海未「ついにやりました!!」 (18)

ピロリン

海未「おや、LINEですか」

『真姫だよ』

海未「ふふっ、ふふふふふ」

海未「ついにやりました!!」

海未「思えば数ヶ月、送った恋文は数知れず」

海未「詞にみせかけた、恋文を送ったこともあります」

海未「しかし、返事は1通も……」

海未「せめてもと、私の連絡先を送った結果が、功を奏しましたね」


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海未「ふふっ、ふふふ」

海未「さて、どう返しましょうか」

海未『こんばんは、真姫』

真姫『あの、すいません』

真姫『itunesカードを買ってきてくれませんか』

真姫『お金は後で払います』

海未「おや、iTunesカードですか?」

海未「確か、コンビニで見たことがありますね」

真姫『お願いします』

海未「真姫の頼みですから、これは断れませんっ!!」

海未『いくら、必要なのですか?』

真姫『三万円分お願いします』

海未「三万円ですか、しかしそんな大金……」

海未「……はっ」

海未「μ'sの活動資金、私が管理していたのでしたね」

海未「しかし、これは……」

真姫『10000円分を3枚』

真姫『買ったら写真を送ってください』

海未「……ごくり」

海未「真姫なら、返してくれますよね」

真姫『早くするちゅん』

海未「……ちゅん?」

真姫『早くしないと嫌いになるちゅん』

海未「……っ、それだけは駄目です」

海未『分かりました』

海未『すぐに買ってきます』

真姫『待ってるちゅん』

海未「……」タタタタタ

海未「何を迷う必要があったのでしょう」

海未「真姫のためなら、私は!!」

─コンビニ前─

海未「はぁっ、はぁっ」

海未「早く、買わなければ」

ウィーン



真姫「あれは……海未?」



海未「ええっと、これを買えばいいのですか」

海未「これを買えば、私は」

海未「ふふっ、ふふふ」トントン

海未「……なんですか?」クルッ

真姫「奇遇ね、こんなところで会うなんて」

海未「あれ、何故真姫が、ここに……?」チラッ

真姫?『さっさとするちゅん』

海未「……あれ?」

───────

真姫「それ、詐欺よ」

海未「はあ、そうだったのですか」

真姫「まったく……」

海未「すみません、真姫とのLINEと思って舞い上がってしまって」

真姫「それと、毎日私の机に入ってた手紙、海未だったのね」

海未「はい、気づいてなかったのですね」

真姫「気付くもなにも、草書体っていうの?あれ」

真姫「達筆すぎて読めないわよ……」

海未「すみません」シュン

真姫「気味が悪くて、捨てちゃってたわ」

真姫「それで、何て書いてたの?」

海未「……それはっ」

海未「言えませんっ//」

真姫「……ふぅ、まあ、LINEくらい交換しましょうか?」

海未「いいのですか?」

真姫「こんな事がまたあると困るし」

真姫「メールアドレスだけじゃ、不便なところもあるから」

海未「じゃあ、是非っ」

真姫「はい」

海未「……ふふふっ」

真姫「やけに嬉しそうね」

海未「あの、真姫、暇なときにLINE送っても良いですか?」

真姫「ええ、私もいつも直ぐ返せるとは限らないけど」

海未「ありがとうございます」ニコニコ

海未「早速、家に帰ったら送りますね」

真姫「じゃあ、待ってるわ」

海未「それにしても、」

海未「誰だったんでしょうか?」

真姫「さあ、誰だったのかしら?」



────


海未「その後も、成りすましの詐欺は起こりました」

海未「結局、犯人は誰だったのでしょう」

海未「ただ、ひとつ分かっていることは」

海未「やたらと、ちゅんという言葉を使うらしいということだけです」

これで終わりです。

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