ここね「みやびちゃんと一緒の時間」 (65)

アイカツ!のSSです

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スターライト寮 ここね&みやび自室

ここね(ここねがユニットカップ出場を決め、みやびちゃんを呼んだ日)

ここね(ここねはとんでも無いことに気付いてしまった!)

ここね「ふふふ、みやびちゃんと一緒の部屋ってことは遂に『アレ』が出来るのね……」

ここね(今までは泊まりのロケの時だって別々の部屋だったし)

ここね(ちゅーだってしたんだからそろそろ『次の段階』まで行っていいはず!)

ここね「多分みやびちゃんは恥ずかしがって自分からは来ないだろうし~、ここねから行かないとねっ!」

ここね「えへへ~ 夜のみやびちゃんどんな感じになるだろ~」

ここね「やっぱり恥ずかしがっちゃうのかな? それとも意外と積極的だったり?」

ここね「でもやっぱりみやびちゃんはかっこよくここねをリードして欲しいなぁ~」

みやび「ここね、誰か他に居るのか?」

ここね「あっ、みやびちゃん!」

ここね(い、今の聞かれちゃったらちょっと恥ずかしいな……)

ここね「い、いつの間に帰って来たの?」

みやび「たった今帰ってきたところだよ」

みやび「ドアを開けたらここねの声がするから誰か居るのかと思ったんだが…… 独り言か?」

ここね「そ、そう! 新しい自己紹介でも考えようかな~って練習してたとこなの」

みやび「そうか、ここねは努力家だな」

ここね「そ、そんなこと無いってこんなのフツーだよフツー」

みやび「その『フツー』を『普通』に出来るのが凄いことなんだよ」

ここね「みやびちゃん……」

ここね(みやびちゃんをどう誘おうかって考えてたなんてとても言えないなぁ~……)



ここね(どう誘おうか考えたけど、うん! やっぱりストレートに行くのが一番だよね!)

ここね「みやびちゃん!」

みやび「な、なんだそんなに息巻いて……」

ここね「せっかくここね達一緒の部屋になったし、ユニットを組むんだし、今日は一緒のベッドで寝よ?」

みやび「い、一緒にって……」

ここね「えぇーいいでしょ~ ほら、ここね達今までなんとな~くな関係で、深く……その…… 『腹を割って話す』機会って無かったでしょ?」

みやび「確かに……」

ここね「それに…… みやびちゃんはここねと一緒に寝るの……イヤ?」

みやび「うぅ……」

ここね「イヤぁ~……?」

みやび「わかったよ、今日は一緒に寝よう」

ここね「やったー!」

ここね「ベッドにどーん! えへへ~ベッドの中心はここね~ なんちゃって~」

みやび「……」

ここね「ごろごろ~」

みやび「私、向こうのベッドで寝るぞ」

ここね「あぁ! 待って待ってぇ~! ふざけるのやめるからぁ~」

ここね「これでよし」

みやび「……やっぱり狭くないか?」

ここね「それならもっとみやびちゃんにくっつくー」

みやび「こ、こらふざけるのはやめろここね!」

ここね「ふふーん、真剣だもんね~」

みやび「もう…… 勝手にしろ……」

ここね「えへへ~ 」

ここね「……」

みやび「……」

ここね「ねぇみやびちゃん」

ここね「今日はワガママ言っちゃって…… ごめんね」

みやび「……」

ここね「ここね、もしかしたら甘えてるのかもしれないね、みやびちゃんの優しさに」

ここね「でもね、わたしがみやびちゃんにこうやって甘えたり、ワガママ言ったりするのはね、みやびちゃんのことを本当に信頼してるから、みやびちゃんのことが好きだからなんだよ」

みやび「……」

ここね「みやびちゃんの優しいところ、アイドルなのにちょっと恥ずかしがりやなところ、実はとっても可愛いところ」

ここね「そして何よりいつでもわたしのことを守ってくれる、まるで王子様みたいにかっこいいところ」

ここね「ここねはみやびちゃんの全部が好き、大好きだよ」

みやび「……」

ここね「だからね…… ここね達もっと近くに……一つになれるよね?」

みやび「……」

ここね「ここね、もしかしたら甘えてるのかもしれないね、みやびちゃんの優しさに」

ここね「でもね、ここねがみやびちゃんにこうやって甘えたり、ワガママ言ったりするのはね、みやびちゃんのことを本当に信頼してるから、みやびちゃんのことが好きだからなんだよ」

