ｶﾞﾁｬ

緒方智絵里「おはようございます……」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ
白菊ほたる「おはようございますっ」ﾄｺﾄｺ

朋「あ！　２人ともおはよう！」

朋「……ってあれ、智絵里ちゃんどうしたの？そんな浮かない顔して。何かあったの？」

智絵里「あ……朋さん……」

智絵里「実は昨日、四葉のクローバーを探してたんですけど、見つからなくって……」

朋「あー……なるほど。それは残念だったね……。けっこう探してたの？」

智絵里「はい……昨日は9時間くらい探したんですけど……」

朋「9時間！？」

智絵里「いつもは5時間くらいで見つかるのに……」

朋「くらいって」

智絵里「この事務所にきてすぐの頃はあっという間に見つかったんです……10分探せば100個くらいは……」

朋「智絵里ちゃんは業者かなにかなの？」

智絵里「でもどんどん見つからなくなってきちゃって……私の努力が足りないんでしょうか……」

朋「明らかにその乱獲のせいよ……」

朋「そ、そういえば、ほたるちゃんはなんだか気分がよさそうね。いいことあったの？」

ほたる「あ、はいっ！そうなんです！」

ほたる「なんと昨日は、植木鉢が8回しか降ってこなかったんです！」

朋「えぇ……」

ほたる「いつもの半分以下だったんですよ？」

朋「ほたるちゃんのメンタルどうなってるの！？」

朋「というかケガとかなかった？平気？」

ほたる「大丈夫です。当たったのは5つだけなので」

朋「過半数！！！」

智絵里「3個も避けたんだ！ほたるちゃんすごい……！私なんてほとんど避けられないよ……」

朋「なんで植木鉢がよく降ってくるって前提なの！？」

ほたる「でも、朋さんもなんだか表情が暗いように見えました……なにかあったんですか？」

朋「え！？い、いやぁ～、き、気のせいじゃない？私はいつも通りよ！」

朋（今の凄まじいエピソード達の後に「今朝の占いが最下位で～」なんて絶対に言えない……！！！）

ほたる「まさか……」

朋「えっ！？」

ほたる「植木鉢がよく降ってくるとか！？」

智絵里「それは私たちだけでしょっ」ﾋﾞｼｯ

ほたる「智絵里さん、ナイスツッコミです……」

智絵里「ありがとう、ふふふ…………」

朋（………………）

朋（ぜんっぜん笑えないいいいいいい～～～！！！！！！）

朋（なに今の漫才！？笑うトコ！？）

朋（ってかこの2人ってこんなに息ぴったりだったっけ！？）

朋（と、とにかく！何か他の話題を見つけなきゃ……）

朋「ふ、2人はこれからお仕事？レッスン？」

ほたる「あ……私はこれからCM撮影のお仕事です……」

朋「おー！ほたるちゃんCMに出るんだ！すごいじゃない！」

智絵里「すごい……どんな内容なの？」

ほたる「はい……宝くじのCMなんですけど……」

朋「わかった！『ちょっとツイてないあなたでも！宝くじはみんなにチャンスが！』みたいな感じでしょ！夢があるねー！」

ほたる「いえ……私が宝くじを買いすぎて破産、路頭に迷っているのを尻目に、茄子さんが颯爽と1等を当てていく話です……」

朋「」

智絵里「わぁ……ぴったり！」

朋「智絵里ちゃん！？」

朋「それは……まぁ、お芝居だし、頑張ってね……？」

ほたる「はい！それと、せっかくなので私も宝くじを買ってみたんです……」

ほたる「きっと当たらないとは思うんですけど、たまにはいいかなって」

智絵里「へぇ～……、そうだよね、買わなきゃ当たらないし、私も買ってみようかな……」

朋（お、ちょっとポジティブな話題に）

ほたる「まぁ、もう宝くじを入れた財布を落としちゃったんですけどね……」ﾌﾌﾌ…

朋（ならないかー）

朋「えっと、智絵里ちゃんもお仕事？」

智絵里「はい、雑誌のコラムのお仕事があって、その軽い打ち合わせで……」

朋「智絵里ちゃんのコラム！なんだか癒されそう……」

朋「智絵里ちゃんに依頼したってことは……ファッション誌？旅行雑誌？あ！ペット雑誌とか？」

智絵里「『ムー』です」

