少年「漫画好きな彼女との日常」 (15)


僕は、運動が上手く勉強はまあまあ…趣味は音楽鑑賞。
オタク趣味はなかった。ワンピースとか進撃の巨人とか、有名な漫画を見る程度だった。

そんな高校一年生のある日、彼女ができた。


可愛いらしく優しい女の子だ。


しかし、彼女の家に行ったとき、僕はとんでもない光景を目にしたのだ…



彼女「部屋ちょっと汚いけどごめんねー」


少年「こ、これは…!?」



目の前に広がっていたのは多数の巨大な本棚とおびただしい数の漫画本…

彼女「ん?どうしたの?」


彼女は漫画オタクだったのだ。



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少年「な、これ、全て…」

彼女「うん、漫画!」

部屋を見渡す限り漫画本ばかり…
普段はそんな素振りを見せないから知らなかった…

少年「…すごい数だね…」

彼女「そう?普通くらいじゃない?」


普通か…
友達の家で漫画が五種類以上はあればオタク扱いしてたが…
僕にはわからない世界だ。

少年「へえ……じゃあ、アニメとかも見るの」

彼女「いや、アニメは興味ない」

少年(漫画は好きだけどアニメは見ないんだ)

彼女「私の一押しはねぇ…こどものおもちゃとヨコハマ買い出し紀行かな。ダイの大冒険、からくりサーカスなんかは男の子が楽しめると思うよ。あとねぇ…」

少年(だめだ、さっぱりわからん)

彼女「あ、そういえば君はどんな漫画を読むの?」

少年「え?ああ…まあ、たまに読むよ」

彼女「へえ、なになに!?」

少年「あ…えっと。ワンピースとかナルトとか」

彼女「あー!どっちも人気作品なだけあって面白いよねー!!」

彼女「ただ、ちょっと長すぎるのがぇ…だれてきたし。まあ、今でも面白いとこは面白いんだけどね。これからにも期待だよ」

少年(なんかオタクには馬鹿にされそうな感じがしたけど普通に楽しそうに話してて良かった)

少年「…あ、進撃の巨人も読んでるんだ」

彼女「そうそう!ヒストリアとケニーがいいよねぇ…」

少年「あ、おれ最初の方しか見てないんだよね」

彼女「ええ!?先に進むほど面白いのにもったいない!!」

少年(普段おとなしいのに漫画の事となるとよく喋るんだな)

彼女「絶対に読むべきだよ!せめて12巻まで!!」

少年「え!?」ビクッ

少年「でもなぁ…ちょっとグロいし、たくさん人しぬし、怖いし…」


彼女「いやいや、それは変な先入観を持って読んでるからそう感じるだけ」

少年「え?」

彼女「別にそうでもないよ」

少年「そうでもないって言われてもなぁ…巨人怖いし」

彼女「えー、可愛いじゃん」

少年「可愛い!?」

彼女「漫画たくさん読んできた私に言わせればね……進撃の巨人はグロ漫画でも怖い漫画でもありません」

彼女「至って王道な少年漫画です」

少年(よくわからん…)

彼女「まあ、読みたければ貸してあげるよ」

少年「うん、考えとくよ」

少年「…そういえば、このカラーボックスの中にも入ってるの?」

彼女「ああ、うん。でもそこに入ってるの上級者向けだから」

少年(上級者向け!?)

彼女「まあ、君にはちょっと早いかもね…」

少年「…」

少年「そう言われたらなんか気になります」

彼女「え?」

少年「じゃあ、その上級者向け1つ貸してよ」

彼女「駄目駄目やめときなさい。他の貸してあげるわ」

少年「そっかぁ…でも何がいいのか全然わからない」

彼女「マスターキートンなんかどうかな?字は多いけど取っ付きやすい漫画だと思うけど」チラッ

少年「なにそれ面白いの?つまらなそう」

彼女「失礼ね。読んでから言いなさい」

少年「漫画がたくさんありすぎて何が面白いのかわからない…」

彼女「自分で言うのもあれだけど全部面白いよ」

少年「なにから手を出せばいいのかわからないよ」

少年(でも…僕もなにか漫画読んだ方がいいかな。趣味少しはあった方がいいだろうし)

