天羽まどか「ハローニューワールド」 (40)

※アイカツ! SSです
※時系列はLuminasジャパンツアー直前
※地の文アリ
※書き溜めアリ
※次レスより本編スタートします! フフッヒ


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 本当は、ストレートなんかじゃ全然ないんです。

 人との付き合い方のわからない、不器用な私の防衛手段。普段からそうやってズバズバと言うような素振りを見せておけば、いざという時に本音を隠せる。気取られないでいられる。そんな、歪んだ考え方。

 人って、怖いじゃないですか。私みたいな可愛い女の子でも、こんな馬鹿みたいなこと考えているんです。だったら、他人なんて何を考えているのかわかったものじゃありません。ストレートなんかじゃない。私はとっくに歪曲しているんです。

 悲観しているわけではありません。人間なんて、そんなものなんだろうな。そう、思っていました。十年そこら生きただけの小娘がこんなこと言うのは、生意気でしょうか。いずれにせよ、私は現状に不満なんてなかったのです。私はきっと、ずっとこのままで変わらないのだと。それで、いいのだと。

『まどかちゃん』

 けれど、なんだかあの人に言われると、少しだけ本当に素直になりたくなってしまう自分がいました。

『とってもストレート!』

 彼女の名前のままの、大空からあかるく照らす、温かい声。あの声でそう言われると、なんだかこそばゆくて。先輩の期待に応えたい。先輩の思う、先輩の好きな自分でありたい。そう、思ってしまうんです。

 大好きなお祖母ちゃんにすら、素直にプレミアムドレスが着たいと言えなかった。自分に自信がなかった。先輩は、そんな私を受け入れて、導いてくれた。一緒に特訓して、崖まで登って。

 だからきっと。好きだったんだと思います。先輩のことが。きちんと考えたことも、意識したこともなかったけれど。私は、確かに恋をしていたんだと思います。

まどか「あかり先輩」

 無意識の内に、声が出る。名前を呼んでしまった。

 馬鹿だなあ、ほんと。今更気付いたって、どうしようもないのに。手遅れなのに。だって先輩は、もう――

『あのね、私たち、お付き合いしているの』

 すぐに、おめでとうございますという言葉が出てこなかった。全てが静止したかのように感じた。私は明らかに、動揺していたのだ。けれど、どこか納得もしていた。

 そっか。そうですよね。お二人、お似合いですもんね。それに、なんだか最近もっと仲良くなったな、なんて。そんなこと、思ってたんです。

 だから。

 これはわかっていたことなんです。

『おめでとうございます、先輩』

 結局、私はいつもの貼り付いた笑みでそう答えた。それが精一杯だった。

凛「まどか、何か言った?」

 ハッとして隣を見る。凛が一緒なのを忘れていた。

 私らしくない。それだけ、やっぱり動揺していたということなのでしょうか。二人が付き合っていると聞かされたことに。

 私たちは、それぞれSkips♪とDancing Divaの相棒として、後輩として、二人の関係を知っておくべきだと判断してもらえたようでした。

 それ自体は、とても嬉しい。きっと私たちを信頼してくれている証拠です。そうでなければたとえ同じ仕事をしていく仲であっても同性愛を打ち明けるなんてこと、簡単には出来ないでしょう。けれど、複雑な気分。

まどか「ううん、なんでもない。大丈夫ですよ」

 そう言って、誤魔化す。そうするしかない。言ったって、どうしようもならないんですから。

凛「でもまどか……泣いてる」

まどか「えっ」

 自分の頬に手を添える。そこには、確かに冷たくて熱い液体の感触がありました。

まどか「嘘……私、なんで」

 全然気付きませんでした。涙を流していただなんて。

 おかしいなあ、感情をコントロールするのは、結構得意だと思っていたんですけど。でも、なのに、何故か意識すればするほど涙は止まらなくて。

まどか「ぅ、ぐすっ……せんぱい、せんぱあい」

 何も考えられない。

凛「まどか!」

 そのまま崩れ落ちそうになる私の体を、凛が受け止める。

凛「取り敢えず、部屋に入ろう。ね?」

まどか「ぅぁ、ぁ………ッ」

 はい、と言いたくても上手く言葉が紡げず、嗚咽だけが漏れる。軽く頷いて、凛に支えられながら自室に戻った。情けない。そう思うと、また涙が出てきます。

凛「…………」

 凛は、そっと私をベッドに座らせて、抱きしめてくれました。何も訊かず、そのまま頭を撫でてくれている。その優しさすら、今は涙に変わってしまう。ごめんなさい。でも、何故泣いてしまうのか、私にもわからないんです。

