星空凛「おやじさんと凛」 (172)


*夕焼けの帰り道


凛「にゃ!?」


*らーめん屋おやじ


凛「こんなところにラーメンの屋台が来ているにゃ!」

おやじ「ん? 嬢ちゃん、客かい?」

凛「美味しそうなラーメンの匂いがするにゃ!」

おやじ「嬢ちゃんは猫かい?」

凛「え? 凛は人間だよ?」

おやじ「そうかい、そりゃ良かった。で、嬢ちゃんは客なのかい?」

凛「おすすめ一つ!」

おやじ「あいよ。塩ラーメン一丁!」

凛「わくわく」

おやじ「減塩だけどな」

凛「?」


【おやじさんは高血圧の人にも配慮しているにゃ!】


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おやじ「はいよ、塩ラーメンだ」

凛「美味しそう! でも、野菜がいっぱいにゃ」

おやじ「野菜は嫌いかい?」

凛「ううん、普通に食べるよ?」

おやじ「そりゃ、良いことで。人間野菜を食べんといかんからな」

凛「ずずっー。おいっしいにゃー!」

おやじ「そりゃ、どうも」

凛「言葉に上手くできないけど、とにかく美味しいにゃ!」

おやじ「……まぁ、嬢ちゃんの顔を見れば一目瞭然なんだがな」

凛「?」

おやじ「いや、なんでもない。のびちまう前に食っちまいな」

凛「にゃ」


【野菜が多くて健康志向にゃ!」


凛「満足にゃ!」

おやじ「そりゃ、良かった」

凛「はっ!? 値段を聞いていなかったにゃ!」

おやじ「開店一人目の客が嬢ちゃんだ。100円」

凛「にゃ?」

おやじ「代金は100円で良い」

凛「えー!? そんなに安くて大丈夫なの!?」

おやじ「一人目だからな。記念だ記念」

凛「そう?」ハイ100エン

おやじ「まいど」

凛「おやじさんは、いつもここに居るの?」

おやじ「たまにゃ休む。休まなかったら居る」

凛「凛、きっと常連になるよ?」

おやじ「次は100円じゃないけどな」

凛「分かってるよ」プクー

おやじ「ははっ。猫の嬢ちゃんがフグになっちまいやがった」


【凛が初めてのお客さんだにゃ!】


おやじ「暗くなる前に帰っちまいな」

凛「うん。暗いのは怖いにゃ!」

おやじ「変な奴に遭ったら、大声で叫ぶんだぞ」

凛「分かったにゃ!」

おやじ「なぁ、猫の嬢ちゃん。その語尾、自分でもそろそろ辛いと思ってるだろ?」

凛「バレたにゃ!」

おやじ「キャラ作りってやつかい?」

凛「ううん。昔からの癖」

おやじ「まぁ、個性は大事だな」

凛「大事にゃ」

おやじ「それじゃあ、まぁ、帰んな」

凛「ごちそうさまでした」

おやじ「おそまつさん」


【意外と優しい気がするおやじさんにゃ!】


*夕暮れの帰り道


凛「おやじさん、また来たにゃ!」

おやじ「おう。注文は?」

凛「今日はしょうゆな気分なの」

おやじ「あいよ」ハイショウユラーメン

凛「早いよ!?」

おやじ「ちょうど作ってたのが醤油だったんだよ」

凛「自分用?」

おやじ「いや、匂いで客が釣れるんじゃねぇかとな」

凛「かしこいにゃ!」

おやじ「のびる前に食っちまいな」

凛「にゃ」ズルズル

凛「美味しいにゃ!」

おやじ「そりゃどうも」


【しょうゆラーメンも美味しかったにゃ!】


凛「ねぇ、おやじさん?」

おやじ「なんだ?」

凛「おやじさんが学生の頃って、どんな部活に入っていたの?」

おやじ「帰宅部だ」

凛「えー? おやじさん、野球とかやってそうなのに」

おやじ「あいにく運動音痴なんだよ」

凛「意外!?」

おやじ「で、部活がどうしたって?」

凛「うん。凛ね、中学校の時、陸上部に入っていたんだ」

おやじ「ん? 嬢ちゃん、高校生か?」

凛「え? 何だと思ってたの?」

おやじ「小学生」

凛「そんなに幼くないよー!」

おやじ「ウェットな冗談だ」

凛「ウェットって何?」

おやじ「まぁ、分からんならそれで良い」

凛「えー?」


【ウェットって調べたら湿っているって意味らしいにゃ?】


おやじ「それで、陸上部を続けようか迷ってるってか?」

凛「うーん、迷っているのとはちょっと違って」

おやじ「まぁ、猫の嬢ちゃんは迷うようなタイプじゃないわな」

凛「ええとね、友達のかよちんが迷っているの」

おやじ「その子も陸上部なのかい?」

凛「ううん。アイドル同好会って言うのがあって、かよちんアイドル大好きだから」

おやじ「ほう、アイドルねぇ」

凛「おやじさんはアイドル知ってる?」

おやじ「ABCとかなんとか最近のはさっぱりだな」

凛「ABCは流石にないけど、凛もあんまり詳しくないよ」

おやじ「一番最近で知っているのは、宮沢りえとか西田ひかるとかだな」

凛「え? その人たちってアイドルだっけ?」

おやじ「そんな時代もあったということだろ?」


【おやじさんのアイドル知識は凛より下にゃ!】

この雰囲気イイネ


おやじ「まぁ、なんだ。人間、好きなことをやるのが一番良いんじゃねぇか?」

凛「だよね!?」

おやじ「ただ、無理強いはすんな。その子は嬢ちゃんではないんだからな」

凛「分かったにゃ!」

おやじ「結局、嬢ちゃん自体は陸上部に入るのかい?」

凛「うん!」

おやじ「……青春だな」

凛「青春なの?」

おやじ「ああ。過ごしている時は分からんけど、通り過ぎて気付くのが青春なんじゃねぇか?」

凛「おやじさん、台詞がくさいにゃ」

おやじ「お? 嬢ちゃん、その台詞覚えておけよ?」

凛「?」

おやじ「振り返った時、お前さんも同じことを思って悶絶するぞ」

凛「しないにゃ」


【しました。とても未来の凛より、にゃ!】


*夕焼けの帰り道


凛「ただいまにゃ!」

おやじ「いつからここはお前さんの家になったんだ?」

凛「ラーメン一つ!」

おやじ「あいよ。オススメで良いのか?」

凛「うん」

おやじ「減塩、野菜増しだな」

凛「健康的にゃ」

おやじ「ラーメン、毎日食べているお前さんが言える台詞かは疑問だな」

凛「え? 健康に悪いの?」

おやじ「……これでも一日の野菜半分はとれるように作っているんだがな」


【おやじさんのラーメンはやっぱり健康的だったにゃ!】


凛「ねぇ、おやじさん」

おやじ「なんだ?」

凛「アイドルって凄いんだね」

おやじ「昨日も同じ話をしてなかったか?」

凛「ううん。今日はスクールアイドルの話」

おやじ「スクールアイドル?」

凛「うん。学校の中で生徒がアイドルをやるの」

おやじ「アイドル部って感じか?」

凛「うーん、ちょっと違うかな?」

おやじ「ほー」

凛「なんて言うか、とっても真剣で、見ているととってもドキドキしたんだ!」

おやじ「そりゃ、アイドル部なんて言い方は失礼だな。よく分からんが、本物のアイドルを嬢ちゃんは見たんじゃないのか?」

凛「本物の、アイドル……」

おやじ「人を感動させるなんて芸当は本物にしかできねぇよ」


【あの時、かよちんと一緒に見た光景は確かに本物だったにゃ!】


*いつもの帰り道
*らーめん屋おやじ

凛「……ただいま」

おやじ「おう。元気がねぇな?」

凛「うん。……不安なんだ」

おやじ「嬢ちゃんが不安なんて珍しい」

凛「凛ね、スクールアイドルをやることに、なったんだ……」

おやじ「ほお」

凛「え? 驚かないの?」

おやじ「嬢ちゃんが前に見たアイドルって言う光景が、かつての陸上もその他もろもろも吹き飛ばしてしまうぐらいに凄かったんだろ?」

凛「そう、なのかな?」

おやじ「分からん。結局は嬢ちゃんの心だ。オレには分からんよ」

凛「えー、なにそれ?」

おやじ「嬢ちゃんの心が分かるんだったら、今頃占い師で大儲けしているさ」

凛「えー」


【おやじさんは凛の心を見透かしているように感じていたにゃ!】


おやじ「もし、オレの言葉が嬢ちゃんに何かを与えているんだったら、まぁ、人生経験の違いだ」

凛「年寄りの言うことは聞けって話?」

おやじ「嬢ちゃん、たまに口が悪いな」

凛「ご年配の方のお言葉をよく聞きます」キャルルン

おやじ「気持ちわりぃ」

凛「酷い!」

おやじ「で、結局、何が不安なんだ?」

凛「凛にアイドルなんてできるのかな?」

おやじ「できるできないは嬢ちゃんの努力次第。まぁ、勝手にアイドルのイメージを嬢ちゃんに重ねる分だけだったら、合格じゃねえの?」

凛「アイドルのイメージ?」

おやじ「専門外だから、上手くは言えんが、可愛くて綺麗でキラキラしているそんな奴がアイドルなんだろ?」

凛「え!? それ、凛のこと……?」

おやじ「まぁ、嬢ちゃんは可愛いんじゃねえの? 年寄りの言うことだから真に受けんでも良いがな」

凛「可愛い!?」ボッ

おやじ「そういうところが女の子らしいとは思うがな」


【おやじさん! もしかして凛を口説いているの? にゃ!】


凛「えー、でも凛は髪も短くて、男の子みたいだよ?」

おやじ「大方、ガキの頃に同い年の男のガキに男女とか、スカートが似合わないとか言われた口だろ、嬢ちゃん?」

凛「凄い! なんで分かるの!?」

おやじ「嬢ちゃんみたいな容姿をしていて、可愛いとかそういうことに免疫がない。そんな奴は大体子供の頃、そういう経験をしているもんだ」

凛「もしかして、エスパー?」

おやじ「男のガキは本当に子供だからな。そういう奴に限って、思春期頃になると真っ先に彼女とか作るんだよ」

凛「やっぱり、エスパー!?」

おやじ「伊藤でも流行っているのか?」

凛「?」

おやじ「分からんなら良いさ。まぁ、何事も初めてやることは不安なもんだ。そういうのは経験と時間が解決してくれる」

凛「そう、かな?」

おやじ「アイドルやるって決めたんだろ? それじゃあ、まずはやってみれば良い。それで駄目だったらその時に考えな」

凛「やって、みる。……駄目だったら、その時に考える!」

凛「うん、やれば何とかなりそうな気がしてきたにゃ!」

おやじ「おう、そりゃ良かった。チャーシュー1枚おまけしてやるよ」

凛「やったにゃ!!」

おやじ「……良い笑顔じゃねぇか」

凛「?」

おやじ「何でもねぇ。早く食って、暗くなる前に帰りな!」

凛「にゃ!」


【おやじさんとの思い出はいつもμ'sの思い出と重なる、にゃ!】

                       続

>>8
どうもです

こんな感じで気が向いた時に書けるような話にしています

凛ちゃんとおやじさんの話はまだまだ序盤

他のメンバーも登場予定


ちなみにおやじさんはツルツル頭で手ぬぐいを巻いている
いかにもな屋台のおっちゃんのイメージです


*よろよろで帰り道
*らーめん屋おやじ


凛「つかれた~」ヘトヘト

おやじ「おう、随分とよれよれになったな」

凛「アイドルって、体力居るんだね……」

おやじ「白鳥も見えないところでは必死に足動かしてんだ。アイドルもそんなもんじゃねえのか?」

凛「白鳥なら、良いかな……」

おやじ「元気の出るやついくか?」

凛「え? そんなメニューあるの?」

おやじ「おくら、とろろ、納豆、何となくネバネバするやつをまとめたラーメンだ」

凛「な、何となく……?」チョットコワイヨ

おやじ「まぁ、それなりに美味い」

凛「それじゃ、それお願いしますにゃ」

おやじ「はいよ! ねばとろラーメン一丁!」

凛(名前は普通なんだ)