朋「『ムー』！！？？」

朋「えっっ！？えっ！？なんで！？ユッコちゃんとか菜々さ……ちゃんならまだしも！」

朋「ちょっと智絵里ちゃんの守備範囲をみくびってたよ！？」

智絵里「えっと……その……」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

朋「？」

ほたる「なんでも、『地上に舞い降りた天使にインタビュー！』という内容らしいんです……」ｺｿｺｿ

朋「ああ……なるほど」

智絵里「バレちゃいました……」ﾃﾍｯ

朋「……えっ」

朋（「（天使としてインタビューを受けることが朋さんに）バレちゃいました……）」よね？）

朋（「（本物の天使だってことがみんなに）バレちゃいました……」じゃないよね？）

朋（ああああ～～～！！！聞けない！！！）ﾓﾝﾓﾝﾓﾝﾓﾝ

ほたる「……あ、そろそろお昼の時間ですね」

智絵里「本当だ……どこかに買いに行きましょうか」

朋「え？あ、ああ、もうお昼なのね……」

朋（2人の話が衝撃的すぎて時間の感覚が……）

朋「じゃあコンビニにでも行こっか？」

ほたる「ええと……コンビニはちょっと……」

智絵里「あれ？ほたるちゃん、コンビニ苦手？」

ほたる「いえ、そうではなくて……」

ほたる「最近、5日間くらいコンビニ強盗に鉢合わせていないので、そろそろ来るかもしれません……」

朋「その受け入れがたい理論やめて」

智絵里「じゃあやめておこっか」

朋「受け入れるのもやめて！」

朋「そんな気にしないで大丈夫だって！」

ほたる「でも……」

智絵里「じゃあ、10分くらい待ってから行ってみよう？それなら平気なんじゃないかな？」

ほたる「そうですね……少し待ちましょう」

朋（おなかすいた……）

―――――10分後・事務所の外―――――


朋「さーって！行きますか！」

ほたる「は「きゃーーーーーーーー！！！！！！！！！！！！！！」
「ご、強盗よ！！！！！！！！！！！！！！」
「誰かあああーーーーーーーーーーーーー！！！！！！！！！」
「逃げたぞ！！！！！！！！！！！！！追え！！！！！！！！！！！」
ﾊﾟﾘｲｲｲｲｲｨｨｨｨｨｨｨｨｨｨｨｨｨｨｨｨｨｨｨｨｨﾝ！！！！！！！！！
「ぐわああああああああああああああああああああ！！！！！！！」
「な、何だあ！！！！！？？？？？」
「そ、空から植木鉢が！！！！！！！！！！！」
「今だ！！！！！！！捕まえろ！！！！！！！！！！」
「わああああああああああああああ………………」
………………………………………………
……………………………………
…………………………
………………
……


朋「」
ほたる「」
智絵里「」

―――――事務所―――――


智絵里「面白かったですねっ！」

朋「最初の感想それ！？智絵里ちゃん、ちょくちょく発想がサイコだよ！？」

ほたる「植木鉢ひとつで倒れるなんて、鍛錬不足ではないでしょうか……」

朋「ほたるちゃんは一般人をスぺランカーか何かと勘違いしてるの！？」

朋「結局何も食べてない……」

朋「しょうがない、みちるちゃんが持ってくるパンでも待ってようか……」

智絵里「あ、みちるちゃんは風邪で休むそうです……」

朋「え？ホント？……じゃあ、法子ちゃんでも……」

ほたる「法子ちゃんは『ドナ散歩』の収録中みたいです……」

朋「初耳なんだけどその番組！？じ、じゃあかな子ちゃんは？」

智絵里「キャンディーアイランドでロケに行ってます」

朋「じゃあなんで智絵里ちゃんいるの！！！？？？」

ほたる「あ、そろそろ現場に向かわなきゃ……」

智絵里「私も打ち合わせの時間……」

朋「ウソ！？もう！？」

ほたる＆智絵里「「行ってきますっ」」ｶﾞﾁｬ

朋「き、気をつけてね……」

朋（なんか、いつもの何倍も疲れた……）

朋「ほたるちゃん、いいことあるといいね……」

朋「とりあえず、私も何か食べに「ｷｬｰｰｰｰｰ！！！！ｳｴｷﾊﾞﾁｶﾞ！！！！！！」ｶﾞｼｬｧｧｧｧﾝ


朋「……ほたるちゃん！！！！！！！！！！！！」



おわり