凛「大丈夫、大丈夫だよ」

 優しい声とともに、滑らかな指が私の髪を梳く。くすぐったくて、少し気持ちいい。

まどか「ありがとう……ございます」

凛「落ち着いた?」

まどか「はい。なんとか」

 どのぐらいそうしていたのでしょうか。やっと涙が止まり、話せるようになった頃にはかなり遅い時間になっていました。

まどか「ごめんなさい。迷惑かけて」

 凛は、静かに首を振る。

凛「全然そんなことないよ」

 そして、笑いかけてくれました。その屈託のない笑みが、私の胸に刺さる。凛こそ、私と違ってストレートだ。ちゃんと自分の感情を、そのままに表現出来る。あるいは、彼女にはダンスという手段もある。

 けれど、私は。

『まどかちゃん、とってもストレート!』

 否。だからこそ、素直に話してみよう。今の気持ちを、そのままに凛に話そう。そうすれば、何か変わるのかもしれない。そんなことを思ったのです。

まどか「私、あかり先輩のことが好きです」

 単純に、話したかっただけなのかもしれません。私一人の胸に秘めておくことが出来ないほどに肥大化した、この思いを。共有して共感してくれる誰かが、ほしかっただけなのかもしれません。

まどか「初めて会ったときから、なにか感じるものがありました」

 そうすることで、楽になりたかったのかもしれません。

まどか「それに、興味があったんです。星宮先輩に憧れて、Angely SugarではなくDreamy Crownを選んだ彼女に」

 私が憧れ続けたAngely Sugarというブランド。あかり先輩が愛してやまない星宮いちごの愛用ブランド。アイドル星宮いちごに憧れて、髪型やリボンまで似せていたあかり先輩が、どうしてAngely Sugarを選ばなかったのか。

まどか「でも、そんなのすぐにどうでもよくなりました」

 あかり先輩は、私を導いてくれた。本当は臆病で、何かしなくちゃと思っているのに何も出来なかった私の背中を、押してくれた。きっと先輩がいなければ、私は今でもプレミアムドレスを手に入れられていなかったでしょう。自信をもってお祖母ちゃんのドレスに相応しいアイドルになれたとは、言えなかったでしょう。

まどか「あかり先輩は、新しい世界を見せてくれました」

 初めて先輩と一緒に出たステージ。最高の、ステージ。あんなにもココロがキラリと光って、新しい世界を発見できたことはありませんでした。ビビっときました。世界に恋するみたいに、全てが見違えて、全てが好きになってしまうかのような感覚。

まどか「あかり先輩は、ただの憧れだけじゃない。もっと熱くて、切なくて……とてもすごい先輩になりました」

 だから私は、ユニットを組みたいと思った。一緒にアイカツをしていくなら、あの人しかいないと思った。

まどか「そんなすごい先輩が、なんで私とユニットを組むってすぐに決めてくれたんだろうって不思議でした」

 あかり先輩は言ってくれました。私と一緒ならきっと世界が新しく見えると。実際に、そうでした。

 あかり先輩もそうなんだろうって、確信していました。

まどか「私……私、楽しかったんです。嬉しかったんです。あかり先輩と同じ世界を見られたことが」

 つまり、私は――

まどか「あかり先輩のことが好きです」

凛「そっか」

 なんのまともなりもない、滅茶苦茶な話だったと思います。思いついたことを適当に口にしただけで、もしかしたら、半分も伝わらなかったかもしれません。

 けれど凛は、頷いてくれました。

凛「まどか……辛かったんだね。ごめんね、気付かなくって」

 気付けば、凛の瞳も潤んでいました。

まどか「もう、なんで凛が泣きそうなんですか」

 それが申し訳なくて、でも嬉しくて。そんな照れ隠しを言ってしまう。

凛「まどかのことだもん、私だって自分のことみたいに悲しい」

 抱きしめられたままの腕に、少し力が入ったのを感じた。

まどか「私、凛と同室で良かったです」

 だって、こんなにも温かいから。

 初対面のとき、本当は少し嫌でした。黒沢凛という少女は、簡単に距離を縮めてくるタイプだからです。決して人付き合いが上手だとか、馴れ馴れしいだとかいう意味ではありません。ただ、なんとなく初めから距離の近い子だと思いました。

