女勇者「引きこもり喪女の私が魔王討伐……?」 (82)

亀更新
暴力・グロあり予定

カタカタカタカタ

女勇者(以下:勇者表記)(うー……さっきからちっともレアドロップが出ない)

ガチャ

母「勇者ー、王様から呼び出しよー」

勇者「うひゃあ!?」

母「『うひゃあ』って何よ……。
はぁ、ったく……いい歳した女の子がこんな昼間からゲームばっかり……」

勇者「なっ……う、うるさいなあ!っていうか呼び出し?……何で?」

母「はぁ……やっぱりとは思ったけど、あんたニュースも見ないのね」

勇者「見てるよ!ちゃんと!萌えオ○ニュース速報とか、V○Pまとめとか!」

母「はいはい、見てないのね。実はね勇者、
先週、魔王のやつが復活して「世界征服する」って犯行声明を上げたのよ」

勇者「は?魔王?え、嘘。蘇るとか、マジで?」

母「マジよ」

勇者「え、そんでもしかして討伐?私が?魔王を?」

母「察しがいいわね。多分、その通りよ。」

勇者「うっそ、嫌だよそんなの。ってか無理だよ。
だって見ての通り私ニートだよ?クズだよ?うんこ製造機だよ?」

母「はぁ……どうしてこんなふうに育っちゃったのかしらね……」

勇者「うーん、多分、どっかの誰かさんが女の子の名前なのに『勇者』って付けたせいで、
学校で虐められまくったからだと思うよ。今でも嫌だよこの名前。トラウマだよ」

母「あら、トラウマは人生のスパイスって言うわよ?」

勇者「いやいや、自分で言うのもなんだけど、
スパイスのせいで料理(自分)が不良在庫になってますやん……」


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母「いいから、さっさとお風呂入って王宮行ってきなさい。
さもないと携帯と家のネット解約、それとMMORPGのアカウント消去するわよ」

勇者「嫌あああっ、それだけは!」

母「あのね……泣いて許されるのは幼女のうちだけなのよ。
あなたもう社会で言うJKぐらいの歳なんだから。
甘えが女相手に通じると思いなさんな」

勇者「うう……」

母「…………」

勇者「どうしても行かなきゃ……駄目?」キャピ☆

母「あー、まどろっこしい!早く用意しろこの豚!!」ゲシィ

勇者「あひいっ!?い、行ってきます!」

* * * * * *

王宮

王「よくぞまいった、勇者よ」

勇者「ああ、はい……えーと……ドモっす……」

王「どうした?声が小さいようだが、何を萎縮している?」

勇者「……ええと、自分、基本ニートなんで。……家出んのとかもう、一週間ぶりなんで……。
なんつーか直射日光が常時ダメージ床のような感じで、
道行く人はみんな私の悪口言ってる気がするし、ウギギギギ……」

王(……うわ、大丈夫かこいつで……?いや、でも先代勇者の子だし、
今はそうそう新規のなり手いねーし……。まいーか、死んでも。物は試しだ)

王「……ゴホン、それはともかく、勇者には明日から魔王討伐の旅に出てもらう」

勇者「マジですか?」

王「マジだ」

勇者「ドッキリとかじゃなく?」

王「マジだ」

勇者「とか見せかけつつ実は〜?」

王「マジだ」ウゼェ……

王「とりあえず軍資金と餞別を渡す。僅かだが貰ってくれ」

勇者(え……500円、だけ?それに魚肉ソーセージぐらいの棒(武器?)に、
ダサいTシャツにズボン?……うわっ、しかもこれタグ外してない。ユ○クロだ……)

勇者「王様、私はどっちかというとシマムラーです」

王「は?」

勇者「いや、なんでもないっす。てか、どうやったらいいんすか魔王討伐とか」

王「そうだな……まずは仲間を募るが良い」

勇者「あたし基本、ネットん中にしか友達いないんですけど……」

王「酒場に行けばよかろう」イライラ

勇者「未成年でも大丈夫ですか?
あたし、補導とかマジちびりそうなんで嫌なんですけど……」

王「酒を飲まなければ大丈夫だ」イライラ

勇者「でも、私こう見えて結構人見知りで——」

王「」ブチィ

王「早く行け!勇者よ!今こうしている間にも魔王の支配に苦しむ民が居る!」

勇者「…………うーい、了解っす…………あ”ー太陽痛い人の目怖い……」

王(…………まーあれだとすぐ死んで帰ってくるだろ)

酒場

勇者「ちわー、誰かいませんかー?」

オヤジ「いらっしゃい。ああ、勇者ちゃんじゃないか」

勇者「あ、どもっす。いつも母がお世話になってます」

オヤジ「あはは、こちらこそどうも。で、今日は何しに来たの?お母さんは来てないよ?」

勇者「え、ええとですね……」

オヤジ「?」

勇者「魔王討伐の仲間……とか、ここに来たらいっぱい居るって」

オヤジ「ああ、それで来たのね。
でも残念。最近めっきり冒険者なんてのは減っちゃってねー。
やっぱりこの世界もほら、学歴社会になってきたじゃない?就職も大氷河期だし。
若いうちから剣術一筋だとか、魔法一筋なんて子はあんまり居なくてねえ」

勇者「つまり今、ここに冒険者は一人もいないってことっすか」

オヤジ「ごめんねー」

勇者「いえいえー……とんでもないッス」ニヤ

オヤジ「?」

勇者「逆にホッとしましたよ。王様の頼み断るいい口実になります」

オヤジ「え?」

勇者「いやー、仲間が居ないんじゃしょうがないなあー!すっごい残念、ちょう残念www
残念だけど、仕方ないので魔王討伐の件は無理でしたってことで!断ります。それじゃ!」

ガチャ スタタタター

オヤジ「…………勇者ちゃんのお母さんが許さないと思うけど」

勇者(勇者1Pでノーリセットクリアなんてどんなゲーム廃人でも無理っすよwww
はー、今日はセコい王様と会って疲れたなーwま、断るのは明日でいっかww
よーし、早くお家帰ってネトゲの続きしよっと!!)

