八幡「不思議な関係性」 (75)

八幡「なあ、一色…」

一色「はい、なんです?」

八幡「ここ俺の新しい、昼休みの時間を過ごす場所なんだけど?」

一色「教室で食べればいいんじゃないですか?」

八幡「新しいクラスになっても、あそこに俺の居場所はなかった」

一色「うわ、臭い台詞…似合わないどころか、気持ち悪いですよ先輩」

八幡「俺の心抉って行くスタイルなんですかね…」

八幡「クラスに居場所がないというのは冗談だが…俺は静かな方がいいんだよ」

一色「先輩、未だにぼっち発言なんですね」

八幡「俺はぼっちだ」

一色「もう違いますって、3年になってからは特に」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1435029869

八幡「それはお前がまとわりついてくるからだろ…」

一色「先輩も、こんな可愛い後輩に慕われるとか嬉し過ぎますよね?」バンバン

八幡「肩叩くなっての、あざといし」

一色「あざとくないですよ、素ですよ」

八幡「はいはい」


三浦「あれ、やっぱりあんたらここにいたし」

八幡「三浦も来たし…」

三浦「なに?迷惑とか?」

八幡「いえ…」(怖すぎる三浦…逆らえない…)

一色「三浦先輩、こんにちは~!」

三浦「こんちは、いろは」

一色「はい」


八幡「しかし、いつの間に仲良くなったんだお前ら…葉山のことあるんじゃねぇの?」

一色「……」

三浦「まあ、そのことはもういいし」

八幡「…」

三浦「というより、隼人たちはいいから」

八幡「まだ喧嘩してんのかよ…」

三浦「うるさい…」

八幡(三浦があのグループから孤立してどのくらいたったのか)

八幡(確か発端は、葉山が雪ノ下に告白するって言いだしたからとか…)

八幡(で、三浦が猛反発して、葉山と喧嘩になって…仲裁に入った、由比ヶ浜にも強くあたったらしい)

八幡「それで?なんで三浦はいつも俺のところに来るんですかね?」

三浦「別に…なんとなく」

八幡「なんとなくかよ」

一色「でも、変なメンバーですね。これはこれでありじゃないですか」

八幡「おれは有りじゃないけどね」(三浦が怖くて、落ち着いて食べられん)

八幡「一色はなんでここに来るんだよ?教室で食えよ」

一色「いいじゃないですか、別に」

八幡「どっか行け」

一色「人を犬みたいに言わないでください」

三浦「あーしとしては、生徒会長と仲良いヒキオの方が驚きっていうか」

八幡「だれが仲いいって?」

一色「…」

三浦「いろはって隼人狙いじゃなかったっけ?」

一色「まあ。それはそうなんですが」

一色「葉山先輩、雪ノ下先輩にご執心みたいですし…」

八幡「あいつ取り繕わなくなってきたな」

一色「わたし、葉山先輩は大好きでしたけど…少しだけ冷めたかな」

八幡(まあ、自分が好きな男が他の女追いかける姿は見たくないだろう)

八幡「三浦は?」

三浦「なにが?」

八幡「葉山のことだよ」

三浦「隼人のこと…」

八幡「まだ好きなんだろ?」

三浦「…うん、でも…喧嘩したし、あーし孤立したし…」

八幡(あんま孤立に慣れてないのかこいつは)

八幡「戻りたいんだろ?前の関係に。気に入ってるって言ってたじゃねぇか」

美浦「確かに、戻りたいけどさ…」

八幡「奉仕部に頼れよって言っても…由比ヶ浜がいるしな」

美浦「あ…う、うん」

八幡(あーしさん、落ち込んでるな)

八幡「しょうがない…」


奉仕部 部室

結衣「ゆきのん、ここの問題は?」

雪乃「ここは、この方程式を当てはめればいけるわ」

結衣「さっすがゆきのんっ!」

八幡「…」(雪ノ下に変化はないように見えるな)

八幡(由比ヶ浜も葉山のことは言ってないか…雪ノ下に葉山は告白してるのかどうか)


一色「せんぱ~い、本当に手伝うんですか?」

八幡「ここで言うな」

一色「だって…」

八幡(昼休みの時間に三浦と葉山達の仲を戻すことを手伝うことにしたけど…)