 きっと、誰に対しても最初の距離が近いんです。

『ねえ、今日からまどかって呼んでもいい?』

 そういう子に、苦手意識があるんです。私とは違って、きちんとストレートだから。私の醜さを、実感してしまうから。

『だから私は、踊り、そして歌って、皆をドキドキさせるアイドルになりたい!』

 でも同時に、惹かれもしました。私には出来ないことをダンスで表現する彼女に。

『ついてなんか来なくていい、その代わり私のことを知ってほしい。私は、まどかを知るから』

 そんなことを恥ずかし気もなく言う彼女に。

 すぐにこの子と、黒沢凛とルームメイトで良かったと思うようになりました。今日だってまどかがいてくれなかったら、どうしていいいかわからずにずっと泣いていたかもしれません。

凛「私もだよ。まどかといると、胸のBPMが高まるんだ」

 言いながら、今度ははにかんでみせる。

凛「でもまどか……これからどうするの?」

 どう、するか。

 そうでした。そんなことも考えられないほど、私は混乱していたんですね。

まどか「……」

 きっと凛は、あかり先輩への想いのことを言っているのでしょう。私はあかり先輩が好き。それは、これからも変わらない。たとえ恋人がいたって、この気持ちが揺らぐことはない。根拠のない確信がありました。

