みやび「あかりちゃんへの手紙」 (21)

アイカツのみやびちゃん×あかりちゃんのSSです

121話見る前に書いたので大きく食い違うと思いますがご了承ください

それでは次から始めます

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1424347203

1月を過ぎ春に向かっているがまだまだ寒い日々。

私はもうすぐこのスターライト学園を去る。

もともと長居するつもりも無かった。ここに来たのは先生の勧め、私にとってのアイドルという問いの答えを見つけるためだった。

私の「アイドル道」を見つけた以上ここに長居する必要も無い。

笑顔で溢れるこの庭も、未だに見ているだけで少し恥ずかしいスカートともお別れだ。

あかり「あっ!みやびちゃんおはよー!」

そして、私に「アイドル道」を教えてくれたこの太陽のような笑顔とも、お別れだ。

みやび「おはよう、あかりちゃん」

あかり「何してたの?」

みやび「特に何をしてたというわけでは無いんだが、強いて言うならこの景色を目に収めていたんだ。もうすぐこことはお別れだからな。」

あかり「そっか…折角仲良くなれたのに……」

そう言ってあかりちゃんは少し俯いてしまった。

みやび「そんな顔しないでくれ。今生の別れというわけでもないし、向こうに行っても今の私ならメールを打つことも出来るさ」

私は誇らしげにアイカツフォンをあかりちゃんに見せた。その様は少々滑稽であっただろうが、あかりちゃんは喜んでくれたようで

あかり「そうだね!じゃあこれからもたくさんメールするから!京都に戻ってもわたしたちずっと友達だよ!」

みやび「あぁ」

『友達』そう、私たちはあくまでも『友達』なんだ。だからこの感情は胸の奥に
大切にしまっておかなければいけない物なんだ。

あかり「そうだ!今日みんなでお昼食べようって話してるんだけどみやびちゃんもどう?」

みやび「うん 一緒に食べよう」

あかり「やったぁ!やっぱりご飯はみんなで食べた方がおいしいもんね」

『みんな』 当たり前だ。私はあかりちゃんの特別なんかじゃない、ただの『友達』なんだから。

みやび「楽しみにしてるよ」



こんな気持ちを持ってしまったのは何時からだろう?もしかしたら初めて会った時からかもしれない。

昔は「会う」という言葉に「結婚する」という意味があったと聞いて驚いたが、案外それは現代でも通ずるのかもしれないな。初めて会った瞬間からこうなることは決まっていたんだ。

あかりちゃんを太陽だとするなら私はなんだろうか?花、というのは少々自意識過剰だろうか。それでも私はあかりちゃんという太陽があったからこそ芽吹き、花開くことが出来たのだから、的外れということも無いだろう。

太陽、と言えば大空お天気か。今ではあれを見なくては朝が始まらない なんて自分でも笑ってしまうが。晴れの時の心の底まで照らすような表情、雨の時の全てを慈しむような表情、どちらも私に確かな力をくれる。この番組でそんな気持ちになる者は決して少なくないはずだ。
一つ気懸かりなことと言えば…果たしてあれは京都でも見られるものなのだろうか?私のアイドル道にも関わる重大なことなのだが。

それでもこの気持ちは許されない、封印しなければならないモノ。

女の子同士の恋愛、私はともかくあかりちゃんはそんな気持ちを持つわけ無いだろうし、あかりちゃんが女の子を好きだとしてこの美少女が揃った学園でまだ出会って日の浅い私を好きになる道理も無いだろう。
なにより、あかりちゃんを必要としている人はたくさん居る。あかりちゃんの友達、スミレちゃん、ひなきちゃん、じゅりちゃん、そしてあかりちゃんを応援するファンの人たち。そんな人たちからあかりちゃんの笑顔を奪うことが出来ようか?いや出来ないだろう。


だから私のこの気持ちはここに置いていかなければならない。こんな気持ちを持ち続けても、辛いだけだから。

お昼の時間


あかり「みんな遅れてごめん!」

ひなき「おっそーい!、って言いたいところだけど」

スミレ「あかりちゃん、さっきの授業で出来なかったステップを残って練習してたんでしょう?頑張りやさんだね」

じゅり「Buen Tarabajo! つまりお疲れ様ってことさ」

あかり「Graciuas! なんてね」

さっきまでは少しぎこちなかった皆もあかりちゃんが来た途端本来の笑顔を取り戻したようだ。
やはりあかりちゃんはそこに居るだけで周りの人を明るくさせる太陽のような人、そう言えるのかな。

私がスターライトで過ごす最後の夜。私のお別れ会を開いてくれたみんなには感謝の言葉しかない。ここで生まれた思い出は私のアイドル道、そして人生においても財産となるだろう。

最後の夜に何をするかは既に決めていた。薙刀の稽古、はもちろんだが。 最後にあかりちゃんへの手紙を書こうと思う。私の気持ちを整理するための手紙を。

手紙の内容は全く決めておらず、今思ったことをそのまま書いたのだが筆は止まることは無く、スターライトでの思い出とあかりちゃんへの気持ちが次々と現れ、手紙へと込められていく。
……この手紙を書き終わったら私はあかりちゃんへの思いを完全に断ち切るんだ。


手紙は意外とすぐに書き終わった。そう思って時計を見ると、4時じゃないか!時間がわからないほど熱中してたのか私は……
時計によって冷静になった頭で読み返した手紙はひどいもので、こんな手紙を渡してはあかりちゃんに嫌われる、どころではなくトラウマになってあかりちゃんがアイドルを辞めてしまうかもしれない……

一瞬にして血の凍るような体験をした私は改めて"ちゃんと読める手紙"を書き直した。これで大丈夫、だよな?不安になった私は手紙に穴があくほど読み返し、ていると

みやび「朝、だな」

時計は一直線、6時を表していた。徹夜、睡眠不足は肌の大敵なのにな…何をやっているんだか、私は

反省もそこそこに私は手紙を渡すためあかりちゃんの部屋をノックした。

スミレ「はい、どうぞ」

みやび「失礼します。ん、スミレちゃんだけか、あかりちゃんは?」

スミレ「あかりちゃんなら外を走ってるわ」

みやび「早いな」

スミレ「大空お天気の影響ですっかり朝型人間になっちゃったみたいね。大空お天気が無い日でも早起きしてるもの」

みやび「ルームメイトのスミレちゃんにはいい迷惑かもしれないな」

スミレ「ふふっ そんなことないわ。それよりここには何の用で?」

みやび「おっと、忘れていた。これをあかりちゃんに渡してくれ」

スミレ「これは手紙かしら?」

みやび「ああ。あかりちゃんに宛てたものだ」

スミレ「私には無いのかしら?」

みやび「すまない」

スミレ「ふふっ、でしょうね。あかりちゃんに直接渡さなくていいの?」

みやび「直接渡すのは少し恥ずかしくてな」

スミレ「私、勝手に読んじゃうかもよ?」

みやび「スミレちゃんを信じる」

スミレ「それじゃ私は読めないわね」

みやび「じゃあ、これが本当のお別れだ」

スミレ「もう行くの?」

みやび「いや、まだ準備が終わってなくて、こここを出るのはまだ少しかかる」

スミレ「…最後にあかりちゃんに会わなくていいの?」

みやび「別れが…辛くなってしまうから」

スミレ「ふぅん………じゃあね」

みやび「さようなら、お世話になりました」

あかり「ただいま!」

スミレ「おかえり、あかりちゃん」

あかり「やっぱり朝に走ると違うね!今日も一日元気に過ごせそう!
それじゃシャワー浴びてくるね」

スミレ「待って!みやびちゃんから手紙が来てるの」

あかり「みやびちゃんから?でもそれならシャワーを浴びた後ゆっくりと」

スミレ「ダメ、読むまではシャワー浴びるの禁止です。」

あかり「? 変なスミレちゃん」

スミレ「どう、読み終わった?」

あかり「………うん」

スミレ「どう思った?」

あかり「みやびちゃんに会いたい……今すぐに!」

スミレ「それじゃあ今すぐに校門に行った方がいいと思うよ。多分今ならまだ間に合うから」

あかり「うん……ありがとう!スミレちゃん!」

そう言ってあかりちゃんは飛び出して行きました。

スミレ「あーあ、ちょっといい人過ぎるかなぁ?私」

スミレ「ほんと、あかりちゃんにあんな顔させるなんてどんなこと書いてあるんだろ?読んじゃえ!応援してあげたんだからいいよね」

大空あかり様へ
あかりちゃん、突然の手紙ですまない。だがどうしても伝えたい思いがあったからこうして手紙を書くことにした。
あかりちゃんと会ったのは最近だが私はあなたのことを生涯忘れないだろう。あかりちゃんと出会ったのはスミレちゃんやひなきちゃん、じゅりちゃんの方が先だが、思いの強さではその3人にも負けてないつもりだ。あかりちゃんの笑顔を見るたび私は同じように笑顔になり、あかりちゃんの辛い顔を見るたび私も同じように辛い気持ちになる。こんなものはただの気持ちの押し付けだが、私はいつまでもあかりちゃんに笑っていて欲しい。あかりちゃんの笑顔を必要としている人は沢山居るだろう、私だってそうだ。
このスターライト学園に居る間あかりちゃんと共に過ごせて本当に幸せだった。しかし私が京都に帰ればもう私たちの関係は変わってしまうだろう。とても悲しいことだが「私のアイドル道を極める」とあかりちゃんに約束したからな、自分でその言葉を曲げるわけにはいかない。だから私は京都でアイドル道を極める。
最後にこれだけ伝えたい あかりちゃんのアイカツ、応援しているぞ。

スミレ「ふーん、この手紙あかりちゃんへの気持ちを隠したつもりなのかしら?最後の一行修正テープで直されてるけどなんて書こうとしたかバレバレよね」

スミレ「はがしてみると、やっぱり」

最後にこれだけ伝えたい あかりちゃん大好きだ。ファンとしてではない、一人の人間として愛している。



ありがたいことに駅までのバスを出してもらえることになっているので私はそのバスを待っていた。
お見送りは居ない。されないように私は早朝に出ることを希望したからだ。だって最後にあかりちゃんにあったら泣いてしまうだろうから。

そう、今の私のように……

みやび「あかりちゃん……どうして…?」

あかり「ハァハァ、ごめんね お見送りはいいって言われたけど、ハァ、来ちゃった
最後に……お話させて」

みやび「あ、あぁ」

動揺する私、そして間の悪いことにさっきまで待ち遠しかったバスが私の後ろに停まった。

あかり「もう……来ちゃったの…?」

みやび「あぁ………ちょっと待ってくれ」

私はバスの運転手に頼み込んで5分だけ待ってもらうことにした。

みやび「5分だけ、5分だけ話そう。それで最後だ」

あかり「最後じゃない、」

みやび「え?」

あかり「最後じゃない!わたしはこれからもずっとみやびちゃんとお話したい!お昼も食べたい!一緒にアイカツしたい!」

それは初めて見るあかりちゃんの表情だった。涙混じりの必死な顔、自分の気持ちをそのまま相手にぶつようとしている顔。
そんな必死なあかりちゃんに少しに期待を持ってしまったが、そんなわけは無い。一緒に過ごしたいのはあくまで「友達」としてだ。私の期待するような関係ではない。

みやび「そうだな、京都へ戻っても『友達』として仲良く

あかり「『友達』じゃない!」

みやび「え?」

あかりちゃんは少し下を向き、息を整えて一つの言葉を放った。

あかり「大好き!」

あかり「ずっと黙っていようと思った。みやびちゃんに迷惑だと思って、ずっとこの気持ちは封印してきた。でもみやびちゃんもおんなじ気持ちって知って、そしてその気持ちをみやびちゃんは捨てようとしていて
そんなのイヤ!わたしはみやびちゃんのことが大好き!」

みやび「好きって……女の子同士だぞ…?」

あかり「そんなの関係ない。わたしはみやびちゃんが好きなの」

みやび「でも、私は京都へ行ってしまう…あかりちゃんを近くで愛すことなんて出来ないんだぞ……」

あかり「それも関係ない!ねぇなんでみやびちゃんはわたしから逃げるの!?わたしは逃げなかったんだからみやびちゃんも逃げずに、本当の気持ち教えてよ!」

みやび「本当の……気持ち」

そんなの決まっている

みやび「あかりちゃん」

私はあかりちゃんを抱き寄せた。あかりちゃんを近く、誰よりも近く感じるために、そして

みやび「私も大好きだ、あかりちゃん。私と結婚してくれ」


おしまい


疲れました。疲れました。完結です。

自分で言うのも変ですが、大変読みづらい駄文になってしまい申し訳ありません。精進致します。
それでは今からアイカツ見てきます。

読んでくれた方、レスをくれた方 ありがとうございます。

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