海未「穂乃果が泊まりにきました」 (29)

穂乃果「おじゃましまーす!」

海未「いらっしゃい。ゆっくりしていってくださいね」

穂乃果「思いっ切りくつろがせてもらいます!」

海未「あまりだらけられても困るのですが……」

穂乃果「それにしても、せっかく明日は海未ちゃんの誕生日だっていうのに……」

海未「仕方ないですよ。重要な仕事なのですから……それに、そのおかげで穂乃果と一緒にこうしていられますし」

穂乃果「そーだけどさ、せっかくの娘の誕生日に仕事入れちゃう親ってどうなのかなー」

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海未「先方がどうしても明日以外は駄目だったそうで……さ、穂乃果、何が食べたいですか?」

穂乃果「おにく!」

海未「口を開けばそれですか……はいはい、わかりました。お肉を使った料理ですね?」

穂乃果「うん、それがいい!

海未「わかりました。じゃあ早速作りますね」

穂乃果「わーい!」

海未「……ところで、私思うんですけど……」

穂乃果「うん?」

海未「そろそろ、ピーマンぐらい食べられるようになったらどうですか?」

穂乃果「やだよー! にがいもん!」

海未「苦いのは当たり前です、むしろその苦さがなくて何がピーマンですか!」

穂乃果「苦いの嫌いなんだからしょうがないでしょ!」

海未「……ところで穂乃果、これ、なんだと思います?」

穂乃果「……? あお……?」

海未「チンジャオロースです」

穂乃果「ああ、チンジャオロース……ってピーマン入ってるじゃん!」

海未「はい。それがどうかしましたか?」

穂乃果「やだ!」

海未「先ほど私は『お肉を使った料理』と言ったのですが……」

穂乃果「ピーマン使う料理なんて聞いてないよ!」

海未「ええ、言ってません」

穂乃果「ひどいよ! 海未ちゃんのばか!」

海未「別に食べたくなかったらよそで食べてきてもいいんですよ?」

穂乃果「うぅ……海未ちゃんの料理がいい……」

海未「ほら、ピーマン少な目にはしてあげましたから」コトッ

穂乃果「いただきまーす……」

海未「いただきます」

穂乃果「もぐもぐ……やっぱりにがい……」

海未「残したら泊めてあげませんからね」

穂乃果「そんな~!」

海未「当然です」

穂乃果「もぐもぐ……」

海未「後にピーマンを残すと後でつらいだけですよ?」

穂乃果「でもにがいもん……」

海未「お肉と一緒に食べれば少しは苦味は抑えられると思うのですが……」

穂乃果「ねえねえ、ちょっと食べて?」

海未「駄目です」

穂乃果「おねがぁい……」ウルウル

海未「駄目です」

穂乃果(こうなったら……!)

穂乃果「代わりに穂乃果を食べていいんだよ?」

海未「……」スッスッ

穂乃果「あーひどい! ピーマンだけこっちに渡さないでよ!!」

海未「しょうもないことを言った罰です」

穂乃果「海未ちゃんのばかー……」

海未「馬鹿で結構」

穂乃果「おに、あくま!」

海未「出ていきたいようですね」

穂乃果「すいませんでした」

海未「よろしい」



穂乃果「……」モグモグ

海未「……」モグモグ

穂乃果「……やっぱり無理だよぉ、海未ちゃぁん……」

海未「……はぁ、しょうがないですね……私が押しつけた分ぐらいは引き取ってあげますよ」

穂乃果「やった~! 海未ちゃんだーいすき!」

海未「さっき鬼やら悪魔やら言ってたのはどの口ですか、まったくもう……」

穂乃果「えへへ、そんなの覚えてない!」

海未「都合のいいお口ですこと……」

穂乃果「ごちそうさまでしたー!」

海未「お粗末様でした。お風呂先入っててください」

穂乃果「一緒がいい!」

海未「い、一緒って、もう高校生なんですから」

穂乃果「こないだ海未ちゃんが泊まりにきてくれたときは一緒に入ったじゃん!」

海未「あ、あれは穂乃果が押し入ってきて……!」

穂乃果「一緒に入ったのには変わりないよ!」

海未「背中を流してもらっただけです! それにその、む、胸を、揉んだりなど……!」

穂乃果「お、またいっちゃう? いっちゃう?」

海未「いきません!! さっさと入ってきてください!」

穂乃果「ちえー……」

カッポーン…………



穂乃果(海未ちゃんまだかな~……)




穂乃果(……本当に一緒に入ってくれないのかな~……)




穂乃果(……はぁ……海未ちゃんのばか……)




穂乃果(大好きな海未ちゃんとじゃなきゃ、一緒に入りたいって言わないのに……)

ガラッ

海未「お、お邪魔します……」

穂乃果「海未ちゃん!」バシャッ

海未「ちょ、いきなり立ち上がらないでください、はしたない!」

穂乃果「いいじゃんいいじゃん、二人っきりなんだから~」スリスリ

海未「穂乃果がこのまま私が行かなければずっと入ってのぼせてたでしょうから、しょうがなくですよ、しょうがなく!」

穂乃果「はいはい、わかってますよー♪」

海未「ほら、向こうむいてください。背中流しますから」

穂乃果「えへへ、悪いね~」

海未「……」ゴシゴシ

穂乃果(さぁ、いつでもわしわししにきていいんだよ!)

海未「……」ゴシゴシ

穂乃果(カウンターの準備はできてるからね!)

海未「……」ゴシゴシ

穂乃果(まだかなまだかな……)

海未「はい、終わりましたよ」ザッパァン

穂乃果(ヘタレ~!!!)

海未「? 穂乃果どうかしましたか?」

穂乃果「へっ!? あ、いや、なんでもないよ! ほら、今度は海未ちゃんの番だよ!」

海未「は、はぁ……あ、こないだみたいなことをしたらこのまま寒空の中に追い出しますからね」

穂乃果「ふええぇ!?」

海未「冗談ですよ、流石に服ぐらいは着せてあげます」

穂乃果「追い出すのは冗談じゃないんだ……」ゴシゴシ

海未「当たり前です」

穂乃果「海未ちゃんの肌キレーだなー……」ゴシゴシ

海未「そ、そんなことないですよ、穂乃果のだって」

穂乃果「ん~♪」スリスリ

海未「ちょ、なにしてるんですか!」

穂乃果「あまりに気持ちよさそうだから、つい。えへへ」

海未「しなくていいんです!」

穂乃果「もう、海未ちゃんは恥ずかしがりやさんだなぁ」ザッパァン

海未「当たり前です! ほら、穂乃果はもう上がってください」

穂乃果「もう1回入るよ?」

海未「はい?」

穂乃果「海未ちゃんと一緒に入るって言ったじゃん、ほらほら!」グイグイ

海未「ちょ、待ってください穂乃果!」

ツルッ

穂乃果「ひゃぁっ!?」

海未「うわあっ!?」

ドッテーン

穂乃果「あいたたた……はっ、こ、この体勢は……!」

海未「そ、その、穂乃果、その……大胆……ですね……」

穂乃果「あ、いやいやその、違う違う、ごめん海未ちゃんそういうつもりじゃ!」バッ

海未「は、はい……」

穂乃果「……湯船、つかろっか」

海未「……はい……」

穂乃果「……」チャポン

海未「……」チャポン

穂乃果(きまずい……)

海未(ど、どうしましょう……)

穂乃果(穂乃果が先に出ればいいよね、うん!)

海未(私が先に出ればいいですよね……)

穂乃果・海未「「あのっ!」」

穂乃果・海未「「あ……」」

穂乃果「ふふっ」

海未「あははっ」

穂乃果「出よっか」

海未「そうですね」

穂乃果「もう2年生も終わりだねー……」

海未「そうですね……」

穂乃果「絵里ちゃんたち、元気にやってるかなぁ……」

海未「絵里なら大丈夫でしょう。希も、3年生では1番したたかですし」

穂乃果「にこちゃんは……うーん……」

海未「あの愛嬌があれば乗り切れるんじゃないですか?」

穂乃果「かなぁ?」

海未「ですよ」

穂乃果「そうだよね」

海未「そうですよ」

穂乃果「来年、穂乃果達どうしてるかなぁ……」

海未「大学に受かってるといいですけど……」

穂乃果「そうだね……」

海未「ちゃんと今から勉強しないと、落ちますよ?」

穂乃果「頑張るもん!」

海未「μ'sの活動はどうするんですか?」

穂乃果「えーっと、どっちも頑張る!」

海未「できるんですか?」

穂乃果「やる!」

海未「答えになってませんよ……ま、穂乃果らしいですね」

穂乃果「えへへ……」

海未「別に褒めてませんよ?」

穂乃果「……もうそろそろ、誕生日だね」

海未「そうですね……」

穂乃果「園田さん、16歳最後の一言は何にしましょうか?」

海未「なんですか、インタビュアーみたいに……」

穂乃果「いいからいいから!」

海未「うーん……そうですね……」

穂乃果「はやくしないと~」

海未「……穂乃果」

穂乃果「うん?」

海未「好きですよ」



ポーン ポーン ポーン ポーン



穂乃果「……」



ポーン ポーン ポーン ポーン



海未「……」



ポーン ポーン ポーン ポーン







穂乃果「……うん、穂乃果も、だーいすきっ!」ギュッ

海未「穂乃果……!」

穂乃果「一緒にねよ?」

海未「い、一緒にですか!?」

穂乃果「いーじゃんいーじゃん!」

海未「はぁ、もう、しょうがないですね……」

穂乃果「えへへ」モゾモゾ

海未「特別ですよ……?」

穂乃果「んー」ギュー

海未「……んっ」ギュッ

穂乃果「海未ちゃん、あったかーい……」

海未「……穂乃果も、あたたかいです」

穂乃果「んー……おやすみー……」

海未「おやすみなさい。別に無理して起きてなくて良かったんですよ?」

穂乃果「最初に、お誕生日おめでとうって、言いたかったのー……」

海未「好きとは言われましたが、おめでとうは言われてないですよ?」

穂乃果「あー、そうだっけ……」

海未「言ってもらっていいですか?」

穂乃果「んー、海未ちゃ、おたんじょーび、おめでとー……むにゃ……」

海未「ありがとうございます、穂乃果」ナデナデ

穂乃果「ふにゃ……うみちゃー、だいすきー……」

海未「私もですよ……穂乃果……」

穂乃果「すぅ……すぅ……」

海未「すぅ……すぅ……」

おしまいです

ほのうみの告白はドラマティックな要素なんて抜きにしてこんなものじゃないかなーなんて

海未ちゃん誕生日おめでとう!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年01月17日 (日) 11:37:49   ID: vozU1s48

うむ

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