 だからこそ、私は選ばければなりません。

 Skips♪として、あの二人の後輩として、これからどう接していくのかを。

凛「まどか?」

 私は、どうしたいんだろう。どうすれば、いいんだろう。

 あかり先輩。大空、あかり先輩。背中を押してくれた、すごい先輩。私を新しい世界に連れて行ってくれた、大好きな先輩。

 あの時始まった、私たちのニューワールド。それは、終わってしまうんでしょうか――

まどか「あのね」

凛「うん」

まどか「あのね。私、あの時の映像を見たいです」




まどか「やっぱり最高ですね!」

 凛と並んで見た、あかり先輩との最初のステージの映像。そこに映っていた私たちは、間違えなく最高の笑顔をしていました。

凛「それ、自分で言う?」

 見ているだけで、また笑顔になれる。きっと、どんな時よりも自分が一番可愛い時で一番輝いている時。

 ただでさえ可愛い私が、あかり先輩と一緒にアイカツすることで、こんなにも輝ける。

まどか「凛は、前に言いましたよね」

 スミレ先輩が、自分を輝かせてくれると。そして先輩も、凛が自分を輝かせてくれると言っていた。それがユニットの魔法。最高のパートナー。

まどか「やっぱり私にとってあかり先輩も、そうなんだと思います」

 私が最高に輝けるのは、彼女の隣だ。あかり先輩の魅力を一番に引き出せるのも、私だ。だって、このあかり先輩は、最高に魅力的でキュンキュンするんですもん。

 そしてそれは、アイカツに留まる話ではありません。

まどか「あかり先輩と一緒にいたい。そばにいたい。許されるのなら、これからもずっと」

凛「私は、応援出来ないよ?」

 真剣な目で、凛は見つめてくれます。拒絶は冷たいのでも無慈悲なのでもなく、おそらく板挟みだからでしょう。大好きなスミレ先輩と私を天秤にかけることが出来ないから。

まどか「勿論です。これは私の勝手な想い、ですから」

 こうして話を聞いてくれているだけで十分です。ここからは、自分自身の努力でどうにかしなくちゃ。

凛「そっか。じゃあ頑張って、まどか」

まどか「応援は出来ないんじゃなかったんですか?」

凛「私はただまどかが頑張ることに頑張れって言っただけ。恋愛なんて知りません」

 顔を赤くしながらそんなこと言うものだから、

まどか「ふふ、なんですかそれ。凛ってやっぱり可愛いです」

凛「まどかぁー!」




 翌日、私は朝4時半に目覚めた。うん、ちゃんと起きられた。偉いぞ私。

 ベッドから這い出て、準備をする。凛を起こさないように気をつけないとですね。

まどか「ん……髪は下ろしたままで行きましょうか」

 大丈夫。鏡の中私は、とっても可愛い。私なら絶対大丈夫。

まどか「よしっ」

 数度深呼吸をして扉を開ける。向かう場所は――

まどか「あかり先輩!」

あかり「あれ、まどかちゃん!? おはよう、どうしたのこんな早い時間に」

 先輩の部屋の前。どうやら時間ぴったりだったみたいです。

まどか「おはようございます、先輩。えへへ、なんだか目が覚めちゃって」

 自分が笑っているのがわかる。いつもの貼り付いた笑みじゃない。あかり先輩が引き出してくれる、私の本当の、最高の笑み。

まどか「だからもしかして、あかり先輩に会えるかなあ、なんて」

 嬉しいと、思ってもらえたのだろうか。私の言葉を聞いたあかり先輩が、笑顔を見せてくれる。

あかり「そっか。朝一番にまどかちゃんの可愛い笑顔が見られて幸せだね」

 ああん、もう! この人ったら、こんなこと言っちゃうんだから。先輩の方がよっぽどストレート。

まどか「えへへ、私も元気な先輩が見られて幸せです」

 でも、そんなところも好き。やっぱり胸がキュンキュンしちゃいます。

まどか「先輩、今日の午後って何かご予定がありますか?」

 一歩前に踏み出て、先輩の手を取る。可愛らしいのに、温かくて頼もしい先輩の手。

あかり「えっと、昼過ぎから打ち合わせが入ってるけどお夕飯の時間くらいには帰ってこられると思うよ」

 やった。好都合です。

まどか「じゃあ、話したいことがあるので一緒にご飯食べませんか?」

 今から楽しみ。どう話しましょうか。

あかり「わかった。じゃあまた後で連絡するね!」

まどか「はい! 大空お天気頑張ってくださいね。絶対見ますから!」

 まあ、これまで見なかったことなんてないんですけど。

あかり「はあい、ありがとう。行ってきます」

 手を振ってくれる先輩も愛おしくて、ぶんぶんと振り返してしまいました。ちょっと、はしたなかったかも。

 さて。それじゃあもう一仕事――

スミレ「おはよう、まどかちゃん」

 しないとですね。




 招かれるままに、先輩たち二人の部屋に入る。右手の壁には星宮先輩のポスター。左手には、藤堂先輩のもの。いつしか、見慣れてしまった光景だ。

スミレ「まどかちゃん、早起きさんなんだね」

 先輩の美しさが、今は少しだけ怖い。

まどか「ええ、今日だけは」

スミレ「ふうん」

 観察するように、先輩は目を細める。

スミレ「私服だし、随分おしゃれだよね。髪型も下ろしてるの珍しい。あ、うっすらだけどお化粧もしてるね」

 矢継ぎ早に責められる。うう、わかっていたけれど、手強い相手です。

スミレ「それだけ大事なお話なんだね」

 やはりあかり先輩との会話を聞かれていたようです。ならば、私も逃げ隠れはしません。ストレートに、真っ向勝負です!

まどか「私、あかり先輩に告白しようと思います」

スミレ「っ……」

 これにはさしもの先輩も、言葉を失ってしまったようでした。このまま行くぞ。

まどか「ですから、一応あかり先輩の彼女さんには義理を通しておこうかと思いまして」

 同時にこれは、逃げ道を塞ぐため。私が本当にストレートになるため。

スミレ「まどかちゃん……ストレートだね」

 苦笑いだ。

まどか「はい、それがあかり先輩の好きな私ですから!」

 ありったけの笑顔で答える。これも染み付いた笑顔なんかじゃない。これからのアイカツと生活への期待と希望に満ちた笑顔だ。

スミレ「凄い自信だね」

まどか「あかり先輩がいるからです。先輩が一番、私を輝かせてくれる。可愛くしてくれるんです」

 それは昨日、再確認した。痛いほどにわかった。

スミレ「うん、そうかも知れないね。けど、あかりちゃんが一番に輝くのは――」

まどか「Luminasかもしれません」

 そう、今はまだ。

まどか「でも、私だって今のままではいられません。どんどん特訓を重ねて成長します」

 大空あかりというアイドルが、そうだったように。歌もダンスも下手だった。ただ、自分に元気をくれたスターに憧れ、導かれて直走ってきた。そんな先輩のように。

まどか「私はトップアイドルになります。星宮先輩もスミレ先輩も、あかり先輩だって超えるトップアイドルに」

 その時は、誰であろうと、大空あかりを一番に輝かせるのは私だと認める時です。

まどか「それに、Skips♪のときのあかり先輩、最高にキュンキュンする顔をしてるんですよ?」

スミレ「…………すごいね」

 穏やかに、先輩は微笑む。

スミレ「私ね、あかりちゃんに会うまでアイドルは皆ライバルで、傷つけ合うものなんだって思ってたの」

 それは皮肉でも負け惜しみでもないように見えました。

スミレ「でもね、違った。私たちは一緒にアイカツする仲間で、そしてどうしようもなくライバルなんだ」

 私にも、わかる。スターライト学園の生徒は皆がアイドル。一緒の学舎で勉強して、一緒に成長していく。けれど、アイドルの道は狭く厳しい。芸能界で生き残っていけるのは、ほんの一握りだ。