少年「じゃあ、オススメを適当に1つ」

彼女「仕方ないなぁ…じゃあ私が選んであげよう」サッサッ

彼女「まずはこれでどうかな…」


彼女「からくりサーカス。長いし粗はあるけど、漫画の良さを詰め込んだような作品だよ」

少年「あ、うん。ありがとう…読んでみるよ」

少年「…」

彼女「ん?どした?」

少年「上級者向けが気になって」

彼女「…本当に見たい?」

少年「…はい」

彼女「ん~、仕方ないなぁ」ガラッ

ゴソゴソ

彼女「ほい」

少年「…デビルマン?」

彼女「うん」

少年(これが上級者向け?なんか子供向けっぽいけど…)

彼女「責任は取らないよ」

少年「あはは、大丈夫だってー」

彼女「…一応これも渡しとくよ。よつばと」

少年「え?」

彼女「それで傷付いた心を癒して」

少年「?」

彼女「ちなみにデビルマン以外にもいっぱいあるからね、上級者向け」

少年「そ、そうなんだ…」


とりあえず帰ってから、彼女から借りた「からくりサーカス」1~3巻を読んだ。

最初は絵が少し取っ付きにくそうだと感じたが、そんな不安はすぐに吹き飛んだ。


少年(な…なんだこれは…こんなに面白い漫画があったのか)


最初は弱気だった主人公の勝…しかし二巻からの別人のような成長ぶり。
そしてもう一人の主人公である鳴海の素晴らしい人間性…
ミステリアスな雰囲気が漂うヒロインしろがね。

魅力的なキャラクター達に、数々の熱い展開に胸が震え、涙腺を刺激する。

そして、3巻最後の衝撃的な展開。


少年(彼女から借りてたのは3巻までだけだった…もっと先まで借りてくれば良かった…)

少年「なんでこんないいところで終わるんだよ!!」バンッ ボロボロ















彼女「って思ってるわね今頃…」フフ

―翌日―

少年「おい彼女!」

彼女「なによ、彼女に向かって『彼女』って呼ぶなんて失礼じゃない?私にはちゃんと親からもらった名前があるわ」

少年「そういうメタ話はいいから」

彼女「うん」

少年「からくりサーカスの続きを貸してくれ~…」

彼女「あら。面白かったでしょ」

少年「舐めてました」

彼女「ふふ」

彼女「あ、そういえばデビルマンは?」

少年「あ、まだ読んでない」

彼女「うん。まあ、気が向いたらでいいよ」

少年「…何を読んでるの?」

彼女「天才柳沢教授の生活」

少年(全くわからないなぁ)

からくりを3巻までとか、この彼女は分かってる

彼女「はい、続きね。巻数多いから一気に全部は無理だけど」

少年「ありがとう…君が彼女で良かった」

彼女「大げさだなぁ」


少年「…ん?」

彼女「ん、どした?」

少年「へー、風の谷のナウシカって漫画があるんだ…」ゴソ

彼女「あれ、知らなかったの?今でも普通に本屋に売ってあるよ」

少年「でも映画で見たしな」

彼女「出たそれ!皆それ言うのよ!!」

少年「え!?」ビクッ

彼女「まあ、映画も映画でまた好きだけどね……でも、やっぱり映画と漫画じゃ全然別物よ」

彼女「映画は漫画版の内容の二巻足らずってところかな」

少年「え、そんだけ!?」

彼女「そんだけなんだよ」

少年「へえ…ちょっと気になるなぁ」

彼女「いいよ。まあ、けっこう複雑で難しいけどね」

少年「大丈夫だよ、けっこう勉強できるから」

彼女「それとこれとは別よ」

彼女「んー、でも、からくりサーカス、ナウシカ、デビルマン…ちょっとバランス悪いかなぁ」

少年「ん?」

彼女「ちょっと待ってね」ゴソゴソ

少年「…」

彼女「銀魂とかスラムダンクは読んだことある?」

少年「ああ、うん。スラムダンクは兄貴から借りたことあるし…銀魂はジャンプで」

彼女「ほう。じゃあ………これなんかどうかな?」

ジョジョは読んでおけ(迫真)

デビルマンとは分かってらっしゃる

ナウシカは映画で終わりだと思っていた俺には圧倒的だった

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