八幡(もちろん、俺個人への依頼ってことで)

八幡「あ…平塚先生の頼まれごと忘れてた」

結衣「え?なにそれ?」

雪乃「まったくあなたは」

八幡「ちょい行ってくる、一色もいいか?」

一色「え~わたしもですか~?」

八幡「生徒会の仕事、手伝ってやるから来てくれ」

一色「う~ん、それならいいですけど…」

ガラガラ


結衣「…う~ん」

雪乃「由比ヶ浜さん?」

結衣「なに、ゆきのん?」

雪乃「どうかしたの?」

結衣「なんでもないんだけど…最近仲いいな~って」

一色「それでなんですか?平塚先生の頼まれごとは嘘ですよね?」

一色「かわいい後輩に欲情したんですか?それはまだ無理ですごめんなさい」

八幡「三浦の頼みごとを手伝ってほしいんだが」

一色「あ、完全スルーで来ましたね。地味に傷つきますよ~」

一色「わたしも手伝うんですか~?」

八幡「俺のぼっちの居場所を守るためだ」

一色「三浦先輩以外にも、私も来てますよ?」

八幡「お前は……まあ、あれだ」

一色「はい?」

八幡「言ってもくるというか、よくわからんからいい」

一色「ええ~なんですかそれ?告白ですかそうなんですか?でも少し考えさせてください」

八幡「…」

八幡「で、手伝ってくれるのか?俺じゃ戸部とかに聞きにくい」

一色「う~ん、仕方ありませんね」

八幡「助かる」

一色「デートに連れて行ってくださいね」

八幡「はい?」

一色「奢りでデートに連れて行ってくれたら、協力します」

八幡「足元見やがって…まあ、それなら」

一色「じゃあ、そういうことで」

また明日
数日以内には終わらせる予定です

結衣「あ~今日も終わったね~」

雪乃「ええ、依頼は来なかったけど」

八幡「いや、俺達も3年だしな…部活というのもどうかと思うが」

一色「先輩たちが卒業しちゃったら、奉仕部ってどうなるんですかね」

八幡「そりゃ…廃部?」

雪乃「それは寂しいわね、平塚先生になんとかしてもらうというのもあるけれど」

結衣「部員がいないとね」

一色「わたしもその時は3年生ですしね…」

八幡「…雪ノ下」

雪乃「なに?」

八幡「ちょっと話あるんだけど、いいか?」

雪乃「?犯罪の臭いがするわね…」

結衣「ヒッキー、そんな堂々と…」

八幡「おい…犯罪の臭いってどんな香りだよ…すぐ終わるっての」

雪乃「構わないけど」

八幡「じゃあ、ちょっと向こうで」

スタスタ

結衣「…なんだろう?」

一色「こほん」

一色「えっと結衣先輩、聞きたいことがあるんですけど」

結衣「え…いろはちゃん?なに?」

一色「葉山先輩たちのことで…」



雪乃「それで?聞きたいことというのはそんなこと?」

八幡「まあ、そうだな」

八幡「実際のところどうなんだ?」

雪乃「そうね、葉山くんに既に告白されているわ」

八幡「マジか…やっぱりって言ったほうがいいのか」

雪乃「続きも聞きたいのでしょう?」

八幡「そうだな、聞かせてくれるんなら」

雪乃「結論から言うと…断ってはいないわ」

八幡「意外な言葉だな」

雪乃「保留という形にしているの」

八幡「そうか」

雪乃「私も考える時間がほしいし…残りの高校生活は葉山くんも正直に過ごしたいと言ってたし」

八幡「仮面をはがすってことか…」

雪乃「その言い方は適当ではないけど、そういうことね」

雪乃「彼は、期待に応えて演じるのが疲れたと言っていたし」

八幡「だから、三浦とも喧嘩になったんだな…」

雪乃「あなたの質問に対する答えは以上だけど、参考になったかしら?」

八幡「ああ、なんとかな。時間とらせて悪かったな」

八幡「もう行こうぜ」

雪乃「比企谷くん」

八幡「ん?」