 でも私たちは絶対に騙して闘ったりなんてしない。みんな友だちで、みんなライバルなんだ。

スミレ「だから、きっと私とまどかちゃんの関係は変わらないね」

 あっ……。

スミレ「まどかちゃんみたいな、真っ直ぐで力強いアイドルと出会えて嬉しいよ」

 そっか。敵わないわけです。今の私では、まだ太刀打ち出来ません。

まどか「ありがとうございます。私、手加減しませんからね!」

 最後の笑顔は、少しだけ涙が混じってしまった気がした。




凛「そうですか。まどか、そんなことを……」

スミレ「あの子、雰囲気変わったね。とてもいい感じに」

 あの衝撃の朝から半日、私と凛ちゃんはダンディバの打ち合わせをしている。名目上は。

凛「そうかも、しれません」

スミレ「凛ちゃんは、これでよかったの?」

 そう、私の本当の気がかりはこれ。まどかちゃんの挑戦状は受け取った。こっちだって、譲ってあげるつもりも負けるつもりも一切ない。あかりちゃんを好きという気持ちは絶対に負けない。

>>30

ああああ、ごめんなさい、貼る順番間違えました。見なかったことにしていただいて、次から順番どおりいきます。

こちらが本来 >>29 の次、 >>30の前にくるものです


 私のトレーナー……担当の先輩アイドルも、やっぱりすごい先輩でした。最初から知っていましたけどね。

 やらなきゃいけないこと、超えなきゃいけない壁がいっぱいですね。けれど不思議と、わくわくしてきます。私の、私たちの進むアイカツの先には一体どんなことが待っているんでしょう。

まどか「取り敢えず、特訓ですね!」

 もう身体がうずうずしちゃって仕方ありません。ジャージに着替えてこなきゃ。

まどか「アイ・カツ! アイ・カツ!」

 私たちの熱いアイドル活動、アイカツ! まだまだ始まったばかりです!

おわり




凛「そうですか。まどか、そんなことを……」

スミレ「あの子、雰囲気変わったね。とてもいい感じに」

 あの衝撃の朝から半日、私と凛ちゃんはダンディバの打ち合わせをしている。名目上は。

凛「そうかも、しれません」

スミレ「凛ちゃんは、これでよかったの?」

 そう、私の本当の気がかりはこれ。まどかちゃんの挑戦状は受け取った。こっちだって、譲ってあげるつもりも負けるつもりも一切ない。あかりちゃんを好きという気持ちは絶対に負けない。

スミレ「凛ちゃん、まどかちゃんのこと――」

凛「言わないでください!」

 凛ちゃんが、珍しく声を荒げる。

凛「ごめんなさい、大声出して」

 項垂れたその顔は、前髪で隠れてよく見えない。

凛「私は、まどかが幸せなのが、一番幸せですから」

 うん、選択は人それぞれ。どれもきっと正解だ。後輩たちは、皆強い。

スミレ「そっか、偉いね。凛ちゃん」

 自然と手が伸びる。彼女の頭を撫でる。抱き寄せた身体は、少しだけ震えていた。

 こんなにも優しい後輩。力強い後輩。大好きな同輩。尊敬できる先輩。色んなアイドルとの出会いが、アイドル以外にも色んな出会いが、私たちを成長させてくれた。

 これから始める私たちのジャパンツアーは『出会い』を大切にする旅だ。

 今度はどんな素敵な人たちと出会えるのだろう。もしかしたら、新たなアイドルだって生まれてしまうかもしれない。

スミレ「凛ちゃん、これからもアイカツ、頑張ろうね」

凛「はい……みんなとなら、どこまでも!」

本当におわり

うううううう後半鳥肌たちっぱなしでした、ありがとうございました!乙です!

お付き合い有り難うございました。

明日にはHTML化依頼を出しますので、よろしければ感想などお願いします。

今回はひどいミスをしてしまってすみません。恥ずかしいばかりです。失礼しました。

>>36

こちらこそ有り難うございます。後半は色々考えましたがこう落ち着きました。

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