遊馬『デュエルを覚える?』 小鳥『黒咲さんに教えてもらうの!』 (35)

遊馬「黒咲に?何で」

小鳥「私と同じ鳥っぽいしそれに身内じゃ」

遊馬「え?」

小鳥「ううん!じゃあ行ってくるね!」

遊馬「頑張れよ!」

カイト「小鳥がデュエルか」

シャーク「良かったのかよお前じゃなくて?」

遊馬「誰が教えたって変わらないんじゃねえか?」

シャーク「さあな」

カイト「少しは女心を学べ」

遊馬「な、何だよ!?小鳥がデュエルを覚えるっていい事だろ?」

シャーク「はあ・・・」

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ユート「ルールはわかるがデッキは無い」

黒咲「ならば何故、遊馬と一緒に居るんだ」

小鳥「何ていうか乗り遅れたっていうか」

ユート「どうするんだ隼」

黒咲「どうするも何も教えてやる約束をしたんだ。教えねばいかんだろ」

ユート「とりあえずドローの練習を」

小鳥「デッキ構築じゃないの!?」

黒咲「ちゃんとしたドローができないデュエリストはデュエリストとは呼べん」

ユート「だがどうしてカイトや凌牙ではなく俺達に」

小鳥「だって身内じゃ」

ユート「身内じゃ?」

小鳥「あ、ドロー教えて黒咲さん!」

黒咲「先ずは構えから」

小鳥「ドロー!」

黒咲「違う。もっと腕を伸ばすんだ」

小鳥「う、うん!」

黒咲「はいだ!」

小鳥「はい!」

ユート「少し厳しすぎるんじゃないか?」

黒咲「これぐらいが丁度良い」

ユート「仮にも女の子でデュエルだって少ししか経験が無いんだろ?だったら」

黒咲「そうしなければ遊馬にたどり着けん」

ユート「君は遊馬とデュエルを!?」

小鳥「うん!」

黒咲「じゃあ俺は少し出かけるから小鳥を頼むぞ」

ユート「あ、ああ」

黒咲「この教材とこれとこれと」

遊矢「と、当然、塾に来たと思ったら何を」

黒咲「弟子だ」

柚子「弟子!?」

黒咲「俺は口下手だ。とりあえず教材でも見させて覚えさせる」

柚子「弟子って誰?」

黒咲「小鳥」

遊矢「こ、小鳥!?だってあの子って」

柚子「小鳥ちゃんってデュエリストじゃないのに何で」

黒咲「今日からデュエリストだ」

遊矢「何で遊馬じゃなくて黒咲なんだ?カイトさんや凌牙さんも居るのに」

黒咲「身内には言えん秘め事があるんだろ。俺は深入りはせん」

柚子「まあ女の子だから」

黒咲「俺はこれで帰る。瑠璃も弟子になりたくば何時でも来るがいい」

ユート「どうして遊馬と?彼レベルに到達するにはかなりの」

小鳥「だって」

ユート「君の言いたい事はわかる。遊馬の次元は危険が多いから力を身につけたいと」

小鳥「うん・・・それに遊馬だって」

ユート「遊馬に何かあるのか?」

小鳥「た、たまに豹変するっていうか」

ユート「豹変?」

小鳥「ユートは何か知ってる?」

ユート「知らないな」

小鳥「そう・・・」

ユート「・・・」

黒咲「持って来たぞ」

小鳥「これは?」

黒咲「とりあえずドローと教材での勉強で基礎を覚えてからにする」

小鳥「はい!」

ユート「隼は強面だが小鳥ぐらいの少女には優しいんだ」

黒咲「ああ」

小鳥「へえ」

黒咲「さあ勉強だ」

ユート「しかし彼女に俺達のレジスタンス流を教えていいのだろうか」

黒咲「いやエクシーズ次元流だ。平和だったあの頃のな」

数日後

遊馬「どこ行くんだ小鳥」

小鳥「黒咲さんのとこ!」

遊馬「そうか」

小鳥「うん!」

アストラル「最近は黒咲のところにばかり行っているな小鳥は」

遊馬「そうだな」

アストラル「私には小鳥が段々と遠くに行ってしまう気がする」

遊馬「まさか、小鳥に限ってそれはねえよ」









続く

黒咲「エクシーズとシンクロどっちがいい」

小鳥「融合は?」

黒咲「あれはダメだ。魂が腐る」

小鳥「でも十代さんやカイザーは」

黒咲「十代と亮は別だ。とどのつまり融合次元でなければ何だっていい」

小鳥「融合次元・・・」

黒咲「お前も覚えがあるだろ。遊馬達と一緒に居たら」

小鳥「遊馬でさえ呆れ果てて何とも言えない顔をしてた。ベクターとは違うって」

黒咲「奴らには心が無い。あるのは人をいかに殺せるかぐらいだ」

小鳥「セレナは?」

黒咲「瑠璃は何もしてない。ほら練習の続きだ!走れ!!」

小鳥「走るの!?」

黒咲「デュエリストとは強靭な足腰が物を言う!」

小鳥「ちょっと速いよ黒咲さん・・・あんなとこまで走って」

遊矢「どう?黒咲との練習は」

小鳥「ちょっとキツい」

柚子「黒咲・・・何か忍者みたい」

小鳥「ランニング?」

遊矢「強靭な足腰をな」

小鳥「あの子は重りつけてるけど」

遊矢「あいつは素良って言ってさ性根を叩き直してるんだ」

柚子「アユちゃん達もずっと逆賊逆賊言っててね」

素良「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

タツヤ「休んじゃダメだろ素良」

アユ「素良の罪はこの重りより重いんだよ」

素良「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

小鳥「どうしたの黒咲さん?急に立ち止まって」

黒咲「融合次元の奴か」

「エクシーズの残党がまだ残っていたのか」

黒咲「口を開けば残党残党とお前達のような奴をバカと言うんだ」

「な、何」

黒咲「残党狩りしかできん無能集団・・・惨めだな」

「貴様ァ!」

黒咲「下がっていろ小鳥!デュエリストの強さを見せてやろう」サッ

小鳥「は、速い!?」

ドスッ ゴキッ バキッ

黒咲「こんなものだ」

小鳥「カイトやシャークみたい・・・だから足腰を!」

黒咲「カイトと凌牙に聞いてみろ。あいつらも日頃の鍛錬を怠っていない」

柚子「また融合次元のデュエリスト?」

黒咲「瑠璃も気をつけろ。こいつらはあらゆる手段で瑠璃を狙っている」

遊矢「でもアカデミアが崩壊したんじゃ柚子は別に」

黒咲「どうだかな。1度教えられた事を忠実に実行する自分の考えを持たん奴らだ」

小鳥「大丈夫よ!柚子さんには遊矢くんが居るし!」

遊矢「そ、そうだ!俺が柚子を守らないと」

小鳥「いいなぁ2人とも仲が良くて・・・」

柚子「小鳥ちゃんだって遊馬くんと」

小鳥「・・・どうだろうね」

黒咲「さあランニングの続きだ。行くぞ!」

小鳥「は、はい!」

「小鳥・・・九十九遊馬の仲間・・・」

数日後

ユート「どうしたんだろうな小鳥は」

黒咲「いつも遅れず来るというのに」

遊馬「黒咲!ユート!」

ユート「どうした遊馬?」

遊馬「小鳥が・・・小鳥がさらわれちまった!」

黒咲「な、何だと」

遊馬「これ手紙・・・っつうか挑戦状みたいなの」

ユート「貸してくれ」

黒咲「あいつら・・・エクシーズなら誰でもいいのか!?」

ユート「無関係な小鳥を・・・許せん」









続く

シャーク「黒咲!てめえと一緒に居たから小鳥が狙われたんじゃねえのか!?」

黒咲「・・・」

遊馬「やめろシャーク!黒咲は何も悪くねえ!!」

シャーク「ふざけやがって・・・」

カイト「乗り込むか」

ユート「手紙にはこう書かれている。交換条件に柚子を出せと」

カイト「これは罠だ。俺達の次元と遊矢の次元を戦わせるためのな」

シャーク「汚ねえ連中だぜ!どうすんだよ!?このままじゃ小鳥がやべえぞ!」

遊馬「何だって柚子やエクシーズに拘るんだよ!」

黒咲「瑠璃の誘拐とエクシーズ狩りそれしか無いのだろ」

カイト「まるで機械だな」

黒咲「責任は俺にある。ランサーズの連中にもこの件を」

赤馬「断る。この件は我々は関与しない」

黒咲「・・・」

デニス「ほら小鳥ちゃんって僕らと無関係でしょ?だったら」

黒咲「・・・」

赤馬「それに我々が抜ければ」

黒咲「もういい。貴様らに頼んだのが間違いだった」

権現坂「何処へ行く」

黒咲「今日限りで俺はランサーズを抜ける。問題は無いな」

赤馬「・・・」

黒咲「たとえ次元が違えども1度仲間になった者は仲間それにしても代わりは無い」

赤馬「君はどうしてそこまで」

黒咲「デュエリストだからだ。それ以外に何かあるというのか」

黒咲「お前は来るのか」

遊矢「遊馬には何度も助けられた。それに俺が遊馬の立場だったら絶対に助け出したい」

黒咲「好きにしろ」

遊矢「好きにさせてもらう。それともう1人」

沢渡「ここで俺が行かなきゃカッコつかねえじゃねえか!スタンダードが笑い物になっちまうぜ!」

黒咲「フッ」

遊矢「とりあえず荷物を纏めて来るか」

沢渡「覚悟しろよ融合次元!この俺が絶対に」

黒咲「・・・お前は」

権現坂「その抜けた穴を埋めるのが俺の役目だ。遊矢を頼むぞ」

黒咲「ああ」

カイト「これを返しておく」

ツァン「僕のAV?どうしたの突然」

カイト「コナミと仲良くやれ、いいな」

ツァン「は?」

カイト「達者でな」

コナミ「どうしたんだカイトは」

ツァン「・・・」

コナミ「どうかしたか?」

ツァン「な、何かカイトが帰って来ない気がして」

コナミ「無事を祈ろう。俺達にはそれしかできない」

シャーク「俺らが居ねえ間は頼むぜ。この次元の事を」

ドルべ「任せてくれ私が責任を持って守らせてもらう」

アリト「絶対に小鳥を連れて帰れよナッシュ!」

ギラグ「融合次元なんかに負けんじゃねえぞ!」

ミザエル「武運を祈っている」

璃緒「無茶はダメよ凌牙」

シャーク「ああ」

ベクター「・・・」

シャーク「何だよ」

ベクター「ま、頑張れ」

シャーク「ったく・・・じゃあな!」

シャーク「Ⅳ」

Ⅳ「俺もついて行ってやるよ」

シャーク「お前が?」

Ⅳ「融合にはちょっと因縁があってな」

シャーク「因縁?」

Ⅳ「最高のファンサービスを味合わせてやるぜ」

シャーク「へっ」

Ⅳ「場所はわかってんのか?」

シャーク「どうせカイトが突き止めているだろ」

Ⅳ「相変わらず凄いな野郎は」

柚子「小鳥ちゃんが!?」

遊矢「だから俺は行く遊馬のために」

柚子「止めても無駄って感じだよね」

遊矢「大丈夫だって、必ず」

柚子「帰って来る・・・前もその前も言ってた。そして遊矢は絶対に帰って来た」

遊矢「さあ行って来るか」

柚子「気をつけてね」

沢渡「早くしろよ!乗り遅れるぞ!」

遊矢「そんなに急かすなよ!」

黒咲「仲間か」

ユート「遊矢や遊馬達の事か」

黒咲「小鳥は俺の命に代えても救い出してみせる」

ユート「俺も同感だ。1度滅びた俺達の次元に似た世界」

黒咲「そこで俺達は色々な事を学んだ。そしてスタンダードにおいても」

ユート「今こそ恩を返す時なのかもしれんな」

黒咲「ああ・・・」

遊馬「なあアストラル」

アストラル「・・・」

遊馬「何でこんな事になっちまったんだろな」

アストラル「遊馬・・・」

遊馬「何も悪い事してねえ小鳥が・・・」

アストラル「気に病む事は無い。きっと我々の手で小鳥は」

遊馬「そうだよな。絶対に小鳥を助け出す」

アストラル「その意気だ遊馬!」

遊馬「覚悟してろよ融合次元!そして小鳥を連れ戻してやる!!」

遊馬「待っててくれよ小鳥・・・小鳥イイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!!!」









続く

遊馬「ここが融合次元か」

シャーク「しかし、よく行けたな」

カイト「敵の手紙と共にこの座標を示す機械があった」

沢渡「そこら中にカードが散らばってるな。うげっ人間が」

ユート「ここで争った形跡がある。見てくれ」

黒咲「建物もメチャクチャ・・・奴らの凶暴性を表している」

シャーク「殺し合いならてめえの次元でやりゃいいのに他の次元に喧嘩売りやがって」

Ⅳ「根っこから腐ってるんだろ」

遊馬「山・・・」

カイト「親切に地図まで書いて、罠だろうな」

シャーク「そういや柚子がどうとか言ってたが・・・まあ連中の言いなりになる事はねえな」

遊矢「前に進もう。小鳥を助けるために」

遊馬「絶対に許さねえぜ融合次元!」

遊馬「こ、こいつは」

遊矢「丸太だ。何で丸太が」

「ケケケ!よく来たなエクシーズの負け犬共!」

黒咲「貴様達が小鳥を誘拐したんだな」

「そうだ。ここから先はこの丸太を通らねば先へは進めん!」

沢渡「おい!下は谷底じゃねえか!!死んじまうっつうの!」

カイト「いいだろう。俺が貴様とデュエルをしてやる」

「フッ負け犬が!俺の名は」

カイト「貴様の名など覚える必要は無い。ただの雑魚だ」

「くっ・・・デュエル!」

カイト「ハァッ!」

シャーク「行けカイト!」

沢渡「ぶちのめしちまえ!」

遊馬「カイト!」

カイト「ぐっ・・・何だ貴様の身体は」

「フフフ!俺の全身には無数の針が仕込んである!貴様らとは違うのだ!」

カイト「自慢げに語るな。化け物が」

「化け物?お前達のような底辺の連中にはわからんだろうな!融合の力を!」

カイト「わかる気持ち無ければ分かりたくもない。お前達は身も心も化け物だ」

ゴスッ

「無駄無駄!お前の拳が潰れるぞ!」

カイト「お前はその針で何人の人間の命を奪った」

「そんなものは覚える必要はない!ただ自分達が楽しめばいいんだ!」

「融合とは偉大!お前達はただ狩られればいい!!」

カイト「何が偉大だ笑わせるな。お前達には知性も無ければ心も無い。ただの化け物集団だ」

ゴスッゴスッゴスッゴスッゴスッゴスッゴスッゴスッゴスッゴスッゴスッゴスッゴスッ

「だから無駄だと!」

カイト「やってみなければわからん最後の最後までな」

バキッバキッバキッ

「なっ!?」

カイト「だから言っただろ。少しは無い頭で考えてみろクズが」

「ゴホッ・・・ま、待て!」

カイト「命乞いなどするな、貴様らの懺悔など聞く耳も持たん」

「許してくれ!俺は頼まれてやっただけで」

カイト「フッ、それがお前達の底だ。お前達が狩ったエクシーズ次元の民は命乞いをしたか?」

カイト「いや果敢に戦っただろうな。守るべきもののために、愛すべきもののために」

「チッ」

カイト「正面切って戦えばこんなものだ。お前達は卑劣な不意打ちしかできん弱者を狙うただのバカだ」

「ぐぬぬ・・・こうなればお前ごと道連れだ!」

遊馬「逃げろカイト!」

「逃がさん!」ガシッ

カイト「安心しろ。俺は死なん!すぐにたどり着く!」

「死ねェ!!!」

遊馬「カイトオオオオオオオオオ!!!」

遊矢「カイトさーーーん!!!」

遊馬「カイト・・・」

黒咲「奴らめ・・・もう許す事はできん」

沢渡「いくら死なんって言ってもこの激流と高さじゃ」

シャーク「てめえ!」

Ⅳ「先に進もうぜ。カイトのためにも」

アストラル「立つんだ遊馬、遊矢」

遊馬「ああ・・・そうだよ。カイトが命を懸けてデュエルしたんだ」

遊矢「ここで泣いてちゃカイトさんの無念を晴らせない」

ユート「くっ・・・」

黒咲「俺達は先へ行く」

シャーク「すぐに地獄を賑やかにしてやるからなカイト」

沢渡「あんな化け物しかいねえのか」

黒咲「最早ただの化け物集団だ。心だけではなく身も」

沢渡「まだ頂上に着かないのかよ・・・クソ」

遊矢「我儘言うなよ」

シャーク「なあ融合次元の奴らにかっとビングは通用すんのか?」

遊馬「あいつらは人の命を何とも思ってねえよ。そんな奴ら俺は知らねえ」

シャーク「お前は笑顔にしたいか?」

遊矢「人から笑顔を奪う奴らをしたいとは思わない。デュエルを兵器にしか考えない奴らなんて」

サッサッサ

シャーク「こいつらを頼んだぜ黒咲!」

黒咲「任せろ」

遊矢「な、何!?」

黒咲「すでに囲まれている!走るぞ!」

遊馬「シャーク!」

シャーク「先に行ってろ遊馬!後で必ずたどり着く!」

シャーク「まるで忍者だな、姿が見えないぜ」

沢渡「忍者って言えば俺の知り合いにも居るんだよな」

シャーク「て、てめえ!何でここに居るんだよ!?」

沢渡「この俺が見捨てるわけないだろ。何てって俺は」

シャーク「とか言いながら逃げ遅れたんじゃねえのか」

沢渡「う、うるせえ!」

シャーク「・・・1人よりマシか、構えろ」

沢渡「ああ」

シャーク「そういやお前って何でついて来たんだ」

沢渡「別に」

シャーク「遊矢が放っておけなかった。そうじゃねえのか?」

沢渡「てめえは!」

シャーク「俺か?言わなくてもわかるだろ」

シュッ

沢渡「来たぜ!」

シャーク「ああ!」

数日後

小鳥「助け出してくれてありがとうね遊馬!」

遊馬「気にするな。ただし今回だけだからな」

小鳥「うん」

遊馬「デュエル習いたいなら俺に頼めよ」









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