穂乃果「TENGA……?」 (16)

※ちょいエロ


穂乃果「ゆ、雪穂ー!」ドアガチャー

雪穂「わっ、何々っ!? っていうかノックー!」

穂乃果「どどどどどうしよう、お父さんの大切な物壊しちゃったかもしれない!」

雪穂「はぁ? 赤点取ったからって受けたペナルティの掃除中に、タンスの上に飾ってある木彫り熊でも落としたの?」

穂乃果「だったらもっと音が響いてるはずだよ! 違うの、これー!」スッ

雪穂「真っ赤な……くびれた筒? お洒落なデザインだけど、お父さんっぽくないねー」

穂乃果「あああああ片手で持っちゃダメー!」

雪穂「え?」フタパカー

雪穂「…………」トローリ


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雪穂「ギャーッ! な、なななっ、なんか垂れてきた! ヌルヌルしてて気持ち悪いしーっ!」ポイッ

穂乃果「だからって投げたらほら床! 大事な中身が垂れちゃったじゃん!」

雪穂「大事な中身って何っ!? このトロトロヌルヌルの液体のことっ!? 成分謎のスライムモドキのことっ!?」

穂乃果「しーっ、暴れちゃダメだってー! ……騒ぎを聞きつけてお母さんが下から上がってきたらどうするのー!」

雪穂「お姉ちゃんの声も大概大きかったけど……うわぁ、床ぁ……触りたくない……」

雪穂「壊しちゃったかもしれない大切な物って……もしかしなくても、これのことだよね?」

穂乃果「うん……」ションボリ

雪穂「でもこれって、さっき落ちた蓋を回して嵌めればいいだけなんじゃない?」」

穂乃果「落とした拍子に漏れた中身は誤魔化せない……きっと大事な中身だったんだ……」

雪穂「壊したっていうか取り返しのつかないことをしちゃったって感じかな」

雪穂「赤点のペナルティ中に物に危害を加えたのは、知られたら怒られるよー……」

穂乃果「ど、どうしよう、絶対高いよね……? こんなヨーロッパなデザインの置物……」

雪穂「置物なのかな」

穂乃果「だって窓際に並べておいてあったんだよー? 赤、黒、それから白に……」

雪穂「結構あった内の一つかー。何個もあるってことはそんなに高くないかも。ちょっと調べてみよっか」スマホポチー

雪穂「Safari先生を起動してっとー……T・E・N・G・Aっと。読み方はそのまま『テンガ』でいいのかな?」

穂乃果「密林さんでいくらくらいか調べてー」

雪穂「オッケー、任せて。……ありゃ」

穂乃果「どうしたの?」

雪穂「年齢確認の画面出てきたんだけど……」

穂乃果「インテリアなのにおかしいねー、『はい』押しちゃえ!」

雪穂「え、いいの? お姉ちゃんまだ17歳じゃ……」

穂乃果「大丈夫、問題ないって。ことりちゃんもこの間コンビニでお酒買ったときに平気で画面の20歳以上のボタン押してたし」

雪穂「しれっと何言っちゃってんのっ!? 今のは絶対にカミングアウトしちゃいけない話だったと思う!」

穂乃果「はは、気にしない気にしない。というわけで~、『はい』!」ガメンタッチ

雪穂「履歴残るの私のスマホなんだけど。……あとで消しておこう」

穂乃果「奥付き感にバキューム感……? 掃除機? 商品説明見てもよく分からないよ?」

雪穂「商品説明よりまずは価格でしょっ。ほら、一番知りたがってたところ!」

穂乃果「およ? ……おーっ! や、安い! 五百円ちょっとで買えちゃうよ~!」

雪穂「これならお姉ちゃんのお小遣いでも余裕で買えちゃうね。良かったじゃん、一件落着」

雪穂「……けどこれ本当になんだろう……」

穂乃果「『ジョークグッズですので、お子様のお手の届かないところにて保管してください』って書いてあるね?」

穂乃果「あ、分かった。びっくり箱だ」

雪穂「どこが箱?」

穂乃果「びっくり箱的な物ってこと。インテリアですよー、って渡すでしょ? そうしたら底に蓋がある」

穂乃果「なんだろうって開けてみたら、中からトロトロと少し白く濁ったスライムがー、みたいな」

雪穂「クリスマスのプレゼント交換で回すときとかに使う、悪戯グッズってこと?」

穂乃果「そんな感じかも! なぁんだ、全体大したものじゃなくて助かったー」

雪穂「少しは罪悪感持とうよ。……悪戯グッズなんてお父さんもお茶目なところあるなぁ」

穂乃果「もしかして前のクリスマスで引いちゃったんじゃない? ひひひっ、運がないなあ」

雪穂「悪戯グッズばっかり何個も貰っても嬉しくないよね……」

穂乃果「飾ってあったのは記念にってことかな? ある意味こればっかり引くのってツイてるし」

雪穂「あー、あるねー。商売繁盛の願掛けだったりして」

穂乃果「……願掛けを壊しちゃったって考えたら胸がチクチクと……」

雪穂「っ! もしかしたらこのTENGA様が穂むらを支えてくれてたのかも!」

穂乃果「うえぇ~ん! 一家路頭に迷うのは嫌だよぉー! うぇ~ん!」

雪穂「今すぐポチろう! お急ぎ便で!」

穂乃果「明日には届くよねっ? お、お店潰れないで済むよね?」

雪穂「密林さんを信じよう。きっと明日には届くはず! 私のアカウント、ギフトカード残ってたからそれで買うね!」

穂乃果「お金は明日きちんと払うよ、ごめんね……」

雪穂「一家の危機だもん! 姉妹力を合わせなくっちゃ!」テトテヲガッチリ

穂乃果「ゆ、雪穂ぉ……ありがとう、ありがとうねぇ……」

雪穂「じゃあとりあえず一個注文してっと……」

雪穂「……ぃよしっ、注文したからひとまずは明日を待とう!」

穂乃果「明日まで保ってください、頑張れ穂むらっ……!」

雪穂「じゃあ床に広がったヌメヌメを処理しよっか。丁度雑巾あるし、乾拭きしてからウェットティッシュで拭こう」

穂乃果「水汲みに行ったら気付かれちゃうかもしれないし、そうだね。隠密に拭こうか……」

雪穂「危険物を扱うノリで処理しよう……」フキフキ

雪穂「……それにしてもこの匂い」クンクン

穂乃果「なんか薬っぽいっていうか……」クンクン

穂乃果「……セッケン?」

雪穂「ミューズ! ミューズの匂いっぽい!」

穂乃果「お父さんわざわざミューズの匂い付きトロトロを探してゲン担ぎしてくれたんだね、ありがとう……」

雪穂「隠れて応援してたのは知ってるけどなかなかやるなぁ、お父さん」フキフキ

雪穂「……んっ、大方拭き終わった」

穂乃果「まだ匂い残ってるけど……ミューズならいい、よね?」

雪穂「聖なる匂いって感じー、へへへっ。縁起良さそう」

穂乃果「って、あ! しまった! 蓋してないから中身乾いちゃうかも!」

雪穂「もうよくない? 新しいの買ったんだし、それはもう捨てるしかないでしょ」

穂乃果「神様TENGA様は簡単には捨てられないよ! ……んでもどうしよっか、戻すに戻せないし……」

雪穂「お姉ちゃんの部屋のインテリアにしたら?」

穂乃果「それもバレちゃうー! なんとか手放したいんだけど……」

雪穂「手放すときは正式な手放し方をまた検索しないとね。洗う方法とかあるかもしれないし」

穂乃果「もし捨てたとして、誰かがありがたがって拾ったとき、また使われるかもしれないからね!」

雪穂「それはまた追々調べるとして……」

雪穂「これって用途はジョークで他人をびっくりさせるだけなのかな?」

穂乃果「それなんだけど、今さっき変な穴を見つけたんだよね。ほらここ」ユビサシー

雪穂「中身が出てくる穴じゃないの?」

穂乃果「そういうわけでもないみたい。押してみても、ほら」フシュッフシュッ

雪穂「神様扱いしてるのにぞんざいに扱うね、お姉ちゃん。くびれ押しちゃ罰当たりだって」

穂乃果「……指を入れるのも罰当たりかな?」

雪穂「え、えぇっ……それは……やっぱり、良くないことなんじゃない?」

穂乃果「お守りの袋開けるのと同じ?」

雪穂「罰当たりだよ、やっぱり」

穂乃果「んー……でもなんでだろう。じーっと穴を見てたら指を突っ込みたい気分になるの」

雪穂「……突っ込んじゃう?」

穂乃果「えっ……いいの?」

雪穂「指で洗うタイプかもしれないし……」

穂乃果「あ、そ、そっか……お掃除だね、これもお掃除の一環!」

雪穂「そうそう! 部屋の掃除って物を磨くのも含まれるでしょ? だったら、いいんじゃない?」

穂乃果「ではTENGA様、失礼して……」チョンッ

穂乃果「あ……表面は意外と冷たい。渦巻きみたいな模様の意味はなんだろう」

穂乃果「まあいいや、中々」ヌププッ

穂乃果「いぁっ、温っ……?」

雪穂「冷たかったんじゃなかったの?」

穂乃果「ううん……温くて、あと……」

雪穂「まだあるの?」

穂乃果「両サイドから、ぎゅーっと締め付けられてるみたいで……」

雪穂「温くて締め付けがあって……へぇ、神様の中は奥深いんだねぇ」

穂乃果「神の領域は底が知れないね……」ヌプププ…

穂乃果「……あ、指動かすとなんか気持ち良い……」ヌプップ

穂乃果「きゃ、ははっ、んはっ、なにこれ、纏わりつかれてるみたいー」

雪穂「纏わりつかれてる割に楽しそう?」

穂乃果「えいっ、えいっ」ズポズポッ

穂乃果「あははっ、出し入れしたら指が圧迫されたり解放されたりで気持ち良いよー」

雪穂「あっ、私もやりたーい。貸してー」

穂乃果「ん、いーよ。……うーん、ちょっとミューズとは違う匂いだね、これ」

雪穂「悪い匂いじゃないんだけど妙な匂いっていうか……染みつかないうちに洗わないとね」

雪穂「どれどれ……えぃっ」ヌプッ

雪穂「きゃっは! 本当に冷たぬんるぅーい! で、指がきゅうきゅう締め付けられてる~!」

穂乃果「この締め付け具合なんだろうね~、モチーフがあるのかなー?」

雪穂「あ、生肉だったりして。なんか似てない?」

穂乃果「感触は似てるけど生暖かくはないよ。ほらっ、もっと中へ中へっ」

雪穂「ふゎっ、は、はぁぁぁぁっ!」ヌププププッ

雪穂「なるほどこれは確かに新感覚! ちょっと気持ち良いかも!」

穂乃果「そこで出し入れ、はい!」

雪穂「んっしょ、んっしょ、んっしょ、んっしょ」ズッポズッポズッポズッポ

雪穂「あはっ、くすぐったいなぁ~、もう! TENGA様ったらお茶目なんだから~」ヌププププ…

雪穂「……ん?」クチュッ

雪穂「お、奥にスポンジ?」

穂乃果「柔らかいの?」

雪穂「柔らかいんだけど堅いっていうか……」クチュクチュゥッ…

穂乃果「ちょっと貸してー」コウタイー

穂乃果「……ふむ、ふむふむ……」クチュコツンッ

穂乃果「これが奥付き感ってことかー、ちょっとコツコツしてるし」

雪穂「えー、もう終わりー? TENGA様奥があさーい」

穂乃果「ちぇー、もっと遊びたかったなぁ」ユビヌキー

穂乃果「……ん、ちょっと匂いが違う」

雪穂「どれどれ……」クンクン

雪穂「あ、本当だ、なんか……海産っぽい? イカっていうか……」

穂乃果「イカエキス配合のミューズ風スライムだったんだねー」

雪穂「指マッサージも兼ねてるのかな。まあいっかー、なんだか指の疲れも取れた気がするし」

穂乃果「結構遊んじゃったねー。指拭いたら処理の方法調べよっ」

雪穂「そだねー。けどお姉ちゃん、匂いといいヌメっと感と良い、奥で拾ってきたのってなんか異質だよね」

穂乃果「二種類のスライム配合してたんだよ、きっと! 舐めるのは……」

雪穂「よした方がいいね、それは」

穂乃果「さすがにやめとこっか、はは……」

雪穂「お母さんに見つからないよう、こっそり指洗おう」

穂乃果「オッケー」ドアバタンッ


…………。

………………。

……………………ギィ。

ほのパパ「…………」テキパキカイシュー

ほのパパ「……その臭い、覚えておけ」

バタンッ!



終わり

完結です。乱雑稚拙な文章失礼致しました。

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