京太郎「俺が三年生?」小蒔「初めては私です!」 (1000)

まず注意書き

・このスレは京太郎主人公の安価スレです

・いわゆる設定改変してるので上記の内容も含めて苦手な方は注意

・安価ですがバトルや成長要素はありません でも好感度はあるかも

・息抜き用のスレなので結構適当です




過去スレ

京太郎「俺が三年生?」久「私が幼馴染じゃ不満?」
京太郎「俺が三年生?」久「私が幼馴染じゃ不満?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1421331009/)

京太郎「俺が三年生?」照「私が幼馴染……二番目だけど」
京太郎「俺が三年生?」照「私が幼馴染……二番目だけど」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1424967959/)

京太郎「俺が三年生?」咲「私だって幼馴染だもん……一応」
京太郎「俺が三年生?」咲「私だって幼馴染だもん……一応」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1428250237/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1432920266

照が大勝利とは……麻雀の試合じゃダメ……ですかね?
まぁ、本編は安価しだいなのでifでどうにかこうにか

そんじゃ、もう少ししたらやります

それじゃ、投下します



・二年、秋、まこの苦労日記その2


「ねぇねぇ、須賀先輩と竹井先輩って付き合ってるのかな?」


まこ「はぁ? なんでまた」

「いいから教えてよー」

まこ「まあ、付き合ってはおらんじゃろ」

「それ本当? なら良かったー」

まこ「あー、あれか。ひょっとして先輩のことを?」

「そう、そうなの!」


「私、竹井先輩の太ファンなの!」


まこ「……は?」


「私も!」

「あたしもよ!」

「私だって!」

「わ、私は須賀先輩がいいなぁ」


まこ「どっから湧いて出た!?」



「知らないの? インターハイ終わってからファンクラブできたんだけど」

まこ「いやいや、それなら入部してあげたほうが喜ぶじゃろが」

「それとこれとは別! 遠くから見守るのがいいんだから」

まこ「はぁ……」


「てなわけでお願いね?」


まこ「事情が全く分からん」

「だから、須賀先輩が竹井先輩に手を出さないように、ね?」

まこ「そこらへんは当人同士の問題じゃ……」

「違う! 全然違う!」


「いい? 神聖にして不可侵! これ絶対!」

「幼馴染だからきっかけがあれば行くとこまで行っちゃうに違いないわ!」

「それだけは絶対阻止しないといけないの!」

「私も須賀先輩に彼女ができるのは……」


まこ「じゃかあしいわっ!」


まさかだいって打って先に太が出てくるとか考慮しとらんよ……
心の中で大に直しといてください




まこ「あー、疲れた……」

まこ「まったく、そろいもそろって……」


京太郎「よお、お疲れか?」


まこ「……はぁ」

京太郎「いや、出会って早々ため息つくなよ」

まこ「失礼、色々あったんで」

京太郎「色々?」

まこ「クラスでちょっと」

京太郎「悩み事か? よければ聞くけど」

まこ「大したことじゃないですよ。先輩はこのまま部活に?」

京太郎「いや、ちょっと他にやることあってさ……あ、そうだ」


京太郎「ポスター作り、ちょっと手伝ってくれね?」





まこ「……あ゛~」


靖子「どうした、店から客を追い払う試みか?」

まこ「今は常連しかいませんって」

靖子「それもそうか……おかわりいいか?」

まこ「程々にしてくださいよ。最近、カツの揚げ方がどんどん上達してくってぼやいてるんですから」

靖子「いいことじゃないか」

まこ「だからうちは雀荘なんですって」

靖子「それは残念だね……で、どうだ?」

まこ「はい?」


靖子「吐き出したいことがあるなら打たないか?」





まこ「まさかあんなものが出来上がってるとは思わんですよ」


靖子「ぷっ、あっははは! あいつにファンクラブ!」


まこ「笑いすぎですよ」

「いや、俺にはわかるよ」ウンウン

「だよな。あんなに可愛くて強いとあればファンにもなっちゃうよな」ウンウン

まこ「いや、ほとんど女子でしたから」

「なんだって? 女の子にもモテるってのか!」

「いやぁ、行く末が恐ろしい」

まこ「はぁ……勘弁してください」

靖子「いやいや、思ったより面白い話を聞けたよ……来た」


靖子「ツモ、タンヤオピンフ二盃口おまけにドラ2……倍満だな」



「あっちゃー、やられちゃったか」

「くそ、まくられた!」


靖子「悪いね」

まこ「さすがまくりの女王」

靖子「自分で名乗った覚えはないけどね」

まこ「通り名が自称だったら色々あれでしょう」

靖子「それもそうか……それにしても君の安定感も相変わらずだな」

まこ「点数的にはマイナスですけど」

靖子「今度あいつらがどこか遠くへ行くようなことがあれば、ついて行くといい。それだけで君は強くなれる」

まこ「はい?」

靖子「君の場合は経験が一番の武器ということだね」


靖子「さ、もう半荘ぐらい遊んでいこうか」





まこ「さて、ここはこんなもんでいいかの」

まこ「部長が選挙……どうなるんだか」

まこ「さ、他に貼る場所は――」


京太郎「染谷ー!」ダダダダ


まこ「げっ」

京太郎「なんか変な女子たちに追われてんだよっ」

まこ「はい?」

京太郎「なんか久ちゃんから離れろって詰め寄られてさ……あ、やべっ」


「せんぱーい、この誓約書にサインしてくださーい!」

「竹井先輩の半径10mには近づかないって!」

「わ、私でいいなら彼女に……!」



京太郎「なんだよあれ。半径10mとか、教室にも部室にもいれなくなるっての」

まこ「あー、ファンクラブの」

京太郎「やべーな、このままじゃ打ち合わせに遅れる。そんでもって久ちゃんに怒られる」

まこ「はぁ……仕方ないの」


まこ「先輩、ここはわしに任せて行ってください」


京太郎「……いいのか?」

まこ「まあ、責任の一端がこっちにないでもないような気がしますし」

京太郎「なんだそりゃ?」

まこ「いいから行く!」ドンッ

京太郎「うおっと……じゃ、任せる」


京太郎「あ、今度からまこっちゃんって呼んでいい?」


まこ「却下」

京太郎「じゃあ頼むわ、まこっちゃん」タタッ

まこ「右から左かっ!」



「染谷さん、先輩は!?」


まこ「それなんじゃがの……矛を収めてほしいんじゃが」

「何言ってるの! このままじゃ竹井先輩が……!」

まこ「じゃあ、これで」サッ


「これは……!」

「竹井先輩の寝起き姿……!」

「須賀先輩のは……?」


まこ「ここでおとなしくしてくれるなら、これをあげてもいいんじゃがのぅ」


「わかった! 今日のところは見逃す!」

「だから早く! 画像データを!」

「ねえ、須賀先輩のは?」


まこ「これで商談成立じゃの」





まこ「ふぅ、やっと終わった」

まこ「麻雀部のやることとは思えないわな」

まこ「さて、先輩方はどうじゃろか――」


京太郎「お疲れさん」ピトッ


まこ「うわひゃっ」ビクン

京太郎「はい、ジュース」

まこ「なにするんですか!」

京太郎「差し入れだよ。手伝ってもらってるしさ」

まこ「渡し方ってもんを考えてください」

京太郎「悪い悪い、まこっちゃん」

まこ「……結局それですか」

京太郎「俺のちゃん付けは結構特別だぞ?」

まこ「はいはい……それより」

京太郎「なんだ――ぐほっ」


まこ「一発、殴ってもいいですかね?」


京太郎「じ、事後承諾かよ……」

まこ「あー、すっきりした!」

京太郎「な、なんで俺は殴られたんだ……?」




『二年、秋、二人と一人』が解放されました

選択済みエピソード

・一年
入学式、久との再開
春、美穂子登場
春、二人のあいだにある壁
美穂子再び
初夏、久との対立
初夏、美穂子への依頼
初夏、美穂子との特訓
初夏、決戦前夜
決戦
初夏、リスタート
夏、新たな出会い
夏、欠けた月
夏、初めての執事(アルバイト)
夏、衣の麻雀講座
今宵、月が満ちるとも
夏休み、遠征初日
夏休み、松実姉妹
夏休み、遠征二日目――鹿児島
夏休み、眠り姫
夏休み、遠征三日目――大阪
夏休み、目覚めぬ未来
夏休み、遠征四日目――岩手
夏休み、八尺(実際には六尺五寸)
夏休み、遠征最終日――東京
夏休み、グランドマスター
夏の始まり
エピローグ
その後の美穂子
秋、バイト執事再び
秋、衣の誕生日(略してころたん)
秋、膝枕の日
秋、祭りの後で
秋、恋敵?
冬、雪の降り始め
冬、年の初めに
冬、画面の向こう側
冬、節分の前の日
冬、アラフォー(予備軍)
三月八日、一年後の誕生日
三月十五日、好みのタイプは?
三月十六日、初めてのお出かけ
三月、おもちと温泉と
三月、温泉のあとのマッサージ(意味深)

・二年
部活動紹介、まこ入部
春、学食にて
美穂子との再会
初夏、ストーカー?
初夏、池田の逆襲
初夏、タイムリミット
初夏、県予選開始
初夏、団体戦決着
初夏、縺れた糸
初夏、まこの苦労日記
初夏、ライバル
夏、全国へ
夏、ワールウィンド
夏、奈良の王者
夏、修羅の国のクールビューティー
夏、大阪の魔物
夏、大阪の姉妹
夏、神代の姫
夏、一番目と二番目
夏、スリーピングビューティ
秋、次の目標
秋、まこの苦労日記その2
五月十日、膝枕とおんぶ

・三年
優希との出会い
春、和の初恋?
春、インハイチャンプ
初夏、最後の一人
初夏、不和
和の悩み
咲との微妙な関係
優希の好物
初夏、合宿
初夏、家庭訪問@原村家
初夏、最後の県予選

・EX
小学五年、幼馴染
中学二年、初夏、ゆみとの出会い
中学二年、夏、試合観戦
中学二年、三月、照との別れ
中学三年、初夏、空白

『三年、秋、天照大神』の解放条件を一部満たしています

三年編のインターハイを終わらせることで完全に解放されます


現在選択可能エピソード

1・二年、秋、二人と一人

2・三年、初夏、鏡


>>+2

1で了解

しかし眠いのでおやすみなさい



・一年、秋、祭りの後で――if


京太郎「……校舎、人いないな」

竜華「うん……みんな外に出とるから」

京太郎「俺らは外に出ないのか?」

竜華「こんなとこ、他の人に見せられへんよ」

京太郎「まぁ、傍から見れば腕組んでるただのカップルだからな」

竜華「し、仕方ないやん」カァァ

京太郎「わかってるよ。お、なんか始まるみたいだな」


京太郎「へぇ……花火か。すごいな」

竜華「うん……」


京太郎「……綺麗だな」

竜華「うん」ギュッ

京太郎「――っ」



京太郎(いやいやいや、そんな強くしがみつかれたら胸が!)

京太郎(こんなところに二人っきりって状況もヤバイし……)


京太郎「な、なあ……一瞬だけ離れてもらってもいいか?」

竜華「暑苦しい?」

京太郎「いや、ちょっと腕がしびれてさ」

竜華「あ、ごめんっ」パッ


京太郎(よし、この隙に心を落ち着けてだな)


京太郎「ふぅ……足のしびれは大丈夫か?」

竜華「うん、大丈夫――あうっ」ヨロッ

京太郎「うおっと」ガシッ

竜華「ごめん、急にピリッときて」

京太郎「あ、ああ……」

竜華「どしたん?」



京太郎(どしたん? じゃねーよ!)

京太郎(そっちが倒れこんできたおかげで胸がムニュッてなってんだよ!)

京太郎(しかもそのうえ上目遣いかよ!)

京太郎(そろそろ我慢の限界だぞコラ!)


竜華「ん? なんか熱くて硬い感触が……」

京太郎「――っ」

竜華「なんやろ、これ?」サワサワ


京太郎「し、清水谷! それ以上は色々まずい」


竜華「え?」

京太郎「それを刺激しすぎたら大変なことになるんだ。いいな?」

竜華「え、なんでなん?」

京太郎「なんでなん? じゃねーよ! 男の生理現象なんだよ察しろよ!」

竜華「あ、え……まさかこれって」カァァ

京太郎「……まぁ、そういうことだから離れてもらえると助かる」

竜華「……」

京太郎「清水谷?」

竜華「男の子って、出すまでおさまらんて聞いたけど……」



竜華「う、うちが手伝おうか?」


京太郎「……は?」

竜華「その……それ、うちのせいやん?」

京太郎「それはまあ、なんというか……」

竜華「それに、そういうことに興味がないわけでもないし……ね?」

京太郎「……」ギュッ

竜華「あ……」


京太郎「……悪いけど、もう我慢できない」


竜華「ええよ、須賀くんなら」





京太郎「……ふぅ」

竜華「ん……汗だくやな」

京太郎「お互い様だろ」

竜華「ふふ……花火そっちのけやん」

京太郎「清水谷がエロいのが悪い」

竜華「もう、自分がスケベなことは棚上げ?」

京太郎「男はみんなこうなの。よって俺が特別スケベじゃない」

竜華「なんやねん、その屁理屈」


京太郎「……」

竜華「……あの」

京太郎「ん?」



竜華「京太郎くんて、呼んでもええかな?」モジモジ


京太郎「じゃあ俺は竜華で」

竜華「じゃあってなに。うち、結構勇気出したんやけど……」

京太郎「そんなん自由だろ。恋人同士ならなおさらさ」

竜華「え、恋人?」

京太郎「あれ、違った? 俺そのつもりだったんだけど」

竜華「う、ううん! めっちゃ嬉しい!」

京太郎「なら俺も嬉しいな」

竜華「……それともう一個お願い、いい?」

京太郎「俺にできることなら」

竜華「えっと……」


竜華「キス、したい」



竜華「……ダメ?」

京太郎「あー、そういやキスはしてなかったっけ」

竜華「……ファーストキスより初体験が先とかおかしいやん」

京太郎「はは、それじゃあ――」

竜華「――ん」


京太郎「……感想は?」

竜華「なんかフワフワする」

京太郎「俺はまたムラムラしてきた」

竜華「……ムードぶち壊しやん」ジトッ

京太郎「冗談だって。さ、片付けてそろそろ出ようぜ」

竜華「せやな」

京太郎「立てるか?」

竜華「大丈夫……よいしょっと」


竜華「ん、中から垂れてきた……」



京太郎「……」

竜華「どしたん――きゃっ」

京太郎「悪い、また我慢できなくなった」

竜華「ちょっ、また!?」

京太郎「それもこれもそっちがエロすぎるのが悪い」

竜華「それは――んむっ」


京太郎「ぷはっ、なんだかんだで乗り気だったりする? 舌絡めてきたし」

竜華「……スケベ」

京太郎「それもお互い様だな」




つづ……かない

てなわけで竜華のifでした
もともと本編だけならこんなのを書けるほど出番がなかったんですけど
なんだかんだで安価の結果ですかね

それじゃ、おやすみなさい



・もしもの未来、ある日の朝


照「京ちゃん、起きて」ユサユサ

京太郎「ん……もう朝か」

照「今日も朝練なんだよね?」

京太郎「ふわぁ、今日はなしだってよ」

照「本当?」

京太郎「ああ、朝はゆっくりできるな」

照「じゃあ朝ごはん作ってるね」

京太郎「ん、頼むわ」





京太郎「ごちそうさまでした」

照「お粗末さまでした」


京太郎「あー、眠……二度寝したい」

照「じゃあ私も」ピトッ

京太郎「……そんなくっついたら寝れないって」

照「このままがいい」

京太郎「しゃあないな」ギュッ

照「あったかい……」

京太郎「ふわぁ……」ウトウト




このあと滅茶苦茶遅刻した

てなわけでこれで前スレの1000は勘弁してください
時系列的には『中学三年、if、これからもずっと』の後です

それじゃ、日が変わるくらいにまた

帰還しました
結構行き当たりばったりで話作ってますけど
ファーストキスの相手だけは間接キスをさせたときから決定済みでした

そんじゃ、始めます



・二年、秋、二人と一人


京太郎「いよいよか」

一太「いよいよだね」

久「……ええ」

まこ「候補者が複数出たのは議会長だけですか」

久「なんというか、神様は私の前に障害物を置くのが好きなのかしらね?」

まこ「他の候補者を障害物扱い……」

京太郎「ま、久ちゃんだったらその方が案外上手くいくかもだしな」

久「そうね。内木くん、時間は?」

一太「えっと……そろそろ向かったほうがいいね」

京太郎「じゃ、行くか」

久「うん」

一太「負けないでくれよ? じゃないとここまでサポートしたぼくの立つ瀬がなくなる」

久「当たり前じゃない」

京太郎「お前なぁ、なにツンデレっぽいこと言ってんだ、よっ」ガシッ

一太「いたたたっ、ツンデレもなにもその通りだろ!?」

京太郎「またまたぁ、結構楽しんでたくせに」

一太「なっ、ぼくはあくまで……!」

危ない、ギリギリアウトだった……
続けます



まこ「もしもーし、時間はいいんですかー」


京太郎「あ、やべ」パッ

一太「まったく……」

久「冗談は抜きにして、感謝してる……ありがとう」

一太「……それはちゃんと当選してから言ってほしいね」

久「わかったわ」

京太郎「お前も変にかっこつけないで素直に喜んどけよな」

一太「うるさいっ、さっさと出るぞ!」

京太郎「わかったわかった」


たまに淡とかはどんな感じになるかとか考えますが
出るとこまで進めないとよくわかりません

そんじゃ、寝落ちしたとこからやります




京太郎「話す内容はオーケーか?」

久「カンペはいらない程度にはね」

京太郎「じゃあバッチリだな」

久「もっと他に気の利いたこと言えないわけ?」

京太郎「無茶ぶりはやめろって」

久「なによ、もう」

京太郎「……」


京太郎(手を握ったり開いたり、おまけに髪の毛いじりっぱなしか)

京太郎(こりゃ結構緊張してんな)


京太郎「久ちゃん」ガシッ

久「――っ、いきなり手、握らないで」



京太郎「ここから先は俺じゃどうしようもない」

京太郎「おまけに気の利いたこともできないし言えない」

京太郎「だから一言だけにしとく」


京太郎「――頑張れよ」


久「……そろそろ時間」

京太郎「ん、そうか」パッ

久「あ……」

京太郎「んじゃ、行ってこい!」

久「言われなくても!」


久(やばい、手と頬が熱い)

久(なによ……あんなマジな顔しちゃってさ)


久「でも、これで負ける気はしなくなったわね」





まこ「やれやれ、とんだ出来レースじゃな」

まこ「あんなファンクラブがある時点で勝ち確じゃろうが」


京太郎「お、いたいた。こんなとこでなにしてんだよ」

まこ「こんなとこって、部室ですけど」

京太郎「まあそうだけどさ」

まこ「それに、先輩は向こうほったらかしでいいんですか?」

京太郎「いいんだよ。部外者がしゃしゃってもいいことないだろ」

まこ「部外者って……役員じゃないんですか?」

京太郎「やだよあんなもん。めんどそうだし」

まこ「……部長のことは?」

京太郎「向こうには内木……じゃなくてロリペド野郎がいるから大丈夫だろ」

まこ「はぁ……すごい不穏な言葉が聞こえたような気がしますけども」

京太郎「気にするな。俺の口が滑った、もしくはそっちの空耳だ」

まこ「空耳はともかく、口が滑ったってことは本音ってことですね」

京太郎「曇ってるって言おうとして曇天だって言っちゃうこともあるんだよ」

まこ「それはただの言い間違いでしょうが。しかも意味同じ」

京太郎「ま、とりあえず座ろうぜ。お菓子買ってきたからさ」





京太郎「正直なこと言うとさ、向こうが忙しくて久ちゃんの手が回らなくなったときのためなんだよ」

まこ「だから役員に立候補しなかったと?」

京太郎「もちろん面倒だって理由もあるけどさ」

まこ「しかし、議会はともかくここが忙しくなることなんてあるんですかね?」

京太郎「うっ、ほらこれから新入部員がどばーっと来るかもしれないだろ」

まこ「はぁ、でもわし一人でも留守番くらいはできますから」

京太郎「……やっぱりそうなのか?」

まこ「はい?」

京太郎「いや、今までまこっちゃんに無理させてきたんじゃないかってさ」

まこ「……」

京太郎「俺たち二人は好き勝手にやってただけだけど、それに振り回されてただけなんじゃないかって」


京太郎「この部は三人だけど、実はずっと二人と一人なんじゃないかって、そう思ったんだ」


京太郎「今更だけどさ、素直に謝るよ……ごめん」

まこ「……ふぅ、何を言うかと思えば」



まこ「振り回される? とんだ勘違いじゃけんのぅ」

まこ「わしは好きで振り回されとるんじゃ」

まこ「それに、これから先なにをやらかしてくれるか大いに楽しみにしとるんじゃ」

まこ「だからシャキッとせんかい、先輩!」バシッ


京太郎「いてて……まさか後輩に背中叩かれるとは」

まこ「もういっぺんいっときますか?」

京太郎「いや、十分だよ」

まこ「そうですか」

京太郎「さ、仕切り直しだ! 久ちゃんの当選祝いやろうぜ!」


久「ちょっと待ったぁ!」ガラッ



まこ「あれ、部長」

久「なんで除け者にするのよ!」

京太郎「いや、こんな早く解放されるとは思ってなかったから」

久「私がトップなのよ? 私が終わりって言えばそこで終わりなの」

京太郎「早速飛ばしてんな」

一太「まったくだよ……」

京太郎「あれ、お前もか」

一太「ちょっと説教でもしようかと思ったけど、また今度にするよ。それじゃ」


京太郎「はいストップ」グイッ


一太「ぐえっ」

京太郎「どこ行くんだよ」

一太「いや、ぼくは部外者だし……」

京太郎「何言ってんだ。久ちゃんの当選祝いだぞ? 一番の協力者がいなくてどうすんだよ」

一太「……」



久「京太郎ー、飲み物買ってきてー」


京太郎「あいよー」


久「さ、私たちはお菓子食べながら待機ね」

まこ「はぁ、いいんですか?」

久「いいのいいの、まこピー」

まこ「まこピー!?」

久「あれ、気に入らなかった? じゃあまこりん――」

まこ「呼び捨てでいいですから!」

久「そう……じゃあこれからも頼むわよ、まこ」


京太郎「俺らは買い物だな」

一太「仕方ないな、付き合うよ」

京太郎「おう、一太」




『二年、冬、旅行に行こう』が解放されました

選択済みエピソード

・一年
入学式、久との再開
春、美穂子登場
春、二人のあいだにある壁
美穂子再び
初夏、久との対立
初夏、美穂子への依頼
初夏、美穂子との特訓
初夏、決戦前夜
決戦
初夏、リスタート
夏、新たな出会い
夏、欠けた月
夏、初めての執事(アルバイト)
夏、衣の麻雀講座
今宵、月が満ちるとも
夏休み、遠征初日
夏休み、松実姉妹
夏休み、遠征二日目――鹿児島
夏休み、眠り姫
夏休み、遠征三日目――大阪
夏休み、目覚めぬ未来
夏休み、遠征四日目――岩手
夏休み、八尺(実際には六尺五寸)
夏休み、遠征最終日――東京
夏休み、グランドマスター
夏の始まり
エピローグ
その後の美穂子
秋、バイト執事再び
秋、衣の誕生日(略してころたん)
秋、膝枕の日
秋、祭りの後で
秋、恋敵?
冬、雪の降り始め
冬、年の初めに
冬、画面の向こう側
冬、節分の前の日
冬、アラフォー(予備軍)
三月八日、一年後の誕生日
三月十五日、好みのタイプは?
三月十六日、初めてのお出かけ
三月、おもちと温泉と
三月、温泉のあとのマッサージ(意味深)

・二年
部活動紹介、まこ入部
春、学食にて
美穂子との再会
初夏、ストーカー?
初夏、池田の逆襲
初夏、タイムリミット
初夏、県予選開始
初夏、団体戦決着
初夏、縺れた糸
初夏、まこの苦労日記
初夏、ライバル
夏、全国へ
夏、ワールウィンド
夏、奈良の王者
夏、修羅の国のクールビューティー
夏、大阪の魔物
夏、大阪の姉妹
夏、神代の姫
夏、一番目と二番目
夏、スリーピングビューティ
秋、次の目標
秋、まこの苦労日記その2
秋、二人と一人
五月十日、膝枕とおんぶ

・三年
優希との出会い
春、和の初恋?
春、インハイチャンプ
初夏、最後の一人
初夏、不和
和の悩み
咲との微妙な関係
優希の好物
初夏、合宿
初夏、家庭訪問@原村家
初夏、最後の県予選

・EX
小学五年、幼馴染
中学二年、初夏、ゆみとの出会い
中学二年、夏、試合観戦
中学二年、三月、照との別れ
中学三年、初夏、空白

『三年、秋、天照大神』の解放条件を一部満たしています

三年編のインターハイを終わらせることで完全に解放されます


現在選択可能エピソード

1・二年、冬、旅行に行こう

2・三年、初夏、鏡


>>+2

1で了解

ちなみに、まだ登場してないキャラの中に京太郎と血縁関係の人がいたりします
二年編の冬で出る予定と言った人ですけど



・二年、冬、旅行に行こう


京太郎「明日から冬休みかー」

久「そうねー」

京太郎「どっかいくかー」

久「そうねー」


まこ「あんたらふやけすぎじゃろが」


久「だって仕方ないじゃない。コタツなのよ?」

京太郎「コタツなんだぞ?」

まこ「復唱いいから」



まこ「部費を使って初めにやったことが何かと思えば……」

京太郎「寒くなってきたからしゃあないしゃあない」

久「まこも入れば? あったかいわよー」

まこ「出られなくなりそうだからパスで」

京太郎「本当にいいのか?」

まこ「はぁ……だから――」


京太郎「みかんも、あるんだぞ?」


まこ「……」





まこ「あー、ぬくいぬくい」

久「見事にコタツの魔力に絡め取られたみたいね」

京太郎「なんともあっけなかったな」

まこ「わしが負けたのはコタツじゃなくてみかんじゃ」

京太郎「なんにしてもダークサイドまで堕ちてきたのは変わらないんだぜ?」

まこ「ダークサイドて」


久「それよりも明日から予定ある?」

まこ「えっと、大晦日と正月は多分家にいなきゃいかんじゃろうな」

久「じゃあそれまでは暇ってことね」

まこ「まあ」


京太郎「じゃ、明日から旅行でも行くか」



まこ「は?」

京太郎「旅行だよ旅行」

久「今回は部費もあるから色々回るにしても一泊ぐらいはできるかしらね」

京太郎「去年は大変だったよなー」


まこ「いやいや待たんかい!」


久「え、いやなの?」シュン

京太郎「え、行かないの?」シュン

まこ「行くからその顔はやめんかい!」

久「やった!」

京太郎「よっしゃ!」



範囲安価取りたいけど、人いますかね?

それじゃあこの中から好きなのひとつどうぞ

1、福岡
2、大阪
3、奈良
4、北海道
5、東京

下1~5

福岡確定ですね

今回は全部回れるわけじゃないので行きたいとこがあったら頑張って、どうぞ


『二年、冬、小悪魔』が解放されました

選択済みエピソード

・一年
入学式、久との再開
春、美穂子登場
春、二人のあいだにある壁
美穂子再び
初夏、久との対立
初夏、美穂子への依頼
初夏、美穂子との特訓
初夏、決戦前夜
決戦
初夏、リスタート
夏、新たな出会い
夏、欠けた月
夏、初めての執事(アルバイト)
夏、衣の麻雀講座
今宵、月が満ちるとも
夏休み、遠征初日
夏休み、松実姉妹
夏休み、遠征二日目――鹿児島
夏休み、眠り姫
夏休み、遠征三日目――大阪
夏休み、目覚めぬ未来
夏休み、遠征四日目――岩手
夏休み、八尺(実際には六尺五寸)
夏休み、遠征最終日――東京
夏休み、グランドマスター
夏の始まり
エピローグ
その後の美穂子
秋、バイト執事再び
秋、衣の誕生日(略してころたん)
秋、膝枕の日
秋、祭りの後で
秋、恋敵?
冬、雪の降り始め
冬、年の初めに
冬、画面の向こう側
冬、節分の前の日
冬、アラフォー(予備軍)
三月八日、一年後の誕生日
三月十五日、好みのタイプは?
三月十六日、初めてのお出かけ
三月、おもちと温泉と
三月、温泉のあとのマッサージ(意味深)

・二年
部活動紹介、まこ入部
春、学食にて
美穂子との再会
初夏、ストーカー?
初夏、池田の逆襲
初夏、タイムリミット
初夏、県予選開始
初夏、団体戦決着
初夏、縺れた糸
初夏、まこの苦労日記
初夏、ライバル
夏、全国へ
夏、ワールウィンド
夏、奈良の王者
夏、修羅の国のクールビューティー
夏、大阪の魔物
夏、大阪の姉妹
夏、神代の姫
夏、一番目と二番目
夏、スリーピングビューティ
秋、次の目標
秋、まこの苦労日記その2
秋、二人と一人
冬、旅行に行こう
五月十日、膝枕とおんぶ

・三年
優希との出会い
春、和の初恋?
春、インハイチャンプ
初夏、最後の一人
初夏、不和
和の悩み
咲との微妙な関係
優希の好物
初夏、合宿
初夏、家庭訪問@原村家
初夏、最後の県予選

・EX
小学五年、幼馴染
中学二年、初夏、ゆみとの出会い
中学二年、夏、試合観戦
中学二年、三月、照との別れ
中学三年、初夏、空白

『三年、秋、天照大神』の解放条件を一部満たしています

三年編のインターハイを終わらせることで完全に解放されます


現在選択可能エピソード

1・二年、冬、小悪魔

2・三年、初夏、鏡


>>+2

2で了解

これは副会長歓喜の流れ……!

