんなにも皆のことを考えて……うう……」ドヴァアアアア

奈緒「泣くほどかよっ! ……そうだよ。アタシだってお姉さんだしな」

モバP「俺も未熟だな……あいつらを叱ったのが恥ずかしいよ」

奈緒「あんたもまだまだってことだなー」

モバP「全くだ……情けないことこの上ない……」

奈緒「……まあその……なんだ……モバPさんだってそうなんだからさ――抱えきれなくなったり、手に負えないことがあったら誰かを頼れよ」

モバP「奈緒……」

奈緒「あんたの助けを待ってるアイドルもいっぱいいるけどさ――あんたを助けるのを待ってる奴だっているんだ」



モバP「なおぉぉぉおお」ダバーー

奈緒「だから泣くなよっ! とにかく凛とまゆの件、任せたからなっ!」

モバP「うわぁぁぁああんかわいいよぉぉぉお!! なおがかわいいよおおお!!!」ダバーーー

奈緒「うるせぇ!! アタシはもう行くから!! じゃあな!!」

モバP「奈緒」

奈緒「なっなんだよ……」

モバP「お前も、俺には言いたいこと言ってくれていいからな」

奈緒「…………ばか」

ガチャ



奈緒「はぁ……我ながら随分とらしくないことしたなぁ……」


未央「」ニヤニヤ

比奈「」ニヤニヤ

卯月「」ニコニコ


奈緒「」



未央「いやはや……奈緒ねぇって本当にいいものですねぇ……」

奈緒「お、お前ら……いつから……!」ワナワナ

比奈「まあまあ落ち着いて。奈緒ちゃんは何にも間違ったことしてないっスよー」カチッ

『言いたいこと言って、やりたいことやって……喧嘩するほど仲がいいってのはそういうことだと思う……』

『言いたいことが素直に言えない辛さは、アタシもそれなりに理解してるつもりだしさ……』

『あんたの助けを待ってるアイドルもいっぱいいるけどさ――あんたを助けるのを待ってる奴だっているんだ』

奈緒「ぎゃぁあああっ!!! お前らぁあああ!!!」



未央「流石奈緒っ! 私達にできないことを平然とやってのけるっ!」ニヤニヤ

比奈「いやー痺れるっス。憧れるっス」ニヤニヤ

奈緒「……こ、この怨み……晴らさでおくべきか……」ゴゴゴゴ

卯月「でも奈緒ちゃんの言ったことは、本当に素敵で大切なことだよ」

奈緒「卯月……!」

卯月「私も、もっとみんなのこと考えなきゃなぁって思ったし――奈緒ちゃんはお姉さんとしての私のお手本だよっ!!」

奈緒「卯月はいい子だなぁ……。おい、二人も卯月を見習って――」



卯月「だから私っ! さっきの奈緒ちゃんのセリフ録音して、毎日聞くことに――」



奈緒「あああああああっ!!!! お前もかぁぁぁああああっ!!!!」



奈緒(あれから、プロデューサーが何か言ったのだろう――凛とまゆの関係は以前のそれに戻った)

奈緒「おはよー。ふあぁ」

卯月「あっ! 奈緒ちゃん、いや――奈緒先生っ! おはようございますっ!」

奈緒「先生とかやめろっ! おはよ、卯月」

未央「おっはー。奈緒ねぇ」

比奈「おはようございますっス」

奈緒「あー、あの二人の感じはどうだ……?」

未央「ああ。それなら……」



凛「最低だよっ! まゆっ! なんでプロデューサーの家の洗濯物、全部洗っちゃうの!?」

まゆ「凛ちゃんこそ、非常食とか言って貯めこんでるモバPさんの衣類、返してくださいねぇ?」

凛「……まゆにはあの匂いの良さが分かんないの? それでよくモバPさんの正妻とか言ってられるね。笑っちゃうよっ!」

まゆ「あなたこそ、毎回洗濯物がなくなるモバPさんの気持ちが分からないようですねぇ……。泥棒猫ならぬ泥棒犬だなんて……。それにモバPさんの香りは、まゆとの結婚後、たっぷり堪能しますから問題ないですよぉ」

凛「『モバPさんと間接キス……』とかいって、プロデューサーのストロー舐めてる子がなに言ってんだか……」

まゆ「なっ!! なんで知って――いや、何言ってるんでしゅかっ!!!」

凛「その程度じゃ甘いって言ってるんだよ。私は間接キスなら上も下も済ませたよっ!!」

まゆ「『妖怪・匂いだけでも』のあなたと一緒に語らないでくださいっ! まゆのモバPさんへの想いはそんな歪んでないんですっ!」

凛「へぇ……じゃあ、この前のプロデューサーの歯ブラシ……どこに使ったの?」

まゆ「……!! そ、それは……」

凛「認めなよっ! 自分だってそういうことしているって! 自分はあなたとは違うみたいな態度、気に食わないんだよね」ゴゴゴゴゴゴ

まゆ「言ってくれるじゃないですかぁ……」ゴゴゴゴゴ



未央「あんまり変わってないね」

奈緒「いや酷くなってるだろ……」




卯月「……♪」ニコニコ



奈緒「卯月は何でニコニコしてるんだ……?」

未央「『ありのままの二人が一番だなぁ』って……」



有香「せいっ!」シュバ!

珠美「断つっ!」ザンッ!

あやめ「――ハイクを詠め……!」ゴゴゴゴ



奈緒「あの三人は何してんだ……?」

比奈「常人には見えない攻防――を体得しようと修行してるらしいっス……」




輝子「ヒャッハァァアアア!! 来たぜ来たぜっ!! この香りっ!! ……じょっ、上手に焼けました……フヒ」



奈緒「輝子は何してんだ……?」

未央「この前、たくさん育ったキノコを焼いてるんだってー。私もさっき頂きましたっ!」


「やっぱロックだよねっ! キノコって! シイタケ美味しいしっ!」

輝子「そ、それは……エリンギ……だよ……」


奈緒「いろいろ間違えてるやつもいるけど……」



小梅「すごい……こんなに……」ウットリ



奈緒「小梅は……えーと……」

未央「やっぱり寄ってきてるらしいよ……二人のオーラで……」


蘭子「」チーン

幸子「」チーン

乃々「」チーン


比奈「ああっ。ついに介抱役までダウンした……」



奈緒「それで、あいつらの行動は分かったけどさ……」

未央「ん?」

比奈「はい?」



加蓮「あの……凛お姉さま、まゆお姉さま……今日の『ご指導』はいつしていただけるのでしょうか……?」ハァハァ

凛「ふふっ。加蓮、焦らないで? ね?」ナデナデ

まゆ「お仕事の後に、たっぷりしてあげますからねぇ。いいこにしていてくださいね?」

加蓮「はっ、はいぃ!!」ハァハァ!!



奈緒「……加蓮はどうしたんだ?」

未央・比奈「「さぁ?」」





二人にお互い、あだ名で呼び合わせたかっただけ。

読んでくれてありがとう。


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