みやび「……」

ここね「みやびちゃんの優しいところ、アイドルなのにちょっと恥ずかしがりやなところ、実はとっても可愛いところ」

ここね「そして何よりいつでもここねのことを守ってくれる、まるで王子様みたいにかっこいいところ」

ここね「ここねはみやびちゃんの全部が好き、大好きだよ」

みやび「……」

ここね「だからね…… ここね達もっと近くに……一つになれるよね?」

みやび「……」

ここね(むぅ…… みやびちゃん、ここまで来て恥ずかしがるのはちょっと酷いんじゃないかなぁ)

ここね「ねぇ、みやびちゃん」

みやび「……」

みやび「すぅ……」

ここね「えっ……?」

ここね(ま、まさか……)

ここね(みやびちゃん寝てるの!?)

ここね「……」

ここね「えぇー!?」

みやび「すぅ……」

ここね(むぅ…… みやびちゃん、ここまで来て恥ずかしがるのはちょっと酷いんじゃないかなぁ)

ここね「ねぇ、みやびちゃん」

みやび「……」

みやび「すぅ……」

ここね「えっ……?」

ここね(ま、まさか……)

ここね(みやびちゃん寝てるの!?)

ここね「……」

ここね「えぇー!?」

みやび「すぅ……」



みやび「ここね、起きろ朝だぞ」

ここね「うぅん……」

みやび「目は覚めたか?」

ここね「うん…… おはようみやびちゃん」

みやび「おはよう 早く準備しないと遅れてしまうぞ」

ここね「そうだね……」

ここね(あれ…… 確か昨日は……)

ここね(そうだ! せっかくみやびちゃんと『アレ』をしようと思ったのにみやびちゃん一人で寝ちゃったんだ!)