それじゃ、おやすみなさい

こんなこともあろうかと
http://www62.atwiki.jp/kyo3nen/

前スレまでのエピソードを時期列順に大体まとめてあります

唐突だけど登場したキャラの中からお好きなのどうぞ
多数決じゃないんでむしろ被ったらそのぶん損します

下1~3

埋まるまで一分かかってない……
ともあれ了解

あ、別になにかのエピソードを書くわけじゃないんでてきとーにしててください



照→京太郎


照「京ちゃん? 離れちゃったけど、大切な人」

照「家族以外になにもなかった私の手を引いてくれた人」

照「好き、大好き」

照「ずっと一緒にいたい。けど……」

照「他の女の子にも優しくしてるけど、そこも含めて京ちゃんだから仕方ない」トオイメ




咏→京太郎


咏「須賀京太郎? あー、あのお兄さん」

咏「腕前はともかく、そのオカルトってやつ? には興味があるねぃ」

咏「あれ使いこなせばもしかするともしかしちゃうんじゃね? 知らんけど」

咏「他のプロも興味持つと思うぜぃ」

咏「女性関係? いや、知らんし」


玄→京太郎


玄「え、京太郎くん?」

玄「えっと……あそこまでおもちについて語り合える人は初めてなのです!」

玄「あと、私のこともおもちって言ってくれたし……嬉しかったのです」テレテレ

玄「あ……い、今のはオフレコでっ!」

玄「え、ダメ? そ、そんなぁ」

玄「うぅ……え? 女性関係? 彼女さんはいないって聞いたけど……」

玄「でも、もし私でいいなら……」カァァ

玄「……はっ、今のもオフレコでっ!」


てなわけで各キャラの京太郎に対するあれこれでした
今日のところは更新はありません

それじゃ

あと、ウィキの方に簡易人物表作りました
ただどのキャラが何年編の時に初登場したかってのを書いただけですが

こんばんは
もう少ししたら始めます

そんじゃやります



・三年、初夏、鏡


優希『ローン! 跳満だじぇ!』


京太郎「あいつ飛ばしてんなぁ」

京太郎「ま、そのうち失速するのも目に見えてるんだけど」

京太郎「さて、みんなに差し入れ持ってってやるか」


「わぁ……さすがです!」


京太郎(なんだあの子、小学生?)

京太郎(一人で歩いてて大丈夫かな)


「ね、ねえ君?」

「え? マホですか?」

「良かったらおじさんと――」


京太郎「はいはい待たせてごめんなー。さあ行くぞー」

「わわっ」





京太郎「……ここまで来れば大丈夫そうだな」

「あの、マホどうして連れてこられたですか?」

京太郎「あのな……」

「あっ、まさか……!」


「これがいわゆるナンパなんですかっ!?」


京太郎「違うから、全然違うから」

「どうしよう……マホ、ナンパされちゃいました!」

京太郎「だから違うっつーの」

「これからきっと少女漫画みたいなことが……!」キラキラ

京太郎「いや、ないから」





マホ「はー、そうだったんですか」

京太郎「わかってくれてなによりだ」

マホ「助けていただいてありがとうです」

京太郎「ま、次から気をつければいいさ。で、夢乃マホちゃんだっけ?」

マホ「はい」

京太郎「お友達や両親は?」

マホ「えっと、ちょっとはぐれちゃってて」

京太郎「じゃあ迷子センター行くか」

マホ「え、マホそんな子供じゃ……」

京太郎「何言ってんだ。さっきみたいなことがあったのに小学生に一人歩きさせられるわけ無いだろ」

マホ「ち、違いますっ」


マホ「マホ、中学二年です!」



京太郎「……は?」

マホ「制服着てます!」

京太郎「あー」

マホ「あと、学生証です!」

京太郎「……確かに」

マホ「わかってもらえたですか?」

京太郎「まあ、悪かったよ」

マホ「ふぅ、よかったです」


京太郎「じゃ、迷子センター行くか」



マホ「どうしてですかっ!?」

京太郎「いや、よく考えたら中学生だろうと一人歩きは危ないかなって」

マホ「だからそんな子供じゃないです!」

京太郎「諦めろ。放送で名前呼ばれれば知り合いも来てくれるだろ」

マホ「そ、そんな恥ずかしいのは嫌ですっ」

京太郎「んー、でもな」

マホ「とにかく、マホは一人でも大丈夫ですっ」

京太郎「……」


京太郎(つっても、さっきの見たら全然大丈夫じゃないだろ)

京太郎(はっきり言って他人だけど、放っておくのもな)

京太郎(……ま、大将戦終わるまでに帰ればいいか)


京太郎「わかった」

マホ「本当ですかっ?」

京太郎「俺が一緒に探してやるよ」





マホ「お兄さん、麻雀部なんですか?」

京太郎「まぁな」

マホ「実はマホもなんです。実力はまだまだですけど……」

京太郎「まぁ、そこらへんは俺もだな」

マホ「お兄さんもですか?」

京太郎「そりゃもう、惨敗だよ」

マホ「じゃあ初心者仲間ですね!」

京太郎「はは、そうかもな」

マホ「そうです!」


マホ「でも、お兄さんはなんか不思議な感じです」



京太郎「俺が?」

マホ「お兄さんの打ち方は真似できそうにないというか……」

京太郎「真似もなにも、打ってるとこ見せたことないだろ」

マホ「ですよね……マホ、変なこと言っちゃいました」

京太郎「気にすんな。ってか真似って言ってたけど」

マホ「えへへ、こうやって集中したらですね……」スッ

京太郎「――っ」ゾクッ

マホ「思い浮かべた人の打ち方をちょっぴり真似できちゃうんです!」

京太郎「あ、ああ」

マホ「お兄さん、どうしたんですか?」

京太郎「いや……」


京太郎(なんだ、今の)

京太郎(気のせいじゃないよな……?)



「マホー!」


マホ「あ、ムロちゃんです!」

京太郎「友達か?」

マホ「はい、一緒に試合を見に来たんです」

京太郎「そうか、ならもう大丈夫だな」

マホ「ありがとうございます!」

京太郎「もう迷子になるなよ。それじゃあな」

マホ「お兄さんもお気を付けてー!」



京太郎「俺の打ち方、ね」

京太郎「そんなものがあるのかどうかわからないけど」

京太郎「もし、あの子が察知したものが別のものだとしたら……」


京太郎「俺のオカルト、俺の力か……」




『三年、初夏、見えない彼女の見つけ方』が解放されました

選択済みエピソード

・一年
入学式、久との再開
春、美穂子登場
春、二人のあいだにある壁
美穂子再び
初夏、久との対立
初夏、美穂子への依頼
初夏、美穂子との特訓
初夏、決戦前夜
決戦
初夏、リスタート
夏、新たな出会い
夏、欠けた月
夏、初めての執事(アルバイト)
夏、衣の麻雀講座
今宵、月が満ちるとも
夏休み、遠征初日
夏休み、松実姉妹
夏休み、遠征二日目――鹿児島
夏休み、眠り姫
夏休み、遠征三日目――大阪
夏休み、目覚めぬ未来
夏休み、遠征四日目――岩手
夏休み、八尺(実際には六尺五寸)
夏休み、遠征最終日――東京
夏休み、グランドマスター
夏の始まり
エピローグ
その後の美穂子
秋、バイト執事再び
秋、衣の誕生日(略してころたん)
秋、膝枕の日
秋、祭りの後で
秋、恋敵?
冬、雪の降り始め
冬、年の初めに
冬、画面の向こう側
冬、節分の前の日
冬、アラフォー(予備軍)
三月八日、一年後の誕生日
三月十五日、好みのタイプは?
三月十六日、初めてのお出かけ
三月、おもちと温泉と
三月、温泉のあとのマッサージ(意味深)

・二年
部活動紹介、まこ入部
春、学食にて
美穂子との再会
初夏、ストーカー?
初夏、池田の逆襲
初夏、タイムリミット
初夏、県予選開始
初夏、団体戦決着
初夏、縺れた糸
初夏、まこの苦労日記
初夏、ライバル
夏、全国へ
夏、ワールウィンド
夏、奈良の王者
夏、修羅の国のクールビューティー
夏、大阪の魔物
夏、大阪の姉妹
夏、神代の姫
夏、一番目と二番目
夏、スリーピングビューティ
秋、次の目標
秋、まこの苦労日記その2
秋、二人と一人
冬、旅行に行こう
五月十日、膝枕とおんぶ

・三年
優希との出会い
春、和の初恋?
春、インハイチャンプ
初夏、最後の一人
初夏、不和
和の悩み
咲との微妙な関係
優希の好物
初夏、合宿
初夏、家庭訪問@原村家
初夏、最後の県予選
初夏、鏡

・EX
小学五年、幼馴染
中学二年、初夏、ゆみとの出会い
中学二年、夏、試合観戦
中学二年、三月、照との別れ
中学三年、初夏、空白

『三年、秋、天照大神』の解放条件を一部満たしています

三年編のインターハイを終わらせることで完全に解放されます


現在選択可能エピソード

1・二年、冬休み、小悪魔

2・三年、初夏、見えない彼女の見つけ方


>>+2

1で了解
さて、また方言の勉強か……

ちなみに京太郎の能力は今までで二回ぐらい発動してます
オカルト察知とは別で

今日はここで終わりですけどこの前やったやつを二人だけ

お好きなキャラをどうぞ
一回選ばれたキャラは無効です

下2
下3



美穂子→京太郎


美穂子「京太郎さん?」

美穂子「第一印象はその……軽薄で馴れ馴れしくて強引で、おまけにえっちな人……でしょうか?」

美穂子「え? 嫌ってるのか?」

美穂子「それはその……好き、ですけど」

美穂子「本当はだれかのために一生懸命になれる人で、困った人がいたらなんだかんだで構ってしまう優しい人、だと思いますから」

美穂子「女性関係? あの、それってどういう意味で――」




小蒔→京太郎


小蒔「京太郎様ですか?」

小蒔「もちろん運命の人です!」

小蒔「あの時、帽子を拾っていただいた時に確信したんです」

小蒔「私にはこの人しかいないんだって」

小蒔「えへへ、運命の人が初恋なんて素敵ですよね」

小蒔「でも、こんな気持ちになるのは初めてじゃないような……」

小蒔「あれ、もう質問は終わりですか?」


ってなわけで本日は終了です
今更ながら、そういえば二年編でちゃちゃのん出し忘れたことに思いいたりました

それじゃ、おやすみなさい

少なくともゲームでは衣の能力コピーしてますよね
ちゃちゃのんは……まぁ、機会があればで

もうすこししたらやります

そんじゃ、投下します



・二年、冬休み、小悪魔


京太郎「ってなわけでやってきました福岡!」

久「福岡にも雪って降るのね」

まこ「あの、今更ながらなぜ福岡?」

京太郎「え?」

まこ「その不思議そうな顔はいいからはよ答えんか」

京太郎「しょうがねえな……そりゃくじ引きだよ、くじ引き」

まこ「は?」

久「南端と北端に飛ばされたらどうしようかと思ったわよねー」

京太郎「ははは、実は日本の南端って東京なんだぞー」

久「まったく、有名無実とはこのことよね」

まこ「はぁ……まあええですけど」

京太郎「さて、福岡といえば修羅の国か……色々楽しみだな、抗争とか」

まこ「やめんかっ!」





京太郎「さて、宿の方は大丈夫そうだな」

久「本当、奇跡的よね」

まこ「ちょい、どこまで行き当たりばったりなんじゃ」

京太郎「まぁ、なるようになるもんだ」

久「どうする? 早速行く?」

まこ「新道寺……強豪校じゃな」

京太郎「新道寺なぁ、なんかあったような……」

久「なに含み持たせてんのよ」

京太郎「うーん、なんだっけなぁ……あっ」


京太郎「思い出した! マイル・シローズだ」



久「外人さん?」

まこ「いやいや、白水哩じゃろ」

久「あぁ、そういえば個人戦で戦ったわね」

京太郎「あいつそういや新道寺女子だって言ってたな」

久「あのねぇ……また?」

京太郎「またってなんだよ」

久「知らないとこで女子の知り合い増やしちゃってさ……ね?」

まこ「わしに同意を求められても困るんじゃが」

久「客観的な意見、プリーズ」

まこ「……まぁ」

久「ほら!」

京太郎「わかったわかったって」

まこ「はぁ……そんなことよりこの後は?」

久「そうねぇ……お昼の後は自由行動なんてどう?」

京太郎「お、いいな。去年は時間なんてなかったからな」

まこ「まずは店探しからじゃな」





京太郎「自由行動ね……さて、どうすっかな」

京太郎「新道寺の下見も悪くないけど」

京太郎「……せっかくだしそこらへんフラフラするのもありだよな」

京太郎「さっき昼飯食べたけどラーメン食いてぇな」

京太郎「よし、そうしよう」


「ねぇ、君一人?」

「えっと、あの……」

「俺ら旅行でここらに来たんだけど、案内してくんね?」


京太郎「おおう、典型的なナンパ」

京太郎「人を開放的にするのは夏だけじゃないってか?」

京太郎「いいなー、俺もナンパして女の子と仲良くしゃべりたい」

京太郎「……ダメだ、昔の失敗が頭をかすめる」



「私、用事があるんでっ」

「つれないこと言わないでさー」ガシッ

「ひっ」

「ほんのちょっと、先っちょだけでいいから!」

「ばっかお前いきなり下ネタかよぉ」

「思わず暴発しちゃいましたーってか?」


京太郎「……なんかやばそうだな、あれ」

京太郎「うーん、でも俺も人のこと言えないようなことやらかしてたしな」


「やめて、誰かっ!」


京太郎「……よし、そこらは棚上げだな」

京太郎「おーい、そこのお兄さんがたー」



「あん?」

「だれだオメ?」

京太郎「ナンパはいいけど引き際ってもんがあるでしょ」

「てめ、横からしゃしゃり出てきて勝手なこと言ってんじゃねぇぞコラ」

「痛い目見たくねぇならさっさと失せろや」

京太郎「まぁまぁ、そう熱くならないでさ」

「あぁ? 殴られねぇとわからないってか?」


京太郎「おっと」サッ


京太郎「やめといた方がいいと思うよ。ひと目もないわけじゃないし、そんなんじゃ喧嘩になっても勝てないだろうし」

「はぁ? ナメてんのかてめぇ!」

「大口叩きやがって!」

京太郎「だからさぁ……」



京太郎「その靴じゃ滑るだろって」


「なっ――」ツルッ

「のあっ――」ズルッ


京太郎「だからやめとけって言ったのに……雪道なめんなっての」

「あ、あの」

京太郎「今のうちに逃げるぞ」グイッ

「あっ――」





京太郎「ふぅ……追いかけてはきてないみたいだな」

「その、手……」

京太郎「ああ、悪い」パッ

「……」ジー

京太郎「そんなジッと見られても」

「あんたもナンパ?」

京太郎「いや、ラーメン食いに行くとこ」

「ふーん……ね?」


「付き合ってあげよっか?」





京太郎「……おい」

「なにー?」

京太郎「なんで俺、荷物持たされてんの?」

「えー? ラーメン食べに行った流れ?」

京太郎「違う! ここらを案内するからってついていったらこのザマだよ! しかもラーメン代俺持ち!」

「助かりまーす」

京太郎「こ、この野郎」

「私、女ばい」

京太郎「あーもう、そういう問題じゃないっ」

「こぎゃんやぁらしか女子と歩けるけん。我慢我慢」

京太郎「やらしいのはお前の根性だよ!」


京太郎「はぁ……まあいいや。鶴田姫子だっけ?」

姫子「なに?」

京太郎「これ、どこに運ぶんだ?」

姫子「あ、そいはもう一件回ってからで」

京太郎「まだあんのかよ!」





京太郎「ここでいいのか?」

姫子「ん、ありがとうございまーす」

京太郎「ったく、こんなたくさんなにに使うんだよ」

姫子「部の買い出しは一年生の仕事やけん」

京太郎「てか高一かよ。一個下じゃん」

姫子「じゃあ、先輩?」

京太郎「その通りだ。もっと敬えー」

姫子「えー? じゃあこれからも荷物持ちよろしくです、先輩」

京太郎「敬意の欠片もねぇな、おい」

姫子「あるけんね、先輩の部分とか」

京太郎「とかじゃなくて、むしろそこだけだよな?」

姫子「そうともいいますかね?」

京太郎「認めるのかよ」



京太郎「そういや鶴田って新道寺女子だよな?」

姫子「そうですけど?」

京太郎「麻雀部って明日もやってんの?」

姫子「え、うちになんか用ですか?」

京太郎「お、部員だったのか。なら話は早い」


京太郎「明日、遊びに行くわ」





姫子「部長、ただいまです」

哩「おかえり。買い出しご苦労」

姫子「あがな量、平気ですよ」

哩「すまん……他の子も捕まらんし、私も忙しかったけん」

姫子「そんぐらいよかですよ。退屈はせんでしたし……ふふっ」

哩「姫子?」

姫子「部長の言うとおり、男の人と話すのも悪くなか、ですね」

哩「えっ」





京太郎「さ、行こうぜ」

まこ「いきなり行って大丈夫じゃろうか?」

久「まあ、なんとかなるでしょ」

京太郎「あ、そのことなら全く心配いらないぜ」

まこ「アポでも取ってきたり?」

京太郎「そんなきっちりしたもんじゃないけど、ちょっと話してきたから」

久「それって、白水哩と?」

京太郎「いや、昨日知り合った子と」

久「はぁ……自由時間は失敗だったかしら?」

まこ「結果を見ればどっちとも言えんわな」





京太郎「よう」

哩「あれ?」

京太郎「鶴田って子に昨日遊びに行くって言ったんだけど」

哩「姫子に?」

久「あの、そろそろいいかしら?」

哩「あんたは……」

久「初めまして、ではないわよね」

哩「たしか、長野県代表の竹井久」

久「練習試合したいんだけど、ダメ?」

哩「あー……」ジロッ

京太郎「うん、いきなりで悪いとは思ってるよ?」

哩「ふぅ……とりあえず中へどうぞ」





哩「一体どういうこと?」

京太郎「いきなり引っ張ってなんだよ」

哩「いいからっ」

京太郎「鶴田から聞いてないのか?」

哩「姫子はまだ来とらんけん」

京太郎「なんだいないのかよ」

哩「君には多少恩があるけん、やけどそぎゃん勝手は部長として――」


姫子「おはようでーす」



姫子「あれ、こん状況は?」

京太郎「あー、昨日話したこと伝えてないのか?」

姫子「遊びに来るってやつですか? ざっくりしすぎやね」

京太郎「もうちょっと詳しく話したはずなんだけどっ」

哩「姫子?」

姫子「あ、あはは……ごめんなさい」

哩「仕方なかね……まあ、少しだけならよかよ」

京太郎「マジで!? サンキュー白水愛してるっ」

哩「ちょっ」

姫子「むぅ」





久「今日はどうもね」

哩「こっちもいい経験になったけん、気にすることなか」

久「それじゃ、今度はネト麻なんてどう?」

哩「ん、そいはよかね」


まこ「ふぅ」

姫子「お疲れ?」

まこ「あ、どうも」

姫子「清澄は来年は団体戦に?」

まこ「先輩方はそう息巻いとるんじゃがな」

姫子「また打てるの、楽しみにしとるけん」

まこ「おう」





京太郎「うんうん、仲良きことはいいことだな」

哩「ちょっと」

京太郎「うん?」

哩「こい、アドレスと電話番号」

京太郎「俺に?」

哩「こっち来るときは連絡入れること、よか?」

京太郎「よかよか」


姫子「あー、なにしとるんですか」



哩「姫子!? こ、こいはその……」

姫子「不公平ですよぉ、てなわけでどうぞ」

京太郎「お前もか」

姫子「寂しくて私の声が聴きたくなったら、いつでもかけてよかですよ」

京太郎「あんま男に気を持たせるようなこと言うなよ、この小悪魔め」

姫子「えー? そんなことなかですよぉ」

京太郎「あー、はいはい。それじゃ、またな」

哩「うん、また」

姫子「バイバイでーす」





姫子「部長が前に言ってたのって、あん人ですか?」

哩「姫子が昨日言ってたのも?」

姫子「……なんというか」

哩「……まあ」

姫子「こいも絆の深さですかね?」

哩「さて、な」



久「明日はどこ行く?」

京太郎「どこでもいいぜー」

まこ「もう、どこでもええわ」

京太郎「よし、じゃあ今度はダーツだな」

久「大外れとして海外行き追加しとく?」

京太郎「お、燃えるな」

まこ「やめいっ!」


ってなわけで次の行き先はダーツで決めます
というのは物語上の話であって実際は多数決ですが

さて、人いますかね?

それじゃあ、この中からお好きなのをどうぞ

1、大阪
2、奈良
3、北海道
4、東京

下1~5

3で了解

てか3が多くてもう

『二年、冬休み、ゆきみだいふく』が解放されました

選択済みエピソード

・一年
入学式、久との再開
春、美穂子登場
春、二人のあいだにある壁
美穂子再び
初夏、久との対立
初夏、美穂子への依頼
初夏、美穂子との特訓
初夏、決戦前夜
決戦
初夏、リスタート
夏、新たな出会い
夏、欠けた月
夏、初めての執事(アルバイト)
夏、衣の麻雀講座
今宵、月が満ちるとも
夏休み、遠征初日
夏休み、松実姉妹
夏休み、遠征二日目――鹿児島
夏休み、眠り姫
夏休み、遠征三日目――大阪
夏休み、目覚めぬ未来
夏休み、遠征四日目――岩手
夏休み、八尺(実際には六尺五寸)
夏休み、遠征最終日――東京
夏休み、グランドマスター
夏の始まり
エピローグ
その後の美穂子
秋、バイト執事再び
秋、衣の誕生日(略してころたん)
秋、膝枕の日
秋、祭りの後で
秋、恋敵?
冬、雪の降り始め
冬、年の初めに
冬、画面の向こう側
冬、節分の前の日
冬、アラフォー(予備軍)
三月八日、一年後の誕生日
三月十五日、好みのタイプは?
三月十六日、初めてのお出かけ
三月、おもちと温泉と
三月、温泉のあとのマッサージ(意味深)

・二年
部活動紹介、まこ入部
春、学食にて
美穂子との再会
初夏、ストーカー?
初夏、池田の逆襲
初夏、タイムリミット
初夏、県予選開始
初夏、団体戦決着
初夏、縺れた糸
初夏、まこの苦労日記
初夏、ライバル
夏、全国へ
夏、ワールウィンド
夏、奈良の王者
夏、修羅の国のクールビューティー
夏、大阪の魔物
夏、大阪の姉妹
夏、神代の姫
夏、一番目と二番目
夏、スリーピングビューティ
秋、次の目標
秋、まこの苦労日記その2
秋、二人と一人
冬、旅行に行こう
冬休み、小悪魔
五月十日、膝枕とおんぶ

・三年
優希との出会い
春、和の初恋?
春、インハイチャンプ
初夏、最後の一人
初夏、不和
和の悩み
咲との微妙な関係
優希の好物
初夏、合宿
初夏、家庭訪問@原村家
初夏、最後の県予選
初夏、鏡

・EX
小学五年、幼馴染
中学二年、初夏、ゆみとの出会い
中学二年、夏、試合観戦
中学二年、三月、照との別れ
中学三年、初夏、空白

『三年、秋、天照大神』の解放条件を一部満たしています

三年編のインターハイを終わらせることで完全に解放されます


現在選択可能エピソード

1・二年、冬休み、ゆきみだいふく

2・三年、初夏、見えない彼女の見つけ方


>>+2

それじゃ2で了解

花京院も死亡したのでおやすみなさい

え、修羅の国だなんてとんでもない
ちょっと顔の怖い人たちがずっしりくるグリップのついた金属の塊とかを持って
そこらに笑顔を振りまいてるんじゃないですかね

まあ、冗談ですが

暇なのでお好きなキャラをどうぞ
前に選ばれたのや重複したりしたら無効になります

下2
下3



健夜→京太郎


健夜「え、京太郎くんのことについて?」

健夜「うーん、優しくてかっこいい男の子、かな?」

健夜「でもちょっと意地悪だよね。年上だろうとおかまいなしにからかってくるし」

健夜「……ち、違うよ? 恋愛感情とかそういうのじゃないから」

健夜「女性関係は……この目で見たわけじゃないけど、ゆるそうだよね」

健夜「そこらへんはいろんな意味で気になるかな」




豊音→京太郎


豊音「あ、京太郎くんのことですか?」

豊音「えっと……京太郎くんは初めてのお友達で、他にも色々初めての人で」

豊音「できれば連れて帰りたいなーって」

豊音「あ、今は私が京太郎くんのところに行ってもいいのかな?」

豊音「あと、お父さんとお母さんみたいになれたらって思います」

豊音「きゃー! 言っちゃったよー!」

豊音「え? 女性関係?」

豊音「……ちょっとなに言ってるかわからないかなーって」


ってなわけで今日は去ります

姉帯さんは嫉妬なのか無知なのか判別つかないな

>>319
無知なら天使、嫉妬なら……

すこやんはシラフならどっちかっていうと常識人だと思います
アラフォー呼ばわりされたらその限りではありませんが

それじゃ、風呂入ってなんやかんやしたら始めます

そんじゃ、投下します



・三年、初夏、見えない彼女の見つけ方


「暇っすねぇ」

「まだ私の出番には早いし、いっそかおりん先輩がどこか飛ばしてくれないっすかね」


ゆみ「無茶を言うな、モモ」


ゆみ「いくら運の要素が強いとはいえ、それに頼りきりではいけないだろう?」

「先輩は勝てると思うっすか?」

ゆみ「さてな……だが、やるからには勝つぞ」

「了解っす。あ、かおりん先輩が……」

ゆみ「……本当に飛ばしてしまったな」

「どうするっすか?」

ゆみ「そうだな……とりあえず今日のVIPにご褒美を買っていこうか」





「え、このシュークリーム私にですか?」

ゆみ「ちょうど出ている最中に試合が終わったから、ついでに買ってきたんだ」

「なんか申し訳ないですよっ」

「じゃあ間をとって私がもらうぞー」

ゆみ「待て、どことどこの間をとった」

「わはは、細かいことは気にしない方向で」

「先輩、そういえば桃子は?」

ゆみ「ああ、途中でトイレに行ったよ。もうすぐ戻ってくるんじゃないか?」


「……ところでユミちん、本当に一個しかないのか?」

ゆみ「ふぅ……そう言うと思って人数分買ってきたよ」

「おお、さすが」





京太郎「さーて、迷子も何とかしたことだし、戻るかね」

京太郎「でも……」


「……」


京太郎「なーんか見られてるような気がする」

京太郎「一年くらい前にもこんなことがあったような……」

京太郎「でもパッと見だと誰もいないか」

京太郎「池田だったら頭隠しても尻隠さずだしな」

京太郎「気のせいだったらそれにこしたことはないけど……」


(前を歩いてるのは、清澄の金髪さん)

(加治木先輩の……なんなんすかね?)

(いかにもワケありな感じで少し気に入らないっす)

(……ちょっとだけイタズラしてみるっすかね)

(そーっと、そーっと後ろから近づいて……)



京太郎「……ん?」


(――っ、気づかれたっすか!?)

(いや、そんなはずは……)


京太郎「なんかが俺のレーダーに引っ掛かったような……」

京太郎「でもやっぱ誰もいない、か」


(レーダーってなんすか!? うちの部長さんみたいなもんすか!?)

(でも見えてないのはたしかだし……)


京太郎「ま、いっか」


(今っす!)

(油断して背を向けたこの隙に……)

(髪の毛を引っ張ってやるっす!)



京太郎「――そこだっ」クルッ

「ふぇっ?」フニョン


京太郎「……あれ?」モミモミ

「……」プルプル

京太郎「その制服、たしか鶴賀の――」


「うっきゃぁぁあああっ!」バチコーン!


京太郎「おうふっ」

「絶対、絶対許さないっす!」

京太郎「ちょっ、君は――」


「うわぁぁぁん! 汚されたー!」ダダダダッ

そういえばそうだ
VIP→MVPで



京太郎「……えー」

咲「……なに、やってるんですか?」

京太郎「もう俺にもさっぱり。そういうお前は?」

咲「これから控え室に戻るとこです」

京太郎「そうか……じゃあ一緒に行くか」

咲「え?」ドキッ

京太郎「だってお前、迷子になりそうだし」

咲「……ならないもん」ムッ


京太郎「ん、これは?」

咲「お財布?」

京太郎「さっきの子のかな……どれ」ゴソゴソ


『東横桃子』


京太郎「東横、ね」

咲「すぐ届けてあげたほうがいいんじゃ……」

京太郎「とりあえずお前を送り届けたあとだ」

咲「むっ」





桃子「もう最低っす!」


「桃子さん、どうかしたのかな?」オロオロ

「あれだけ騒いでるといるのがはっきりとわかる」

「わはは」


ゆみ「なんだ、どうかしたのか?」


「おおユミちん、どこいってたんだ?」

ゆみ「ああ、届け物があると連絡を受けてな」

「お財布、ですか?」

ゆみ「モモがどこかで落としたらしいんだ」

「当の本人はあの状態ですが」


桃子「あぁー、もうっ!」ダンダン



ゆみ「……随分荒れているな」

「帰ってくる途中でなにかあったみたいです」

「てなわけで何とかして欲しいぞ」

ゆみ「仕方ない……モモ」


桃子「先輩……先輩っ」

ゆみ「大丈夫か?」

桃子「私は大丈夫っす。なにがあっても負けないっすから!」

ゆみ「そうか……ほら、落し物だ」

桃子「あ……私の財布」

ゆみ「さっき届けてもらったんだ。須賀京太郎……中学の頃の知人だが、モモも一度見たことがあるはずだ」

桃子「……あの金髪さんっすか」

ゆみ「なにかあったのか?」

桃子「特になにもないっす」


桃子(須賀京太郎……女の子の胸を揉む最低野郎っす)

桃子(先輩とワケアリっぽいのも気に入らないっす)

桃子(でも……)



京太郎『――そこだっ』


桃子(私をあんなにはっきりと、見つけてくれた……?)


桃子「……きっと何かの間違いに決まってるっす」ボソッ


ゆみ「モモ、やっぱり調子が悪いんじゃ……」

桃子「平気っすよ。だってきっと気のせいっすから」




『三年、初夏、決意』が解放されました

選択済みエピソード

・一年
入学式、久との再開
春、美穂子登場
春、二人のあいだにある壁
美穂子再び
初夏、久との対立
初夏、美穂子への依頼
初夏、美穂子との特訓
初夏、決戦前夜
決戦
初夏、リスタート
夏、新たな出会い
夏、欠けた月
夏、初めての執事(アルバイト)
夏、衣の麻雀講座
今宵、月が満ちるとも
夏休み、遠征初日
夏休み、松実姉妹
夏休み、遠征二日目――鹿児島
夏休み、眠り姫
夏休み、遠征三日目――大阪
夏休み、目覚めぬ未来
夏休み、遠征四日目――岩手
夏休み、八尺(実際には六尺五寸)
夏休み、遠征最終日――東京
夏休み、グランドマスター
夏の始まり
エピローグ
その後の美穂子
秋、バイト執事再び
秋、衣の誕生日(略してころたん)
秋、膝枕の日
秋、祭りの後で
秋、恋敵?
冬、雪の降り始め
冬、年の初めに
冬、画面の向こう側
冬、節分の前の日
冬、アラフォー(予備軍)
三月八日、一年後の誕生日
三月十五日、好みのタイプは?
三月十六日、初めてのお出かけ
三月、おもちと温泉と
三月、温泉のあとのマッサージ(意味深)

・二年
部活動紹介、まこ入部
春、学食にて
美穂子との再会
初夏、ストーカー?
初夏、池田の逆襲
初夏、タイムリミット
初夏、県予選開始
初夏、団体戦決着
初夏、縺れた糸
初夏、まこの苦労日記
初夏、ライバル
夏、全国へ
夏、ワールウィンド
夏、奈良の王者
夏、修羅の国のクールビューティー
夏、大阪の魔物
夏、大阪の姉妹
夏、神代の姫
夏、一番目と二番目
夏、スリーピングビューティ
秋、次の目標
秋、まこの苦労日記その2
秋、二人と一人
冬、旅行に行こう
冬休み、小悪魔
五月十日、膝枕とおんぶ

・三年
優希との出会い
春、和の初恋?
春、インハイチャンプ
初夏、最後の一人
初夏、不和
和の悩み
咲との微妙な関係
優希の好物
初夏、合宿
初夏、家庭訪問@原村家
初夏、最後の県予選
初夏、鏡
初夏、見えない彼女の見つけ方

・EX
小学五年、幼馴染
中学二年、初夏、ゆみとの出会い
中学二年、夏、試合観戦
中学二年、三月、照との別れ
中学三年、初夏、空白

『三年、秋、天照大神』の解放条件を一部満たしています

三年編のインターハイを終わらせることで完全に解放されます


現在選択可能エピソード

1・二年、冬休み、ゆきみだいふく

2・三年、初夏、決意


>>+2

1で了解

ポストはやりんに京太郎がどんな反応を見せるのか

それじゃ、おやすみです

レーダーってのはおもちとはあまり関係がない……はず
胸揉みはあくまで事故……のはず

まあ、ぶっちゃけるとオカルトレーダーです
おもちハンター的なのとはまた違います

ちょっと暇なのでお好きなキャラをどうぞ
一度選ばれた、または登場してないキャラは無効になります

下2
下3



竜華→京太郎


竜華「え、須賀くん? せやなぁ」

竜華「最初はノリも良くておもろい人やなって思っとったけど……」

竜華「アドレス交換したし、案外寝顔かわいいし、優しいし……おまけにいい匂いするし」

竜華「あはは、自分でもなに言うとるのかようわからんな」

竜華「好きなのかって? ま、まあ……否定はできへんかも」

竜華「竹井さんとは付き合ってへんって聞いたけど……どうなんやろな」

竜華「そういえば怜も気になること言ってたような……」


哩→京太郎


哩「須賀? 一言で言うと……イケメン?」

哩「わ、私が面食いとかそがん話じゃなかっ」

哩「中身も伴っとるパターンやね」

哩「え? 愛してるって言われたことについて?」

哩「……あ、あいは冗談やろ」

哩「顔が赤い? ウソっ!」


もう方言ばっかだよ
方言があったってほぼ標準語のとこだっていっぱいあるんだよ
じょっぴんかるとか聞いたことねぇよ

そういうわけで今日は失礼します
多分明日には投下できる予定
降水確率50%ぐらいで

それじゃ

インタビューの時系列

照 三年編で京太郎と会う前までのいつか
咏 二年編の夏ぐらい
玄 二年編の夏ぐらい
美穂子 二年編初登場から三年編初夏までのどこか
小蒔 インハイ直後
健夜 二年編の夏ぐらい
豊音 二年編の夏ぐらい
竜華 二年編の夏ぐらい
哩 二年編の冬休み

みたいな感じです

まつみだいふく イチゴ味と黒ゴマ味
たきみだいふく 黒糖味

なんてどうでしょうか

それはともあれ、もうすこししたらやります

そんじゃ、始めます



・二年、冬休み、ゆきみだいふく


(それは、雪が降った次の日のことでした)

(そこらの家の前はもう雪かきが済んでいて、道路は少し狭くなっていて)

(そんな道を、私はエコバッグを片手に歩いていました)

(目的地は、春から同じ学校になる(予定の)先輩の家です)

(なんでも『面白いことがあったから集合』だそうです)

(私も一応は受験生なので、おいそれと遊びに行くのはどうかとも思ったのですが……)


「これで足りるでしょうか?」


(気がつけばもう用意を済ませ、家を出て、さらには買い物まで済ませてしまっていて)

(こうなるともう先の心配はどこかへ行ってしまい、頭の中には別の心配事が居座りました)

(先輩方の内二人は、割り当てた分量より多めに食べてしまうのです)

(一人一個と言ったのに二つ三つは取っていってしまったり)

(とにかく、さっき買った9個入りのアイスが足りるかが心配でした)



「あ、雪」


(白くてふわふわするものといえば、なにを連想するでしょうか?)

(先輩の一人は、私を指してマシュマロと言ってきました)

(その時は私が白いセーターを着てたのでそれが思い浮かんだらしいのですが)

(私の名前的にももっと別のものを想像したっていいと思います)

(ほら、たとえばこの白い空からゆっくりと降ってくる――)


「のわぁぁあああ!」ドシャ


(空から降ってきたのは、儚げな白い粒ではなく、男性でした)

(見事に雪まみれです。私も勢いで舞い上がった雪をかぶってほとんど同じ状態です)

(でも服の中までは入ってないのでギリギリセーフです)


「あの、大丈夫ですか?」

「ああ……落とした雪がクッションになってくれたみたいだ」



(声音も髪の色も明るく、顔立ちは同年代の男子よりも大人びて見えました)

(頭髪検査で一発アウトな見た目で、いわゆる不良さんなのかとも思いましたが、そんな恐そうな雰囲気ではありませんでした)

(ただ、この状況は漫画や小説でありそうなワンシーンだなと、ぼんやり考えていました)


「悪い、そっちも雪まみれだな――」


(もちろん、そんなことは現実ではほぼ起こりえません)

(ただ――)


「……なんか雪見だいふく食べたくなってきた」


(彼はエコバッグには目もくれず、私を見上げてそう呟きました)

(もしかするとエスパーなのかもしれません)





京太郎「出ちゃったな」

久「出ちゃったわね」

まこ「……本当に行くんですか? 北海道」

京太郎「行くしかないだろ」

久「そうね、行くしかないわね」


京太郎「いやー、まさか本当に北端が出るとはな」

久「まるでローカル番組の企画ね」

京太郎「どうでしょうか?」

久「どうでしょうね」

まこ「どうでしょう……じゃないわ!」


京太郎「まあまあ、スキーでもやろうぜ。長野でもできるけど」

久「スノボもいいわね。長野でもできるけど」


まこ「はぁ……とりあえず飛行機の予約じゃな」





まこ「ふぁ……ねむ」

京太郎「どうした? ずいぶん眠そうじゃないか」

まこ「逆に眠くないんかい」

京太郎「元運動部だからな。早起きとかは結構得意なんだよ」

まこ「興奮して寝れないタイプに見えるがの」

京太郎「そういう時は一汗かくと眠れたりするけどな」

まこ「……意外に脳筋じゃな」

京太郎「だから元運動部だっての」


久「ん……ちょっと寝るから静かにしてー」


京太郎「おいおいマジかよ。楽しい空の旅は始まったばかりなんだぜ?」

まこ「それじゃあわしも……」

京太郎「俺一人でトランプやウノで遊べってか!?」


久「うるさーい」

まこ「黙らんかい」


京太郎「……うぃっす」





京太郎「で、どこ行く?」

久「そこまでは決めてなかったわね」

まこ「……もうちっと計画的に動けんのかの?」

京太郎「そう言うなって。行き当たりばったりも結構楽しいもんだ」

久「乗る電車を間違えたりねー」

京太郎「ちょっ、それは言いっこなしだろ」

まこ「ああ、岩手の」

京太郎「はい終わり! この話終わり!」


久「まぁ、京太郎の黒歴史はほっといて、行き先ね」

京太郎「あ、それだったら洞爺湖行きたい」

まこ「洞爺湖? なぜに?」

京太郎「木刀欲しい。洞爺湖って彫られたやつ」

まこ「……中学生かい」

京太郎「仕方ないだろ。中学も高校も修学旅行で北海道に行く素振りすら見せてくれなーんだから」

久「そういえばこの前は沖縄に行ったっけ」



京太郎「沖縄も楽しかったよ? 楽しかったけどさ! 洞爺湖がないんだよ!」


まこ「す、すごい執着じゃな」

久「あー、そういえば……」

まこ「思い当たることでも?」

久「小学校の時、同じクラスの男子に自慢されてたわね。洞爺湖の木刀」

まこ「しょうもなっ!」


久「でも、他に候補がないんなら行ってもいいんじゃない?」

京太郎「よっしゃ! こりゃ二刀流しかないなっ」

まこ「洞爺湖……バスかね?」

久「えっと……高速で二時間ぐらいね」

まこ「到着は夕方頃か」





京太郎「木刀買えたし、宿も確保できたし、もう怖いものなしだな」

久「ちょーっとだけ洞爺湖からは離れちゃったけどね」

京太郎「まあいいんじゃね? 洞爺湖はメインじゃないし」

まこ「さっきまでの執着はどこいったんだかの」

久「晩御飯の前に温泉でも入ってくる?」

まこ「賛成」

京太郎「俺は寂しく一人風呂ね。混浴ないの?」

久「はいはい、残念ながらありません」


まこ「その後の晩飯じゃが、何食べる?」

京太郎「釜飯食いたい」

久「私は蕎麦で」

まこ「なんでこういうときはばらけるんだか」





京太郎「あー、さっぱりした」

京太郎「久ちゃんたちはまだかな?」

京太郎「女の子は長風呂か……」

京太郎「ま、散歩でもしてるか」

京太郎「一応メールを送っといて……っと」


京太郎「はー、普通に雪景色だな」

京太郎「今更珍しくもなんともないけどな」


「あうっ」ドテッ


京太郎「見事な転びっぷりだなー。どっかのだれかを思い出す」

京太郎「おーい、大丈夫かー?」


「あ、はい……えっ、男の人っ!?」ビクッ



京太郎「冬道は滑るから気をつけろよ。ほら、立てるか?」

「ひゃ、ひゃいっ」

京太郎「怪我は……なさそうだな。下が雪でよかった」

「あ、あうあう……」

京太郎「ああ、いきなり悪いな。大丈夫なら俺はもう行く――」


「なるかっ」


京太郎「――ぐはっ!」

「こっち!」グイッ

「ちかちゃん、あの人は!」

「遅いと思ったらやっぱり!」

「ちかちゃん、聞いてください!」バッ


「あの人は転んだ私を助けてくれたんですっ」


「……え?」

京太郎「いてて……なんだってんだ」





「本当に申し訳ありませんでしたっ」


京太郎「まあいいけどさ、勘違いには注意しろよ?」

「あの、許していただけるんですか?」

京太郎「あれぐらいだったらダメージにならないっての」

「私、結構手加減とか忘れてたんですけど……」

京太郎「気にすんなって。はい、この話はおしまいな」

「でも、それじゃこっちがモヤモヤすると言いますか」

京太郎「つってもな……あ、君たち地元の人?」

「はい」


京太郎「俺、須賀京太郎って言うんだけど、ここらで麻雀部がある高校知らないか?」


「それなら……うちの高校、来てみます?」

京太郎「マジで? おし、早速久ちゃんたちに連絡だな」



「ちかちゃん、今部室は……」

「あ、そうだ。閉め切られてるんだっけ」

「どうしましょうか……」

「……というかなるか、なんで私の後ろに隠れてるの?」

「だ、だって……男の人と面と向かって話すのは慣れてなくて」

「もう……」


京太郎「なんて高校だっけ?」

「有珠山高校です」

京太郎「有珠山な」

「でも今はちょっと入れなくて……」

京太郎「マジか……」

「ちょっと待っててください。今、他の人と相談しますから」



京太郎(さて、久ちゃんたちは……お、メール来た)

京太郎(晩飯食べに行くから戻ってこいってか)

京太郎(俺も腹減ってきたし……どうするかな)


「あの、もう晩御飯って食べました?」

京太郎「まだだな」

「じゃあ、これから一緒にどうかって言われてるんですけど」

京太郎「あー、それ悪くないかも。地元民だったらいい店知ってそうだし」

「わかりました」


「あ、桧森誓子です。よろしくお願いします」

「わ、私は……」

誓子「ほら、前に出て」

「も、本内成香、です……」





「どもー、岩館揺杏でーす」

「獅子原爽、よろしくなー」


誓子「以上が私たち有珠山高校麻雀部のメンバーです」

爽「本当はもう一人中学生がいるんだけどな」

成香「そういえばユキちゃんは来れないんですか?」

揺杏「門限だってさ。かったいよなー」

爽「一部分はすっごく柔らかいけど」

誓子「どうしよう……ユキがいないから突っ込む人がいない」


久「うーん、今回は多いわねぇ」

まこ「もはやいつも通りじゃな」

京太郎「なんだよー、こうして美味い飯にもありつけたんだからいいじゃないか」

久「まあ、それはこれから次第ってことで」

京太郎「俺が悪いことしたかのように言うの、やめようぜ」



揺杏「まーまーおふた方、気楽にいきましょうよ」

爽「夫婦漫才ってやつも悪くないんだけどな」

成香「お二人は付き合っているんですか!?」

誓子「なんでそこに食いつくのよ……」


京太郎「夫婦かどうかはともかく、明日どこかで麻雀打てないかって話なんだけど」

爽「それなー、部室は使えないし……」

揺杏「私らの誰かの家でいいんじゃね? マットくらいはあるし」

久「いきなりお邪魔しちゃって大丈夫?」

まこ「わしらとしては雀荘でもかまわないんじゃが」

誓子「それだとお金がかかっちゃうし、別に構わないけど……なるかは?」

成香「多分、大丈夫です」

揺杏「よし!」

爽「それならじゃんけんってことで」


爽「じゃーんけーん――」





揺杏「ってなわけで明日はチカセンちで麻雀ってことで」

爽「うむ、実に民主的に話が決まってよかった」

誓子「ジャンケンは民主的じゃないでしょ」

成香「よかった……」ホッ


久「あのさ、場所わかんないから集合場所とか決めていい?」

揺杏「いいぜー、竹井さんだっけ?」

久「じゃあこの店の近くのバス停――」


成香「あー! 竹井さんって9位の人ですよっ!」



誓子「いきなりどうしたの」

成香「だ、だから9位で個人戦が竹井さんで……!」

揺杏「解読班ー」

爽「ふむふむ……つまり、竹井久はインハイ個人戦9位だと」

成香「そう、それです!」

誓子「え、これって本当に?」

久「……まあ」

成香「この前部室で読んだ雑誌に載ってました!」

爽「あー、そういえばそんな記憶があるような……」

揺杏「まぁ、でも私らとしては清水谷や福路美穂子のほうが目を引かれるっていうかさ。大きさ的に」

爽「だね」


久「……」ピキッ

京太郎「久ちゃん、ウェイト」

まこ「的確に地雷を踏んだのぅ……」



久「獅子原さん?」

爽「んー?」

久「岩館さん?」

揺杏「あいー?」

久「ちょっと、外に来てもらってもいい?」

爽「いやー、それは――」ガシッ

揺杏「ちょっ――」ガシッ

久「いいから……ね?」


京太郎「……」

まこ「……」

誓子「……」

成香「……」


成香「私、余計なこと言っちゃいました?」

誓子「悪いのはあの二人よ。自業自得」

京太郎「せめて安らかに眠れ」

まこ「勝手に殺すのはやめんか」





久「でっしょー? 参っちゃうわよねー」

揺杏「それはないっすわー、てかマジやばいっしょ」

爽「私としてはもっとアグレッシブでもいいと思うけどなー」


まこ「……なんか仲良くなっとるの」

誓子「一体なにがあったのかしら?」

京太郎「じゃあこっちも負けずに仲良くやろうぜ」

成香「お、おー」

まこ「いや、律儀に乗っからんでもええじゃろ」

成香「え、そうなんですか?」

誓子「明日は私の家でこの光景が繰り広げられるのね……」

京太郎「大丈夫だ。打ってたらそれはそれで大変なことになると思うから」

誓子「ちっとも大丈夫じゃない……」





京太郎「楽しそうなとこで良かったな」

久「部費を使って来てる以上、麻雀の腕も期待したいとこだけど」

まこ「さっきまで旅行気分だった人が言っても説得力がないわな」

久「ヒドイじゃないのよー」

京太郎「まぁ、いいじゃん。修学旅行にも自由時間があるしさ」

まこ「わしが言いたいのは、あまり人様に迷惑をかけるなということじゃ」

久「そんな引率者みたいなこと言わなくてもいいじゃない」

京太郎「二年に引率される三年って色々強烈だな」

まこ「引率される三年その2っ」

京太郎「俺もかっ」


久「雪、降ってきたわね」

京太郎「風はないけど、これ積もるかもな」

まこ「雪まみれになる前に旅館に戻りたいんじゃが」

久「そうね、風邪ひいたらつまんないし」





誓子「えー、早速ですがチーム分けをしたいと思います」


久「いきなりなに?」

爽「家に集まる前に色々準備も必要だよねって話だよ」

誓子「とりあえず買出し班と雪掻き班にわけましょうか」

揺杏「うげっ、自分ちだけで精一杯だっての」


揺杏「てなわけではいはーい、買い出し希望で」


爽「一人では何かと大変だろうから私も」

揺杏「竹井のおねーさんも行こうぜ」

久「私も?」

揺杏「けってーい」

爽「善は急げだなー」

久「ちょっ、引っ張らなくてもいいからっ」



まこ「……勝手に話が進みおった」

京太郎「残った俺たちは雪かきってことでいいのか?」

誓子「ごめんね? 他の家族がいなくて、まだ終わってないの」

京太郎「そんぐらい気にすんなって。四人でやればすぐ終わるだろ」

成香「あ、あの……」

誓子「どうかしたの?」

成香「実は忘れ物しちゃって……」

誓子「もう、しょうがないなぁ」

成香「ごめんなさいっ」

誓子「そんなに謝らなくてもいいわよ。でも、どうしようかな……一人で歩くのも危なそうだし」

京太郎「……わかった。じゃあまこっちゃん、ついていってやってくれ」

まこ「雪かきは?」

京太郎「俺と桧森の二人でやっとくよ。それでいいか?」

誓子「私はいいけど……なるかは?」


成香「申し訳ないですけど、お願いします」

まこ「そんなかしこまらんでも」


京太郎「じゃあ、俺ら雪掻き組もいくか」

誓子「うん、そうね」





京太郎「雪はこっちに放っていいのかー?」

誓子『あ、なるべく玄関の横でお願いしまーす』

京太郎「りょうかーい。ってか声遠いけどどっから喋ってんだ?」


誓子「よいしょ……っと」


京太郎「屋根の雪、下ろしてるのか」

京太郎「……危なそうだな、なんか」


誓子「この雪、けっこう硬い――きゃっ」ツルッ


京太郎「ほらやっぱり!」ダッ


誓子(落ちる……!)



誓子「……あれ?」

京太郎「滑り込みセーフだよこの野郎」

誓子「あ、もしかして……」

京太郎「あれは俺やるから下頼むわ」

誓子「う、うん……」

京太郎「そんじゃ、雪落とすから当たんなよ?」

誓子「その、君も気をつけて……」


誓子(どうしよう、お姫様抱っこされちゃった……)





京太郎「ふいー、こんなとこか」

京太郎「けっこう硬かったな」

京太郎「さて、桧森を手伝わないとな」チラッ


京太郎「お、雪か。また積もんないといいんだけどな」


京太郎「ん~、ちょっと体暖まってきたな」

京太郎「もうひと踏ん張りだな」

京太郎「さ、頑張りますか――」ツルッ


京太郎「――え?」


京太郎(なに、この嫌な浮遊感)

京太郎(もしかしなくても二の舞?)

京太郎(ああ、そこブラックアイスバーンなのね)



京太郎「のわぁぁあああ!」ドシャ


「あの、大丈夫ですか?」

京太郎「ああ……落とした雪がクッションになってくれたみたいだ」

京太郎「悪い、そっちも雪まみれだな――」


京太郎(え、何この子)

京太郎(雪まみれのコートが押し上げられるほどでかいってのか!?)

京太郎(落ち着け、今俺が考えるべきことはそれじゃないだろ)


京太郎「……なんか雪見だいふく食べたくなってきた」


京太郎(だからちげーだろって!)





「初めまして、真屋由暉子です」

京太郎「どうも、須賀京太郎だ」


誓子「この子が昨日言ってたもう一人なんだ」

京太郎「ああ、中学生なんだっけ?」

由暉子「はい、来年からは有珠山高校に通う予定です」

京太郎「ってことは受験生か」

誓子「ユキ、勉強の方は大丈夫? 呼び出しちゃってなんだけど」

由暉子「問題ないです」


由暉子「みなさんに教えてもらう気満々ですから」スチャ


誓子「あ、あはは……勉強道具持参なのね」

京太郎「俺も流石に受験前は勉強したからなー」

誓子「勉強は普段からするものだと思うけど」

京太郎「こう見えて体育会系なんだよ」



由暉子「……」ジー


京太郎「……俺?」

由暉子「一つ、お聞きしたいことが」


由暉子「エスパー、なんですか?」


京太郎「……はい?」

誓子「え、ユキどうしちゃったの」

由暉子「さっき、中身も見ずにバッグの中身を言い当てましたよね?」

京太郎「さっき……」


京太郎(まさか、雪見だいふくがどうとかって話じゃないよな)

京太郎(それ以外だと……なんもねーじゃん)


由暉子「この、9個入りの雪見だいふくのことをぴたりと」

京太郎「やっぱそれかよっ」



ピンポーン


誓子「あ、他のみんなも到着かな? はいはーい」

由暉子「あの、そういえば今日はどういった集まりで?」

京太郎「うーん、麻雀大会、みたいな?」

由暉子「麻雀の、大会……それ、面白そうですねっ」

京太郎「中々の食いつきっぷりだな」


揺杏「ちーっす」

爽「食料班到着ー」

久「あれ、新しい子?」

成香「私たちが最後みたいですね」

まこ「おお、揃っとる揃っとる」


京太郎「そんじゃあ、みんな集まったことだし始めますか」





京太郎「いやー、大敗だよ大敗」

まこ「相変わらずといえばそうじゃがの」

誓子「あー、こんなに散らかして」

由暉子「手伝います」


揺杏「通れよ、通れ~」トン

久「残念。ロン」

揺杏「マジっすかー」

成香「素敵です!」キラキラ

爽「あっちゃー、今のでまくられた」



京太郎「向こうはいい感じに盛り上がってんな」

まこ「どれ、次はわしが入るかの」

京太郎「なら俺は外に出るかね。食料切れかかってるし」

まこ「一緒に行こうか?」

京太郎「いや、それなら間に合ってる」


京太郎「桧森ー、真屋を借りてってもいいか?」


誓子「なにかするの?」

京太郎「追加の買い出しに行こうかと」

誓子「それだったら私が行ってもいいよ?」

京太郎「場所貸してもらってるからゆっくりしててくれ。真屋、いいか?」

由暉子「私は構いません」

京太郎「じゃあ、近くのコンビニでいいかな」


あ、本当だ
三年→二年
二年→一年で




京太郎「真屋ってアイドル目指してるんだっけ?」

由暉子「私が、というよりもみんなに後押しされている感じです」

京太郎「ふーむ、ポストはやりんってとこか」

由暉子「目標は打倒はやりんらしいですけど」

京太郎「はは、相当手強いんじゃないか?」

由暉子「でも、みんながついてますから」

京太郎「チームか……悪くないな」

由暉子「はい、私の自慢のチームです」ヨロッ


京太郎「おっと……袋、重いなら持つぞ?」

由暉子「いえ、袋は一個ずつです」

京太郎「しょうがねえな……あ、ちょっと休憩したいんだけど」

由暉子「もうすぐ着きますよ?」

京太郎「いいからいいから」





京太郎「にしても晴れてんな。外は寒いけど」

由暉子「でも建物の中はあったかいですね」

京太郎「ならこれ食っても大丈夫だよな?」ゴソゴソ

由暉子「雪見だいふくですか?」

京太郎「9個入りの食べれてなかったみたいだからさ」

由暉子「……」

京太郎「他の奴には内緒な?」

由暉子「はい」


由暉子「でも……一人じゃ多いので、半分こじゃダメですか?」





爽「遊んだ遊んだー!」

揺杏「いやもう、マジ勘弁」

誓子「揺杏は振込みすぎね」

成香「それは竹井さんが強かったんじゃ……」


由暉子「……楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうんですね」


誓子「ユキ?」

由暉子「インターハイ、行きたいです」

誓子「そう……ならこの後勉強会でもする?」

由暉子「はい、お願いします」


由暉子(でも、夏だと雪見だいふくは時季外れかもしれないですね……ふふっ)





京太郎「行きは飛行機で帰りは電車か」

久「帰りは急がないからいいんじゃない?」

京太郎「ま、のんびり帰るか」

まこ「旅行はこれで終わりで?」

京太郎「いや、正月明けからまた行くだろ」

久「そうね顔出したいとこもあるし」

まこ「あ、はい。そうですか」



ね、ねむい……

ということで範囲安価は明日の夜にでも取ります

おやすみなさい

範囲安価取りたいけど人いますかね?

それじゃあ、この中から一つどうぞ

1、大阪
2、奈良
3、東京

冬休みの安価はこれで終わりです

下1~下5

なんか1と2で票が割れてる……

それじゃあ、コンマ判定で

奇数:大阪
偶数:奈良

直下で

偶数だから奈良ですね

『二年、冬休み、神社の娘と王者の進路相談』が解放されました

選択済みエピソード

・一年
入学式、久との再開
春、美穂子登場
春、二人のあいだにある壁
美穂子再び
初夏、久との対立
初夏、美穂子への依頼
初夏、美穂子との特訓
初夏、決戦前夜
決戦
初夏、リスタート
夏、新たな出会い
夏、欠けた月
夏、初めての執事(アルバイト)
夏、衣の麻雀講座
今宵、月が満ちるとも
夏休み、遠征初日
夏休み、松実姉妹
夏休み、遠征二日目――鹿児島
夏休み、眠り姫
夏休み、遠征三日目――大阪
夏休み、目覚めぬ未来
夏休み、遠征四日目――岩手
夏休み、八尺(実際には六尺五寸)
夏休み、遠征最終日――東京
夏休み、グランドマスター
夏の始まり
エピローグ
その後の美穂子
秋、バイト執事再び
秋、衣の誕生日(略してころたん)
秋、膝枕の日
秋、祭りの後で
秋、恋敵?
冬、雪の降り始め
冬、年の初めに
冬、画面の向こう側
冬、節分の前の日
冬、アラフォー(予備軍)
三月八日、一年後の誕生日
三月十五日、好みのタイプは?
三月十六日、初めてのお出かけ
三月、おもちと温泉と
三月、温泉のあとのマッサージ(意味深)

・二年
部活動紹介、まこ入部
春、学食にて
美穂子との再会
初夏、ストーカー?
初夏、池田の逆襲
初夏、タイムリミット
初夏、県予選開始
初夏、団体戦決着
初夏、縺れた糸
初夏、まこの苦労日記
初夏、ライバル
夏、全国へ
夏、ワールウィンド
夏、奈良の王者
夏、修羅の国のクールビューティー
夏、大阪の魔物
夏、大阪の姉妹
夏、神代の姫
夏、一番目と二番目
夏、スリーピングビューティ
秋、次の目標
秋、まこの苦労日記その2
秋、二人と一人
冬、旅行に行こう
冬休み、小悪魔
冬休み、ゆきみだいふく
五月十日、膝枕とおんぶ

・三年
優希との出会い
春、和の初恋?
春、インハイチャンプ
初夏、最後の一人
初夏、不和
和の悩み
咲との微妙な関係
優希の好物
初夏、合宿
初夏、家庭訪問@原村家
初夏、最後の県予選
初夏、鏡
初夏、見えない彼女の見つけ方

・EX
小学五年、幼馴染
中学二年、初夏、ゆみとの出会い
中学二年、夏、試合観戦
中学二年、三月、照との別れ
中学三年、初夏、空白

『三年、秋、天照大神』の解放条件を一部満たしています

三年編のインターハイを終わらせることで完全に解放されます


現在選択可能エピソード

1・二年、冬休み、神社の娘と王者の進路相談

2・三年、初夏、決意


>>+2

2で了解

ちなみに二年の冬休みの最後はどうあがいても岩手です

本編は進みませんがお好きなキャラをどうぞ

登場済みのキャラに限ります
一度選ばれた以下のキャラは不可

照・咏・玄・美穂子・小蒔・健夜・豊音・竜華・哩

下2
下3



衣→京太郎


衣「きょうたろー? 愚問だな」

衣「比翼の鳥、連理の枝……衣ときょうたろーはそういうものだ」

衣「その割には一緒にいる時間が少ない?」

衣「そ、それはきょうたろーが高校を出るまでの間の話だっ」

衣「衣と向き合ってくれたきょうたろー以外、衣の伴侶にはなりえない」

衣「まとわりつく障害も、正面からねじ伏せて……え? きょうたろーの女性関係一覧?」

衣「……」

衣「ま、負けないもん」


マホ→京太郎


マホ「すがきょうたろう? ……もしかしてあのお兄さんのことですか?」

マホ「とっても親切な人だと思います!」

マホ「マホのことを子供扱いしてくるのはちょっと意地悪ですけど!」プンプン

マホ「でも、もしお兄ちゃんがいたら……あんな人なのかなーって思うです」

マホ「えへへ、ちょっと恥ずかしいです」

マホ「でも、ちょっと不思議な感じもします」

マホ「マホと似てるような、全然違うような……」

マホ「じょせいかんけい?」

マホ「わぁ、お友達がたくさんいるんですね!」


なお、このインタビューの後、副会長が血涙を流してたそうな
ちなみにマホはまだ京太郎の名前を知りません

大阪に行ってたらそこからコンマ判定でした
それで荒川ナースメインか末原さんメインか
東京は……まあ、留学生やらプロやらですかね?

それじゃ、失礼します

どうもこんばんはです

咲のインハイ決勝戦の決着は何年後だろうか……

風呂入ったらやります

爽の能力が姉帯さんっぽいっていうかえげつなさそうだった

それじゃ、始めます



三年、初夏、決意


久「今日もご苦労様、みんな」

優希「楽勝楽勝! この調子で明日もやってやるじぇ!」

和「私はいつも通り打つだけですから」

京太郎「そういや、合宿のあとからぬいぐるみ抱えて打ってるけど、なんかあるのか?」

和「そ、それは……」

京太郎「え、聞いちゃいけなかった感じ?」

和「そういうわけでも、ないんですけど……」

久「はいはい、そこまで。女の子同士の秘密よ」

京太郎「なんだよ、じゃあ俺以外知ってるのかよ」



まこ「まあ」

咲「はい」

優希「大したことじゃないじぇ。のどちゃんはねるとき――もがっ」

和「ゆ、ゆーきっ」


久「というわけで、無理に聞き出すような真似は禁止ね」

京太郎「いや、てか大体わかったから。片岡が口滑らせたおかげで」

久「あらら、でも知らないフリでお願いね」

京太郎「わかってるって。しかし、落ち着いた性格かと思ったら結構可愛げがあるんだな」

まこ「ギャップっちゅーもんか」

久「まこも優希と一緒になって大笑いしてたしねー」

まこ「うっ」






咲「今日はもう解散ですか?」

久「そうね……このまま帰るのももったいないかも」

京太郎「なんか食いに行くか? 明日は決勝だし」

優希「タコス!」

京太郎「お前はそれしか言わねーな」グリグリ

優希「うわー」

まこ「わしは大丈夫じゃが、予定がある人は?」

咲「私も大丈夫です」

和「同じく」

京太郎「よし、じゃあどこ行く?」



優希「タコライス!」

咲「え、パスタかな?」

和「洋食、でしょうか?」

まこ「わしはなんでもいいんじゃが……ゲン担ぎでカツとか?」

久「中華の気分」


京太郎「……地味にバラけたな」

まこ「どうするんじゃ、部長?」

久「そうねぇ……ここは最後の手段、アレでいきましょうか」

京太郎「アレか……ドリンクバーがはかどるな」

まこ「ドリンクバー……ああ、なるほど」





久「さ、遠慮せず食べて。ここは私たちの奢りよ」

京太郎「こりゃ県予選終わったらバイトだな……」

まこ「少し払おうか?」

京太郎「いや、大丈夫だ」


優希「タコライスうまー」

咲「ファミレスにタコライスってあったんだ……」

和「……」ジー

優希「ん? のどちゃんどした?」

和「いえ、別になんでも……」

優希「ふーむ、あのラーメンが気になると見たじぇ」

和「ら、ラーメンぐらい食べたことがありますからっ」


優希「せんぱーい」



京太郎「なんだー?」

優希「のどちゃんがラーメン一口食べてみたいって」

和「ゆーきっ」

京太郎「俺としては構わないけど、普通のラーメンだぞ?」

優希「その普通のラーメンを知らないみたいなんだじぇ」

和「だ、だからっ」

京太郎「ふむ……じゃあ食べてみるか?」

和「え、それは……」

京太郎「あ……悪い、俺が口つけちゃったしな」

和「そんなっ!」


和「その……一口、いただきます」カァァ





和「あつっ」

優希「ふーふー冷ましてから一気にずるずるーだじぇ」


咲「……パスタ、一口いります?」

京太郎「もらえるならもらうけど、いいのか?」

咲「そのかわり、あとでラーメン一口お願いします」



まこ「緊張してる様子もなし……これで明日も大丈夫かの?」

久「じゃあ私はみんなの分も緊張しとこうかな」

京太郎「そこは特に緊張する必要がない俺が引き受けた」

久「じゃあ今夜ベッドで膝抱えてるからご自由にどうぞ」

まこ「こらこら」

京太郎「で、電話じゃダメっすかね?」





和「それでは、今日はこれで失礼します」

優希「また明日だじぇ」

咲「おやすみなさい」

まこ「はよう寝れよー」

久「みんな、明日もお願いね」

京太郎「じゃあなー」


咲「……二人きりですか」

京太郎「まあ、俺ら家近いからな」

咲「別にいいですけど」

京太郎「はは、お前がそうツンツンしてるとなんか反抗期って感じするな」

咲「むっ」

京太郎「明日も頼むぜ、大将」

咲「大将……あの子も、なんだよね」

京太郎「衣か?」

咲「私、勝てるのかな……?」

京太郎「……」

咲「あの子、きっと強い……」



咲「昔の、お姉ちゃんよりも……」ボソッ


京太郎「……お前、どうして麻雀部やる気になったんだっけ?」

咲「え?」

京太郎「ほんの欠片ぐらいは俺が頼んだからって理由もあるかもしれないけど、お前なりの理由ってのもあるはずだよな?」

咲「そう、だけど」

京太郎「具体的に聞き出すつもりはないけど、それって放り出せるような理由なのか?」

咲「……」


京太郎「放り出せない理由がある奴は、勝てる勝てないが問題じゃないんだよ」

京太郎「それ以前にやるしかないんだからな」

京太郎「でももし、お前一人だけの理由が弱く思えるんだったらさ……後ろを見てみろよ」

京太郎「片岡、まこっちゃん、久ちゃん、原村……みんながつないだバトンをお前が最後に受け取るんだ」

京太郎「それはお前だけの理由じゃない、それぞれの理由がつまってるんだ」

京太郎「多分、逃げたくても逃げられなくなると思うぜ?」

京太郎「ま、チームってのは少なからずそういうもんだからな」



咲「……ひどいよ」

京太郎「そんな綺麗事ばかりも言ってられないからな……でもさ」


京太郎「普段通りに打てたら、いけると俺は思うぜ?」ワシャワシャ


咲「やっぱりひどいよ……だって、そんなこと言われたらもっと逃げられなくなっちゃうもん」

京太郎「それも含めて俺の策だったり」

咲「バカ……でも」


咲「ありがとう、かな?」





京太郎「明日で、全国に行けるかどうかが決まるのか」

京太郎「まったく、本当に俺が緊張してどうするんだか」

京太郎「普段は偉そうなこと言うだけで、試合してる時は本当に見てるだけなのにな」

京太郎「でも、団体戦が終わったらその後は……」

京太郎「俺の力、俺のオカルト……もしそんなものが本当にあるのなら」


京太郎「もしもし、久ちゃん?」

久『あれ? 本当に電話してきたのね』

京太郎「まあな。俺の声が聞きたいと思ってさ」

久『調子乗んな。ま、否定はしないけど』

京太郎「実を言うと、俺も久ちゃんの声が聞きたかったんだ」

久『あら、両思い?』

京太郎「そうなっちゃうかね?」


久『……それで、なにがあったの?』



京太郎「いや、ちょっと言いにくいけど……俺のわがままだし」

久『今更何言ってるのよ。あれだけ好き放題やっといて』

京太郎「はは、だな。じゃあ……」


京太郎「個人戦、出てもいいか?」


久『いいわよ』

京太郎「すっげーあっさりだな」

久『だって別に麻雀するなって言ってるわけでもないし』

京太郎「もっと色々言われるかと思ったんだけど」

久『そりゃあ、そんな実力で大丈夫か? とか言おうと思えば言えるけどね』

京太郎「お、俺だって基礎は出来てるし?」

久『あんたはそれ以外の部分で大きなマイナスがあるでしょ。牌に愛された子ならぬ牌に呪われた男?』

京太郎「それはそうかもだけどさ……でも、やってみたいんだよ」

久『だから止める気はないってば』


久『頑張りなさい、京太郎』


京太郎「ああ……ありがとうな、久ちゃん」




『三年、初夏、県予選決勝戦』が解放されました

選択済みエピソード

・一年
入学式、久との再開
春、美穂子登場
春、二人のあいだにある壁
美穂子再び
初夏、久との対立
初夏、美穂子への依頼
初夏、美穂子との特訓
初夏、決戦前夜
決戦
初夏、リスタート
夏、新たな出会い
夏、欠けた月
夏、初めての執事(アルバイト)
夏、衣の麻雀講座
今宵、月が満ちるとも
夏休み、遠征初日
夏休み、松実姉妹
夏休み、遠征二日目――鹿児島
夏休み、眠り姫
夏休み、遠征三日目――大阪
夏休み、目覚めぬ未来
夏休み、遠征四日目――岩手
夏休み、八尺(実際には六尺五寸)
夏休み、遠征最終日――東京
夏休み、グランドマスター
夏の始まり
エピローグ
その後の美穂子
秋、バイト執事再び
秋、衣の誕生日(略してころたん)
秋、膝枕の日
秋、祭りの後で
秋、恋敵?
冬、雪の降り始め
冬、年の初めに
冬、画面の向こう側
冬、節分の前の日
冬、アラフォー(予備軍)
三月八日、一年後の誕生日
三月十五日、好みのタイプは?
三月十六日、初めてのお出かけ
三月、おもちと温泉と
三月、温泉のあとのマッサージ(意味深)

・二年
部活動紹介、まこ入部
春、学食にて
美穂子との再会
初夏、ストーカー?
初夏、池田の逆襲
初夏、タイムリミット
初夏、県予選開始
初夏、団体戦決着
初夏、縺れた糸
初夏、まこの苦労日記
初夏、ライバル
夏、全国へ
夏、ワールウィンド
夏、奈良の王者
夏、修羅の国のクールビューティー
夏、大阪の魔物
夏、大阪の姉妹
夏、神代の姫
夏、一番目と二番目
夏、スリーピングビューティ
秋、次の目標
秋、まこの苦労日記その2
秋、二人と一人
冬、旅行に行こう
冬休み、小悪魔
冬休み、ゆきみだいふく
五月十日、膝枕とおんぶ

・三年
優希との出会い
春、和の初恋?
春、インハイチャンプ
初夏、最後の一人
初夏、不和
和の悩み
咲との微妙な関係
優希の好物
初夏、合宿
初夏、家庭訪問@原村家
初夏、最後の県予選
初夏、鏡
初夏、見えない彼女の見つけ方
初夏、決意

・EX
小学五年、幼馴染
中学二年、初夏、ゆみとの出会い
中学二年、夏、試合観戦
中学二年、三月、照との別れ
中学三年、初夏、空白

『三年、秋、天照大神』の解放条件を一部満たしています

三年編のインターハイを終わらせることで完全に解放されます


現在選択可能エピソード

1・二年、冬休み、神社の娘と王者の進路相談

2・三年、初夏、県予選決勝戦


>>+2

秒単位の凄まじい戦い……
ともあれ2で了解

それじゃ、おやすみなさい

こんばんはー

もうちょっとしたらやります

それじゃあ始めます



・三年、初夏、県予選決勝戦


京太郎「ふわぁ……もう朝か」

京太郎「ん……いい天気だな」

京太郎「さーて、顔でも洗って――」


京太郎「――目覚まし、止まってる?」


京太郎「え、じゃあ今は……」

京太郎「やべ、遅刻じゃん」





華菜「キャプテン、いよいよですね!」

美穂子「ええ」

華菜「今年こそあの天江を倒してやりますよ!」

美穂子「でも、強敵は龍門渕高校だけじゃないわ」

「私、大丈夫でしょうか……」

美穂子「自信を持って、文堂さん。あなたは自分の実力でここにいるの。それは確かなことだから」

華菜「そうだし、文堂の位置だったらエースとはまず当たらないから大丈夫だー」

「華菜ちゃん、その励まし方はどうなの……」

「それ以前に、中堅にはあのプレイヤーがいる……個人戦9位の」


美穂子(そう、清澄の中堅は……)

美穂子(彼女とぶつかることができなかったのは少し残念だけど)



「実力のあるプレイヤーが中堅かぁ……姫松と似たようなオーダーなのかな?」

「よ、吉留先輩、それってかなりまずいんじゃ……」

華菜「いい加減腹くくれよ。多少の失点は私とすーみんで取り返してやるし」

「勝負に必要なのは度胸」

「池田先輩、深堀先輩……」


「お前ら、そろそろ行くぞー!」


美穂子「時間ね、行きましょうか」

華菜「よーし、ギャフンと言わしてやるし!」

「それ古いよ……」





ゆみ「みんないるか?」

「モモも含めて全員いるぞー」

「智美ちゃん、どうしてわかるのかな?」

「うむ」

「わはは、においでなんとなく」


桃子「どう言う意味っすか!」


「あ、桃子さん」

「言われてみればそことなくフローラルな香りが……」

桃子「むっちゃん先輩もひどいっすよ!」


ゆみ「ふふ……どうやら心配はいらなさそうだな」

「もう何も怖くない、だなー」

ゆみ「それはやめろ。なんとなく不吉だ」

「わはは」



ゆみ「聞いてくれ」

ゆみ「今までも強敵ぞろいだったが、今日はきっとそれ以上だ」

ゆみ「県内屈指の強豪の風越、それを負かして去年全国進出した龍門渕」

ゆみ「そして、個人戦9位の竹井久が率いる清澄だ」

ゆみ「全国レベルの高校が三校立ちふさがってるといってもきっと過言じゃない」

ゆみ「だが、そんなことは関係ない。勝つぞ」


桃子「先輩かっこいいっす!」

「でもこれって普通部長の役目じゃないのかな?」

「うむ」

「わはは、これぐらいじゃ泣かないぞ」





透華「いよいよですわね」

一「うん。決勝戦だね、県大会だけど」

純「そう考えると全国優勝までけっこうあるよな」

智紀「去年は途中で他校を飛ばされて終わった」

透華「うっ……か、過去の話よりここは目の前のことですわ!」

純「つっても今年もオレらが勝ち抜けて終了じゃない?」

透華「それは当然として、どれだけ目立って勝つかですわ」

一「勝つのは当然なんだ」

智紀「あ、パソコンのバッテリーが……充電してくる」



透華「福路美穂子とあたらなかったのは残念ですが、副将には原村和がいる」

一「全中王者だっけ?」

透華「ええ、ですがそれだけではありませんわ」

一「あー、のどっちだっけ? ネト麻の」

純「あ、オレも忘れ物。ちょっと部屋戻るわ」


透華「彼女を打ち負かせば私がナンバー1であることは明白。大いに目立てるというものですわ!」


透華「……一、他のものは?」

一「部屋戻っちゃったよ。あと多分衣は寝てるかな」

透華「あ、足並みがそろっていない……」プルプル

一「まあ、いつものことだけどね」





京太郎「やっと着いた……」

京太郎「まだ決勝戦は始まってないよな」

京太郎「にしても……腹減った」

京太郎「朝飯抜きとかキツいっての……」


美穂子「京太郎さん?」


京太郎「あ、みほっちゃんか。これから出番?」

美穂子「はい」

京太郎「まぁ、うちの一年あんまいじめないでやってくれな」

美穂子「ふふ、どうでしょうか」

京太郎「あいつもそんな簡単にはやられないとは思うけど……」グゥ



京太郎「……腹減って死にそう」

美穂子「朝御飯、食べてないんですか?」

京太郎「今朝は寝坊しちゃってさ」

美穂子「……ちょっと待っててください」

京太郎「へ?」


京太郎「どうしたんだ、あんな急いで」

京太郎「まさか俺のために食べ物を……なーんて」

京太郎「いや、みほっちゃんだったらありえるよな」


美穂子「お、お待たせしました」

京太郎「サンドイッチ?」

美穂子「小腹が空いた時のために作ってきたんです。どうぞ」

京太郎「……ごめん、一個もらう」





京太郎「ごちそーさん」

美穂子「お粗末さまです」

京太郎「ごめん、うまくってつい全部食べちゃった」

美穂子「あ、いえ……その、おいしいって言ってもらったら私も嬉しいですから」

京太郎「うんうん、やっぱり結婚するんだったら料理が上手な人がいいよな」

美穂子「そ、そんな……」カァァ

京太郎「あー、悪い。ちょっと軽すぎた」

美穂子「いいですけど……その、私だけになら」ボソッ


京太郎「そんじゃ、そろそろ行くよ。後輩に差し入れしてやんなきゃいけないし」

美穂子「私もそろそろ準備しなきゃ」

京太郎「応援はできないけど、ほどほどに頑張れよ」

美穂子「はい。精一杯頑張ります」

京太郎「……お手柔らかに」





京太郎「悪い悪い、遅れちゃった」

まこ「重役出勤ご苦労」

久「具合はどう?」

京太郎「大丈夫だけど……なんだよ、そんな心配して」

久「だって昨日の夜は……あれでしょ」

京太郎「あー、気にすんな。今朝は目覚ましがブッ壊れてただけだから」

まこ「遅くまで電話してたとかそういうパターンかの?」

京太郎「あたり」

まこ「ふむ……一年生の前では言わんように」



京太郎「そういやあいつらは?」

久「三人仲良くお花摘み」

京太郎「女子ってなんか連れ立ってトイレ行くよな」

久「もとは優希と咲だけだったんだけど、ちゃんと帰って来れるか心配だったから」

京太郎「ああ、原村は監視役な」


優希「あ、先輩来てるじぇ」


京太郎「おう、途中で買ってきてやったぞ、これ」

優希「いえーい!」

和「おはようございます」

咲「寝坊ですか?」

京太郎「まぁな。心配かけたんだったら悪かったよ」



久「そろそろ時間ね……優希、準備はいい?」

優希「タコスはしっかり持ったじぇ」

京太郎「取られないようにしっかり持っとけよ?」

優希「当然だじぇ」

咲「優希ちゃん、頑張って」

和「平常心、ですよ」

優希「わかってるわかってる」

まこ「よし、じゃあ行ってこい!」バシッ


優希「一発かましてくるじぇ!」





「始まりますね、決勝戦」

靖子「ああ、今年も興味深い」

「インハイ常連の風越、牌に愛された子を擁する龍門渕が見所でしょうか」

靖子「龍門渕のメンバーは去年と同じ。風越は去年よりも強化されている」

「今年はどうなるかわからないと?」

靖子「それに他の二校もなかなかだね」

「清澄と鶴賀……この二校は初出場ですが」

靖子「鶴賀は完全にノーマークだったが、清澄には竹井久がいる」


靖子「これは去年以上に面白くなりそうだ」




『三年、初夏、東風とビギナーズラック』が解放されました

選択済みエピソード

・一年
入学式、久との再開
春、美穂子登場
春、二人のあいだにある壁
美穂子再び
初夏、久との対立
初夏、美穂子への依頼
初夏、美穂子との特訓
初夏、決戦前夜
決戦
初夏、リスタート
夏、新たな出会い
夏、欠けた月
夏、初めての執事(アルバイト)
夏、衣の麻雀講座
今宵、月が満ちるとも
夏休み、遠征初日
夏休み、松実姉妹
夏休み、遠征二日目――鹿児島
夏休み、眠り姫
夏休み、遠征三日目――大阪
夏休み、目覚めぬ未来
夏休み、遠征四日目――岩手
夏休み、八尺(実際には六尺五寸)
夏休み、遠征最終日――東京
夏休み、グランドマスター
夏の始まり
エピローグ
その後の美穂子
秋、バイト執事再び
秋、衣の誕生日(略してころたん)
秋、膝枕の日
秋、祭りの後で
秋、恋敵?
冬、雪の降り始め
冬、年の初めに
冬、画面の向こう側
冬、節分の前の日
冬、アラフォー(予備軍)
三月八日、一年後の誕生日
三月十五日、好みのタイプは?
三月十六日、初めてのお出かけ
三月、おもちと温泉と
三月、温泉のあとのマッサージ(意味深)

・二年
部活動紹介、まこ入部
春、学食にて
美穂子との再会
初夏、ストーカー?
初夏、池田の逆襲
初夏、タイムリミット
初夏、県予選開始
初夏、団体戦決着
初夏、縺れた糸
初夏、まこの苦労日記
初夏、ライバル
夏、全国へ
夏、ワールウィンド
夏、奈良の王者
夏、修羅の国のクールビューティー
夏、大阪の魔物
夏、大阪の姉妹
夏、神代の姫
夏、一番目と二番目
夏、スリーピングビューティ
秋、次の目標
秋、まこの苦労日記その2
秋、二人と一人
冬、旅行に行こう
冬休み、小悪魔
冬休み、ゆきみだいふく
五月十日、膝枕とおんぶ

・三年
優希との出会い
春、和の初恋?
春、インハイチャンプ
初夏、最後の一人
初夏、不和
和の悩み
咲との微妙な関係
優希の好物
初夏、合宿
初夏、家庭訪問@原村家
初夏、最後の県予選
初夏、鏡
初夏、見えない彼女の見つけ方
初夏、決意

・EX
小学五年、幼馴染
中学二年、初夏、ゆみとの出会い
中学二年、夏、試合観戦
中学二年、三月、照との別れ
中学三年、初夏、空白

『三年、秋、天照大神』の解放条件を一部満たしています

三年編のインターハイを終わらせることで完全に解放されます


現在選択可能エピソード

1・二年、冬休み、神社の娘と王者の進路相談

2・三年、初夏、東風とビギナーズラック


>>+2

1で了解

もうすぐ二年編も終了ですかね
それじゃ、おやすみなさい

二年編が終わったらもちろん、範囲安価的なものはあります
またきっと熾烈な争いになることでしょう

それじゃ、風呂入ったらやります

それじゃ、そろそろ始めます



・二年、冬休み、神社の娘と王者の進路相談


京太郎「奈良かー」

久「奈良ねぇ」


まこ「なんじゃ、奈良になにか思うところでも?」

久「あそこは去年も行ったからね」

京太郎「色々疲れるんだよな……」トオイメ

久「あんたは暇そうにしてただけじゃなかったっけ?」

まこ「珍しく遠い目……なにがあったんじゃ」

京太郎「まぁ、あそこなら宿も取りやすいし、いいんじゃないか?」

久「そうね。なら早速連絡しましょうか」

京太郎「あそこの温泉はいいぞぉ。温泉……うっ頭が……」

まこ「本当になにがあった!?」





玄「いらっしゃいませ」


京太郎「久しぶり」

久「宥は元気?」

玄「お姉ちゃんはその……コタツムリ状態で」

久「コタツムリ?」

京太郎「それはあとで会いにいくからいいとして……」


京太郎「こっちが俺らの後輩の染谷。同じ学年だしよろしくな」


まこ「どうも、染谷まこです」

玄「松実玄です、よろしくおねがいします!」

まこ「松実……ひょっとして旅館の娘さんとか?」

玄「はい。でも私とお姉ちゃんしかいないから婿養子がほしいかなー」チラッ

京太郎「?」

玄「って、お、お父さんが言ってたのです!」アタフタ



まこ「ありゃあまさか……」

久「そう思う? 本当頭が痛いのよね」

まこ「そっちはそうじゃろうがな」


玄「早速お部屋に案内するね」

京太郎「その後は宥に顔見世に行くけど、いいか?」

玄「いいけど……気をつけてね?」

京太郎「は?」

玄「お姉ちゃんの部屋、今は地獄だから」





宥「い、いらっしゃいませ……」プルプル


京太郎「お、おう」ダラダラ

宥「京太郎くんに竹井さんに、そっちの人は後輩さん?」

まこ「そ、染谷です」ダラダラ

宥「松実宥です」

久「じ、地獄ってこういうこと……」ダラダラ

宥「あの、もう少し温度下げる?」プルプル

京太郎「そんなコタツで防御固めたまんま言われてもな……しかもまだ寒そうだし」

まこ「なるほど、これがコタツムリ」

宥「京太郎くんたちがくるからちょっと温度下げてたの」

京太郎「温度下げてこれかっ」

宥「どうしてもって言うならもうちょっとだけ下げても……」プルプルプルプル

久「だ、大丈夫だからリモコンはおろしていいわよ」



玄「みんなー、灼ちゃん来たよー」


宥「あ、灼ちゃん来たんだぁ」

灼「……相変わらず熱い」

京太郎「よう」

久「お久しぶり」

灼「そっちの人は新顔?」

まこ「染谷まこ、よろしく」

灼「鷺森灼」


玄「灼ちゃん、時間あるの?」

灼「おばあちゃんに渡すものあるから」

玄「そっか、みんなで打とうと思ったんだけど……あっ、そうだ」


玄「これから灼ちゃんの家、行ってみませんか?」





京太郎「っしゃ、ストライク!」

灼「負けない……!」


まこ「白熱しとるのぅ」

久「あいつ、体動かすことは大得意だしね」

玄「二人共すごいなぁ」

宥「ぼ、ボール冷たいぃ……」プルプル

まこ「もう人肌で温めたらどうじゃろか」

久「鳥の卵みたいに?」

宥「それ名案……!」ゴソゴソ


宥「お、お腹が冷たいぃ……」プルプルプルプル

玄「お、お姉ちゃーんっ!」



まこ「なんじゃろな、あれ」

久「さぁね、とりあえずホットドリンク買ってこようかな」


京太郎「ふぅ……もう1ゲーム終わりか」

灼「スコアは……」


『京太郎:253 灼:249』


灼「くっ……」

京太郎「おいおい、どうした?」

灼「たった4点差で威張るな……!」

京太郎「お、まだ行くか?」



久「ただいまー、はいココア」

宥「ココア!」ガバッ

久「あいつらはまだやってるの?」

まこ「かれこれ5ゲームぐらい投げとるはずなんじゃが……」

玄「見てみて、すごいスコア」


『京太郎:197 236 227 244 253』

『灼:223 240 225 242 249』


まこ「別次元かっ」スコア平均124

久「ここまでくると呆れるわね」スコア平均137

玄「ボールがおもちみたいに柔らかければ……!」スコア平均139

宥「あったかーい」スコア平均73





京太郎「あー、腕ダルい」

久「明らかに遊びすぎね」

まこ「当初の目的はどこ行ったんだか」

京太郎「仕方ないだろ。たまにやると楽しいんだよ」

久「それについては同意だけど」

京太郎「だろ?」


玄「失礼しまーす」ガラッ



久「あら、もう打つの?」

玄「その前にお夕食でもどうかなと思いまして」

まこ「ふむ、もうそんな時間かい」

京太郎「飯食ったら風呂入りたいな」

久「さんせーい」

玄「今日は他のお客さんがいるからお背中は流せないんですけど……」

久「……」

京太郎「……」

まこ「背中を流す?」


玄「でも、お部屋のお風呂でなら……」チラッ


久「……わかってるわよね?」

京太郎「見てない、俺は何も見てない」

まこ「まったく……」ハァ





久「ツモ、12000」


まこ「トップ逃した……!」

玄「あうぅ……竹井さん強くなりました?」

宥「おコタで麻雀、あったかーい」


京太郎「お疲れ、個人戦9位さん」

久「なによそれ」

まこ「二人共、牌の集まり方に偏りがあるようじゃが……」

久「またやってみる?」

まこ「お願いしようかの」

久「てなわけだからもう半荘いい?」


玄「おまかせあれ! 次は負けないのです!」

宥「みんなで麻雀、あったかーい」ホワホワ





京太郎「ふわぁ、そろそろ寝ない?」

久「なんで見てるだけのあんたが眠そうにしてるのよ」

京太郎「見てるだけだからだよっ」

まこ「ドラと、赤い牌……」ブツブツ

玄「お布団用意します?」

久「そうね……いい時間だしそうしようかな?」

宥「私もお手伝いするね」



久「そういえば、あなたたちもちょっと上達したんじゃない?」

玄「えへへ、そうですか?」

宥「灼ちゃんたちと打ってますから」

まこ「阿知賀には麻雀部はないんじゃったか?」

玄「でも、去年の夏に同好会作りました」

京太郎「同好会?」

玄「人数が足りなくて……私たちと灼ちゃんの他に一人いるんですけど」


京太郎「部活、人数……」

久「うっ頭が……」


宥「? 大丈夫?」

まこ「まぁ、人が足りないのはこっちも同じじゃけぇのぅ」





京太郎「んー、もう朝?」

京太郎「……腹減った」グゥ

京太郎「朝飯準備できてるのかな」

京太郎「……顔洗お」


京太郎「よし、すっきりした!」


京太郎「久ちゃん、朝飯――」ガラッ


久「あら、おはよう」ジャラジャラ

まこ「朝飯ならこの後にでも」ジャラジャラ

玄「ちょっと待っててくださいね」ジャラジャラ

宥「ふわぁ……」ジャラジャラ



京太郎「朝から麻雀ですか、そうですか」

京太郎「やべぇよ、これあとちょっととか言って一時間はかかるパターンだよ」

京太郎「まいったな……」


「くーろーさーん!」ダダダダッ


「って、お客さんと麻雀中?」

玄「あ、穏乃ちゃん」

宥「ごめんね? 今ちょっと手が離せなくて」

「えー? 参ったなー」

京太郎「諦めろ。多分一時間は動かないだろ」

「そっかー」


「……あれ、君だれ?」



京太郎「須賀京太郎、旅行で奈良に来てる」

「ふーん……運動やってたりした?」

京太郎「まぁ、中学校の頃は」

「山登りとかは?」

京太郎「人一人抱えての山登りだったらやったことあるけど」

「なるほど……いいねっ!」ガシッ

京太郎「は?」

「じゃあちょっと付き合ってよ」グイッ

京太郎「ちょっ、ちっこいのにパワーあるな、おい!」


久「……つれてかれた」

まこ「てかだれじゃ、今の」

玄「あはは……穏乃ちゃんも同好会のメンバーなんだ」

宥「いいなぁ、手をつなぐのってあったかそう」





穏乃「こっちこっちー!」

京太郎「おい、そんな急いだら危ないぞー」

穏乃「平気平気――っとと」

京太郎「だから言っただろ。今は雪があるから危ないって」

穏乃「えへへ、ごめんごめん」


京太郎「高鴨だっけ? こんなとこまで連れてきてなんだよ」

穏乃「ちょっとさ、うまくいかないことがあるから気分転換にでもと思って」

京太郎「気分転換に俺を巻き込んだわけね」

穏乃「だって一人よりも二人の方が楽しいじゃん」

京太郎「それは否定できないけどな」

穏乃「だよね」



穏乃「それで、玄さんたちと知り合いだったり?」

京太郎「そっちは後輩だったり?」

穏乃「うん、同じ同好会の仲間なんだ」

京太郎「じゃあ俺より年下じゃねえかっ」

穏乃「え、ウソ! てっきり同い年かと思ってた!」

京太郎「まあ、今更だけどな」

穏乃「なんかすいません」

京太郎「だからいいって。好きなように話せよ」

穏乃「えっと、じゃあ……よろしく」

京太郎「おう」

穏乃「それでさ、いきなりだけど大声出していい?」

京太郎「気分転換なんだろ? 好きにしろよ」

穏乃「それじゃあ――」スゥー


穏乃「――憧のアホーっ!!」





穏乃「あー、スッキリした!」

京太郎「そりゃよかった」

穏乃「付き合ってくれてありがとね」

京太郎「いいさ、暇つぶしにはなったし」


穏乃「それでさ、京太郎はこれから用事があったりする?」

京太郎「ツレに聞かないとなんともな」

穏乃「そっか、ここらへん案内しようかと思ったんだけど」

京太郎「悪いな、俺一人勝手に動き回ってもあれだからさ」

穏乃「仕方ないよね、うん」ピロリン


穏乃「あ、やばっ……お使い頼まれてるんだった!」


穏乃「ごめん、もう行かなきゃだから!」

京太郎「じゃあな、今日の夕方までは旅館にいると思うから」

穏乃「うん、じゃあねー!」


京太郎「元気なやつだなー」

京太郎「……てかここどこだよ」





京太郎「どっかに地図ないかなー」

京太郎「ここらで迷子になるのは初めてではないけどさ」

京太郎「だからって道がわかるわけでもないんだっての」


京太郎「鳥居……神社か」

京太郎「ん、あれは……」


やえ「……」


京太郎「自称奈良の王者?」

京太郎「神社に行くのか?」

京太郎「……せっかくだし声かけてくか」





やえ「お願いします、今年こそは……!」

やえ「……ふっ、王者ともあろうものが神頼みとはな」


京太郎「本当、まったくだな」


やえ「うひゃおうっ!」ビクンッ


京太郎「よう、パシリさん」

やえ「小走だ小走!」

京太郎「久しぶりだなー、元気してた?」

やえ「なんなのよもう……」

京太郎「それで、もう初詣の時期じゃないのになに神頼みしてたんだよ?」

やえ「別に、大したことじゃないから」

京太郎「ふむ……じゃあ当てようか?」



京太郎「初詣には行ったものの、みんなの前で願うなんてにわかなことはできない」

やえ「ふん、適当なことを……」ダラダラ

京太郎「だからこうして三箇日が過ぎた後で、しかも人が少ない時間にここに来たわけだ」

やえ「想像だけならなんとでもっ」ダラダラ

京太郎「それで願い事ってのは……今年のインハイで勝てますようにとかそんなとこか?」

やえ「……」ダラダラ


京太郎「とまあ、こんなとこだな」

やえ「そうだ、にわかは私だったんだ……」ズーン


京太郎(まぁ、あんなわかりやすい反応してたらな)



京太郎「ま、気にすんな。別に言いふらすことでもないし」

やえ「ほ、本当にっ?」

京太郎「それに、それだけ真剣ってことだろ? 茶化したりなんてしないって」

やえ「……君は実はいいやつだったのか?」

京太郎「一言余計だっての」


やえ「あ、そういえば君に会ったら言いたかったことがあるんだ」

京太郎「ん?」

やえ「なに、別に大したことじゃないが……竹井久に勝ったぞ?」

京太郎「は?」


やえ「これでにわかな君にもわかったろう? 王者の実力というものが!」


京太郎「……てい」ビシッ

やえ「いたっ! デコピン!?」

京太郎「久ちゃんに一回勝ったぐらいでいい気になるなっての」

やえ「でもこれで実力の上下がはっきりしたでしょっ」

京太郎「順位的には久ちゃんの下だろうがっ」

やえ「うっ……」



「あの……境内で騒がれるのはちょっと」


京太郎「お、悪いね巫女さん」

やえ「ん、君は……新子憧か? インターミドルは残念だったな」

憧「え、私のこと……」

やえ「当たり前だろう。私だって阿太峯出身だ。後輩のことぐらい覚えている」

京太郎「おお、なんだかいい先輩って感じ」

やえ「茶化すな!」


憧「……あの、先輩に相談したいことがあるんですけど」


やえ「悩み事か? 聞くだけ聞こう」

憧「はい、実は――」





やえ「つまり、進路に迷っていると」

憧「晩成に行ってインターハイに出場する。そう決めていたんですけど……」

京太郎「うーむ……新子憧、憧、憧……」

憧「ふきゅっ」

やえ「ん?」

憧「な、なんでもないですからっ」


憧(なんなのこの人っ)

憧(なんで私の名前連呼するのよ!)

憧(変な声出ちゃったじゃない!)


やえ「昔の友人の誘いか……」

憧「ごめんなさい、こんなことで揺らいでちゃいけないって思うんです。でも……」

やえ「……君が揺らぐのは、それがきっと同じくらい大事だからだろう」



やえ「今の仲間と目指すか、昔の友人と目指すか」

やえ「たしかに確実を期すならば晩成に行くべきだな」


憧「やっぱり……」


やえ「だが、そういうことなら君は来るべきじゃない」

憧「え?」

やえ「その計算高さは君の長所なのだろう。だが、そのままでは確実に心に影を落とすことになる」

憧「……」

やえ「どちらを選ぶとしても悔いは必ず残る。なら、せめて伝えるべきことは伝えておくべきだ」

憧「伝えるべきこと……」


京太郎「そういや一個聞いてもいいかな?」

やえ「なんだ、急に割って入ってきて」

京太郎「お前じゃない、こっちの子」

憧「……私にですか?」ササッ

京太郎「……なぜ遠ざかる?」

憧「別にそんなことありませんって」



京太郎「……」ジリッ

憧「……」ササッ

京太郎「……」ズイッ

憧「……」ササッ


京太郎「やっぱ逃げてんじゃねーか!」

憧「そっちが近づいてくるからでしょ!」

やえ「こらこら、話が進まないでしょうが」

京太郎「ったく……新子の言う昔の友達ってのがあれじゃないのかって、ほら」


穏乃「憧ー! 一緒に阿知賀に行こー!」



憧「しず……」

穏乃「あれ、京太郎?」

京太郎「もうお使いはいいのか?」

穏乃「あとは灼さんのとこでおしまいだよ?」

京太郎「まだ終わってないのかよ」

やえ「君が、新子くんの友人か」

穏乃「はい?」

やえ「ふむ、なかなか打ち込んでいるようだな……よし」


やえ「この際だ。吐き出したいことは吐き出してしまえばいい」


京太郎「わかった、雀卓で語ろう的なノリだ」

やえ「ふふん、さすがに察しがいい」

京太郎「鷺森のとこ行くんなら好都合だ。あいつも巻き込もう」

穏乃「おー、なんかよくわからないけど燃えてきたー!」

憧「ちょっと! 勝手に話進めないで!」

京太郎「いい加減腹くくれ、な?」ポン

憧「ふきゅっ」


京太郎「せっかくの進路相談なんだ。俺らがとことん付き合ってやるさ」





灼「なんで私まで……」

京太郎「そう言うなって。昨日は俺が勝ち越しただろ?」

灼「平均スコアは私の方が上」

穏乃「ボウリング? 私もやりたかった!」

憧「もはや話が逸れてるじゃない……」

やえ「いきなりですまないが、是非お願いしたい」

灼「はぁ……またおせっかい焼いてるわけ」


灼「しょうがないから付き合ってあげなくもない」


京太郎「とか言って本当は打ちたいくせによ」

穏乃「素直じゃないですねー」

灼「うっとおし……」

憧「……お願いします」

やえ「それではお見せしよう、王者のうちしゅじというものを!」



憧(あれ、今噛んだの?)

灼(嚙んだ……)

京太郎(嚙んだな)


穏乃「噛みました?」

やえ「~~っ」カァァ


憧(なんで言っちゃうかなっ!?)

京太郎(そっとしといてやれよ……)

灼(わずらわし……)





やえ「ふぅ……少し休憩をはさもう」

穏乃「うおー、つっかれたー」

灼「なにか飲み物持ってくる」

京太郎「手伝うよ」

憧「……」


憧(みんな、強い)

憧(小走先輩が強いのは当然として、鷺森さんも同じくらい強い)

憧(それに、しずだってあの時とは大違い……)

憧(負けたく、ないな……)


憧「あ、そっか」



憧(私の原点って、あそこにあったんだ)

憧(しず、玄、和、ハルエ……麻雀教室のみんな)

憧(計算だけじゃ割り切れない、私の原点)


穏乃「憧もお疲れ?」

憧「なに言ってるのよ。トップ取るまで続けるんだから」

穏乃「おぉ、憧が燃えてる」

憧「当然よ。しずになんか負けてあげないんだからね」

穏乃「じゃあ私も憧になんか負けてあげない!」


京太郎「お、闘志に満ち満ちてるな」

やえ「ふふ、まだまだにわかながら悪くない」ウンウン

京太郎「……ていっ」ビシッ

やえ「いたっ! なにすんのさ!」

京太郎「悪い、そのドヤ顔見てたら手がデコピンの形を……」

やえ「絶対わざとでしょうが!」

灼「いいから飲み物運んで」





穏乃「今日はどうもありがとうございましたっ」

憧「あの、先輩……」

やえ「気にすることはない。君がどっちを選ぼうと私の後輩であることに変わりはないのだからな」

憧「……本当にありがとうございましたっ」


京太郎「結局どうするんだろうな」

やえ「さぁ、頼もしい味方となるか強大な敵となるか……どちらにせよ楽しみだ」

京太郎「かっこいいな。王者って感じだ」

やえ「常々そう言っているでしょうがっ」

灼「というか、向こうに連絡とかしなくていいんですか?」

京太郎「連絡……ヤバイ」サー


『新着メール:21件 着信:36件』


京太郎「……携帯を落としたことにすればなんとか――」


久「なるわけないでしょ」



京太郎「――げぇっ、久ちゃん!」

久「銅鑼でも鳴らそうか?」

まこ「ほんに、やれやれじゃの」

久「はぁ……夢中になると携帯の存在忘れて……」

京太郎「返す言葉もございません」

久「とりあえず旅館戻るわよ」

京太郎「……はい」


やえ「ところで、君も相当な打ち手だな」

灼「そうでもないです」

やえ「謙遜することはない。よし、君を私のライバルに認定しよう!」ビシィ

灼「はぁ、うっとおし……」





憧「しず、今日はもう帰るの?」

穏乃「そだよ。お使いの報告もしなきゃだし」

憧「そう……」

穏乃「今日は憧と久々に麻雀できて楽しかった!」

憧「……私も」

穏乃「それじゃ、風邪ひくなよー」


憧「待って!」


穏乃「う?」


憧「私も、阿知賀に行く! それで、みんなと和に会いにいく!」


穏乃「え……本当に?」

憧「本当よ」

穏乃「本当の本当の本当にっ?」

憧「本当の本当の本当よっ」


穏乃「~~っ、憧ー!」ガバッ



憧「ちょっ、抱きつくなっ」

穏乃「憧、憧憧憧ぉ~」スリスリ

憧「~~っ、うっとおしいわ!」ガバッ

穏乃「うわー」

憧「まったく……でも、そういうことだから」

穏乃「うん、憧が来てくれるなら心強い」

憧「それじゃ、あんたこそはしゃぎすぎて風邪ひくんじゃないわよ?」

穏乃「だいじょーぶ! なんとかは風邪をひかないっていうし」

憧「……」

穏乃「じゃねー」


憧「ホント、バカなんだから」

憧「ふぅ……もう一人、ちゃんと伝えないといけないかな」プルルルル


憧「あ、もしもし初瀬――」





京太郎「久ちゃん、お腹減った……」グゥ

久「あら、空腹を忘れるぐらい寄り道にいそしんでたんでしょ? だったら帰るまで耐えられるわよね?」

京太郎「いや、だから悪かったってば」

久「それ何回聞いたっけ?」

京太郎「うっ……」

まこ「もうそのへんでええじゃろ」

久「私はもうちょっとお灸が必要だと思うけど」

まこ「わしらが対局で待たせたのも本当じゃけぇ」

久「……そうね」


久「旅館であんたにってお弁当もらったから。帰りの電車で食べてくださいって」


京太郎「お、おぉ……」

まこ「二人に感謝せぇよ?」

京太郎「いただきますっ」



まこ「で、次はどこにいくんじゃ?」

京太郎「んぐっ、例によって未定だな」

まこ「っちゅーことはサイコロ、くじ引き、ダーツ……次はなんじゃろか?」

久「あ、それだったら私が決めてもいい?」

京太郎「どこか行きたいとこでも?」

久「そうね、岩手なんてどう?」

まこ「わしとしては国内ならどこでも」

京太郎「岩手ね……」

久「今度は乗り間違えないように」

京太郎「それはもういいだろっ!」




『二年、冬休み、はとこ』が解放されました

選択済みエピソード

・一年
入学式、久との再開
春、美穂子登場
春、二人のあいだにある壁
美穂子再び
初夏、久との対立
初夏、美穂子への依頼
初夏、美穂子との特訓
初夏、決戦前夜
決戦
初夏、リスタート
夏、新たな出会い
夏、欠けた月
夏、初めての執事(アルバイト)
夏、衣の麻雀講座
今宵、月が満ちるとも
夏休み、遠征初日
夏休み、松実姉妹
夏休み、遠征二日目――鹿児島
夏休み、眠り姫
夏休み、遠征三日目――大阪
夏休み、目覚めぬ未来
夏休み、遠征四日目――岩手
夏休み、八尺(実際には六尺五寸)
夏休み、遠征最終日――東京
夏休み、グランドマスター
夏の始まり
エピローグ
その後の美穂子
秋、バイト執事再び
秋、衣の誕生日(略してころたん)
秋、膝枕の日
秋、祭りの後で
秋、恋敵?
冬、雪の降り始め
冬、年の初めに
冬、画面の向こう側
冬、節分の前の日
冬、アラフォー(予備軍)
三月八日、一年後の誕生日
三月十五日、好みのタイプは?
三月十六日、初めてのお出かけ
三月、おもちと温泉と
三月、温泉のあとのマッサージ(意味深)

・二年
部活動紹介、まこ入部
春、学食にて
美穂子との再会
初夏、ストーカー?
初夏、池田の逆襲
初夏、タイムリミット
初夏、県予選開始
初夏、団体戦決着
初夏、縺れた糸
初夏、まこの苦労日記
初夏、ライバル
夏、全国へ
夏、ワールウィンド
夏、奈良の王者
夏、修羅の国のクールビューティー
夏、大阪の魔物
夏、大阪の姉妹
夏、神代の姫
夏、一番目と二番目
夏、スリーピングビューティ
秋、次の目標
秋、まこの苦労日記その2
秋、二人と一人
冬、旅行に行こう
冬休み、小悪魔
冬休み、ゆきみだいふく
冬休み、神社の娘と王者の進路相談
五月十日、膝枕とおんぶ

・三年
優希との出会い
春、和の初恋?
春、インハイチャンプ
初夏、最後の一人
初夏、不和
和の悩み
咲との微妙な関係
優希の好物
初夏、合宿
初夏、家庭訪問@原村家
初夏、最後の県予選
初夏、鏡
初夏、見えない彼女の見つけ方
初夏、決意
初夏、県予選決勝戦

・EX
小学五年、幼馴染
中学二年、初夏、ゆみとの出会い
中学二年、夏、試合観戦
中学二年、三月、照との別れ
中学三年、初夏、空白

『三年、秋、天照大神』の解放条件を一部満たしています

三年編のインターハイを終わらせることで完全に解放されます


現在選択可能エピソード

1・二年、冬休み、はとこ

2・三年、初夏、東風とビギナーズラック


>>+2

1で了解

これで宮守メンバーが出揃います ついでにトシさんも

親戚といえば母親が神代の縁者なんで永水の人たちは遠い親戚と呼べなくもない
でも次に出てくるのは一言で言い表せる程度には近い血縁です

それじゃ、長らくありがとうございました
今から四時間寝てきます
おやすみなさい

シロとエイスリン
どっちがそうなのか、またはどっちもそうなのか
それとも別の人がそうなのか

そういえば前に『しろみだいふく ミルク味』を挙げるのを忘れてました
ところでかすみだいふくって何味なんですかね?

迫り来る月曜から目を背けつつ、お好きなキャラをどうぞ

登場済みのキャラに限ります
一度選ばれた以下のキャラは不可

照・咏・玄・美穂子・小蒔・健夜・豊音・竜華・哩・衣・マホ

下2
下3



久→京太郎


久「あいつ? そりゃ一時は離れたけど、一言で言えば腐れ縁よね」

久「え? それだけだって? ……まぁその、頼りにしてるけど」

久「なんだかんだで頼りになるし、最後にはちゃんとしてくれるし」

久「わがまま言ってる自覚だってあるわよ……でも、甘えられる人なんてあまりいないし……」

久「そうよ、好きよ。なにか問題ある?」

久「女性関係? ……それに関しては諦めてるわ。気に入らないけど」




咲→京太郎


咲「先輩ですか?」

咲「……もしかしたら、恨んでるかもしれないです」

咲「それが不当なことだってのはわかってるんですけど……」

咲「あの頃に戻れたらっていうのは時々思います」

咲「そしたらもっと一緒に居られたかもしれないし、私にだって……」

咲「女性関係? それって和ちゃんにデレデレしてるとかそういうことですよね?」

咲「……羨ましくなんかないもん」


ちなみにのどっぱいにデレデレしてるとかそういう事実はありません。少なくとも表面上は

それじゃ、失礼します

なるほど、かすみだいふくは大きさで勝負か……
2個入りのサイズで9個入りとかやっちゃうわけか

というわけで、もう少ししたら始めます

まってた
ところで2年は宮守で最後らしいですけど終わった後の範囲安価の選択可能人物って1、2年の登場人物でいいの?

>>632
それでオッケーです
まぁ、大体は二年編でも登場したと思いますが

それでは、投下します



・二年、冬休み、はとこ


京太郎「親戚の子?」

「ああ、父さんの親戚の娘さんでな」

京太郎「つーことは俺のはとこね」

「今月からこっちの高校に通うことになったらしいんだ」

京太郎「ふーん、留学か。大変そうだな」

「そうだろうな……てなわけで行くぞ」

京太郎「は?」

「一人で日本に来て心細いだろうからな」

京太郎「いや、親父が行くのはいいけど、俺も?」

「母さんは家から離れられない用事があるし、その子も同年代のお前とだったら早く打ち解けられるだろ?」

京太郎「そうかもだけど、俺だって用事がないわけじゃないし」

「いや、ほんと頼むって……父さん英語喋れないんだぞ?」

京太郎「あんた本当にクォーターかよ!」

「サイヤ人と地球人の混血は強いけど、現実はそんなに甘くないみたいだな」

京太郎「……言っとくけど、俺だってそんなに英語できるわけじゃないんだからな」

「そうか、来てくれるか!」


京太郎「ふぅ……久ちゃんに連絡しなきゃな」





久『親戚を迎えに行く?』

京太郎「ああ、だからちょっと明日はいけそうにない」

久『まあ、家庭の事情じゃ仕方ないわね』

京太郎「悪い、ドタキャンだ」

久『わかった。じゃあ私たちは予定通り岩手に行くわね』

京太郎「染谷によろしく言っといてくれ」

久『それくらい自分で言いなさいよ』

京太郎「そうだな、後でメールしとく」

久『それじゃあ、今度会うのは休み明け?』

京太郎「そうなるかな。ま、変な男に引っかかるなよ」

久『……そう思うんだったらちゃんと捕まえててよ』ボソッ

京太郎「それじゃ、またな」

久『うん、また』


京太郎「まぁ、俺が言えた義理じゃないよな」

京太郎「にしても、岩手には行けなくなったな」

京太郎「……姉帯、元気かな?」





「明日来るってさ、竹井さん」

「本当にっ!?」ガタッ

「ダル……人の上で暴れないで」

「今度こそリベンジしてやるんだから……!」

「燃えてるなぁ」

「お出迎えはよろしく」

「シロも行かなきゃダメっ」

「コタツの魔力が私を離さない……」

「でも対局するとなると、出なきゃいけなくなるんじゃない?」

「……なんてこと」スクッ

「あ、まだ充電中!」

「どこ行くの?」

「トイレ」



「ただいま……よいしょっと」ゴトン

「……ねえシロ、その四角いのなに?」

「天板。これでコタツで麻雀ができる」

「えぇ……」

「重いから手伝って」

「よいしょ……ほら、塞も!」

「あ、そうだね」


「意外にピッタリだ」

「もうダメ……スリープモードに移行します」イソイソ

「じゃあ私は充電モードで」イソイソ

「はい、追加のみかん」

「これで磐石。あとはダルダルするだけ」ムキムキ

「シロ!」

「なに?」

「私にもひと房」

「注意はしないのね……」



「明日ってトヨネも来るんだよね?」

「そうだね」ダルーン

「そうだよー」ダルーン

「……さすがコタツ。胡桃も抜け出せなくなった」

「今は充電中だからやむなしやむなし」

「もうなんかゆるゆるじゃないの」

「ダルおも……そういえば、近いうちに留学生が来るみたいだね」

「今月は珍しくイベントがいっぱいってことかな?」

「シロ、みかん」

「はいはい」





「Hmm……」

京太郎「……うーむ」

「見つめ合うと素直におしゃべりできないのか? 津波のような侘しさなのか?」

京太郎「親父、うるさい」


京太郎(異文化コミュニケーションとかやったことねーんだよ)

京太郎(親父は後ろから茶々入れてくるだけだし……)

京太郎(でもここはホスト側のこっちが切り出すべきだよな)

京太郎(よし――)


京太郎「な、ナイストゥミーチュー」

「ハ、ハジメマシテ」

「なんでお前ら言語逆転してんの?」

京太郎「あんたが仲立ちしてくれないからだよっ!」





「Aislinn Wishart……ヨロシクオネガシマス」

京太郎「え、えいすりん、うぃっしゃーと?」

「Aislinn Wishart」

京太郎「……エイスリン、エイスリンな」

エイスリン「Yeah!」


京太郎「こほん……ま、マイネームイズ京太郎」

エイスリン「……Japanese Samurai?」

京太郎「なんで!?」

「ぷっ、くくくく……」

京太郎「笑ってんじゃねーよ!」

「ひとまず昼にしようか……あー、What do you feel like for lunch?」

エイスリン「Hmm……アッ、ラーメン!」

京太郎「てかあんたしゃべれんじゃねーかよ!」

「ちなみにさっきの自己紹介だと、拙者の名は京太郎でござる、になるな」

京太郎「うっせ!」




「それじゃ、トイレ行ってくるからちょっと待っててなー」


京太郎「……」

エイスリン「……」


京太郎(やばい、どうしよう)

京太郎(いきなり二人きりにされても何を話せばいいのか……)

京太郎(そもそも言葉がちゃんと通じるのかって懸念もあるけど)チラッ


エイスリン「~~♪」カキカキ



京太郎「絵を描くのが好きなのか?」

エイスリン「?」

京太郎「あ、悪い……えっと、ドゥーユーライク……」

エイスリン「ア……ワタシ、ワカル、Japanese、スコシ」

京太郎「はい?」

エイスリン「キョータロ、ハナス、オソク……ダメ?」

京太郎「なんだ……ちょっとはわかるのかよ」

エイスリン「ベンキョー、so hard」

京太郎「やべーな、留学生なめてた」

エイスリン「ナメル……ヘンタイ?」ササッ

京太郎「違う違う……エイスリンが凄いやつだってことだよ」

エイスリン「ワタシスゴイ?」

京太郎「ザッツライト」

エイスリン「Nah……That's right. OK?」

京太郎「わかったわかった。わかったからちょっと来い」グイッ

エイスリン「ア……」


京太郎「俺がいいもの買ってやるよ」





エイスリン「~~♪」カキカキ


「あのスケッチブック、さっきまで持ってたか?」

京太郎「俺が買った。絵を描くのが好きみたいだから」

「ほうほう……相変わらず手が早いな、お前」

京太郎「そんなんじゃないって」


エイスリン「デキタ!」


京太郎「富士山?」

エイスリン「Next!」ペラッ

京太郎「芸者?」

エイスリン「スシ、スキヤキ、バンザーイ!」

京太郎「イエーイ」スッ

エイスリン「Yeah!」パシン



「さすが、同年代は仲良くなるのが早いなぁ」

京太郎「絵を描きながらだったら伝わりやすいかなって思ってさ」

「いとこ同士は鴨の味とは言うけど、はとこはどうなんだろうな?」

京太郎「なにそれ」


京太郎「ところでさ、俺の勘違いじゃなきゃこの新幹線って岩手通る?」

「目的地も岩手だからな。宮守女子高校……そこが留学先だったか」

京太郎「マジか……」


京太郎(まぁ、ばったり会うことなんてそうそうないし、時間があれば顔出しとこうかな)

京太郎(久ちゃん達と、姉帯のとこに)





久「それじゃあ、また明日ね」


「ダル……もううち来てくれたら楽ちんなのに」

久「ごちそう出るならいってもいいわよ?」

「……ダル」

「染谷さんだっけ? 明日もよろしくね」

まこ「みなさんの打ち方、しっかり経験値にさせてもらいます」

「うんうん、先輩はあれだけど後輩さんは礼儀正しくていいねっ」

久「あら? そんなこと言って今日も負け越してたのは誰だっけー?」

「うるさいっ、次は叩きのめしてやるんだからっ」



豊音「……楽しかったなぁ」

「おや、みんなと一緒にいなくていいのかい?」

豊音「先生……お別れが辛くなっちゃうんじゃないかなーって、そう思うんです」

「ふむ……ところで、明日なにか予定はあるのかい?」

豊音「ちょー暇人だよー」

「それは丁度いいねぇ。今夜の話し相手がほしいところだったから、今日はうちに来ないかい?」

豊音「ふぇっ? いいんですか?」

「もちろんさ。家族に連絡入れてからになるけどねぇ」

豊音「く、熊倉先生……」ウルウル

「ほら、また明日って言ってきたらどうだい?」

豊音「はいっ」


豊音「みんなー!」





「それじゃ、俺は帰るから」


京太郎「ちょっと待て」

「いや、明日は仕事があるんだよ」

京太郎「俺はここに置き去りか!?」

「明日荷物が届くから、手伝ってやってくれ」

京太郎「この野郎、最初っからそのつもりだったな!」

「ははは、照れるよ」

京太郎「褒めてない! 大体な、二人きりってのも色々まずいでしょ」

「なんだ、襲う気があるのか?」

京太郎「そりゃあないけど……」

「まぁ、もしなにかあってもはとこ同士なら結婚は全然大丈夫だ。責任とってやれ」

京太郎「はぁ……俺はいいとして向こうがいいって言うかが問題だろ」

「さっき聞いたらオッケーだって」

京太郎「根回し済みかっ」

「お金渡しとくから、なにかあったらこれで」


「それじゃ、風邪ひくなよー」



京太郎「はぁ……これじゃ、時間もクソもないじゃん」

エイスリン「オツカレ?」

京太郎「ん、ノープロブレム」

エイスリン「モーマンタイ?」

京太郎「なんで中国語知ってるんだよ」

エイスリン「ベンキョー、so hard!」

京太郎「勉強するとこ間違ってるだろっ」

エイスリン「モーマンタイモーマンタイ」

京太郎「使い方はバッチリかっ」

エイスリン「Anyway……ワタシ、so hungry」グゥ

京太郎「そんな時間か……」


京太郎「えっと、What do you feel like? ……だっけ」


エイスリン「スシ! マワラナイ!」

京太郎「マジか! テンション上がるな!」





京太郎「あー、うまかった」

エイスリン「タニンノカネデタベルスシハウメエゼ?」

京太郎「うっ、さっき俺が言ったことを……」

エイスリン「Japanese、ベンキョー」

京太郎「先程は不適切な表現があったことをお詫び申し上げます」

エイスリン「フテキセツ?」

京太郎「あー……NGみたいな?」

エイスリン「Oh, I see!」


京太郎「で、どうしようか?」

エイスリン「?」

京太郎「寝るとき。ベッド一つしかないだろ?」

エイスリン「Hmm……ザコネ?」

京太郎「なんでそういう言葉を知ってるんだよ」

エイスリン「ドウキン?」

京太郎「いや、それはさすがにな」

エイスリン「フツツカモノデスガ」

京太郎「いやいやいやいや」





京太郎「……」

エイスリン「ン……」モゾモゾ

京太郎「……」

エイスリン「so warm……」ギュッ

京太郎「……どうしてこうなった。さっぱり眠れない」

エイスリン「キョータロ……パツキン、イッショ」スリスリ

京太郎「ふぅ……これでおもちがあったら即死だったな」





京太郎「もう朝か……結局ほとんど寝られなかった」

エイスリン「ン、Good morning」ハラッ

京太郎「……おはよう」

エイスリン「……」ポー


エイスリン「――っ」カァァ


京太郎「ちょっと待て、服がそうなってるのは俺じゃない」

エイスリン「ホントウ?」

京太郎「本当。神に誓って」

エイスリン「……シンジル」

京太郎「よいしょっと……それじゃ朝御飯買ってくるよ」

エイスリン「ア、ワタシモ」

京太郎「その格好でか? やめとけ」

エイスリン「アウゥ……」カァァ





京太郎「荷物ってこれだけなのか?」

エイスリン「コジンイワク、タビダツミハカルイホウガイイト」

京太郎「まーた怪しげな」


エイスリン「オワリッ」

京太郎「量が量だけにすぐ終わったな……まだ昼前か」

エイスリン「オナカ、ヘッテナイ、マダ」

京太郎「だよなぁ、じゃあせっかくだしどこか行くか?」

エイスリン「ジャア……High school、ミヤモリ」

京太郎「そうだな……ちょっと行ってみるか」





久「まだ全員は集まってないみたいね」

「トヨネたちがまだ来てないみたい」

「……メール来た。もうすぐ到着だって」

「遅刻!」

まこ「まぁまぁ、まだ時間までありますから」

久「はいはい、慌てなくても私は逃げないわよ」ギュッ

「うわっ」

久「んー、良い抱き心地」

まこ「こらこら」


「あれ? 校門のところに見慣れない人たちがいるね」

「金髪……ふむ、今度来る留学生かも」

「でも二人? 男の子と一緒みたい」

「なにそれ! 不純異性交遊じゃない!」



久「留学生ねぇ、どれどれ……」

まこ「野次馬根性じゃな。ま、珍しいのはわかるけぇ」

久「……」

まこ「どうかしたんかいの?」

久「見間違いかと思ったけど……」

まこ「は?」

久「ちょっと行ってくる」





京太郎「着いたな」

エイスリン「ミヤモリ!」

京太郎「さて、ちょっと中に入って……あれ、久ちゃん?」

エイスリン「ダレ?」

京太郎「ああ、俺の幼馴染」

エイスリン「オサナナジミ?」

京太郎「おーい、久ちゃ――」


豊音「京太郎くーんっ!!」ダキッ


京太郎「――むがっ」

エイスリン「Giant!」



豊音「こんなとこで会えるなんてちょー嬉しいよー!」

豊音「これってなんて奇跡かな? 運命かなっ?」

豊音「あのねあのねあのね? 私お友達が増えたんだ」

豊音「ずーっと京太郎くんに紹介したいなーって思ってたんだよ?」

豊音「ところで、京太郎くんはどうしてここに……」


京太郎「」ガクッ


豊音「京太郎くーん!」


久「えっと、どういうこと?」

エイスリン「Hmm……」

「おやまぁ、彼がそうなのかい」





「小瀬川白望」

「臼沢塞、よろしくね」

「鹿倉胡桃、勝手なことは許さないんだからっ」

「姉帯豊音だよー、留学生さんよろしくね」

エイスリン「Aislinn Wishartデス」

京太郎「須賀京太郎、エイスリンのはとこで、そこにいる久ちゃんと同じ高校だ」


久「それで、姉帯さんとの関係は?」

京太郎「ああ、電車を乗り間違えた先で知り合ったんだ」

久「なるほどね……あの時か」


豊音「京太郎くんはねー、私の初めての人なんだよ?」



白望「わお」

塞「あ、あはは」

胡桃「不潔っ」

エイスリン「……」ジー

久「は?」

まこ「あちゃー」


京太郎「そうだな。『初めて』の友達で『初めて』麻雀一緒にやったんだよな?」

久「本当に?」

豊音「うん、そうだよー。あ、あとお姫様だっこもしてもらったり」

久「新事実が浮上したわね?」

京太郎「誰だって言い忘れの一つや二つ、あるもんさ」

久「まあ、この程度ならもう諦めてるわよ」



塞「要するに友達ってことだよね? じゃあ仲良くしようよ」

京太郎「俺としては大歓迎かな」

白望「ダル……もたれかかっていい?」

京太郎「はい?」

胡桃「ダメ! シロはこっち!」

白望「あーうー」ズルズル


まこ「早速のカオスぷりじゃの」

久「はぁ……」


「みんないるかい?」


京太郎「……どなた?」

「熊倉トシ、ここの麻雀部の顧問さ」

エイスリン「ヨロシクデス」


トシ「ここは交流ということで、みんなで麻雀でもどうだい?」



白望「……ダル」

塞「いいんじゃない? もとからそのつもりだったし」

胡桃「今日は負けないからっ」

豊音「ちょー楽しみだよー」

久「ま、昨日と同じね」

まこ「待機の人数が増えたことぐらいかの?」


エイスリン「……」クイクイ

京太郎「ん?」

エイスリン「ワタシ、ナイ、マージャン、ヤッタコト」

京太郎「わかった。トシさーん」

トシ「どうかしたのかい?」

京太郎「エイスリンが麻雀未経験なんですけど、レクチャーお願いします」

トシ「わかったよ。さ、こっちにおいで」

エイスリン「ヨロシクオネガイシマス」





トシ「おや、もうこんな時間かい」


エイスリン「I'm tired……」

京太郎「どうだ、初めての麻雀は?」

エイスリン「マージャン、so difficult」

京太郎「だよなー。俺も疲れた」

エイスリン「デモ……タノシイ」

京太郎「……だな」ポン


塞「竹井さんたちは帰り大丈夫?」

久「んー、そろそろ出た方がいいかも」

まこ「そうじゃな」

豊音「私ももうちょっとで帰らなきゃだよ」

塞「そっか、じゃあみんなで見送ろうよ」

胡桃「ほら、シロも!」

白望「わかってるから」



エイスリン「アノ……」


塞「どうしたの?」

エイスリン「ワタシ、クル、ココ、マタ……OK?」

塞「いいんじゃない? ね?」

白望「……いいと思う」

胡桃「大歓迎だよ」

エイスリン「オセワニ、ナリマス!」パァァ


豊音「……来月かぁ」

トシ「待ち遠しいかい?」

豊音「はい……」

京太郎「ここに編入するんだったっけ?」

豊音「お友達もできていいことずくめだよー」

京太郎「そっか……なら俺も嬉しいよ」



久「京太郎? 帰りは?」

京太郎「俺はエイスリンを家に返してからいくよ」

久「そう……ならお先に」

まこ「とは言うても同じのに乗る羽目になるんじゃなかろうか」

京太郎「席は別々だろうけどな」


京太郎「それじゃ、そろそろ出るか」

久「こんどネト麻で打ちましょう」

まこ「もし長野に来たらうちの店をよろしく」

エイスリン「See you again」

豊音「みんなー、またねー!」




塞「ふぅ、なんとも騒がしい一日だった」

白望「完全にエネルギー切れ……」ダルーン

胡桃「じゃあ私は充電で」ストン

白望「これって吸い取られてるの?」


トシ「エイスリン ウィッシュアート……」

トシ「名は体を表すとはこのことなのかね?」

トシ「将来、どんなプレイヤーになるか楽しみだよ」

トシ「あとは、須賀京太郎」

トシ「彼は……」





エイスリン「……」ペラッ


エイスリン(彼からもらったスケッチブックをめくる)

エイスリン(そこに描かれているのは、今日の出来事)

エイスリン(ここに来て出会ったお友達に囲まれた私)

エイスリン(さらにページをめくる)

エイスリン(私が彼に見せた富士山や芸者の絵)

エイスリン(そしてもう一つページをめくる)


エイスリン「……フフッ」ペラッ


エイスリン(そこにいたのは、手をつないだ彼と私)

エイスリン(先を行く彼と、手を引かれて歩く私)

エイスリン(この国に来て一番初めの、一番大切な思い出)



エイスリン「……」ペラッ


エイスリン(ページを一気にめくる)

エイスリン(何も描かれていないまっさらなページ)

エイスリン(いつも持ち歩いているペンの先を、その上に落とす)

エイスリン(思い描いたのは、彼との未来)

エイスリン(私がそうなりたいと思う夢、望みを絵にする)

エイスリン(そうしようと思ったけど――)


エイスリン「~~っ」カァァ


エイスリン(恥ずかしさが先走って、結局無理だった)



エイスリン「……キョータロ」


エイスリン(呟いた彼の名前は私の耳にしか届かない)

エイスリン(絵にはできなくても、言葉にはできるかもしれない)

エイスリン(この国ではなんというのだろうか?)


エイスリン「ア……」


エイスリン(窓から差し込む光を見上げる)

エイスリン(今夜は月が綺麗だった)


エイスリン(――彼と見たら、もっと綺麗なのかもしれない)





京太郎「ただいまー」

「おかえり。どうだった?」

京太郎「ま、意外となんとかなるもんだな。異文化コミュニケーション」

「とか言ってー、向こうが日本語勉強してくれてたおかげじゃないの?」

京太郎「まぁ、そういう側面もなきにしもあらず?」

「はいはい図星ね」


「そういえば私の親戚も岩手にいるのよね」

京太郎「鹿児島だけじゃなくてか?」

「うん、いとこなんだけど、娘さんがあんたと同年代だったような……」

京太郎「ふーん」

「たしか小瀬川って言ったかしら? 娘さんの名前は白望ちゃんで」

京太郎「そっちもはとこだったのかよ!」




『二年、エピローグ』が解放されました

選択済みエピソード

・一年
入学式、久との再開
春、美穂子登場
春、二人のあいだにある壁
美穂子再び
初夏、久との対立
初夏、美穂子への依頼
初夏、美穂子との特訓
初夏、決戦前夜
決戦
初夏、リスタート
夏、新たな出会い
夏、欠けた月
夏、初めての執事(アルバイト)
夏、衣の麻雀講座
今宵、月が満ちるとも
夏休み、遠征初日
夏休み、松実姉妹
夏休み、遠征二日目――鹿児島
夏休み、眠り姫
夏休み、遠征三日目――大阪
夏休み、目覚めぬ未来
夏休み、遠征四日目――岩手
夏休み、八尺(実際には六尺五寸)
夏休み、遠征最終日――東京
夏休み、グランドマスター
夏の始まり
エピローグ
その後の美穂子
秋、バイト執事再び
秋、衣の誕生日(略してころたん)
秋、膝枕の日
秋、祭りの後で
秋、恋敵?
冬、雪の降り始め
冬、年の初めに
冬、画面の向こう側
冬、節分の前の日
冬、アラフォー(予備軍)
三月八日、一年後の誕生日
三月十五日、好みのタイプは?
三月十六日、初めてのお出かけ
三月、おもちと温泉と
三月、温泉のあとのマッサージ(意味深)

・二年
部活動紹介、まこ入部
春、学食にて
美穂子との再会
初夏、ストーカー?
初夏、池田の逆襲
初夏、タイムリミット
初夏、県予選開始
初夏、団体戦決着
初夏、縺れた糸
初夏、まこの苦労日記
初夏、ライバル
夏、全国へ
夏、ワールウィンド
夏、奈良の王者
夏、修羅の国のクールビューティー
夏、大阪の魔物
夏、大阪の姉妹
夏、神代の姫
夏、一番目と二番目
夏、スリーピングビューティ
秋、次の目標
秋、まこの苦労日記その2
秋、二人と一人
冬、旅行に行こう
冬休み、小悪魔
冬休み、ゆきみだいふく
冬休み、神社の娘と王者の進路相談
五月十日、膝枕とおんぶ

・三年
優希との出会い
春、和の初恋?
春、インハイチャンプ
初夏、最後の一人
初夏、不和
和の悩み
咲との微妙な関係
優希の好物
初夏、合宿
初夏、家庭訪問@原村家
初夏、最後の県予選
初夏、鏡
初夏、見えない彼女の見つけ方
初夏、決意
初夏、県予選決勝戦

・EX
小学五年、幼馴染
中学二年、初夏、ゆみとの出会い
中学二年、夏、試合観戦
中学二年、三月、照との別れ
中学三年、初夏、空白

『三年、秋、天照大神』の解放条件を一部満たしています

三年編のインターハイを終わらせることで完全に解放されます


現在選択可能エピソード

1・二年、エピローグ

2・三年、初夏、東風とビギナーズラック


>>+2

1で了解

やっと二年編も終わりか……

この前に引き続き、こんな遅くまで申し訳ないです
半ば書きながらやってるとどうしても時間がかかってしまって……
とりあえずおやすみです

おそようございます

ここの京太郎が女になったらとんでもないビッチですよ

もうちょっとしたらやります

それじゃ、始めます



・二年、エピローグ


久『えー、本日はお日柄もよく……なんて挨拶は抜きにして、面倒な話は手っ取り早く済ませちゃいましょうか』


一太「なんて言うかね、日に日に彼女のフリーダムさが洗練されていく気がするんだよ」

京太郎「それはともかく、どうして俺はこんなとこにいるんだ。役員でもないのに」

まこ「右に同じく」

一太「何言ってるんだ。学校祭のリベンジがしたいって言ったのは君たちだろ」

まこ「いや、わしは言っとらんです」

京太郎「そうは言ったけど、ステージの上で座って待機とかめっちゃ目立ってるじゃん」

一太「もう今更だから諦めようか、有名人」

まこ「そうじゃの、有名人」

京太郎「俺だけかよ」



久『要するに、休み中はそれなりにハメを外しつつ、新年度への準備も怠らず楽しんでくださいということで』


一太「そろそろ終わりそうだね」

京太郎「だから、俺らがここにいる意味」

一太「いいじゃないか。この後いやでも目立つんだから」

まこ「だからわしは……」


久『それじゃあ、私の話はこれで終わりです。閉式の後は学生議会と有志による催し物があるのでお楽しみにね』



一太「会長、お疲れ様です」

久「ああいうのって肩こるのよねー」

まこ「の割に好き勝手に話してたじゃろが」

京太郎「ああ、そういや途中先生の顔が引きつってたな」

久「大丈夫、ギリギリ怒られないラインのはずだから」

一太「ぼくの心労を増やさないでくれ……」

京太郎「何言ってんだ。この後ドラム叩くんだろ?」

一太「しょうがないだろ、会長の頼みじゃ」

まこ「で、何渡したんじゃ?」

久「中学時代の後輩の写真」

まこ「……」

京太郎「……」ポン

一太「やめろっ、生あたたかい目でぼくを見るんじゃない!」



『それでは、これをもって閉式とさせていただきます』


久「終わりね……準備はいい? ギタリスト」

京太郎「バッチリだ」

久「ビビってない? ドラマー」

一太「やるからにはちゃんとやるよ」

久「頼むわよ? キーボードプレイヤー」

まこ「任しとき」

京太郎「そっちこそ準備はいいのか? ヴォーカルさん」

久「もちろんよ」


久「さ、やるわよ! 部員獲得のために」


一太「……よくよく考えたらぼくは関係ないよな」

京太郎「それこそ今更だな」





久「それじゃ、色々後始末あるから先に部室戻っててね」

京太郎「なんか用意しとくものとかあるか?」

久「大丈夫、速攻で片付けてくるから」

まこ「また職権乱用かい」

久「やぁねぇ、ちょっとだけよ、ちょっとだけ」


一太「会長ー、行きますよー」


久「じゃ、後でね」

京太郎「おう」





京太郎「もう二年も終わりか」

まこ「なんじゃ、思い出に浸っとるのかの?」

京太郎「色々あったからな……」


久『後一年、待つのね……』

久『あと、私は往生際が悪いってことはよく覚えておきなさいよ』

小蒔『お名前と連絡先、教えていただけませんかっ』

まこ『だからシャキッとせんかい、先輩!』


京太郎(それに、照ちゃんも……)


京太郎「本当に、色々な」



京太郎「でもま、次が最後だ。気合入れて部員集めするぞ」

まこ「そういえば、大会に出る気はないのかの?」

京太郎「俺が?」

まこ「サポートに徹するようなたまには見えんわ」

京太郎「つってもな、今の状態だったら初戦敗退がオチだしな」

まこ「参加することに意義がある、とは言わんがの」

京太郎「……」


京太郎(向かい合った相手を乗り越えて勝利を掴む)

京太郎(スポーツでも麻雀でもそれは一緒だ)

京太郎(参加することに意義があるなんて本当に思ってるわけじゃない)

京太郎(それでも、胸の奥でなにかがチリチリとしている)

京太郎(不完全燃焼、なのか? 肩を壊したあの時から)


京太郎「ま、気が向いたらな」

まこ「そうかい」



久『えー、二年の須賀京太郎くんと一年の染谷まこさん。至急学生議会室までお越し下さい』


京太郎「……なんだ今の」

まこ「……ものすごく嫌な予感がするのぅ」

京太郎「厄介事を押し付けられそう的な?」

まこ「それじゃ」


久『京太郎ー、まこー、はーやーくー』


京太郎「……しゃあない、行こうぜ」

まこ「ふぅ……」

京太郎「あ、そうだ……まこっちゃん」

まこ「ん?」


京太郎「あと一年、よろしく頼むぜ」

まこ「任しときんしゃい」




二年編――完

というわけで二年編の本編は終了です

範囲安価取りたいんですけど、人はいますかね?

それでは、二年編までに登場したキャラからお好きなのを一人どうぞ
セリフ欄の前に名前が表示されたキャラに限ります

下1~下5

小蒔ちゃんで確定ですね

『二年、冬、記憶と縁』が解放されました

選択済みエピソード

・一年
入学式、久との再開
春、美穂子登場
春、二人のあいだにある壁
美穂子再び
初夏、久との対立
初夏、美穂子への依頼
初夏、美穂子との特訓
初夏、決戦前夜
決戦
初夏、リスタート
夏、新たな出会い
夏、欠けた月
夏、初めての執事(アルバイト)
夏、衣の麻雀講座
今宵、月が満ちるとも
夏休み、遠征初日
夏休み、松実姉妹
夏休み、遠征二日目――鹿児島
夏休み、眠り姫
夏休み、遠征三日目――大阪
夏休み、目覚めぬ未来
夏休み、遠征四日目――岩手
夏休み、八尺(実際には六尺五寸)
夏休み、遠征最終日――東京
夏休み、グランドマスター
夏の始まり
エピローグ
その後の美穂子
秋、バイト執事再び
秋、衣の誕生日(略してころたん)
秋、膝枕の日
秋、祭りの後で
秋、恋敵?
冬、雪の降り始め
冬、年の初めに
冬、画面の向こう側
冬、節分の前の日
冬、アラフォー(予備軍)
三月八日、一年後の誕生日
三月十五日、好みのタイプは?
三月十六日、初めてのお出かけ
三月、おもちと温泉と
三月、温泉のあとのマッサージ(意味深)

・二年
部活動紹介、まこ入部
春、学食にて
美穂子との再会
初夏、ストーカー?
初夏、池田の逆襲
初夏、タイムリミット
初夏、県予選開始
初夏、団体戦決着
初夏、縺れた糸
初夏、まこの苦労日記
初夏、ライバル
夏、全国へ
夏、ワールウィンド
夏、奈良の王者
夏、修羅の国のクールビューティー
夏、大阪の魔物
夏、大阪の姉妹
夏、神代の姫
夏、一番目と二番目
夏、スリーピングビューティ
秋、次の目標
秋、まこの苦労日記その2
秋、二人と一人
冬、旅行に行こう
冬休み、小悪魔
冬休み、ゆきみだいふく
冬休み、神社の娘と王者の進路相談
冬休み、はとこ
エピローグ
五月十日、膝枕とおんぶ

・三年
優希との出会い
春、和の初恋?
春、インハイチャンプ
初夏、最後の一人
初夏、不和
和の悩み
咲との微妙な関係
優希の好物
初夏、合宿
初夏、家庭訪問@原村家
初夏、最後の県予選
初夏、鏡
初夏、見えない彼女の見つけ方
初夏、決意
初夏、県予選決勝戦

・EX
小学五年、幼馴染
中学二年、初夏、ゆみとの出会い
中学二年、夏、試合観戦
中学二年、三月、照との別れ
中学三年、初夏、空白

『三年、秋、天照大神』の解放条件を一部満たしています

三年編のインターハイを終わらせることで完全に解放されます


現在選択可能エピソード

1・二年、冬、記憶と縁

2・三年、初夏、東風とビギナーズラック


>>+2

小蒔ちゃん人気だな!

それじゃ、今日はここまでってことで

寝る前にお好きなキャラをどうぞ
登場済みのキャラに限ります
一度選ばれた以下のキャラは不可

照・咏・玄・美穂子・小蒔・健夜・豊音・竜華・哩・衣・マホ・久・咲

下2



怜→京太郎


怜「須賀くんかー、どうなんやろな」

怜「下手っぴ仲間ーとか思っとったら竜華の膝枕とられるし」

怜「あ、でも背中の心地よさは中々」

怜「ずっとひっついてられたらそれはそれでありやな」

怜「え、好きかどうか?」

怜「……うち、病弱やし、付け入る隙も多いねん」

怜「答えになってない? なら……まあ、竜華と同じ程度には」


てなわけでおやすみなさい

淡は出てきた瞬間やらかす予定ですから……

それじゃ、もう少ししたら始めます

なにとは具体的には言えませんが、淡は他のキャラよりガツガツ行くタイプ(の予定)です

それじゃ、始めます



・二年、冬、記憶と縁


小蒔「うーん、なんて書いたらいいのかなぁ」


小蒔(冬休みが始まり、初雪が降った少し後)

小蒔(クリスマスが終わり、サンタさんからプレゼントももらっちゃいました)

小蒔(でも私は今、とても大きな問題に直面しています)


小蒔「なんと言ってお誘いすれば……」


小蒔(便箋に向かい、ペンを握る)

小蒔(京太郎様への手紙です)

小蒔(お正月に一目だけでも会いたいという私のわがままです)

小蒔(あつかましく、はしたないと思われてしまうでしょうか?)

小蒔(それでも、思い立ったが吉日という言葉に従って私はこうしています)


霞「あら、小蒔ちゃん。お勉強かしら?」

小蒔「か、霞ちゃん!?」ババッ

霞「?」



小蒔(集中しすぎるあまり、近づく足音に気づくことができなかったようです)

小蒔(動揺と気恥かしさから、私は便箋に覆いかぶさってそれを隠しました)

小蒔(なんだか恋文を書いてるところを見られたようで……)


霞「えっと、出直したほうがいい?」

小蒔「全然大丈夫です!」ガバッ

霞「……便箋? 誰かにお手紙送るのかしら?」

小蒔「あ……」カァァ

霞「ふんふむ……私でよければ力になるけど、かまわない?」

小蒔「え、あ……お願いします」


小蒔「実は……京太郎様にお手紙をと」

霞「須賀君に?」

小蒔「はい、お正月に一度だけでも来ていただけたら、と思って」

霞「なるほど……でも、その手紙を送ってもきっと無駄になるわ」

小蒔「え……ど、どうしてですかっ?」



霞「どうしてって……彼、大晦日にこっちに来るし」


小蒔「へ?」

霞「実は私たち、彼と遠い親戚なの」

小蒔「えぇっ!?」


小蒔(私と私が恋い慕う方の縁は、思ったよりも深かったみたいです)

小蒔(これも運命、なのでしょうか?)


霞(ふぅ……小蒔ちゃん、一年前も同じことを言ったかしら)

霞(わかっているとはいえ、少し辛いわ)


小蒔「霞ちゃん?」

霞「なんでもない……大丈夫よ」





「というわけで今年も鹿児島行くわよ」


京太郎「どういうわけだよ。今年はじいちゃんちに行くんじゃなかったのか?」

「鹿児島にだってあるじゃない、じいちゃんち」

京太郎「そっちじゃなくて親父の方だよ」

「心配しなくても大丈夫よ。みーんな鹿児島に呼んじゃったから」

京太郎「みんなフットワーク軽いな!」


「でも、私的にはやっぱり喜ばしいことなのよね」



京太郎「実家に帰れるから?」

「お父さんの身内を呼ぶことを許してくれたってことは、私たちの結婚も認めてくれたってことじゃない?」

京太郎「なるほど、おめでとうだな」

「あんたも小蒔ちゃんがいるんだから気合入れてきなさいよ?」

京太郎「……そうだな」

「あら、もしかしてなにかあった? 告白されたとか」

京太郎「いや、キスした」

「うっそーん! ちょっとその話詳しく詳しくっ!」ズズイッ

京太郎「近いよ! 冗談、冗談だから!」

「えー? なーんだ」

京太郎「まさかこんなに食いついてくるとは……」

「だって、息子の恋路とかすごい気になるじゃない。他には何か進展ないの?」

京太郎「ないよ……」ハァ


京太郎「なんにも、なくなった」





小蒔「お待ちしてました」

京太郎「久しぶり」

小蒔「私たちが遠い親戚だったなんて、驚きです!」

京太郎「まぁ、母さんはこっちと関わりを断っていたみたいだしな」

小蒔「京太郎様も知らなかったのですか?」

京太郎「いや、実は去年も来てるんだ。ちょうど同じ時期にさ」

小蒔「去年も……あ、かすみちゃん達とお友達だったのってその時に」

京太郎「……ま、そういうことだ」


京太郎(なにを期待してるんだ)

京太郎(いいじゃないか、笑顔でいられるなら)


小蒔「京太郎様?」

京太郎「ん?」

小蒔「今、霞ちゃんと同じ顔してました」

京太郎「じゃあ石戸も目の前の子がかわいくて困ってたんだな」

小蒔「そ、そんな……」モジモジ





霞「小蒔ちゃん、嬉しそうね」

初美「記憶がなくなってるなんてパッと見わからないのですよ」

巴「姫さまの方はそうだけど……」

春「あの人、辛そう」


霞「どうにかしてあげられないかしら?」


初美「それってどういうことなのですか?」

霞「小蒔ちゃんの記憶が戻ればいい、そうじゃないかしら?」

巴「でもそれは……」

霞「リスクがあるのはわかっているわ。でも、私たちは彼に確かに恩があるはずよ」

初美「でもそれを姫様と秤にかけるとなると、考えものなのですよ」

霞「やっぱりそうなるわよね……」

初美「霞ちゃん、今日はらしくないのですよ」

霞「ごめんなさい、小蒔ちゃんを見ていると時々辛くて……」

巴「気持ちはわかります。でもやっぱり、私は現状維持がいいと思うんです」

春「……提案、いいですか?」

初美「はるる?」



春「あの二人がくっついてしまえば、きっと記憶が戻っても大丈夫」


霞「……なるほど、それなら」

巴「封じた記憶が辛いものではなくなるなら、そういうことなの?」

春「うん」

初美「それはなんだかおもしろ……良さそうな案なのですよー」

霞「巴ちゃんは?」

巴「そういうことなら、私も協力させてもらいます」

霞「決まりね」


霞「みんなで小蒔ちゃんの恋を応援しましょうか」





京太郎「そういや石戸たちは?」

小蒔「霞ちゃんたちも今は暇があると思うんですけど……」

京太郎「せっかくだから顔見ておきたいからさ」

小蒔「そうですよね……じゃあ私、みんなを呼んできますね!」タタッ

京太郎「ちょいストップ」ガシッ

小蒔「あ……」ドキッ

京太郎「せっかくだし、一緒に探そうか」

小蒔「は、はい……」





初美「歩き出しましたねー」

霞「みんな、準備はいい?」

巴「はい。チェックポイントは五つ、ですよね?」

初美「えっと、桜の木から落ちて受け止められた、お饅頭で間接キス、手をつないで参拝……後はなんでしたか?」

巴「お姫様抱っこと、名前で呼ぶことだね。全部、姫さまが言っていたことだし」

霞「小蒔ちゃんの思い出を刺激すればきっと何らかの反応があるはずだわ」

春「でも、最初のこれはちょっと難しそう……」

霞「そうね……あんまり危ない真似はさせたくないし」

初美「それなら私にお任せですよー」

霞「それじゃあ、お願いしてもいいかしら?」


初美「悪石の巫女の実力を見せてやるのですよ!」




小蒔「みんなどこ行ったのでしょうか?」

京太郎「見当たらないな」

小蒔「せっかく京太郎様が来てくださったのに……」

京太郎「のんびり探そうぜ。帰るのは明日だし」

小蒔「そうですね」


「わー、そこの二人ー、助けてほしいのですよー」


小蒔「今の声は……初美ちゃん?」

京太郎「どこからしゃべってんだ?」


初美「上ですよー、木から降りられなくなっちゃいましたー」


小蒔「あんなところに……」

京太郎「……なにやってんだあいつ」

小蒔「助けないとっ」

京太郎「俺が行くよ、怪我したら危ないし」



初美「姫さまがいいですー、男の人に触られるとアレルギーがー」


京太郎「はぁ?」

小蒔「初美ちゃーん、今行きます!」ヨジヨジ

京太郎「あ……気をつけろよー」


初美(作戦成功!)

初美(多少強引でも、これで姫さまが木に登るという条件は達せられたのですよ)


小蒔「大丈夫ですか?」

初美「怖かったのですよー」

小蒔「もう安心ですから」


初美(あとは下で受け止められるように落ちてもらうだけ……)

初美(申し訳ないですけど、これも姫さまのためなのですよ……!)


小蒔「きゃっ、風が」

初美「うわわっ」ヨロッ

小蒔「あ、初美ちゃん!」



初美(って、なんで私が落ちてるですか!)

初美(ああ……いやな浮遊感なのですよ)

初美(……落ちたら痛そうだな――)


京太郎「ったく、本当なにやってんだよ」


初美「ふぇっ?」

京太郎「ま、ちっこいから受け止めるのも楽チンだけどさ」

小蒔「ないすきゃっちです!」

初美「あ、ああぁぁぁ」カァァ


初美「で、出直すのですよ」ダッ


京太郎「……なんなんだか、本当」

小蒔「でも、どこも怪我はないみたいでよかったです」

京太郎「だな……で、一人で降りられそうか?」

小蒔「あ……て、手伝っていただけますか」カァァ





初美「し、失敗したのですよ……」グスッ

巴「だ、大丈夫?」

初美「次こそは負けないのですよ……!」

霞「……一体何があったのかしら?」

春「きっとしてやられたんだと思う。私にはわかる」

巴「はるるも一体何があったの……?」


霞「次は私が行くわ」

巴「えっと、お饅頭で間接キスでしたっけ?」

霞「思えば、あれが決定打だったように思えるわ」

巴「だからこそ強い揺さぶりになると」

霞「しっかりやらなきゃね……」


霞「さて、いかせてもらいましょうか」





京太郎「……ちょっと腹減ったな」

小蒔「出店でなにか買ってきますか?」

京太郎「じゃあ頼む。俺は飲み物調達してくるよ」

小蒔「じゃあ買えたらここに集合ということでいいですか?」

京太郎「おう、迷子になるなよ」


霞「小蒔ちゃん」

小蒔「あ、霞ちゃん。今までどこにいたんですか?」

霞「ちょっと忙しかったから……それより彼は?」

小蒔「飲み物を買いに行ってます。私もこれから食べ物を買いにいくところなんです!」

霞「分担作業ね」

小蒔「はい!」

霞「じゃあ私からのプレゼント」

小蒔「お饅頭ですか?」

霞「これはね……縁結びの饅頭と呼ばれるものなの」

小蒔「縁結び、ですか?」

霞「ええ、これを割らずに一緒に食べた男女は結ばれるって」

小蒔「割らずに……それって」カァァ

霞「ふふ、間接キスね」



霞(騙すようだけど、これも小蒔ちゃんのため)

霞(ごめんなさいね……)


京太郎「あれ、石戸」

霞「お久しぶりね」

京太郎「他の奴らは? ちっこいのはさっき会ったけど」

霞「急に用事を頼まれてしまったものだから、挨拶にいけなかったのは申し訳ないわ」

京太郎「いや、気にすんなよ……それより飲み物どうだ? 今そこで買ってきたんだ」

霞「私がもらってもいいの?」

京太郎「また買えばいいだけだろ」

霞「そう、ならいただこうかしら」

京太郎「おう」

霞「ふぅ……温まるわ」

京太郎「だろ? 俺の飲みかけでよければ全部飲んじゃっていいから」


霞「んんっ!?」



京太郎「おい大丈夫か? 熱すぎたかな」

霞「だ、大丈夫よ」カァァ


霞(ふ、不覚ね……)

霞(初美ちゃんもこれにやられたのかしら?)


京太郎「ならいいけどさ。一応冷たい飲み物もらってくるよ」

霞「本当に大丈夫だから……失礼するわ」

京太郎「ああ……気をつけてな」

霞「ええ……」フラフラ


京太郎「……なんなんだかな」

小蒔「あのっ」

京太郎「ん?」

小蒔「このお饅頭、一緒に食べませんかっ?」





霞「してやられたわ……」ズーン

巴「か、霞さん?」

初美「これでお仲間なのですよ!」

霞「作戦自体は成功だと思うんだけど……初美ちゃんと違って」

初美「なんですかそれー!」ブー

春「また犠牲者が一人……」


巴「次は私が行きます」

霞「気をつけて、巴ちゃん」

初美「油断しちゃダメなのですよ」

巴「だからなにがあったんですか……」

霞「それは……」カァァ

初美「の、ノーコメントで」カァァ

巴「まぁ、私は手をつながせるだけだし、そんな大事にはならないと思うけど……」

春「十分気をつけて……」

巴「う、うん……それじゃ」





京太郎「さっきの饅頭、おいしかったな」

小蒔「そ、そうですね」


小蒔「間接キスは好きな人とだけ……じゃあ、本当のキスは……」ボソッ


京太郎「……」

小蒔「すいません、ちょっとボーッとしてしまって……」

京太郎「無理、するなよ」

小蒔「大丈夫です。だって私、今こんなに幸せなんです」

京太郎「……そうか」


巴「あ、ここにいましたか」


京太郎「狩宿、用事はもういいのか?」

巴「はい、他の人がお二人にあったと聞いたので、私も挨拶にと」

小蒔「春は?」

巴「あ、まだ手が離せないみたいで」

小蒔「そうですか……」



巴(嘘はやっぱり心苦しいな……)

巴(早いところお役目を果たしてしまいますか)


巴「……だんだん混んできましたね」

京太郎「まだ夜になったばっかだってのにな」

小蒔「みんなきっと、お祭りが楽しいんです」

巴「離れないように気をつけてくださいね」


巴「あ、手をつなぐのなんてどうでしょうか?」


小蒔「て、手を……?」

京太郎「まぁ、たしかにな。どうする?」

小蒔「あ……ちょっとお花摘みに行ってきますっ」

京太郎「おいっ」


京太郎「……行っちゃったか」

巴「私、迎えに行ってきますね――きゃっ」ドン

京太郎「おっと」ガシッ



京太郎「大丈夫か?」

巴「はい、なんとか……」

京太郎「本当に混んでるな……迎えに行くなら俺も行くよ」


京太郎「あ、このまま手をつないでくか? 危ないし」


巴「え、あ……」カァァ

京太郎「あ、悪い」パッ

巴「い、いえ……」


小蒔「ただいま戻りました」


巴「ひ、姫様!?」

小蒔「あれ、顔が赤いですけど大丈夫ですか?」

巴「あ、あぁ……大丈夫ですからっ」ダッ


小蒔「……今日はみんな、どうしたんでしょうか?」

京太郎「さぁな……はぐれるとまずいし、手でもつなぐか?」

小蒔「お、お願いします……」





巴「やられました……」ガクッ

霞「そう、巴ちゃんも……」

初美「うんうん、わかるのですよ」

春「死屍累々……」


春「というか、みんな耐性がなさすぎる」


春「その点、私なら大丈夫」

霞「お願いしてもいいかしら?」

春「黒糖分は十分」


春「任せて、あとの二つ、バッチリ決めてみせる」キリッ


初美(死亡フラグっぽいのですよ……)

霞(よくわからないけど、これって死亡フラグってやつじゃ……)

巴(……大丈夫かなぁ?)





京太郎「ふぅ……結構まわったな」

小蒔「春には会えずじまいですね……」

京太郎「とりあえず少し休憩にしようか」

小蒔「はい」


京太郎「……また冷えてきたな」ブルッ

小蒔「甘酒でももらってきます?」

京太郎「そうだな……もらってくるか」

小蒔「あ、私に任せてください。すぐそこですし」

京太郎「わかった。そんじゃ、頼むぞ」ナデナデ

小蒔「あ……はい、頑張ります!」





春「どうも」

京太郎「滝見か。ちょうど噂してたところに」

春「姫様は?」

京太郎「甘酒取りに行ったところだよ」

春「そう……ならちょうどいい」

京太郎「俺に用事か?」

春「うん……」


春「単刀直入に言う……お姫様抱っこして名前を呼んであげて」


京太郎「なあ、さっきから思ったんだけどやっぱり……」

春「あとはあなた次第」

京太郎「……」

春「それで、これは私のリベンジ」ゴソゴソ


春「はい、あーん」



京太郎「……なにしてんの?」

春「だから、去年のリベンジ」

京太郎「俺には思い当たることが少しもない」

春「私にはある。食べて」

京太郎「いや、自分で食べるから」

春「それじゃ意味がない。いいから早く、姫様が帰ってくる」

京太郎「恥ずかしいから自分で食べるって」

春「それが私の狙い。ほら、食べてっ」グイグイ

京太郎「バカ、そんな押すなっ」


春「きゃっ――」グラッ

京太郎「だから言ったろ――」グラッ



春「……」

京太郎「……」

春「……あ、キス、しちゃった」カァァ

京太郎「……いや、セーフだ。黒糖が間に入った」

春「そ、そう……すごい状況」

京太郎「とりあえず、上から降りてくれ」

春「わかった……」


小蒔「二人、とも……?」


春「あ、姫様……」

小蒔「――っ」ダッ


春「……やらかしちゃったかも」

京太郎「間が悪いってのはこのことか……」

春「ごめんなさい……」

京太郎「気にすんな、それよりこの黒糖もらうぞ」カリッ


京太郎「ん、じゃあお姫様の誤解を解きにいきますか」


春「……姫様、羨ましいなぁ」





京太郎「お-い、姫さーん」

京太郎「まいったな……また前みたいなことは勘弁だぞ」


「その心配はありません」


京太郎「姫さん……じゃないな」

小蒔「夏以来、ですね」

京太郎「神様がホイホイ降りてきていいのか?」

小蒔「もちろん、なにごともなければ見守るのみです」

京太郎「……じゃあ今回出てきたってのは」

小蒔「私は、この子の辛い記憶を預かっています」

京太郎「また、全部忘れるのか?」

小蒔「その心配はありません。一時的に眠っているだけです」

京太郎「……そうか」


小蒔「……自分が忘れられるというのは辛いものですか?」



京太郎「一回は強がったんだけど、やっぱりな」

小蒔「この子は、自分の中にある嫉妬を想起させる記憶を私に預けています」

京太郎「だから俺も忘れられたってことか」

小蒔「将来、嫉妬の感情を受け入れられるだけ心が強くなれば、全て思い出すでしょう」

京太郎「……」

小蒔「私は去ります。お姫様抱っことやらで支えてあげなさい」

京太郎「なんだそりゃ」

小蒔「では……」フッ

京太郎「ちょっ――」


京太郎「っと、いきなりだな」


小蒔「ん……京太郎、様?」

京太郎「目が覚めたか?」

小蒔「あ……お姫様抱っこ。お願い、通じたんだ」

京太郎「ああ、他になんかあるか?」

小蒔「それじゃあ……」


小蒔「名前で、呼んでください」



京太郎「……小蒔」

小蒔「えへへ……やっぱりいいなぁ」


小蒔「あれ、やっぱりって私どうして……」


京太郎「はは、そうか、そうだよな」

小蒔「ごめんなさい、なんか私おかしいみたいです……」

京太郎「いや、いいよ。なにもおかしくない」

小蒔「そうでしょうか?」

京太郎「ああ……甘酒、飲みに行こうぜ」

小蒔「……はい!」


京太郎(記憶は消えても、絆や縁は消えない)

京太郎(きっとそういうことなんだろうな)


小蒔「京太郎様」

京太郎「ん?」

小蒔「えへへ……呼んでみただけです」



てなわけで終わりです
思ったより長くなったな……

範囲安価取りたいんですけど、人いますかね?

それでは、二年編までに登場したキャラからお好きなのを一人どうぞ
セリフ欄の前に名前が表示されたキャラに限ります

下1~下5

三尋木プロ大勝利!

『二年、秋、キャットチャンバー』が解放されました

選択済みエピソード

・一年
入学式、久との再開
春、美穂子登場
春、二人のあいだにある壁
美穂子再び
初夏、久との対立
初夏、美穂子への依頼
初夏、美穂子との特訓
初夏、決戦前夜
決戦
初夏、リスタート
夏、新たな出会い
夏、欠けた月
夏、初めての執事(アルバイト)
夏、衣の麻雀講座
今宵、月が満ちるとも
夏休み、遠征初日
夏休み、松実姉妹
夏休み、遠征二日目――鹿児島
夏休み、眠り姫
夏休み、遠征三日目――大阪
夏休み、目覚めぬ未来
夏休み、遠征四日目――岩手
夏休み、八尺(実際には六尺五寸)
夏休み、遠征最終日――東京
夏休み、グランドマスター
夏の始まり
エピローグ
その後の美穂子
秋、バイト執事再び
秋、衣の誕生日(略してころたん)
秋、膝枕の日
秋、祭りの後で
秋、恋敵?
冬、雪の降り始め
冬、年の初めに
冬、画面の向こう側
冬、節分の前の日
冬、アラフォー(予備軍)
三月八日、一年後の誕生日
三月十五日、好みのタイプは?
三月十六日、初めてのお出かけ
三月、おもちと温泉と
三月、温泉のあとのマッサージ(意味深)

・二年
部活動紹介、まこ入部
春、学食にて
美穂子との再会
初夏、ストーカー?
初夏、池田の逆襲
初夏、タイムリミット
初夏、県予選開始
初夏、団体戦決着
初夏、縺れた糸
初夏、まこの苦労日記
初夏、ライバル
夏、全国へ
夏、ワールウィンド
夏、奈良の王者
夏、修羅の国のクールビューティー
夏、大阪の魔物
夏、大阪の姉妹
夏、神代の姫
夏、一番目と二番目
夏、スリーピングビューティ
秋、次の目標
秋、まこの苦労日記その2
秋、二人と一人
冬、旅行に行こう
冬休み、小悪魔
冬休み、ゆきみだいふく
冬休み、神社の娘と王者の進路相談
冬休み、はとこ
エピローグ
冬、記憶と縁
五月十日、膝枕とおんぶ

・三年
優希との出会い
春、和の初恋?
春、インハイチャンプ
初夏、最後の一人
初夏、不和
和の悩み
咲との微妙な関係
優希の好物
初夏、合宿
初夏、家庭訪問@原村家
初夏、最後の県予選
初夏、鏡
初夏、見えない彼女の見つけ方
初夏、決意
初夏、県予選決勝戦

・EX
小学五年、幼馴染
中学二年、初夏、ゆみとの出会い
中学二年、夏、試合観戦
中学二年、三月、照との別れ
中学三年、初夏、空白

『三年、秋、天照大神』の解放条件を一部満たしています

三年編のインターハイを終わらせることで完全に解放されます


現在選択可能エピソード

1・二年、秋、キャットチャンバー

2・三年、初夏、東風とビギナーズラック


>>+2

2で了解

てか、今回ので小蒔ちゃんが久、照、美穂子に並びました
なにとは言いませんけど

それではおやすみなさい

こんばんわー

もうちょっとしたら始めます

それじゃ、やります



・三年、初夏、東風とビギナーズラック


京太郎「わかったわかった、それは今度バイト行った時にな」

京太郎「じゃ、人の食べ物は横取りするなよ。じゃあな」ピッ


和「お友達ですか?」

京太郎「まあな。片岡にも釘は刺したけど、一応念の為にと思ってさ」

和「はい?」

京太郎「それより、仮眠をとるんだったら今のうちだぞ」

和「でも、先輩たちの応援をせずに寝てるなんて……」

京太郎「咲なんかもうぐっすり寝てるぞ」

和「……あの、咲さんとは幼馴染なんですよね?」

京太郎「まあ、今は関係修復中ってとこだな」

和「そうですか……あの、私のことも名前で……」

京太郎「ん?」

和「や、やっぱりなんでもないですっ」ダッ

京太郎「あ、おい」



京太郎「ぬいぐるみ忘れてるぞ」


和「あ……」

京太郎「ほら、寝るときはいつも一緒なんだろ?」

和「え? ど、どうして知ってるんですかっ」

京太郎「あ、やべ」

和「あ、あぁぁ」

京太郎「お、女の子らしくていいんじゃないか? かわいくていいと思う、うん」

和「か、かわいいって……」カァァ

京太郎「普段冷静だからさ、ギャップってやつだな」

和「……ぁう」プシュー



和「か、仮眠してきます……」フラフラ


京太郎「……」


久「奥さん見た? あれがやつのやり口なのよ?」

まこ「だれが奥さんじゃ」

久「えー? のってくれたっていいじゃない」


京太郎「いたんだったら言えよ!」





優希「よし、試合の前にタコス分を……」ゴソゴソ

純「……」ジー

優希「……」ササッ

純「そんな警戒しなくても取らないって」

優希「先輩が言ってたじぇ……タコスを狙うものは全て敵だと」

純「だから狙ってないっつーの」


純(一瞬差し入れかと思った)

純(あいつに釘刺されてなかったら食べてたかも)


美穂子「あら、美味しそうなタコスね」



優希「あ、風越のおねーさん」

美穂子「良かったらタコさんウィンナー、食べる?」

優希「おねーさん、いい人だじぇ!」

美穂子「はい、あーん」

優希「あーん……うまー」


純「おいおい、馴れ合いハンパねーな」

「き、緊張してきた……」

純「オレらも握手でもしとく?」

「うむ……」





京太郎「始まったな」

まこ「さて、どうなるかの」

久「鶴賀の津山って子は普通って感じだけど、他二人は間違いなく強敵ね」

まこ「福路美穂子は言うまでもなく、龍門渕の井上純……」

久「美穂子は私が相手できれば良かったんだけどね……」

京太郎「このままいけば順当にいって三位ってとこだな」


京太郎「順当にいけば、な」


久「なにか仕込んだの?」

京太郎「いいや、ただタコスはしっかり食べるようにって言っただけだ」

まこ「まぁ、そもそも食べんとしおしおじゃからの」





優希「リーチ!」


純(さっき上がったのにまたリーチかよ……)

純(勢いに乗ってんな)

純(これ以上調子づく前にバッサリいっとくか)


純「ポン」


優希(一発ならず……でもまだまだチャンスは十分にあるじぇ)


美穂子「……」


優希(また引けなかった……タコス力は十分なはずなのに)

優希(なんかおかしいじょ。まるで咲ちゃんたちと打っている時のような……)トン


純「ロン、5200」

優希「えっ」

純「悪いな」


睦月(危なかった……次に捨てるところだった)





まこ「あの妙なタイミングでの鳴き、なんじゃろか?」

京太郎「あいつはもろ感覚派だからな」

久「そういえば知り合いだったんだっけ」

京太郎「まあな」


まこ「ふむ……流れ、かの」


京太郎「流れね……」

久「ここに和がいたら真っ向否定ね」





純「チー」


優希(また副露だじぇ……)

優希(せっかくついた勢いが消えていくような……)トン


純「ロン、12000」

優希「――っ」


優希(間違いない、この人――)


純「――ふっ」


優希(――超ヤバイじぇ……!)





優希「……」トン


優希(もう東四局)

優希(稼いだ点棒もなくなって収支はマイナスだじぇ……)

優希(どうしよう、このままじゃ)


優希「……いやだじぇ」ボソッ


優希(このまま負けっぱなしなんて、絶対にいやだじぇ)

優希(まだ東場は終わってない……)

優希(東風が吹いているうちは――)


優希(――まだ、私の領域だじぇ!)



純「……」

美穂子「あら……」

睦月「?」


純(また調子づいてきたか)

純(まぁ、またぶった切らせてもらうだけだけど)


優希「ポン!」

純「――っ」


優希(鳴かれることで勢いが削がれるのなら……)


優希「ポン!」


優希(鳴かれる前に速攻で和了する……!)


優希「ツモ! 4000・2000!」



京太郎「よしっ!」

久「やるわねぇ。あの子のあんな上がり方、見たことないわ」

まこ「ふふ……熱い熱い」





『先鋒前半戦終了――!!』


優希「ふぃー、タコス切れだじぇ……」


京太郎「そんなお前に差し入れ、ほら」

優希「そ、それはまさか――」


優希「――タコス!」


京太郎「はいはい、大げさなリアクションありがとう」

優希「先輩大好きだじぇっ」

京太郎「お前の愛は軽いなぁ、おい」





京太郎「ただいまー」

久「調子はどうだった?」

京太郎「あの分だったら前半と同じくらいはやれるんじゃないか?」

まこ「まぁ、そうはいかんじゃろうな」

久「美穂子ね」

京太郎「後半だからな、さすがに仕掛けてくるだろうよ」

久「ここで踏ん張ってもらわないとね」


久(優希……気をつけて)





美穂子(後半に入って風越は三位……)

美穂子(もう様子見は十分かしら)スッ


純(ヤバげな雰囲気だ)

純(風越……仕掛けてくる気か?)


優希(風越のおねーさん……?)

優希(両目、開いてるじぇ)


睦月(焼き鳥だけは避けたい……!)





『先鋒戦終了――!!』


京太郎「あーらら」

まこ「こりゃやられたのぅ」

久「まぁ、正直予想の範囲内だったけど」

京太郎「風越がトップで龍門渕が二位、そんでうちが三位で僅差で鶴賀が最下位」

まこ「こりゃなんともやりがいのある展開じゃな」


優希「ただいまだじぇ……」


久「お疲れ様、よく頑張ったわね」

優希「でも、三位だじぇ……後半はほとんど何もできなかったし」グスッ

京太郎「なーにしょげたツラしてんだよっ」グリグリ

優希「痛い痛いっ」

京太郎「まだ全体の五分の一しか終わってないんだぞ? あの程度の失点、他のやつらでカバーするって」

まこ「そうじゃ、わしにまかしときんしゃい」

優希「せ、先輩ぃ……」ジーン



『次鋒戦開始まで残り10分です。選手の方は速やかに会場に――』


まこ「じゃあ、行ってくるけぇ」

京太郎「おう、しっかりな」

久「まこ、頼むわよ」

まこ「なーに、お安いご用じゃ」

優希「タコス食べて応援してるじぇ!」

まこ「随分復活が早いのぅ」





まこ(ふむ、風越の吉留と龍門渕の沢村はさすがに手堅い……)


「みっつずつ、みっつずつ……」


まこ(が、鶴賀の妹尾は全くの素人……正直打ちにくい)

まこ(県大会中に役満を和了したそうじゃが、まぐれでしかない)


未春「……」

智紀「……」


まこ(目下の敵はこの二人じゃな)

まこ(さて――)


まこ(――存分に打ったるけぇのぅ!)





優希「おお、染谷先輩がメガネを外したじぇ」

京太郎「これでメガネフィールドの均衡が破られたわけだ」

優希「そしたらどうなるんだじぇ?」

京太郎「フィールドを満たしていた力がまこっちゃんに流れ込んで爆発的なパワーアップを――」

久「しないわよ」

京太郎「なんだよ、盛り上がってたのに」

優希「で、実際メガネを外したらどうなるんだじぇ」

久「そうねぇ……目が悪くなるとか?」

優希「それは当たり前だじぇ」

久「まぁ、見てなさい。まこの得意技を」

優希「まさかの必殺技が……!」

京太郎「名付けて緑一色!」

久「はいはい、嘘教えない」


久しぶりの寝落ち……
続きは今日の夜にでも

こんばんはー

風呂上がったら昨日の続きやります

一応エタらせないよう気をつけてやってます
エピソードを短めにしてあまり日数をあけずに更新したりとか
残業でくそみたいに忙しくなるまでは週に二回か三回はやるつもりです

それじゃ、やります




まこ「ロン、8000」

佳織「は、はい」


まこ(ふぅ……なんとか点数はスタート地点まで戻ったか)

まこ(こっからが正念場じゃけぇ)

まこ(しかし……)


佳織「ふたつずつ、ふたつずつ……り、りーちです」


まこ(あいっかわらずわかりにくいのぅ)

まこ(あれか、七対子でも狙っとるのか)

まこ(にしても、さっきから場に字牌が出とらん)

まこ(誰かが抱え込んどるんじゃろか)


佳織「あ……つ、ツモです!」



東東南南西西北北白白發發中中


佳織「えーっと……ちーといつ、のみかな?」


まこ「……」

未春「……」

智紀「……」


「「「それは役満だっ!」」」


佳織「ひぇっ」ビクッ





桃子「おー、かおりん大砲炸裂っすね」

「これでイーブンかー?」

睦月「面目ないです……」

ゆみ「気にするな」ポン


ゆみ「しかし、ここまで来たら欲が出てくるな……」


「わはは、ユミちんの欲張りさんめ」



透華「なんですのあの女! 役満和了とか目立ちまくりですわ!!」ムッキー!


一「ともき……ご愁傷様」

純「ありゃあきっついなー」


透華「一! こうなったら私たちも役満を……!」


一「無理言わないでよ……」

純「国広くーんガンバレー」

一「そこ、煽らない」





京太郎「……」

久「……」

優希「……」


京太郎「みんな、現実に戻ろうぜ」

久「あはは……私、字一色の七対子とか初めて見た」

京太郎「俺だって初めてだ」

優希「親っかぶりとは痛いじぇ……」



『次鋒戦終了――!』


佳織「お、お疲れ様でしたっ」

智紀「……お疲れ様でした」ゲッソリ

未春「お疲れ様でした……」ゲッソリ

まこ「……おつかれさん」ゲッソリ





まこ「……ただいま」

久「お帰り」

まこ「すまん、追い上げるはずが……」

久「まぁ、ああいうこともあるわよ」

京太郎「相手のツモ上がりはどうしようもないからな……」

優希「あれはビギナーズラックのレベルを超えてたじぇ」

まこ「しかし現実問題、ここから追い上げるとなるとちと厳しいじゃろ」

久「かもねー」


久「でもまあ、まかせといてよ」


久「京太郎、おさげどう?」

京太郎「今日もバッチリ。かわいいぜ」

久「じゃあ万全ね」

優希「おお、部長が本気モードに」


久「次は私の出番……バンバン稼ぐわよ!」




『個人戦9位と卓上の天使』が解放されました

選択済みエピソード

・一年
入学式、久との再開
春、美穂子登場
春、二人のあいだにある壁
美穂子再び
初夏、久との対立
初夏、美穂子への依頼
初夏、美穂子との特訓
初夏、決戦前夜
決戦
初夏、リスタート
夏、新たな出会い
夏、欠けた月
夏、初めての執事(アルバイト)
夏、衣の麻雀講座
今宵、月が満ちるとも
夏休み、遠征初日
夏休み、松実姉妹
夏休み、遠征二日目――鹿児島
夏休み、眠り姫
夏休み、遠征三日目――大阪
夏休み、目覚めぬ未来
夏休み、遠征四日目――岩手
夏休み、八尺(実際には六尺五寸)
夏休み、遠征最終日――東京
夏休み、グランドマスター
夏の始まり
エピローグ
その後の美穂子
秋、バイト執事再び
秋、衣の誕生日(略してころたん)
秋、膝枕の日
秋、祭りの後で
秋、恋敵?
冬、雪の降り始め
冬、年の初めに
冬、画面の向こう側
冬、節分の前の日
冬、アラフォー(予備軍)
三月八日、一年後の誕生日
三月十五日、好みのタイプは?
三月十六日、初めてのお出かけ
三月、おもちと温泉と
三月、温泉のあとのマッサージ(意味深)

・二年
部活動紹介、まこ入部
春、学食にて
美穂子との再会
初夏、ストーカー?
初夏、池田の逆襲
初夏、タイムリミット
初夏、県予選開始
初夏、団体戦決着
初夏、縺れた糸
初夏、まこの苦労日記
初夏、ライバル
夏、全国へ
夏、ワールウィンド
夏、奈良の王者
夏、修羅の国のクールビューティー
夏、大阪の魔物
夏、大阪の姉妹
夏、神代の姫
夏、一番目と二番目
夏、スリーピングビューティ
秋、次の目標
秋、まこの苦労日記その2
秋、二人と一人
冬、旅行に行こう
冬休み、小悪魔
冬休み、ゆきみだいふく
冬休み、神社の娘と王者の進路相談
冬休み、はとこ
エピローグ
冬、記憶と縁
五月十日、膝枕とおんぶ

・三年
優希との出会い
春、和の初恋?
春、インハイチャンプ
初夏、最後の一人
初夏、不和
和の悩み
咲との微妙な関係
優希の好物
初夏、合宿
初夏、家庭訪問@原村家
初夏、最後の県予選
初夏、鏡
初夏、見えない彼女の見つけ方
初夏、決意
初夏、県予選決勝戦
初夏、東風とビギナーズラック

・EX
小学五年、幼馴染
中学二年、初夏、ゆみとの出会い
中学二年、夏、試合観戦
中学二年、三月、照との別れ
中学三年、初夏、空白

『三年、秋、天照大神』の解放条件を一部満たしています

三年編のインターハイを終わらせることで完全に解放されます


現在選択可能エピソード

1・二年、秋、キャットチャンバー

2・三年、初夏、個人戦9位と卓上の天使


>>+2

1で了解

昨日の続きなんで今日はもう終わりです

でも、せっかくなんで寝る前にお好きなキャラをどうぞ
登場済みのキャラに限ります
一度選ばれた以下のキャラは不可

照・咏・玄・美穂子・小蒔・健夜・豊音・竜華・哩・衣・マホ・久・咲・怜

下2
下3

残念ながら南浦さんまだ出てないんですよ……
下にずれて由暉子と和ということで

それじゃ、少々お待ちを



由暉子→京太郎


由暉子「須賀さん、ですか?」

由暉子「そうですね……上から降ってくるなんて、まるで物語みたいで素敵な出会い方だったと思います」

由暉子「あと、クラスメートの男子とはまた違った感じで、話していて新鮮でした」

由暉子「年上の男の人……かっこいいです」

由暉子「今度会ったらまた一緒に雪見だいふくを食べたいですね」

由暉子「女性関係? それはちょっと気になります。お友達も多そうですし」

由暉子「そういえば、誓子先輩も結構須賀さんのことを気にしてたような……」




和→京太郎


和「先輩ですか?」

和「そうですね……なによりもまず、尊敬できる人だと思います」

和「私たちが麻雀に専念できるのも先輩のおかげですし」

和「……え? もっと色っぽい話ですか?」

和「そ、それはあの……こういう場で言ってしまうのはどうなのかと言いますか」

和「……お父様と面と向かって話してくれたことには、感謝しています」

和「思えば、しっかり気づいたのもあの時でした……これが初恋だって」

和「でも……部長や咲さん、他にも仲が良い女の人はたくさんいるわけでして……」


由暉子と和……気が合う二人で男の趣味も一緒
下手したら修羅場あるんじゃないですかね?
まだまだ先のことなんでまったく考えてないですけども

それじゃ、おやすみなさい



・一年、今宵、月が満ちるとも――if


京太郎「はぁ……はぁ……」

透華「くっ……私は……」

衣「ん、もう日が変わったか……存外粘る」


京太郎(やばい、目が霞んできた)

京太郎(俺、麻雀やってるだけ……だよな?)

京太郎(龍門渕さんもやばそうだし)

京太郎(このまま続けていけば……)


衣「そのまま諦念に身を委ねれば、楽になれる。京太郎もわかってるはずだ」

京太郎「そう、だな」

衣「先の見えている……そもそも勝負にすらなっていない。これ以上なんの意味がある?」

京太郎「そう、だよな」



京太郎(ここで諦めたら楽になれる……たしかにそうだ)

京太郎(そもそも勝負にすらなっていない……たしかにそうだ)

京太郎(結果も見えている……そう、なのか?)

京太郎(楽になりたい、今すぐなにもかも投げ出したい)

京太郎(一言、たった一言で全て終わる)

京太郎(この苦しみも、今まで積み上げてきた全ても)

京太郎(でも、この苦しみから、深い海の底から抜け出せるなら俺は……)


京太郎「――わかった」

衣「そう、それでいい」

京太郎「もう、俺は……」



京太郎(いいのか? その言葉を吐いて)

京太郎(俺には大事なものがあったはずだ)

京太郎(でも、思い出せない)

京太郎(大事だったはずのだれかの顔が、ぼやけて霞む)

京太郎(……ダメだ、もう――)


京太郎「おれ、は――」ドサッ


透華「須賀、京太郎……?」

衣「ふふ……」

透華「須賀京太郎っ、しっかりなさい!」


京太郎「」


衣「これで、ずっと一緒だね……きょうたろー」





ハギヨシ「おはようございます、お嬢様」

透華「おはよう……衣は?」

ハギヨシ「……今日も、彼と」

透華「そう……」


ハギヨシ(あれから数日が経ちました)

ハギヨシ(衣様が彼と部屋に篭りきりなってから)

ハギヨシ(彼が、物言わぬ人形のようになってから……)


透華「私が止めてさえいれば……」

ハギヨシ「お嬢様、今は……」

透華「もう手遅れ……わかってますわ」


透華「私にできることは、現状の維持だけ」

透華「あの子の願いを叶え続けることしか……」


ハギヨシ(お嬢様の顔には後悔の色が強く滲んでいます)

ハギヨシ(そしてそれは、きっと私も同じなのでしょう)


ハギヨシ「京太郎くん……」





衣「おはよう、きょうたろー」

京太郎「」

衣「起きたらお着替えだ」

京太郎「」

衣「一人じゃできない? ふふ、しょうがないやつだな」



衣「きょうたろー、昼餉だ」

京太郎「」

衣「今日もハギヨシのスペシャルランチだぞ」

京太郎「」

衣「……美味! ほら、あーん」

京太郎「」

衣「ふぅ、しかたないな、今日も口移しで――」


衣「――ん……どう、おいしい?」

京太郎「」

衣「ふふっ、そうか」





衣「きょうたろー? また粗相したのか……」

京太郎「」

衣「気にしなくてもいい、衣が綺麗にしてあげるから」

京太郎「」

衣「そうだ、ついでにお風呂に入ろう。湯につかれば身も心も綺麗さっぱりだ」

京太郎「」

衣「じゃあ車椅子動かすから」



衣「んしょ……気持ちいい?」

京太郎「」

衣「よし、流すよ」

京太郎「」

衣「うん、これで綺麗になったな!」



衣「心地よいな……」

京太郎「」

衣「きょうたろーの体も、あったかい……」スリスリ

京太郎「」

衣「ん? これは……もしかして、衣とつながりたいのか?」

京太郎「」

衣「わかった……子を成そう。きょうたろーと衣とで」


衣「子は楔……そうすれば衣たちの家族が増える、絆は金剛不壊のものとなる」

衣「だから……ね?」


京太郎「」


衣「きょうたろー……」ポロッ


京太郎「……」



衣「あれ、どうして……」ポロポロ

衣「これは衣が望んだことなのに」

衣「いつまでも、永久に離れず一緒にいられるって」

衣「なのに、なんでこんな……」


衣「きょうたろー、声が聞きたい」

衣「きょうたろー、抱きしめて欲しい」

衣「きょうたろー、衣に笑いかけて」


衣「きょうたろー……」ポロポロポロポロ



京太郎「……なく、なよ」ギュッ


衣「え?」

京太郎「お前が泣いてたら、俺が折れた意味がなくなっちゃうだろ」

衣「そんな、まさか……」

京太郎「なに驚いてるんだよ。さっきあれだけ名前呼んだくせに」

衣「だって、衣はきょうたろーの心を……」

京太郎「約束する。ずっとそばにいるって……家族にだってなってやるよ」


京太郎「だから、泣くな」


衣「きょうたろー……きょうたろー!」





ハギヨシ「京太郎、くん?」

京太郎「ども。なんか色々迷惑かけちゃったみたいで」

ハギヨシ「いえ……それにしても良かった……本当に」


ハギヨシ(彼が回復した。その事実は屋敷内で大きなニュースになりました)


透華「まったく、あなたという人は……」

京太郎「心配かけたことなら謝るって」

透華「誠意が足りませんわ!」


ハギヨシ(お嬢様の顔も晴れやかなものとなり、どこか沈んでいた屋敷内の空気も一変して)


メイド「そう、良くなったんだね」

京太郎「おかげさまで」

メイド「私はなにもしてないよ。やっぱり愛の力?」



ハギヨシ(それでも、一番良かったと思えるのは……)


衣「きょうたろー、こっちこっち!」

京太郎「はいはい、お嬢様」

衣「お嬢様じゃなくて衣! きょうたろーは衣の伴侶なんだから!」


ハギヨシ(この二人の、仲睦まじい姿を見られたことでしょうか?)

ハギヨシ(かといって、そう手放しで喜べることばかりではありません)

ハギヨシ(ここに自分の居場所を定めた時点で、おそらく京太郎くんは大切ななにかを手放している)

ハギヨシ(衣様がやったことも、簡単に許されるべきではない。しかし……)



メイド「ハギヨシさん?」

ハギヨシ「どうかしましたか?」

メイド「それ、こっちのセリフですよ。ボーッとしてるなんて珍しいですね」

ハギヨシ「いえ、それは――」


ハギヨシ(その道中から行く末まで、幸福なものであるようにと――)


ハギヨシ「――少し、あてられたようです」


ハギヨシ(――心の中で、密かに願わせてもらいましょう)




つづ……かない

てなわけでころたんのifでした
ものすごいバッドエンドにしようかとも思いましたが
それは国広君の時までとっておきます

それじゃ

まぁ、バッドエンドっていっても人死にが出るくらいですから

それじゃ、風呂入ったら始めます

そもそもあまりバッドエンド自体考えないんでバリエーションはありません
まぁ、一応ハッピーエンドらしきものもありますけど

それじゃ、始めます



・二年、秋、キャットチャンバー


久「あーもう、この時期やること多すぎー」

まこ「選挙出るんでしたっけ?」

久「それに加えて学祭の準備だってあるし……さらに選挙の後は修学旅行よ?」

まこ「あー、それは大した詰め込みっぷりで」

久「これだったら、学祭ぐらい6月か7月に回してもいいと思うんだけど」

まこ「それはそれでインハイの予選とかぶりそうですけども」

久「春夏秋冬どの時期でも大会やってるからいいんじゃない?」

まこ「はぁ」

久「それにしても、今日はお客さんいないの?」

まこ「もうちょい遅くならないと常連も来ないですよ」

久「せっかく休みの日に気晴らしにきたのにねー」プルルル



久「あれ、靖子から? ……もしもし」


靖子『色々忙しそうにしてるみたいだけど、元気?』

久「忙しくて暇で死にそう」

靖子『それは一体どっちなんだ……』

久「ともかくっ、気晴らしの相手募集中なの」

靖子『悪いが私は無理だぞ? 今は東京だし』

久「えー? じゃあだれか送り込んでよ」

靖子『無茶言うなよ……あ、そうだ』

久「なに?」

靖子『今、長野に三尋木プロがいるはずだ』

久「三尋木プロ? 日本代表の?」

靖子『もし見かけたら声をかけてみたら? あの性格だとそこらで遊び歩いてるかもしれないしね』

久「もし見かけたらって……中々難しいと思うんだけど」

靖子『そっちには彼がいるだろ? じゃあ』

久「あ、ちょっと――」プツッ



久「……なによもう、一方的に」

まこ「電話は終わりですか?」

久「ねぇ?」

まこ「はい?」

久「京太郎、今日はなにしてるって言ってたっけ?」

まこ「たしか友達と出かけるとか」

久「そうよねぇ……」





京太郎「こっちだろ」

一太「いいや、こっちだ」

京太郎「はぁ? 見ろよこの見事なスタイル。胸なんて世界レベルだぞ?」

一太「君は何も分かっていない。重要なのはラインだ。この流れるような」

京太郎「いやいや、なんの引っ掛かりもない体型のどこに魅力があるんだよ」

一太「そっちこそ、なんで脂肪の塊になんか執着してるんだ」

京太郎「だがな、内木――」


京太郎「ロリ巨乳って言葉もあるんだぞ?」ペラッ


一太「そ、そんな……まさか! あどけない顔と暴力的なまでの丘陵のコラボレーション!?」

京太郎「さあ認めろ! おもち持ちの魅力を」

一太「くっそぉぉおおお!」


「盛り上がってるところ申し訳ないんですけど……その雑誌、お買い上げになるんですか?」


京太郎「あ、はい」

一太「じゃあこれで」チャリン

「お買い上げありがとうございまーす」





京太郎「それでさ、俺らどうしてこの雑誌で言い争ってたんだっけ?」

一太「そもそも、どうして二人で出かけてるんだろうか」

京太郎「選挙のことで打ち合わせしようって俺が呼び出したからだろ」

一太「ふんふん……なるほど――」


一太「――って、合流してから一度たりとも言及してないじゃないか!」


京太郎「いきなり大声出すなよ」

一太「当初の目的はどこいった!?」

京太郎「とりあえず落ち着こうぜ。そんで昼飯でも食いながら雑誌の鑑賞会だ」

一太「それ、ぼくが払ったんだから優先的に見せてくれよ?」

京太郎「いーや、ページをめくる権利はこっちにある」

一太「どうしてそんな身勝手な理屈を……!」

京太郎「だって貧乳眺めてても楽しくないし」

一太「世の中のAカップ以下の女性に謝れっ!」





京太郎「そういやお前、この前ラブレターもらってなかったっけ?」ペラッ

一太「なんでそれを君が知ってるんだ……あ、そこのページ飛ばすな!」

京太郎「机に入れたの俺だから。けっこう可愛い子だったけど、断ったのか?」ペラッ

一太「今は忙しい時期だし……だからページを飛ばすんじゃない!」

京太郎「やっぱあれか、背も胸ももうちょい小さいほうがよかったのか」

一太「あ、あらぬ疑いをかけるのはやめてくれないかっ」

京太郎「もう今更だよな……」


一太「ところで、そっちは浮いた話ないのかい?」

京太郎「なんもねーって。むしろ久ちゃんのファンだかに追い回されたぐらいだし」

一太「まぁ、だろうね」


一太(君が竹井さんと付き合ってるのかってよく聞かれるんだけどね……)



一太「あれ……この雑誌、プロの写真も載ってるみたいだ」ペラッ

京太郎「ん? どれどれ……これはっ――」


京太郎「――はやりん!!」


京太郎「やっべマジかよ! やっぱ実物も写真もかわいいなぁ!」

一太「まったく……どこがいいんだか……ん? これはっ――」ペラッ


一太「――うたたん!!」


一太「まさかこんな雑誌に写真が載ってるだなんて! この余った着物の袖……かわいいなぁ!」

京太郎「おい、勝手にめくるなよ……って、こいつが三尋木プロなのか?」

一太「あれ、知らなかったのかい?」

京太郎「名前とおおまかな特徴しかな……」


京太郎「なんだよ、お兄さんとか言って自分の方が年上じゃん」


一太「も、もしかして会ったことあるのかっ?」

京太郎「夏に東京行った時にさ」

一太「……っ!」

京太郎「け、血涙を流すほどか……」





咏「ひっまだねぃ」

咏「お仕事も終わったし、帰りは明日だし」

咏「ここらへん、なんもねーし」

咏「ま、紅葉は悪くないけど」

咏「眺めながら酒ってのもおつだけど、ちょーっと時間が早いんだよねぃ」

咏「いっそ龍門渕あたりに殴り込みでもかけてみっかね?」

咏「場所は知らないんだけどさ」


咏「あーあ、何か面白いこと転がってないかなー」


咏「ん? あれって……」

咏「いいじゃんいいじゃん! これも運命ってやつかねぃ」

咏「なんちゃって」


咏「おーい、お兄さーん!」





一太「うう……」

京太郎「だ、大丈夫か?」

一太「ぼくは今日ほど運命を呪ったことはないよ……」

京太郎「まぁ、ついてるっちゃあついてるのかもだけど……はやりんにも会えたし」

一太「あ、それはどうでもいいかな」

京太郎「ぶっ飛ばすぞてめぇ!」


京太郎「本当に一人で帰れるのか?」

一太「ショックは大きいけど、それだけだから……ははっ」

京太郎「か、乾いた笑い……」

一太「そもそも男に送られるなんて気持ち悪いじゃないか」

京太郎「お、珍しいな。そこのところは俺も同じ意見だ」

一太「まったくだね……じゃあ」

京太郎「ああ、気をつけろよー」





京太郎「さて、急に暇になったな」

京太郎「まこっちゃんのところにでも顔出すか?」

京太郎「久ちゃんもいるかもしれないし」


「おーい、お兄さーん!」


京太郎「……なんか聞き覚えのある声だ」


「お兄さんってばー」


京太郎「具体的には、インターハイの最中に聞いたような……」


「あっれー? 聞こえてないのかね」


京太郎「今日、話題にあげたばかりのような……」


「……ていっ」シュッ



京太郎「いてっ!」

「ヒット!」パシッ

京太郎「人様に扇子投げるなって教わらなかったのか!」

咏「えー? だっていくら呼んでも振り向いてくんないだもん」

京太郎「悪いな、ちょっと考え事してた」

咏「ふーん……ま、いいけどさ」

京太郎「そんで、今日は仕事?」

咏「ありゃ……もしかしてわかっちゃった?」

京太郎「今日気づいた。どっかで見たことあると思ったらな」

咏「ほんとにっぶいよな、これでも結構有名人なのにねぃ」

京太郎「そっちこそお兄さんってなんだよ。俺より半周り上なのに」

咏「こーんな可愛い子にお兄さん呼ばわりとか役得じゃね?」

京太郎「もうちょっとバスト増量して、どうぞ」

咏「おっもしろいこと言うねぃ」ビキビキ

京太郎「ははは、それほどでも」

咏「うんうん、謙虚なのはいいことだ……そんでさ」

京太郎「うん?」


咏「もっぺん扇子投げていい? 答えは知らんけど」シュッ


京太郎「じゃあ聞くなよっ」ヒョイ





咏「で、調子どう?」

京太郎「おかげ様かどうかわからないけど、仲直りは出来た」

咏「あたしが聞いたのはそっちじゃないんだけどねぃ」

京太郎「そっちじゃない?」

咏「麻雀麻雀」

京太郎「ああ、そっちは相変わらずで」

咏「ということは、まだフラフラしてるわけだ。憎いねぃ、この色男っ」グリグリ

京太郎「痛い痛い扇子でつつくな」

咏「そもそも年上への言葉遣いがなってないんじゃね? 知らんけど」

京太郎「知らんなら不問に処せよっ。今更変えるの難しいんだから」

咏「いや、知らんし」

京太郎「そこは知っとけ!」





咏「もしお兄さんさえよかったら、あたしがちょこーっとレクチャーしてあげてもかまわないぜぃ」

京太郎「レクチャー?」

咏「なんか面白そうなの持ってるからさ、それの使い方とか」

京太郎「使い方……」

咏「世間やちまたで言うところのオカルト、能力ってやつだ」

京太郎「それを使えば、強くなれたりする……んですか?」

咏「相手にもよるけど……ま、その分だったら大丈夫じゃね?」

京太郎「……そう、ですか」

咏「さて、どうする?」


京太郎「……やっぱやめとく、ます」


咏「ありゃま」

京太郎「約束がある。俺が麻雀にかまけてたら、多分疎かになる……ますから」

咏「うんまあ……とりあえずその不自然な日本語を直してもらいたいねぃ」

京太郎「仕方ないだろ! 矯正中なんだから!」

咏「じゃあもうタメでいいよ……特別だぜぃ?」

京太郎「わかった……」


京太郎「でも、オカルト云々は置いとくにしても……普通のレクチャーは受けたいかも」

咏「うーん、あたしの楽しみは減るけど……ま、いっか」


咏「いいぜぃ、このキャットチャンバーが面倒見てやるよ」


京太郎「……ところで、その称号みたいのって自分で考えてんの?」

咏「んなわけないっしょ。エンジンの膨張室とかけてるんだろうけど、直訳したら猫の箱だぜ? シュレディンガーかっての」

京太郎「だよなー」





久「……」

まこ「……」


咏「ども、謎の三尋木さんだぜぃ。あ、職業と年齢は秘密ってことで」


京太郎「いや、隠す気無いだろ」

久「まさか本当に連れてくるとは……」

まこ「……これは宣伝のチャンスかの?」


咏「それにしても、まっさか個人戦9位と知り合いだったとはねぃ」


久「あの、今日はどうしてここに?」

咏「ただの暇つぶし」

久「は、はあ……」



京太郎「おい、まこっちゃん、なに立ててるんだ?」

まこ「こ、これは……」


『三尋木プロ対局会、絶賛開催中!!』


京太郎「……」

まこ「……」

京太郎「まこっちゃん、気持ちはわかるが……」ポン

咏「あたしとしても、必要以上に騒がれるのは勘弁してもらいたいとこだねぃ」

まこ「そう、ですよね」

咏「ほら、一人で大勢の相手すんのも疲れちゃうしさ……あ、今のなんかエロかった?」

京太郎「はいはい、とにかくやろうぜ。教えてくれるんだろ?」

咏「それじゃ、席決めから……っと」


咏「あ、お二人さんもどう? 実戦形式の方が色々捗るんじゃね? 知らんけど」



久「是非」

まこ「お願いします」

咏「ま、9位だったら楽しめなくもないってところかね?」

久「……あなたが格上だってのはわかってますけど」


久「あまり舐めてると、足元掬っちゃいますよ?」


咏「おーおー、いい気合だねぃ」

久「これでもグランドマスターと打ったこともありますから」

咏「なるほど、あの小鍛冶さんと……ぷっ、あはははは!」ゲラゲラ

久「……なにかおかしなことでも?」

咏「いや、随分かわいいこと言うねぃ。でもまぁ――」


咏「あたしは小鍛冶さんに負けてるつもりなんてサラサラないから、そのつもりでかかってきたらいいんじゃね?」ゴッ


京太郎「……なんだか俺が蚊帳の外に置かれつつあるな」

まこ「まぁ、諦めましょうか」ポン





咏「んー、こんなもんかね?」


京太郎「」

久「」

まこ「」


咏「三人仲良く飛び終了……これぞ青春ってやつなのかねぃ」


京太郎「いや、下手人が言うことじゃないだろ……」

久「つ、強い……」

まこ「こりゃ写真でも撮らんと割に合わん……」



咏「あっれー? もうこんな時間かい」

京太郎「帰るのか?」

咏「まぁねぃ」

京太郎「じゃあ、送ってく。一応のお礼も含めて」

咏「意外と律儀さんだ」

京太郎「あんた、一方的にボコってただけなんだけどな」

咏「わっかんねー、全てがわっかんねー」

京太郎「はいはい……っと」

咏「うわわっ、なにすんのさっ」

京太郎「猫もこうやって持ち上げられたりしてるからさ、キャットチャンバーだけに」

咏「い、今離したら許してやらないこともないぜぃ?」

京太郎「ははは、ちょうど客も増えてきたし、このまま恥辱の刑に処す」

咏「はーなーせー!」ジタバタ


久「……」

まこ「うぐ、せめて記念写真……」

久「もう突っ込む気力もないわ……」





咏「あぁもう……まったく、信じられねーっての」

京太郎「それはこっちのセリフだ……」ボロボロ

咏「お兄さんの手管はよーくわかったぜぃ。そうやってたらしこんでるわけだ」

京太郎「身に覚えがまったくないから」

咏「そんなんだから勝てないんじゃね? 知らんけど」

京太郎「なにそれ」


咏「それじゃ、お勤めご苦労さん」

京太郎「ここまででいいのか?」

咏「お金がある大人にはタクシーって手段もあるんだぜぃ?」

京太郎「なるほど、その手があった」

咏「はい、これ」

京太郎「番号とアドレス?」

咏「ちょっとツバつけとこうと思ってさ」

京太郎「は?」

咏「一応プライベートなものだから、悪用は厳禁ってことで」

京太郎「言われなくてもしないって」

咏「そっか……じゃあ、また」フリフリ

京太郎「またな」





「三尋木プロ!」プンスコ

咏「あっれー? 野依さんじゃん」

「仕事終わった!」プンスコ

咏「ラジオの収録だっけ? 野依さんにはきついんじゃね?」

「平気!」プンスコ

咏「ま、いいけどねぃ」


咏「あ、そうだ。この前長野に行ったとき、面白いことがあってさぁ」



というわけで終了です

こんな時間に範囲安価取りたいんですけど、人いますかね?

思ったよりいた……

それでは、二年編までに登場したキャラからお好きなのを一人どうぞ
セリフ欄の前に名前が表示されたキャラに限ります

下1~下5

やだ、チカセン人気……


『二年、三月、主役のいない旅行』が解放されました

選択済みエピソード

・一年
入学式、久との再開
春、美穂子登場
春、二人のあいだにある壁
美穂子再び
初夏、久との対立
初夏、美穂子への依頼
初夏、美穂子との特訓
初夏、決戦前夜
決戦
初夏、リスタート
夏、新たな出会い
夏、欠けた月
夏、初めての執事(アルバイト)
夏、衣の麻雀講座
今宵、月が満ちるとも
夏休み、遠征初日
夏休み、松実姉妹
夏休み、遠征二日目――鹿児島
夏休み、眠り姫
夏休み、遠征三日目――大阪
夏休み、目覚めぬ未来
夏休み、遠征四日目――岩手
夏休み、八尺(実際には六尺五寸)
夏休み、遠征最終日――東京
夏休み、グランドマスター
夏の始まり
エピローグ
その後の美穂子
秋、バイト執事再び
秋、衣の誕生日(略してころたん)
秋、膝枕の日
秋、祭りの後で
秋、恋敵?
冬、雪の降り始め
冬、年の初めに
冬、画面の向こう側
冬、節分の前の日
冬、アラフォー(予備軍)
三月八日、一年後の誕生日
三月十五日、好みのタイプは?
三月十六日、初めてのお出かけ
三月、おもちと温泉と
三月、温泉のあとのマッサージ(意味深)

・二年
部活動紹介、まこ入部
春、学食にて
美穂子との再会
初夏、ストーカー?
初夏、池田の逆襲
初夏、タイムリミット
初夏、県予選開始
初夏、団体戦決着
初夏、縺れた糸
初夏、まこの苦労日記
初夏、ライバル
夏、全国へ
夏、ワールウィンド
夏、奈良の王者
夏、修羅の国のクールビューティー
夏、大阪の魔物
夏、大阪の姉妹
夏、神代の姫
夏、一番目と二番目
夏、スリーピングビューティ
秋、次の目標
秋、まこの苦労日記その2
秋、二人と一人
冬、旅行に行こう
冬休み、小悪魔
冬休み、ゆきみだいふく
冬休み、神社の娘と王者の進路相談
冬休み、はとこ
エピローグ
秋、キャットチャンバー
冬、記憶と縁
五月十日、膝枕とおんぶ

・三年
優希との出会い
春、和の初恋?
春、インハイチャンプ
初夏、最後の一人
初夏、不和
和の悩み
咲との微妙な関係
優希の好物
初夏、合宿
初夏、家庭訪問@原村家
初夏、最後の県予選
初夏、鏡
初夏、見えない彼女の見つけ方
初夏、決意
初夏、県予選決勝戦
初夏、東風とビギナーズラック

・EX
小学五年、幼馴染
中学二年、初夏、ゆみとの出会い
中学二年、夏、試合観戦
中学二年、三月、照との別れ
中学三年、初夏、空白

『三年、秋、天照大神』の解放条件を一部満たしています

三年編のインターハイを終わらせることで完全に解放されます


現在選択可能エピソード

1・二年、三月、主役のいない旅行

2・三年、初夏、個人戦9位と卓上の天使


>>+2

1で了解

そろそろ次スレの時期だな……タイトルどうしよう
それじゃ、おやすみなさい

うーん、スレタイに関して安価撮るのはありですね

それはともかくとして、お好きなキャラをどうぞ
登場済みのキャラに限ります
一度選ばれた以下のキャラは不可

照・咏・玄・美穂子・小蒔・健夜・豊音・竜華・哩・衣・マホ・久・咲・怜・由暉子・和

下2
下3

チカセンと霞さんで了解

それじゃ、飯食べてきます



誓子→京太郎


誓子「須賀くんですか?」

誓子「ええっと……頼りになる人、かな?」

誓子「一緒にいたらどんどん引っ張ってくれそうだし」

誓子「爽とはまた違うんだけど……」

誓子「それに、雪掻きのときだって……」

誓子「え? なにがあったのかって?」

誓子「そ、それはノーコメントでお願いしますっ」

誓子「……でも、やっぱりユキみたいな子が好みなのかなぁ?」ボソッ

誓子「い、いえっ、何も言ってないです!」




霞→京太郎


霞「須賀くん? そうね……」

霞「とても大きな恩があるわ。もしかしたら返しきれないほどに」

霞「彼がいなかったら、小蒔ちゃんは今頃……」

霞「ごめんなさい、湿っぽくなってしまったわね」

霞「ええと、他には……そう、強がりね」

霞「ほかの誰かは助けるくせに、きっと自分のことは自分一人でなんとかしようとする……そんな人だと思うわ」

霞「支えてあげたいけど……ふふ、あまり傍に寄ったら小蒔ちゃんに怒られちゃうかしら?」

霞「え? 間接キスについて?」

霞「さ、さあ……よくわからないわ」


てなわけでチカセンと霞さんでした

それじゃ、スレタイのキャラの候補をしぼってきます
範囲安価取るんで、いる人は手をあげといてください

それじゃあ、この中から一人どうぞ

まこ 姫子 やえ 由暉子 エイスリン マホ 桃子 優希 咏

下1~下5

ユキとマホの一騎打ちですね

コンマ判定します

ユキ:1-50
マホ:51-00

直下

てなわけでユキに決定です

次スレ立ててくるので埋め立ては待ってください

次スレです

京太郎「俺が三年生?」由暉子「ゆきみだいふく、食べませんか?」
京太郎「俺が三年生?」由暉子「ゆきみだいふく、食べませんか?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1436794762/)

埋め立て解禁です
1000に関しては取り入れられそうだったら本編に取り入れます
無理そうだったらifとかで処理します

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom