八幡「は?浮気?してねぇよ…」 (207)


いろは「先輩?用ってなんですか~?」

八幡「…お前にこんなこと頼むのもあれなんだけど…」

いろは「先輩、3年になったからって調子に乗ってませんか~?」

八幡「3年には自動でなるしな…」

いろは「じゃあ、なんなんですか?こんな教室の端っこに呼び出して」

八幡「えっとな、俺とデートしてくれ!」

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いろは「………は?」

八幡「だから、デートしてくれ……」

いろは「……」

八幡「あの…一色さん?」

いろは「いきなり何ですか?口説いてるんですか?気持ち悪すぎて、直視できないです…」

八幡「いや、ひどすぎるからね?…あと、お前もデートとか言ってきたことあったよな?」

いろは「あ、あれは…葉山先輩をデートに誘った時の予行演習というか…」

八幡「それだよ」

いろは「え?」

八幡「予行演習じゃねぇけど…協力してほしいんだよ」

いろは「どういうことですか?話が飛び過ぎてわかりません」

八幡「あ~~なんていうか……話聞いてないか?」

いろは「なんのですか?」

八幡「…聞いてないのね…」

いろは「だから、なんのですか?」

八幡「俺、雪ノ下と付き合うことになったんだよ…うん…」

いろは「……」

八幡「……」

いろは「…え…そ、そうなんだ…」

八幡「ああ…」(あれ?なんか、すげぇ意外な反応…)

八幡(もっと、『雪ノ下先輩と先輩が?釣り合わな過ぎてキモイです~~』とか言われると思ったが)

いろは「……」

八幡「それでな…この前デートしたんだけど……」

いろは「ええ…」

八幡「慣れなくて…色々失敗しちまってさ…」

いろは「…次は失敗したくないから、私で勉強したいと?」

八幡「ま、まあ…そんな感じだな…」

いろは「……」

八幡「どうだ…?」

いろは「まあ、先輩にはお世話になりましたし…しょうがないですね」

八幡「いいのか?悪いな」

いろは「というより、この前のデートの時、参考にしてくださいって言いましたよね?」

八幡「頭真っ白になってそれどころじゃなかったんだよ…」

いろは「何やってるんですか~全く」

八幡「…今度はちゃんと勉強する」

いろは「そうですね、お願いしますよ」

八幡「おう」

いろは「じゃあ明日にしましょう!」

八幡「明日いきなりか?」

いろは「こういうのは早い方がいいですからね!」

八幡「…わかった」

次の土曜日

いろは「すみませ~ん!先輩待ちまし……た……?」




そう。

そいつは、突然現れた。

比企谷八幡と雪ノ下雪乃を足して2で割ったような顔つき。
下半身は人間のそれに近いが、肉付きを見るに左右で性別が異なるように見える。
魚の鱗でコーティングされた胴体には、尻尾の千切れたワニがそのまま一匹、右肩の間接部分に接続され、腕としての機能を備えている。
背中についた鷲の羽根をばっさばっささせながら、僅かに残された雪ノ下雪乃の要素である左腕は人差し指を差して、雲一つ無い青空に向けて力強く突き上げている。

由比ヶ浜結衣の中で“コレ”を的確に表現する言葉は『キメラ』以外に見つからなかった

結衣「や、やっはろー……?」

ひきのん「……ギ」

結衣の声に反応したかのように、ひきのんの眼球が薄いカエルの粘膜のようなものでコーティングされ、青白く発光する。
水しぶきが吹き出るような音と共に、脇腹あたりの隙間から何か黄色い液体のようなものを、怒るようなうめき声を上げながら噴出した。

ひきのん「##ね###ギ####%#@#&&!!」

結衣「!?」

次の瞬間、ひきのんは結衣に向かって飛びかかってきた。
それが由比ヶ浜結衣が見た、高校生活最後の夢だった。

と思われたときだった。

結衣「やっ「やっ「やっ「やっ「やっ「やっ「やっ「やっ「やっ「やっはろー!!!」」」」」」」」」」ゴゥ!!!!

ひきのん「!?」

ひきのんが噴出した液体が、結衣の感謝の挨拶の前に吹き飛ばされたのだ!

結衣「あたしはね、負けないよ」

構えて、その八幡と雪乃だったものを睨みつける。その結衣の目からは、強い想いが感じ取れた。

結衣「ちょっとだけ待っててね。ゆきのん、ヒッキー」

結衣が軽く足を引き、そして腕を振りかぶる。

体の節々からオーラが溢れ出し、地面が呼応するように揺れた。

結衣「今、助けるから」

刹那、結衣の体がまるで獲物を狙った時の獅子のように跳んだ。

それが全てだった。

ひきのん「…………!!?」

気がつけば、すでに結衣の拳はひきのんの急所に真っ直ぐ突き刺さっており。

そのままひきのんは爆散して消えていなくなったのだった!!

雪乃「私、一体何を……」

八幡「あれ、ここは……」

結衣「ゆきのん! ヒッキー!」

すると、その爆散した後には元の姿のままの雪乃と八幡が現れた。

雪乃「きゃっ、由比ヶ浜さん? いきなり抱きつかないでもらえるかしら……」

結衣「えへへー、ゆきのん大好き!」

八幡「あれ、なんでいきなり百合展開になってるんだ……ていうか、何があったんだ?」

結衣と雪乃と八幡。

彼女たち三人の高校生活は、まだまだ終わらない。

次の日 休日

八幡「早く来すぎたよな…まだ30分もある…」

いろは「あれ、先輩。早くないですか~?」

八幡「お、おう…こういうのは、やっぱ男が早く来るのがいいんだろ」

いろは「へ~わかってるじゃないですか」

いろは「とにかく、行きましょう」

八幡「どこに…?」

いろは「先輩はどこに行きたいですか?」

八幡「家」

いろは「うわ~~普通に引きます…」

八幡「本気で引くなよ…」

いろは「家でなにするつもりなんですか…うわ…」

八幡「いや、そういうつもりじゃないからね?マジで」

いろは「なに想像してるんですか…気持ち悪いですよ…」

八幡「もういい…頼むから忘れてくれ…」

いろは「ていうか、家って選択肢、前のデートと同じじゃないですか?」

八幡「じゃあ……図書館とか、書店…」

いろは「それも同じです!」

八幡「じゃあカラオケ…」

いろは「同じになりそうなんで、それ以上言わなくていいです~!」

八幡「はあ…」

いろは「溜息はこっちがつきたいですよ。雪ノ下先輩とはどこいったんですか?」

八幡「ああ…緊張のあまりな…サイゼに…」

いろは「まあ、デートでサイゼはどうかと思いますがそんなに失敗でもないですね」

八幡「そこまではいいんだが…」

いろは「失敗って具体的になにしたんですか?」

八幡「なにも…」

いろは「は?」

八幡「特に会話もなく、飯食べて6時間くらい居座ったんだよ…サイゼに…」

いろは「はあ?」

八幡「お互い本読んでた……」

いろは「それで…?」

八幡「静かだけどよ…まあ、奉仕部で過ごす時間とあんま変わらん感じで…」

いろは「…」

八幡「で、雪ノ下がそろそろ帰りましょうかってなって…」

いろは「それ、二人でいる時の先輩たちと変わりませんよね…」

八幡「ああ…家に帰ってから、すげぇ失敗したって思って…小町にも罵られて…」

いろは「雪ノ下先輩の態度はどうでした?」

八幡「普通だったと思う。俺の見立てでは…」

いろは「何か言わなかったんですか?」

八幡「楽しかったわって言ってくれたかな…しかし、気を遣わせたのもきつい…」

いろは「それ、気を遣ったんじゃなくて本心です~」

八幡「え?なんでわかんの?」

いろは「多分、雪ノ下先輩にとっては、それくらいでちょうどいいんですよ」

八幡「はあ…」

いろは「つまり、普通の恋人らしく映画とか行かなくても、サイゼで先輩と過ごすだけで十分なのかと」

八幡「じゃあ、次もサイゼで6時間過ごせば大丈夫なのか?」

いろは「いえ…それはお店にとって迷惑過ぎるので…」

八幡「じゃあ、やっぱ色々回らないと駄目か…」

いろは「最初は服とか買いに行けばいいんじゃないですか~?」

八幡「服…ね。そういや昔、雪ノ下と行ったことあるな」

いろは「え?付き合う前ですか?二人きりで?」

八幡「ああ…1年前くらいか…あの時は、まだまだ仲良くなくてな…」

いろは「へえ…」

八幡「由比ヶ浜に見られて、付き合ってると勘違いされて、すげぇ迷惑そうだったな」

いろは「それが、今では本当に恋人になったんですね」

八幡「いや…恋人って言っていいのか、これは…」

いろは「なに照れてるんですか?キモイです」

八幡「やめろ…キモイ言うな。どの言葉、兵器だからね?」

いろは「どっちから、告白したんですか~~?」

八幡「……俺」

いろは「ええ~~先輩から?まあ、雪ノ下先輩からっていうのも、あんまり想像できませんけど」

いろは「まあ、奉仕部に入り浸ってたから、わかってましたけど…」

いろは「先輩って、やっぱり雪ノ下先輩のことが好きだったんですね」

八幡「…悪いかよ」フイ

いろは「そんなこと言ってません。ただ…ちょっと残念かも」

八幡「は?」

いろは「なんでもないです、とりあえず目ぼしいお店回ってみましょう!」グイ

八幡「うお!?引っ張るなよ…!」

相模「ん?あ、あれって…」


いろは「このお店とかいいんじゃないですか~?」

八幡「なるほどな…」

いろは「あとは…ゲームセンターでプリクラとか」

八幡「はあ?」

いろは「ほらほら」グイグイ


相模「うっそ…あれって、比企谷だよね…それと…生徒会長…?」

相模「付き合ってんの?あの二人?すっごい仲良さそうだし…」

休み明けの登校日

キーンコーンカーンコーン

八幡「眠いな…」

戸塚「眠いね…」

八幡「戸塚の台詞とは思えんな」

戸塚「いや、僕も人間だからさ。眠くもなるよ」

八幡「なんか、気のせいか、俺は見られてる気がするんだが…」

戸塚「そうなの…?」

八幡「おかしい、影の薄さでは誰にも負けないはずなのに」

戸塚「そこ誇れるのがすごいよね」

2年 教室

「ねね、いろは~」

いろは「なに?」

「なんかさ~さっき聞いたんだけど、あんた一昨日彼氏と遊んでたんだっって?」

いろは「え?なに言ってんの?」

「まあ、あんたが男と出歩くのは普通だろうけどさ…」

いろは「うん」

「その相手が、あの上級生なんでしょ?誰だっけ?」

いろは「あれ?見られてた?もしかして…」

「別にそこは普通かもだけどさ…あんた浮気してんの?」

いろは「え…浮気って…」

「だって、その人って彼女いるんでしょ~?」

いろは「あれ、その噂有名なんだ…そっか…浮気…か」

「なになに~そこんところ詳しく聞かせてよ~?」

いろは「……」

「いろは?」

いろは「ち、違うわよ~~~!う、浮気とかそんなんじゃ…第一私と先輩が歩いてたって証拠ないでしょ!?」

「ちょ、何急にあせってんの、いろは!?あやしい~~!」

ワイワイ  ナニナニ~  ナンカサ~

奉仕部の部室

八幡「……」

結衣「…う~ん」

雪乃「比企谷君、紅茶飲むかしら?」

八幡「あ、ああ、もらえるか?」

雪乃「ええ、わかったわ」

結衣「う~ん」

八幡「なんだ、由比ヶ浜。さっきから唸って」

結衣「え?あ、ううん。なんでもないよ!」

八幡「そうか?」

結衣「う、うん。大丈夫…あはははは!」

雪乃「なんだか、無理をしていない?」

結衣「無理とかじゃなくて…ふ、二人はどうなの?」

雪乃「私達?」

八幡「ん?」

結衣「ほら、付き合うようになって変わった?」

雪乃「そうね…デートには行ったけれど…まだこれからね」

八幡「そ、そうだな」

今日はここまでで

結衣「そっか…」

八幡「…?」


ガラガラガラ

いろは「こんにちは~~!」

八幡「あ…一色かよ…」

いろは「なんですか、その気のない返答は…!」

八幡「別に…」

いろは「む…!」

結衣「あ、いろはちゃん…」

いろは「こんにちは…」

結衣「う、うん。やっはろー…」

雪乃「どうしたの、由比ヶ浜さん…具合でも悪いの?」

結衣「ううん、そんなんじゃないんだけど」

雪乃「そう…」

いろは「……」

いろは「先輩!」

八幡「なんだ?」

いろは「平塚先生呼んでましたよ」

八幡「…ほんとか?」

いろは「というわけで、行きましょう!」

八幡「あ、おい!」

グイグイ

結衣「あ、行っちゃった…」

雪乃「仕方ないわね、ホントに」



廊下

八幡「で?なんの真似だよ?」

いろは「あれ?わかっちゃいました~?」

八幡「当たり前だ、言っとくけどランドのネコさん可愛いって言ってる、私可愛いアピールもちゃんと見抜いてたからね?」

いろは「さすがです!せんぱい!」

八幡「それで…なんなんだよ?一体」

いろは「お察しの通り、平塚先生の件はウソでして」

八幡「なんだ?」

いろは「雪ノ下先輩や、結衣先輩の様子はどうでした?」


八幡「雪ノ下は普通だな…由比ヶ浜は、少し変だったかな」

いろは「そうですか…」

八幡「で、それがどうしたんだ?」

いろは「何でもないです」

八幡「何でもないのかよ…」

いろは「じゃあ、先輩。帰りもデートの練習していきましょう!」

八幡「なに?まだするのか?」

いろは「当たり前です!依頼したのは先輩なんですから…」

いろは「一人前になるまで終わりませんよ!」

八幡「おいおい…マジかよ」

いろは「先輩にとっても、これはいい経験になりますよ絶対」

八幡「まあ、そうかもしれないけどな…はあ」



―――――――――――――――――


雪乃「え?どういうことかしら?」

八幡「すまん…生徒会の仕事で…平塚先生とその…話しててだな…」

雪乃「ええ、それは聞いたわ」

八幡「一色を会長に推薦したのは俺だしな…責任もあるわけで」

雪乃「だから、この後残ると言うの?」

八幡「悪い、雪ノ下…」

雪乃「謝る必要はないわ。責任感の強いあなたは嫌いではないわ」

八幡「雪ノ下…」

雪乃「だから、私も手伝うわ」

八幡「!待ってくれ、それは駄目だっての…!」

雪乃「どうして?」

八幡「彼女に手伝わせたら…彼氏の面目が立たないというか…」

雪乃「あなたにも、そんな見栄があるのね。意外だわ」

八幡「いや…そりゃ、ありますよ…」

雪乃「わかったわ。今日は帰るわ」

八幡「ああ、そうしてくれ」

雪乃「でも、必要な時はいつでも頼ってね?もう、貴方だけの身体ではないのだし」

八幡「え…?」

雪乃「それじゃ、さよなら」

八幡「……」


結衣「ゆきのん…ヒッキーはなんて…?」

雪乃「先に帰っていてと言ってたわ」

結衣「そうなんだ…忙しいって?」

雪乃「みたいね、というより…私に手伝われるのが嫌みたい」

結衣「そうなんだ…」

雪乃「子供みたいね、そんなところで見栄を張るなんて…」

結衣「あはは…そういうことなら、いいんだけどさ…」

雪乃「…?」

駅前


いろは「とりあえず、どこかで晩御飯でも食べましょ!」

八幡「俺の奢りか…?」

いろは「本来のデートならそうですが…別に割り勘でいいです」

八幡「そっか」

いろは「でも、できるだけシャレたお店に行きましょう」

八幡「例えば、どこだ?」

いろは「あそこのスパゲティ専門店とかいいと思いますよ」

八幡「…なんか見るからに、シャレた店だな…」

いろは「ええ、だから男同士でこないでくださいね?勘違いされちゃいますよ」

八幡「確かに、少し入りにくいな…これは」

いろは「でも、意外と先輩って女の人の知り合いばっかりいますもんね、意外と」

八幡「そんなに意外とって言葉繰り返さないでくれる?」

いろは「まったく…せんぱいは~」

八幡「戸塚と今度来ようかな…」

いろは「あ~確かに、戸塚先輩なら大丈夫ですね!…て、違います!」

八幡「冗談だっての…本気にしてんのか?」

いろは「…そんな冗談言えるなんて、先輩余裕出てきてますよね?」

いろは「雪ノ下先輩と付き合えたから、余裕出てきてるんじゃないですか~?」

八幡「そんなことねぇよ」

いろは「どうだか…」

八幡「なんだか、怒ってないか?」

いろは「そんなことありません、さ、入りましょう」

八幡「ああ…」

八幡「うまいな、ここのカルボナーラ」

いろは「ですよね~?メンズセットは量も多いですし…ちゃんとレディース用のセットもあるし」

八幡「で、デートに使えそうだな」

いろは「そうですね…こうやって、いいお店知るのはプラスですよね」

八幡「まあ、そうだな」

いろは「じゃあ、このあとボーリングでもして帰りましょうか」

八幡「ん?ボーリングか…まあいいけど」

いろは「こういうのって、とにかく色んな所に行って勉強するのが重要なんですよ!」

八幡「そうか…」

いろは「はい、色んな飲食店知ってれば社会人になってからでも役に立ちますよ」

八幡「ま、専業主夫希望だけどな…俺は」

いろは「もう!冗談でも茶化さないでください」

八幡「す、すまん…」

いろは「何処に行く?って軽くなった時に、じゃああの店に行こうかってなったり、行きつけのバーがあれば格好いいじゃないですか」

八幡「…葉山が前にやってたな」

いろは「でしょ?葉山先輩は多分、すごい数の引き出し持ってますよ?」

八幡「葉山ね…」

いろは「葉山先輩と雪ノ下先輩って、微妙な関係だったんですよね?」

八幡「……」

いろは「もしかして、葉山先輩の引き出しの多さに惹かれちゃう日がくるかも…」

八幡「やめろよ…そういうのは…」

いろは「だから、先輩も少しでも引き出しを多くしておきましょうよ。損はないですよ?」

八幡「わかったよ…」

八幡「なあ…一色」

いろは「はい?」

八幡「この後のボーリングも、関係あんの?」

いろは「ボーリングは流れです。ごはんの前後の遊びと考えてください」

八幡「ふ~ん、この前の卓球とかと同じだな」

いろは「そうですね」

八幡「あとな…」

いろは「なんですか?」

八幡「お前、葉山のことはどうなんだ?」

いろは「…」

八幡「…」

いろは「葉山先輩は……偽物の被り物で覆ってますよね…」

八幡「大分、剥がれてきたと思うけどな…」

いろは「葉山先輩は、結局どこまでいっても私には偽物しかくれないと思います…」

八幡「…」

いろは「私は、本物をくれる人がいいです…」

ボーリング場

いろは「ふう~~!意外と盛り上がりましたね!」

八幡「そうだな…」

いろは「先輩、100点くらいでなんとも微妙な点数でしたけど」

八幡「お前も、140点くらいじゃねぇか…」

いろは「40点の差はかなり大きいですよ!?」

八幡「…」(というより、スカートで投げるものだから…集中できなかった)

八幡(いや、下にスパッツみたいなの履いてたと思うけどさ…やっぱね?)

いろは「どうしたんですか?せんぱい?」

八幡「いや…なんでも…」

いろは「??…あの、今日は楽しかったです」

八幡「そりゃ、よかった」

いろは「先輩はどうですか?」

八幡「まあ…楽しかったかな…」

いろは「なら、明日以降もお願いしますね!今度は違うところ行きましょう!」

八幡「本当に行くのかよ…」

いろは「はい!もちろんです!」


それから…1週間くらい経過

学校

「ねね、いろは」

いろは「なに?」

「浮気の件どうなってんの?いい加減認めちゃいなよ~」

いろは「浮気ってわけじゃないんだけな…」

「ええ~うそでしょ?この前もあの2年生と仲良くごはん食べてたじゃん!」

「場所は確か…いい感じのカフェだっけ?」

いろは「見てたの?」

「へへ~~この前、ばっちり!」

いろは「…そうなんだ…」

「どうしたの、いろは…元気ないね」

いろは「この前までは、ちょっとからかうつもりだったんだけどね…」

「へ?どういうこと?」

いろは(だから、浮気の話を最初に聞いた時、わざと驚いたわけで…)

「いろは~~?」

いろは「ねえ、その話、もう少し詳しく聞かせて」

「え?いいけど~」

すいません、2年生じゃなくて、3年生の間違いです>>60

「でもさ、ちょっとやばいかもよ?」

いろは「なにが?」

「いろはの噂、あんまりいい評判にはなってないかも…」

いろは「そっか…まあ、そうだよね」

「いろは、あざとく見せる態度で嫉妬の対象になりやすいんだからさ…」

いろは「あはははは」

「ちょっと自重した方がいいかもよ?」

3年 廊下

結衣「ねえ、ヒッキー…」

八幡「由比ヶ浜…どうした?」

結衣「えっと…」

八幡「ん?」

結衣「最近さ…ゆきのんとうまくやってる…?」

八幡「昨日の休みは遊びに行ったぞ」

結衣「そうなんだ!どこに…?」

八幡「スパゲティの店で飯食べて…服とか見て…」

結衣「うんうん」

八幡「ボーリングして…あと書店巡りもしたな」

結衣「へえ、ちゃんとデートしてるじゃん!」

八幡「ま、まあな…」(ほぼ一色と回ったところなんだけどな…)

結衣「よかった…うまくいってるみたいで…」

八幡「ん?」

結衣「ちょっと噂が…あ、なんでもない…!」

八幡「どした?」

結衣「ううん、なんでもないよ!なんでも…!」

奉仕部

雪乃「今日は仕事はなさそうね」

雪乃「終わりにしましょう」

八幡「ちょっと、早くないか?」

雪乃「生徒会の用件があるのでしょう?だからよ」

八幡「部長がそれでいいのかよ…」

雪乃「部長だからよ…あなたの身体のことも考えないとね」

八幡「…お、おう」

結衣「ヒッキー、照れてる。ちょっときもい」アハハ

八幡「うっせーよ…!」

雪乃「由比ヶ浜さん、キモイというのは違うわ。結局は個人の感性の問題だから」

八幡「否定してくれないんですね」

雪乃「あら?私は好きよ?」

八幡「は?」

雪乃「好きになってしまえば、あなたは葉山君よりもイケメンに見えるわね」

八幡「葉山はやっぱイケメン認定なんだな…」

雪乃「あら?嫉妬かしら?」

八幡「ち、ちが…!」

結衣「あはははは、ヒッキー劣勢だよ~」

八幡「く、くそ…!」

いろは「あ、せんぱー~い!」

八幡「おう」

いろは「じゃあ、どこ行きましょうか?」

八幡「そうだな…」

いろは「飲みにでも行きますか?」

八幡「おっさんか、お前は…」

八幡「第一、制服で行っても無理に決まってるだろ…」

いろは「先輩も言うようになりましたね」

八幡「お前に振り回されてるからな…一昨日なんかホテル街ウロウロしたし…」

いろは「あはは、さすがにあれはあせりましたよ~」

八幡「ラーメンでも食べに行くか、平塚先生お墨付きの」

いろは「たまには、そういうところもいいですね~」

八幡「だろ?」

いろは「はい!あ、でも先輩。餃子食べたあとはブレスケアしてくださいよ?」

八幡「そのあと、キスするみたいな流れやめてもらえませんかね…」

いろは「…」

八幡「なに?」

いろは「次の休み、飲みに行きません?私服なら、大丈夫ですよ」

八幡「そんなに行きたいの?」

いろは「いいじゃないですか、どうせ大学生になったら行きまくりですよ」

八幡「はあ…お前はそうかもしれんが、俺は…」

いろは「私が行くなら、先輩もです!」

八幡「はあ?」

いろは「あ、いえなんでも…とにかく、高校2年と3年生なら隠せますよ」

八幡「そうか…?お前幼く見えるしな…」

いろは「失礼ですよね、先輩って…大学生なら、なんとか見えます!」

八幡「う~ん」

いろは「とにかく、ラーメン食べに行きましょう!」

次の日

いろは「ふぁ~~眠い~~」

「いろは、眠そうだね」

いろは「やっぱり、無理がたたってるかな~あんま寝てない」

「浮気のこと~?」

いろは「浮気じゃないのに…」

「あんたが最初に、大きな声で否定するからじゃない?あれで広まったっていうか」

いろは「あれは、まあわざとで…」

「あ、そうなんだ?まあ、いろはらしくなかったけど」

いろは「本当はちょっと、二人の仲からかおうとしただけなんだけどさ…」

「二人って、その上級生と彼女よね」

いろは「前から少し、憧れてたんだけど彼女いるってわかって…」

いろは「悔しかったから、すこしいじわるしたくなって…色々連れまわして…」

「ふんふん」

いろは「でも、何回か行ってるうちに、凄い楽しんでるなって思ってさ…」

「え~~すっごい乙女してるじゃん、いろは!」

いろは「こ、声が大きいってば…」

「つまり、本気になっちゃったんだ?」

いろは「……うん」

「じゃあさ、どうすんの~?」

いろは「…わかんないよ…」

3年 廊下

三浦「結衣~」

結衣「あ、優美子、なに~?」

三浦「あんたさ、あの噂どうすんの?」

結衣「あ…うん」

三浦「まだ、雪ノ下さんに言ってないんだ?」

結衣「うん…」

三浦「ていうことは、ヒキオにも言ってないっしょ?」

結衣「う、うん…」

三浦「もうさ、聞いてみた方がいいと思うよ」

結衣「…そうなんだけどね…」

三浦「嫌なのはわかっけど~」

結衣「……」

三浦「平塚先生からも、生徒会の仕事なんて頼んでないって言われたっしょ?」

結衣「うう…そうなんだよね…うん」

三浦「は~ヒキオの奴…」

奉仕部

結衣「…」

雪乃「…」

結衣「ねえ、ヒッキーは?」

雪乃「?生徒会の仕事で遅れるらしいわ」

結衣「そうなんだ…」

雪乃「…由比ヶ浜さん、やはり最近調子が悪いの?」

雪乃「いつもの、あなたではないわ」

結衣「うん…ゆきのん、実はさ…」

雪乃「ええ」

八幡「すまん、遅れた」ガラ

いろは「遅れちゃいました~~!」

雪乃「こんにちは…て、まら一色さんはここに来てるのね」

結衣「また一緒……」

いろは「…」

八幡「どうした…?いつもの挨拶もないし…」


結衣「ねえ、ヒッキー…今日、なにしてたのかな?」

八幡「はあ?生徒会の手伝いだけど…」

結衣「ほんと?」

いろは「…本当ですよ?」

雪乃「由比ヶ浜さん?」

結衣「そっか…じゃあ、今日はそうなのかもね…」

結衣「じゃあ、この前はどうかな?」

八幡「……」

いろは「……」

結衣「急に無言にならないでほしいな」

八幡「いや、待て…これは…」

いろは「結衣先輩は知ってるんですよね。例の噂」

結衣「…」

いろは「やっぱり、意外と有名らしいですから」

雪乃「噂?なんのことかしら?」

結衣「ヒッキーが浮気してるって噂…」

雪乃「え?」

結衣「しかもその相手が…いろはちゃんなんだ…」

雪乃「……!?」

いろは「……」

八幡「…そんな噂流れてんのかよ…」

結衣「うん…」

八幡「はあ……」

雪乃「…」フルフル

結衣「…」

八幡「言っとくけど、誤解だからな?」

結衣「生徒会の仕事とか、平塚先生に呼ばれたとかウソまでついて?」

結衣「それで、いろはちゃんと遊んでたんだよね?」

八幡「あ、いや…あれは…」

いろは「誰に聞いたんですか?」

結衣「平塚先生が、呼んでないって言ってたよ」

いろは「そういうことですか…あ~あ、楽しかったのにな、先輩と過ごすの」

結衣「いろはちゃん…!」

雪乃「……」

いろは「先輩も楽しんでくれましたよね?」

八幡「あのな、そういう誤解を招く言い方やめろよな…」

いろは「誤解なんかじゃないです」

八幡「はあ?」

結衣「え…!?」

いろは「…先輩と色々遊んで楽しかったですし…やっぱり、私は先輩のこと好きなんだなって思いました…」

八幡「な…一色、おまえな……」

いろは「ホントですよ?嘘なんかじゃないです…」

八幡「…そうかよ…。なんか、悪い事したな…」

いろは「そうですよ…先輩が私に頼むからです…その気になっちゃったんです…」

八幡「すまん、一色…」

いろは「いいですよ、もう……どうせ叶わない恋ですし…」

結衣「あの~~~!」

雪乃「ちょっと…」

八幡「え?」

いろは「え?」

雪乃「どうして、二人で完了しているの?まったく心外なのだけれど…」

八幡「いや…雪ノ下…違うぞ…!」

雪乃「何が違うのかしら?」

結衣「ほんとだよ~~!話からして、誤解かもしれないけど」

結衣「そもそもなんでこんなことになったか、説明してないよ!」



八幡「ああ、話すって…えっとな実は……」


――――――――――――――――――


八幡「というわけで、雪ノ下の為にだな…一色に協力してもらったわけで…」

雪乃「……」ゴゴゴ

八幡「決してなにも、やましいことはないけど…」

雪乃「そう…」ゴゴゴゴゴ

八幡「す、すもませんでした…」タラタラ

雪乃「まったくもう…あなたは…」

いろは「……」

結衣「いろはちゃんとデートして、ゆきのんとのデートに備えてたんだ?」

八幡「お、おう…」

結衣「いろはちゃんとデートして楽しかったんだ?」

八幡「由比ヶ浜…それ色々語弊があるから…な?」

結衣「あたしがどれだけ心配したと思ってるのかな~?」

八幡「ごめんなさい…」

雪乃「そうね、あなたは浮気をしたわけだし」

八幡「は?浮気…してないだろう…」

雪乃「そんなの、浮気も同然よ。私を騙して他の女性と遊んでいたなんて」

八幡「そ、それは……」

いろは「先輩は反省しないと駄目ですね~」

八幡「なんでお前は普通にしてんだよ…」

いろは「え~~女性に責任を押し付けるんですか?」

八幡「いや、違うけど…」

いろは「先輩もすごく楽しんでいてくれたじゃないですか~~」

八幡「あの、だからその発言は…」

いろは「楽しかったですよね?」

八幡「いや、ま、まあ…て違うぞ…!」

雪乃「どうしてくれようかしら…」



八幡(俺の命運はここまでか…)

結衣「ヒッキーのバカ!信じられない!浮気とか!」

八幡「違う、ほんと違うぞ!」

いろは「あ~あ、また振られちゃったんだよね…ま、しょうがないか…」

ワイワイワイ

休日 居酒屋


八幡「本当に来たんだよな…しかも…」

いろは「4人で、ですね」


結衣「ここに来る約束もしてたんだよね?」

雪乃「比企谷君、今日は楽しみましょうね?」

八幡「はい…」(目が笑ってないぞ…雪ノ下…)

いろは「え、えっと…してました…はい」

結衣「…」

雪乃「…」

結衣「いろはちゃん」

雪乃「一色さん」

いろは「はい…」

雪乃「もう、しないでね?約束できるかしら?」

いろは「……はい、すみませんでした」

結衣「うん…ゆきのん」

雪乃「ええ…なら、水に流すわ」

結衣「そもそも、ヒッキーが最初の原因だし…」

八幡「うぐ…」

雪乃「一色さんには感謝しないといけないこともあるし」

いろは「え…?」

結衣「デートコースを考えてくれたこととかね」

雪乃「ええ、そうね。比企谷君とのデートの最初は6時間程、サイゼだったから…」

結衣「うわぁ……」

八幡「本気で引くなよ…あの時は緊張でな…」

雪乃「まあ、あれはあれで楽しかったわ」

いろは「…ありがとうござます…」

雪乃「それじゃあ、飲みましょうか」

結衣「でもさでもさ、未成年だけど大丈夫なのかな…?あたし達…」

雪乃「見つかっている様子はないわ、大丈夫でしょう」

いろは「一応、タイトスカートで大学生くらいには見えるようにはしてるんですが」

雪乃「そうね…私は…どうかしら」

八幡「まあ、俺らも来年は大学だしな」

雪乃「比企谷君は、疲れた顔してるから平気そうね」

八幡(みなさんのプレッシャーのせいですけどね…)

結衣「あ、あたしは?」

いろは「結衣先輩は幼く見えますね」

結衣「ええ~ひどいよ」

八幡「ま、大丈夫だろ…大学生ですってことで通せるだろうし」

雪乃「世の中には20歳に見える30歳の人や、30歳に見える20歳の人もいるから大丈夫よ」

いろは「えっと、じゃあですね…大学の飲み会ってことで…」

結衣「あ、それいい!…私達ももうすぐ経験するんだよね!」

雪乃「来年の今頃かしらね、順調にいけば」

八幡「そうだな」


結衣「じゃあ、その時はまた集まろうよ!」

雪乃「いいわね、楽しみにしているわ」

八幡「…まあ、気が向いたらな…」

いろは「また先輩はそんなこと言って」


いろは「そのころは、飲み会の後、雪ノ下先輩とホテルにしけ込んでますって」

八幡「な、なに…言ってんだよ…!」

雪乃「……あなたも、取り乱さないで!」

八幡「あ、いや…」

雪乃「もう…!」


結衣「ま、いいじゃん!とにかく乾杯しよ!」

八幡「よし、そうだな」

雪乃「そうね…」

いろは「いきましょう!」


「せ~の」

「かんぱ~~~い!!」


おわり

ありがとうございました

調子にのった一色と連れてかれた八幡だけなら、まだギリギリ分からんでもないけど…


雪乃「見つかっている様子はないわ、大丈夫でしょう」


これで噴くよね、どうしても

家庭の事情で深夜のバイトしてただけでチクって妨害しようとしていた雪ノ下さんが
休日の居酒屋さんで

雪乃「比企谷君、今日は楽しみましょうね?」

雪乃「それじゃあ、飲みましょうか」


まったくもってノリノリである。酷い…

>いろは「えっと、じゃあですね…大学の飲み会ってことで…」

>結衣「あ、それいい!…私達ももうすぐ経験するんだよね!」

>雪乃「来年の今頃かしらね、順調にいけば」

>八幡「そうだな」



おまえら順調もなにも、来年も未成年だろ。とか、
今のご時世チクられたら一発で放学処分だよ、とか、誰か教えてやれよ
ガハマさんも雪ノ下もヤバいでこれぇ…

川崎のバイト先に殴り込みに行ったはずなのに、カウンターで雪ノ下と由比ヶ浜がガパガパ酒飲み始めたのを
マックスコーヒー飲みながらハラハラ見てる八幡のif物書いて欲しい

雪乃「見つかっている様子はないわ、大丈夫でしょう」

いろは「一応、タイトスカートで大学生くらいには見えるようにはしてるんですが」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年06月05日 (金) 13:57:23   ID: u1LqFaK1

ガハマさんが一番可哀想!

2 :  SS好きの774さん   2015年06月06日 (土) 08:38:39   ID: -9w8ls4z

おもしろかったけど、居酒屋行く必要ないだろと思った。

3 :  SS好きの774さん   2015年06月07日 (日) 01:51:54   ID: ynDsOBxa

つまんなかった
時間返して欲しいレベル
久々につまんなかった

4 :  SS好きの774さん   2015年06月08日 (月) 04:00:18   ID: ohiPtnaX

ひどすぎる
原作の八幡は別にクズではないからな

5 :  SS好きの774さん   2015年09月27日 (日) 15:31:59   ID: vC360KKt

基地が書いた作品って不快感しかないよな。よっぽど根暗な奴なんだろうな。

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