勇者「ただいまー」

母「おかえりー、勇者」バキッ ボキッ……ゴリゴリゴリ

勇者「え、あの……何してるの?」

母「んー?勇者のベットとかPC分解してるの」

勇者「ちょっ、なにゆえ!?」

母「そのまま質屋に持って行くわけにもいかないじゃない」

勇者「え……ちょ。ま、うは……まじかwww」

母「ああ、大丈夫よ。薄い本とかハードディスクの中身とか、そういうのは見てないから。
っていうかロックかかり過ぎてて見れなかったわ。あんた無駄にスキルあんのね」

勇者「えと……あの、これ私が魔王討伐しないと全部売っちゃう系?」

母「もちろん。…………ってうわ、魔法使い×戦士ってあんたの趣味も相当エグイわね……」

勇者「ちょ!見ないってって言いながら、おもいっきり見てますよねえ!?」

母「ああ、ごめんごめん。紙媒体だったから。でも表紙だから……セーフ。うん。
とにかく今夜出発なさい。夜の方が強い魔物が出て早くレベル上がるから」

勇者「うわぉひょお!まじ鬼畜、死んだらどーすんの!!」

母「…………」

勇者「……シニタクナイヨ」ウルウル

母「あんたは死なないよ。私の遺伝子舐めんなって」

勇者「」

母「ああ、あと王様さ、なんかゴミと小学生のお年玉レベルの金しかくれなかったでしょ?
まったく、いつもそうなのよ。これ、本当の餞別。金はないけど母ちゃんが使ってた剣と楯
金は……そうねえ……道ゆく悪党見つけて奪うと良いかしら」

勇者「」

母「一応その剣、最強レベルだから、それで雑魚共殺して今のうちに経験稼いどきなさい」

勇者「」


さあ、糞ニート喪女勇者ちゃんの明日はどっちだ!?

夜 草原

勇者「……しゃーこらー……かかってこいやあ……」

ガサガサッ

勇者「」ビクッ

ワオーン!!!

勇者「ひえええん……やっぱ怖いよおおぉ」ペタン

ガサガサッ

雑魚敵たちが現れた!

勇者「ひ、ひぎゃああああ!こ……殺さないで……」ドゲザッ

雑魚敵たちは雑魚ゆえに、人生初の命乞いに戸惑っている!

勇者「ひっ……あ……こ、こうなりゃ一蓮托生じゃあ、死に晒せェ!」ダッ

勇者はヤケになってトチ狂ったように母の剣を振り回した!

9999のダメージ!

雑魚敵たちはバラバラ死体になった!

バラバラなのでお金は手に入らない!

経験値をちょっと手に入れた!

勇者「はあ……はあ……なんだ、簡単じゃん。
てかゲーム感覚?ママンの剣のおかげかー……ほえー」

ザクザクザクザク(無言で雑魚を切る音)

??「ちょっとー!そこの人ー!何やってるんですかー!!」

国の方から怒鳴り声がした!

勇者「あひいっ!?」ビクッ

??「こんな夜中に国の外に出て、命が惜しくないんですか!?
……って、あれ?その糞長い髪に隈の酷い目……もしかしなくても、勇者?」

勇者「あ……ひ、どちらさん?」

女騎士「騎士だよ騎士!もう忘れちゃった?」

勇者「あ、そういえば小中で一緒だった……」

騎士「そう、てか勇者はそんなところで返り血まみれになってどうしたの?
とうとう引きこもりの暗い欲求が爆発しちゃった?一緒に心の病院行く?」

勇者「あ、これには……事情が……」

* * * * * *

騎士「なるほどねぇ、魔王討伐かあ……そんで国周辺の雑魚を手当たり次第、退治してたと」

勇者「そ、そうなんだけど」

騎士「困るんだよねー、いくらレベル上げのためとはいえ、罪の無い命を狩りまくるとかさ」

勇者「え?騎士ってその……愛護団体の人?」

騎士「いや、ただの警備員だよ。バイト兵として夜勤してただけ」

勇者「ならなんで困るとか言うん……?いじめ?」

騎士「いや、弱いものいじめしてたのはあんたでしょーに」

勇者「まっさかー、私より弱いものとかこの世に存在しねぇっすよ……」

騎士「いやいや、現に冷静になって見てよ。この血の海」

勇者「へ?………………ウボエッ」オロロロロ

騎士「あー、吐くな吐くな。とりま、うちの駐屯所近くにあるから、行こう?」

勇者「これほいほい付いて行ったら部屋中を埋め尽くすほどの屈強な男たちが居て、
裸に剥かれてビデオに撮られて……。とかいう薄い本の展開とかにならないよね?」

騎士「ならないよ……」

オマケ

ステータス
なまえ:ゆうしゃ
せいべつ:おんな
とし:16歳

力:よわい
体力:カスい
知力:アホい
早さ:うんこ
魔力:すこし
運のよさ:そこそこ

装備
E.オカンの剣
E.オカンの盾

スキル
・色白(引きこもり)・貞子ヘアー・喪女の目・勇者の素質
参考 168cm42kg

* * * * * *

騎士「はい、お茶」つ亘

勇者「お茶キライ……コーラがいい……」

騎士「贅沢言いなさんな。あんた不審者だったのよ?
保護して暖かい茶まで出してやってるだけで御の字だと思いなさい」

勇者「ふぁい…………」

騎士「しっかし、なるほどねえ……勇者のお母さんがねえ……」

勇者「そう!レベルカンストさせれば一人でも大丈夫とか言って、今夜は夜通し狩りしてこいとか……。
日が昇るまで家には入れないとか!酷いよ…そんなの、死ぬよ……」

騎士「うん、まあ……スパルタだよね」

騎士(その割には旅人に通報されるくらいノリノリで雑魚を殺してたけど……)

勇者「うう……私にはきっと知らないうちに高額の保険金がかけられてるんだ……。
それできっとお母さんは私を謀殺するすもりなんだ……」

騎士「そんなことは無いって。大体、死体も死因も不明じゃ保険金もおりないでしょ。
それに勇者の歳の無職に掛けられる保険なんて微々たるものだよ」

勇者「みょ、妙に詳しいね騎士……ちょっと騎士のこと怖くなったよ」

騎士「ま、まあ!勇者は今までの行いがちょっとアレだったからね……。
恩返しだとでも思って頑張ってみれば?魔王退治」

勇者「じゃ、じゃあ手伝って……」ボソ

騎士「へ?」

勇者「騎士、仲間になって……くれない?」

騎士「ええー……それは、ちょっと……なあ……」

勇者「やっぱりだよ……」ボソッ

騎士「ん?」

勇者「どうせ騎士も私が旅先で触手攻めに遭ったり、
オークの赤ちゃん産まされたりしても良いって思てるんだ……。
ひどいよ、騎士は……こうやって優しくしてから突き落として、
絶望に歪む私の顔を見て心の中であざ笑ってるんだ……。
ひどいよ、人の心を持った者のする事じゃないよ、まさしく鬼の所行だよ……。
お母さんといい人間のほうがよっぽど怖いよ……。
魔王なんかよりよっぽど悪魔だよ」ブツブツブツ

騎士(ちょ……大丈夫かこの子の闇)

