井之頭五郎「神奈川県 横須賀鎮守府の秋刀魚料理」 (56)

―――神奈川県 横須賀市―――


五郎(初めて来たなぁ横須賀、少し肌寒いが、うん、良い潮の香りだ)

五郎(T、元気かなぁ)

五郎(あいつの兄貴の結婚式以来だから、もう10年は会ってない)

五郎(幼馴染の弟、近いが微妙な距離、しかし仕事で呼ばれるとは、縁とは解らないものだ――)

五郎(しかも軍属とは、子供の頃からしたら想像がつかない)

五郎(どれ、終わらせたらそのまま海軍カレーへと、華麗に参りますか)

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♪~
時間や社会にとらわれず、幸福に空腹を満たすとき

つかの間 彼は自分勝手になり、自由になる―――

誰にも邪魔されず、気を使わずものを食べるという孤高の行為。

この行為こそが現代人に平等に与えられた

最高の癒しといえるので ある。



       孤独のグルメ × 艦これ


       第X話
       神奈川県横須賀鎮守府の秋刀魚料理


五郎(ここが横須賀鎮守府か、レンガ張りの立派な建物じゃないか)

五郎(警備の門扉もがっちりだ、身が引き締まるなぁ。)

五郎「――すいません、本日Tに呼ばれ参りました、井之頭と申しますが、Tさんはいらっしゃいますでしょうか。」

憲兵「ドーモ、井之頭=サン、ハナシは通っています、このIDカードを首に掛けて、中へドウゾ」

五郎「あっ、はい」

五郎(さすが軍の警備員さんだ、とてもいかついめいた雰囲気・・・)


提督「あっ!五郎さん・・ですよね!」

提督「お久しぶりです、お待ちしておりました!」

五郎「おおお~~!いやぁ~久しぶりだなT、かれこれ10年ぶり、ぐらいか、大きくなったなぁ~!」

提督「いやー最後にお会いした時は高校生でしたからね、そりゃあまぁ、はい」笑

提督「とりあえず外で話すのもなんですし、中へどうぞ」

―――― 執務室 ――――
提督「今回お呼び立てした件なのですが、メールにも書きました通り、海外の家具を取り寄せたいと考えておりまして」

五郎「うん、伺っているよ、確か・・イタリアの家具を希望していると。」

提督「はい、春からこの鎮守府を任されいくつか作戦を遂行してきたのですが、それに伴い海外の娘達を迎え入れることになりまして」

提督「新しくこの鎮守府で生活するにあたって、やっぱり、故郷の品を置いてやりたいと思ったんです」

提督「幸い本人たちも遠慮なく賛成してくれまして」

五郎「なるほど。」



コンコン

提督「誰だー?」

リットリオ「リットリオです、提督、例の件でローマと共に参りました」

提督「いいぞ、中へ入れ」

リットリオ、ローマ「「失礼します」」

五郎(あら、綺麗な髪色のお嬢さん二人。これが、噂の艦娘というやつか・・・)

提督「こちらが今回家具の見立てをしていただく井之頭さんだ、ご挨拶を」

リットリオ「Buon giorno! はじめまして、イノガシラさん。V・ヴェネト級戦艦2番艦のリットリオです」

ローマ「Buon giorno、初めまして、同じくV・ヴェネト級戦艦4番艦ローマよ、よろしく」

五郎「あ、どうも初めまして、井之頭五郎と申します。」

提督「リベッチオはどうした?あいつもベッドが欲しいと散々騒いでいただろう?」

リットリオ「それが、お昼の後他の駆逐艦の子達と遊びにいったまままだ戻らなくて・・・。一応、一五○○から提督に呼ばれてるとは言っておいたのですが」

ローマ「全く、しょうがない子ね」

提督「早速馴染んでくれてるのは良いことだが、仕方が無いなぁ・・・」

扉バーン


リベッチオ「ciao!提督ー!リベに用事ってなにー?」

提督「こらリベッチオ、遅いぞ!お客さんがいらしてるんだからしっかりしておくれよ!」

リベッチオ「ごめんねー!道が混んでいてさー」

提督「道ってどこのだ!全く・・・。まぁいい、こちらがお前が欲しがってた家具を見繕ってくれる井之頭さんだ、ごあいさつしなさい」

リベッチオ「ワオ!Buon giornoー!初めましてイノガシラさん!私リベッチオ!リベでいいよー!」

五郎「は、はじめまして・・井之頭です・・・。」

五郎(思わず面くらってしまった。陽気な子だなぁ、ザ・イタリア人って感じ)

提督「いやぁほんと申し訳ないです五郎さん。ではまぁ、揃いましたのでお願いしていたものを・・・」

五郎「あ、うんそうだね。」ゴソゴソ

五郎「えー、はい、クラシカルな物のほうがお好みだと聞いておりましたので、そちらを中心にいくつか家具をピックアップさせて頂きました。」

五郎「それと、こちらがエスプレッソなどに用いられる食器類のリストになります。」

リットリオ「わぁ~!すごいです!いっぱいありすぎてめくってるだけで懐かしい気持ちになりますね!」

ローマ「まぁまぁね、このカップなんかも悪くないんじゃない」

リベッチオ「すごーい!あ!リベこのベッドがいいー!お姫様みたいなのー!」

リットリオ「このチェストも、取っ手がかわいいですね~。あ、でもこっちのもシルエットがスッキリしていて部屋に合いそう。う~ん・・・」

リベッチオ「リベはどっちでもいいよー、とりあえずこのベッドね!」

ローマ「お姉さま、今の部屋の間取りを考えると、このサイズのチェストは中々難しいんじゃないでしょうか?それよりも、まずは食器の方を決めませんか?」

(5分経過)
アアダコウダイヤチガウコッチガ・・・
(15分経過)
コレハイイノダケレドモデモ・・・
(30分経過)

提督「・・・中々決まらないですね」

五郎「かなり絞ってきたんだけれどもねぇ、それでも3人で決めるとなると、そうなるだろうなぁ。」

五郎(それにしても、待ってたら・・・)

五郎(腹が)

五郎(減った)

♪ポン

♪ポン

♪ポン!

五郎「あの~、決めるのは今すぐでも無くても大丈夫なので、一旦今日はリストをお預けして、後日またご連絡頂く、というのはどうでしょうか。」

リットリオ「あら、いいのでしょうか?でもその方がゆっくり決められていいかもですね・・・!」

ローマ「そうしましょうか、部屋を見比べながら考えるとまた違うかもしれないわね」

リベッチオ「ベッド~・・・」

提督「すいません五郎さん、わざわざご足労頂いたのに・・・」

五郎「いやいや、よくある事だから大丈夫だよ、むしろ後悔しない買い物をしてほしいからね。ゆっくり、考えてください。」

提督「恐縮です五郎さん・・・。それでは、せめてものお礼にご夕食はうちでいかがでしょうか?」

五郎「ここで?食べられるところがあるのかい?」

提督「はい、ほとんど身内向けではあるのですが2軒ほどありまして、今からの時間ですと鳳翔さんの所かな・・・小料理屋がちょうど開く時間ですね」

五郎「ほほぅ。」

提督「ちょうど旬の秋刀魚を使った料理がおすすめでして。いやぁもうそれはそれは絶品なんですよ!」

リベッチオ「あ!サンマー!リベもサンマのカルパッチォ大好きー!」

五郎「秋刀魚!しかしなぜ今時分に?まだ関東は旬にはひと月ほど早いかと思っていたけども。」

提督「それはですね、今うちのほうで一部北方の漁場の警護を任されていまして、そのお礼にと、漁師さんたちが分けてくれるんです」

五郎「なるほど、それは気になるな。しかし・・タダで食べさせてもらうってわけにも・・・。」

提督「いやいや遠慮せずに、これでもちょっと偉い立場になったもんで、見栄を張らせてください」ニコッ

五郎「そうかい?それじゃあまぁ、お言葉に甘えさせて頂こうかな。そうしたら、家具のお値段もちょっと頑張ってみるよ。」

五郎(街で海軍カレーを味わうつもりでいたが、ちょっとこれは路線変更するか)

提督「恐縮です、それではこちらから話を通しておきますので、そのまま店へ向かってください。ここから見えるあの寮の裏にありますので」

五郎「ん、了解しました。それではまた後日メールで構いませんので、ご連絡を。」

リットリオ「すいませんイノガシラさん、とても素晴らしいものばかりで・・・。Grazie!本当にありがとうございました」

提督「僕も久々に再会できて嬉しかったです、ではまた後日。」

五郎「俺も楽しかったよ、兄さんにもよろしく頼むな。では、失礼します。」

ガチャリ

五郎(さて・・・ちょっと歩くかな?)

五郎(おや、向こうで非番組かな、少女達が焼き芋を焼いてる・・・良いなぁ。)

五郎(軍だし規律は厳しいのかと思ってたけど、割と自由なんだな。)

五郎(しかし秋刀魚か・・・まさかこんな所で味わえるとは思いもよらなかった。)

五郎(塩焼き、刺身、蒲焼きなんかも良い。)

五郎(あぁ、ますます腹が減ってきた。)

五郎(秋刀魚さんまサンマ秋刀魚さんまサンマ・・・)

???(ファーーーーーwwwwwwwww)

五郎(何だ今の)

五郎「っと、ここか・・・」


【小料理屋 鳳翔】


五郎(おお、なんとも良い佇まいの店じゃぁないか、それでは・・・)

ガラガラガラ

鳳翔「あら、いらっしゃいませ~」

五郎「あ、すいません、入れますか?」

鳳翔「はい、提督から伺っておりますよ。こちらのお席へどうぞ」

五郎「あ、はい。」

五郎(小柄な女性、まだお若く見えるが、彼女一人で切り盛りしてるのかな)

鳳翔「失礼します、こちらおしぼりとお冷やですね。ご注文お決まりになりましたら、またお呼びください」

五郎「すいません、ありがとうございます。」

五郎(ふー、一息。さて、メニューは壁か・・・。)

五郎(ズラリと並んでるが、一番上はお酒かな・・・数が多いなぁ。日本酒、焼酎、ビールにワイン、ウイスキーまである・・・、女の子はお酒あまり飲まないのかと思ったが、ここではそうでもないらしい。)

五郎(二段目は揚げ出し豆腐に枝豆、玉子焼き、ゴーヤチャンプルー、麻婆春雨、チーズ盛り合わせ・・・割とジャンルには縛られないお品書き・・・。)

鳳翔「メニュー、多いですよね」苦笑

五郎「え?ええはい・・・。」

鳳翔「最初はそこまで多くなかったんですが、みなさんのリクエストに答えてたらこんなになってしまって・・・」

五郎「あぁそうなんですか道理で・・・。あ、すいません秋刀魚料理があるって聞いたんですが、メニューは・・・?」

鳳翔「それなら、そちらの真横の黒板になりますね」ニコッ

五郎「おお、、すいません。」

五郎(まさしく灯台下暗し、上ばかり見てしまっていた。)

五郎(さて、刺身に塩焼き、蒲焼き、南蛮漬け、つみれ汁etc・・・すごいな、秋刀魚料理だけで二〇種類ぐらいあるぞ。)

五郎(うろたえるんじゃぁない、俺は腹が減ってるだけなんだ、ひとつひとつ・・・。)

五郎(とりあえず塩焼きは絶対だ、あとは・・・お、なめろうがあるのか。)

五郎(ん?なんだこれ、「秋刀魚の海軍竜田・・・?」)

五郎「すいません。」

鳳翔「は~い、お伺い致します」

五郎「え~と、この海軍竜田ってのは、どんな料理なんですか?」

鳳翔「こちらは竜田揚げなんですけれども、衣に海軍カレーと同じ調合のカレー粉を混ぜて揚げてるんです、別の艦娘の子が考えてくれたものなんですが、スパイシーで美味しいですよ♪」

五郎(なるほど・・・海軍といえばカレー、カレー竜田か・・・・。)

五郎「じゃあそれをお願いします・・、それと塩焼き、なめろうとつみれ汁、サンマのマリネ、ごはん大と、ウーロン茶をジョッキでいただけますか。」

鳳翔「承りました、塩焼きは七輪で焼くので少しお時間頂きますが、よろしかったですか?」

五郎「はい、大丈夫です。」

五郎(ほぉ、七輪で焼いてくれるのか。)

鳳翔「では失礼します・・・。 磯風さん、塩焼きひとつ入りました、お願いしますねー」

磯風「了解した」



五郎(野菜も汁物も揚げも押さえた。今日はかぶりは気にしない、思いっきり、秋刀魚を味わおう。)

鳳翔「お待たせしました、こちらお先にウーロン茶ジョッキと、お通しの秋刀魚の骨せんべいですね。」


【秋刀魚の骨せんべい】

骨せんべいと侮るなかれ
胡麻を纏って 旨味もカルシウムもたっぷり


五郎「いただきます。」

五郎(お通しに骨せんべいとは、オツなところを突いてくる。)

パリバリ もぐもぐ

五郎(おぉ美味い・・・、薄い塩味と胡麻の風味が香ばしい。)

五郎(呑んべえちゃんなら、お通しだけで1杯空けちゃいそうだ。)