雪乃「あなたは思うところはないの?」

八幡「……ないわけじゃねぇけど」

雪乃「私とあなたの関係は勘違いだったのかしら?」

八幡「依存だったんだろ…」

雪乃「…そうね」

八幡「お前は葉山との方が合ってるし、以前は好きだったんだろ?今もか」

雪乃「わからないわ」

八幡「俺なんかより、葉山との方がお似合いだっての」

雪乃「寂しいことを言うわね…」




一色「葉山先輩変わったんですね、やっぱり」

結衣「変わったっていうか…優美子にあんなに怒った隼人くんは見たことないけど」

結衣「でもよく考えたら、今まで怒ったところ見たことない方が変なのかも」

一色「それはそうですけど」

結衣「いろはちゃんってさ、隼人くん狙いだったよね?ね?」

一色「そうだったんですけど~最近は冷めてきたというか…振られてますし」

結衣「え、え…」

一色「あ、先輩戻ってきましたよ」

結衣「あ、ほんとだ。もういいの?」

八幡「ん、まあな」

雪乃「お待たせしてごめんなさい」

一色「いいですよ、それじゃあ帰りましょう!」

八幡「ていうか、なんでこの面子で一緒に帰ってんだよ…」

八幡(紆余曲折はあったが…なんだかんだで絆は深まってる気がする)

八幡(あ、奉仕部のね)

翌日 昼休み 校庭の隅

三浦「え…じゃあ、雪ノ下さんに告白したんだ、隼人…」

八幡「みたいだな、雪ノ下の奴もまんざらでもないようだった」

一色「へ~意外ですね」

三浦「そう…そうなんだ…」

八幡(うわ、あからさまに落ち込んでるな…)

八幡「まあ、そう落ち込むなよ。まだ、雪ノ下がOK出すと決まったわけじゃないしな」

三浦「でもあの二人、関係性が強いし…雪ノ下さんが保留したんなら…あーしの入る隙間なんて」

八幡「仲直りするのは協力するが…恋愛に関してはわからん」

一色「雪ノ下先輩がOK出したら、晴れて恋人で終わりですもんね」

三浦「…そうだけど…」

八幡「今、葉山に色々聞いても意味ないだろうしな」

八幡「あいつも、保留中で他に気を配ってる余裕はないだろうし」

八幡「とにかく、雪ノ下が答え出すまで待機だな」

三浦「それまで、待機…」

八幡「気を落とすなよ、あんまり」

三浦「わかってる、ヒキオに気使われるとかムカツクし」

八幡「いやいや、依頼したのお前だからね?」

三浦「ふん…」

一色「少し元気になりましたか~?」

三浦「さあ?」

三浦「そういや、聞きたいことあんだけどさ」

八幡「俺にかよ?」

三浦「ヒキオってさ、結衣となんかあんの?」

八幡「はあ?」

三浦「あんた、前のバレンタインで結衣からチョコもらったでしょ?」

八幡「知ってんのかよ…」

一色「ぼっちのくせに結衣先輩から貰うとか…引きます」

八幡「やめろ…ただの義理だろ。奉仕部だし」

三浦「まあ、あーしも結衣があんたみたいなのと付き合うとは思えないけど」

八幡「それ修学旅行でも聞きましたよ」

一色「というより、わたしもあげましたよね~」

八幡「そ、そうだっけ…」

一色「都合よく忘れるとかひどくないですか?」

八幡「ここで言うとか、俺を晒し者にしたいの?」

三浦「うわ…ヒキオ、あんた意外に貰ってるし…別の学校の人からも貰ってなかった?」

八幡「どうだっけな…」

三浦「ごまかす必要なくない?」

八幡「その手の話はちょっとな…あんまいい思い出もないし」

一色「モテない時期長かったんですね…トラウマなんですね」

八幡「うるせぇよ」

八幡(雪ノ下の奴、いつ答えだ出す気なんだ?)

八幡(俺としても、早めに依頼終わらせたい)

八幡(一色だけでもあれなのに、三浦まで来てんのよ?)

八幡(俺の安息の日々よ…カムバ~ック!)