勇者「あ、今めんどくさいって思ったでしょ」

騎士「い、いや、別にそんな事無いよ!たださ、私は一応学校通ってるし!
JKだし!討伐の旅に出て留年ってのもちょっと痛いかな〜って」

勇者「あ、そこらへんは特別措置を取るって言ってた」

騎士「そうなの?」

勇者「だからお母さんに『騎士ちゃん誘え』って言われてたけど、
もう年賀状のやり取りしかなかったから……なんか気まずくって」

騎士「別にあたしはそんなこと気にしないのに」

勇者「ちなみに今通ってる学校は成績全学年オールSの主席卒業で国立大学推薦合格になるんだって」

騎士「」ピク

勇者「あと、魔王を倒したらその仲間たちにも特別報酬が出るって……」

騎士「え……その…参考までに聞くけど、いくら位?」

勇者「えとねー……確か……」

ゴニョゴニョゴゴニョ

騎士「よおっし!今日から私は勇者のナイト様だ!」

勇者(どうしよう……来てもらいたいからって話盛り過ぎたかも)ダラダラダラ

オマケ
ステータス
なまえ:きし
せいべつ:おんな
とし:17歳

力:つよい
体力:あるほう
知力:ふつう
早さ:はやい
魔力:ない
運のよさ:あんまない

装備
E.バイト支給の剣
E.市販の盾

スキル
・貧乳・金髪ブロンド・金にうるさい・割と優しい常識人
参考164cm48kg


これまでのあらすじ

どこにでもいるフツーの腐女子でニートで喪女の勇者ちゃん(女)は、
魔王が蘇ったとか、母が元勇者とかいう手垢塗れの理由で、
なんとある日突然、勇者になっちゃったの☆ミ
それで兎にも角にも魔王退治にはレベル上げだもんね!
お母さんから貰った剣でとりあえずって薄汚い魔物どもを死んだ目で殺し回ってたら、
なんと!対オーク戦デコイの「ひぎい!」こと女騎士ちゃんが仲間になってくれたの!
これからの冒険の度が、ますます楽しみだね!エヘヘヘッ☆

翌朝

騎士「ほら、勇者、起きなって。もう朝の8時だよ?」ユサユサ

勇者「……8時とか…知らない。
……私いつも12時起きじゃん……お母さん……」

騎士「誰がお母さんだ。っていうか今までそんな自堕落な生活してたの?」

勇者「……うおー…ドラゴンだー……みんなかかれー……」

騎士「おっ、と思ったらなんか殊勝な夢?」

勇者「うへへへ……リオレ○アの逆鱗……武器素材美味しいれす……」

騎士「ってゲームかよ!起きろや!!」

勇者「うひゃあ!?」

騎士「やっと起きたか……」

勇者「やだ……ここどこ……!?誘拐?殺さないで!?」ガタガタ

騎士「まだ寝ぼけてるし……」

勇者「あれ……騎士?」

騎士「やっと目、覚めた?」

勇者「……うーん、昨晩の記憶が無い。
……っていうか朝チュンで隣には騎士……ってまさか?」ギュッ

騎士「……あーあー、もう一人で顔洗ってこよ」

勇者「あのっ……騎士!私、はじめてだったので!
その……ふつつかものですが、膜の責任とって結婚してください」ミツユビ

騎士「知らねーよ!てかうちらヤってねーし!!」

勇者「家事手伝いは得意だよ!?基本マグロだけどヤり放題だよ!?」

騎士「ヤってねーっつってんだろうが!てかマグロなのかよ!
早く顔洗って、次の街行くよ!仲間探しもね!」

勇者「……あーあ、駄目か。理想の専業主婦計画が……」

騎士「」イライライラ

* * * * * *
草原 昼

勇者「ああ、日差しがきついよぉ……。
なんで人間は過ごしやすい夜に行動しないんだろう……」

騎士「そりゃ昔は電気なんかなかったからね。食べ物を探すにしても夜は魔物が多いし」

勇者「電気ないとか……私は生きていけないわー」

騎士「知らんがな。というか、そんな暑苦しい髪してるから暑いんじゃない?」

勇者「ええー、でも黒髪ロングは童貞の憧れらしいよぉ……」

騎士「あのね、ちゃんとした黒髪ロングってのは定期的にケアされたものを言うの」

勇者「じゃあ私のはー?」

騎士「…………もずく?」

勇者「」ガビンヌ

騎士「とりあえず、次の街着いたら宿屋の人に頼んで切らしてもらおう。
私、妹のとか結構やってたし上手よ?」

勇者「うおお……これが女子トークってやつか……。
やばいね、憧れの実現にちょっと涎が止まらんっす……」ジュルリ

騎士「ちょ、そういうの押さえてよ。一応あんたこれから勇者様で通るんだからね……」

勇者「……マジか!?」

騎士「マジだよ」

勇者「勇者様ってことは当然目立つよねぇ……ヤだなぁ……」

騎士「あんたの場合は学生時代から既に奇行で目立ちまくってたけどね……悪い方に」

勇者「うっそ……全部名前のせいだと思ってた」ガビンヌ

騎士「んなわけあるかっての……。
大体私だって、女なのに『騎士』よ『騎士』。
『ナイトくん』って随分からかわれたわ……」

勇者「キラキラネーム持ちはお互い苦労するね……」

騎士「ホントよ……こんな名前じゃ就職どころかまともにお嫁に行けるかすら不安だわ」

勇者「この旅、出会いとかあるかなぁ……?
年収500万以上で、家事しなくても許してくれそうな優しい王子とか」

騎士「さあ?そこまでは無理でも……上手くいけば、いい出会いとかあるんじゃない?」

??「そこのお前ら、止まれ!」

騎士「……さっそくあったよ。残念な方だけど」

* * * * * *

??「名乗るまでもないが強盗だ!」

勇者「あひいっ!?」

騎士「出たわね……最近この辺に出るって言う女盗賊」

勇者「そんなん聞いてないし!いつの間に世の中物騒!?」

盗賊「そこのお前!弱そうなワリには随分いい剣持ってんじゃねえか……」

勇者「ひいい!?これっすか?」

盗賊「そうだ!そいつをよこせ……さもなくば−−」

勇者「こんなクソみたいな剣いくらでも差し上げますんで命だけはご勘弁を!」

盗賊「」

騎士「ちょ、勇者!昨晩みたくそれで倒せば良いじゃない!?」

勇者「ひ、人だと……怖い…。それに……あ、争いは何も……生まんし」ジョワー

盗賊(クサっ……こいつ、いい歳こいてチビリやがった!!!)

騎士「ああもう、じゃああたしが戦う!」

盗賊「へへっ……そうこなくっちゃなあ」

勇者「剣だけで駄目なら服でも脱げば良いっすか?
でも、私、その……初めてなんで……優しく……」

盗賊「きめえんだよ!おめえはよ!脱がなくていいからそこで正座でもしてろ!」

勇者「はひぃ!?」

騎士「そうしてなさい勇者!それにこいつには賞金がかかってるの!
こいつを倒して次の街まで拉致れば……新しい剣とかアクセとか買えるわ!」ジュルリ

盗賊「随分と欲に塗れた女騎士さんだなァ……」

騎士「うるさい!盗賊に強欲だのなんだの言われたくはないわ!」

勇者「あわわわわわわ」

勇者「ひ、ひええええええ!!!!」ホニャララララ

ゆうしゃがなぞのじゅもんをとなえた!

