監督「今日のロケ、大人っぽーい感じでお願いできる？」

莉嘉「はーい！お姉ちゃんみたいにセクシーな感じでやりまーす！」

監督「そういうのいいから」

莉嘉「は、はい……」

莉嘉(うぅ～、やりづらい……お姉ちゃんだったらどうするんだろう？)

～ロケ開始～

莉嘉「このお店はね、アタシもお姉ちゃんと一緒によく来るの！でね、アタシのおすすめはイチゴアイス！とーってもおいしいんだよ！」

監督「カット」

莉嘉「ご、ごめんなさい」

監督「はぁー、姉と違って妹の方は全然絵にならねぇなー」

莉嘉「……」ｼﾞﾜ

ディレクター「か、監督！わ、私は別に悪くないと思いますよ！？ほ、ほら、出演料とか安いし！」

監督「安かったって数字とれなきゃ意味ねーだろーが」

監督「じゃ、次はちゃんとお願いしますよホント」

莉嘉「は、はい……」

莉嘉「こ、このお店は……最近人気で……えっと……」

監督「カット、やる気あんの？城ヶ崎の……えっとなんだっけ？妹さんよ」

莉嘉「ごめんなさい……」

監督「まーた謝ってるよ」

監督「謝って改善されるんならいいけどさ、こっちも時間おしてるんだよね」

監督「あのさ、今から呼べる子いないの？」

ディレクター「えっと……今から何件かあたってみます」

監督「よろしく」

莉嘉「え？アタシは……？」

監督「あぁ、帰っていいよ」

莉嘉「そんな……」

美嘉「ただいまー」

美嘉「莉嘉？」

莉嘉「おかえり、お姉ちゃん」

美嘉「今日一人で初ロケだったんだって？放送はいつ？絶対録画しなきゃね」

莉嘉「……」

美嘉「どうしたの？」

莉嘉「アタシ、アイドルやめる」

美嘉「え！？」

美嘉「急にどうしたの？何かあったの？」

莉嘉「アタシは……お姉ちゃんの代わりで出演料が……ｳｯ安くって……でも、ｸﾞｽｯ絵にならなくて……」

美嘉「どういうこと？一旦落ち着こう？」

美嘉(そういえば仕事中にプロデューサーから電話あったっけ……落ち着いてから返事しようと思ってたけどもしかして……)

莉嘉「うぅぅ……」

美嘉「ちょっとプロデューサーに電話してくるね」

ﾌﾟﾙﾙﾙ……

P「もしもし」

美嘉「プロデューサー？さっきは電話出られなくてごめん！もしかして莉嘉のこと？」

P「はい、実は……」

美嘉「なるほどね……」

P「申し訳ありません！私がついていれば……！」

美嘉「プロデューサーも忙しいんだし仕方ないよ」

美嘉「後は私に任せて」

P「お願いします……！」

美嘉「莉嘉？」

美嘉「あれ？莉嘉？どこにいるの？」ｶﾞﾁｬ

美嘉「部屋にもいない？」

美嘉「莉嘉ー？」

美嘉「嘘……靴がない」

P「家出！？はい分かりましたすぐに探します！」

美嘉「アタシも探すからお願い！」

ﾋﾟｯ

美嘉「早く、探さなきゃ」

莉嘉「……」ﾌﾗﾌﾗ

莉嘉(おうち……飛び出して来ちゃった)

「城ヶ崎莉嘉じゃん！！」

莉嘉「！」ﾋﾞｸｯ

莉嘉(へ、変装してないからバレた！？)

「今月の表紙、城ヶ崎美嘉じゃなくて莉嘉かよー」

莉嘉(へ？)

「ちゃんと読んでから予約すりゃ良かった」

「妹の方は全然エロい格好しないしいらね」ﾊﾞｻｯ

莉嘉「あ……この雑誌……」

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莉嘉「え？アタシが雑誌の表紙？？」

P「はい、今日撮影があります」

莉嘉「これお姉ちゃんがよく出てる雑誌じゃん」

莉嘉(お姉ちゃんと同じ雑誌に載れるんだ……)

莉嘉「お姉ちゃんみたいなセクシーポーズ決めちゃうんだから！」

P「よろしくお願いします」

莉嘉(アタシもお姉ちゃんみたいに……)

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