五郎(秋の味覚斬りこみ隊長、なかなかのお手前で。)


鳳翔「失礼いたします・・・、こちら秋刀魚のなめろうと、秋刀魚のマリネ、秋刀魚の海軍竜田、つみれ汁とごはん大になります。塩焼きはもう少々お待ちくださいね」

五郎「ありがとうございます。」

【五郎’sセレクション】


五郎(うはっ、なんか、すごいことになっちゃったぞ。)

五郎(ではまずはこれから・・・。)


【秋刀魚のなめろう】

荒めに刻んでたっぷりしょうがと
これぞ秋の漁師めし

五郎「改めて、いただきます。」

ぱくり

五郎(ほぉ~~これは、美味い!)

五郎(尋常じゃないジンジャー、たまらんじゃ。)

五郎(白飯がモリモリ進む、気を付けないと塩焼きまでに尽きてしまいそうだ。)

五郎(漁師さんってすごいよなぁ、誰よりも魚の美味しい食べ方を知ってる。)

五郎(次はこれ、行ってみるか。)


【秋刀魚の海軍竜田】

スパイス効いた竜田揚げ
海軍仕込みのスペシャルメニュー

さくりっ もぐもぐ

五郎(うわぁ、とってもカレー。でも秋刀魚の味も濃くて負けてない。)

五郎(脂がのっててもパクパクいけてしまうぞ。鯖もそうだけど、カレー味と青魚って、なんでこんなに相性良いんだろうなぁ。)

五郎(これもご飯が進む、俺の白米基地、陥落寸前。)

五郎(さすがは海軍名物、噂にたがわぬ実力だ。)

ガラガラガラ


五郎(おっとお客さんだ、ID目立つようにしないと・・・)

天龍「あ~~疲れた!最近遠征任務が立て込んできてツライぜー」

龍田「秋の大規模作戦が近いからしょうがないわよ~」

暁「レディは愚痴なんて言わないわ!まだまだ大丈夫よ!」

響「Хорошо、流石はおねえさんだ」

雷「でも無理はダメよ、たまには休まなきゃ!」

電「ご飯食べて、いっぱい寝て休むのです」

天龍「あれ、誰だあのおっさん」

龍田「いきなりおっさんは失礼でしょ~天龍ちゃ~~ん? 提督が朝礼で言ってたお客さんかしらね~? あらあら・・・?」

五郎(まぁ、おっさんだけどね。)

龍田「おじさま、初めまして、その竜田揚げ美味しいでしょう?」

五郎「あ、はい、すごい美味しいです。」

龍田「そのメニュー、私が考えたんです~、お口に合って良かったわぁ」

五郎「そうなんですか、いやぁ~絶品です。」

龍田「嬉しいわぁ♪他のも美味しいので、是非味わっていってくださいね~フフフ♪」

五郎「はい、ありがとうございます。」

鳳翔「天龍さん龍田さんこんばんわ、今日は第六駆逐隊の方々も一緒なんですね、奥のテーブルへどうぞ」

天龍「ああ、第六の連中鳳翔さんとこ来たこと無いって言ってたからよー、連れてきてやったんだ」

電「ドキドキなのです!」

五郎(連れてきた子も高校生ぐらいに見えるが・・・気にしちゃいけないか)


【秋刀魚のマリネ】

彩り鮮やかレモンでさっぱり
シャキシャキ野菜と秋刀魚のコンビ

ぱくっ しゃくしゃく もぐもぐ

五郎(うん、美味い。タマネギスライスと生の秋刀魚、新鮮だから出来る取り合わせだよなぁ。)

五郎(うおお、このドレッシング、美味い。)

五郎(上に乗ってる揚げニンニクでさらに食欲促進、良いぞぉ~ナイスアシストだ。)


【秋刀魚のつみれ汁】

あっさり白だし具もシンプル
潮の香りいっぱいのつみれ汁

五郎(ここで汁要素補給。とても大事。)

ぱく ずずずーっ もぐもぐ

五郎(うーん、良い。口の中海の香りでいっぱい。)

五郎(具もおネギに豆腐につみれ・・・シンプルなのがまた良い。)

五郎(体にやさしい味がする、味噌もいいが、すまし汁は舌がリセットされるなぁ。)

五郎(さてそろそろ塩焼きかn・・・)


ドーーーン!!


五郎「!?」

五郎(なんだなんだ、なんか外から爆発音みたいなのが聞こえてきたぞ。)

ガラガラガラ

磯風「待たせたな客人、こちら秋刀魚の塩焼きだ」ドヤァ

五郎「ど、どうも・・・」

五郎(・・・持ってきてくれた子、なんかボロボロになってたが大丈夫かな。)

五郎(他の人たちはあまり気にしてないようだし、これが普通なのか・・・?)

五郎(ともかく、塩焼きはとても美味そうだ。)


【秋刀魚の塩焼き】

これぞ秋の味覚の王様!
たっぷりおろしとすだちでどうぞ

五郎(こんがり焼けた皮目、大根おろし、すだち。このビジュアル、理想的。これぞ日本の秋って感じだ。)

五郎(おろしに醤油を少したらして・・・)

ぱりっ じゅわぁ もぐっ

五郎(あぁーー、たまらん。こりゃぁたまらん。俺、轟沈。)

五郎(パリッと炙られた皮の香ばしさ。ほっくほくの身。炭火で焼かれるだけでこんなにも味が違うのか。)

五郎(俺が今まで食べていた秋刀魚は別物だったんじゃないか、そう感じてしまうくらいだ。)

五郎(ご飯が、みるみる減っていく。)パクパク

五郎(今度はちょっと身片にすだちを絞って・・・。)

もぐっ

五郎(うまい、うますぎる。爽やかな酸味と香り。口の中が脂っこくなるのを引き締めてくれる。)

五郎(ご飯・・・おっとしまった、もう一口分しかない。白米基地、壊滅。応援を呼ばなくては。)

五郎「すみませんー、ごはん大、おかわりお願いできますか。」

鳳翔「はーい、すぐお持ちしますねー」

五郎(いかんいかん、俺としたことが、戦況確認を見誤ってしまった。秋刀魚、恐るべし。)

鳳翔「はい、お待たせしました」

五郎「ありがとうございます。」

五郎(さぁて、秋刀魚の連合艦隊勢揃いだ。やってやろうじゃないか。)

(大勝利BGM)

ぱくっ もぐもぐもぐ
五郎(ああ、うまい。)

五郎(秋刀魚秋刀魚、どこをとっても秋刀魚だ。)
もぐっ シャクッシャクッ 
五郎(煮ても焼いても揚げてもOK、なんと懐の深い魚か。)

五郎(海の幸、秋の幸、今俺は季節を全身で感じている。)

五郎(俺の胃袋が、秋で満たされていく。)


天龍「あのおっさん、すげぇ量食べるなぁ、一航戦かよ」

電「でもすごい美味しそうに食べてるのです!」

暁「わ、私だってあれくらい食べられるわよ!」

天龍「そうか、じゃ、まず他人に魚の骨取ってもらわなくても食べられるようにならないとな~」ケラケラ

暁「ふぇ、ふぇぇ・・・」


もぐもぐ  ズズーっ

五郎(魚がうまい、野菜がうまい、ご飯がうまい。)

五郎(当たり前の事だけど、それって実はとても幸せなことだ。)

さくさくっ ぱくっ

五郎(これが、四季の味、日本の、俺の故郷の味なんだ。)

五郎(俺も海外に行くことがあったら、この味を思い出せるようにしなければな。)

ばくばくっ もぐもぐ

ぱくっ シャクッシャクッ モムモム

ばくばくっ もぐもぐ ごくん

ずずずーーーっ

とんっ

五郎(秋の味覚連合艦隊大勝利、我只今より帰投す。)

五郎「ふぅー、ごちそうさまでした。」

ガラガラガラ

隼鷹「ばんわー鳳翔さん!来たよー!」

提督「どうも、鳳翔さん」

鳳翔「あら隼鷹さん、提督もお久しぶりですね」ニコッ

隼鷹「後で龍驤と妙高さんも来るってさー!とりあえず熱燗とエイヒレお願いね!」

鳳翔「はいはいっ、提督さんはいかがされますか?」

提督「えー・・と、じゃあ自分は生ビールとメンチカツお願いします」

鳳翔「はーいっ、じゃ、奥へどうぞ」

提督「毎度場所とって申し訳ないです鳳翔さん。あっ、五郎さん」

提督「お食事、どうでしたか?」

五郎「いやぁー、秋刀魚本当においしかったよ。こんな美味しいもの普段から食べられるなんて、うらやましいもんだ。」

提督「喜んで頂いて良かったです。普段からってわけでもないですが、この季節は食事が楽しみになりますね。」

五郎「そうだろうなぁ、T君は結構お酒飲むのかい?」

提督「そこまで強いわけではないんですが、コミュニケーションも兼ねてよく呑みます」

提督「個性的で主張の強い娘ばかりですが、引っ込み思案な子やあまり素直になれない子もいたりして、中々私の前では本心を出せなかったりするみたいで・・・。だから、たまに面倒みている娘から様子や何か困ってる事が無いか聞いているんです」

五郎「そうかぁ、男一人の職場だし大変だなぁ。」

五郎(一匹狼の俺からしたら、耐えられない苦労だ。)

提督「でも基本的に良い子達なんで、みんなに支えられながらどうにかやれていますよ、はははっ」

五郎「そうか、頑張っておくれよ、じゃあ俺はそろそろ失礼するよ。」

提督「はい、またご連絡いたしますね」

五郎「よろしくね、ごちそうさまでした。」

提督「いえいえ、ではまた・・・」

ガラガラガラ ピシャッ

五郎(お、先ほどの塩焼きのお嬢さん、とても真剣な顔で炭を熾している。ここで秋刀魚焼いていたのか。)

五郎「お嬢さん、塩焼き、とても美味しかったです。ごちそうさまでした。」

磯風「そうか、それは良かった。」ニコリ

五郎「はい、失礼します。」

五郎(しかしT君、色々成長したというか、なんか頼もしくなったなぁ。)

五郎(彼ら彼女らがいるから平和で美味しい魚も味わえる、感謝だ。)

五郎(これからも、日本の海をよろしくお願いします。)

五郎(俺もおじさんだけど、まだまだ頑張らなきゃな。)

五郎(正門は・・・あっち、だったかな。)


ゴロ~♪

ゴロ~♪

ゴロ~♪

イッノッガシッラ フー↑♪

ゴロ~♪

ゴロ~♪

ゴロ~♪

イッノッガシッラ フ~~~♪




原作者・久住昌之が実際にお店訪問、ふらっとQUSUMI!

今回訪れたのは、小料理屋鳳翔、所属されてる艦娘さんたちで連日賑わうお店。

久住「いやぁー軍施設内にこんな店あるんですねぇ、かなり貴重な体験ですよこれは」

久住「メニューすごいなぁ・・・、いやぁ~何にしようかな、50以上は料理ありますよ」

そんな中まず久住さんがオーダーしたのは・・・

【玉子焼き】 380円
久住「見てくださいよこの色、綺麗ですねー」

久住「うん美味い!だしが効いててなんだか叫びたくなるおいしさです」

そこへきたのは・・・?

久住「あれあれ?こんなもの頼んだかな??これは・・・あったかい井戸水かな?はははっ」

久住「いやーこんなもの頂いちゃったらねぇ、止まりませんよ」

【秋刀魚の刺身】580円
久住「美味い!!良いーですねぇー脂がのってて歯ごたえあってホント新鮮だぁ」

久住「薬味が生姜だけじゃなくてみょうがとカイワレがあるのがまたニクいですねぇ」

久住「井戸水が進みますよホント」

久住「女将さんは一人でやられてるんですか?」

鳳翔「そうですね・・・時々鎮守府内の子に手伝ってもらってますけど、仕込みとかは基本一人です」

久住「大変そうですねぇ、いやでも手間暇かけてるからかねホント美味しいですよ」

鳳翔「ありがとうございます」

【秋刀魚の塩焼き】 680円
久住「来ました来ましたよこれ、たまんないですねぇこの色!」

久住「んんーーー美味い!皮パリパリで中身ふっくら、こりゃあ絶品だぁ」

久住「またワタがねー!新鮮だからか臭みが無くって美味しいの!ホントお酒に合いますよ」

久住「実はこれお燗3合目、いやーもうすっかりほろ酔いです。うははっ。」

久住「しかし女将さん、なんでまた敷地内にお店を?」

鳳翔「そうですね・・・普段出撃は私より若くて大きい子が多いので。せめて何か美味しいものを用意して待っていたいな、と思ったんです」

久住「親心ってやつですかね、だからですかね、料理にもそんな暖かさありますよ」

鳳翔「ふふふっ、言われると、なんだか照れますね」


暖かい手料理が味わえる小料理屋鳳翔。
普段は入れませんが鎮守府の一般開放時にはお店も入れるそうです、是非。




見てくれた方、ありがとうございました。
基本ドラマ版ゴローちゃんです。
初めて書いたもんで見づらいところとかあったら申し訳ない

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