秋津洲「いつの日にか」 (42)




~演習後~


瑞鶴「あー演習疲れたー」


翔鶴「あらあら。それがMVPを取った人の言葉かしら」


瑞鶴「いやぁ、だってもう今月10回目だしさ。別に特別なことじゃないもん」


翔鶴「まあ、そうだけれど……でも、他の方からすると嫌味に聞こえるからやめなさい」


瑞鶴「はーい」


金剛「それにしてもズイズイは最近強ーくなったデスネー! 私もあまり活躍できまセーン!」


榛名「そういうお姉様も、お相手空母へのナイスショットでしたよ。お見事です!」


伊58「ゴーヤも今日は魚雷で活躍できたでち! 提督に褒めてもらうんだぁ」



アハハハハ・・・



秋津洲「……」




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~提督秘書官室~


長門「全く! なんだこの体たらくは!」


秋津洲「……」


長門「副砲を装備しているにも関わらず、演習相手への命中率はゼロ!?」


長門「あげくの果てには相手の砲弾を食らい、お前だけ大破という結果だ!」


秋津洲「そ、そんなこと言われても……」


長門「全く嘆かわしい。わざわざ旗艦に置いているのだから、せめてもう少しは活躍してみせたらどうだ!」


提督「ま、まあまあ長門くん。秋津洲もわざとやっている訳じゃあないんだしさ」


長門「提督は甘すぎます!」


秋津洲「あ、秋津洲だって、精一杯頑張ってるかも!」


長門「ほう。頑張ってあの戦闘結果だと言うのだな」


秋津洲「う……」


長門「……」


長門「我々は戦っているのだ。深海棲艦と。命を懸けてな」


長門「お前の攻撃が当たらないということは、その隙を突かれこちらの艦隊が攻撃される可能性が大幅に上がるということだ」


長門「お前のせいで艦娘が轟沈、艦隊が全滅したらどう責任を取るつもりだ?」


秋津洲「それは……」




長門「……私も、何もお前が嫌いだから叱咤しているのではない。だが、我々は一刻も早く深海棲艦との戦いを終わらせねばならんのだ」


長門「そのため、甘えはこの世界では通じない。私はお前に妥協をさせない」


秋津洲「……」


長門「今回のことを肝に命じて、更に修練に励め」


秋津洲「……はぁい……」





バタン


提督「……言い過ぎじゃないのかい?」


長門「……」


長門「彼女が誰よりも陰で努力している姿を、私は知っています」


長門「ですが、その結果を実践で出せないものではなんの意味もない」


長門「それに、努力しているからといって甘やかしてしまっては、それ以上の向上心は望めません」


提督「……まあ、ね」


長門「私は期待していますよ。彼女に」


長門「空母が機能できない海域はいずれ必ず出てきます。その時にこそ、水母である彼女が活躍できてもらえれば……」




~秋津洲 個室~


秋津洲「はぁ~あ~……」


秋津洲「今日も怒られちゃったなあ……」


秋津洲「他の艦娘はみんな、それぞれ役目があるのに」


秋津洲「秋津洲は何もできてないかも」


秋津洲「……」


二式大艇「cwppjodps! jpwff!」


秋津洲「ん? もしかして元気づけてくれてるかも?」


二式大艇「fjeoij! xkpwfw@!」


秋津洲「ありがとう。二式大艇ちゃん。ふふ」


秋津洲「……よーし」


秋津洲「悩んでても仕方ないかも! 今日も自主練、いっくよ~!」


二式大艇「ckopew!!」




~鎮守府射撃場~


吹雪「えいっ! やあっ!」ドンドン


黒潮「いっくでえええ!!」ドンドン


秋津洲(……)


秋津洲(すごいかも。二人ともちゃんと的へ命中させてるかも)