みやび「朝ごはんはどうする? 確かここねはパン派だったよな?」

ここね「もうみやびちゃんのバカ!鈍感!」

みやび「ええ……? どうしたんだいきなり」

ここね「ふんっ みやびちゃんなんて知らないから! 先に準備して行くね!」

みやび「あ、あぁ……」


昼 スターライト 食堂

ここね「ねぇ聞いてよあかりちゃん、ひなきちゃん! みやびちゃんが酷いの!」

あかり「はぁ」

ひなき「おお、これはまた夫婦喧嘩ですかな?」

ここね「昨日ね、『アレ』をするためにみやびちゃんと一緒のベッドで寝たの」

ひなき「おお! それは大胆!」

あかり「『アレ』?」

ここね「みやびちゃんって絶対そういうところオクテでしょ? だから思いきってここねから誘ったの」

ひなき「それでそれで?」

ここね「一緒にベッドに入って、みやびちゃんにピトってくっついて、さぁこれからだぞって時にみやびちゃん一人で寝ちゃったの!」

ひなき「なるほど~ そういうことでしたか~」

あかり「あー、確かに友達と『一緒に寝よう』って言ってその友達が先に寝ちゃったらショックだよねー」

ここね「そうなの ここね……みやびちゃんに思いを伝えたのにそれも聞いて無かったんだよ…… もう! みやびちゃんのバカ~」

ひなき「そっか、だから今日みやびちゃんとここねちゃん、何となくぎこちなかったんですな~」

あかり「それで、ここねちゃんはどうしたいの?」

ここね「そんなの決まってるでしょ、絶交よ絶交! もうみやびちゃんとはやっていけないわ、ユニットも解散よ」

あかり「えぇー!」

ひなき「ふふっ」

あかり「ちょ、ちょっとひなきちゃん、笑ってる場合じゃないって、ユニット解散の危機なんだよ」

ひなき「だ、だって……」

ここね「何? ここねの顔に何かついてる?」

ひなき「ここねちゃんの顔に『みやびちゃんと仲直りしたい』って書いてあるんだもん」

ここね「なっ! そ、そんなこと」

あかり「そっか! やっぱりここねちゃん仲直りしたいって思ってるんだね!」

ここね「うぅ…… 確かにこのままじゃダメだって思うけど……」

ここね「でもここねから謝るのはイヤ! だって今回はみやびちゃんが悪いんだもん! ……たぶん」

あかり「え~ ど、どうしようひなきちゃん」

ひなき「う~ん…… これは中々拗らせてますな~……」

ひなき「よし、それなら」

あかり「それなら?」

ここね「それなら?」

ひなき「放課後、このことをスミレちゃんと凛ちゃんに相談してみたらいいと思うよ」

ここね「スミレちゃんに凛ちゃん?」

あかり「なんであの二人なの?」

ひなき「ふっふ~ん なんてたってここだけの話、あの二人は地方の仕事でホテルに泊まる時、毎回一緒のベッドで寝てるらしいぜ~」

ここね「まぁ! あの二人が!?」

あかり「へー、二人はとっても仲良しなんだね」

ひなき「だからきっと今回のことにも力になってくれると思うよ」

ここね「そっかぁ…… うん、じゃあ二人に話聞いてみるね」

ここね「話聞いてくれてありがとう、あかりちゃん、ひなきちゃん」

ひなき「こんなの全然問題無いぜ~」

あかり「早くみやびちゃんと仲直り出来るといいね!」

放課後 レッスン室

凛「ふぅ~」

スミレ「そろそろ休憩にする? 凛ちゃん」

凛「はい、そうしましょうか」

ここね「スミレちゃん、凛ちゃん、居る?」

凛「あっ栗栖先輩、どうしたんですか?」

ここね「二人に相談したいことがあるの、今大丈夫?」

スミレ「うん、今は休憩中だから 何でも聞いて」

凛「わたし達でよければ相談に乗りますよ」

ここね「ありがとう、スミレちゃん、凛ちゃん」

ここね「それで相談っていうのが、みやびちゃんとのことなんだけど」

ここね「昨日ね、みやびちゃんと『アレ』をするために一緒のベッドで寝たんだけどね、何もしないうちにみやびちゃん一人で寝ちゃったの」

ここね「それでここね朝みやびちゃんに怒っちゃって…… やっぱり悪いのはここねなのかな……」

スミレ「そっか、だから今日みやびちゃん落ち込んでたんだ……」

ここね「うん、ここねやっぱりみやびちゃんと仲直りしたい、それでもっとみやびちゃんと仲良く、みやびちゃんの側に居たい!」

凛「え、えっと…… すいません、一つ質問いいですか?」

ここね「なに、凛ちゃん?」

凛「え~と……『アレ』って言うのは…… 『アレ』ですよね……?」

ここね「うん、多分それであってるよ」

凛「なんでそれをわたし達に?」

ここね「え? だって二人はホテルに泊まった時はいっつも『アレ』をやってるんでしょ?」

凛「えっ、うえぇぇぇぇぇ!?」

ここね「違うの?」

スミレ「ううん、合ってるよ」

凛「な、なんで! 誰からそれを!?」

ここね「ひなきちゃんから聞いたんだけど」

凛「ど、どうしましょうスミレ先輩」

スミレ「どうしましょうって…… 別にいいんじゃないかな? 元々隠すようなことでも無いし」

凛「い、いいんですか!? それで!」

スミレ「それより、今はここねちゃんとみやびちゃんのことだよ」

スミレ「ここねちゃんはみやびちゃんと仲直りしたいんだよね?」

ここね「うん…… あとみやびちゃんともっと仲良くなりたい……」

スミレ「そっか……」

凛「あの」

ここね「ん? 何、凛ちゃん?」

凛「えっと…… 栗栖先輩は藤原先輩にちゃんと気持ちを伝えましたか?」

ここね「気持ち……」

凛「初めて…… その……『アレ』をする時ってとっても緊張して、不安になると思いますし、相手の気持ちがわかんなくなると思うんです」

凛「だから、栗栖先輩も藤原先輩にちゃんと気持ち伝えて安心させてあげてください」

ここね「……」

ここね(そっか、ここねみやびちゃんに思いを伝えたつもりだったけど)

ここね(それはただの思い込み……)

スミレ「……」

凛「……」

ここね「……」

ここね「ここね、軽く考え過ぎていたのかも……」

ここね「どうしよう…… ここね一人で勝手に先走って、みやびちゃんのこと傷付けちゃったのかな……」

ここね「こんな自分勝手なここねのこと…… みやびちゃんはまだ好きでいてくれるのかな……」

スミレ「うん、ここねちゃんがそうやって不安になるなら私たちじゃなくてみやびちゃんを頼ってあげて」

ここね「みやびちゃんに……?」

スミレ「誰だって不安になる時はある、そんな時に好きな人が側に居てくれたら、とっても素敵なことだと思わない?」

ここね「スミレちゃん……」

スミレ「きっとみやびちゃんも今、ここねちゃんに嫌われたんじゃないかって不安になっているはずだから、すぐにみやびちゃんの所へ行ってあげて」

ここね「……うん! ありがとう、スミレちゃん、凛ちゃん! 二人に相談して良かった!」

凛「いいえ、そんな」

スミレ「大丈夫よ」

ここね「二人も幸せにねっ」

凛「あっ…… あぁ!」

スミレ「ふふっ、凛ちゃん赤くなっちゃって…… カワイイ」

凛「す、スミレ先輩までからかわないでください!」

スミレ「ごめんごめん、つい凛ちゃんが可愛かったから」

ここね「本当に、ありがとう二人とも!」

ここね みやび自室

ここね「みやびちゃん!」

みやび「ここね…… その、今朝は……」

ここね「ごめん! みやびちゃん!」

みやび「えっ…… 怒って無いのか……?」

ここね「うん、今朝怒っちゃったのはここねが一人で勝手な思い込みをしちゃって、先走っちゃったせいなの」

みやび「本当に、怒って無いのか?」

ここね「うん…… 心配かけちゃってごめんなさい」

みやび「そうか……」

みやび「はぁ…………」

ここね「ど、どうしたのみやびちゃん!」

みやび「いや…… 今朝いきなりここねに怒られたからな」

みやび「私が無神経ことを言ってしまったんじゃないかと一日中不安で不安で……」

みやび「もしここねに嫌われたら…… なんて考えるだけで心が押し潰されるかと思ったさ……」

ここね「みやびちゃん……」

ここね「みやびちゃんは優し過ぎるよ」

みやび「え?」

ここね「あんなことがあった後に自分のことを責めるなんて……」

みやび「……」

ここね(やっぱりこんなワガママなここねのことを受け入れてくれる人はみやびちゃんだけなんだ……)

ここね「ねぇみやびちゃん! 聞いて欲しいことがあるの!」

ここね(ちゃんと伝えよう、ここねの気持ち!)

みやび「な、なんだ……?」

ここね「みやびちゃんのことが好き、大好き! ずっとずっと一緒に居たい!」

みやび「えと、私だってここねのことを好きだしずっと一緒に居たいと思っているが……」

ここね「だからね、将来はみやびちゃんと結婚したいって思ってるの」

みやび「えっ?」

ここね「だからね、みやびちゃん!」

ここね「ここねと『えっち』して!」

みやび「……」

みやび「えぇ!?」

みやび「……………………」

ここね「み、みやびちゃん大丈夫!?」

みやび「はっ」

みやび「だ、駄目だ!駄目だ!そんなこと!」

ここね「えー! 何でー!?」

一旦ここで切ります。今日中に完結させる予定です。

ここね「みやびちゃん! ここねと『えっち』しよ!」

みやび「だ、駄目だ!駄目だ!そんなこと!」

ここね「えー! みやびちゃんはここねのこと好きじゃないの!?」

みやび「す、好きだが……それとこれとは話が別だ!」

ここね「別じゃないよ! だってここね達もうちゅーもしたし」

みやび「あれはここねが強引に……」

ここね「みやびちゃんだってまんざらじゃなかったでしょ?」

みやび「うっ…… そ、そうだが……」

ここね「何? ここねとみやびちゃんの『好き』は違ったの?」

ここね「みやびちゃんはここねのこと『好き』なの!?」

みやび「…………」

ここね「みやびちゃん……?」

ここね「ねぇ……」

みやび「……」

みやび「……待ってくれないか」

ここね「待つ?」

みやび「何もかもがいきなり過ぎて少し動転しているんだ……」

みやび「明日の夜にはちゃんと結論を出す」

みやび「だから1日、1日だけ待ってくれないか?」

ここね「……」

みやび「……」

ここね「いいよ、みやびちゃん真剣なんでしょ?」

みやび「ああ…… これは大事なことだから…… 簡単には結論を出せそうに無いんだ」

ここね「だよね…… うん!」

ここね「みやびちゃんがそういう真面目な性格だってここね知ってるもん!」

ここね「それに、結局最後はここねのことを選んでくれるって信じてるからね!」

みやび「…… ありがとう、ここね」

ここね「じゃあ今日はもう寝よっか?」

みやび「ああ、お休み」

ここね「うん……」

ここね「明日は一緒に…… ううん、おやすみなさい、みやびちゃん!」

ここね『将来はみやびちゃんと結婚をしたいとも思っているの!』

みやび(ここねがそんなことを考えているなんてな……)

みやび(私にとってここねは一体どういう存在なのか……)

みやび(ここねと初めて会った時、私はここねのことを『理想のアイドル』だと、そう思ったな)

みやび(明るい性格と弾ける笑顔、私とはまるで違う女の子だった)

みやび(『住む世界が違う』そう思っていた、だがここねはこんな私にも話し掛けてくれた)

みやび(そして今では一番の親友になって、一緒にアイカツ出来るようになった……)

みやび(『親友』か……)

みやび(……)

みやび(もし私がここねの告白に素直に答えればここねは喜んでくれるだろうか)

みやび(ここねが幸せになるなら……)

みやび(……)

みやび(何を考えているんだ私は……)

みやび(ここねは本気で私に思いを伝えたのに私がそんな適当な気持ちで答えていいわけが無いだろう……)

みやび(……)

みやび(どうすればいいんだ……)


みやび(今日、ここねに嫌われたかと思った時、私はどう思った?)

みやび(嫌われたく無い、それは友達だからか? ユニットのパートナーだからか?)

みやび(私はそんな考えでここねと一緒に居たのか?)

みやび(私は…… 私はここねが好きだから……)

みやび(だからここねに嫌われるのが恐かったのか……?)



みやび(結局眠れなかったな……)

みやび「ここね、朝だぞ」

ここね「うん…… おはよう、みやびちゃん」

みやび「おはよう」

ここね「…… 今日も一緒に行かない方がいいかもね」

みやび「…… ごめん」

ここね「謝らなくても大丈夫! ……大丈夫だから」

ここね「じゃ、じゃあここね先に準備して行ってくるね!」

みやび「ここね……」

みやび(ここね…… いつもの笑顔じゃ無かったな……)

みやび(…… 曇らせたのは私か)

みやび(ここねのあの笑顔を奪ってしまうような私がここねの側に居ていいのだろうか……)

放課後 スターライト 廊下

みやび(駄目だな、授業にもまるで身が入らない)

みやび(それにここねのことも結論が出ていない……)

みやび「はぁ……」

あかり「ねぇ、みやびちゃん」

みやび「ん、あぁ、なんだあかりちゃん?」

あかり「昨日からずっと元気無いよね、大丈夫?」

みやび「えっと…… 大丈夫だ」

みやび(ここねとのこと、あかりちゃんとはいえ口外出来るわけ無いな……)

あかり「ここねちゃんと仲直り出来なかったの?」

みやび「えっ……」

あかり「昨日ね、ここねちゃんから相談受けたの」

あかり「二人が仲直りするために、わたし協力するよ! わたし達友達だもん!」

みやび「あかりちゃん……」

みやび(『友達』か……)

あかり「悩んでることがあるなら何でも言ってね、話すだけで楽になることだってあるから」

みやび(ここねとの事、みんな知っているなら隠すことも無いか)

みやび「あかりちゃん、私の相談に乗ってくれるか?」

あかり「うん! もちろん!」

みやび「昨日、ここねから…… その…… 『えっちしよう』と言われてな……」

あかり「え、ええええ!?」

あかり「え、えっちって…… あの、『アレ』…… だよね……?」

みやび「た、多分そうだ」

あかり「そ、それでみやびちゃんは何て答えたの?」

みやび「も、もちろん断ったに決まってるだろ!」

あかり「ああっ ご、ごめん」

みやび「あっ…… こっちこそいきなり大声出してすまない……」

あかり「えっと、それで?」

みやび「ああ、その後ここねから『みやびちゃんはここねのこと好きなの!?』と聞かれてしまってな」

みやび「……」

あかり「…… 答えられなかったんだね」

みやび「ああ」

みやび「ここねのことは確かに好きだ、だけどそれがここねの『好き』と一緒なのか分からなかったんだ……」

あかり「そっか……」

みやび「……」

みやび「いや、違うな」

あかり「えっ?」

みやび「私はここねが好きだ、そしてあかりちゃん達も好きだ、だけどその二つの『好き』は違っている」

みやび「私にとって、ここねは特別なんだ」

みやび「もしここねとあかりちゃん達の意見が食い違って対立したとして、私はここねの方につくだろう」

あかり「じゃあ……」

みやび「いや駄目だ、やっぱり私はここねの気持ちに答えられそうに無い」

あかり「どうして?」

みやび「もし、私がここねの気持ちに答えたとして、ここねは幸せになれないだろう」

あかり「『幸せ』?」

みやび「ああ、いくらお互いを思いあっていたとして、やはり女の子と女の子の関係というのは許されるものでは無い」

みやび「そんな関係を続けてここねが傷ついてしまうのが恐いんだ」

みやび「私は周りから何と言われても大丈夫だ、でもここねはそうでは無いかもしれない」

あかり「……」

みやび「はぁ…… やっぱり、私では駄目だな……」

あかり「それは違うと思うよ」

みやび「え?」

あかり「ここねちゃんはみやびちゃんのことが好きで、みやびちゃんもここねちゃんのことが好きなんだよね?」

あかり「だったら逃げちゃダメだよ、ちゃんとここねちゃんと向き合ってあげて」

みやび「しかし……」

あかり「大丈夫、好きな人の隣にずっと居れること、それより幸せなことなんてきっと無い」

あかり「それにここねちゃんの将来が心配なら、みやびちゃんがここねちゃんを幸せにしてあげて」

みやび「私が……?」

あかり「そう、みやびちゃんなら、ううんそれはみやびちゃんにしか出来ないことだよ」

みやび「そうか……」

あかり「みやびちゃんはここねちゃんのことをそんなに思っているんだもん、きっと二人ならずっと幸せだよ!」

みやび「……」

みやび「少し、重く考え過ぎていたのかもしれない」

あかり「ん?」

みやび「私はここねのことが『好き』それだけで良かったんだ、きっと」

みやび「ありがとう、あかりちゃん」

あかり「うん! ここねちゃんと幸せにね!」

みやび「ああ!」

あかり「『女の子同士の恋愛』か……」

あかり「考えたことも無かったなぁ……」

あかり「スターライトって女子校だし、そういうのも多いのかな?」

あかり「んー…… 『好き』かぁ……」

あかり「スミレちゃん達は…… うん、『友達』かな」

あかり「後は………… 星宮先輩、は尊敬できる先輩、だよね」

あかり「う~ん……」

夜 みやび、ここね自室

みやび「ただいま」

ここね「お帰り、みやびちゃん…… えっと……」

みやび「答えなら出たよ」

ここね「えっ! ホントホント!? 早く早く教えて!」

みやび「ま、待てそう焦るな、ゆっくり話させてくれ」

ここね「あっ…… ごめん」

みやび「じゃあ、聞いてくれ」

みやび「ここねに『好きなの!?』と聞かれた時、私はわからなかったんだ」

みやび「私とここねの『好き』は同じ物なのか」

みやび「そうして一人で考えていると答えは出た、ここねは『特別』だと」

みやび「そして同時に恐くなった、本当にこのままここねを受け入れていいのか、そうすることでここねを傷つけてしまうのではないか」

みやび「私と居ることでここねが不幸になってしまうかもしれない、と」

ここね「そんなこと!」

みやび「ああ、それは違ったんだ」

みやび「ここねを不幸になんてさせない、私がここねを幸せにしてあげるんだ」

ここね「……」

みやび「ふぅ……」

みやび「ここねのこと、一生大切にする、だから」

みやび「私の側にずっと居てくれないか?」

ここね「みやびちゃん……」

みやび「……」

ここね「いいよ!いいに決まってる!」

ここね「やっぱりみやびちゃんはかっこいいよ! 大好きー!」

みやび「ふふっ、私も大好きだよ ここね」

ここね「それじゃあさ、『えっち』しよ! みやびちゃん!」

みやび「えっ……! だ、駄目だ駄目だ!」

ここね「えー、約束が違うー」

みやび「そ、そんな約束はしていない!」

ここね「えー」

みやび「……」

みやび「そんなにしたいのか……」

ここね「うーん……」

ここね「なんて言うかね、『ソレ』自体がしたいわけじゃないの」

ここね「ただみやびちゃんともっと近くなりたい、一つになりたいって思うの」

みやび「ここね……」

ここね「うん、でもムリヤリ強要しちゃうのはダメだよね」

ここね「……」

みやび「……」

みやび「ここね」

ここね「何?」

みやび「ちゅっ」

ここね「!?」

みやび「……まだ心の準備が出来て無いんだ」

みやび「だけど…… それでも私はここねのことが大好きだから、今はこれで」

ここね「みやびちゃーん!」

みやび「わわっ、何をする」

ここね「だって~ みやびちゃんかっこよくて、可愛すぎるんだもん」

ここね「そんな娘が目の前に居るんだもん、そしたらねぇ?」

みやび「ちょ、ちょっと、さっきは『強要しない』って言ってなかったか!?」

ここね「うーん、ここね実はオオカミさんだったみたい」

みやび「もう、ここね!」

ここね「みやびちゃん」

みやび「…… 何だ?」

ここね「大好きだよ」

みやび「っ……」

みやび「……」

みやび「私も……大好きだよ、ここね」

これで本編は終了です。次からオマケです。

おまけ ダンシングディーヴァ

凛「スミレ先輩……」

スミレ「何、凛ちゃん?」

凛「わたし達の関係、やっぱり隠すべきだったと思うんです……」

スミレ「……何で?」

凛「だって…… 女の子同士の関係なんて普通じゃないし、それを良く思わない人だって居ると思います」

スミレ「……」

凛「わたしはいいんです、他の人から、世間からどう思われたって」

凛「でもスミレ先輩は違います」

凛「『アイドルとして』売れていくためにはネガティブなイメージは厳禁、わたしの存在は邪魔なんです……」

スミレ「……」

凛「いっそわたし達、別れたほうがいいんじゃ……」

スミレ「そっか…… 凛ちゃんそんなこと考えてたのね……」

スミレ「そうだな……」

スミレ「凛ちゃんは私と一緒に居るの、嫌?」

凛「えっ!? い、嫌なわけ無いじゃないですか」

スミレ「私も一緒だよ、私は凛ちゃんと一緒に居るのが凄く好き、凛ちゃんのことが大好き」

凛「スミレ先輩……」

スミレ「アイドルとして、歌手として頑張っていくこと、それは私の夢であり目標」

スミレ「だけど今の私にはそれより大事なものがある」

スミレ「凛ちゃん、貴女のことよ」

凛「わたしが……?」

スミレ「そう、今は貴女が何より大切なの」

スミレ「だから、ごめんっ! 私のことで余計な心配させちゃって」

凛「なっ!? なんでスミレ先輩が謝るんですか、これはわたしが勝手に……」

スミレ「パートナーの悩みは私の悩みだよ、心配してくれてありがとう」

スミレ「それにね、私は凛ちゃんとの関係を恥ずかしいなんて思ったこと、一度も無いよ」

スミレ「前向きで一生懸命、だけど少し照れ屋さん、それでもいざという時はちゃんと勇気を出してくれる私の素敵なパートナー」

スミレ「そんな凛ちゃんと付き合っていることが恥ずかしいなんて思うわけ無いでしょ?」

凛「スミレ先輩……」

スミレ「あー、でも私は弱い人間だから時々は誰かに励ましてもらったり、守ってもらったりして欲しいなぁ、誰かそんな人居ないかなぁ?」

凛「スミレ先輩っ!」

スミレ「きゃっ」

凛「わたしが…… わたしが守ります……スミレ先輩のこと、ずっと」

スミレ「凛ちゃん……」

スミレ「ふふっ、ありがとう」

スミレ(そうだよ、凛ちゃんのそういう言葉が聞きたかったんだよ)

スミレ「これからもずっとよろしくね、凛ちゃん」

凛「はい……スミレ先輩!」

おまけ 情熱ハラペーニョ

ひなき「いやー、なんだかんだ二人が上手くいって良かったぜー」

じゅり「Sí ほんとその通り」

ひなき「……」

じゅり「ん? どうしたひなき」

ひなき「……」

ひなき「ひな達も…… なのかな……」

じゅり「ひなき……」

ひなき「……」

じゅり「……まだ恐いんだろ?」

ひなき「……うん」

ひなき「あのね! 聞いて!」

ひなき「じゅりのことが嫌いなワケ無いんだよ、大好き、世界一大好き!」

ひなき「だけど……」

じゅり「……」

ひなき「もし、じゅりとそういう関係になったら、ひな変わっちゃうのかな……?」

ひなき「それが…… 恐いの……」

ひなき「ゴメンね…… ひなって自分でも驚くほど弱虫で、びびりだったみたい……」

ひなき「こんなひなのこと、嫌いになったならいつでも

じゅり「ひなき」

ひなき「え?」

じゅり「Nada つまり大丈夫、わたしはいつまでだって待つさ」

ひなき「じゅり……」

じゅり「ひなきの気持ちが固まるまで、いつまでも、いつまでだって」

ひなき「待っててくれるの?」

じゅり「ああ、だけど……」

ひなき「だけど?」

じゅり「一度掴んだひなきの心、絶対に離さないからな」

じゅり「ひなきはもうずっと私から目を逸らせない、一生私の虜だ」

ひなき「じゅり……」

ひなき「ぷっ」

じゅり「?」

ひなき「ちょっと強引過ぎ、女の子がみんなそういうの好きだって思わないでよ~」

じゅり「ひなきはこういうの嫌いか?」

ひなき「んー……」

ひなき「……秘密」

じゅり「pena それは残念」

ひなき「……」

ひなき(何だよ、さっきまでずっとシリアスなムードだったのに一気に軽くなっちゃったじゃん)

ひなき(それにいきなり脈絡も無くあんなこと言うなんて…… そんなの、そんなの……)

ひなき(……好きに決まってるじゃん)

おまけ スキップス

あかり「う~ん……」

まどか「せぇんぱーい!」

あかり「わわっ! まどかちゃん、いきなり後ろから飛び付いたら危ないよ~」

まどか「えへへ、先輩の姿見つけたからつい…… くんくん」

あかり「ん? 何やってるのまどかちゃん」

まどか「先輩の髪、て言うか先輩って凄くいいにおいしますよね、なんて言うか…… 落ち着くんですよ」

あかり「え~何それ~」

まどか「ダメですか?」

あかり「ふふっ、まどかちゃんが好きならいいよ」

まどか「やったぁ! すんすん」

あかり「ちょ、ちょっとくすぐったいよ~」

まどか「そうだ、あかり先輩! 今日は一緒のベッドで寝ましょう?」

あかり「え? でも」

まどか「それがさっき氷上先輩から『ダンディバでミーティングをしたいから今日は部屋を変わって』って言われたんですよ」

あかり「そっか、それじゃあ今日はずっと一緒だね!」

まどか「はい! だからお部屋までずっとこうしてあかり先輩にくっついています!」

あかり「え~流石にそれは恥ずかしいかな~」

まどか「えへへ、ですよね~」

まどか「それじゃあ、わたしお泊まりセット取りに行ってきます」

あかり「うん、行ってらっしゃい」

まどか(やった! わたしあの大人気アイドルの大空あかりを独占出来ちゃいました!)

まどか(勝手に決めちゃってごめんなさい、凛、氷上先輩、でも二人は上手く行ってるんだからいいですよね?)

まどか(……わたし達と違って)

まどか(あーあ、あかり先輩ってホント鈍感ですよね~)

まどか(こ~んなにカワイイ恋する乙女がすぐ近くに居るのに全く気付かないんですから)

まどか(多分あかり先輩は『女の子同士の恋愛』っていうのが理解出来ないんだろうな~)

まどか(でもわたしはそれでいいんです)

まどか(意識されないからこそあんなに近付くことが出来るんですから)

まどか(……)

まどか(わたしはこれでいいんです)

まどか(この関係がわたしの一人よがりで存在自体あやふやな薄い関係だとしても、わたしにはこれで十分)

まどか(わたしには先輩を諦める強さも、先輩に告白する勇気も無いから)

まどか(だから今、こうしてショートケーキみたいな甘い時間を楽しむんです)

まどか(ちなみにわたしはショートケーキのイチゴは最後に食べる派なんですよ?)

まどか(一番大事な、少し甘酸っぱいイチゴを食べるのはまだ先)

まどか(今はこのまま、このままずっと)

これで終わりです。感想、要望、指摘等ありましたらご自由にどうぞ。

レスをくれた方、読んでくれた方ありがとうございます。
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