騎士「!?」バックステップ

てんから いかずちが ふりそそぐ!

とうぞくに999ダメージ!
ゆうしゃに999ダメージ!
きしは うまく かわした!

シュウウウウウ………………

盗賊「」ピクピク

勇者「」ピクピク

騎士「あっぶなー、てか勇者……起きろ」

きしは ゆうしゃに すいとうのみずを ぶっかけた!

勇者「あびゃあ!!??」

騎士「良かったあ……死んでなくって。教会代もタダじゃないのよ?」

勇者「ああ……はい……」

騎士(こいつは幾ら持ってるかな〜♪
って……たったの2万円かよ。ゴミが、氏ね)

盗賊「」

勇者「……?……?」

騎士「それにしても助かったわ。暴走したときの威力は流石ね」

勇者「?」

騎士「ああ、覚えてないの?
とりあえず盗賊は倒したから、適当に縛ってさっさと次の街に行くわよ」

勇者「な……なんか知らないけど騎士すげえや!」

騎士「ふふ、もっと褒めていいのよ?」

オマケ

ステータス
なまえ:とうぞく
せいべつ:おんな
とし:15歳

力:ない
体力:ふつう
知力:ある……はず
早さ:わりとある
魔力:ない
運のよさ:まるでない

装備
E.奪った短剣
E.軽い盾

スキル
・ロリ巨乳・ツインテ・男勝りの内面乙女 ・キモオタ歓喜
参考152cm40kg

* * * * * *
近くの街 冒険者ギルド

騎士「人違い!?」

受付「は、はい……その……手配されてる女盗賊は男と見まごうくらいの巨漢でして」

勇者「……こ、ここはこんなにでっかいっすよ!ハアハア」ムニムニ

盗賊「や、やめやがれ!」ジタバタ

受付「そ、その……いくらその方が強盗行為に及んでいたとしても、
手配されてない以上はうちで引き取る訳にはいかないんですぅ……」

騎士「あ、あ……そんな。新作のバッグが……ブランドの防具が……」

勇者「んーと、じゃあ……どうしようか、この子」

騎士「んー、人さらいにでも売りたいけど、どうしようかな〜?」チラッ

盗賊「へっ、そんな風に脅せばビビると思ったか?ちっとも怖くねえぜ」ペッ

騎士「んだって?このガキめ……」

勇者「ちょ……ちょっと、可哀想じゃないっすか?」

騎士「ん?」

盗賊「あ?」

勇者「あ、いや……その、この子、まだ私たちと変わらない歳みたいだし……。
売るとか、いくらなんでも酷いかもなー……って思ったり思わなかったり……」

騎士「ん、まあ……。勇者一行が人さらいと接点持つのもあれだしねえ……。
でもいいの?勇者、こいつマジであんたを傷つける気だったのよ?」

勇者「い、いやー……私みたいな元ニートなんて半分死んでるようなもんですし……。
その、虐められた心の傷に比べたら……怪我なんて……怖くないし」

騎士「うあー、そういう事言う?まったく、シリアス路線はなしだってば……」

勇者「それに、こんなでっかいおっぱい持ってたらきっと好色の変態さんに売られるよ!
私みたいなのに、きっとこのおっぱい……めちゃくちゃにされちゃうんだよ!」

騎士「…………ん、そう思うと確かに、少し可哀想かも」

盗賊「ど、同情とか……いらねえし」

勇者「そうだ!盗賊ちゃん、だっけ?私の仲間になりなよ!
今まで強奪したものは全部教会にでも返して、正義の盗賊になりなよ!」

盗賊「は?」

騎士「あんた……そんな熱血キャラだっけ?」

勇者「黙ってて!こっ、この子の容姿が好みなの!!」

騎士(ぶっちゃけた……てか、それだとさっき言ってた変態と変わらなくない?)

勇者「これまでどんなことがあって盗賊やってたか、とかは聞かないよ。
私の過去も恥ずかしい黒歴史と虐められた記憶ばっかだし……
でもね、盗賊ちゃん、私はあなたの顔なら天下狙えると思う!
だから私と来て!一緒にアイドルマ○ターに!!」

ベシン

騎士「それは違うでしょうが」

勇者「だって騎士!ロリだよ!巨乳だよ!ツインテだよ!
これ以上私みたいなキモオタが望むものなんて無いよ!?」

騎士「はあ……まるでペット扱いだけど……どうなの、あなた?」

盗賊「ちょ、調子狂うぜ……//」

勇者「ぎにゃああああ、萌えるうううううwwww」

騎士「ちょ、往来の真ん中で奇声を発するんじゃないの!」

勇者「だってぇ〜」ニヘラニヘラ

盗賊「いいぜ、姉ちゃんたち……面白そうだ」

勇者「マジか!!!!ええんか!!!!」

盗賊「う……お、おう……」

勇者「いやっふー!!!女盗賊ちゃん、ゲットだぜwwww」

騎士「いいの?あんなキモいのが主人で」

盗賊「俺、お前のが嫌いだから」

騎士「」

勇者「じゃあ、お縄解いてあげまちゅねーwww」

盗賊「隙ありっ!」ビュッ

パシッ

勇者「ん?オイタした子には罰が必要かな〜♪」ナイフポイッ

盗賊「ひ、ひぎゃああああ!!」

人によってキャラがぶれまくり勇者ちゃんの明日はどっちだ!?

* * * * * *

酒場 夜

マスター「残飯定食、二人前お待ちぃ!」

勇者「あひいっ!?」

マスター「!?」

騎士「あんたいい加減その口癖(?)辞めなさいよ……マスター面食らってるじゃない……」

勇者「ひいっ!生まれてきてすみません!」

マスター「……ご、ごゆっくり」

勇者「は、はひ……た、食べたらすぐ出て行きますんで!」

騎士「黙って、勇者。はい、マスターお代」

マスター「ちょ……5円足りない……」

騎士「ああ?」

マスター「な、なんでもないです……」

騎士「で……結局、臨時収入は無しかあ……。盗賊からスッた2万以外は」

勇者「え?なんか言った騎士?」

騎士「いや、別に?っていうか勇者も大概よねえ、いいの?盗賊逃がしちゃっても」

勇者「う……だって、盗賊やめて改心してくれるって言ってたし……。
その、いくら可愛くても仲間にしちゃってから旅先で険悪になっちゃったら最悪だし……。
それに私みたいなゴミムシ、どんなに取り繕ってもそのうちゲロ扱いされるに決まってるし……。
大体、改心したなんてのも所詮口ではどうとでも言えるよね……!?
……どうせ裏切るんだ。ある程度信頼を得た後に、ここぞという所で裏切るんだ……!
勇者の首狩ったとなれば盗賊としても箔がつくだろうし……、そう、そうに決まってるよ……!
うう、やっぱ寝首かかれないうちにさよならするのが正解なんだよ……」

騎士「あんた、判断としては正しいんだろうけど……。
その被害妄想癖はいい加減直した方が良いわよ」

勇者「それにしても騎士……。
お金、雑魚敵倒したりしてちょっとは貯まったんだから、もうちょっと美味しいの食べたかったよ……」

残飯定食 グチャア

騎士「贅沢言わない。三食食べられるだけでも神様に感謝なさい。
それにこれ、要するにお寿司屋さんのあら汁みたいな物よ。うん、美味しい美味しい」

勇者「私の骨付き肉……明らかに誰かのかじった跡みたいのが残ってるんだけど……」

騎士「まったく……勇者は草食ねえ。だからそんなゾンビみたいな体系なのよ?」ガツガツ

勇者「騎士は美人さんだから今食べてるものとのギャップがすごいよね……。
なんていうかその……出戻りしたシンデレラみたいな感じになってる」

騎士「いくら褒めてもベッドの上段は渡さないわよ」

勇者「それは別に要らないし……暗くて狭い方がいいし……もういっそベッドの下が一番いい」

騎士「流石にそれは不審だからやめなさい。そうだ、髪の毛切る約束してたわね?」

勇者「それなんだけど……やっぱいいし。前見えない方が落ち着く……」

騎士「そんな事言ってるからあんたは喪女なのよ」

勇者「か、関係ない……し。男の人とか、怖いし」

騎士「あのね、あんたのお母さん奇麗なんだから。あんたも磨けば光る原石なの」

勇者「やっぱ騎士って百合の人ですか?」

騎士「違うよ馬鹿……。仕方ないからトリートメントとセットだけでも教えてあげる。
さっさと食べて宿帰るよ?」

勇者「お母さん……昨日は騎士の方でチキン風吹いたようで逃れましたが、勇者は今夜、ひとりの女になります……」ヨヨヨ

騎士「ちげーっつってんだろ!」

sage忘れまくった……申し訳ないです。

翌朝

勇者「おおお、これが私……!?」

騎士「うん、これでとりあえずモンスターではなくなったわね」

勇者「すげえ……、これ、ナンパとかされるんじゃね?ねえ!?」

騎士「う……うん、まあ。口さえ開かなければね」

勇者「うへへへへ……」ニタア

騎士「笑い方も直していこうねー……」



男「おっ!そこの黒髪の子、可愛いじゃん!?どう、俺とお茶行かない?」

勇者「あっ……あひいっ!?」

男「えっ」ビクッ

騎士「いえいえー結構ですー。私たち、これでも勇者一行なんで……」

騎士(マジで街出てすぐナンパされたとかすげえな……)

男「な、何?そういう遊び〜?」

騎士「遊びなんかじゃないですから。放っといて行きましょ、勇者」

男「そ、そんなこと言わないでさー……ど、どう?君は?」

勇者「わひゃ……私、ですか?」

男「う……うん」

勇者「………………ウップ」

騎士(あ、これあかんやつや)

勇者「オロロロロロロロロロロ」ゲボォ

男「うわあああああ、吐いた!服についた!うわああああああ!!?」

* * * * * *

勇者「えっぐ……えっぐ……」シクシク

騎士「はいはい、緊張し過ぎちゃったのねー。怖かったねー」フキフキ

勇者「」コクコク

騎士(もうこいつの外見はモンスター路線で行こう……)

* * * * * * * * *

男(回想)「いや、本当ごめん……。お詫びに魔王城への近道みたいなの教えるよ」

騎士「というわけでやってきました」

ダンジョン

勇者「うわ……暗い……臭い……やっぱ無理」

騎士「いいから、行こう勇者。何なら手足縛って引きずって行こうか?」

勇者「うう……歩く」

騎士「いい子いい子」

勇者「ねえ……騎士、ちょっとやばい……」

騎士「え、何!?今戦闘中よ!」

勇者「おしっこしたい!」ザシュ

雑魚敵をやっつけた!

騎士「必殺技みたいに言わないでよ……その辺でしてきなさいよ」

勇者「おしっこしてるときに襲われたらどうすんの!?触手レイプのフラグだよこれ」ブルブル

騎士「あー、はいはい、じゃあそばに居てあげるから」

………………

勇者「音は聞かないでね!……匂いも嗅がないでね!
……あ、でもそれだと敵が来たとき分からない!?」

騎士「あー、いいからさっさとションベンしろや!」

勇者「小便しろ!って怒声を浴びせるとか、どんな強制排泄プレイなの……。
はっ!?やっぱり騎士にはそういう趣味があるんだ……。
ヤバいよ……Sの上にスカとか……極めて変態嗜虐嗜好だよ。
どうしよう、私の初めてこんな光の無い洞窟で散らされるんだ……。
うう……はじめては普通が良かったよ……」

騎士「あーあっちに出口見えたわ(棒)」タタタタ

勇者「ちょっ、行かないで!騎士私今いたし中!」アセッ

ズドオオオン

ボス「ここを通るのは俺を倒してからだァ……」

騎士「あ」

勇者「」スッポンポン

ボス「あ…………その、悪い……」

勇者「ぎにゃああああああああ!!!!」

勇者はノーパン状態で母の剣を振り回した!

ダンジョンのボスに9999のダメージ!

ボス敵をやつっけた!

騎士(鼻ほじっとけば経験値手に入るし楽だわー)

そんなこんなで

最後の街

騎士「やっとついたね、ここまでくればウン億円……いや、魔王のところまであとちょっとよ!」

勇者(騎士が報奨金の分け前減らしたくないからって……女2Pでここまで仲間無しだよ)

勇者「もう……疲れた……はやくお布団入って眠りたい……」

騎士「そうね、まずは宿の手配ね!」

………………

宿屋「あ、あんた達かい……。悪いが、あんたたちが泊まった部屋は、
ゲロやらベトついた黒髪で汚染されるってことで宿屋業界じゃ有名なんだ……宿泊は勘弁してくれ」

勇者「」

騎士「マジか……」

prrrrrrr

勇者「あ、もしもし、盗賊ちゃん?おひさー。
あー、そう、でね……盗賊ちゃんのアジトで一泊できないかな、と」

騎士「は?」

盗賊『え、まあ良いけど、それってあのうんこみてえな女騎士も一緒?』

勇者「まあ、うんこ度ではわたしも一緒なんすけど……どう?無理?」

盗賊『仕方ねえなあ……。あんまもてなせないけどそれでいいんなら来いや』

勇者「いやっふー!盗賊ちゃん大好き☆ちゅっちゅ♪」

盗賊『うわぁ!気持ちわりいなおい!じゃあとりあえず、街の入り口で待ってっから!』

騎士「知らぬ間に勇者のコミュスキルが上がっていた」

オマケ

ステータス
なまえ:ゆうしゃ
せいべつ:おんな
とし:16歳

力:うんこ
体力:おしっこ
知力:ゴミムシ
早さ:ゴキブリ
魔力:わさわさ
運のよさ:おいすー

装備
E.オカンの剣(ボロボロ)
E.オカンの盾(ボロボロ)
E.騎士に見立ててもらった服
E.5回ほど漏らしたスカート

スキル
・色白・多少マシになった貞子ヘアー・喪女の目・被害妄想

今日はここまで

今更だけど>>49の前にこれ↓投降できてなかったので……。

勇者「どうしようか……ここまで来て野宿するとは思わなかったよ。てか無理だよ野宿」

騎士「そうね……ここいらの雑魚は地味に強いものね……。
街の外で寝て、生きて朝を迎えるのは難しいわね……」

勇者「…………あー、うー……」

騎士「……よし!勇者、万引きよ!」

勇者「!?」

勇者「な、何がよし!なのさあ!?何これいじめ?
とうとう女の2人組でもカーストが発生しちゃって、
いじめが生まれてしまったって言う現代人の闇的ななんかアレ?」

騎士「頭回ってないわねえ……牢獄に泊まるのよ。
あんたのレベルなら脱獄とかもう朝飯前でしょう?」

勇者「騎士、それ……ホームレスさんの発想だよ」

騎士「背に腹は代えられないわ!」

勇者「なんかもう当たり前のようにそういうこと言ってるけど、
騎士……最初は常識人キャラだったよね……」

騎士「あんたとの旅で鍛えられたのよ。で、勇者、出来るわね!?
私はの役は『甲斐甲斐しくも主の非行に涙し、罰に付き添う女騎士!』ああ、完璧だわ!」

今日はここまでと言ったな、あれは嘘だ。
っていうか紛らわしい更新&度重なる誤字すみません……。

街の外

盗賊「おっ、来やがったか」

勇者「盗賊ちゃんおいすー」

騎士「……久しぶりね」

盗賊「でもまあ俺が言う事じゃねえが、盗賊相手によくノコノコとやってくるもんだよなあ」ハア

勇者「ま、まあ今更裏切られても失うものとか無いっていうか……。
自分がそんな裏切る価値のある人間だと思い上がってた事が恥ずかしくなったっていうか……」

盗賊「ん……?まあそこらへんはどうでも良いけどさ、別に信用とか要らねーし」

騎士「っていうか勇者、携帯持ってたのね、アドレスなんかいつ交換したのよ」

盗賊「あ、ちなみに騎士のねーちゃんは呼んでねーから、あんたはどっか別に宿さがしてくんね?」

騎士「は、はあ!?私は勇者の保護者なのよ!」

盗賊「万引き教唆して留置所泊まり&脱獄を勧める保護者とか……最低だな」

騎士「は、はあ!?何でそれを」

盗賊「お前らの旅は一応、常に子分に見張らせといてたからな。
実は危ないときはこっそり助けたり、回復アイテム置いたりしてた」

勇者「うっはw盗賊ちゃんまじツンデレwwwペロペロしたいwwww」

騎士(くっ……勇者の主人公補正()じゃなかったのね……面倒くさい恩だわ)

盗賊「ってなわけでな、少し頭を冷やす意味でも、
騎士、あんた今晩ぐらいは勇者サマの威光無しで過ごしてみろよ。
ま……犯罪教唆暦ありの不良保護者(笑)には荷が重いか?」ニヤニヤ

騎士「くっ……や、やってやろうじゃないの」

勇者「えっ、ちょ、マジなの?盗賊ちゃん、いくら何でもそれは可哀想じゃ……」

盗賊「俺は勇者のためを思って言ってるんだ。
なんかこの騎士、旅を進めて行くうちにどんどんクズ化していってるからな……。
一度頭を冷やした方が良い」

勇者「で、でもぉ……」

騎士「黙って、勇者。いいの、私、今晩野宿するわ」

勇者「えっ、あの……じゃあせめてケータイ貸したげるし!
危なくなったらすぐ盗賊ちゃんの番号に電話してね!?」

盗賊「はぁ……今からでもきちんと頼めば、騎士、お前も招いてやるけど……?」

騎士「余計なお世話よ!誇り高い女騎士は盗賊なんかの施しは受けないものよ」


そんなこんなで

オークの巣 夜

オーク子分「親方ァ、活きのいい女騎士を見つけてきやしたぜぇ……」

騎士「やめて!体だけは!勇者の居場所でも何でも話すからぁ!!」

盗賊のアジト

prrrrr

盗賊「はいもしもし?」

オーク「お前……勇者か?」

盗賊「あ?ちげえよ。てかお前だれ?」

オーク「女騎士は預かった。コイツに豚の赤ん坊孕ませたくなかったら、
今から言う場所に勇者一人で来い」

勇者「ねえ、盗賊ちゃん、誰から電話?」

盗賊「知らねえよ、豚の赤ん坊だ?勝手にしろボケ」

ガチャン

勇者「いいの?切っちゃって、女騎士がどうこう聞こえたけど……」

盗賊「いーのいーの」

オークの巣

オーク「おいお前、話が違ぇじゃねえか!」

騎士「ぎぃやああああ!!!裏切り者おおおおお!!!!!」

さて、クズと化した女騎士の貞操や如何に!?

オマケ

ステータス
なまえ:きし
せいべつ:おんな
とし:17歳

力:つよい
体力:あるほう
知力:クズ化進行中
早さ:はやい
魔力:いらない
運のよさ:勇者にとられた

装備
E.高級な剣
E.高級な盾
E.ブランドの財布&ネックレス
E.高級化粧品

スキル
・貧乳(豊胸計画中)・金髪ブロンド・守銭奴・クズ化進行中

盗賊のアジト

勇者「美味しいよお……美味しいよお……まともな料理久しぶりだよぉ……」パクパク

盗賊「おう、たらふく食え」

勇者「そういえば、この肉。食べた事無いけど……何の肉?」モキュモキュ

盗賊「ああ、それはオークのトマト煮込みだ。なあに、豚と変わらんだろ」

勇者「…………ウップ」

盗賊「吐くなよ?」

勇者「…………うん、飲めた。
うん、材料はともかく……美味しいね」

盗賊「まあな」

勇者「騎士にも……分けてあげたかったな」

盗賊「…………」

シンミリ

盗賊「黙ってようかと思ったが、気が変わった」

勇者「え、何?」

オークの巣

騎士「いやあああ!裏切られた!!!呪ってやる!マジ盗賊と勇者呪ってやる!!」

オーク子分「うへへへ……本当にいいんですかい、親分?この女騎士ハメちまっても」

オーク「おう、構わねえぜ。どうやら舐められてるみたいだしな。
ここはいっちょこの女を特濃クリームパイ(意味深)にして、
俺らの怖さを思い知らせてやろうじゃねえか。
アジトに攻め込むのはその後だ」ボロン

オーク子分「流石ですやぁ、親分!一生着いて行きますぜ!」ボロン

騎士「い、いやあああ!!!!ガチでフランクフルト二本分ぐらいあるううう!!」

オーク子分「うっへっへ、まずは親方からですかい?」ニヤニヤ

オーク「そうだなあ……まずは俺が一番乗りだ……元気な子を孕めよぉ」ニタニタ

騎士「にぎゃあああ!ほぎゃあああ!!!ぺぎゃああああ!!!
勇者!謝るから、真っ先に仲間の居場所売ったの謝るから助けてええ!」

オーク「うるせえなあ……ほれ、痺れ薬だ!」

騎士「むぐう!?」

オーク子分「うへへへへ……これでもう抵抗は出来ないっすね」

prrrrrrr

騎士(…………あ、駄目、体動かない……)

オーク「あ?電話…………今更かよ」

ピッ

オーク「何だ?もう遅いぜ、お前らの仲間の女騎士は俺らの性奴隷に……」

??『殺すよ』

オーク「」ゾクッ

??『騎士に手を出したら、生まれてきた事を後悔するような方法で殺すよ?』

オーク「お、お前が、勇者か……いいか、俺は魔王様の部下のオークだ!お前に……」

??『そんなことは今聞いてないよね?
いい?今から指一本でも騎士に触ったら……、その指ミリ単位で切り刻むから』

オーク「」ゾワアッ……

オーク(き、聞いてねえぞ、勇者ってめちゃくちゃひ弱な元引きこもりだって情報だったじゃねえか!?)

??『ねえ、分かったの?オークさん』

オーク「は、はひ……」

??『もうオークの巣の場所は聞いたから……何のとは言わないけど、準備しといてね?』

ガチャン

オーク子分「ど、どうしたんです、親方……?」

オーク「わ、分からねえ……とりあえずおい、チンポしまって武器持っとけ。
……なんか、ヤベエのが来るかもしれん」

オーク子分「???」

フッ

オーク子分「うわあっ!?な、何だ?全部のたいまつが勝手に消えた……!?」

オーク「あ、慌てるんじゃねえ……、早く火を起こせ!早く!」

シーン

オーク「おい!聞いてんのか!?子分!さっさとしやがれ」

ベチン

オーク「いてえっ!?な、何だ……これ、何が投げつけられたんだ?粘ついて……!
ま……まあ、いい、今は火だ!くそっ、俺がやる!」

カチッ……カチッ……ボオッ

オーク「やっと火がついたか……って、さっき投げられたこれ……」

オーク子分の生首「」

オーク「ひ、ひぎゃああああああああああ!!!!!」

??「うひっひっひっひっひっひっひっ…………。
『まだ』手は出してなかったみたいだから……お情けだよ」

オーク「だ、誰だ!?誰がそこにいやがる!?」

??「さあ、誰でしょう?……1、勇者。2、騎士。3、その他。
さあさあ、当ててご覧……正解なら、命だけは助けてあげても良いよ」

オーク(声のした方……こっちか!)

オーク「どうせ『1』だろうが!!!!!」ブン

バシュ……ボトン

オーク生首「」

??「正解は……どれなんだろうねえ……?」

勇者「はぁはぁ……騎士、大丈夫!?」ペチペチ

騎士「ゆ、ゆーしゃあ……」

盗賊「どうやらまだヤられてなかったみたいだな……ざーんねん」

騎士「ふぇ……怖かったよおおお!!!」ビエエエン

勇者「うええええん、無事でよかったよおおおおおお」ビエエエン

盗賊「あれ?どうやら憎まれ口を叩く余裕も無かったみてえだな……悪い」

盗賊(しっかし何だったんだ……?
あの変貌ぶりは……流石の俺でもブルったぜ)ブルッ

数日後 盗賊のアジト

盗賊「で、とうとう魔王城に乗りこむのか」

勇者「う……うん、ここまで来たらね。
ま、まあ……ここまでやれたんだから大丈夫っしょw
ゲーム感覚ゲーム感覚ww」ガタガタ

騎士「勇者、膝が笑ってるわよ……。それにしてもありがとうね、盗賊も。
その……やっぱりあんな事があった後、すぐに旅立つのはキツかったから」

盗賊「別にいーよ。特にリスクもなかったし。それより勇者、ちょっと待ってろ」

勇者「?」

ガサゴソガサゴソ

盗賊「ああ、あった……。これ、うちのアジトにある一番の剣だ。
先代勇者のやつは、もう見た感じボロボロだろ?
それに……これならタダだ」ニヤッ

騎士「な、何よ。もう勇者の装備ケチったりしないわよ……」メソラシ

勇者「ほえー……、なんか柄の所に目玉が付いててかっこいーいw」

騎士「厨二センスねえ……」

勇者は目玉の剣を装備した!勇者は呪われた!

騎士「!?」

盗賊「まあ、一応呪いの装備なんだけど……。代わりに切れ味はとんでもないからな。
常時混乱状態の勇者のねーちゃんなら呪いもきかねーだろうし」

勇者「あ、あへへへへ……www」ブンブン

騎士「ちょっと!これは無しよ!私が切られたらどうすんの!?」

盗賊「チッ、贅沢だな。じゃあ、これ……。
旅人から飯の代金で貰った剣だけど、なんかこっちもかなり強い」

騎士「最初からそっち渡しなさいよ……。
えっと、名前付きだわ……何何、父の剣?」

勇者「お父さん!?」

騎士「嘘……これ、勇者のお父さんの剣?ってかあんた父親の名前『父』なの?」

勇者「代々キラキラなネームの家なので……」

騎士「あ、あっそう……」

勇者は父の剣を装備した!

勇者「よっしゃ、これで魔王を倒せば一生ヒキニート生活だね!」

騎士「はぁ……あんたは変わらないわね……。だからこそ好きなんだけど」

勇者「うお!?騎士、ここに来てやっとレズをカミングアウト!?」

騎士「いちいちうるさいわねえ……。
友達として、って意味よ。どう?あんたも帰ったらJKやりなさいよ」

勇者「へ……?騎士の学校って確か女子校だったよね……?
うおお、やべえ。華の女花園で私の純潔も花と散るらむ……」

騎士「散らねえよ……いや、一部にはそういう子も居るみたいだけど」

勇者「うっは!まじか!妄想はかどりんぐwww」

盗賊「ははは、ま、適当にやってくれやお二人さん……」

騎士「何いってんの、元罪人のあんたを野放しにしておくほど私の騎士道精神は腐ってないわよ」

盗賊「は?」

魔王城

勇者「やっべ……怖くなってきました」

騎士「何よ今更、あのオーク倒したときの気合いはどうしたの?」

勇者「オーク?倒した……?私が?まっさかあwww」

騎士「は?覚えてないの?」

勇者「まったくこれっぽっちも……。ってか嘘だよね?
そんな知らぬ間に別人格ガーみたいなご都合展開、漫画の中だけっすよww」

騎士(そのご都合展開に全く自覚がない……?)

騎士「ねえ勇者、その……私を助けにくる前、何か変わった事なかった?
なんか頭が痛かったとかお腹痛かったとか」

勇者「んー……ないねえ。強いて言えば、
知らずに食べたお肉がオーク肉だって知って気持ち悪くなったってくらいかなあ」ヘラヘラ

騎士「ふーん」

勇者「…………」

魔王城 魔王の間

魔王「よくぞやって来たな……勇者よ!」

勇者「でかい怖い黒いヤバい……!あんなのに勝てるわけないよ……。
無理、やっぱおうち帰ってネトゲやる……!」

魔王「…………」

騎士「ちょ、なんで私の後ろに隠れるの!?最後ぐらいちゃんとしなさいよ!?」

勇者「うひぃ!?最後!?そうだよねコレ割と人生最後の瞬間だよね!?
もうこれからはもううんこもおしっこも出来ないんだよね!?
ああ、騎士……これまで私を引っ張ってきてくれてありがとね……」

騎士「はあ!?ちょっと!」

勇者「でも、やっぱ無理だよ。だってあの大きさに勝てるわけないよ……。
それに最近のまおゆう物ではやたら女勇者が性奴隷化されてるから、私もそうなるに違いないよ……。
あの大きさだしね、ちんこサイズも推して知るべしだよ……。きっと私、お股裂けて死んじゃうんだ……。
うう、嫌だよ……こんなことならはじめては騎士が良かったよ……」

騎士「馬鹿!こんな所まで来てネガティブ妄想やめてよ!!ほら、ちゃんと剣握って!」

勇者「あばばばばばばばば」ガタガタガタ

騎士「ちょ、震え過ぎ!そんなんじゃ戦えないでしょ!?
ええい、もう……私が!」

騎士が魔王に切り掛かった!

魔王に0ダメージ!

魔王「効かんなあ……というか、お前、鍛えてあるのか?
勇者からは……そのとんでもない力を感じるが……」

騎士(やばい……戦闘を勇者任せにしてきたツケがまわってきたか……)

勇者「力を感じるとか……そんな事言って油断させて、
攻撃してきた所を酷いカウンター浴びせて心折る作戦でしょ!?
……そんなのに乗せられないよ!」

騎士(こっちはこの調子だし……)

* * * * * *

騎士「…………」戦闘不能

魔王「分からんなあ、力あるものがなぜそんな卑屈になる?
正直に言うが、お前の力はもう既に我が輩を超えているぞ?」

勇者「…………」

魔王「やろうと思えばお前が魔王になる事も叶うほどの力だ。
どうしてその力を自覚していながら、それらしく振る舞わない?」

勇者「み、身の程をわきまえてるんで……」

魔王「ほう……自分には器が無いと申すか」

勇者「……な、ないよ。だから、私は何者になる覚悟も無いから、
ずっと閉じこもってゲームしてたんだよ……」

勇者「だって……リ、リアルでトチったら取り返しつかないし……。
一度失った信用はなかなか戻ってこないし……。
わ、私を見る冷めた視線があんなにも痛いのはリアルだけ……」

魔王「ほう、虚飾こそをおまえは好むと言うのか」

勇者「そうだよ……。きっと魔王になったって勇者でいたって、
リセットの効くゲームの方が楽しいよ。……だってやり直せるもん。
ゲームでは別人になれるし、モテるし、人気者にもなれる。
でもリアルでそう居続けるのは難しい……。
難しい事を続けるのは楽しくないもん……」

魔王「…………ふむ。では、お前はどうして魔王討伐に来た?
魔王討伐などお前の名前の象徴するリアルそのものだろう。
お前には拒絶する力があったはずだ……」

勇者「それは……その、なんだかんだで流されて−−−−」

騎士「そんなわけないでしょ!!!」

勇者「!?」

騎士「あんた、この旅、楽しんでたわよねえ!違うとは言わせないわよ!」

勇者「…………」

騎士「リアルで勇者する気分はどうだった!?ケチな女騎士に財布握られて、
糞マズい料理ばっか食べたり!下半身丸出しのままボスに遭って発狂したり!
道中出会った新しい友達に嬉しさのあまりキャラ崩壊したり!
……あれが全部嘘な訳無いでしょ!!!」

勇者「…………」

騎士「それにあんた、これが済んだら私と女学校行くんでしょうが!」

勇者「……!!!」

魔王「覚悟は……できたようだな」

勇者「…………サーセン。特に恨みはないけど、私、魔王さん倒します」

魔王「……来い!」

勇者「うひゃあああああああ!!!!」

国 王宮

王(マジで魔王倒しやがった……しかも、たった二人で)

王「そ、その、よくやった……勇者、騎士……」

騎士「はっ!」

勇者「…………」

王「そ、その……報奨金の件なのだが……」

王(無理だと思ってたから用意してないとか言えないよなあ……)

勇者「あ……それなんすけど、私の分はいいっす。
なんかもう……色々手に入ったので」

騎士「!?」

王「なんと!そうか、うむ、一段と大きくなったように見えるな、勇者よ!」

勇者「あ、でも一つだけ、良いですか?こ、これは親にも許可取らなきゃなんですが……」

王・騎士「???」

* * * * * *

数ヶ月後 女学校

女盗賊「チッ、なんで俺までこんな格好……」

女騎士「あら、案外似合ってるわよ」

女盗賊「うるせーよ……チッ、ありがとよ」

女騎士「ふふ、どういたしまして」

女騎士「あ、あそこにいるのは……おーい、勇者……じゃなくて、女学生ー!!」

モブ「キャー!あれが元勇者の女学生さんよー!!黒髪が艶めかしいわー!」

モブ2「キャー!旅のお供を勤めた女騎士さんもいるわー!!奇麗な金髪ー!」

女学生「あひいっ!?」

女騎士「口癖……まだ直んないのね」

女学生「い、いやあ……こればっかりは……ねえ」

女騎士「まあ、それも勇、じゃなくて女学生らしいわ」

女学生「ほ、本当に女騎士も報奨金断ってよかったの……?」

女騎士「勇者が貰わないって言ってんのにあたしが貰えるはず無いでしょう……」

女学生「ふ、ふーん……で、どう?騎士に女が付いた気分は?」

女騎士「まあまあね。で、あなたはどうなの?文字通り勇者を辞めた女学生さん」

女学生「そ、そうだねぇ……まあまあ、気分良いね」ニヤニヤ

女騎士「そう、良かった。で、さ、これからの目標とかあるの?」

女学生「うん、勇者もニートも辞めて、普通になること」

おわりです。
見切り発車で特に後半ブレまくりましたが、読んでくれた人ありがとうございます。
HTML化依頼してきます。

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