三浦「んじゃ、あーし教室もどるし」

八幡「おう」

一色「じゃあ、わたしももどりますね~」

ではまた明日

放課後の奉仕部

結衣「最近本当に、受験勉強だけになってきたよね~」

八幡「そうだな、まあいいことなんだが」

雪乃「あなたはまた、一人で依頼を受けているけれどね」

八幡「おい…雪ノ下…」

結衣「知ってるよ大体。優美子の依頼でしょ?」

八幡「なんでって…ああ、一色か」

結衣「隼人くんのこととか聞かれたし、そうなのかなって」

雪乃「あなたが一色さんに協力を要請したのでしょ?」

八幡「いきなりバレてるとか…」

結衣「わざわざ隠す必要ないのに」

八幡「余計な心配かけるのもな、由比ヶ浜はちょっと喧嘩したんだろ?」

結衣「喧嘩って程じゃないよ、クラスも今は違うからちょっと気まずいのが続いてるだけで」

八幡「それがあるから、俺が一人で受けたんだよ。三浦もそれがいいって言ってたし」

雪乃「三浦さんに信頼されてるわね」

八幡「はあ?」

雪乃「ごめんなさい、言い方が悪かったわね。比企谷くんは意外とみんなに信頼されるわね」

八幡「意味がわからんけどな…」

結衣「ヒッキー、優美子のことお願いね、あたしも早く仲直りするから」

八幡「わかったよ、あとは…」チラ

雪乃「…」

八幡(こいつはいつ答えだすんだ?)

八幡(由比ヶ浜もいるし、しばらく様子見かな)

数日経過


いろは「そういわけで先輩」

八幡「なんだよ?」

いろは「デートですよデート」

八幡「デートかよ…本気ですんの?」

いろは「そういう約束じゃないですか」


三浦「なに?あんたらそんな約束してたの?」

八幡「聞き耳たてんなよ」

三浦「こんな近くで、そんな話題するからじゃん」

八幡「そもそも、お前がここに来るからだろ」

一色「三浦先輩も遊びに行きませんか?」

三浦「はあ?デートなんでしょ?」

一色「そうなんですけど~今回は3人で遊ぶのを優先しようかなって」

八幡「なにこれ?俺の意見は?」


三浦「ヒキオと遊んでも、楽しくなさそう」

八幡「ひでぇ」

一色「前のデートの時はおもしろかったですよ?」

三浦「本当に?」

一色「ええ、慣れてない感じでしたけど先輩」

三浦「それな、想像できる。あと前もデートしてるん?」

一色「そうですね、年明けくらいに」

三浦「ふ~ん、そういうことなら興味あるかも」

八幡「勝手に話進めんな」

八幡(一色はもう慣れたが…三浦と出かけるのは慣れないしな…)

八幡(しかし良く考えたら、何回か一緒に出掛けてるんだよな)

八幡(最初は、平塚先生の差し金だったか)

休みの日

八幡「おいおい、結局3人で遊ぶ約束取り付けたし…なにこれ?」

八幡「ていうか雪ノ下…早く答え出せよ…」

三浦「待った、ヒキオ?」

八幡「三浦か」

いろは「今来たところですよね、先輩?」

八幡「いや、それ俺の台詞だし、決めつけないでね?」

いろは「先輩、最近切れのある突っ込みがなくなってきましたよ?」

八幡「お前のせいだ」

三浦「夫婦漫才はいいとして」

いろは「誰が夫婦ですか~」

八幡「まったくだ」

三浦「何処行くの?決めてないし」

八幡「つーか、本当に行くのか?この面子で」

いろは「どうしましょうか…」

八幡「サイゼにでも行くか」

三浦「うわ…」

いろは「先輩、その発言はちょっとないです」

八幡「本気で後退りしないでね?泣いちゃうよ」

三浦「特に行くとこ決めてないんだったらさ、携帯見に行きたいんだけど」

八幡「買い換えかよ」

三浦「いや、タブレットとか」

いろは「じゃあ行きましょうか」


-------------------------------


八幡「…」

いろは「もうガラパゴス携帯はなくなる時代なんですね」

三浦「ホントそれ、スマホ最初使いにくくてさ~」

八幡「たった1、2年で変わりすぎだな…」

三浦「タブレットはこの辺か、てか高い」

いろは「あ~なかなか手が出ないですね、これは…」

三浦「大学行くまでお預けかな~」


八幡「新機種なんでこんな高いかね…もうすぐ5桁いきそうな値段だし」

雪乃「まったくね、たかだか電話をするだけのものなのに」

八幡「ん?」

雪乃「奇遇ね、比企谷くん」

八幡「お前何してるの?こんなところで」

雪乃「私はショッピングのついでにここに来ただけだけど」

雪乃「あなたはどうやら、めずらしいメンバーで来てるみたいね」


八幡「ん…まあ」

雪乃「一色さんと三浦さん…一色さんはともかく三浦さんまで」

八幡「俺もよくわからん内に、ここに来たんだよ」

雪乃「そうみたいね」

八幡「お前とあんま話ししててもあれだし、もう行くけど…」

雪乃「待って、比企谷くん」

八幡「ん?」

雪乃「私、彼の返事を受けようと思ってるの」

八幡「……そうか」

雪乃「驚かないのね」

八幡「いや、驚いたけどな。決めてくれて助かった」

雪乃「ええ、でも…」

八幡「俺が言えることはねぇよ、まあここで聞かされるとは思わなかったけど」


雪乃「そうね、ごめんなさい」

八幡「いいっての、付き合うんだな」

雪乃「ええ、もう一度見つめ直そうと思ってるわ」

八幡「…そうか、わかった」

三浦「あれ、今のって…雪ノ下さん?」

八幡「ああ、偶然会った」

いろは「なにか話してたんですか~?」

八幡「ああ、まあ少し…」

三浦「…」

八幡「えっとな、三浦実は……」

三浦「…え?」


………

平日 昼休み


いろは「今日も来ないですね、三浦先輩」

八幡「この前の雪ノ下のカミングアウトでへこんでたからな」

いろは「でも、葉山先輩と雪ノ下先輩が…」

八幡「お前はいいのかよ?」

いろは「わたしは平気ですかね。あんまり気にならないです」

いろは「やっぱり冷めてましたね」

八幡「ふ~ん」

いろは「それよりも、先輩に恋人できた方が傷ついたりして」

八幡「アホか、やめろ」

いろは「冗談じゃないですよ」

八幡「そこは冗談ですだろうが」

八幡「しかし…三浦が来ないとなれば…」

いろは「先輩、どうするんですか?」

八幡「そろそろ、葉山に会うかな」


放課後

葉山「ん?比企谷か…」

八幡「よう」

葉山「そろそろ来るんじゃないかとは思ってたよ」

八幡「雪ノ下とうまく行ったんだってな」

葉山「俺としても意外だったよ」

八幡「一色の奴が言ってたが、あんま気にならないらしいぞ」

八幡「嫌われたな」

葉山「それは残念だ、でも彼女は君といて元気そうだし安心だよ」

葉山「比企谷なら、彼女を悲しませたりはしないだろうからね」

八幡「いやいや、俺の平穏奪われましたけどね」

葉山「贅沢な悩みだな」


八幡「三浦のことだが」

葉山「…喧嘩のことかい?」

八幡「ああ、あいつ俺や一色のところにも来なくなったぞ」

葉山「そうか…しかし、俺が何かするのは間違ってる気がするな」

葉山「俺は優美子を利用してた面もあるしね」

八幡「喧嘩したのは突き放す側面もあったのかよ」

葉山「ああ、君のところに行ったのは意外だったけど」


八幡「…」

葉山「俺は繕うことはやめにしたんだ。それに…」

葉山「今は雪乃ちゃんだけのことを考えたいと思ってる」

葉山「わだかまりが大きかったからな、少しのことで振られかねない」

葉山「これから、神経をすり減らす日々になりそうだ」

八幡「そこまですんのかよ…」

葉山「雪乃ちゃんはすぐ君に振り向きそうだから大変だよ」

八幡「三浦は?」

葉山「今は何もしないことが、俺の優しさだと思ってる」

八幡「…」

いろは「え~!それで戻ってきたんですか?」

八幡「ああ」

いろは「先輩、どうやって三浦先輩と葉山先輩仲直りさせるつもりなんですか?」

八幡「最初は、そうだな…三浦が振られたら、適当に話してって考えてたが」

いろは「意外にOKになって予想外だったってことですか?」

八幡「そうじゃねぇよ、雪ノ下がOK出すのも想定してた」

いろは「じゃあ…」

八幡「葉山の奴が予想以上に素を出してたというか…取り繕わなくなってたからな」

八幡「2年の頃のあいつとはかなり違う」

八幡「正直、葉山には今言っても何もならない気がする」

いろは「どうするんですか?依頼は」

八幡「そうだな…こうなったら…」


-----------------------------------------

次の日


三浦「…」スタスタ


結衣「やっはろ~!優美子」


三浦「結衣…なんか用?」

結衣「うん…えっと、色々話したいことあるんだけど…いいかな?」

三浦「いいけど…」

結衣「えっとまずは…この前はごめんね?」

三浦「仲裁のときのあれ?あんたはあーし止めただけだし」

三浦「あーしが暴言吐いた…あーしが完全に悪いし…」

結衣「えっと」

三浦「その…ごめん」

結衣「うん、仲直りできるよね?」

三浦「もちろん…あーしもしたかった…」

結衣「あたしもだよ…でさ」

三浦「うん」

結衣「隼人くんのことは…えっと…」

三浦「……」

結衣「ゆきのんと付き合うことになったけど」

結衣「でも、ゆきのんも悪気はないし…隼人くんこれから苦労するだろうし…」

三浦「ごめん…今は隼人のことは考えられない」

結衣「そうだよね…じゃあさ」

三浦「なに?」

結衣「『また顔出せ』ってさ、ヒッキーが」

三浦「……」

結衣「あはは…」

三浦「結衣はさ…いいの?それで」

結衣「…」

三浦「あーしがヒキオのところ行って」

結衣「あたしは…」

三浦「前のチョコだって…本命だったでしょ?」

結衣「……」

三浦「いいの?」

結衣「いいよ、優美子がヒッキーの近くで元気になってくれるなら」

三浦「結衣…」

結衣「でもだからってヒッキーは渡さないけどね、もちろんいろはちゃんにも!」

三浦「渡さないって…別にあーしは…」

結衣「でも今後どうなるかわかんないじゃん!」

三浦「…」



三浦「…あいつって不思議な魅力があんのかな」

三浦「結衣にここまで言わせるとか…そういやいろはもだし」

三浦「ちょっと興味湧いたかも…」

昼休み

いろは「それで~?結衣先輩にまかせっきりにしたんですか?」

八幡「人聞き悪いこと言うなよ」

いろは「だって同じじゃないですか~」

八幡「どの道、今の段階で二人が仲直りとか無理だからな」

八幡「だから、由比ヶ浜との仲直りのついでにちょこちょこっとな」

いろは「はあ…」


三浦「なにがちょこちょこっとだか」

八幡「三浦か…てきたのね」

三浦「あんたが、どうしてもとか言うから?しょうがなく」

いろは「先輩…」

八幡「いろはす、トーンが凄いことになってるぞ、自重しようか?」

八幡「由比ヶ浜と仲直りしたんだろ」

三浦「思いのほか簡単にね」

三浦「ていうか、余計な気を回しちゃってさ…」

八幡「お前が落ち込んでも困るんだよ、依頼の対象者だし」

いろは「先輩って素直じゃないですよね、こういう時」



三浦「まあ、これからもここに来るからよろしく」

八幡「俺の平穏よさらば…」

いろは「なに言ってんですか、先輩」

八幡(良く考えたら、依頼はこなしてないわけだが)

八幡(さらに三浦もここに居座るわけだし…なにこれ?)

八幡(雪ノ下と葉山が付き合って、俺と三浦と一色の変なトリオとか…)


三浦「つーかさ、このメンツやっぱ変じゃない?」

いろは「かもしれませんね、なら結衣先輩も呼びましょうか」

三浦「それいいじゃん、雪ノ下さんは忙しいし、色々と」

いろは「じゃあ、今度呼んできますね」

八幡「いや…勝手に決めないでね?」


八幡(これが、今の俺の不思議な関係性だ…)

八幡(ここから、恋愛模様に発展するとかは…あるのか?よくわからん)


八幡(どの道、俺の平穏は戻ってきそうにないけどな…)


おわり

こんなところで終了です

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom