提督「ギャップ萌え大会」 (90)

書いてるSSの気分転換に書いていきます
部分的R-18です

それでは

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1446205979

執務室


提督「……ギャップっていいよな」

天龍「……あ?」

時雨「どうしたんだい、急に」

提督「イヤ。艦娘の見た目やキャラとのギャップについてさ」

天龍「くっだらねぇ事考えてねぇで仕事しろ仕事。オラ次、遠征報告書だ」バサッ

提督「……わかってない。わかってないよフフ怖」

時雨「うん。分かってないね」

天龍「何がだコラ!」

提督「いい例がある。この報告書を見てみろ。作成者は球磨だ」スッ

天龍「ん?」ジー……


時雨「……字、綺麗だね」チラッ

天龍「マジだ。うめぇな」

提督「あの性格、あの語尾。もっとフリーダムな字体かと思えばまさかの達筆。内容自体も読みやすくていつも助かるんだぞ」

時雨「まぁ、彼女は球磨型の一番上のお姉ちゃんさ。こういう所を見ると実感するね」

提督「ちなみに天龍は字が汚い」

時雨「予想を裏切らないね」

天龍「うるせぇ!!」

提督「しかし薄い鉛筆で下書きした形跡、消して何度も書き直した形跡があって努力が見える」

時雨「それは良い。微笑ましいね」

天龍「何でオレをいじる流れになってんだよ!」

時雨「で、他には無いのかい?」

提督「そーだな。……この間、金剛とケッコン初夜……いや夜戦したんだが」

天龍「いきなり濃い話だなオイ」

時雨「それで? 声が大きかったのかい?」

提督「いや。必死で声抑えてたんだよ。口に手を当ててまでな」

時雨「……確かにエロチシズムはあるしギャップだけれど、それだけじゃ弱くないかい」

提督「待て、理由を訊いたんだよ。一度目の砲撃を終えてからな」

天龍「で、そいつは?」

――――――――

提督「なぁ、金剛」ウデマクラー

金剛「え……? な、何デスか?」汗ジットリー

提督「何であんなに声殺してたんだ? 口抑えてまで」

金剛「アウ……あ、あれは……ソノ……ね……」アタフタ

提督「うん」


金剛「て、提督に……はしたない……って、思われたら……嫌、デス……カラ……」カァァァ


――――――――

時雨「可愛い」

天龍「可愛いな」

提督「まぁ、口抑えようとした手を押さえ込んで夜戦の夜戦ですよ、ええ」

時雨「もっとオープンかと思って覚悟してたでしょ?」

提督「うむ。まさかの恥じらい、まさかの初心。あれにはやられた」

天龍(……ひでぇ暴露だ)

提督「勿論、電気を消すようにせがまれた」

時雨「流石は金剛さん。隙が無いね」

提督「ちなみに激しいのは扶桑だ」

時雨「ほほう」

――――――――

提督「ふ、扶桑……! 少し、休まないか……」ハァハァハァ

扶桑「うふふ……分かりました。どれぐらい休みますか? 一秒? 十秒? それとも一分?」ニコッ

提督「」

扶桑「逃がしませんよ、提督。大丈夫、次は……私が上になりますから、どうぞそのままで」ギシッ……ズプッ

提督「ちょ、待……待って……!」

扶桑「ほら……まだまだ硬いですよ。んっ……! お、大きく……なって……」

――――――――


提督「そして俺は翌日、寝坊したんだ」

天龍「流石は超弩級戦艦だな」

時雨「うん、さすが扶桑だ。そのギャップも超弩級だよ」

天龍「っていうか、そっちの話する流れに固定されちゃってんのか?」

提督「いや、そんな事はない。夜戦の話じゃなくてもいい」


天龍「オレこの間目撃したんだけどさ。ほら、エントランスにでかいピアノ置いただろ?」

提督「ああ。あれな……上層部のお偉方が勝手に押し付けてきやがったんだよ」

時雨「ボクは良いと思うけどね。雰囲気が締まるよ」

天龍「いつもは六駆あたりの駆逐が弾いて遊んでんの見かけるけどさ。けっこー深夜だったかな、ピアノが聴こえてきてさ」

提督「そんな事あったっけ?」

時雨「ボクは覚えがある。といっても寮とここは離れてるから、部屋から微かに聴こえただけなんだけど……上手だったね」

天龍「ああ、最初は注意するつもりだったんだけどよ。しまいに誰が弾いてんのか気になって気になって」

提督「誰だったんだ?」



天龍「隼鷹だよ」

――――――――

~~~~♪

隼鷹「ん? ……ああ、天龍か。ゴメンよ、起こしちまったかい」ピタッ

天龍「いや、たまたま目が覚めちまって……隼鷹だったのか、弾いてたの」

隼鷹「んー……なんだか昔の夢見ちまってね、つい。飲んで忘れてもイイんだけど……忘れたい事でも無いしねぇ」

天龍「弾いてたの、なんて曲なんだ?」

隼鷹「あぁ。ショパンの……夜想曲、か? えーと何番だったっけ……? 忘れた」

天龍「曲名忘れてんのに弾けたのかよ……」

隼鷹「指が覚えてんだろうねぇ。……あとこれ、一度調律した方いいわー。提督に言っといておくれよ」

――――――――

天龍「って事が」

提督「ふむ、それでか、調律の手配を頼んできたのは」

時雨「なるほど。……少し切ない話でもあるね」

天龍「まぁ、今はたまに駆逐連中にピアノ教えてやってるみたいだ」

提督「…………なぁ、大声で演歌をがなってた事あったよな? 弾きながら。確か相当ベロベロの那智と足柄も加わって――――」

時雨「台無しだね」

天龍「オチつけんじゃねぇよ!」

時雨「まぁまぁ。しんみりするのも隼鷹さんの本意じゃないはずさ」

提督「時雨は何かないか」

時雨「ボクは……そうだね。山城の話になるんだけれど」

天龍「どうしたんだ?」

時雨「実はね……箸の使い方がヘタなんだよ、山城。とくに魚がだめなんだ」

提督「なんだその地味な。面白いけど」

時雨「昨日の晩は秋刀魚だったでしょ? ……すごかったよ、山城の皿」

提督「どれぐらい」

時雨「……単艦の無印イ級に、レベルキャップの雷巡と潜水艦で一斉に撃った、みたいな」

天龍「…………オイ、それ食うとこ残ってんの?」

時雨「ほとんど『なめろう』だった。モザイクがいるよ」

提督「そこまで言うほど……?」ゴクリッ

時雨「食べ終わって後ろを通りがかった日向が『砲撃でもしたのか?』って、ボソっと」

書きため分終了 また後で来ます

提督「……食い物の話なら、俺もいくつかあるな」

天龍「誰だ?」

提督「不知火」

天龍「不知火が? アイツ、好き嫌いとか特に無いだろ」

提督「ああ。俺もそう思ってたんだが……」

時雨「……?」

提督「不知火な。果汁100%のオレンジジュースが苦手なんだと」

天龍「え? えー……? そりゃ何でだよ?」

提督「喉に刺さるのがイヤらしい。だから適当に水を差して四倍ぐらいに薄めて飲むって陽炎が言ってた」

時雨「初耳だね、それは。興味深いね」

天龍「……いや、そういえば思い出した。かなりの」

提督「お? ……何だ天龍、いったい誰の話だ?」

天龍「ああ、いや……オレ、川内型の部屋にさ、借りてた漫画返しに行ったんだよ」

時雨「ちなみになんて漫画だい?」

天龍「銃夢ラストオーダー。神通に借りた。無印はオレが自前で揃えたぜ」

提督「おまえ物干し竿でゼクスト・アングリフスしようとしてパンツ全開で盛大にコケたらしいな、龍田に聞いたぞ」

時雨「ああ、キャラも似てるよね……」

天龍「それはいいだろ、うるせぇな! 話続けんぞ話!」

時雨「うん」

提督「続けてくれ」

天龍「でさ。本棚があって……ミッチリ詰まってんだよ、それも分厚い全集。時代小説やら文学も多かった」

提督「それは……神通のか?」

天龍「ちょうどその時いたから神通に訊いたら、全部川内のらしい」

時雨「へぇ……?」

提督「読書家なのか」

天龍「月に文庫本なら20冊は読むらしい。今読んでるのはメルヴィルの『白鯨』だと。本読んでる時は話かけづらいって」

時雨「ぜひ見習いたいね。他の川内型は何を読むのかな?」

天龍「那珂は漫画の他は色々雑誌だと。経済、スポーツ、ゲーム、男性誌女性誌ファッション誌色々。常に豊富に話題を持っておきたいらしいぜ」

提督「……アイドル(笑)とか思っててすまん、那珂……さん」


天龍「……ちなみに神通がその時読んでたのは夢枕獏の餓狼伝だ」

提督「ああ、うん……」

時雨「それはギャップじゃ……ないね、うん。普通だ」

提督「……いや、普通に順当に考えるとギャップなのか……? いや、でも……ダメだもう分からん」

時雨「そもそも彼女自身がギャップの塊みたいなものだから……」

天龍「お前らな……」

提督「……龍田は?」

天龍「はぁ?」

提督「龍田には何かないのか、そういうギャップ」

天龍「……って言われてもよぉ……うーん……」

時雨「……無い、かな」

天龍「つっても……龍田か……。実はドM、って事しか……」


提督「」

時雨「」

時雨「……聞き間違いかな。なんて言ったんだい?」

天龍「あ? ……だから、龍田は実は隠れMだって……」

提督「kwsk。詳しく話すんだ源一郎」

天龍「誰が源一郎だ!!」

時雨「ボクからも頼むよ、天龍……さん。鎮守府を左右する情報だよ、それは」

天龍「お、おう……分かった……」

提督「まず、何故そう思ったんだ?」

天龍「……絶対言うなよ、絶対。……時雨、ちょっと執務室の外見てきてくれよ」

時雨「了解」サッ……ガチャ、ギィィ……

天龍「……大丈夫か?」

時雨「ああ、大丈夫さ、問題ない。……さぁ、天龍……さん」

天龍「おーし。……実はさ、龍田のベッドの下から、見つけたんだよエロ小説」

提督「ほー」

時雨「タイトルは?」

天龍「……『被虐妻、淫蜜の隠れ里』だったかな。エンエンと主人公の人妻がエロ責め食らうヤツだ」

提督「……い、いや……まさか。天龍に被せてる、とか……」

天龍「いや、それはネェ」

時雨「何故だい?」

天龍「オレが押し倒したら素直に受け入れたんだ。……手錠もかけたぜ、後ろ手に」

――――――――

ガチャッ

龍田「て、天龍ちゃん……? い、いったい何かしら~?」ジワッ……

天龍「トボケんなよ。……見たぜ、これ」サッ

龍田「あ、そ……それ、は……!!」

天龍「……これさ。主人公が……実の姉にさんざん責めたてられる物語だよな?」

龍田「ち、違うの…違うのよ、天龍ちゃん? ……これは……その……」アタフタ

天龍「……こんなモン隠してるなんてさ。……龍田は、悪いコだよな?」ボソッ

