【ガルパン】みほ「高校選抜?」 (109)

杏「そ。うちも全員参加で呼ばれてるんだよね」

みほ「は、はぁ。えっと、それで私は……」

杏「参加しようと思ってるんだ。戦車道優勝校が出ないわけにはいかないしね」

杏「特にうちの場合は戦車道振興を理由に廃校見逃してもらったわけだし」

杏「日程とかは生徒会通してもらうつもりだけど、西住ちゃんも把握しといてよ」

みほ「わ、分かりました。頑張ります」

杏「じゃ、そういうことで」

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~数日後~

優花里「いよいよですね、西住殿! 私、緊張してきました」

沙織「選抜って、なんか凄いかっこいいよね」

華「華道にはこういう形の選抜というのはないので、ちょっとワクワクします」

麻子「私は別にどうでもいいけど、選抜合宿期間は単位免除されるっていうから来たんだが……」

みほ「これも、授業の一環として扱われるからね」

優花里「あ、でも合宿中は基本朝六時起きで、ラジオ体操、朝食のあとはすぐ練習らしいですよ」

麻子「ろ、六時!?」

沙織「ちょっときつそうかも。朝から晩まで戦車かぁ……」

みほ「そんなことないよ。レクリエーションとかも用意されてるらしいから」

華「レクリエーションですか。面白そうです」

麻子「そんなのいいから、寝る時間を……」

優花里「あ、見えてきましたよ。あれが黒森峰の学園艦ですね」

沙織「そういえば、黒森峰が合宿場なんだね」

優花里「超名門校ですからね。当然かと」

華「選抜チームの隊長も確か……」

みほ「うん、お姉ちゃんだね」

沙織「でも、うち優勝したのになんで黒森峰なの? ちょっと納得いかないかも」

みほ「それは……」

華「伝統の問題でしょうか。黒森峰は九連覇に続いて二年連続準優勝の名門、隊長は西住流の跡継ぎですから」

麻子「初優勝のぽっと出高校にホスト校は無理ってことだな」

沙織「ひっどーい。そこまで言わなくてもいいじゃん!」

みほ「ま、まぁまぁ。あくまで想像だから……」

優花里「というより、設備の問題が大きいと思いますが」

優花里「大洗の環境じゃ、選抜チーム全員分の戦車を整備管理できませんし」

沙織「あー、なるほど。それなら納得」

杏「西住ちゃーん」

みほ「あ、会長」

柚子「黒森峰に着くから、こっち来ておいてね」

桃「各校代表との挨拶も隊長の仕事だぞ」

杏「そゆこと」

みほ「分かりました。今行きます」

みほ「みんな、またあとでね」

沙織「うん、行ってらっしゃーい」

~黒森峰~

杏「お迎えが来るはずだから、行けばわかるよ」

みほ「分かりました」



みほ「……って言われたけど、どこ行けばいいのかな」

みほ「一応、黒森峰の中なら分かるけど、どこが集合場所か聞いてないし」

まほ「みほ」

みほ「あ、お姉ちゃん」

エリカ「どうも。大洗の隊長さん」

みほ「エリカさんも」

まほ「久しぶり。他校もすぐに集まるはずだからもう少し待ってて」

みほ「うん」

エリカ「あとこれ。代表用の日程表と、戦車関連の書類、合宿中の注意事項、それから……」

みほ「あ、あの。この書類の山は一体……」

エリカ「え? そちらの生徒会に持っていったら、こういうのは全部あなたがやるって聞いたわよ?」

みほ「えっと……そう、ですか。あ、あはは、はぁ……」

黒森峰生徒「継続高校選手の乗艦、終わりました」

エリカ「隊長、選抜メンバー全員の乗艦終わりました」

まほ「分かった。継続高校の代表が来たら、一緒に行こう」

カチューシャ「カチューシャを待たせるなんて、いい度胸ね」

ダージリン「いいじゃない。お陰で紅茶を一杯楽しむ時間ができたわ」

ケイ「いよいよね」

アンチョビ「楽しみだな。全国じゃ大洗に負けたけど、アンツィオの実力を見せてやるぞ」

カチューシャ「え? なにを見せてくれるって? へっぽこ豆戦車かしら?」

アンチョビ「な、なんだとー!」

絹代「まぁまぁ、落ち着いてください。話はよく聞いてませんでしたが、とりあえず突撃すれば万事解決です!」

アンチョビ「いや、お前が落ち着け。この状況でどこにどう突撃する気だ。意味が分からんぞ」

エリカ「……さすが選抜、個性豊かな面々ですね」

まほ「そうだな」

みほ「……」

~体育館~

エリカ「――以上で説明を終わります。最後に隊長からどうぞ」

まほ「本合宿は数年後行われる世界大会に向け、日本戦車道の更なる振興と発展を目指し行われます」

まほ「集まった車両は四十両、選手は100人を越える大所帯ですが」

まほ「その中でも規律規則をしっかり守り、選抜選手として自覚ある行動を期待します」

まほ「以上です」

エリカ「それでは、全体ミーティングを終了します。各選手は担当車両の確認、整備後自由行動」

エリカ「各校代表はミーティングルームへお集まりください」

沙織「みぽりんはこのあとミーティングなんだよね?」

みほ「そうなの。だからⅣ号の整備、お願い」

秋山「お任せください!」

麻子「一人で行くのか」

みほ「ううん、副隊長も一緒に行くはずなんだけど」

華「副隊長と言うと……」

杏「西住ちゃーん」

みほ「あ、会長」

杏「ミーティングには私がついていくから」

みほ「あれ? でも副隊長は……」

杏「今回の副隊長は私。河嶋には整備任せてきたよ」

沙織「整備が面倒くさかっただけなんじゃ……」

杏「なんか言った?」

沙織「い、いえいえ……」

杏「よぉし。じゃ、ちゃっちゃと行ってパッパと終わらせちゃおう!」

みほ「あ、待ってください!」

~ミーティングルーム~

まほ「今回は各校代表の顔合わせ、日程の確認と、練習に当たっての編成を決めようと思う」

ケイ「編成?」

エリカ「40両ですから、ある程度まとめないと訓練ができませんよ」

ダージリン「それで、編成の仕方は決まっているのかしら?」

まほ「ひとまず8両一組を中隊と扱い、5個中隊を編成する」

カチューシャ「中隊と呼ぶには少し数が足りないわね」

アンチョビ「ひとまず、ってことは、あとから変わるってことか?」

まほ「そうだ。何度か編成を変えてみようと思う」

ケイ「まぁ折角集まったんだし、交流もかねて色々組み合わせ試すのもいいかもね」

ミカ「……それだけじゃないね」

ダージリン「そうね。各中隊長が副隊長候補、ってことかしら?」

まほ「そういう側面もある」

ケイ「なるほど、そういえば選抜の副隊長は決まってなかったもんね」

カチューシャ「そんなの候補を挙げるまでもないわ。隊長は私、副隊長はミホーシャね」

ノンナ「隊長はまほさんで決まってますよ」

カチューシャ「う、うっさいわね。分かってるわよ」

まほ「ともかく、合宿中は3から4個中隊を編成し、それを基軸に練習しようと思う」

まほ「それで、編成だが、第一中隊長は私。続いてカチューシャ、ダージリン、ケイ――」

カチューシャ「カチューシャは中隊長ね! 副隊長にはミホーシャを希望するわ!」

ノンナ「カチューシャ、まだ言い終わってませんよ」

ケイ「メンバーを希望していいなら、私もみほがいいわ」

ダージリン「それなら私も希望するわ」

カチューシャ「なによ。最初に言ったのはカチューシャなんだから!」

杏「西住ちゃん、モテモテだねぇ」

みほ「あ、えっと……」

エリカ「ちょっと、お静かに!」

まほ「……第五中隊長、西住みほ」

みほ「え、私?」

杏「まぁ、だよねー」

カチューシャ「折角、戦力増強のチャンスだと思ったのに……」

ノンナ「と言いつつ、一緒に遊んで仲良くなりたかっただけですね」

カチューシャ「ノンナは黙ってて!」

ケイ「まぁ、仕方ないか。これで隊長は決まりね」

ダージリン「編成は各中隊長の学校を中心に組むのかしら? まだ最初なのだし」

まほ「そうだ。具体的な編成だが――」

まほ「――それから、みほの中隊はそのまま大洗女子学園のメンバーだ」

カチューシャ「アンツィオ……別に組んでもいいけど、邪魔だけはしないでよね」

アンツィオ「ば、馬鹿にするなー! アンツィオだって本気出せばそれなりに……」

ケイ「同じ部隊ね。よろしく!」

西「はい! お世話になります」

ダージリン「一緒に頑張りましょう」

ミカ「そうだね。頑張るのは大切なことだよ」

みほ「……あ、あの。エリカさん、うちは他校と組まなくていいんですか?」

エリカ「さっきも言ったとおり、編成は途中で変えるから、後々組むこともあると思うわ」

エリカ「これから先の編成はまだ検討中だけど……正直、大洗は戦車がバラバラすぎて組みづらいのよ」

杏「あはは、まぁ元が寄せ集めだしねー」

まほ「最後に、各中隊の呼称だが」

カチューシャ「そんなの、第一、第二でいいわよ」

ケイ「シンプルイズベスト」

ダージリン「それが一番分かりやすいんじゃないかしら」

まほ「では、私が第一中隊。以下、カチューシャ、第二中隊。ダージリン、第三中隊。ケイ、第四中隊」

まほ「西住みほ、みぽりん中隊とする」

カチューシャ「決まりね」

ケイ「オッケー」

ダージリン「異存ないわ」

みほ「……あ、あの!」

まほ「なんだ?」

みほ「なんか、私の中隊だけ名前がおかしかったような……」

ケイ「え? なにが?」

みほ「いや、なにがって言うか……」

みほ「中隊名、それぞれ第一、第二、第三、第四ですよね?」

ダージリン「ええ。そうね」

みほ「順番に番号で呼称されてますよね」

カチューシャ「聞けば分かるじゃない」

みほ「それで、私の中隊が」

まほ「みぽりん中隊」

ダージリン「何もおかしくないわ」

ケイ「パーフェクトな命名ね」

カチューシャ「むしろどこに疑問を持ったのかしら」

みほ「……えっと、いいです。すみません」

まほ「そうか。それでは、日程の確認後、解散だ」

~ガレージ前~

みほ「……はぁ」

沙織「あ、みぽりん、おかえり~」

優花里「西住殿、おかえりなさいであります」

みほ「うん。ただいま」

華「元気がありませんね。何かあったんですか?」

みほ「う、ううん。別に大したことじゃないの。それより整備の方は?」

麻子「とっくに終わっている」

沙織「どこが壊れていたってわけでもなかったから」

沙織「自動車部の人たちに協力してもらいながら一通り点検だけして、それで終わりだったよ」

麻子「今回は自分たちの戦車の置き場所を確認するという意味合いが強いんだろう」

優花里「大洗の戦車はみんなここに並んでいるみたいですよ」

みほ「あれ? 他のみんなは……」

沙織「整備が終わったら自由行動だって言ってたから」

華「この時間なら、昼食でしょうか」

みほ「あ、もしかして、みんな待っててくれたの? ごめんね」

沙織「ううん、いいの。みぽりんと一緒の方がご飯おいしいもん」

麻子「私はお腹が減って倒れそうだが……」

沙織「こら麻子! またそういうこと言う」

優花里「でも、待ってようって最初に言ったのは冷泉殿でしたよね?」

麻子「いや、それはその……まぁ」

華「うふふ。それじゃ、麻子さんが倒れないうちに行きましょうか」

みほ「うん!」

沙織「お腹空いたー」

麻子「沙織も空いてたんじゃないか……」

沙織「これから昼食だもん。お腹は空いてなきゃ困るでしょ」

華「他校の学食って初めてなので、少しワクワクします。どんなのがあるんでしょう?」

優花里「戦車道が盛んな黒森峰ですからね。たぶん貴重なレーションとかがそのまま出てくるんですよ!」

沙織「えー。おいしいのならいいけど……」

みほ「あ、あはは……さすがにそれはないかな。普通の食堂だよ」

沙織「そっか。そうだよね、学食だし。安心したー」

優花里「私は少しがっかりです……」

???「おーい」

みほ「?」

アンチョビ「やぁ、どうも」

みほ「あ、アンチョビさん」

沙織「アンチョビ……あ、アンツィオ高校の」

華「隊長さんですね」

優花里「そういえば、ガレージお隣でしたね」

アンチョビ「そ。よろしくな」

みほ「はい」

優花里「あれ、お一人なんですか? 副隊長のお二人は」

アンチョビ「あー、うん。カルパッチョは大洗の子と仲良くどこかへ行ってしまってな」

アンチョビ「ペパロニは……」

みほ「?」

アンチョビ「そういえば、みんなはこれから昼食か?」

みほ「はい。アンチョビさんは?」

アンチョビ「私もこれからだよ。そうだ、折角だから昼食をご馳走しよう」

沙織「え? いいんですか!」

華「なんか悪い気がしますけど……」

アンチョビ「いいよいいよ。さ、行こう」

~黒森峰校舎前 庭~

ペパロニ「いらっしゃい! アンツィオ食堂黒森峰出張版だよ! 安いよおいしいよ!」

沙織「こ、これは……」

麻子「屋台だな」

華「お祭りみたいですね」

優花里「黒森峰の生徒や、合宿で集まった人たちまで並んでますよ」

アンチョビ「おーい」

ペパロニ「いらっしゃい! あっ! アンチョビ姉さん」

アンチョビ「どんな感じだ?」

ペパロニ「もう大繁盛っすよ! これならM13/40とか10両くらい買えるんじゃないっすかねー」

アンチョビ「そんなに!? よぉし、もっとおいしいもの作って、もっと食べてもらって、戦車買うぞ!」

ペパロニ「はいっす! 戦車は手抜いてもご飯だけは手を抜きません!」

アンチョビ「うん。……っていや違うだろ! 両方手を抜くな!」

沙織「凄い商魂たくましいね」

みほ「そうだね……」

華「色々苦労されてるんですね」

麻子「うち以上かもな」

優花里「でも、ここって校内ですよね。許可とか貰ってるんでしょうか?」