【あ、意外に美味しいにゃ!】


凛「なんだか、元気が出てきた気がするにゃ!」

おやじ「プラシーボ効果だな」

凛「ぷらしーぼ?」

おやじ「薬の錠剤あるだろ?」

凛「あるね」

おやじ「あれの八割くらいは実は効能に関係ねぇんだとよ」

凛「? 何を言っているにゃ?」

おやじ「まぁ、八割は言い過ぎかもしれんが、薬の見た目で効果が変わるんだよ」

凛「??」

おやじ「偽薬効果って言うんだけどな、って嬢ちゃん、こういう話は苦手っぽいな」

凛「うん。いきなりおやじさんが賢くなったような気がして困ったにゃ!」

おやじ「オレは文学少年だったんだがな」

凛「はははっ、おやじさん冗談上手い!」

おやじ「まぁ、良いさ。簡単に言えば、ウナギを食べれば元気になるような気がする。コーヒーを飲めば眠くなくなる。あ、こいつはカフェインだったな」

おやじ「そんな、なんとなくそんな気がするっていうのがプラシーボだな」

凛「凛、騙されているの!?」

おやじ「……ああ、オレの説明が悪かったな」


【おやじさん、たまに難しい話をするにゃ!】


おやじ「それでどうだ、アイドルって言うのは?」

凛「まだ初日だから全然実感ないよ。それよりも、練習が陸上の時よりもハードでビックリにゃ!」

おやじ「ほぅ。スパルタの顧問なんて今時珍しいな」

凛「? 顧問は居ないよ? 園田先輩が練習を仕切っているの」

おやじ「ああ、園田の嬢ちゃんか。そりゃあ納得だ」

凛「え? 園田先輩を知っているの?」

おやじ「この辺だと有名だな。園田家の文武両道の大和撫子だったかな」

凛「凄いにゃ!」

おやじ「他人に厳しく、自分に厳しいって言う子は今時珍しいしな」

凛「会ったことあるの?」

おやじ「ん? 穂むらの嬢ちゃんに叱咤激励する姿はこの町の名物だろ?」


【高坂先輩、大変です。そんな噂が流れていますにゃ!】


おやじ「アイドルも身体が資本か。まぁ、何でもそうだな」

凛「おやじさんも身体が指紋だにゃ」

おやじ「指紋じゃなく資本だ。あと、オレは病弱だ」

凛「えぇっ!!?」オモワズトビアガッタヨ

おやじ「……今までにない驚き方をしたな」

凛「おやじさん、筋肉ムキムキなのに!?」

おやじ「見た目と中身は結構違うもんだ」

凛「いや、いやいや、凛の中の常識が音を立てて崩れるにゃ!」

おやじ「そんなにかよ……」

凛「だって、あのおやじさんだよ?」

おやじ「あの、って言われてもオレはオレだ」

凛「ビックリし過ぎて、疲れが吹っ飛んでいったにゃ!」

おやじ「そりゃ、良かった」


【人は見かけによらな過ぎるにゃ!】


*二人での帰り道
*らーめん屋おやじ


凛「ただいまにゃ!」

おやじ「だから、ここはお前さんのうちじゃねぇだろ? おっ!?」

花陽「こ、こんばんは……」

凛「かよちんにゃ!」

花陽「こ、小泉花陽です……」

凛「おやじさんにゃ!」

おやじ「まぁ、ラーメン屋のおやじだな」

花陽「……」モジモジ

凛「おやじさん! いつもの!」

おやじ「あいよ! それと、眼鏡の嬢ちゃん。この猫の嬢ちゃんみたいに気楽に居てくれや」

花陽「は、はい……」イソイソ

凛「かよちんも同じのね!」

おやじ「……はぁ。良いデコボココンビだこと」


【練習が終わって、かよちんと一緒にラーメンを食べにきたにゃ!】


花陽「お、美味しい……!」

凛「でしょ!?」

おやじ「何でお前さんが得意げなんだよ」

凛「?」

おやじ「まぁ、良いさ。眼鏡の嬢ちゃん、その眼鏡、湯気でよく曇らないもんだな」

花陽「は、はい。曇り止めの液を塗っています」

おやじ「ほぅ」

凛「おやじさん、かよちんはね、眼鏡を卒業したんだ!」

おやじ「いや、かけているじゃねぇか、今」

凛「眼鏡をかけていないかよちんも素敵だにゃ!」

おやじ「相変わらず会話のかみ合わない嬢ちゃんだ。まぁ、察するにコンタクトに変えたが、今日は眼鏡もかけてきていたってところか?」

花陽「は、はい」

おやじ「ハードな練習ならそれも良いかもな」

凛「ノンノン。かよちんはアイドルとしてイメチェンをしたのにゃ!」

おやじ「だがまぁ、コンタクトは目に負担をかけやすいから、今みたいに使いわけるのも良いだろう」

花陽(凄い。凛ちゃんのノリに流されないで冷静に話している!)


【おやじさん、凛の話ちゃんと聞いてるにゃ?】


花陽「ご、ごちそうさまでした」

凛「ごちそうさまにゃ!」

おやじ「おそまつさん」

花陽「ええと、おいくらですか?」

おやじ「100円」

花陽「え?」

おやじ「100円で良い」

凛「凛も100円?」

おやじ「お前さんは普通に払え」

凛「しょぼん」

花陽「本当に100円で良いんですか?」

おやじ「ああ。ひいきの嬢ちゃんが連れてきたんだから最初くらいはサービスしてやるさ」

花陽「あ、ありがとうございます」100エンデス


【いつも来ている凛も100円で良いんじゃないかにゃ?】


おやじ「はいよ。二人とも暗くなる前に帰りな」

凛「暗いのは怖いにゃ」

おやじ「何かあったら大声で叫ぶんだぞ?」

凛「はいにゃ!」

花陽「ふふっ」

凛「かよちん?」

花陽「あ、ごめんね。なんだか凛ちゃんとおやじさん、息ぴったりだったから」ニコッ

おやじ「おっ、やっと笑ったな」

花陽「え?」

おやじ「あんたは笑っている顔の方が似合っている。きっと親御さんも、そう願って花陽って名付けたんだろうな」

凛「おやじさん、また女子高生を口説いているにゃ!」

おやじ「オレはお前を口説いた覚えはないし、眼鏡の嬢ちゃんにも思ったことをそのまま伝えただけなんだがな」

花陽「ありがとうございます。……普段は全然考えたことはなかったですけど、おやじさんの言葉を聞いて、きっとそうなんだなって思いました」

おやじ「お前さん、良い子だな。だから、猫の嬢ちゃんとも上手くやれているのかもな」

凛「?」

おやじ「まぁ、気を付けて帰りな!」

花陽「はい!」


【なんだか凛だけ蚊帳の外だにゃ!】


              続



花陽ちゃん初登場

凛ちゃんはそろそろラーメン資金がヤバイのでは?

そして、何故かどんどん明かされるおやじさんのプロフィール


*休日のぶらり旅
*らーめん屋おやじ


凛「ねぇ、おやじさん」

おやじ「なんだ?」

凛「このお店って儲かっているの?」

おやじ「お前さん、随分なことをサラッと言いやがるな」

凛「だって、ラーメン一杯300円なのに、野菜がいっぱいだよ?」

おやじ「まぁ、趣味のようなもんだ。利益は特に求めちゃいねえよ」

凛「え? お仕事でしょ?」

おやじ「オレはもう定年だ」

凛「年金生活?」

おやじ「いや、年金まではあと5年かかるな」

凛「えー、やっぱり大丈夫じゃないよ」

おやじ「……明日から500円にすれば良いのか」

凛「それは駄目にゃ!」

おやじ「だったら良いじゃねぇかよ」

凛「えー、凛は心配してあげているんだよ」

おやじ「嬢ちゃんに心配されるなんて、オレも焼きが回ったもんだな」

凛「ぶー」


【おやじさん、本当に大丈夫かにゃ?】


*三人の帰り道
*らーめん屋おやじ


凛「ただいまー」

おやじ「完全に家と誤解してやがるな、この嬢ちゃんは。おっ!?」

花陽「こんばんは」

真姫「こ、こんばんは……」

おやじ「おぉ、眼鏡の嬢ちゃんと西木野の嬢ちゃんじゃないか」

凛「かよちんは眼鏡かけてないけどね。真姫ちゃんは知り合い?」

真姫「あ、あの、どこかでお会いしましたか?」

おやじ「んー。西木野の先生はかかりつけの医者でな、いつも世話になってる」

真姫「あ、パパ──父がお世話になっております」

おやじ「いや、世話になってるのはオレの方だ。サービスするから好きなの頼みな」

凛「それじゃ、今日はとんこつな気分なの」

おやじ「お前さんじゃねぇよ。眼鏡の嬢ちゃんと西木野の嬢ちゃんはどうする?」

花陽「あの、おやじさん。ご飯系ってありますか?」

おやじ「チャーハンかチャーシュー丼だな」

花陽「チャーハンでお願いします!」

おやじ「はいよ! 西木野の嬢ちゃんは?」

真姫「あ、あの……」ドレニシヨウ

凛「真姫ちゃんはこういうお店が初めてだから、おやじさんのオススメで良いじゃないかにゃ?」

真姫「あ、それではオススメでお願いします」

おやじ「はいよ! 減塩、野菜増しだな」


【真姫ちゃんの買い食い初体験の始まりにゃ!】


真姫「あ、美味しい」

おやじ「そりゃ、良かった」

花陽「この焦げ具合、このパサッと感! おやじさん、米はあきたこまちですね?」

おやじ「正解だ。嬢ちゃん、グルメレポーターか何かか?」

花陽「いえ、お米を愛しているだけです!」

凛「かよちんはご飯のことになると人が変わるにゃ!」

おやじ「まぁ、米好きに悪い奴はいねぇな」

花陽「はい! そう思います! そして、とても美味しいです!」

おやじ「あんがとよ。西木野の嬢ちゃん、トマトは好きかい」

真姫「あ、はい、好きですが……?」

おやじ「はいよ、冷やしトマトだ。何かける?」

真姫「あ、そのままで大丈夫です」

おやじ「ほぅ、通だね」

凛「えー、凛とかよちんにも何かちょうだい」

おやじ「しょうがねぇな。猫の嬢ちゃんにはキュウリの浅漬け、眼鏡の嬢ちゃんには白米(小)をつけてやるよ」

凛「やったにゃ!」

花陽「ありがとうございます!」

おやじ「……本当にお前さん、米が好きなんだな」

真姫「あ、美味しい」ヒンヤリ


【おやじさんは太っ腹にゃ!】


おやじ「それでどうだ? アイドル活動の方は?」

凛「部長が仲間に加わったよ」

おやじ「新入部員なのに部長なのかい?」

花陽「あ、アイドル研究会の部長さんなんです」

おやじ「ほぅ。そりゃ順当だな」

真姫「変装とかして、私たちをストーカーとかしていました」

おやじ「そりゃ、興味があったんだろうな。何せ本物のアイドルが近くに居るんだしな」

凛「凛のことだね」

花陽「二年生の先輩たちのことですか?」

おやじ「ああ、嬢ちゃんたちが胸を熱くさせたアイドルがその人たちなら、そうだな」

花陽「……はい! 初めて見た時、すっごく憧れました」

真姫「まぁ、作曲は私がしたんだけどね」カミノケクルクル

おやじ「ほぅ。西木野の嬢ちゃんは音楽に明るいのかい?」

真姫「は、はい。ピアノを小さい頃から習っていました」

おやじ「そりゃ、文化人だな。医者も目指してんだろ?」

真姫「はい……」


【あれ? 真姫ちゃんが暗くなったにゃ?】


おやじ「前に西木野の先生が、娘が医者を目指しているって嬉しそうに語ってくれてな」

真姫「そうだったんですか……」ウツムキ

おやじ「二兎負うものは一兎も得ず」

真姫「……っ!?」ビクッ

おやじ「──なんて考えてるんだろ、嬢ちゃん?」

真姫「……」

おやじ「なんて言うかな、猫の嬢ちゃんと眼鏡の嬢ちゃんは覚悟が決まった表情をしてんだ」

凛「……」

花陽「……」

おやじ「それで、西木野の嬢ちゃんには迷いが見える。西木野の先生は嬢ちゃんがアイドルをしているって知らないんだろ?」

真姫「……はい」

おやじ「まぁ、言えねえわな。あんだけ、親が期待してんだからな」

おやじ「だがな、嬢ちゃん。これはオレの経験談だが、好きなことを諦めるのは後悔するんだ。どうしようもなくな」

真姫「でも……私は……」

おやじ「わりぃ、なんか辛気臭くしちまったな。お詫びにオレの昔話をしてやるか」


【え? なんかとっても空気が重いにゃ!?】

凛パパ「寄り道した罰だ!」パンパン

凛「にゃ~♡」


おやじ「オレがお前さんたちよりも少し年上だった頃の話だ」

おやじ「オレはいわゆる苦学生って奴で、食事も満足にできていない時代があった」

おやじ「まぁ、それでも若かったからな、二三食抜いたくらいじゃどうってこともなかったんだが、それが一週間くらいになると流石にどうしようもなくなった」

おやじ「恥ずかしい話、道の真ん中で倒れちまった」

おやじ「ああ、オレはここでお終いかなんて本気で考えちまった」

おやじ「でもな、救いの神って言うのはいるんだ」

おやじ「もう顔ははっきりとは思い出せんが、ロングヘアの美人な人だった」

おやじ「何でか分からんが世話を焼いてくれてな、すぐ近くの定食屋でラーメンを食わせてくれた」

おやじ「それが、べらぼうに美味くてな。今までの人生で食べたものの中でダントツに美味かった。涙が出るくらい美味かった……」

おやじ「オレはその美人さんに礼を言った。絶対にこの恩は返すからってな」

おやじ「でも、その美人さんは不思議なことを言いやがる」

おやじ「『恩はたくさん受けました。私こそ、少しでも返せましたか?』ってな」

おやじ「オレは意味が分からずボォーとしている間に、美人さんは居なくなっていた」


【おやじさんは優しい目をして凛を見ていたにゃ】


おやじ「そう言えば、猫の嬢ちゃんに少し似ていたかもしれんな」

凛「にゃ!?」


おやじ「まぁ、今となっては曖昧な記憶だ。それでも、その思い出はオレの人生を変えた出来事の一つであったことは間違いねぇ」

おやじ「なんでオレが苦学生だったかと言うと、薬科大に通っていたからだ」

真姫「薬科大、薬剤師なんですか?」

おやじ「おう。定年まではこれでも薬剤師をやっていたんだぜ」

おやじ「まぁ、人生の大半を薬の処方をしたりして過ごしたわけなんだが、どうしても頭の片隅にはあの日食ったラーメンの記憶が浮かんじまう」

おやじ「このまま薬剤師を辞めて、ラーメン屋になろうと思ったことは一度や二度なんてもんじゃねぇ。それでも生活があったから、大それたことはできなかった」

凛「おやじさんが今ラーメンの屋台をやっているのは──」

おやじ「そうだ。夢を叶えたんだ。こんなヨボヨボの年齢になってからな」

花陽「おやじさんはまだ若いです!」

おやじ「ありがとよ。……まぁ、西木野の嬢ちゃんがここに居るってことはいずれバレるからついでに言うがよ」

おやじ「オレは癌で、もって三ヶ月と言われていた」


【!?】


花陽「……うそ……」

真姫「まさか……その頭も……副作用で……」

おやじ「まぁ、そうだな。だが、今は医療も進歩している。だから、こうして呑気にラーメン屋なんてやっていられんだ」

凛「……おやじさん……」ボロボロボロ

おやじ「おいおい、嬢ちゃん。そんなにボロボロ泣くなよ」

おやじ「この話はオレが可哀想だなんて話には決してしたくねぇんだからよ」

おやじ「西木野の嬢ちゃん。オレは余命宣告をされて一年以上生きている。しかも元気だ」

真姫「ほ、ほんとなんですか!?」

おやじ「ああ。だから、西木野の先生には頭が上がんねぇんだ」

おやじ「だから、泣くなよ嬢ちゃん。眼鏡の嬢ちゃんもだ」

花陽「……グスッ……」

おやじ「なぁ、西木野の嬢ちゃん。結局オレが言いたいのは、好きなことは諦めなくても良いんじゃねぇかなって話だ」

おやじ「音楽好きなんだろう?」

真姫「……」コクン

おやじ「でも、医者になりたいもの嘘じゃない」

真姫「……はい」


【……おやじさんの話はまだ続くにゃ】


おやじ「それなら、思い切って二兎追ってみても良いんじゃねぇか? 無理だったら、医者に絞るぐらいの考えで。まぁ、無責任な発言なのは自覚している」

おやじ「それでも、嬢ちゃんがアイドルを始めたって言うんだったら、そう言う覚悟もあったんだろ?」

おやじ「西木野の先生は話の分からない人じゃねぇ。娘が本気でそれをやりたいんだったら、止めはしねぇよ。多分だけどな」

おやじ「はぁ。オレも歳食ったな。説教臭い話になってしょうがねぇ」ポリポリ

真姫「……ありがとうございます」

おやじ「いや、オレこそ年寄りの話を聞いてくれて感謝している」

凛「おやじさん! 死んじゃ嫌だぁ!!」グスグス

おやじ「嬢ちゃん、オレの話聞いていたか?」

凛「うわーん」ボロボロボロ

おやじ「……はぁ。約束してやるよ。少なくとも嬢ちゃんが高校を卒業するまでは死んでなんかやらねぇ」

おやじ「だから、お前さんもアイドル頑張れや。たまにはサービスしてやるからよ」

凛「うわーん」ボロボロボロ

おやじ「……困ったな。泣いた赤子は苦手だ」

花陽「……凛ちゃん、大丈夫。おやじさんは約束してくれたよ?」

凛「かよちーん」ダキッ

花陽「よしよし」

おやじ「ほんと良いデコボココンビだ」


【おやじさん、死なないで!】


真姫「……おやじさん。もし私が本当にアイドルとしてやり遂げたら、またトマト、ごちそうしてくれますか?」

おやじ「ああ、好きなだけ食わしてやる」

真姫「……私の頭の片隅には今日のトマトが住み着いてしまったみたいです」

おやじ「トマト農家になるのかい?」

真姫「ふふっ、それも良いかもしれません」

おやじ「おう。もしなったら、うちに安く卸してくれよな」

真姫「はい」クスッ

凛「おやじさん、絶対に凛が卒業するまで死んじゃ駄目だよ!」

おやじ「はいはい」

花陽「私とも約束してください」

おやじ「あいよ!」

真姫「あ、それでお代は?」

おやじ「全員、ただで良いぜ」

真姫「え、それは……」

凛「やったにゃ!」

花陽「もう、凛ちゃんたら」

おやじ「辛気臭い話を聞かせてしまった詫びだ。受け取ってもらわないと困る」

真姫「……はい」

おやじ「よし! それじゃ、嬢ちゃんたち、暗くなる前に帰りな!」

凛「何かあったら大声で叫ぶにゃ!」

おやじ「おうよ!」


【おやじさんは約束を果たすよ。遥か未来の凛よりにゃ!】


                   続


辛気臭い話はこのパートのみです

おやじさんの容姿に関して触れていたのは、まぁそういう理由です

次からは平常運転に戻ります


*お腹がすくお昼頃
*らーめん屋おやじ


亜里沙「お姉ちゃん! 屋台だよ屋台!」

絵里「お店なの、ここ?」

おやじ「はいよ、いらっしゃい」

亜里沙「ハラシャー! タイショウ、ラーメン一丁!」

おやじ「オススメで良いのかい?」

亜里沙「はい!」

おやじ「お嬢ちゃんはどうする?」

絵里「え、ええと、私もオススメ?でお願いします」

おやじ「はいよ」

凛「ただいまにゃ! おやじさん、いつもの一つ!? せ、生徒会長!?」

絵里「あら? 確か星空さんだったかしら?」


【おやじさんのお店に行ったら、生徒会長が居たにゃ!?】


おやじ「ほぉ、猫の嬢ちゃんの学校の生徒会長かい?」

絵里「あ、はい(猫の嬢ちゃん?)」

おやじ「はいよ、オススメ二つ!」

亜里沙「ハラショー! ラーメンだよ、お姉ちゃんラーメンだよ!」

絵里「はいはい、分かったから」

凛「……」

おやじ「どうした? 借りてきた猫みたいになって」

凛「気にしないでにゃ!」

亜里沙「いただきます! ズズッ! ハラショー!」

絵里「亜里沙、音を立てて食べるのはマナー違反よ」

おやじ「嬢ちゃん、ラーメンは音を立てて食っても良いんだよ」

絵里「え、そうなんですか?」

おやじ「ああ、そばもそうだな。嬢ちゃんたちは外国の人かい?」

絵里「いえ、クォーターです」

おやじ「ほぅ。通りで別嬪さんなことで」

絵里「そ、そんな……」テレテレ


【おやじさん、また女子高生を口説いているにゃ!】


おやじ「嬢ちゃんものびる前に食べちまいな」

絵里「はい。いただきます」チュルン

おやじ「ははっ、育ちが良いみたいだな」

絵里「音を立てるのは何だか難しいですね」

亜里沙「お姉ちゃん、こうだよ。ズズッ!」

おやじ「おっ、良い食べっぷりだ。チャーシュー1枚おまけしてやるよ」

亜里沙「ありがとうございます」

絵里「あ、すみません」

おやじ「嬢ちゃんにもサービスだ」ポイ

絵里「卵ですか?」

おやじ「味付き卵だ。上手いぞ」

絵里「ハラショー!」パクッ

凛「おやじさん、凛にもサービス」

おやじ「ワカメ増しにしてやるよ」

凛「えぇ、微妙」

絵里「……」

凛「……」

亜里沙「美味しいです!」


【生徒会長と一緒は緊張するにゃ!】


亜里沙「ごちそうさまでした」

絵里「ごちそうさまでした。あの、おいくらでしょうか?」

おやじ「一人100円」

絵里「え?」

亜里沙「はいっ」100エンダヨ

絵里「安い、ですよね?」

おやじ「初回はサービスだ。次はまけねぇけどな」

絵里「ありがとうございます」100エン

亜里沙「とてもラーメン美味しかったです!」

おやじ「ありがとよ」

絵里「私もとても美味しかったです。……星空さん、またね」

凛「はい! さようなら!」

おやじ「……やっぱり借りてきた猫じゃねぇか」


【おやじさん、凛にも立場って言うものがあるんだにゃ】


おやじ「何だ嬢ちゃん、あの別嬪さんのことが苦手なのか?」

凛「苦手って言うか、そもそも生徒会長だし……。生徒会長はスクールアイドルに反対なんだぁ」

おやじ「ほぅ。そりゃまたどうして」

凛「よく分かんない」

おやじ「まぁ、何事も理由があるもんだ。別嬪さんも何か思うところがあるんだろうさ」

凛「そうなのかな?」

おやじ「そう言うもんだ」

凛「うーん。あ、おやじさん面白い話して」

おやじ「唐突だな、おい」

凛「若い頃のおやじさんの話が良いにゃ」

おやじ「……仕方がねぇな。あれはそうだな、第一次世界大戦の真っただ中の頃の話だ」

凛「おやじさん、いくらなんでもその嘘には引っかからないにゃ」

おやじ「おっ、ちゃんと歴史は勉強しているみたいだな」

凛「おやじさん!」


【プンプン、凛だって歴史くらい分かるにゃ!】


                続


二年生組の前に早くも絢瀬姉妹が登場

μ's加入直前のため、凛ちゃんはとても居心地が悪いです

この頃のえりちはかしこかったんやけどな(希談)


海未「絵里、真姫聞いてください。ガンプラが完成しました」

絵里「てんぷら?」

真姫「がんも?」

海未「誰も食べ物の話なんかしていません! ガンプラです! ガンプラ!」

絵里「ぎゃぷらん?」

真姫「ひゅっけばいん?」

海未「二人ともわざとですよね?」

絵里「はい」

真姫「はい」

海未「(´・ω・`)ションボリ」

>>53
ごめん。誤爆


*らーめん屋おやじ番外編(趣味枠)


凛「おやじさんの趣味ってなあに?」

おやじ「んー、模型作りだな」

凛「意外!」

おやじ「お前さん、オレに対する偏見があるよな?」

凛「模型って何作るの?」

おやじ「ガンダムだな」

凛「意外!」

おやじ「昔大ブームが起きたことがあっただろ?」

凛「ごめん、凛は知らない」

おやじ「ああ、オレの若い頃の話だからな」

凛「ガンダムって何か戦争しているロボットだよね?」

おやじ「まぁ、間違っていないな」

凛「凛も小さい頃作ったことがあるよ。ガンダマン」

おやじ「渋いな。嬢ちゃんが子供の頃に再販でもかかったのか」


【BB弾飛ばして遊んでいたにゃ!】


凛「おやじさんは今何作っているの?」

おやじ「ガンキャノン」

凛「赤いやつ?」

おやじ「意外に話が通じるな嬢ちゃん」

凛「子供の頃は男の子と一緒になって遊んでいたから、少しは分かるよ」

おやじ「そう言えばそんなこと言っていたなぁ」

凛「でも、なんでガンキャノンなの?」

おやじ「んー、最近新しいのが出たんだよ。出来が良かったから、1個作ってまた買った」

凛「ふーん。凛も作ろうかな、ガンダム」

おやじ「おっ、嬉しいことを言うな嬢ちゃん」

凛「かっこよくて可愛いのが良い」

おやじ「ガンダマンはどうだったんだ?」

凛「BB弾飛ばすのは楽しかったけど、なんかガンダムの偽物ぽかった」

おやじ「まぁ、分かる」


【おやじさん、気のせいか目が生き生きしているにゃ!】


おやじ「それなら、嬢ちゃん。LEGENDBBシリーズでも作ってみるか?」

凛「れじぇんどびーびー?」

おやじ「おう。昔出たBB戦士、ガンダマンとかの現代版のリメイクシリーズだ」

凛「作るの難しくない?」

おやじ「ガンダマン作れたんだろ?」

凛「うん。手でちぎって作ったよ」

おやじ「いや、そりゃ駄目だろ」

凛「爪切りが必要なんだっけ?」

おやじ「ニッパーにしとけよ。嬢ちゃん、武者、ナイト、コマンドどれが好きだ?」

凛「んー。曹操」

おやじ「曹操ってことは武者だな。と言うかお前さん三国伝見てたな?」

凛「うん、ケロロ軍曹の後にやってたよ」


【三国志はよく知らないけど、曹操が主人公なんだよね?】


おやじ「曹操か。もう作ちまったからなぁ」

凛「今は売ってないの?」

おやじ「微妙にプレミア化している。まぁ、買えなくはない値段なんだがな」

凛「へー、そういうものなんだ」

おやじ「まぁ、後で適当な武者系のやつを持ってきてやるよ」

凛「え!? くれるの!?」

おやじ「若い嬢ちゃんが興味を持ってくれているからなぁ。常連へのプレゼントもまぁ、悪くないだろう」

凛「貰える物は貰うにゃ! あ、でもニッパー持ってない」

おやじ「ああ。ガンダマンの時代はそうだったんだが、今のSDガンダムは素手で作れるんだよ」

凛「へー、時代が変わったね」

おやじ「まぁ、可愛いとかならベアッガイとかなんだろうが、あれはニッパー推奨だしな」

凛「よく分からないけど、楽しみにしておくにゃ」

おやじ「おう!」

凛「それがおやじさんの最後の言葉だったにゃ」

おやじ「勝手に殺すな!」


【こんな冗談を言えるくらいには、おやじさんが約束を守ってくれることを信じているにゃ】


*別の日の帰り道
*らーめん屋おやじ


凛「ただいまにゃ!」

おやじ「おう! ほら、こいつだ持っていけ」ポイ

凛「おぉっ! ガンダムだにゃ!」

おやじ「LEGENDBB武者頑駄無。こいつはなかなか良いキットだぞ」

凛「がんだむがんだむ♪」

おやじ「おい、もう開けてんのか」

凛「おぉ! 漫画が載っているにゃ! ふんふん」

おやじ「まぁ、BB戦士にコミックワールドは付き物だからな」

凛「シリアスだったにゃ! 続きはどうなるにゃ!?」

おやじ「結構色々なことが起こるな。まぁ、嬢ちゃんの興味が続くようだったら昔のコミックワールドでも見せてやるよ」

凛「楽しみにゃ!」

おやじ「とりあえず、そいつはしまってラーメンでも食ってろ」

凛「帰ってからのお楽しみにするにゃ!」

おやじ「おう! 説明書通りに作れよ」

凛「凛くらいになると説明書を見なくても作れるにゃ」

おやじ「100年早いわ」


【家に帰ったらすぐに作るにゃ!】


*また別の日の帰り道
*らーめん屋おやじ


凛「おやじさん、むしゃがんだむできたよ!」

おやじ「昨日の今日じゃねぇか!」

凛「見て見て、むしゃがんだむがにっこり笑顔なの」

おやじ「LEGENDBBは目を替えられるのが良いよな」

凛「それでかぶとを脱いで、よろいを脱いで、ゴロンと横にしておくとおやじさんの休日の姿になるにゃ!」

おやじ「オレをそんな自堕落な奴にするな!」

凛「でも、凄いね。ちびっこいのに凄い動くね。ガンダマンなんてBB弾飛ばすしか能がなかったよ?」

おやじ「相変わらず辛辣だな。だが、まぁ良い出来だ」

凛「やったにゃ! 褒められたにゃ! 宿題を忘れて作った甲斐があったにゃ」

おやじ「おい、そりゃ駄目だろ」

凛「ここに飾っておくね」

おやじ「勝手に飾るな。しかも自堕落な姿で」ゴロン


【らーめん屋おやじにマスコットができたにゃ!】


凛「でも、おやじさん、なんでガンダム作ってるの?」

おやじ「趣味だからだろ?」

凛「でも、ガンダムはもっと若い人が作ってるイメージだよ?」

おやじ「おやじで悪かったな! ……まぁ、現役で仕事をしている時に若い奴が入ってきたんだ」

凛「ふんふん」

おやじ「そいつがいわゆるガンオタでな、職場に持ってきてたんだよガンプラを」

凛「今の凛にゃ」

おやじ「それで注意してやったんだが、毎日違うやつを持ってきやがる」

凛「楽しそう!」

おやじ「まぁ、結局呆れて好きにさせてたんだが、何と言うか当時はただの玩具って言う認識だったんだが、すげぇ出来が良くって、気付いたら買っちまってた」

凛「後輩さんの手のひらの上にゃ」

おやじ「……今思えばそうだったんだな。それでニッパーとか色々揃えて作ってみた。初心者が作っても出来は良かったから感動したもんだ」

おやじ「まぁ、結局仕事が忙しくてどんどんプラモが積まれていって、ようやくこの歳になって少しずつ消化しているってわけだ」

凛「でも、新しいガンキャノン作ってたよね?」

おやじ「……そういうもんなんだよ。積みプラって言うのは」


【だから曹操も作っていたのかにゃ?】


              続

誤爆ネタ繋がりで。完全に自分の趣味です

ちなみに昨日もう一体のガンキャノン買ってきました

往復250kmかけて……

道民か!

>>65
いえ、オフだったので、県内で遠出をしてみたくなって
阿修羅王も買ってきました


*夕暮れの帰り道
*らーめん屋おやじ


凛「ねぇねぇ、おやじさん」

おやじ「なんだ?」

凛「生徒会長と副会長もメンバーに加わったにゃ!」

おやじ「ほぅ。そりゃ、良かったじゃねえか」

凛「うん! 生徒会長はすっごくダンスが上手で、副会長はなんかすぴりちゅある?なの!」

おやじ「後半が意味分からんが、結局は別嬪さんもお前さんたちと同じ志を持っていたというところか」

凛「こころざし?」

おやじ「信念とでも言えば良いか? 絶対にやり遂げたいことあるんだろう?」

凛「うん!」

おやじ「頑張れよ!」

凛「頑張るにゃ!」

おやじ「それにしても、RPGみたいだな。そのメンバーの増え方」

凛「高坂先輩は勇者である?」

おやじ「穂むらの嬢ちゃんが発起人か」

凛「うん!」


【μ'sは遂に9人揃い、ここから本番にゃ!】


*二人の帰り道
*らーめん屋おやじ


希「ほー、えりちがこういうところを知っているのは意外やね」

絵里「前に亜里沙と偶然見つけたのよ。おやじさん、こんばんは」

おやじ「おー、この前の別嬪さんじゃねぇか」

絵里「オススメ二つお願いします」

おやじ「あいよ! オススメ二つ!」

凛「了解にゃ!」

絵里「星空さん!?」

希「凛ちゃんやないか!?」

凛「こんばんはですにゃ! 生徒会長、東條先輩」

絵里「こ、こんばんは……?」

希「何で凛ちゃんがそっち側におるん?」

おやじ「ん? 聞いてくれるか関西弁の嬢ちゃん」

希「関西弁の、嬢ちゃん……?」

おやじ「この娘っ子がな、さっき生徒会長と副会長がここに来るとか言っていたからドッキリさせたいとかぬかしてな」

凛「おやじさん! バラしちゃ駄目にゃ!」

希「あはは、お茶目さんやな、凛ちゃんは」

凛「えへへ」


【凛は馬鹿だから、先輩二人と仲良くなるにはこれだと思ったにゃ!(*ただし部長は除く)】


おやじ「満足したなら戻りな、嬢ちゃん」

凛「はいにゃ!」ソソクサ

絵里「星空さんはいつもこのお店に来ているの?」

凛「常連ですよ」

希「ん? えりちが前に来た時も凛ちゃんはおったんか?」

絵里「ええ。確かワカメ増しされてたわね」

おやじ「はいよ! オススメ三つ! 別嬪さんには味玉、関西弁の嬢ちゃんにはチャーシュー、猫の嬢ちゃんにはワカメをサービスしといたぜ」

絵里「ありがとうございます」

希「あ、ありがとうございます」

凛「またワカメにゃ……」ガックリ

おやじ「おうよ! それにしても、この店もアイドル御用達になってきたな」

凛「アイドル一号にゃ!」

絵里「星空さん以外のメンバーも来るんですか?」

おやじ「そうだな、眼鏡の嬢ちゃんと西木野の嬢ちゃんはたまに猫の嬢ちゃんと一緒に来るな」

希「ニコっちと二年生組はまだ来ていないようやね」

凛「おやじさん、μ'sメンバーのコンプリートを目指すにゃ!」

おやじ「まぁ、お前さんが頼まなくてもつれて来そうな気がするがな」


【流石おやじさん、よく分かっているにゃ!】


絵里「今度オープンスクールでライブをするんです」

希「実質これが今のμ's最初のライブやね」

凛「おやじさんも見に来てよ」

おやじ「いや、オープンスクールにオレは行けんだろ」

凛「そうだったにゃ!」

絵里「ふふっ」

希「面白いな凛ちゃんは」クスッ

おやじ「どうやら、アイドル活動は順調のようだな」

絵里「いえ、まだまだ課題は多いです」

希「ウチらはまだ加わったばかりやしな」

凛「練習大変にゃ」

おやじ「まぁ、それも青春ってやつだ」

希「青春……」

絵里「希?」

希「あ、なんでもないんよ。ところでおやじさん、不思議な星のめぐりをしていますね?」

おやじ「不思議な星のめぐり?」

希「はい。カードが私に伝えてくれています」


【『関西弁の嬢ちゃん、それは宗教の勧誘か?』は流石に酷いと思うにゃ!】


希「いえ、ただの占いです。不思議な出会いと別れ、そして再会がある、あったと出ています」

おやじ「うーん、オレには少し難しい話だな」

希「私もそういう機運に恵まれた人とは初めて会いました」

おやじ「ほぅ、そりゃ良いことか?」

希「良いことです」

おやじ「そりゃ、良かった」

絵里「……私、希が普通に話しているのを初めて聞いた気がするわ」

凛「そうなんですか? 会長?」

絵里「ええ」

希「……あのお二人さん、ウチだって先生とかと話す時は関西弁使わんよ?」

おやじ「嬢ちゃん、良い友達と巡り合えたな」

希「……おやじさん。見抜かれています?」

おやじ「さあな」

希「ふふっ」

絵里「?」

凛「?」


【東條先輩もなかなか謎な人なのにゃ!】


絵里・希・凛「ごちそうさまでした」

おやじ「はいよ。関西弁の嬢ちゃんは100円、あと二人は300円だ」

希「あれ? ウチだけ安いん?」

おやじ「初回サービスだよ」

絵里「私も前回100円だったのよ」

希「なるほどな。じゃ、おやじさん100円」

おやじ「あいよ」ツイデニ300エン×2

凛「じゃーね、おやじさん」

絵里「また来ます」

希「ウチも常連になるかもしれんね」

おやじ「おう! 変な奴にあったら大声で叫ぶんだぞ」

凛「了解にゃ!」


絵里「星空さんのお家はこっち」

凛「はい、こっちです」

希「ウチはこっちなん」


おやじ「不思議な星の巡りね……まさかな」


【凛たちが帰った後で、おやじさんが意味あり気に呟いていたにゃ!】


                  続


先輩後輩禁止令が出るまではまだまだ他人行な凛ちゃん

のんたんもたまには標準語使うよ!

現時点でおやじさんからの呼び名が不明な人:部長・ことりちゃん


*やり遂げた帰り道!
*らーめん屋おやじ


凛「ただいまにゃー!」

花陽「こんばんは」

真姫「お邪魔します」

おやじ「おう! いらっしゃい!」

凛「おやじさん!」

おやじ「なんだ? やけにテンションがたけぇじゃねえか?」

凛「今日のライブ、大成功だったにゃー!!」

おやじ「お、そりゃめでてぇ!」

花陽「とっても緊張しました」

真姫「しっかりできていたじゃない?」

凛「皆、最高だったにゃー!」

おやじ「そうかそうか。それじゃ、今日はスペシャルいくか?」

凛「すぺしゃる? そんなのあるの?」

おやじ「ちょっと待ってな」

凛「はいにゃ!」


【今日のオープンスクールでのライブ最高だったにゃ!】


おやじ「はいよ! スペシャル3つ!」

凛「おぉー!?」

花陽「こ、これはっ!?」

真姫「……ゴクリ」

凛「チャーシューが1、2、5枚! もあるにゃ!!」

花陽「大盛りの白米! そして、具がいっぱいのラーメン(小)!!」

真姫「冷やし中華……トマトがいっぱいだわ」

おやじ「嬢ちゃんたちの好みに合わせてみたスペシャルラーメンだ。まぁ、ラーメンじゃないのもあるが」

凛「おやじさん、凛はとっても感動しているにゃ!!」

花陽「おやじさん、ありがとうございます!」

真姫「おやじさん、どうもありがとうございます!」

おやじ「おうよ! じっくり味わって食べな」

真姫・凛・花陽「はい!」


【スペシャルは本当にスペシャルだったにゃ!】


真姫「美味しい……」

花陽「いくらでも食べれちゃいます!」

凛「 (=´∇`=)にゃん」

おやじ「……一人だけ言葉になっていない奴が居るが、まぁ良いか」

真姫「……これで一歩、廃校阻止に近づいたのよね?」

花陽「うん! オープンスクールに来た子の反応も良かったし」

おやじ「ん? お前さんたち、廃校を阻止するためにアイドルやっていたのか?」

凛「そうにゃ」

おやじ「ほぅ、そりゃ立派な志だ!」

凛「褒めて褒めて♪」

おやじ「おらよ」ポチャン

凛「チャーシュー!」+1マイ

花陽「お米!」オカワリツイカ

真姫「トマト……」デザートトマト


【凛たちはスペシャルを堪能したにゃ!】


花陽「次は文化祭ライブ、かな?」

真姫「何もなければそうなるわね」

凛「凛はもっと高みを目指すにゃ!」

おやじ「燃えてるなぁ」

凛「今度はおやじさんも見に来てね?」

おやじ「まぁ、気が向いたらな」

花陽「おやじさん、今日はこんなに美味しいごはんありがとうございました」

真姫「あの、トマトとっても美味しかったです」

おやじ「そりゃ、良かった。頑張っている奴って言うのは応援したくなるからよ、オレにはサービスくらいしかできないが、頑張れよ!」

真姫・凛・花陽「はい!」

おやじ「そろそろ日も長くなってきているが、暗くなるとあぶねぇ。気を付けて帰りな」

真姫「……変な人にあったら」

花陽「大声で」

凛「叫ぶにゃ!」

おやじ「おう、分かってんじゃねえか!」


【だっておやじさん、いつも同じことしか言わないにゃ!】


                 続


次回から二年生組が遂に参戦?

そして、ニコっちは行方不明

次回ワンダーゾーン(未定)


*逃げ惑うメイド
*らーめん屋おやじ


ことり「はぁはぁ、はぁ……」

おやじ「いらっしゃい! 嬢ちゃん客かい?」

ことり「あ、……はい」スワリ

おやじ「お冷だ」

ことり「ありがとうございます」コクコクコク

おやじ「随分のどが渇いていたんだな」

ことり「あ、えへへ」カァー

おやじ「冷やしラーメンにでもしとくか?」

ことり「あ、はい、それでお願いします」

おやじ「はいよ! 冷やしラーメン一丁!」

ことり(上手く逃げられた、かな……?)

凛「おやじさん、いつもの」

おやじ「あいよ!」

ことり「ピィ!?」


【凛からは逃げられないにゃ!】


おやじ「はいよ! 冷やしラーメン!」

ことり「……」ダラダラダラダラ

凛「にゃ!」

おやじ「おい、嬢ちゃん。メイドの嬢ちゃんに変なプレッシャーかけてんじゃねえよ」

凛「南ことり先輩にゃ! μ'sのメンバーにゃ!」

ことり「コトリチガウヨ」ホントダヨ

おやじ「……まぁ、良い。嬢ちゃん、とりあえず食べな」

ことり「ハ、ハイ(凛ちゃん、神出鬼没過ぎるよ!)パクッ。あ、美味しい」

おやじ「そりゃ、どうも」

凛「お冷おかわり!」

おやじ「勝手についでろ」ドンッ

凛「ちぇー」

ことり「……」パクパク

凛「にゃ」ゴクゴク

ことり「お、美味しかったです。いくらですか?」

おやじ「100円」

ことり「え?」

おやじ「100円で良い」

凛「初回サービスにゃ」

ことり「え、そうなの?」トリアエズ100エン

おやじ「まいど!」


【ちなみに凛は後ろに回り込んでいるにゃ!】


凛「南先輩覚悟にゃ!」

ことり「ワタシミナミチガウ、ミナリンカメンナリヨ?」

凛「東條先輩にワシワシしてもらおうかな」

ことり「うぅ……凛ちゃんの意地悪」

おやじ「なんだ、小芝居か?」

凛「南先輩が逃げたので、捕まえにきたにゃ!」

おやじ「お前さん、本当に猫みたいだな」

凛「にゃ?」

ことり「うぅ……」

おやじ「まぁ、二人とも走り回って疲れているだろ? ゆっくりしていけや」

ことり「あ、ありがとうございます」

凛「にゃ」ズズズッ

おやじ「まぁ、お前さんにとっては我が家も同然か……」


【こうして無事南先輩は捕まり、伝説のメイドの話を聞かせてもらうことになるにゃ】


*秋葉ライブ大成功にゃ
*らーめん屋おやじ


凛「にゃっにゃにゃ!」

おやじ「遂に猫になったのか?」

凛「今日のライブも大成功だったにゃ!」

おやじ「ああ、そう言えばお前さんたちが秋葉でライブをしたとかしていないとか言っていた客が居たな」

凛「おぉ、凛たちも随分有名になったにゃ!」

おやじ「ロボットみたいな嬢ちゃんだったな」

凛「ろぼっと?」

おやじ「いや偏見は良くねぇな」

凛「?」

おやじ「今日は何にする?」

凛「かよちんが前に美味しそうに食べてたチャーハンが食べたいにゃ!」

おやじ「珍しいな」

凛「凛もたまにはラーメン以外も食べるにゃ!」

おやじ「今日が初めてじゃねぇか」

凛「そんな日もあるにゃ」

おやじ「相変わらずわけのわからん嬢ちゃんだ」


【おやじさん、なんでため息をつくの? 幸せが逃げていくにゃ!】


               続


次回ようやく先輩後輩禁止令

ことりちゃんはメイドの嬢ちゃんで落ち着きました

そして近づく文化祭ライブ


*らーめん屋おやじ番外編(趣味枠2)
*噂を聞いて園田海未


海未「こんにちは。園田海未と申します」

おやじ「いらっしゃい! 園田の嬢ちゃんじゃねぇか?」

海未「おや? 私のことをご存じですか?」

おやじ「ん、園田家の文武両道の大和撫子って言えば嬢ちゃんだろう?」

海未「な、なんと」テレテレ

おやじ「あとは穂むらの嬢ちゃんを叱咤激励する嬢ちゃんの姿もこの町の名物だな」

海未「なっ!?」カァー

おやじ「ははっ、照れるな照れるな」

海未「恥ずかしいんです!」

おやじ「オレとしては微笑ましい話に聞こえたがな」

海未「そうなのですか?」

おやじ「ああ。そういう噂が流れるって言うのは、嬢ちゃんたちが町に愛されている証拠さ」

海未「……それはそれで照れますね」

おやじ「まぁ、そいつは置いておいて。嬢ちゃん、注文は?」

海未「はい。ことりが言っていた冷やしラーメンをいただけますか?」

おやじ「ああ、メイドの嬢ちゃんの時のか。はいよ! 冷やしラーメン一丁!」

海未「古き良き時代のお店ですね」

おまじ「まぁ、オレ自身がおやじだからな」ハハッ


【休日に園田先輩がお店に来ていたにゃ!】


おやじ「はいよ! 冷やしラーメン!」

海未「いただきます」

海未「チュルン……美味しいですね」

おやじ「そりゃ、どうも。嬢ちゃんも食べる姿が絵になるねぇ」

海未「そ、そうですか」テレテレ

おやじ「流石、園田の嬢ちゃんだな」

海未「いえ、そんな大したものでは……。おや? これは?」

おやじ「ん? ああ、武者頑駄無(猫の嬢ちゃんスペシャル)か」

海未「これはおやじさんがお作りになられたんですか?」

おやじ「いや、猫の嬢ちゃん作だ」

海未「猫の嬢ちゃん……ああ、凛ですね」

おやじ「作ってみたいって言っていたからな、試しに作らせてみたんだよ」

海未「ふむふむ。LEGENDBBを選ぶとはおやじさん、分かっていますね」

おやじ「おっ? 嬢ちゃんもいける口か?」

海未「お父様のささやかな趣味がガンプラで、お母様も暗黙の了解をしていますので、手が空いた時に作っています」

おやじ「ほぅ。園田の若いのにそんな趣味があったのか」

海未「お父様をご存じで?」

おやじ「ん? 昔、ちょっとした縁があってな」


【むしゃがんだむ(自堕落)の中から凛だにゃ! この枠はこの凛が乗っ取るにゃ!】


海未「おやじさんが作った中で一番大きなガンプラって何ですか?」

おやじ「珍しい質問をしてくる嬢ちゃんだな。んー、スペリオルカイザー」

海未「なるほどスペリオルカイざあっ!!」ガビーン

おやじ「嬢ちゃん、顔芸大賞にでも出る気かい?」

海未「元祖ですか? 元祖SDですか!?」クワッ

おやじ「お、おう。昔、デパートで半額だったのを買った」

海未「プレミアですよ? プレミア!」

おやじ「当時はそんなことは知らんから、普通に作ったぞ」

海未「おやじさん、今度見せてください!」

おやじ「まぁ、機会があったらな。嬢ちゃんが作った中で一番大きなのは何だ?」

海未「PGフルアーマーユニコーンガンダム(LED)です!」ドヤッ

おやじ「ほぅ。よく作ったもんだな」

海未「LEDの配線が思った以上に大変でした」

おやじ「オレも馴染みの模型屋で完成品を見たが、ありゃすげぇな」

海未「はい! 家に帰ったら、LEDのスイッチをまず入れるんです。それを見ているだけで疲れが飛んでいきます!」

おやじ「こりゃ、上級者だな。嬢ちゃん」


【ちなみに凛は今、プチッガイ(オレンジ)を作っているにゃ】


海未「おやじさん、ガンプラの中でも傑作って何だと思いますか?」

おやじ「んー、HGUCνガンダム、MGボール、LEGENDBB魔竜剣士ゼロガンダムってところか」

海未「おやじさん分かっていますねぇ。しかし、旧キットのグフやマークツー辺りも私は最高かと思います」

おやじ「嬢ちゃん。ガチ過ぎる!」

海未「ここでMSVを挙げていないので、まだまだですよ」

おやじ「その思考がガチなんだよ」

海未「最近、轟大帝孫権を作りたくなったのですが、売っていないですね」

おやじ「話が急に飛ぶな。……轟大帝なら2個組んでないやつがあるから、1個やるか?」

海未「ほ、ほほほ本当ですかぁ!?」グワシッ

おやじ「嬢ちゃん、顔芸がヤバイことになってるぞ。アイドルなんだろ?」

海未「これは失礼」キリッ

おやじ「面白い嬢ちゃんだ。まぁ、気が向いた時に来な。運が良ければ持ってきてやる」

海未「おぉっ!!」カオゲイ

おやじ「……まぁ、とりあえずラーメン食いな?」


【園田先輩顔がだらしな過ぎにゃ!】


海未「とても有意義な時間をありがとうございました」

おやじ「まぁ、オレも上級者と話ができて楽しかった」

海未「いやはや、凛たちがひいきにしている店と聞いて気にはなっていましたが、こんなに良いお店だとは思いませんでした」

おやじ「いや、趣味の話が合っただけだろ」

海未「こういう話ができる知人は今までおりませんでしたので」

おやじ「模型屋に行けば、居るんじゃねぇの?」

海未「いえ、基本的に私はお父様が買って来たキットを組みますので、お店にはあまり行きません。あ、轟大帝は探しましたが」

おやじ「ほぅ。友達にも内緒の趣味か?」

海未「いえ、特に秘密にはしていません。穂乃果やことりは私の部屋に入ったことがありますので、目にしたことはあるはずです」

おやじ「まぁ、女の子でそれを趣味にしている奴は少ないからな」

海未「ええ。穂乃果とことりにもさり気なく勧めてみましたが、なかなか上手くいきません」

おやじ「猫の嬢ちゃんなら、ガチな話はできないが、ある程度話は通じると思うぜ」

海未「なるほど! 凛とさらに仲良くなれる気がします。……それにしてもこの武者頑駄無、自堕落な姿ですね」ゴロン

おやじ「猫の嬢ちゃんが言うには、休みの日のオレだとよ」

海未「ふふっ」


【園田先輩は終始笑顔でお店を後にしたにゃ!】


おやじ「あの嬢ちゃん、二千円も置いていきやがった。……仕方がねぇ、轟大帝用意しておくか」


               続

ガンプラ知らない方ごめんなさい。完全に趣味枠2です

ちなみに轟大帝の相場は大体五千円くらい

こんな海未ちゃん居ても良いよね?

凛ちゃんの猫語が増えてきているのは、完全に我が家になっているからか……


*ヘトヘトの猫
*らーめん屋おやじ


凛「うぅ、いつもの……」

おやじ「どうした? 嬢ちゃん!?」

凛「疲れたにゃー……」

花陽「ごはん……」

真姫「二人とも、しっかり、しなさいよぅ……」

おやじ「随分3人ともくたびれているな? なにかあったのか?」

凛「ええとね……」

花陽「ラブライブ予選に出られるかもしれないんです」クワッ

真姫「いきなり元気になったわね、花陽ちゃん……」

おやじ「……なるほど。練習に熱が入っているってわけか」

凛「そうなの……」

真姫「特に穂乃果ちゃんが、ね……」

花陽「白いごはん、食べたい……」

おやじ「少し待ってな。元気が出るやつ作ってやる」

凛「わーい!」

おやじ「……げんきんだな、お前さん」


【今回もスペシャルかにゃ?」


おやじ「はいよ! ねばとろラーメンDX2つ! ねばとろ丼一丁!」

凛「デラックスになったにゃ!」

真姫「……ネバネバしているわ……」

花陽「ごはん、美味しい!」

真姫「花陽ちゃんが微妙にカタコトだわ」ネバネバ・・・

凛「おぉ! なんだか元気が出るよ!」

真姫「……プラシーボじゃないの?」

凛「また凛、騙されているの!?」

おやじ「西木野の嬢ちゃん、たぶん大丈夫だから食ってみな」

真姫「は、はい……」チュルン

真姫「あ、美味しい」

おやじ「だろ?」

凛「これ何? 美味しいけど」ナンカノオニク?

おやじ「ウナギだ」

凛「えー、凛、お魚嫌い!」

おやじ「普通に食ってただろ、今」

凛「うん!」

花陽「凛ちゃんが魚嫌いなのは骨があるからだもんね」

おやじ「そういう嫌いか。まぁ、今まで普通にうちのラーメン食ってたしな」


【にゃんと!? 今までのラーメンにも魚が入っていたにゃ!?】


真姫・凛・花陽「ごちそうさまでした!」

おやじ「おそまつさん」

凛「これで凛たちは明日からも頑張れるにゃ!」

花陽「何ってたってラブライブ予選に出られるかもしれないもんね!」

真姫「……」

おやじ「西木野の嬢ちゃん、正直なところ練習はどうなんだ?」

真姫「……大変です。でも、どちらかと言えば穂乃果ちゃんが気負い過ぎな気もします」

おやじ「ふむ」

凛「穂乃果ちゃん、ラブライブ予選に絶対出るって頑張ってるもんね!」

花陽「私も負けてはいられません!」

おやじ「おお、その意気だ。気持ちが強けりゃ結果に繋がる」

凛「頑張るにゃ!」

おやじ「なぁ、西木野の嬢ちゃん」

真姫「はい?」

おやじ「ちょっと頼みがあるんだがよ」


【何やらおやじさんと真姫ちゃんがヒソヒソ話をしているにゃ!】


*珍しい二人組
*らーめん屋おやじ


凛「ただいま~」ヘトヘト

穂乃果「こんばんはー」イキイキ

おやじ「おう、いらっしゃい! お、穂むらの嬢ちゃんか?」

穂乃果「はい! 高坂穂乃果です! 皆から美味しいと聞いて来ました!」

おやじ「ほぅ、そりゃ嬉しいことで。オススメで良いか?」

穂乃果「はい!」オトト

おやじ「……」

凛「にゃ」ヘトヘト

おやじ「嬢ちゃん、昨日の元気はどこにいった?」

凛「ウナギと一緒に帰って行ったにゃ~」ヘロヘロ

おやじ「穂むらの嬢ちゃんは元気だな?」

穂乃果「はい! ラブライブ予選に出られるかもしれないので!」

おやじ「ほぅ、そいつは楽しみだな」

穂乃果「はいっ!」


【真姫ちゃんに、穂乃果ちゃんを連れていって欲しいと言われたの。ハテナだにゃ】


おやじ「はいよ! ネバトロラーメンSP2つ!」

凛「昨日と同じかと思ったら、スペシャルが付いたにゃ!」

穂乃果「わぁ、ネバネバ!」

凛「美味しい! けど、ちょっと苦辛いね」

穂乃果「美味しい!」ズルズル

おやじ「ああ、生薬が少し入っているからな」

凛「しょうやく?」

おやじ「漢方薬とかで使われる植物だ。もちろん、薬事法の規定は守っているぜ」

凛「漢方薬……かっこんとう!」

おやじ「おっ、よく知ってるな」

凛「えへへ」

穂乃果「♪」ズルズル

おやじ「なぁ、穂むらの嬢ちゃん。未病って知っているか?」

穂乃果「みびょう、ですか?」

おやじ「ああ。本来日本語にはない言葉なんだが、簡単に言えば、病気と自覚していないが病気または病気になりかけている状態のことを指す」

穂乃果「なんだが難しいですね」

おやじ「まぁ、なんだ。無理はするなって話だ」

穂乃果「え……?」

おやじ「お前さん、身体がよろめいているぞ。大分無理をしているんじゃないか?」


【はっ!? そう言えば、穂乃果ちゃん、徹夜で振付を考えてきたって言ってたにゃ!】


穂乃果「えへへ、大丈夫ですよ」

おやじ「まぁ、オレの勝手な世話焼きだが。そのままいくと嬢ちゃんは体調を崩す。多分、気持ちが上回って気付いていないだろうがな」

穂乃果「……」

おやじ「正直、ラブライブ?って言うのが嬢ちゃんたちにとってどれだけ重要なのかは理解していない」

おやじ「だけどな、身体を壊してまでやることではないんじゃないか? 勝手な話だけどな」

穂乃果「……ありがとうございます」エヘヘ

おやじ「……まぁ、いらないお節介だろうがな。このラーメンを食べれば多少は身体が元気になる」

凛「元気だにゃ!」

おやじ「お前さんは極端だ。まぁ、嬢ちゃん、ほどほどにな?」

穂乃果「……はい」


【……文化祭ライブの日。凛はおやじさんの言葉の意味を思い出すことになる】


凛「穂乃果ちゃん!?」


【穂乃果ちゃんは倒れ、そしてμ'sは──】


              続


ちょっとシリアス

だけど、おやじさんはいつも通りです

ところで矢澤って言う人が登場していないんですが……


*しょんぼり帰り道
*らーめん屋おやじ


凛「おやじさん……」

おやじ「……何かあったか?」

凛「うん……」

おやじ「……そうか」

凛「うん……」

おやじ「まぁ、ラーメンでも食うか?」

凛「うん……」

おやじ「……時間ってのは絶対に巻き戻ってはくれないもんだ」ザッザッ

おやじ「だから、人は後悔するし、もしあの時にって想像するもんだ」ジュー

おやじ「だけど、人は後悔だけじゃ腹は満たせねぇし、もしもだけじゃ先に進めねぇ」ザクザク

おやじ「そういう気持ちを抱えたまま、生きていかなきゃならねぇ」

おやじ「はいよ! オススメ一丁!」

おやじ「美味いもんを食って、ゆっくり眠りさえすれば、ちっとは良い明日になるもんだ」

凛「……うん」


【……おやじさんは優しいね】


凛「ライブは上手くいってたんだ。雨が降っていたんだけど、なんとかなって」

おやじ「おう」

凛「それで終わりだって思った時に穂乃果ちゃんが倒れちゃって……凛はなにもできなくて……」

おやじ「そう言うこともあるわな」

凛「……これからμ'sはどうなるんだろう?」

おやじ「なるようにしかならないさ」

凛「……ラブライブの予選に出場できないかもしれない……あんなに頑張ったのに……」

おやじ「精一杯頑張れたのか?」

凛「……うん。凛の人生の中で一番頑張った」

おやじ「それなら、胸を張れ。嬢ちゃんが頑張ったなら、それで良いじゃねぇか」

凛「……ラブライブの予選出られないかもしれないよ?」

おやじ「なぁ、嬢ちゃん。ラブライブの予選に出ることが嬢ちゃんの目標だったか?」

凛「え……?」

おやじ「嬢ちゃんの志は何だった?」

凛「……学校を廃校にしないこと……そっか、そっかぁ……」


【凛はいつの間にか目標を間違えていたんだね?】


おやじ「憑き物は落ちたか?」

凛「うん」

おやじ「そりゃ、良かった」

凛「そりゃ、良かった」

おやじ「何だ? 真似か?」

凛「おやじさんの口癖」

おやじ「そりゃ、気付かなかった」

凛「にゃふ」クスッ

おやじ「変な笑い声だ」

凛「そうかにゃ?」

おやじ「へっ、お前さんの語尾の方が変だったな」

凛「もう、そんな意地悪言う!」

おやじ「事実を言っただけだろ?」


【もう、おやじさん本当に意地悪なんだから】


おやじ「ちなみに、オレは今から酷いことを言う」

凛「え? また意地悪するの?」

おやじ「いや、事実を淡々と述べるだけだ」

凛「それって酷いこと?」

おやじ「当事者にとっては酷いことに聞こえるかもしれねぇ」

凛「そっか、そういうこともあるかも」

おやじ「嬢ちゃんは頑張った。オレが褒めてやる」ホレッ

凛「おやじさん、褒める時、いっつもチャーシューだよね?」

おやじ「嫌いか?」

凛「大好き」

おやじ「そりゃ、良かった。それで、だ。今回悪いのは穂むらの嬢ちゃん。これは間違いねぇな」

凛「えっ!? それは違うよ! 穂乃果ちゃん、すっごい頑張っていたんだよ!?」

おやじ「それで倒れました、か?」

凛「うっ……」

おやじ「周りの奴も気付いていたから、大方穂むらの嬢ちゃんが言うことを聞かなかったんだろう。オレも身体を壊すなって言ったしな」

おやじ「なぁ、嬢ちゃん。皆頑張った。でも一人が無理をし過ぎて台無しにした。これで、悪いのは穂むらの嬢ちゃんじゃないって言うのは少し無理があるだろ」

凛「……」


【おやじさんは結構酷いことを言っていたけど、凛には否定できなかった】


おやじ「まぁ、悪い子にはお尻ペンペンでもしてやりな。元気になったら」

凛「お尻ペンペンってすっごい久しぶりに聞いたにゃ」

おやじ「それだけの資格がお前さんたちにはあるんだよ」

凛「穂乃果ちゃん、悪いの?」

おやじ「ああ、そう言っている」

凛「でも、穂乃果ちゃんの気持ち分かるよ」

おやじ「それは嬢ちゃんが優しいからだ」

凛「凛は優しくないよ」

おやじ「優しい奴はいつもそう言う」

凛「おやじさんは優しいよ?」

おやじ「オレは優しくないさ」


【あっ、本当だ。優しい人は優しくないって言うや】


おやじ「もし、穂むらの嬢ちゃんがアイドル止めるって言ったら、ぶん殴ってやれ。もし、穂むらの嬢ちゃんがアイドル活動をどうでも良くなったって言ったら、頭突きをかませ」

凛「穂乃果ちゃんはそんなことを言わないよ!」

おやじ「オレには分からんよ。だがな、あの嬢ちゃんは追いつめられているように、あの時は思った。だから、ふざけたことを抜かした時に正してやる奴が必要だ」

凛「……凛には荷が重いよ」

おやじ「先輩は禁止なんだろ? できるさ」

凛「……その前に、やっぱり穂乃果ちゃんはそんなこと言わないよ」

おやじ「そうだと良いがな」

にこ「良いわ、その役割ニコが引き受けてあげる!」

凛「ニコちゃん!?」

おやじ「なんだ? このちっこいの?」

にこ「にっこにっこにー♪ あなたのハートににこにこにー♪」

おやじ「おい、嬢ちゃん。こいつヤバいぞ? お前さんの猫キャラが普通に見える」

にこ「ちょっと! 何で、初対面なのにそんなに辛辣なの!?」

おやじ「まぁ、冗談だ」

にこ「ニコー!?」


【ニコちゃん、何しに来たの?】


おやじ「それで、アイドルの嬢ちゃん。何を引き受けるって?」

にこ「あらー、分かってんじゃない!」

凛「ニコちゃんがアイドルって言われて喜んでるにゃ」

おやじ「それで、矢澤、何を引き受けるって?」

にこ「行き成り呼び捨てされたぁ! と言うかニコのこと知ってんの?」

おやじ「猫の嬢ちゃんが常連だし、お前さん以外とは全員一回は会ってるぞ?」

にこ「ふん! 真打ちは最後に現れるもんよ!」

おやじ「それで、何だかよく分からん嬢ちゃん、何を引き受けるって?」

にこ「ニゴー! 穂乃果のことよ! ふざけたこと言ったらニコがビンタしてやるんだから!」

おやじ「ほぅ、そりゃ心強いことで」

凛「ニコちゃんは誰よりもアイドルに対して真剣なんだよ」

にこ「当ったり前よ!」

おやじ「アイドルの嬢ちゃん、注文は何にする?」

にこ「えぇー!?」

おやじ「あいよ! オススメ一丁!」

にこ「ニコ、なにも頼んでいないニコー」

おやじ「おい、嬢ちゃん。アイドルの嬢ちゃんの語尾やべぇな?」

にこ「なんなのよーもー!」


【ニコちゃん……どこに行っても弄られるんだね……」


にこ「美味しいじゃないの!」ズルズル

おやじ「なんでキレ気味なんだよ」

にこ「あんたのせいよ!」

おやじ「アイドルの嬢ちゃん。お前さん似の女性がたまにうちに来るぞ?」

にこ「あらー、素敵なお・じ・さ・ま(ハート)」

おやじ「気持ちわりぃ」

にこ「ニゴーッ!!」

凛「にゃ、にゃ、にゃ」カチャカチャカチャ

にこ「凛! あんたは何をやってんのよ!?」

凛「んー、むしゃがんだむで遊んでる?」

にこ「何でおもちゃで遊んでんのよ!」

凛「えー、ニコちゃんのキレ芸に飽きちゃったよ、凛」

にこ「芸じゃない!」

おやじ「なに!?」

にこ「もー、ニコお家に帰る!」

おやじ「110円な」

にこ「え? 10円高くない?」

おやじ「ちっ、バレたか。100円」

にこ「ニゴーッ!」オラヨ100エン

おやじ「まぁ、嬢ちゃん、頼むわ」

にこ「頼まれました!」ニコー

凛「嵐のようなニコちゃんだったにゃ」

おやじ「面白い嬢ちゃんだったな」


【おやじさん、完全に遊んでいたでしょ? でも、不思議と凛の心はスッキリしていたにゃ!】


              続


流石は矢澤先輩、キレッキレですにゃ

意外と凛ちゃんも本編中でニコにたいして辛辣だったよね?

部長初登場回はシリアスブレイカーでした

>>115~119
おやじ「ありがとな」

おやじさんと海未ちゃんのガンプラ話はかなりマイナーなので、普通はついてこれない話題です
この場合海未ちゃんがちょっとおかしい
でかいガンプラは海未ちゃんがユニコーンの話をしたかったから出した話題
海未ちゃんはデンドロかネオング辺りを予想していましたが見事外れ


*らーめん屋おやじ番外編(シリアス枠)
*悩んだ末に南ことり


ことり「……」

おやじ「いらっしゃい! お、メイドの嬢ちゃんか?」

ことり「……えへへ。オススメください」

おやじ「はいよ! 塩ラーメン一丁!」

ことり「……」

おやじ「……」ザッザッ

おやじ「はいよ! 塩ラーメン!」

ことり「はい、いただきます……美味しい……」

おやじ「……」

ことり「……あの!?」

おやじ「ん? 何だい?」

ことり「何も聞かないんですね……?」

おやじ「嬢ちゃんが辛気臭い顔をしているわけをか?」

ことり「……はい」

おやじ「聞いてほしそうにしていたから、あえて聞かなかった」

ことり「いじわる、なんですね」

おやじ「おう、よく言われる」

ことり「えへへ……」

おやじ「まぁ、ラーメン頼んだわけだし、駄賃くらいには聞いてやるさ」

ことり「……ありがとうございます」


【これは文化祭ライブよりも少し前のお話にゃ】


ことり「ええと、他の人には言いませんよね?」

おやじ「人様のプライバシーには配慮しているつもりだ」

ことり「……私、留学するんです」

おやじ「ほぅ」

ことり「服飾の本場で、お母さんの知り合いの学校に招かれているんです」

おやじ「嬢ちゃんは、服作るのが好きなのか?」

ことり「はい、……大好きです」

おやじ「そうか。そりゃ、めでたいな」

ことり「……私、分からないんです」

おやじ「服飾とアイドル、どっちを優先するか、をか?」

ことり「……はい」

おやじ「まぁ、難しいわな。一つは夢、一つは志、どっちか選べっていうのは少し酷だ」

ことり「おやじさんなら、どっちを選びますか?」

おやじ「オレは嬢ちゃんじゃない。それでも良いなら、服飾だな」

ことり「……簡単に選べるんですね」

おやじ「簡単じゃないさ。単にオレは夢の価値を知っている。後天的な理由から選べているだけさ」


【静かにことりちゃんとおやじさんは語り合う】


ことり「私は……夢の価値なんて、分かりません」

おやじ「そりゃ、そうだな。オレもこの歳になるまで分からんかった。それを十代の嬢ちゃんが知っていたら、それこそおかしな話だ」

ことり「私も、もう少し大きくなっていたらすぐに選べたのかな……」

おやじ「無理だな。なぁ、嬢ちゃん。人に意見を求めるんだったら本音を語れ」

ことり「え?」

おやじ「嬢ちゃんが悩んでいるのは、アイドルか服飾か、なんて言う二択じゃないんじゃないか?」

ことり「……」

おやじ「オレは猫の嬢ちゃんからメンバーの話をよく聞くし、園田の嬢ちゃんもそれなりに仲良くしている」

おやじ「そこから察するに、嬢ちゃんは友達か将来の夢か、で悩んでいるんだろう?」

ことり「……っ……!?」

おやじ「図星か。まぁ、その二択になると中々に難しい。それでもオレだったらやっぱり夢を追うな」

ことり「……実体験から、ですか?」

おやじ「いや、ここで縁が切れるならその程度の友達だったってことさ」

おやじ「服飾の本場ってことはパリかその辺だろ? 正直日本とはレベルが違うものを学べる場所だ。普通なら望んでも行けないところにお前さんは行けるかもしれない」

おやじ「それだけ大きなチャンスをオレは逃したくない。まぁ、オレが選ぶ理由はただそれだけだ」


【おやじさんの言葉はいつも大人だ。だから子供には分からないのかもしれない】


ことり「私は、留学するべきなんですかっ!?」

おやじ「それを決めるのは嬢ちゃんだ」

ことり「でも! おやじさんが! 服飾を選ぶって!」

おやじ「オレだったらそうするだけだ。一つ加えるなら、オレにはお前さんが葛藤するだけ上等な親友って言うのが居なかったしな」

ことり「私……海未ちゃんと、穂乃果ちゃんとっ! 別れたくないよぉ!!」

おやじ「……それが本音か」

ことり「分かんない! 分からないんです……」

おやじ「それなら、園田の嬢ちゃんと穂むらの嬢ちゃんに相談するべきだな」

おやじ「お前さんの夢と引き換えにしても良い友達なんだったら、その想いを話すべきだ」

ことり「海未ちゃんには、相談しました」

おやじ「なんて言っていた?」

ことり「ことりが選ぶべきです、って」

おやじ「まぁ、あの嬢ちゃんも変に大人なところがあるからな」

ことり「穂乃果ちゃんとも話すべきだ、って」

おやじ「なるほど、そりゃそうだな。で、穂むらの嬢ちゃんとは?」

ことり「話せてない……」

おやじ「どうして?」

ことり「……話せないよ……あんなに穂乃果ちゃんは、一生懸命に、ライブに向けて……頑張っているんだから……!」


【……それでもことりちゃんは言わなければならなかったんじゃないのかな?】


おやじ「なるほどな。結局は穂むらの嬢ちゃん次第か」

ことり「ねぇ、おやじさん! ことりは、ことりはどうすれば良いの!?」

おやじ「穂むらの嬢ちゃんと話し合う。……まぁ、その様子じゃできやしないだろうがな」

ことり「……」

おやじ「オレだったら服飾を選ぶ。だってよ、オレにはこのチャンスしかないんだからよ」ポリポリ

おやじ「しかしな、嬢ちゃんはアイドルだ。気付けば6人もの心を奮い立たせた立派なアイドルだ。……もしかしたら、そこから道は広がっているのかもしれねぇなぁ」

ことり「……え?」

おやじ「考えるのも、悩むのも嬢ちゃん。道を進んでいくのも嬢ちゃんだ」

おやじ「オレは一択だが、嬢ちゃんは二択三択持っているかもしれねぇ。正解は分からん。そうなる保障もねぇ」

おやじ「これが最初で最後のチャンスと捉えるか、その後に存在するチャンスの一つ目と捉えるか、それは自由だ」

おやじ「まぁ、結局よ。老い先みじけぇおやじには、保守的な考え方しかできねぇ。若い奴ならもっと前向きに考えられるかもしれねぇな」

おやじ「それが、オレの言えることだ。あとは十分に悩みな」

ことり「……はい」

おやじ「ここで『はい』と言えるなら、オレに言えることはもうない」

おやじ「おぅ、嬢ちゃん。これをやるよ」ホイ

ことり「……可愛い……」

おやじ「常連客がな何故かよこしたもんだ。不思議の国のアリスとうさぎ。フェルト製だそうだ」

ことり「売り物じゃないんですか?」

おやじ「素人制作だそうだ。まぁ、こういう道を選ぶ奴も居るってことよ」

ことり「……凄い、ですね」


【プラスチックの容器に入ったアリスとうさぎは、仲良く一緒に居ました】


ことり「ありがとうございました。話を聞いてくれて」

おやじ「おいおい。そうなるように誘導したのは嬢ちゃんだろう?」

ことり「えへへ」

おやじ「こいつは可愛い顔した小悪魔だな」

ことり「ことりだよ」

おやじ「はいはい。……まぁ悩みな。どっちを選んでも後悔する道かもしれねぇ」

おやじ「答えなんて誰も教えてくれねぇ。だから、悩め。良いな?」

ことり「……はい!」

おやじ「それじゃあ、まぁ、常連客が来る頃だ。とっとと帰りな」

ことり「ごちそうさまでした」ペコリ

おやじ「おそまつさん」


海未「お邪魔します」

おやじ「おう、園田の嬢ちゃん。いらっしゃい!」

海未「今、ことりの後ろ姿を見ましたが?」

おやじ「さあな、知らねぇ」

海未「はて、他人のそら似でしょうか?」

おやじ「そうだ、嬢ちゃん、約束のもんだ」ポイ

海未「轟大帝孫権!?」ウヒョー

おやじ「その顔芸なんとかならんのか?」

海未「海未ですが?」キリッ

おやじ「お前さんもよく分からん奴だな」ヤレヤレ

おやじ(なるほど、穂むらの嬢ちゃん、周りが見えなくなっているのか……)


【海未ちゃん、色々と台無しにゃ!】


             続


やったね海未ちゃん。お望みのものが手に入ったよ!

ことりちゃんの心情。穂乃果ビンタフラグが立ちました

関係ないですが、最近気温が20度きっていて寒いです

おつー
お前さんはどこにすんどるんだ

>>131
北海道ではない日本国内です
ようやく22度。なんで今年はこんなに気温差があるのか


*わりと最悪な日の帰り道
*らーめん屋おやじ


海未「……はぁ、やってしまいました」ドヨーン

にこ「いや、グッジョブよ」

凛「かよちんに止められたにゃ~」

おやじ「なんだ、園田の嬢ちゃんはお通夜みたいな雰囲気だな?」

凛「おやじさん聞いて! 穂乃果ちゃんがアイドル辞めるって言ったの」

にこ「約束通り引っ叩いてやろうと思ったら、真姫ちゃんが必死に止めるし」

凛「凛もハッとして、穂乃果ちゃんのところに行こうとしたらかよちんに止められたの」

にこ「そこで海未が『バシンッ!』とやって、『あなたは最低です!』って言ってやったのよ!」

海未「うわあああ!?」イワナイデクダサイ!

おやじ「まぁ、想定の範囲内だな」

にこ「ニコがカッコよく決めたかったんだけどなー」

凛「でも、海未ちゃんが一番適役だと思うよ」

にこ「……まぁ、そうね」

おやじ「はははっ、青春やってんな!」

海未「……おやじさん、何が面白いんですか!?」ジロリ

凛「だって、おやじさんの予想通りの展開なんだもん」

にこ「まったく、穂乃果の性根を叩き直してやりたいものよね!」

海未「予想、通り……?」


【海未ちゃんが目を点にしていたにゃ】


おやじ「オレは穂むらの嬢ちゃんの体調も、メイドの嬢ちゃんの事情も知っていたからな」

海未「ええぇーーーっ!?」ガビーン

凛「にゃるほど」

にこ「だから、穂乃果ちゃんがあんな発言するのも予想していたのね」

おやじ「園田の嬢ちゃん、毎回言っているが顔芸大賞は止めておけ」

海未「どうして、先に教えてくれないんですかぁ!!」

おやじ「ん? 猫の嬢ちゃんとアイドルの嬢ちゃんには教えていたぞ」

凛「聞いていたにゃ」

にこ「だから、ニコがやりたいって言ったでしょ?」

おやじ「まぁ、嬢ちゃん。お前さんが手を出していなくても、どっちかが同じことをしていたわけだ」

海未「……なんなんですか、この私の抱えるこの苦悩と徒労感は……」

おやじ「いや、無駄じゃねえよ。穂むらの嬢ちゃんの親友のお前さんだからこそ、一番響いたんじゃねえのか?」

凛「凛もかよちんに叩かれるのが一番ショックにゃ!」

にこ「まぁ、一理あるわね」

海未「……そうでしょうか……?」

おやじ「おうよ」

海未「……穂乃果に嫌われていないでしょうか……?」

にこ「そりゃ、ないでしょ」

凛「ないにゃ」

おやじ「だ、そうだ?」


【悪いのは穂乃果ちゃんだから、海未ちゃんを嫌いになるのは筋違いにゃ】


海未「はぁ……」

凛「でぃーぷぶれすにゃ!」

にこ「なんでいきなり英語なのよ?」

凛「そんな気分の日もあるにゃ」

にこ「どうでも良いけど、あんたここに来ると『にゃ』の頻度多くない?」

凛「ここは凛のお家なの」ワイノワイノ

おやじ「いや、違うだろうよ」

海未「……何だか、悩んでいる私がバカらしくなってきます」ハァ

おやじ「まぁ、将来、振り返ってみた時にバカらしいと思う事柄の一つではあるよな」

海未「その程度のものなんですかぁ!?」

おやじ「おう。この先、嫌なことは大量に起こるからな」

凛「えー、おやじさん、嫌なこと言わないでよー」

にこ「まぁ、ニコにとっては大したことないわよ」

海未「……うぅ、子ども扱いされています」

にこ「でも……ことりちゃんはどうするのかしらね?」

凛「行かないでほしいにゃ」

海未「……ことりは穂乃果の答えを待っているんです」

おやじ「まぁ、止めて欲しいんだろうな」

海未「そう思いますか?」

おやじ「さあな」

海未「何です? その私なんでも知っています感は?」

おやじ「プライバシーの侵害はなるべくやらないことにしてんだよ」


【あっ! さてはおやじさん、ことりちゃんと秘密のお話していたにゃ?」


にこ「ニコは例えことりちゃんが留学してもスクールアイドルは続けるわよ」

凛「凛も中途半端はしないにゃ」

海未「私は……分かりません」

おやじ「園田の嬢ちゃんは結局のところ、穂むらの嬢ちゃんともメイドの嬢ちゃんとも似ているんだよ」

海未「……そんなに似ていますか?」

おやじ「おうよ。そんな風に答えと親友が一緒になっているところが特にな」

海未「答えと、親友が一緒……?」

にこ「まぁ、アホ乃果ちゃん次第よね」

凛「そうだにゃ」

おやじ「さてと、あの嬢ちゃんは立ち直れるかねぇ」

凛「しばらく凛たちとは気まずいにゃ」

にこ「でも、あの子、友達多いから大丈夫じゃない?」

海未「……そうですね。私たち以外にも穂乃果は良い友人に恵まれています」

おやじ「なるほど。どうにかなりそうだな」

海未「いえ……しかし……」

おやじ「まぁ、園田の嬢ちゃんは結果が出るまで、迷い続けるんだろうな」

にこ「ああ、矢が的に当たらない?」

凛「穂乃果ちゃんチラッ。ベ、ベツニキシテイナインダカラネ」

にこ「真姫ちゃん混じってるわよ」

海未「ああああー!! 自分自身でも想像がついてしまうのが、もどかしいです!!」


【放課後のあのシリアスが茶番に思える現状にゃ】


おやじ「悩め悩め。そうした数だけ、将来少しだけマシになれる」

凛「おやじさんは大人にゃ」

おやじ「ん? 大人、か……。そりゃ、ちょっと違うな」

凛「?」

おやじ「結局のところ、大人って言うのは大人のふりした子供なんだとオレは思うぜ?」

にこ「何か良いことを言おうとしている?」

おやじ「野次入れんなよ。嬢ちゃんたちは小学校の頃、中学生はどう見えていた?」

凛「とっても大人に思えたにゃ!」

おやじ「だろう? でも、自分が中学生になった時、大人だとは思ったか?」

にこ「……それはないわね」

おやじ「そうだ。それを何度も繰り返して人は歳をとっていく」

おやじ「だから、大人だと思う奴だって大人のふりをして何とかやってんだ」

凛「難しい話にゃ」

おやじ「大人に見えるやつは、頑張って大人に見えるようにしているって話だ」

凛「なるほど?」

おやじ「もし完璧な大人だったらガンプラなんて作らねぇよ」

凛「なるほど!」

海未「……つまり、私は今から大人のふりをすれば良いのですか?」

おやじ「よくこの会話でそこに行きつくな? まぁ、そう言うことだ」

海未「分かりました。……おそらくここが自分自身の納得できる落としどころなんでしょう」

おやじ「おっ、大人だな」

海未「からかわないでください!」

にこ「あ、子供に戻ったわね」


【大人って難しいにゃ!】


おやじ「まぁ、園田の嬢ちゃんよ。次来るときは、穂むらの嬢ちゃんとメイドの嬢ちゃんを連れて来な。サービスしてやるぜ」

海未「……ことりが留学しないことが前提ですが」

おやじ「もしもメイドの嬢ちゃんが留学したら、お前さんの夢が叶うことを祈っているって言っておいてくれや」

海未「はい。……と言いますか、やっぱりことりが残る前提で話していませんか?」

おやじ「いや、そんな意図はねぇよ」

凛「絶対ことりちゃんと何か話しているよね」コソコソ

にこ「そんなの当たり前じゃない。何あの自信?」コソコソ

おやじ「こらー。聞こえてんぞ、嬢ちゃんたち」

凛「むしゃがんだむ♪」

にこ「にっこにっこにー♪」

おやじ「園田の嬢ちゃん。お前さんのお仲間は愉快な奴ばかりだ」

海未「日々、頭を抱えています」

にこ「なに海未ちゃん!? 一人だけ賢いふりをしてんのよ?」

凛「海未ちゃんもたまにぶっ飛んだことをするにゃ!」

海未「な、何を言っているんですか!」

凛「ニコちゃん知ってる? 海未ちゃん、部室でガンプラ広げてニヤニヤしていたんだよ?」

にこ「うわー、ひくわー」

海未「人の趣味を馬鹿にしないでください!」

おやじ「いや、趣味じゃなく、お前さんの行動に問題があるんだろうが」


【海未ちゃんも元気になったようだし、めでたしめでたしかにゃ?】


                       続


12話のシリアスシーンの裏側

にこりんうみのお話でした

今回のお笑いトリオはこの三人ぽいですね


*一件落着な帰り道
*ラーメン屋おやじ


凛「──そんなわけでμ'sは再始動したにゃ!」

おやじ「ほう。そりゃ、良かった」

凛「おやじさんは、結局、凛たちのライブ一度も見に来てくれなかったよね?」

おやじ「そりゃ、お前さん。オレには店があるからな」

凛「でも、半分趣味みたいなものでしょ?」

おやじ「夢が趣味なんて最高だろう?」

凛「それは分かる気がするにゃ。ってさり気なく話題をすり替えられるところだったよ!」

おやじ「まぁ、気が向いたら行ってやるよ。まだまだ機会は残ってんだろ?」

凛「うん! これからもμ'sは9人で頑張っていくにゃ!」

おやじ「おうおう、頑張れよ」

凛「うん!」

凛「──こうして、凛とおやじさんの物語は一旦幕を閉じるにゃ」

おやじ「なんだ? そのモノローグ?」

凛「最終回っぽいでしょ?」

おやじ「何の最終回だよ?」

凛「凛のラーメンぶらり旅」

おやじ「そんな番組があったとはな」

凛「ぶっちゃけ、お小遣いがピンチにゃ!」

おやじ「まぁ、あれだけ通ってればな」


【あとお父さんに晩御飯のことで色々言われているにゃ!】


おやじ「そうか。嬢ちゃんはしばらく来ないわけか」

凛「寂しい?」

おやじ「いや、全然」

凛「酷いにゃ!?」

おやじ「まぁ、気が向いたらいつでも来な。少しはサービスしてやるぜ」

凛「減塩、野菜増しにゃ!」

おやじ「よく分かってんじゃねぇか」

凛「それじゃあ、おやじさん──またね」ニッコリ

おやじ「おう。気を付けて帰りな」

凛「変な奴にあったら大声をあげるにゃ!」バイバイ

おやじ「よく分かってんじゃねぇか」


海未「凛は帰りましたか」

おやじ「よう、園田の嬢ちゃん」

海未「約束を果たしに来ましたよ」

おやじ「そうかい」


【あれれ? 凛が帰った後にもまだ何かあるにゃ?】


ことり「こんばんは、おやじさん」

おやじ「よう、メイドの嬢ちゃん。結局、こっちに残っちまったな」

ことり「もう……。おやじさん、分かっていましたよね?」

おやじ「さあな」

穂乃果「こ、こんばんは……」コソコソ

おやじ「よう、穂むらの嬢ちゃん。お灸はすえてもらったか?」

穂乃果「うぅ……。痛いほどです……」

おやじ「まぁ、自分のケツは自分で拭かないとな」

おやじ「何にしろ、三人また揃えて良かったな!」

穂乃果・海未・ことり「はい!」

おやじ「まぁ、ラーメンでも食ってゆっくり語りな」

海未「おや? 今日は早く帰れとは言わないのですね」

おやじ「ん? 保護者が外で待っているからな」

ことり「ピィ! お母さん!?」

理事長「ふふっ。おやじさん、私は他のお店に入っていますので、それまで娘とその親友たちをお願いします」

おやじ「あいよ! 南の嬢ちゃん」

穂乃果「えぇ!? ことりちゃんのお母さんとも知り合いなの!?」

おやじ「常連客さ」


【穂乃果ちゃんたちはラーメンを食べながら、ゆっくりと語りあったにゃ!】


*翌日の帰り道


凛「ただいまにゃ!」

おやじ「おい! 昨日の台詞は何だったんだ!?」

凛「気が向いたにゃ」

おやじ「はいはい、お前さんはそういう奴だよな」

花陽・真姫「こんばんは」

おやじ「おう。眼鏡の嬢ちゃんに西木野の嬢ちゃん、いらっしゃい!」

花陽「はぁー、ここのごはん久しぶりですー」

真姫「冷やしトマト、いただけますか?」

おやじ「はいよ!」

凛「むしゃがんだむ♪」カチャチャカチャ

おやじ「あ、てめぇ。また自堕落な姿にしやがって」

凛「やっぱり、マスコットはこうじゃないといけないにゃ!」ゴロン

真姫「前から気になっていたんだけど、それって凛ちゃんのおもちゃなの?」

凛「むしゃがんだむ(凛すぺしゃる)にゃ!」

真姫「最近のおもちゃってよく動くのね」マジマジ

花陽「昔のムシャガンダムにはおむすびがついていたんですよ」ニコニコ

おやじ「……なんで眼鏡の嬢ちゃんがそんなこと知ってんだよ?」

凛「かよちん、お米に関することなら万能だから」

おやじ「それで納得して良いのか?」

花陽「おやじさん、秋田県出身ですよね?」

おやじ「やべぇ、この嬢ちゃん、怖ぇ」


【今日は一年生組が思い思いに語り合ったにゃ! あ、ニコちゃんが居ないにゃ!?】


*実は珍しい三人組


にこ「ニコは3年生よ!?」

希「なんやニコっちいきなり?」

絵里「ふふっ。ニコったら騒がしいんだから」

おやじ「おう、いらっしゃい! 嬢ちゃんたち」

にこ・希・絵里「こんばんは!」

希「なんやか、ここも随分久しぶりやね」

絵里「そうね。おやじさん、ペリメニあるかしら?」

おやじ「ねぇよ。普通の餃子で我慢しな」

絵里「あらー? 残念」

希「なぁ、ニコっち。えりち、緊張の糸が切れたんか、おつむが少しアレやない?」

にこ「薄々気づいていたけど、だんだん賢くなくなってきているわね……」

絵里「よーし、もう少ししたら皆で合宿よ! 真姫の別荘で」

希「あかん。この子、前は真姫ちゃんに遠慮しとったのに……」

にこ「もう手遅れよ、希」

絵里「ハラショー! このペリメニ美味しいわね」

おやじ「いや、普通の餃子だよ」


【ネジが一本外れた絵里ちゃんはここからドンドンその賢さを……にゃ!】


;エピローグ
*μ'sの帰った星空の下
*らーめん屋おやじ


??「まだ営業中ですか?」

おやじ「ん? ああ、まだ大丈夫だぜ」

??「それは良かったです」

おやじ「あんた!?」

??「どうかしましたか」ニコニコ

おやじ「いや、まさか……いや、間違いねぇ! あんた! あの時オレを助けてくれた美人さんじゃねぇか!?」

??「あら? 私、美人ですか?」

おやじ「そりゃ、まぁ、そうだろ……」

??「ふふっ、おやじさんが照れる姿なんて初めて見ました」

おやじ「いや、待て待て待て! 何であの頃と姿が変わってないんだ!?」

??「あんちえいじんぐ?ですよ」

おやじ「嘘だろ?」

??「はい。ふふっ」

おやじ「オレは夢でも見てんのか……?」

??「胡蝶の夢、かもしれませんね」

おやじ「そうかい。それならそれで良いさ。あん時は世話になった。おかげ様でここまで来ることができた」

??「いえ、私こそ少しでも恩を返せていたなら幸いです」


【……】


おやじ「オレはあんたのような美人に、何かした記憶なんてないんだがな」

??「ふふっ。私はされた記憶、たくさんありますよ?」

おやじ「……あんた、一体何者なんだ?」

??「ただの、そうですね……大人を頑張っている子供でしょうか?」ニコッ

おやじ「……ああ……やっぱり、オレは夢を見ているのか」

??「この夢はお互いの志が成した、一つの物語かもしれません」

おやじ「そうかい。そりゃ、良い夢だ」

??「はい。良い夢です」クスッ

おやじ「それで、『嬢ちゃん』。注文は?」

??「そうですね……」コレ?

おやじ「それは武者頑駄無だ」

??「ふふっ、それじゃあ、『いつもの』でお願いします」

おやじ「はいよ! 塩ラーメン一丁! で良いのか?」


【おやじさんの言葉を聞いて、そのロングヘアの女の子はにっこり笑った、にゃ!】


                   星空凛「おやじさんと凛」第1期 終


これにて『星空凛「おやじさんと凛」』は終了となります

お付き合いいただいた方はありがとうございます

色々書き試していた自分のSSの完成形がこちらになります

本編にも少し。基本的にSSでオリキャラは自分自身好まないのですが、
恋愛チェッカー時にメガネが許容されていましたので、その許容できる範囲がこのおやじさんでした
テンプレキャラでもありますしね
テンポは部長の時と大体同じくなりつつ、シリアスもちょっとやり、微妙にSFを入れたごった煮です

最後のエピローグの謎は第2期があれば明らかになるかもしれません
スラムダンクになるかナルトになるかは分かりませんが

それではまた機会がありましたら

終わっちまった…
とっても楽しめたおっつおつ

>>151~156
ありがとうございます
2期をやる場合(未定)は、星空凛「おやじさんと凛」第2期で立てようと思います
劇場版は田舎なので、DVD待ちですね
最初は1期内だけで続けて、真姫「おやじさんと私」とかも考えていました

ちなみにおやじさんの病気は自分の周りに最近多いのですが、
それでもおやじさんのように過ごしている人の姿を見て、感銘した影響です

ガンダムは完全に趣味枠でしたが、意外と要所で活躍していましたね

今回のお話は書いていてとても楽しかったです。以上、長文失礼しました

他の作品があるならラブライブじゃなくても教えてほしいです!

感想いっぱいで凄い嬉しいです

>>128 前作のコピペですが
古いのだと穂乃果「悲しみに二つの祝福を」(元ネタ有)、穂乃果「ねぇ穂乃果ちゃん?」穂乃果「なあに? 穂乃果ちゃん?」
最近のだと穂乃果「恋愛チャッカー?」、ハイパージャンボ~、星空凛「部長!」、星空凛「矢澤先輩」
実験作(駄目だったやつ)だと真姫「マッチ売りの少女」、『μ's戦隊! リリーホワイト』、海未「穂乃果はもういない」、(そこそこ)海未「穂乃果がいない」
*注意:各作出来に差あり。作風独特。 読みやすいのは凛ちゃんシリーズ 恋愛~、シリアスなのは悲しみ~、海未ちゃんシリーズ

>>163
>>128 ではなく >>162 でした
いかん、嬉しくて浮かれてしまっているようです

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年07月01日 (水) 21:45:22   ID: 9V4LxBGB

ガンダムのところから読むのを止められなかった
傑作だろコレ
途中の凛パパはまとめにいらないだろ

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