龍田「あっ……え、えぇと……」ゾクッ……ゾク、ビクビクッ

天龍「……ほら、言ってみろよ、変態。……オレに、どうしてほしいんだ?」顎クイッ

龍田「て、天龍ちゃん……あの……ね……」


パァンッ!!

天龍「口の利き方が違うんじゃないか?」


龍田「…………は、はい……。…お姉、様……」ゾクッ……トローン……

――――――――

天龍「その後は、前にローター、後ろにバイブ、乳首抓ってベロチューだよ。ヤメ時が見つからなくてさ」

提督「……いきなりこんなんブチ込んできやがる……」ゴクリッ

時雨「凄いね。流石は……天龍型。鎮守府を支える屋台骨だよ。改二も遠くない」ゴクッ

天龍「ちなみにな。今もローター入れたまま遠征に行ってるハズだぜ」

提督「……スゴいな。まさかあの龍田が……」

時雨「うん。認識を改めるべきだ。……もう、天龍……さんを呼び捨てにはできない」

提督「にしても、龍田がそんな……」

天龍「オレも驚いたけどさ。……案外堕ちるぞ、龍田みたいなタイプは」

提督「……怖い。流石に怖いな、その話」

天龍「なんだよ、情けねーな」

時雨「……怖いよ。天龍さんの20倍は怖いよ」

天龍「……フフフ、怖いか?」


提督「ガチで怖いよ、それ……」

終わりです
また明日か明後日か

時雨「いや……そもそも、ヤンデレの資質はS的な側面だけではなかったハズなんだよ」

提督「ふむ」

時雨「S、M、どちらの資質にも対応できる。それが龍田さんの持つ属性だったんだ」

提督「なるほど、Sの面だけが強調されていた今までがおかしかったと」

時雨「うん。S的発言の反面、内面でM的な欲望を悶々とさせるのはギャップではなく逆に理に適っているよ」

提督「むしろ今の話、攻めに転じた天龍の方がギャップがあるぐらいだな」

天龍「え、そうか?」

提督「そういう役は天龍の方が似合っていたからなぁ、これまで」

時雨「うん。想像できるよね」

天龍「想像すんな!」

――――――――

その頃、遠征中の第三艦隊

ヴヴヴヴヴ……

暁「……ねぇ、何か聴こえない?」

雷「ん? 何よ?」

暁「ほら……何か低い音。どこだろ」

龍田「……き、気のせい……じゃない、かしら~……?」////

響「いや、確かに聴こえるよ。敵の艦載機……じゃないね。龍田さんの方から聴こえる」

電「もしかして、艤装が何か不調なのです?」

龍田「んっ……。か、かもしれないわ。だから、急いで帰りましょうね~」ヴヴヴヴ……


――――――――


時雨「ともかく、今の話は強烈なボディブローだ。もう少し後半に出てきてほしかったね」

提督「ああ。軽いジャブのような話から始めてほしかったぞ」

時雨「空気が読めていないよ、天龍さん……いや、天龍」

天龍「もう『さん』消えるのかよ!?」

提督「何か軽い話で流れを切りたいな」

時雨「うん。……じゃぁ、暁が背伸び下着を買った話でもするかい?」

提督「いや、それは知ってるよ。穿くのは次の木曜だな」

天龍「はぁ? 何でだよ」

提督「駆逐艦の持ってる下着は全て把握している。洗濯周期、ローテーション、選ぶ法則。むろんリベッチオや江風も既にカバーしている」


ジーコロコロ ジーコロコロ

時雨「……もしもし、憲兵司令部ですか?」

提督「ちょっ、待っ!!」ガシャッ チン!

天龍「いやお前、今のはアウトだろ……引くわ」

提督「お前が言うなよ! 妹に何してんだ!」

天龍「オレだってちょっと後悔してんだよ! 弱み握り返してテンション上がる気持ちが分かんねぇの!?」

提督「だからってやり過ぎだ!」

時雨「まぁまぁ、二人とも。……ギャップの話に戻ろうよ、ね?」

天龍「……おう、分かった。時雨、何かあんのか?」

時雨「そうだね。摩耶さんが……『あれ』と接敵した時の話をしよう。僕はちょうどその時廊下を歩いていたんだ」

提督「『あれ』?」

時雨「ボクに言わせるのかい。正直、名前すら言いたくないんだけれどね」

提督「……ああ、『あれ』ね」


時雨「曲がり角に差し掛かった時かな。向こうから絹を裂くような悲鳴が聴こえてきてさ」

提督「どんな風な?」

時雨「うーん。『キャーーーッ!』って感じだったかな。正直そそる感じだったね」

天龍「お、おう……」

時雨「何事かな、と思って急いで角を曲がったら、摩耶さんがへたりこんで震えててね。下着丸出しさ」

提督「……で、そこにはゴ……いや、『あれ』がいたと」

時雨「うん。床に裏返って動いてた。で、よく見たら摩耶さん半泣きなんだよ。いくらなんでも反応しすぎだと思わない?」

天龍「イヤなのは確かだけど、そこまではちょっと極端だよな」

提督「暁でさえそこまでビビりはしないな」

時雨「だろう? ボクだって『あれ』は苦手だけど、ちょっと不思議だった。そこにちょうど北上さんが来てね」

――――――――

摩耶「し、時雨ぇ……」ベソベソ

時雨「落ち着いて。どうしたんだい? とりあえず、向こうに行こうよ」

摩耶「む、無理……立て、ないぃ……」ヒックヒック

時雨「ちょ、痛……摩耶さん、大丈夫だから……そんなに掴んだら痛いってば」ギュー……

北上「お? 何だか珍しい組み合わせだねぇ。何してんのー?」スタスタスタ

時雨「北上さん、今こっちに来たら……! ほら、そこに……」G指差し

北上「んー? ありゃま、ゴキちゃんかい。ちゃんと掃除しなきゃダメだなぁ、もー」

ムンズッ


摩耶「」

時雨「」

北上「どした、そんな顔して。……んじゃ、あたしは行くね。外に放してやらんと」

――――――――

天龍「『あれ』を素手!?」

提督「うちのバァちゃんかよ……。いや、さすがは北上だ」

時雨「それで摩耶さんも呆気に取られて落ち着いたみたいでね。なんでも廊下を歩いてたら、肩に何か落ちてきてゾワゾワしたらしいよ」

天龍「……で、それが……『あれ』だったってか」

時雨「悲鳴を上げながら払い落としたはいいけど、むき出しの肩に落ちてきた事実で腰が抜けて半狂乱だったとか」

提督「いいね、そそるね。男勝りとのギャップがまたいい」

天龍「案外声高くてかわいいよな」

時雨「……ちなみにその『あれ』、外で見つけた阿武隈さんに手渡したらしいよ。そうしたら反撃の顔面パンチを食らったって」

天龍「そらな」

時雨「大井さんですら、『それはさすがに北上さんが悪い……』って言ってたよ」

提督「大井にも庇えない悪行とはな……」

短いけれど今日の分終了也
ではまた

天龍「多摩も平気そう……っていうか見せにきて枕元に置くんだろ?」

提督「お前は多摩を何だと思ってるんだ」

時雨「猫じゃない?」

提督「いや艦娘だって」

天龍「ちなみに利根もネコらしいぞ」

提督「聞きたくなかったよ!」

時雨「『吾輩はネコである』か」

天龍「やかましいわ!」

コンコン

陸奥「提督、失礼するわね。……って、あら? お揃いで何のお話かしら?」

提督「……思い出したぞ。陸奥、覚えてるか? うちに来た当初の事」

陸奥「? 何の事よ?」

天龍「陸奥がどうかしたのかよ、提督」

提督「2-4攻略時だな。初出撃の時かな……大破して帰ってきたんだよ、陸奥が」

陸奥「…………あぁぁっ! ちょ、ちょっと何でその話するのよ!?」アタフタアタフタ

天龍「?」

時雨「どうしたの? 急に……」

提督「いや、今でこそ大人の余裕を見せてるんだけどな……実はな」

陸奥「わーーっ! わーーーーー!」

――――――――


陸奥「……提督、第一艦隊ただいま帰還しました」ボロボロ

提督「ああ、お疲れ。大丈夫だったか?」

陸奥「ええ。私……だけよ、中破以上は」

提督「分かった、入渠して少し休め、疲れただろう。ともかく、無事でよかった」

陸奥「…………」

提督「陸奥?」

陸奥「……うっ……うぅ……」グスッ

提督「えっ!?」


陸奥「う、うぁぁ……ごめん……なさい、提督……」グスグス

提督「ど、どうした陸奥!?」ビクッ!

陸奥「ごめんなさい……ごめん、なさい……私……私ぃ……」ポロポロポロ

提督「待て、泣くな! 大丈夫だから、怒ってないから!」

陸奥「……だって、私が、大破しちゃった……から……ひっく……うぅ……」グスグス……ズルッ……

提督「落ち着いて、いいから落ち着け……頼むから泣き止めって」

陸奥「また、私……沈んじゃうのかな、って……怖くて……役に、立ちたかったのに……う……」グスッ

提督「……陸奥」


――――――――


提督「……可愛かったなぁ」

陸奥「い、いやあぁぁぁぁぁ!! わ、忘れて! 忘れなさい! あれは……あの時は、その……!」//////

時雨「仕方ないさ。覚醒直後は、まだ艦としての記憶が強く残ってトラウマ化してたりするからね」

天龍「まぁなぁ。落ち着いてくるまで結構かかるんだよな、うん」

提督「落ち着かせるためにずっとナデナデしてたら六駆が入ってきてなぁ。雷が『あー! 司令官が陸奥さん泣かせたー!』って」

天龍「あのチビ共……」

陸奥「忘れて……いや、いっそ……沈めて……お願い」

時雨「ちなみに、他の人では無かったのかい? 覚醒直後の……」

提督「ああ、あった。……霧島なんだけどさ」

――――――――

霧島「何しとんじゃボケゴルァ! けったいなモン飛ばしよって、キャン言わしたんぞコラ、あぁ!?」ギロッ

ヲ級「ヲ、ヲ……!」ビクビクビク

金剛「き、霧島霧島! 落ち着くデース、落ち着くネ、ほら深呼吸ネ……」アセアセ

霧島「止めんでくださいや金剛姐さん! こんボケ、ナメ腐った態度取りよって! ザッケンナコラー!!」ゲシゲシゲシ、ドカッ!

ヲ級「ヲヴッ……! ウ、ヲ……ヲエエェェェェ……」ゴロゴロ、ドサッ……ビタ、ビチャビチャビチャ

飛鷹「うわっ……鳩尾に全力サッカーボールキック……」ドンビキ

天龍「み、見るな見るなガキ共! ほら、耳塞いであっち向け! 早く! 早く!」

雪風「」ガクガクガクガク

巻雲「」ブルブルブルブル


――――――――


天龍「……ドン引きだったなぁ」

提督「確か、そのヲ級……マジ泣きしてたって?」

天龍「おう、結局金剛とオレと飛鷹で必死で止めに入ったんだが……巻雲はトラウマでしばらく夜尿……」

陸奥「ひっど……」

時雨「微笑ましくないな。怖すぎるよ」

提督「暴力的すぎるだろ」

陸奥(……でも冷静に考えたら、砲弾も魚雷も爆撃もさんざん撃ってるのよね?)

天龍「今はもう安定して落ち着いた性格になってっけどさ……いやー、気ぃ抜けねぇわ」

本日投下終了
ではまた明日

陸奥「……まぁ、あまり噂話はしちゃダメよ? ここに書類置いとくわね。大本営から色々届いたわよ」

提督「ああ、ありがとう」

天龍「それにしてもなぁ、陸奥が……」ニヤニヤ

時雨「意外な一面だったね。これこそ醍醐味さ」クスッ

陸奥「だから忘れなさいって言ってるでしょ!? そ、それじゃ私は行くわ!」////

提督「すまんな、つい……」

天龍「大丈夫、誰にも言わねーから」

時雨「うん。たまに思い出してニヤニヤするだけさ。誰にも言わない」

陸奥「~~~~~~もう、知らないから!」


ガチャ、バタンッ…… ツカツカツカツカ


提督「……お前ら、からかいすぎだ」

時雨「ボクはちゃんと反省しているさ。天龍と違って」

天龍「な、オイ!? ……しかしメガネはみんなああなのか?」

提督「というと」

天龍「あとは武蔵と……鳥海か」

時雨「見事に武闘派ばかりだね」

提督「あのガン黒バンカラは知らんが、鳥海は……ちょっと予想と違ったな」

天龍「何かあったかよ?」

提督「ああ。いつだったかな、イベ海域が長引いて……天龍にも時雨にも、遠征に行ってもらってたろ?」

時雨「その時は秘書は鳥海さんだったかな。あの時は、提督もろくに休めてなかったね」

提督「ああ。だから……つい口が滑って……」

――――――――

鳥海「提督、お疲れでは無いですか? 少し休まれてはいかがでしょうか」

提督「ありがとう。でも大丈夫だ、仮眠なら机で昨日取ったから」

鳥海「いえ、そうではなく……ここ数日、きちんとした睡眠は取ってないのでは?」

提督「確かに、布団で寝たのは何日前だろうな」

鳥海「駄目ですよ、ちゃんと寝具で寝なければ体力は回復しませんよ?」

提督「でもな……。いや、睡眠もだが……」

鳥海「どうかなさいました?」

提督(しかし……改二の太もも、おっぱい、尻……)ジー……

鳥海「? 提督、あの……」

提督(鼠蹊部……へそ、ペロペロしたい……ムチムチしてて……)



提督「……あぁ……抜いてくれないかな、鳥海……」ボソッ

鳥海「………… は ? 」

提督「えっ」

鳥海「今、何と……?」

提督(ッッッ~~~! ウソだろ、まさか声に出てたか!?)

鳥海「提督?」

提督「い、いいいいやややや何でもない何でもない!」アセアセ

鳥海「」クルッ……スタスタスタスタ

提督「ま、待ってくれ鳥海! 違う、今のは何でもないんだって! だから出ていくのは待――――」

鳥海「……」ピタッ……カチャッ

提督(え、鍵、閉め……?)

鳥海「」クルッ……ツカツカツカ

鳥海「あの、提督……椅子を引いていただけますか? 腰かけたままで結構ですから」

提督「えっ……は、へ……?」

鳥海「お早く」

提督「あ、ああ……うん」ギッ……

モッコリ

鳥海「……失礼いたします」スタスタ

カチャッ……カチャカチャ、スルッ……ギンッ!!

鳥海「っ……」ゴクッ

提督(あぁぁぁ、ヤバい……ヤバい。忙しすぎて一週間抜いてないから……っつか、何で脱がされてんだよ、やばい殺される……切られる)

鳥海「それ、では……失礼、しますね」スルッ……ニギッ

提督「う、わっ……何して、鳥海……!」

鳥海「……もしもお痛いようでしたら、仰ってくださいね」クチュッ……シコ、シコシコシコ

提督(わ……鳥海の手、すべすべ……して……柔らかい、し……しかも……)

鳥海「んっ……しょ……」シコシコシコシコ

提督(跪いて手コキ、って……おいおい、谷間が……捲れたスカートから三角地帯が……!流石は高雄型……)ハァハァ

鳥海「? 提督……先が、ぬるぬるして来て……」シコシコシコ

提督(うわっ、マズ……! 溜まり過ぎなのと、シチュエーションが……意外、すぎて刺激が……出る、出るッ!!)ビクッ

ドピュ、ドピュドピュッ! ビチッ!


鳥海「きゃっ!」メガネニハネー


提督「く、ぉっ……!」ビク、ビクビクビクッ

鳥海「………」ドロー……

提督「すまん……鳥海、顔に……」

鳥海「いえ、お気になさらないでください。……お清めいたしますね、提督」 シュッ、シュッ……フキフキ

提督「……ごめんな。こんな事……まさか、鳥海が……」

鳥海「もう、気になさらないでくださいって。私で良ければ、いつでも……お役に立ちますから。それよりも……提督」

提督「?」


鳥海「すっきり、しましたか?」ニコッ


――――――――


天龍「……オレが遠征行ってる間にそんなマネしてやがったのか、このクソ提督が」

時雨「真面目で堅物系のキャラと思ったら、まさかの……」

提督「俺も驚いたんだ。そんな思考が口をついて出るほど追い詰まっていた自分もだが、何より鳥海がそんな事まで……」

時雨「『高雄型の薄い本に出てない子』なんて呼ばれてるぐらいなのにね」

天龍「何だその悪意あるあだ名」

時雨「ちなみに、それで終わったのかい?」

提督「……イベント海域が片付くまで、何度かお世話に」

天龍「薄い本に出てないとはいえ、流石は高雄型だぜ。ポテンシャルが計り知れねェ」

時雨「愛宕さんの系譜が確実に生きているね」

提督「お前らは高雄と愛宕をどういう目で見てんだ……」

今日の分終了です
なんで鳥海さんは薄い本に出ないんだろう
それではまた


天龍「重巡といえば……この間、熊野と鈴谷の部屋の前通ったんだよ」

提督「なんだ、濡れ場でも出くわしたか?」

天龍「いや、残念ながら」

時雨「残念なのかい……」

天龍「ともかく、部屋の前通る……寸前かな。でかい物音がしてさ」

――――――――

ゴツッ……ガタン!

???「いっ……たーーーい! 何でこんなトコに椅子あるのよ!? ちゃんと机に納めてよ!」

天龍「うおっ!? な、何だ? 大丈夫か? 入るぞ?」コンコン


――――――――


天龍「部屋には熊野しかいなかった」

提督・時雨「…………」


提督「……それは……」

時雨「……ひょっとして、それは素なのかな?」

天龍「入ってみたら、部屋自体は整頓されてるし掃除もされてるんだ。だけどな」

提督「だけど?」

天龍「机の上にさ、紙パック入り500mlのリプトンレモンティー、ストロー直挿し。それと堅揚げポテトブラックペッパー味」

提督「…………」

天龍「更に、積み重なってたのはレンタルコミックのビニールカバーがついた少女漫画の単行本。今度映画化されるヤツだ」

時雨(……完全に女子高生の昼休みだ、それ)

提督「ひでぇな……」


天龍「制服は着てたが、上着は脱いでシャツの上に緑色のジャージ。北上が着てそうな」

提督「めちゃくちゃ想像できるのがイヤだ……っていうかずいぶん細かく覚えてんのな」

天龍「……オレだって目を疑ったんだよ」

時雨「それで、結局声の元は何故だったんだい?」

天龍「あぁ、熊野さ……鈴谷が戻してなかった椅子の脚にさ、足の小指を……こう」

提督「ああ、そう……」

時雨「それはまぁ、素にもなるね。とりあえず椅子に当たってみる気持ちも分かるよ」

天龍「いたたまれなくなって、追い出される前に出ていったんだけど。……しばらくは、無言のプレッシャーを感じたね」

提督「バラしたらお前を解体(バラ)すぞってか」

時雨「ふふふ……怖いか」

天龍「お前、後でヤキな」

時雨「ほんの冗談じゃないか」


提督「やー……神戸生まれのおしゃれな、とか言っといて……」

天龍「もとからうさん臭かったにはうさん臭かっただろ?」

時雨「うん、まぁ……」

提督「そうじゃないか、とは薄々」

天龍「だろ?」

提督「ちなみに鈴谷の方は?」

時雨「ああ、鈴谷さんなら……。ボク、鎮守府近くのコンビニで見かけたんだけどさ」

提督「うん」

時雨「エッチな雑誌コーナーの前を通る時さ、チラ見してたんだよ。かなり葛藤の見える動きでさ」

時雨「更に奥の冷蔵庫で飲み物を選ぶフリして、チラチラと。そのたびにちょっとずつ顔が赤くなってるんだ」

天龍「あざてェな、オイ」

提督「だがそれがいい」


天龍「……にしても、重巡ってのはおかしな見た目だよな」

時雨「何がだい?」

天龍「最上型とか古鷹型と、妙高型が同じ括りなんだぜ? 見た目の年齢が違いすぎるだろ。羽黒でさえ女子高生には見えねェ」

提督「確かにな……」

時雨「妙高さんにいたっては、湯けむり美人女将って感じだものね……」

提督「それはまぁ、祥鳳にも当てはまってbob艦全般が……いや何でもない」

天龍「何なんだろうな、あの未亡人オーラは」

時雨「亡くした旦那さんに義理立てして貞淑を守るんだけれど、若く誠実な問屋の青年にだんだん心惹かれ、背徳に悩むんだね」

提督「時雨、お前いったい何歳なんだ」

時雨「ボク達が生まれた頃は、そういった物語があちこちで見られたのを忘れたかい?」

天龍「あーね。ブルーフィルムの上映会とかしやがったんぞ」

時雨「そうそう。若い乗組員が、灯りに透かして手送りで見てたりね」

提督「……やめなさい」

書いてたSSが進みが良くてこっちが遅れちまったい
投下終了、また後日の夜

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