アンチョビ「ギクッ」

沙織「あ、いま『ギクッ』って言った」

華「言いましたね」

麻子「言ったな」

みほ「あの、これって……」

アンチョビ「いや、その。どこにどういう書類で申請すれば良いか分からなくて」

沙織「それは……まぁ確かに」

麻子「そもそもこんなことする高校があるとは黒森峰側も思わないだろう」

華「でもやっぱり無許可はまずいんじゃ……」

アンチョビ「だよなぁ。あのさ、確か黒森峰の隊長の妹だったよね?」

みほ「そうですけど……あ、ご馳走ってもしかして」

アンチョビ「いや、その。代わりというわけじゃないんだけど、ちょっと仲介してもらえるとありがたいかなと」

みほ「それは、別にいいですけど。お姉ちゃん許してくれるかな……」

まほ「許可する」モグモグ

みほ「お姉ちゃん!?」

アンチョビ「え?」ビクッ

まほ「……」モグモグ

沙織「っていうか、みほのお姉さん、なんか食べてない?」

優花里「食べてますね」

華「食べてます」

沙織「あと、許可するって聞こえた気がするんだけど……」

アンチョビ「ほ、本当に!?」

まほ「これも生徒間交流の形だ。学校側には私が交渉しよう」

まほ「ただし、屋台を置く場所や時間帯などある程度指示には従ってもらう」

アンチョビ「もちろんだ。やった! これで大手を振ってできるぞ」

みほ「良かったですね」

アンチョビ「うん。ありがとう!」ギュッ

まほ「……やっぱり禁止にしようかな」

アンチョビ「えっ!? なんでっ!?」

沙織「おいしかったぁ」

華「本当に」

アンチョビ「それは良かった。それじゃ、私はこれで」

みほ「あ、何か用事があったんですか? 引き止めてすみません」

アンチョビ「いや、午前中から働きづめでペパロニたちはお昼食べてないからな」

アンチョビ「そろそろ代わってやらないと、と思って」

優花里「確かに、客足が全く衰えませんね」

麻子「評判が広まったのかもな」

アンチョビ「お客さんが来てくれるのはありがたいけど、このままじゃみんな練習前に倒れてしまうからな」

アンチョビ「そうなる前に、ちょっとでも負担を減らしてやらないと」

アンチョビ「そういう訳だから、私はもう行くよ」

みほ「はい。ご馳走様でした」

アンチョビ「またいつでも来てくれ。それじゃ」

沙織「……隊長って、ちゃんとみんなのこと考えてるんだね」

優花里「さすがに隊長はノリと勢いだけじゃ務まりませんよね」

華「資金を集める方策を立てたり、チームをまとめたり、メンバーの体調を気遣ったり。大変なんですね」

麻子「私には絶対にできんな」

沙織「……みぽりん! いつもありがとう!」

みほ「え? いや、私はあそこまではやってないけど……」

沙織「それで、このあとどうしよっか」

沙織「私は折角違う学園艦に来たから、お店とか見て回りたいんだけど」

華「私も、町の風景を見て回りたいです」

優花里「私はやっぱり戦車を見たいです! ここまで多種多様な戦車が集まる機会はそうありませんから」

麻子「部屋で寝る」

みほ「結構、みんなバラバラだね……」

華「一度、わかれましょうか。全員の要望は叶えられそうにありませんし」

みほ「うん、それがいいかも。自分たちの部屋は、みんな分かるよね?」

優花里「はい。黒森峰の人に説明してもらいましたし、地図もあるので大丈夫だと思います」

麻子「覚えているが……もう限界……」ガクッ

沙織「あぁ、麻子! ここで寝ないで!」

華「あらあら。それでは、私と沙織さんで一度麻子さんを部屋まで送りましょうか」

沙織「うん、ごめんね華。ほら、麻子起きて!」

麻子「うぅ……」

みほ「それじゃ、私は優花里さんと一緒に行こうかな」

優花里「は、はい! おともさせていただきます!」

みほ「どっちかというと私がお供だけどね。それじゃ、三人とも、またあとでね」

沙織「うん」

~ガレージ~

優花里「T-34はいつ見ても素晴らしいですね! 向こうにはIS-2!」

優花里「あ、見てください西住殿! グロリアーナのイギリス戦車ですよ!」

優花里「チャーチルの重厚感! いつ見ても良いですね」

みほ「そうだね。チャーチルは遅いけど、装甲と登坂能力に優れているから」

優花里「はい! まさに歩兵戦車の完成形です!」

優花里「あ、あそこに黒森峰のアニマルシリーズが!」

優花里「隣のは……継続高校のBT-42! 18両しか生産されなかったレア戦車! これは写真を撮らないと!」ダッ!

みほ「あ、優花里さん待って! 行っちゃった……」

みほ「うーん、私ちょっとお邪魔だったかな……。ゆっくり歩いて追いかけよう」

みほ「……これだけ戦車が揃ってると、壮観だなぁ」

エリカ「明日、整備班には各戦車のマニュアルを……アンツィオの件は書類を……うぅ、さすがに紙の束は重いわね」

みほ「エリカさん?」

エリカ「え? あぁ、あなた……ごめんなさい、今忙しくて」

みほ「あの、大丈夫ですか?」

エリカ「えぇ、まぁ。なんとかね」

みほ「良かったら、書類持つの手伝いますけど」

エリカ「他校の隊長さんにそんなことさせられないわ。大丈夫だから、あなたはゆっくりしてなさい」

みほ「でもエリカさんも、明日から練習始まるんじゃ……」

エリカ「これくらい平気よ。それじゃ、またね」

みほ「はい……あ、エリカさん足元!」

エリカ「え? ――あっ!」コケッ

バサバサバサッ

エリカ「……」

みほ「……」

エリカ「その、悪いわね、書類持たせてしまって」

みほ「いえ、別に」

エリカ「正直、助かったわ。色々仕事があって、心身ともに首が回らない状態だったから」

みほ「あの、お姉ちゃ……まほ隊長は、仕事やらないんですか?」

エリカ「やってるわよ。でも、隊長には選抜チームの指揮っていう一番大事な仕事があるから」

エリカ「そっちの方に集中して欲しいのよ」

みほ「でも、エリカさんがこんなに抱え込むことは……」

エリカ「今年で最後だから。この選抜であの人にはやり残した事を全力でやって欲しいのよ」

みほ「……」

エリカ「……あの人は本来、高校の大会で準優勝なんてする人じゃないわ」

エリカ「高校三年間、全て優勝で飾っても不思議はなかった」

エリカ「それが出来なかったのは、私たちが……いえ、副隊長であった私が力不足だったからよ」

みほ「エリカさん……」

エリカ「……もし、あなたが副隊長なら今年、最後の年を優勝で終われていたかもしれない」

エリカ「去年はミスがあったとはいえ、あなたは本来それだけの技量があるのだから……私とは違ってね」

みほ「……それは、違うと思います」

エリカ「え?」

みほ「私が副隊長をやっていても、去年のように負けるときは負けます」

みほ「今年も私が副隊長をやっていたら、もっと早い段階で負けていたかも」

みほ「エリカさんだったからこそ、今年の黒森峰は決勝までこれたのかもしれません」

エリカ「それは、でも……」

みほ「戦車道は一人でやるんじゃないんです。戦車一つ動かすのにも三人四人と仲間がいます」

みほ「誰がダメだとかじゃなくて、みんながみんなそれぞれの形でチームに貢献してるんです」

みほ「それは、一生懸命やっても負けてしまうことはあるけど」

みほ「負けたからって貢献したことがゼロになるわけじゃありませんから」

みほ「エリカさんはチームにたくさん貢献したはずです。必要不可欠なチームの一員だったんですよ」

みほ「私はそう思います……って、チームから逃げ出した私が言えることじゃないですけど……」

エリカ「……」

エリカ「全くね。その上、転校先のチームでうちを破ってくれちゃって。今さら、何を言ってるのかしら」

みほ「す、すみません……」

エリカ「でも、少し救われた気がするわ。ありがとう」

みほ「え? あ、いえ。そんな……」

エリカ「あなたはやっぱり私より優れた指揮官よ。少なくとも、そこでは敵わない」

みほ「エリカさん……」

エリカ「だから、あなたが指揮官になって、それぞれの形とやらを使って欲しいものね」

みほ「え?」

エリカ「ミーティングでも言ってたでしょ。まだ選抜チームの副隊長は決まってない。あなたは副隊長候補よ」

エリカ「私は、もう一度あなたのことを副隊長と呼んでみたくなったわ」

エリカ「……私の形を引き出してもらうためにね」

みほ「えっと、あの……はい。頑張ります」

エリカ「えぇ、頑張りなさい」フフッ

みほ「ふぅ、これでいいですか?」

エリカ「ありがとう。本当に助かったわ」

みほ「いえ。それじゃ、私はこれで」

エリカ「えぇ。また……副隊長」


――――


優花里「西住殿ぉ~!」

みほ「あ、優花里さん」

優花里「も、申し訳ありません! 一人先走ってしまって……」

みほ「別にいいよ」

優花里「? 何かあったんですか?」

みほ「え? ううん、なにも」

優花里「そうですか?」

みほ「優花里さんの方はゆっくり見れた?」

優花里「ええ、もう! 最高でした!」

みほ「そっか。それじゃ、そろそろ部屋に行こっか。明日から練習だし」

優花里「はい!」

~翌日~

まほ「これより練習を始める。まずは各中隊に分かれ、基礎的な射撃、陣形維持練習だ」

まほ「初日であり、連携が取りずらい部分もあるだろう。基礎練習を通し少しずつ感覚を掴んでいくように」

まほ「では、練習開始!」

全員「「はい!」」

~第二中隊~

カチューシャ「第二中隊、陣形維持し前進! ……ちょっと豆戦車! 前に出すぎよ!」

ペパロニ「あ、すんませーん」

カチューシャ「っていうか、陣形の中心に装甲も火力も貧弱な豆戦車がいても意味ないじゃない」

ペパロニ「え? じゃあ何すればいんすかねー?」

カチューシャ「ふん、武装が貧弱でもできることはあるわ。できることをやりなさい」

ペパロニ「できること……わっかりました! 練習後の為にパスタ茹でときます!」

カチューシャ「そうじゃない!」

アンチョビ「ペパロニ。偵察だ、偵察」

ペパロニ「あー、なるほど! あったまいいっすね姉さん! そんじゃ、偵察練習行ってきます!」

カチューシャ「ほんと、何しに来たのよ」

アンチョビ「命令すればちゃんと従うんだけどなぁ……いや、すぐ忘れちゃうけど」

第三中隊

ダージリン「全車前進。合図に合わせ停車射撃後、微速後退……停車、撃て」

ドドドーン!

アッサム「……命中弾3、チャーチル、マチルダ2、BT-42です」

ダージリン「継続高校の代表さん。なかなか優秀ね」

アキ「やったね! 命中だって」

ミカ「……うん。でもそれってそんなに大切なことかな?」ポロロン

アキ「もー。またひねくれたこと言ってる」

~第四中隊~

ケイ「よぉく狙って! 火力が不足している場合、敵の弱点を正確に撃つことが大切よ!」

西「すみません!」

ケイ「なに?」

西「突撃して近距離で撃ったほうが当てやすいので、我々は突撃してもよろしいでしょうか!」

ケイ「オッケイ! あなたの戦車が8.8cm砲のゼロ距離射撃に耐えられるなら許可するわ」

西「よし、みんな! その場に留まり射撃続行!」

~第一、みぽりん中隊~

まほ「我々はもともとの編成とそう変わらない」

まほ「連携面で練習するほどのことはないから、射撃練習だけやっておこう」

みほ「うん、分かった」

杏「うーん」

みほ「会長、どうかしたんですか?」

杏「折角合同でやるんだから、ただ練習するだけじゃなくてそれっぽいことしたいよねー」

みほ「それっぽいこと?」

杏「例えば、成績の良かった方が悪かった方から何かもらえるとか」

まほ「賭け事なら却下だ」

杏「賭けってほどじゃないくてさー。ほら、ご褒美あった方がモチベーションあがるじゃん」


まほ「具体的に何をもらうんだ」

杏「干し芋三日分!」

みほ「それでモチベーション上がるのは会長だけだと思いますけど……」

杏「じゃあ、うちが買ったら干し芋で、そっちが買ったら西住ちゃん一日分で」

みほ「いや、私一日分ってなんですか……」

まほ「乗った!」

みほ「お姉ちゃん!? いやいや、それでモチベーション上がるのはお姉ちゃんだけ……」

まほ「全員聞いたか! やるぞ!」

黒森峰「うおおお!!!」

みほ「なんでそんなに士気上がってるの!?」

みほ「はぁ、結局押し切られちゃった……」

優花里「良く分からないことになりましたね」

みほ「うん。黒森峰は異様に士気が高いし、どうしよう」

麻子「なに、負けたって取って食われるわけじゃあるまい」

みほ「そ、そうだよね」


まほ「良いかみんな、千載一遇の好機だ。勝ってみほを取り返すぞ」

黒森峰「ハイ!」

まほ「一日あれば十分。用意はしてあるな」

黒森峰A「転校、転居、乗船許可など必要書類と要点をまとめたマニュアルを用意しました」

黒森峰B「引越し業者への電話、準備オッケイです。決着がつき次第かけます」

まほ「業者じゃ遅い。選抜メンバー以外の者に連絡網を回して待機させろ。終わり次第荷造りだ」

まほ「選抜メンバーは決着と同時にトラックに乗り換え移動。荷造りチームと連携し荷を積み新居(予定)に運べ」

黒森峰B「手配します」

まほ「エリカは?」

黒森峰C「アンツィオ出店許可書類に追われていて合流は午後からです」

まほ「よし。意外なところでアンツィオが役に立ったな」

まほ「無理やり連れ戻したなんてエリカに知られたら絶対反対される」

まほ「早々に決着をつけ、経緯の部分を曖昧に説明して事後承諾という形を作るぞ。電撃戦だ!」

黒森峰「了解!」


沙織「なんか取って食われそうな勢いなんですけど」

みほ「……」

華「大丈夫です、みほさん。負けなければいいんですよ」

華「私、頑張りますから」

みほ「華さん……」

沙織「そうだよね、うん。頑張ろう」

麻子「射撃練習だから頑張るのは沙織じゃないけどな」

沙織「こういうのはチームワークも大切でしょ!」

優花里「そうですね。私も装填頑張りますので、五十鈴殿よろしくお願いします」

華「はい」

みほ「みんな、ありがとう……。よし、やってみよう」

あんこうチーム「おぉ!」

まほ「的は500メートル先のものを使う。まず停車しての射撃で五発」

まほ「次に指定の位置まで後退し、前進しつつ行進間射撃で五発」

まほ「一両当たり十発、八両で計八十発とし、全体の命中弾合計で競う」

まほ「それでは、全車位置につけ」


みほ「黒森峰は500メートルの停車射撃じゃまず外さない……」

華「ということは、こちらも外せませんね」

沙織「だ、大丈夫なの?」

優花里「この75mmは優秀ですし、華さんの技量なら問題ありません」

麻子「あとは他のチームの頑張りに期待だな」

みほ「うん……」


まほ「では、はじめ!」

ドーン! ドドーン!

優花里「全弾命中。おみごとです、五十鈴殿」

華「何とかやりきりました」

沙織「他のチームも命中させたって。うさぎさんチームとアリクイさんチームが一発外しちゃったらしいけど……」

麻子「まぁ、それくらいは仕方ないだろう」

みほ「うん、十分だよ。みんなありがとう」

沙織「今のところ勝負は互角かな?」

麻子「黒森峰は全て命中させている可能性があるが、差はそれほどないだろう」

優花里「ということは、勝負は行進間射撃ですね。非常に難しいですが……」

華「条件は相手も同じです。当てて見せます」

沙織「頑張って、華!」

麻子「よし、位置につけたぞ」


まほ「……はじめ!」

ドーン! ドドーン!

華「ううっ、三発しか当てられませんでした……」

みほ「ううん。凄いよ、華さん。普通当たるものじゃないから」

優花里「そうですよ。五発中三発なんて、奇跡です」

華「ありがとうございます」

麻子「他のチームはどうなんだ?」

沙織「うーん、結構外しちゃってるみたい。アリクイさんチームは一発もあたらなかったって」

華「これは、厳しいでしょうか……」

みほ「だ、大丈夫。黒森峰も行進間射撃じゃそう当たらないはずだから」


まほ「……ふむ。それでは結果を発表する。大洗女子、八十発中、命中弾五十六発」

優花里「やりましたね、西住殿!」

みほ「うん! みんな、本当に凄いよ」

沙織「え? どういうこと? 勝ったの?」

麻子「行進間射撃は普通当たらない」

麻子「黒森峰が例え前半四十発全て当ててたとしても、行進間射撃で十六発を当てるのは至難の業だ」

沙織「じゃあ、ほとんど勝ち決まりじゃん。やったね!」

みほ「うん。華さん、ありがとう」

華「いえ、みなさんの応援のお陰です」

みほ「やったやった!」

まほ「次に黒森峰の、八十発中、命中弾――八十発」

みほ「……え?」

まほ「よって勝者、黒森峰」

みほ「ちょ、ちょっと待ってお姉ちゃん!」

まほ「どうした? 早く制服を着替えてきなさい。何なら私が着替えさせようか?」

みほ「いや待って……っていうか、お姉ちゃんの持ってるの、黒森峰の制服じゃないよね?」

まほ「この間ネットショッピングで買った犬耳メイドのコスプレ衣装だ」

まほ「今、手元に黒森峰の制服ないし、とりあえずこれでいいかなと」

みほ「よくないよ。なんで手元に犬耳メイドの衣装があるの……?」

みほ「って、そうじゃなくて。あの、黒森峰の記録、八十って……」

まほ「そうだが」

みほ「半分は行進間射撃だよね?」

まほ「そうだが」

みほ「それで全弾命中させたの?」

まほ「そうだ」

みほ「そ、そんな。嘘じゃ……」

まほ「不正がないようカメラで録画もしてある。見るか?」

黒森峰A『みほさんを取り返せー!』ドーン! メイチュウ!

黒森峰B『これが終わればみほさん三昧だ!』ドーン! メイチュウ!

黒森峰C『うおお! みほさんばんじゃーい!』ドーン! メイチュウ!


みほ「うそ、なんでこんな当たってるの」

まほ「黒森峰のみほ力は五十三万です」

みほ「意味が分からないよ……」

まほ「何はともあれ、こちらが勝ったんだ。約束通り、みほを貰うぞ」

みほ「か、会長……」

杏「大丈夫、大丈夫」

みほ「な、何が大丈夫なんですか?」

杏「ねぇ。もう一度、私が言った約束を思い出してみてよ」

まほ「約束? 確か大洗が勝ったら干し芋三日分で、こちらが勝ったら西住ちゃ……はっ!?」

杏「そう。私は『西住ちゃん』と言ったけど、それがうちの西住みほを指すとは言ってないんだよ!」

まほ「し、しかし、あなたはいつもみほのことを『西住ちゃん』と」

杏「そうかもしれない。でも、この場合の西住ちゃんが西住みほである証拠はあるかな? 黒森峰の『西住ちゃん』」

まほ「ぐっ、でもこの場合そうとしか取れない言い方だった……」

杏「なるほど、例えそうだとしても私は『西住ちゃん一日分』が『西住みほ本人を好きにする』だとは言っていない」

杏「つまり、私は何があろうと『そちらの勘違い』『内容を確認しなかったそちらが悪い』で押し通せるんだよ!」

まほ「なん、だと……!?」ガクッ

杏「勝った」ブイッ

桃「さすがです、会長」

柚子「あれで、いいんでしょうか?」

杏「いいのいいの。いやぁ、何事も言ってみるもんだね」

みほ「……救われたんだけど、どこか納得できないような」

沙織「あの屁理屈、なんか学園艦教育局の人思い出すよね」

優花里「この間のことで色々学ばれたんじゃないですか?」

麻子「明らかに大人の悪影響だ」

華「何はともあれ、みほさんが黒森峰に行くことにならなくて良かったです」

みほ「良かった、のかな……?」

沙織「それはそうじゃない? 大洗にいれることになったんだし」

麻子「まぁ黒森峰はダメージが大きそうだが」

まほ「ううっ……」

みほ「お姉ちゃん……私、ちょっと声かけてこようかな」


まほ「ぐぅ……謀ったな、大洗」

黒森峰A「そ、そんな。じゃあ、メイド服姿のみほさんを見れないってことですか?」

黒森峰B「あんなに頑張ったのにナース服みほさんを見れないなんて……」

黒森峰C「バニー、エプロン、ニーソ、ウェディングドレス、あんこう踊りの衣装まで用意してたのに……」

まほ「すまない。みんな、すまない……」


みほ「どうしよう。近づきたいけど近づきがたい」

沙織「いや、これは近づかない方が良いよ」

麻子「飢えた狼の群れに羊一匹飛び込むようなものだな」

まほ「ううっ、みほ。最後の年くらいただの姉妹として同じ学校に通いたかった……」

みほ「お姉ちゃん……」

まほ「毎朝キスで起こしてもらったり、腕組みながら通学したり、メイド服着せていやらしい目で見たかった……」

みほ「お姉ちゃん!?」

杏「ふっふっふ」

みほ「あれ、会長?」

まほ「今さら何の用だ」

杏「約束は果たそうと思って」

まほ「約束?」

杏「一日分の西住ちゃん。本人はあげられないけど、代わりにこれをあげよう」

まほ「こ、これは……!?」

杏「そう『大洗女子戦車道隊長西住みほ 密着二十四時 ~プライベートな裏側も~(モザイク無し 限定版)』だ!」

まほ「あ、ありがたい。これでみんなも報われる……」

杏「ふっ、私は約束を果たしただけだよ」

みほ「いやちょっと待ってください」

杏「なに、西住ちゃん?」

みほ「何かおかしいもの渡してませんでした?」

杏「おかしいものは渡してないよ?」

みほ「これ、私知らないんですけど」

杏「西住ちゃん、私はただ約束を果たしただけだよ」

みほ「約束とか以前に、こんなDVD一体どこで……あれ? 制作、大洗女子学園生徒会になって……」

杏「いやぁ、母校を救った英雄って色々な意味で結構人気あるんだよねぇ。それでその、需要にこたえようと」

みほ「需要にこたえるって……」

まほ「みほ、これも戦車道よ」

みほ「お姉ちゃん。その言葉、何でもかんでも解決してくれるほど便利なものじゃないからね」

杏「よし、これで一件落着だね」

みほ「無理やり落着させようとしないでください。お姉ちゃん、そのDVD返して!」

まほ「パスッ!」

黒森峰A「キャッチ!」

黒森峰B「ダッシュ!」

黒森峰C「早く車に! 視聴覚室で鑑賞会だ!」

みほ「あ、ちょっと!」

エリカ「はぁ、やっと書類整理が終わったわ……うん?」

黒森峰C「ぐっ、こんなところでエンストするとは……」

エリカ「あなたたち、何やってるの?」

黒森峰B「げっ! 副隊長!」

エリカ「なにが『げっ』よ。まだ練習中でしょうに」

黒森峰A「これはその。いや、何というか。戦利品をですね、安全な場所へ移そうと……」

エリカ「戦利品? 要領を得ないわね。具体的に言いなさい」

黒森峰A「いやだから、何と言いますか……」

エリカ「はっきり言いなさいよ。『大洗女子戦車道隊長西住みほ 密着二十四時 ~プライベートな裏側も~』を見に行くところですって」

黒森峰B「え? あっ! いつの間に取られて」

黒森峰C「ふ、副隊長、これはその……」

エリカ「はっきり言っていいのよ? これ以上大量の書類を増やして、黒森峰の副隊長を過労死させるつもりですって」

黒森峰A「け、決してそういうわけでは……」

エリカ「どういうわけでもいいけど、これは没収するわ」

エリカ「これ以上馬鹿なことやったら、シュトルムティーガーで天空の彼方に打ち上げてやるから覚悟しなさい」

黒森峰A「うっ……」

エリカ「それから、うちの妹欠乏症患ってる天才的妹馬鹿隊長のところへ案内しなさい。今すぐに」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年12月13日 (日) 23:26:34   ID: MR8--ZHK

続きはよ

2 :  SS好きの774さん   2016年01月03日 (日) 23:00:09   ID: ufJADzJr

続きはよ!

3 :  SS好きの774さん   2016年01月12日 (火) 06:49:32   ID: eUsY-GDy

続きはよ!!!!

4 :  SS好きの774さん   2016年01月13日 (水) 02:47:36   ID: 1ZLhZQqV

メッチャ笑った!

5 :  SS好きの774さん   2016年01月16日 (土) 19:52:13   ID: L4cEHFTE

あぁ~っ もう皆なかわいいんじゃぁぁぁ~
続きはよ!!!
※例の週刊誌だけは許すまじ・・・

6 :  SS好きの774さん   2016年01月16日 (土) 19:58:05   ID: L4cEHFTE

タンクすき~はSが大半と思うけど、みほは
過去アニメキャラでも飛び抜けて嗜虐心煽るよね。
惚れるわ~

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