秋津洲「よーし。秋津洲だってぇー!」ドンドン


スカッ スカッ


秋津洲「あ、あれえ……なんでぇ……?」


二式大艇「fpokpm! jpoiwej!」


秋津洲「んー。ね、狙いが違うのかなあ。こ、こう?」


二式大艇「fewopfv!」


秋津洲「うん! じゃあ、次は狙いを変えてやってみるね!」



黒潮「秋津洲はーん。うちらそろそろ自主練終わろうと思うんやけど」


秋津洲「え」


吹雪「すみません、射撃場の戸締りお願いしてもよろしいでしょうか?」


秋津洲「あ、ああ! そうだよね! もう、終わるよね~」


秋津洲「戸締りはいつもどおり、秋津洲に任せるかも!」


黒潮「いつもごめんなあ」


吹雪「ありがとうございますっ! 遅くまでご苦労様です。頑張ってくださいね!」


秋津洲「あはは……」


バタン


秋津洲「……」




秋津洲「まーた、一人かー……」


二式大艇「jicopjepd! mjcpoj!」


秋津洲「あ、うん。そうだね。頑張らないとね。頑張らないと」


秋津洲「……でも……」


秋津洲「毎日これだけ頑張っても……一発も当たらないなんて」


二式大艇「……」


秋津洲「秋津洲……艦娘の才能ないのかなあ……」


バタン


金剛「そんなことはないデース!」


秋津洲「ひゃっ! び、びっくりしたあ!」



金剛「アッキー。毎晩毎晩頑張ってるネー。いつもブッキーから聞いてるヨー!」


秋津洲「こ、金剛さん? なんでこんなところに……」


金剛「アハハー。ワタシもアッキーと射撃練習するデース」


秋津洲「いや、そんなこと……わ、悪いかも……。金剛さん演習で疲れてるかもだし……」


金剛「そんな心配は、ナッティンナッティン! 私は努力する人大好きデース!」


金剛「今日アッキーと一緒に演習に出て気がついたところを、的確に指示もデキマスからネー!」


秋津洲「金剛さん……」


金剛「それに、アッキー? 貴方は誰よりも艦娘の才能を持ってマスヨー」


秋津洲「え、ええ? だって秋津洲、誰よりも砲弾とか敵に当たらないし……」


金剛「ノンノン。敵に攻撃するよりも、大事なことがアリマス」


金剛「それは、どんな屈強にも負けず、最後まで努力するファイティングスピリッツデス!」


秋津洲「ファイティングスピリッツ……」


金剛「YES! これこそ艦娘が持つべき最大の才能デース!」


金剛「だからぁ~? 私と一緒にぃー! ガンバりマッショウ!」


秋津洲「……うん……」


秋津洲「秋津洲、頑張るかも! もっと、もっともっと頑張るかも!」


金剛「あははー。その調子デース! さあではまず副砲を構えてみましょう!」


秋津洲「はい、かも!」




~入渠場 脱衣場~


秋津洲「ふぇあああ……今日も疲れたねえ~大艇ちゃん」


二式大艇「jopfwej!」


秋津洲「まさか金剛さんが練習に付き合ってくれるとは思わなかったかも、うふふ」


秋津洲「さ、お風呂入って疲れ落とそうね!」


二式大艇「kfo@efkwq@!」



瑞鶴「お、秋津洲じゃん。今からお風呂?」



秋津洲「っ! ず、瑞鶴さん!?」


瑞鶴「ぅお、なによそんなにびっくりして」


秋津洲「あ、い、いやぁ~……」


秋津洲(瑞鶴さんは演習でいっつもMVP取るような人かも)


秋津洲(きっと何もできない秋津洲のこと……嫌ってるかも……)


瑞鶴「……」



瑞鶴「……あんたさぁ」


秋津洲「ひっ? な、なにかも!?」


瑞鶴「今日、攻撃惜しかったよね」


秋津洲「え、えっ」


瑞鶴「ん? いや、前の演習よりさ、敵の近くに砲弾発射できてたじゃん。成長してるんだなぁーって感じたよ」


秋津洲「そ……そう……かも……?」


瑞鶴「うん。昔に比べたら全然、センス良いと思うよ。発射場所とかさ」


秋津洲「……で、でも!」


秋津洲「当たらなかったら……なんにも……ならないかも……」


瑞鶴「……」


瑞鶴「私も、昔さ」


秋津洲「え……」


瑞鶴「経験積んでないときに加賀さんと一緒に演習出て、ずっと攻撃当たらなかったんだよね」


瑞鶴「加賀さん厳しいから、そのたびに私を見下したような言い方しててさ。はは」


秋津洲「……」


瑞鶴「だから悔しくて悔しくて、死に者狂いで練習したんだ。それからはだんだん敵に攻撃当たるようになってきて」


瑞鶴「たった一度だけ。加賀さんに褒めてもらった」


秋津洲「……」


瑞鶴「そのときすっごく、嬉しかった。やっと認めてくれたんだなーって」


瑞鶴「だから今日さ。秋津洲も褒めてあげたいって思ったんだ。あんた毎日頑張ってるし、その努力は無駄じゃないよって、そう言いたかった」


秋津洲「瑞鶴さん……」


瑞鶴「まあ。今の私もそんな偉そうな口聞ける訳じゃないんだけどねー。はは」


瑞鶴「頑張ってね。次はMVP取りなよ。ほい牛乳。風呂上りに飲みな」サッ


秋津洲「あ、ありがとう……かも……」


秋津洲(瑞鶴さん……こんなに優しい人だったんだ……)


秋津洲(秋津洲、嬉しいかも!)




~秋津洲 個室~


秋津洲「ふぃー……」


秋津洲「いいお風呂だったかもー……」


二式大艇「jkipejf!」


秋津洲「ね。二式大艇ちゃんも綺麗になったねー」


二式大艇「kopewk!」


秋津洲「……えへへ、今日は頑張ったって褒めてくれたの?」


二式大艇「kopkowp!」


秋津洲「嬉しいなぁ」


秋津洲「私……」


秋津洲「もっともっと……頑張……か……ら……」


秋津洲「……ね…………スー…………スー…………」


二式大艇「……」


二式大艇「vwev@wpl」







一か月後






~提督室~


秋津洲「……へっ?」


長門「聞こえなかったのか」


長門「新海域攻略は、お前が旗艦だ。秋津洲」


秋津洲「へっ、いやっ、えっ? えっ?」


金剛「オメデトネー!! アッキー!」


瑞鶴「やっるじゃーん」


吹雪「頑張りましょう! 秋津洲さん!」


秋津洲「ふぉ」


秋津洲「ふぉおおおおおお!!? ほ、本当に!!?」


長門「ふふ。ああ、本当だ」


提督「今回の新海域は空母が2隻いると渦潮の関係で進行できないんだ。そしてかなり霧が深い場所だから、相当な索敵能力が必要となる」


提督「君と二式大艇の出番だ。旗艦で皆を導いてくれ。頼むぞ秋津洲くん」


秋津洲「が、頑張るかも!!」


秋津洲「秋津洲、めっちゃ頑張るかもお!!」


長門「今回は私も艦隊に加わる。渦潮の関係上5隻編成となるが仕方ない。……さあ、では行くぞ」


長門「艦隊、抜錨だ!!」


「「「「おーーーっ!!」」」」



~新海域 進行中~


秋津洲「ふっふーん♪ 二式大艇ちゃん、とうとう私が旗艦だよ? 旗艦!」


二式大艇「jipwej!」


秋津洲「うん! そうだね、頑張ろうね!」


長門「……無駄口をたたくな。いつ敵が襲ってくるかも分からんのだぞ」


秋津洲「う……わ、分かってるかも!」


瑞鶴「しかしここ……想像以上に霧がひどいわね……」


吹雪「艦載機は飛ばせそうですか? 瑞鶴さん」


瑞鶴「飛ばせたとしても、あまり機能しないかもしれないわ。これだけ視界が悪いとね」


金剛「ということはー? アッキーのニシッキーの出番デスカーッ!?」


吹雪「ニ、ニシッキーって。あはは……」


秋津洲「よーっし! じゃあここは秋津洲に任せるかも! 二式大艇ちゃん、準備はいい?」


二式大艇「jpvowjp!」


秋津洲「じゃあ行っちゃって~! 飛び回って敵を見つけるかもー!」



ブウウウウン



吹雪「おおー。なんかいつもより張り切ってる感じがしますね!」


秋津洲「当ったり前かも~。二式大艇ちゃんも元気100倍かも!」



長門「……」


金剛「……ナガート? どうしたデース?」


長門「……いや」


長門「妙に胸騒ぎがしてな。この海域、何故ここまで静まっているのだ」


金剛「?? まあ、いつもよりは静かな感じはシマスネー」


瑞鶴「そ、空まで霧で覆われてるわね……。風が読み辛いわ」


吹雪「空かぁ……」


吹雪「そういえば、今日」


吹雪「鳥が一羽も飛んでいないですよね」


瑞鶴「ん? 鳥?」


吹雪「ええ。どの海域でも空を見上げた時、大体鳥さんがいるんですが……」


吹雪「今日はこの海域に入る前から、鳥さんいなかったなーと思って」


長門「!!」


秋津洲「ん? 長門さん、どうしたかも?」


長門「秋津洲! 二式大艇を戻せ!! 今すぐにだ!」


秋津洲「え……なんで、かも?」


ブウウウウウウン


金剛「!!」


金剛「て、敵機直上ネ!!!」


瑞鶴「なっ!?」


長門「艦隊、伏せろーーーーーッッ!!!」







ドドドドドドドドドド!!!




秋津洲「う……」


秋津洲「な、何が起こったかも……?」


秋津洲「っ!!」



長門「……無事か、秋津洲……!」中破


秋津洲「な、長門さんっ!?」


長門「しまった……敵は既に……ぐっ! 我々の位置を把握していたようだ……!」


秋津洲「そ、そんな……!」


金剛「ブ、ブッキー……大丈夫ネ……?」中破


吹雪「金剛さん!! わ、私を庇って……!」


瑞鶴「く……飛行甲板が……!」中破


秋津洲「ああ……そんな……! 金剛さんや瑞鶴さんまで……!」


長門「ち……恐らくこの霧は、敵が故意に発生させていたもの……。私達の索敵能力を失くし、空から奇襲する作戦だった。鳥は自らの危険を察知しこの海域から離脱していたのだろう」


長門「渦潮の不侵入区域を上手く使ったな……。どうやら我々は、まんまと奴らの罠にかかってしまったようだ……」




ヒュウウウ ドオン


二式大艇「gaa・・・」


秋津洲「二式大艇ちゃん! うそ……被弾してる!? 大丈夫!?」


二式大艇「gii・・・」


長門「……損傷はしているが羽は生きてる。なんとか飛行はできそうだな。撃ち落とされなかったのが救いだ」


吹雪「っ!! そ、空から第二波、来ます!!」


長門「ちい! 艦隊、伏せーーーーーっ!!」





ドドドドドドドドドド!!!




秋津洲「う……!」


長門「……くそ……!」大破


金剛「ブ、ブッキー!! 大丈夫ネ!?」大破


吹雪「ぐ……ごめんなさい……避けきれませんでした……!」中破


瑞鶴「……まずいわね……」大破


秋津洲「た、大艇ちゃん! 大丈夫!?」


二式大艇「djipewpw・・・」




長門「……爆風で霧が晴れたな……敵艦隊のお出ましだ」


金剛「なっ……!」


吹雪「これは……!」




防空棲鬼「……」


空母ヲ級「……」


鬼姫「……」


戦艦棲姫「……」×8



長門「10隻以上……だと! バカな、これでは……!」


金剛「深海棲艦の……連合艦隊、ネー……」


瑞鶴「確実に……この海域で艦娘を仕留めるってこと、か……!」


秋津洲「そんな……!」


吹雪「こんなことって……!」



秋津洲「た、退却しよう! 長門さん! このままじゃ艦隊みんなやられちゃうかも!!」


長門「……ああ。そう、だな」


長門「お前は中破の吹雪を連れ、鎮守府へ帰還しろ」


秋津洲「え、ええ!? 長門さんはどうするかも!?」


長門「……ここで奴らを食い止める」


秋津洲「そ、そんな!」


長門「どちらにしろ大破状態だ。この動きでは敵連合艦隊から逃げられん」



金剛「アッキー。よく聞くネ」


金剛「今この海域から逃げられる可能性があるのは、アッキーとブッキーだけ」


金剛「私と長門、ズイズイでこの場を引き留めマス」


吹雪「ダ、ダメです! そんなこと!」


秋津洲「そうかも! みんなで逃げられる可能性、絶対あるかも!」



瑞鶴「……いや。無理よ。私も足をやられちゃった」


瑞鶴「秋津洲、あんたにはまだ二式大艇がいる。低空飛行させながら鎮守府に帰りなさい。そうすれば敵と出会わずに帰れるはず」


瑞鶴「今一番重要なのは、この海域の危険性を提督に伝えることよ」


秋津洲「で、でも……!」




カチャ カチャ カチャ



吹雪「っ! て、敵艦隊! 攻撃準備に入っています!」


金剛「ふふ。迷ってる暇はなさそうデスネー……」


長門「……ああ。すまない金剛、瑞鶴。秋津洲たちを逃がすのに協力してくれ」


瑞鶴「はは……私はもう、的になるくらいしかできないけど……」



秋津洲「ダメかも……! そ、そんなの、ダメかも!!」


長門「……秋津洲。時間がないから聞いてくれ」


長門「私は誰よりも、お前のことを信頼している」


秋津洲「え……」


長門「お前なら……。誰にバカにされても、それでも努力を続けたお前なら……。お前だからこそ信じられる」


長門「必ず帰還せよ。そして、この海域の情報を提督に伝えてくれ」


長門「お前なら、必ず、できる」


長門「……すまなかったな。いつも、怒鳴ってばかりの秘書官で……」


秋津洲「う……!」


秋津洲「な、なんで最後みたいなこと言ってるかも!!」


秋津洲「ダメかも!! みんなで帰るかもお!!」



ドンドンドンドン!!



長門「ぐっ!! がああ!!」大破


秋津洲「長門さん!!」


金剛「ブッキー!! 早く逃げ……」大破


吹雪「が……!」大破


瑞鶴「くそ……吹雪まで……!」大破



長門「……このままでは秋津洲までも敵の狙いとされてしまう。さあ、行くぞ!! 我々で奴らを引きつけるのだ!!」


金剛「オーケーネ!!」ザアッ


瑞鶴「こっちだ!! この野郎ー!!」ザアッ


ヒューーー ドン ドン


秋津洲「ああ……そんな……!」


秋津洲「みんなが……! みんなが……!」



吹雪「秋津……洲……さん……」


吹雪「早く……逃げて……」


吹雪「大丈夫です……私も……秋津洲さんを……信じて……ます……!」


秋津洲「吹雪ちゃん……!」


吹雪「次、この海域に来た時は……私達の仇を……討って……ください、ね……」


秋津洲「うう……!」


秋津洲「ううう……!」


秋津洲(どうすればいいかも……!)


秋津洲(どうすればいいかもっ……!)







長門(この役立たずが!! また演習でお前だけ何もできていないだろう!!)



____いつも厳しかった長門さん



金剛(アメイジング!! 当たったネー! さすがアッキーネ!!)



____遅くまで練習に付き合ってくれた金剛さん



瑞鶴(……頑張りなよ。応援してるからさ。ほい今日も牛乳飲めーい)



____能力に関係なく私と接してくれた瑞鶴さん



吹雪(逃げて……ください……)



____私のことを陰で応援してくれてた吹雪ちゃん





長門(お前なら、必ず、できる)



最後まで、信じてくれた、仲間たち







______力が欲しい





皆を守れる




力が!!!







(____アキちゃん)


秋津洲「え……?」



秋津洲「誰……かも……?」



(僕だよ)


(君とずっと一緒にいた、二式大艇だ)


秋津洲「二式大艇……ちゃん?」


秋津洲「どうして……どうして声が聞こえるの?」


(君は今まで、どんなに文句を言われても)


(挫けず、ずっと頑張ってきたね)


(その成果が実って、君はこの海域に入る前に、極限レベルまで到達したんだ)


秋津洲「え……」


(だから僕の声を聞くことができる)


(そして、アキちゃん。)


(君は僕の力を使って、更なる力を手に入れることができる)


秋津洲「ど、どういうこと……?」





(……今まで、こんなに重い僕を背負って戦闘するのは、とてつもなく大変だったでしょう)


(今こそ、君の真の力を発揮するべきだ)


(僕に向かって『改ニ・実装』と叫んでほしい。そうすれば僕の機体は解体され、君への新たな武器となれる)


秋津洲「解体って……でも、それじゃあ……!」


(うん……僕は消えてしまう)


秋津洲「そ、そんなのダメだよ! 大艇ちゃんは、私とずっと一緒に居てくれた相棒だもん!!」


(アキちゃん)


(守りたいものが、あるんだろう?)


秋津洲「っ!」


(僕なら大丈夫)


(解体しても。ずっと心は、君と一緒だ)


秋津洲「う……!」


(今までありがとう。アキちゃん)


(僕の主人が、君のような素敵な主人でよかった)


秋津洲「ううう……!!」


(さあ! 行こう!!)


(精一杯叫ぶんだ)


(新生・秋津洲を見せてやろう!!)


秋津洲「ううううーーー……!!」


秋津洲「……二式大艇ちゃん……!!」


秋津洲「ありがとう……!!」






秋津洲「秋津洲……」




秋津洲「改二!! 実装!!」
















長門「はぁ……はぁ……はぁ……!」


金剛「ぐ……うう……!」


瑞鶴「……こ、ここまで……かな……!」



長門「……秋津洲は……逃げられたか……?」


金剛「……きっと、大丈夫なはずネ……」


長門「ああ……あいつなら……な……」




防空棲姫「……コンナモノナノオ……?」ドン


戦艦棲姫「……ザンネンダッタワネ……」ドン




金剛「ソーリー……もう、避ける力が……」


瑞鶴「翔鶴姉……私……先に……」


長門「……無念……!」





ボンボン ボン!!



長門「……」


長門「……ん……?」


金剛「敵の砲弾が……」


瑞鶴「消え……た?」



防空棲姫「……ナン……ダト……?」




秋津洲改二「……」




長門「秋津……洲……?」


金剛「に、逃げてなかったンデスカ!?」


瑞鶴「いや、待って……な、何か様子が……」




秋津洲改二(二式大艇ちゃんの力を分散して、私の体中に取り付けた)


秋津洲改二(体が驚くように軽い。これが、改二)


秋津洲改二(大艇ちゃん。秋津洲に力を貸して!)



秋津洲改二「新生秋津洲!! 敵を殲滅するかも!!!」バッ


【最新型高温高圧缶・改】キュイイイ





長門「なっ……!」


金剛「は、早っ……!?」



戦艦棲姫「ナ……!? ドコニ……!」


秋津洲改二「遅いかも!」バッ


【AKI152mm四連装砲】カッ



戦艦棲姫「グアアアアアアアーーーーッッ!!!?」ドオン



防空棲姫「ナッ!?」


長門「なにぃ……!?」



秋津洲改二「私の大事な仲間を傷つけたあなた達は……」


秋津洲改二「許さない!!」


【甲標的・改】カッ


秋津洲改二「いっけええええっ!!」ボボボッ


防空棲姫「グウウオオアアア!!!」ドオオン


このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年11月11日 (水) 18:18:30   ID: ROznk3oK

改二になったところでで艦種はかわんないし微妙過ぎるぅん

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